JP5144228B2 - パンツ型使い捨ておむつ - Google Patents
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Description
例えば、ウエスト開口部の周縁端と吸液性コアパネルの上端に沿って横方向に延びる第1画成線との間の前後側胴開口伸縮域に第1弾性部材が配置され、該第1画成線とレッグ開口部の各々の上部近傍間を結ぶ第2画成線との間の前側胴回伸縮域に第3弾性部材が配置され、前側胴回伸縮域が、上部伸縮域、中間部伸縮域及び下部伸縮域を有し、第1弾性部材の伸長応力を、上部及び下部伸縮域の各々における第3弾性部材のそれよりも大きくし、上部及び下部伸縮域の各々における第3弾性部材の伸長応力を、中間部伸縮域における第3弾性部材のそれよりも大きくしたパンツ型使い捨ておむつが提案されている(特許文献1参照)。
このおむつによれば、着用中のおむつのずれ落ちを防止できる。
しかし、パンツ型使い捨ておむつには、より高いずれ落ち防止性能やより良い履き心地が求められている。
本実施形態のパンツ型使い捨ておむつ1は、図1に示すように、着用時に着用者の腹側に配される腹側部A、股間部に配される股下部C及び背側に配される背側部Bを有しており、一対のサイドシール部S,S、ウエスト開口部5及び一対のレッグ開口部6,6が形成されている。
より詳細に説明すると、パンツ型使い捨ておむつ1は、図2に示すように、液透過性の表面シート2、液不透過性又は撥水性の裏面シート3及び両シート2、3間に介在配置された液保持性の吸収性コア4を有する実質的に縦長の吸収体本体10と、該吸収体本体10の裏面シート3側に配された外包材11とからなる。
表面シート2、裏面シート3及び吸収性コア4はそれぞれ矩形状であり、一体化されて縦長の吸収体本体10を形成している。表面シート2及び裏面シート3としては、従来この種のおむつに用いられているものを特に制限なく用いることができる。また吸収性コア4は、高吸収性ポリマーの粒子及び繊維材料から構成されており、ティッシュペーパ(図示せず)によって被覆されている。
外包材11は、2枚の不織布、即ち外層不織布12と内層不織布13とが積層された構造を有している。外層不織布12はおむつ1の外面をなし、内層不織布13は外層不織布12の内面側(吸収性本体10側)に、ホットメルト粘着剤等の接着剤によって接合されている。
第2領域2F,2Rの平均収縮力と第4領域4F,4Rの平均収縮力とが、それぞれ、第3領域3F,3Rの平均収縮力より大きいため、第2領域2F,2Rにより腸骨稜9aから上前腸骨棘9bにかけての部位を強く締め付けることができると共に、第4領域4F,4Rにより、転子9cが位置する部位を強く締め付けることができ、それにより、優れたずれ落ち防止性能が得られる。
しかも、着用者における、腹側部Aの第4領域4Fが当接する部分は、図3に示すように、体型的に括れた部分であり、骨が体表近くに存在すると共に皮膚の伸び縮みが生じにくい部分である。そのため、腹側部Aの第4領域4Fの収縮力を、背側部Bの第4領域4Rの収縮力より大きくして、背側部B側より腹側部A側をより強く着用者の肌にフィットさせることで、着用状態のおむつが安定し、着用中に一層優れたずれ落ち防止性能が得られるとともに良好なはかせやすさを維持することが可能となる。
そのため、第3領域3F,3Rの平均収縮力を弱めて、そのような部分にはおむつを強くフィットさせないようにすることで、皮膚の伸縮との連動によるずれ落ちを防止でき、ずれ落ち防止性能が一層向上する。また、皮膚が大きく伸長するところに、おむつを強くフィットさせないことにより、はき心地も一層向上し、また、着用者の肌にゴム跡や赤みが付けたりすることも防止することができる。
