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JP5160051B2 - 光電変換素子 - Google Patents

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Description

本発明は、光電変換素子に関する。より詳しくは、新しい封止構造により、耐久性に優れた光電変換素子に関する。
環境問題、資源問題などを背景に、クリーンエネルギーとしての太陽電池が注目を集めている。太陽電池としては単結晶、多結晶あるいはアモルファスのシリコンを用いたものがある。しかし、従来のシリコン系太陽電池は製造コストが高い、原料供給が不充分などの課題が残されており、大幅普及には至っていない。
また、Cu−In−Se系(CIS系とも呼ぶ)などの化合物系太陽電池が開発されており、極めて高い光電変換効率を示すなど優れた特徴を有しているが、コストや環境負荷などの問題があり、やはり大幅普及への障害となっている。
これらに対して、色素増感型太陽電池は、スイスのグレッツェルらのグループなどから提案されたもので、安価で高い光電変換効率を得られる光電変換素子として着目されている(非特許文献1を参照)。
図4は、従来の色素増感型太陽電池の一例を示す断面図である。
この色素増感型太陽電池100は、増感色素を担持させた多孔質半導体層103が一方の面に形成された第一基板101と、透明導電層104が形成された第二基板105と、これらの間に封入された例えばゲル状電解質からなる電解質層を主な構成要素としている。
第一基板101としては、光透過性の板材が用いられ、第一基板101の色素増感半導体層103と接する面には導電性を持たせるために透明導電層102が配置されており、第一基板101、透明導電層102および多孔質半導体層103により作用極108をなす。
第二基板105としては、電解質層106と接する側の面には導電性を持たせるために例えば炭素や白金などからなる導電層104が設けられ、第二基板および導電層104により対極109を構成している。
多孔質半導体層103と導電層104が対向するように、第一基板101と第二基板105を所定の間隔をおいて配置し、両基板間の周辺部に熱硬化性樹脂からなる封止材107を設ける。
そして、この封止剤107を介して2つの基板101、105を貼り合わせてセルを積み上げ、電解液の注入口110を介して、両極108、109間にヨウ素・ヨウ化物イオンなどの酸化・還元極を含む有機電解液を充填し、電荷移送用の電解質層106を形成したものが挙げられる。
しかしながら、このような光電変換素子に用いられているゲル状電解質は、実際には、ナノ無機フィラーがヨウ素を含む電解液に分散されたペースト状の物体であるため、そのまま放置しておけば、徐々に固−液分離して電解液のみが滲むように流れ出てくる。このヨウ素電解液は、多くの高分子や金属に対してアタックが強く、耐えられる樹脂と金属は限られており、高分子の場合は、ポリオレフィン系樹脂くらいしか適当なものがなかった。
このような状況に加え、セルの重量を軽くしたいという要求があり、セルの封止はできる限り単純な方法が求められている。そこで、窓側の透明電極板と背面電極板を直接、シリコンシーラントや感光性エポキシまたは、アクリル樹脂等で封止してきたが、ヨウ素電解液に対する耐性が十分なく、耐久性に問題があった。
O’ Regan B, Gratzel M. A low cost, high-efficiency solar cell based on dye-sensitized colloidal TiO2 films, Nature 1991;353:737-739
本発明は、このような従来の実情に鑑みて提案されたものであり、優れた封止性を有しつつ、素子の軽量化を図ることが可能な光電変換素子を提供することを目的とする。
本発明の請求項1に記載の光電変換素子は、導電性の第一基材からなる対極と、絶縁性の透明な第二基材と、該第二基材の一面に透明導電膜を介して配され、少なくとも一部に色素を担持した多孔質酸化物半導体層とを備え、該多孔質酸化物半導体層が前記第一基材の一面と対向して配される作用極と、前記対極と前記作用極との間の少なくとも一部に配された電解質層と、から構成され、前記第一基材は、前記第二基材と重なり平面視して同一の形状を有し、前記前記第一基材と前記第二基材の側面部を被覆するように封止材を配するとともに、前記封止材は、前記第一基材と前記第二基材の間の外周部にも入り込むように配されていることを特徴とする。
