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JP5082422B2 - 切削工具 - Google Patents

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Description

本発明は、コバ欠けの抑制に好適な切削工具に関するものである。
コバ欠けの抑制を目的とした転削工具として、バリ取り刃のコーナ角が負で、切削刃の切刃に対して、バリ取り刃の外周側切刃がカッター本体の内方側に微小量引き込んで配置されかつ先端側切刃がカッター本体の軸方向先端側に微小量突出して配置されたバリ取りカッターで、バリ取り刃のコーナ角を、−15〜−25度の範囲とし、切削刃の切刃に対するバリ取り刃の先端側切刃のカッター本体の軸方向先端側への突出量を0.05mm未満としたものがある。
このようなバリ取り刃を設けたことにより、切削刃による切削で発生する切削面の終端部のバリ、つまり切削し残した部分がカッターの進行方向に倒れても、コーナ角が負で−20度に設定されているため、バリ取り刃で切り落とされる(例えば、特許文献1参照)。
特開2002−326113号公報(図1等)
しかしながら、特許文献1に記載された発明では、鋳鉄等の鋳造面に鋳砂が残っていたり湯口や鋳バリのような切込み変動を生じたりする切削加工において、充分な切刃強度が確保できず切刃欠損が生じ工具寿命が短いという問題があった。
本発明は、上記問題を解決するためになされたもので、コバ欠けを抑制するとともに工具寿命の長い切削工具を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明は、スローアウェイチップが工具本体に装着されてなる切削工具において、前記スローアウェイチップは多角形平板状をなし、少なくとも一方の多角形面にすくい面が形成され、周面に逃げ面が形成され、これらすくい面と逃げ面との交差稜線部に切刃が形成され、前記切刃は、少なくとも、該切削工具の送り方向と略平行方向に延在するさらい刃と、このさらい刃に交差し該さらい刃の前記送り方向前方側へ延在する副切刃と、この副切刃に交差し該切削工具の切込み方向に延在する主切刃と、から構成され、前記副切刃のアプローチ角が75°以上88°以下の範囲に設定されるとともに、前記副切刃におけるすくい角が−10°以上25°以下の範囲に設定されていることを特徴とする切削工具である。
副切刃のアプローチ角を75°以上88°以下にすることにより、該副切刃に直交する方向でみた切取り厚さが充分に小さくなり、副切刃に接する切削面に作用する切削抵抗が小さくなるため、切削面の終端部におけるコバ欠けが抑制される。また、副切刃に作用する切削抵抗が小さくなるため、該副切刃の欠損がおさえられて、工具寿命の悪化が防止される。さらに、副切刃におけるすくい角を−10°以上25°以下の範囲に設定したことから、副切刃に接する被加工面に作用する切削抵抗がいっそう小さくなるため、被加工面における終端部のコバ欠けを抑制する効果がさらに大きくなる。
以下に、本発明を適用した正面フライスの第1の実施形態について、図面を参照して説明する。図1は、本正面フライスの底面図である。図2は、図1に示す正面フライスの一部縦断面図である。図3は、図1に示す正面フライスにおける切刃形状の拡大側面図である。図4は、本正面フライスに装着されるスローアウェイチップを説明する図であり、(a)は平面図、(b)は側面図、(c)は切刃に直交する断面(S1-S1線、S2-S2線、S3-S3線断面図)におけるホーニング断面の模式図である。
図1及び図2に図示するように第1の実施形態に係る正面フライスは、略円盤状の工具本体10の先端外周部に、円周方向に沿って複数のスローアウェイチップ20がその切刃を前記工具本体10の先端面10a及び外周面10bから突き出すように装着されてなる。