また、腹側部A及び背側部Bの第1領域1F,1Rの平均収縮力は、腹側部Aの第1領域1Fの収縮力の測定値と背側部Bの第1領域1Rの収縮力の測定値とを平均した値である。第2領域から第4領域の平均収縮力についても同様である。
また、隣接する帯状領域間の境界線(図示せず)は、おむつ幅方向(X方向,図2参照)と平行である。尚、各帯状領域1F〜4F,1R〜4Rの幅aは、上部仮想直線L1と下部仮想直線L2との間の領域Dの幅Lの1/4である。
前記領域Dの幅Lは、サイドシール部Sのおむつ長手方向(図2の上下方向)の長さの70%以上であることが好ましく、90%以上であることがより好ましい。
また、ずれ落ち防止性能や履き心地の向上等の観点から、第4領域の平均収縮力(H4)は、60〜150cN、特に60〜120cNであることが好ましく、第4領域の平均収縮力(H4)と第3領域の平均収縮力(H3)との差(H4−H3)は、0cN超であり、50〜140cNであることが好ましく、特に50〜110cNであることが好ましい。
また、ずれ落ち性の一層の向上の観点から、腹側部Aの第4領域4Fの収縮力は、60〜240cN、特に60〜160cNであることが好ましく、背側部Bの第4領域4Rの収縮力は、10〜60cN、特に10〜40cNであることが好ましく、腹側部Aの第4領域4Fの収縮力と背側部Bの第4領域4Rの収縮力との差は、0〜230cN、特に20〜150cNであることが好ましい。
おむつを図2に示すように展開して平面状に拡げ、該おむつを、おむつ幅方向と平行な直線に沿って切断して、腹側部A及び背側部Bそれぞれから第1〜第4領域をそれぞれ切り出す。この切り出しの際には、外包材11のみならず、吸収性本体10等を含むおむつ全体を切断する。
切り出した各領域(測定サンプル)の長手方向の両端(サイドシール部を形成していた部分のすぐ内側)を、テンシロン引張試験機(ORIENTEC社製「RTC−1210A」)のチャックに挟み、該測定サンプルを300mm/minの速度で長手方向に伸長させ、外包材11の内寸〔弾性部材により外包材のシートが収縮していない状態(換言すれば弾性部材を配さずに外包材のみを伸展させた状態)で測定した外包材11のサイドシール部間の長さ〕を100(例えば350mm)としたときの、80相当(例えば280mm)の長さまで伸長させた後に、71相当(例えば250mm)の長さまで収縮させたときの引張り荷重(cN)を収縮力とする。外包材11の内寸を100としたときの71相当の長さにおける戻りの力を規定した理由は、本実施形態のパンツ型使い捨ておむつ1を着用する主たる対象者である幼児の腹回りの長さがおむつ内寸と比して71%程度となるからである。なお、ここで言う腹回りの長さは、幼児の姿勢が変化したときの腹回りの周長の変化を考慮し、立位および座位で測定した腹回りの平均値である。
背側部Bの第2領域2Rが当接する部分は、図3に示すように、体型的にくびれた部分であり、骨が体表近くにまで存在すると共に皮膚の変動が少ない部分である。そのため、背側部Bの第2領域2Rの収縮力を、腹側部Aの第2領域2Fの収縮力より大きくして、腹側部A側より背側部B側をより強く着用者の肌にフィットさせることで、一層ずれ落ち防止性能を向上させることができる。ずれ落ち防止性能の一層の向上の観点から、背側部Bの第2領域2Rの収縮力は、60〜240cN、特に60〜160cNであることが好ましく、腹側部Aの第2領域2Fの収縮力は、10〜60cN、特に10〜40cNであることが好ましく、背側部Bの第2領域2Rの収縮力と腹側部Aの第2領域2Fの収縮力との差は、0〜230cN、特に20〜150cNであることが好ましい。
腹側部の第2領域2Fと背側部Bの第2領域2Rの収縮力は同じであっても良い。
また、レッグ開口部の周縁部に沿うレッグ部弾性部材61a,61bは配されていなくても良い。本発明におむつは、優れたずれ防止性能を有するため、レッグ部弾性部材61a,61bを無くしても、レッグ開口部からの漏れが生じ難い。