本発明の請求項に記載の光電変換素子は、請求項1において、前記封止材を被覆するように、保護部材が配されていることを特徴とする
本発明の請求項に記載の光電変換素子は、請求項1または2において、前記封止材は、ポリオレフィン系樹脂からなることを特徴とする。
本発明では、作用極と重なり略同一の面形状を有する対極との側面部を被覆するように封止材を配することで封止しているので、優れた封止性を有しつつ、素子の軽量化を図ることが可能な光電変換素子を提供することができる。
以下、本発明に係る光電変換素子の一実施形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明に係る光電変換素子10A(10)の一実施形態を示す概略断面図である。
本発明の光電変換素子10は、導電性の第一基材11からなる対極12と、絶縁性の透明な第二基材13と、該第二基材13の一面に透明導電膜14を介して配され、少なくとも一部に色素を担持した多孔質酸化物半導体層15とを備え、該多孔質酸化物半導体層15が前記第一基材11の一面と対向して配される作用極16と、前記対極11と前記作用極16との間の少なくとも一部に配された電解質層17と、から構成される。
そして本発明の光電変換素子10は、前記第一基材11は、前記第二基材13と重なり略同一の面形状を有し、前記第一基材11と前記第二基材13の側面部を被覆するように封止材18を配したことを特徴とする。
従来の光電変換素子では、作用極と対極との間に封止材を配していたが、本発明では、重ねられた作用極16と対極12の側面部を少なくとも被覆するように封止材18を配することで封止しているので、優れた封止性を有し、電解質の液漏れを防止しつつ、素子の薄型化、軽量化を図ることができる。
また、図2に示すように、前記封止材18は、作用極16(第二基材13)と対極12(第一基材11)の間の外周部にも入り込むように配されていることが好ましい。封止材18を、基板間に入り込むように配することで、強固に封止することができる。これにより、封止性が向上し、電解質の液漏れを確実に防止することができる。
さらに、図3に示すように、前記封止材18を被覆するように、保護部材19が配されていることが好ましい。保護部材19が配されることにより、封止性がより向上し、電解質の液漏れをより確実に防止することができる。
第二基材13としては、光透過性の素材からなる基板が用いられ、ガラス、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリエーテルスルホンなど、通常、光電変換素子10の透明基材として用いられるものであればいかなるものでも用いることができる。第二基材13は、これらの中から電解液への耐性などを考慮して適宜選択される。また、第二基材13としては、用途上、できる限り光透過性に優れる基板が好ましく、透過率が90%以上の基板がより好ましい。
透明導電膜14は、第二基材13に導電性を付与するために、その一方の面に形成された薄膜である。透明導電性基板の透明性を著しく損なわない構造とするために、透明導電膜14は、導電性金属酸化物からなる薄膜であることが好ましい。
透明導電膜14を形成する導電性金属酸化物としては、例えば、スズ添加酸化インジウム(ITO)、フッ素添加酸化スズ(FTO)、酸化スズ(SnO)などが用いられる。これらの中でも、成膜が容易かつ製造コストが安価であるという観点から、ITO、FTOが好ましい。また、透明導電膜14は、ITOのみからなる単層の膜、または、ITOからなる膜にFTOからなる膜が積層されてなる積層膜であることが好ましい。
透明導電膜14を、ITOのみからなる単層の膜、または、ITOからなる膜にFTOからなる膜が積層されてなる積層膜とすることにより、可視域における光の吸収量が少なく、導電率が高い透明導電性基板を構成することができる。
多孔質酸化物半導体層15は、透明導電膜14の上に設けられており、その表面には増感色素が担持されている。多孔質酸化物半導体層15を形成する半導体としては特に限定されず、通常、光電変換素子用の多孔質酸化物半導体を形成するのに用いられるものであれば、いかなるものでも用いることができる。このような半導体としては、例えば、酸化チタン(TiO)、酸化スズ(SnO)、酸化タングステン(WO)、酸化亜鉛(ZnO)、酸化ニオブ(Nb)などを用いることができる。