詳細には、工具本体10の先端外周部には、円周方向に沿って複数の取付溝12が設けられ、これらの取付溝12にチップ支持部材30がボルト等のねじ部材を利用して固定されている。さらに、各チップ支持部材30の工具回転方向K前方側には、該チップ支持部材30に隣接して切屑ポケット14及び楔挿入溝13が設けられている。工具本体10の先端外周部の領域に位置し、各チップ支持部材30の工具回転方向K前方側を向く壁面の外周先端部に切欠き形成されたチップ座31には、略正方形板状のチップ20がすくい面22となる一方の正方形面を工具回転方向K前方側に向けるとともに他方の正方形面をチップ座の底面31aに着座して載置されている。楔挿入溝13に挿入されボルト等のねじ部材を介して工具本体10に螺合された楔部材40を、前記ねじ部材の操作により工具本体10の内部側に沈み込ませることによって、スローアウェイチップ20は、前記正方形面を、チップ座の底面31a側に向かって押圧されることによって、工具本体10に着脱可能に装着されている。工具本体10には、その基端部の端面に、アーバ等の保持部材または工作機械の主軸端面に当接する取付面10cが形成されるとともに、工具本体の中心軸線CLに沿ってフライス穴11が穿設されている。
図4に図示するように略正方形板状を呈するスローアウェイチップ20は、一方の正方形面がすくい面22とされ、このすくい面22に交差する周面が逃げ面23とされ、これらすくい面22と逃げ面とが交差する交差稜線部に切刃が形成される。すくい面22となる正方形面の各コーナ部の稜線には、さらい刃21a及び副切刃21bが隣接して形成され、副切刃21bの一端部に連なる前記正方形面の各辺には主切刃21cが形成されている。本実施形態において、スローアウェイチップ20は、さらい刃21a、副切刃21b及び主切刃21cを挟んで交差するすくい面22と逃げ面23とのなす角度が鋭角とされた、いわゆるポジチップである。
そして、スローアウェイチップ20は、工具本体10に装着された際において、すくい面22となる正方形面が工具回転方向K前方側に向けられ、さらい刃21aが工具本体の先端面10aから突出するとともに工具本体の中心軸線CLに略直交するように延び、さらに、さらい刃21aに隣接する副切刃21bが工具本体の外周面10bから突出するとともに工具外周側かつ工具基端部側に向かって延びるように、配置されている。
副切刃21bのアプローチ角Ψbは、75°以上88°以下の範囲に設定されており、この副切刃21bの一端部から工具基端部側へ向かって延びる主切刃21cのアプローチ角Ψcは、副切刃21bのアプローチ角Ψb以下であれば特に限定されないが、本実施形態では25°程度に設定されている。
さらに、副切刃21bにおけるすくい面22のすくい角γpは、−5°を超え25°以下の範囲に設定されている。
以上に説明した正面フライスは、工具本体の中心軸線CLまわりに自転させられるとともに、前記中心軸線CLに直交する方向に送りを与えられることによって、被削材の表面を正面フライス加工する。正面フライス加工の際、切削面の終端部においては、被削材から切り離されて切屑となる部分及びその周辺の強度が弱くなるため、コバ欠けを生じやすい。
本実施形態に係る正面フライスは、副切刃21bのアプローチ角Ψbを75°以上88°以下の範囲に設定したことにより、副切刃21bに直交する方向でみた切取り厚さが充分に小さくなり、副切刃21bに接する切削面に作用する切削抵抗が小さくなるため、切削面の終端部におけるコバ欠けが抑制される。また、副切刃21bに作用する切削抵抗も小さくなるため、副切刃21bの欠損がおさえられて、工具寿命の悪化が防止される。本正面フライスでは、コバ欠けの抑制に有効かつ強度の高い副切刃21bを備えた同一チップ20を全チップ座31に装着することによって、コバ欠けの抑制効果及び工具寿命の延長効果がきわめて高くなる。
以下に、本発明に係る第2の実施形態について図を参照しながら説明する。図5は、第2の実施形態に係る正面フライスの一部縦断面図である。図5において、第1の実施形態と同様の構成については同一符号を付しその説明を省略する。
図5に図示するように第2の実施形態に係る正面フライスは、略正方形板状のチップをチップ支持部材30に形成したチップ座31に載置し、楔部材40の利用によりチップ20を工具本体10に着脱可能に固定するという基本的な構成が第1の実施形態に係る正面フライスとほぼ同様である。装着されるチップ20においては、すくい面22、さらい刃21a、副切刃21b、主切刃21c、及び逃げ面23といった基本的な構成が第1の実施形態に係るチップとほぼ同じであるが、すくい面22と逃げ面23とのなす角度がほぼ直角とされた、いわゆるネガチップである点が第1の実施形態に係るチップと相違している。
上述したとおり本実施形態において、ネガチップを採用していることから被削材の表面と副切刃21bに連なる逃げ面23との間に逃げ(クリアランス)を確保するため、副切刃21bに連なるすくい面22のすくい角γpが負とされ、好ましくは−10°以上−5°以下の範囲に設定されている。副切刃21bのアプローチ角Ψbについては、第1の実施形態に同じく、75°以上88°以下の範囲に設定されている。この副切刃21bの一端部から工具基端部側へ向かって延びる主切刃21cのアプローチ角Ψcは、副切刃21bのアプローチ角Ψb以下であれば特に限定されないが、本実施形態では、25°程度に設定されている。