下記表1に示す第1〜第4領域を腹側部及び背側部に有するパンツ型使い捨ておむつを製造した。なお、この際レッグ開口部6に弾性部材を導入しないことで、ウエスト開口部からレッグ開口部までの胴回り領域の収縮力の影響を明らかにした。吸収性本体10における表面シート2は、坪量25g/m2の親水性エアースルー不織布から構成されていた。裏面シート3は、坪量20g/m2のポリエチレンシートから構成されていた。また外包材11における外層不織布12は、坪量25g/m2の撥水性エアースルー不織布から構成されており、内層不織布13は、坪量18g/m2の撥水性スパンボンド不織布から構成されていた。各例とも、腹側部A及び背側部Bそれぞれについて、第1及び2領域には6本、第3及び4領域には5本の弾性部材を配した。第1、2領域においては6本、第3,4領域においては5本導入されている各弾性部材によって生じる収縮力は、最細で310dtexの糸ゴムから最太で平ゴムまでの弾性部材の種類を用い、その伸長率を変えることで変化させた。得られたおむつにおける各値を表1に示す。
得られたおむつを1〜2才相当のベビー動的モデルに装着させ、以下の評価を行った。
(1)ずれ落ちにくさ(ベビー動的モデルによるずれ落ち評価によりウエストの装着位置が90mm以下であったかどうか)
○:ずれ落ちにくい(ウエストの装着位置の変化が90mm以下である)
×:ずれ落ちやすい(ウエストの装着位置の変化が90mm以上である)
(2)外観(ベビー動的モデル装着時に腹側と背側の収縮力の違いによるひきつれ感や、ずれ落ちたあとの製品の折り重なりによるもたつきを起こしていないかどうか)
○:良好
×:問題あり
(3)締め付け(ベビー動的モデルを圧迫していないかどうか)
○:締め付けていない(各領域の平均収縮力が150cN以下である)
×:締め付けている(各領域の平均収縮力が150cN以上になるところがある)
2 表面シート
3 裏面シート
4 吸収性コア
5 ウエスト開口部
6 レッグ開口部
1F 腹側部の第1領域
2F 腹側部の第2領域
3F 腹側部の第3領域
4F 腹側部の第4領域
1R 背側部の第1領域
2R 背側部の第2領域
3R 背側部の第3領域
4R 背側部の第4領域
L1 上部仮想直線
L2 下部仮想直線
Claims (3)
- 腹側部、股下部及び背側部を有し、一対のサイドシール部、ウエスト開口部及び一対のレッグ開口部が形成されているパンツ型使い捨ておむつであって、
一対のサイドシール部それぞれにおける最も上方に位置する弾性部材の上端同士を結ぶ上部仮想直線と、一対のサイドシール部それぞれにおける最も下方に位置する弾性部材の下端同士を結ぶ下部仮想直線との間の領域を、おむつ幅方向に延びる4本の同じ幅の帯状領域に区分し、該4本の帯状領域を、上部仮想直線側から下部仮想直線側に向かって順に第1領域、第2領域、第3領域、第4領域としたときに、
腹側部及び背側部の第2領域の平均収縮力と、腹側部及び背側部の第4領域の平均収縮力とが、それぞれ、腹側部及び背側部の第3領域の平均収縮力より大きく、
腹側部の第4領域の収縮力が、背側部の第4領域の収縮力より大きく、
腹側部及び背側部の第2領域の平均収縮力が、腹側部及び背側部の第1領域の平均収縮力より大きく、
第2領域は、おむつを着用したときに着用者の腸骨稜から上前腸骨棘にかけての部位に当接する領域であり、第4領域は、おむつを着用したときに着用者の転子の部位に当接する領域である、パンツ型使い捨ておむつ。 - 背側部の第2領域の収縮力が、腹側部の第2領域の収縮力より大きい、請求項1記載のパンツ型使い捨ておむつ。
- レッグ開口部の周縁部に沿う弾性部材が配されていない、請求項1又は2記載のパンツ型使い捨ておむつ。
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