多孔質酸化物半導体層15を形成する方法としては、例えば、市販の酸化物半導体微粒子を所望の分散媒に分散させた分散液、あるいは、ゾル−ゲル法により調製できるコロイド溶液を、必要に応じて所望の添加剤を添加した後、スクリーンプリント法、インクジェットプリント法、ロールコート法、ドクターブレード法、スプレー塗布法など公知の塗布方法により塗布した後、このポリマーマイクロビーズを加熱処理や化学処理により除去して空隙を形成させ多孔質化する方法などを適用することができる。
増感色素としては、ピピリジン構造、ターピリジン構造などを配位子に含むルテニウム錯体、ポリフィリン、フタロシアニンなどの含金属錯体、エオニン、ローダミン、メロシアンなどの有機色素などを適用することができ、これらの中から、用途、使用半導体に適した挙動を示すものを特に限定なく選ぶことができる。
電解質層17は、多孔質酸化物半導体層15内に電解液を含浸させてなるものか、または、多孔質酸化物半導体層15内に電解液を含浸させた後に、この電解液を適当なゲル化剤を用いてゲル化(擬固体化)して、多孔質酸化物半導体層15と一体に形成されてなるもの、あるいは、イオン性液体、酸化物半導体粒子および導電性粒子を含むゲル状の電解質が用いられる。
上記電解液としては、ヨウ素、ヨウ化物イオン、ターシャリ−ブチルピリジンなどの電解質成分が、エチレンカーボネートやメトキシアセトニトリルなどの有機溶媒に溶解されてなるものが用いられる。
この電解液をゲル化する際に用いられるゲル化剤としては、ポリフッ化ビニリデン、ポリエチレンオキサイド誘導体、アミノ酸誘導体などが挙げられる。
上記イオン性液体としては、特に限定されるものではないが、室温で液体であり、四級化された窒素原子を有する化合物をカチオンまたはアニオンとした常温溶融性塩が挙げられる。
常温溶融性塩のカチオンとしては、四級化イミダゾリウム誘導体、四級化ピリジニウム誘導体、四級化アンモニウム誘導体などが挙げられる。
常温溶融塩のアニオンとしては、BF 、PF 、F(HF) 、ビストリフルオロメチルスルホニルイミド[N(CFSO ]、ヨウ化物イオンなどが挙げられる。
イオン性液体の具体例としては、四級化イミダゾリウム系カチオンとヨウ化物イオンまたはビストリフルオロメチルスルホニルイミドイオンなどからなる塩類を挙げることができる。
上記酸化物半導体粒子としては、物質の種類や粒子サイズなどが特に限定されないが、イオン性液体を主体とする電解液との混和製に優れ、この電解液をゲル化させるようなものが用いられる。また、酸化物半導体粒子は、電解質の半導電性を低下させることがなく、電解質に含まれる他の共存成分に対する化学的安定性に優れることが必要である。特に、電解質がヨウ素/ヨウ化物イオンや、臭素/臭化物イオンなどの酸化還元対を含む場合であっても、酸化物半導体粒子は、酸化反応による劣化を生じないものが好ましい。
このような酸化物半導体粒子としては、TiO、SnO、WO、ZnO、Nb、In、ZrO、Ta、La、SrTiO、Y、Ho、Bi、CeO、Alからなる群から選択される1種または2種以上の混合物が好ましく、二酸化チタン微粒子(ナノ粒子)が特に好ましい。この二酸化チタンの平均粒径は2nm〜1000nm程度が好ましい。
上記導電性微粒子としては、導電体や半導体など、導電性を有する粒子が用いられる。この導電性粒子の比抵抗の範囲は、好ましくは1.0×10−2Ω・cm以下であり、より好ましくは、1.0×10−3Ω・cm以下である。また、導電性粒子の種類や粒子サイズなどは特に限定されないが、イオン性液体を主体とする電解液との混和性に優れ、この電解液をゲル化するようなものが用いられる。さらに、電解質中で酸化被膜19(絶縁被膜19)などを形成して導電性を低下させることがなく、電解質に含まれる他の共存成分に対する化学的安定性に優れることが必要である。特に、電解質がヨウ素/ヨウ化物イオンや、臭素/臭化物イオンなどの酸化還元対を含む場合でも、酸化反応による劣化を生じないものが好ましい。
このような導電性微粒子としては、カーボンを主体とする物質からなるものが挙げられ、具体例としては、カーボンナノチューブ、カーボンファイバ、カーボンブラックなどの粒子を例示できる。これらの物質の製造方法はいずれも公知であり、また、市販品を用いることもできる。
第一基材11としては、導電性を有する基材からなり、第二基材13と同様のものや、特に光透過性をもつ必要がないことから金属板、合成樹脂板などが用いられる。