以上に説明した第1及び第2の実施形態に係る正面フライスを用いて、ねずみ鋳鉄FC250(JIS G 5501)を正面フライス加工した実施例について表を参照しながら説明する。使用した各正面フライスは、工具径が125mm、刃数(チップ数)が10枚刃である。切削条件は、切削速度Vcが500m/min、切込みapが2.5mm、1刃当たり送りfが0.15mm/刃、切削油剤を用いない乾式切削である。表1は、副切刃21bのアプローチ角Ψb、副切刃21bのすくい角γpを種々変化させたときの、切削面の終端部におけるコバ欠け発生状況を示している。表1において、副切刃21bのすくい角γpが−5°以下の場合は、ネガチップを装着した第2の実施形態に係る正面フライスを使用し、前記すくい角γpが−5°より大きい場合には、ポジチップを装着した第1の実施形態に係る正面フライスを使用した。表1中で本発明に該当する正面フライスについては、コバ欠け発生状況の記入欄に※印を付した。表1における評価は、◎、○、△、×の4段階評価としており、各評価に対応するコバ欠け状況を図6に示す。図6に図示したように評価◎は、コバ欠けがほとんど生じない状態であり、評価○は、微小なコバ欠けがわずかに生じた状態であり、これらの評価◎及び○は、切削面の外観や品位に悪影響がないと判断されるものである。これらに対し、評価△は、コバ欠けの規模や発生頻度が大きく、評価×に至っては、大規模なコバ欠けが全域に発生している状況であり、これらの評価△及び×は、切削面の外観や品位に悪影響があると判断されるものである。
Figure 0005082422
表1からわかるように副切刃21bのアプローチ角Ψbが75°以上88°以下の範囲、かつ、副切刃21bのすくい角γpが−10°以上25°以下の範囲にある場合には、評価は、◎又は○と良好であり。これに対して、前記アプローチ角Ψb及び前記すくい角γpが上記の範囲外である場合には、コバ欠けの評価が△又は×と悪くなり、切削面の外観や品位に劣る結果となった。
以上に説明した第1及び第2の実施形態において、例えば日本工業規格(JIS)のJIS G 5501等に規定される鋳鉄やJIS H 5202、JIS H 5302等に規定されるアルミニウム合金に代表されるように、炭素鋼や合金鋼にくらべ硬度が低い被削材を切削する場合には、副切刃21bの稜線を、この副切刃21bの全体にわたってホーニングのないシャープエッジに形成すると、副切刃21bの切れ味が良好となり、コバ欠けを抑制する効果がいっそう大きくなる。ここで、シャープエッジとは、副切刃21bに直交する断面で該副切刃21bの先端が半径0.02mm以下の円弧状又はすくい面に直交する方向からみて幅0.02mm以下の面取状をなすものをいう。あるいは、切削条件によっては、ねずみ鋳鉄やアルミニウム合金の切削において、さらい刃21a、副切刃21b又は主切刃21cがチッピングする場合には、これらさらい刃21a、副切刃21b及び主切刃21cにわたってホーニング24を形成することによってチッピングを防止するとともに、すくい面22に直交する方向からみて、さらい刃21a及び副切刃21bのホーニング幅Wを、主切刃21cのホーニング幅Wより小さくすることによってコバ欠けを抑制することが望ましい。
一方、炭素鋼や合金鋼を切削する場合には、チッピングを防止するためさらい刃21a、副切刃21b及び主切刃21cにわたってホーニング24を形成するのが望ましい。さらに、副切刃21bのチッピングによるコバ欠けの発生を抑えることに配慮して、すくい面22に直交する方向からみて、副切刃21bのホーニング幅Wは、さらい刃21aのホーニング幅Wより大きくかつ主切刃21cのホーニング幅Wと同等以上であることが望ましい。
あるいは、主切刃21cのホーニング幅Wがさらい刃21a及び副切刃21bのホーニング幅Wより幅広に設定されていることが望ましい。これは、ホーニングの切刃強化作用によって、切刃寿命の延長をはかるとともに、さらい刃21a及び副切刃21bのホーニング幅Wを、主切刃のホーニング幅Wより小さくすることによって、切れ味の低下をおさえ、コバ欠けの抑制効果の低下を極力防止することに配慮したものである。