第一基材がガラスや合成樹脂板などからなる場合、導電性を付与するために、その一方の面に金属、炭素などからなる薄膜(導電膜)が形成されていてもよい。導電膜としては、例えば炭素や白金などの層を、蒸着、スパッタ、塩化白金酸塗布後に熱処理を行ったものが好適に用いられるが、電極として機能するものであれば特に限定されるものではない。
封止材18としては、ポリオレフィン系樹脂からなることが好ましい。ポリオレフィン系樹脂からなる封止材を用いることにより、電解液による封止材の劣化を防止することができ、これにより、電解液漏れを防止して耐久性を向上することができる。また、色素の劣化を抑制することができる。
このようなポリオレフィン系樹脂としては、例えば、ハイミラン(登録商標、三井・デュポン ポリケミカル社製)等が好ましく用いられる。
また、図3に示すように、封止材18を被覆するように保護部材19を配する場合、このような保護部材19としては、例えば、熱収縮チューブ等が用いられる。
次に、この実施形態の光電変換素子10Cの製造方法について説明する。
まず、透明な第二基材13の一方の面の全域を覆うように透明導電膜14を形成し、透明導電性基板を作製する。
透明導電膜14を形成する方法としては、特に限定されるものではなく、例えば、スパッタリング法、CVD(化学気相成長)法、スプレー熱分解法(SPD法)、蒸着法などの薄膜形成法が挙げられる。
その中でも、前記透明導電膜14は、スプレー熱分解法により形成されたものであることが好ましい。透明導電膜14を、スプレー熱分解法により形成することで、容易にヘーズ率を制御することができる。また、スプレー熱分解法は、減圧システムが不要なため、製造工程の簡素化低コスト化を図ることができるので好適である。
次いで、透明導電膜14を覆うように、多孔質酸化物半導体層15を形成する。この多孔質酸化物半導体層15の形成は、主に塗布工程と乾燥・焼成工程からなる。
塗布工程とは、例えばTiO粉末と界面活性剤を所定の比率で混ぜ合わせてなるTiOコロイドのペーストを、親水性化を図った透明導電膜14の表面に塗布するものである。その際、親水性化を図った透明導電膜14の表面に塗布するものである。その際、塗布法としては、加圧手段(例えば、ガラス棒)を用いて前記コロイドを透明導電膜14上に押し付けながら、塗布されたコロイドが均一な厚さを保つように、加圧手段を透明導電膜14の上空を移動させる方法が挙げられる。
乾燥・焼成工程とは、例えば大気雰囲気中におよそ30分間、室温にて放置し、塗布されたコロイドを乾燥させた後、電気炉を用いおよそ30分間、350℃の温度にて焼成する方法が挙げられる。
次に、この塗布工程と乾燥・焼成工程により形成された多孔質酸化物半導体層15に対して色素担持を行う。
色素担持用の色素溶液は、例えばアセトニトリルとt−ブタノールを容積比で1:1とした溶媒に対して極微量のN719粉末を加えて調整したものを予め準備しておく。
シャーレ状の容器内に入れた色素溶媒に、別途電気炉にて120〜150℃程度に加熱処理した多孔質酸化物半導体層15を浸した状態とし、暗所にて一昼夜(およそ20時間)浸漬する。その後、色素溶液から取り出した多孔質酸化物半導体層15は、アセトニトリルとt−ブタノールからなる混合溶液を用い洗浄する。
上述した工程により、色素担持したTiO薄膜からなる多孔質酸化物半導体層15を透明な第一基板13上に設けてなる作用極16(窓極とも呼ぶ)を得る。
一方、別の基材(必ずしも透明である必要はない)の一方の面に、例えば白金からなる導電膜を蒸着法などにより形成してなる対極12を設ける。この対極12には、その厚み方向に貫通する穴を少なくとも2ヶ所設ける。この穴は、後述する電解液を注入する際の注入口である。
色素担持させたTiO薄膜からなる多孔質酸化物半導体層15が上方をなすように作用極16を配置し、この多孔質酸化物半導体層15と第一基材11が対向するように、対極12を作用極16に重ねて設ける。その後、すなわち作用極16と対極12の重なった側面部を被覆するように封止材18を配する。
具体的には、例えば、まず作用極16と対極12が重ねられてなる積層体の周囲に、リング状に成形されたポリオレフィン系樹脂からなる封止材18をはめ込み、さらに、その上に熱収縮チューブからなる保護部材19をはめ込む。
次に、工業用高温ドライヤー(ブラジェット)を用いて加熱し、熱収縮チューブ(保護部材19)を収縮させる。これにより熱収縮チューブが強い収縮応力を有しながら収縮し、封止材18をより強固に積層体の側面部に圧接するとともに、封止材18も熱を受けて流動可能な状態になり、効果的にセルを封止する。このあと、さらに熱圧着器を利用して加圧を行うと、より確実にセルを封止することができる。
封止材18が固化した後、積層体20の空隙、すなわち作用極16と対極12と封止材18で囲まれた空間内に、対極12に設けた注入口から電解質溶液を注入する。これにより色素増感型の光電変換素子10が形成される。
このようにして得られる光電変換素子は、作用極と重なり略同一の面形状を有する対極との側面部を被覆するように封止材を配することで封止しているので、優れた封止性を有し、電解液による封止材の劣化や電解質の液漏れを防止し耐久性を向上することができる。また、素子の薄型化を図ることができる。
さらに、前記封止材を被覆するように、保護部材が配されているので、より強固に封止すことができ、電解質の液漏れをより確実に防止することができる。
(実施例)
ガラス基板(20mm×20mm)上に、スプレー熱分解法によりITO透明導電膜を700nmの厚さに成膜した。
透明導電性基板の透明導電層上に、酸化チタン微粒子多孔質層(面積5×9mm)を約6μmの厚さに形成した。そして該酸化チタン微粒子多孔質膜にN3色素(Ru(2,2’-bipyridine-4,4’-dicarboxylic acid)(NCS))を担持させることで多孔質酸化物半導体層を形成し、作用極を得た。
対極は、チタン基板(厚さ0.5mm)上に白金をスパッタリング法により成膜することで作製した。
得られた作用極と対極との間に電解質を介在させて積層し、対極と電解質層との側面部に封止材を配して封止することで色素増感型の光電変換素子を作製した。電解質には、メトキシアセトニトリルを溶媒とした揮発系電解液を用いた。
ここで、封止材には、ハイミラン(登録商標、三井・デュポン ポリケミカル社製) を用い、保護部材には、熱収縮チューブ(住友電工社製)を用いた。
まず、ハイミランを熱プレスにより厚さ0.5mmのシートを作製した。そのシートを幅15mm×長さ80mmにカットし、さらに、両端5mmを重ね合わせ、熱圧着して、円周が75mmの輪状のものを用意した。また熱収縮チューブは、円周が85mmのものを用意し、幅20mmにカットした。
次に、輪状にハイミランのシートを延伸しながら、20mm角セルの周囲にはめ込み、さらに、その上に収縮チューブをはめ込み、20mm角の周囲の外にまずハイミランのシート、次に収縮チューブがくるようにした。
そのようになったセルをまず、熱収縮チューブの収縮加工に利用する工業用高温ドライヤー(ブラジェット)を利用し加熱し、収縮させた。このあと、さらに熱圧着器を利用して加圧を行い、より確実にセルを封止した。
このようにして得られた光電変換素子の全体厚は2.8mmであった。
この光電変換素子は、1ヶ月間放置しても、電解液による封止材の劣化が生じず、電解液漏れが起きないことが確認された。
本発明は、色素増感型太陽電池に代表される光電変換素子に適用可能である。
本発明に係る光電変換素子の一例を示す概略断面図である。 本発明に係る光電変換素子の一例を示す概略断面図である。 本発明に係る光電変換素子の一例を示す概略断面図である。 従来の光電変換素子の一例を示す概略断面図である。
符号の説明
10 光電変換素子、11 第一基材、12 対極、13 第二基材、14 透明導電膜、15 多孔質酸化物半導体層、16 作用極、17 電解質層、18 封止材、19 保護部材。

Claims (3)

  1. 導電性の第一基材からなる対極と、
    絶縁性の透明な第二基材と、該第二基材の一面に透明導電膜を介して配され、少なくとも一部に色素を担持した多孔質酸化物半導体層とを備え、該多孔質酸化物半導体層が前記第一基材の一面と対向して配される作用極と、
    前記対極と前記作用極との間の少なくとも一部に配された電解質層と、から構成され、
    前記第一基材は、前記第二基材と重なり平面視して同一の形状を有し、前記前記第一基材と前記第二基材の側面部を被覆するように封止材を配するとともに、
    前記封止材は、前記第一基材と前記第二基材の間の外周部にも入り込むように配されていることを特徴とする光電変換素子。
  2. 前記封止材を被覆するように、保護部材が配されていることを特徴とする請求項1に記載の光電変換素子。
  3. 前記封止材は、ポリオレフィン系樹脂からなることを特徴とする請求項1または2に記載の光電変換素子。
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