あるいは、第1及び第2の実施形態において、さらい刃21a、副切刃21bおよび主切刃21cにわたってホーニング24を形成する場合、すくい面22とホーニング面とのなす角度であるホーニング角度θに関して、副切刃21bのホーニング角度θを、さらい刃21aのホーニング角度θより大きく設定すると、副切刃21bにチッピングが発生することが抑制されるため、コバ欠けの発生が抑制される。このとき、主切刃21cのホーニング角度θを、副切刃21bのホーニング角度θより大きく設定すると、ホーニング24の切刃強化作用によって、切刃寿命の延長がはかられる。
次に、第3の実施形態として、本発明を適用したバイトについて、図面を参照して説明する。図7の(a)は、本バイトの要部平面図であり、(b)は要部正面図である。図8は、図7に示すバイトに装着されるチップの平面図である。
図7に図示するように本実施形態に係るバイトの工具本体10は、略棒状をなし、その基端側に設けられたシャンク10Aと、このシャンク10Aの先端側に設けられた刃部10Bとからなり、刃部10Bの上面の先端部には、チップ座31が切欠き形成されてなる。さらに、刃部10Bには、チップ座31に載置したチップ20を着脱自在に固定するためのクランプ機構が備えられている。詳細には、このクランプ機構は、締付けねじ62を旋回させて沈み込ませることにより、工具本体10に組込まれたL字状を呈するレバーピン50に、L字のコーナ部51を支点とした回転運動を喚起させて、チップ20をチップ座31に固定させると同時に、前記締付けねじ62は押え金61にも作用して、押え金61先端部の沈み込み力によりチップ20を、敷金70を介してチップ座31の底面に押えつけて固定させるものである。
本バイトに装着されるチップ20は、図8に図示するように略正方形板状をなし、一方の正方形面がすくい面22とされ、このすくい面22に交差する周面が逃げ面23とされ、これらすくい面22と逃げ面23とが交差する交差稜線部に切刃が形成される。すくい面22となる正方形面の各コーナ部の稜線には、さらい刃21a及び副切刃21bが連続的に形成され、副切刃21bの一端部に連なる前記正方形面の各辺には主切刃21cが形成されている。さらに、チップ20は、さらい刃21a、副切刃21b及び主切刃21cを挟んで交差するすくい面22と逃げ面23とのなす角度が直角とされた、いわゆるネガチップである。工具本体10に装着された際において、チップ20は、そのすくい面22となる正方形面を工具回転方向K前方側に向け、さらい刃21aを工具本体10の側面に対して最も外側に突出させるとともに、該バイトの送り方向Fにほぼ平行な方向に延在させ、このさらい刃21aに隣接する副切刃21bを、工具先端側にいくにしたがって前記さらい刃21aより漸次内側に向かうように延在させるように配される。さらに、副切刃21bにおけるアプローチ角Ψbは、75°以上88°以下の範囲に設定されている。なお、主切刃21cのアプローチ角Ψcは、副切刃21bのアプローチ角Ψb以下であれば特に限定されないが、本実施形態では、25°程度に設定されている。
さらに、副切刃21bにおけるすくい角γpは、−10°以上25°以下の範囲に設定される。図5において、本バイトは、ネガチップを装着しているため、すくい角γpが負側(−10°以上−5°以下)となるが、逃げ角が正のポジチップを装着することによって、すくい角γpが小さな負の値から正側(−5°より大きく25°以下)となる。
以上に説明したバイトにおいても、先に説明した正面フライスと同様に、副切刃21bのアプローチ角Ψbを75°以上88°以下にすることにより、該副切刃21bに直交する方向でみた切取り厚さが充分に小さくなり、副切刃21bに接する切削面に作用する切削抵抗が小さくなるため、切削面の終端部におけるコバ欠けが抑制される。また、副切刃21bに作用する切削抵抗が小さくなるため、該副切刃21bの欠損がおさえられて、工具寿命の悪化が防止される。さらに、副切刃21bにおけるすくい角γpを−10°以上25°以下の範囲に設定したことから、副切刃21bに接する被加工面に作用する切削抵抗がいっそう小さくなるため、被加工面における終端部のコバ欠けを抑制する効果がさらに大きくなる。
すくい面22に直交する方向からみた、副切刃21bの稜線の形状は、単一の直線に限定されるものではなく、複数の直線、あるいは、一つ又は複数の円弧、もしくは、一つ又は複数の円弧と一つ又は複数の直線、で構成されてもかまわない。ここで、副切刃21bのアプローチ角Ψbは、副切刃21bの各位置の接線におけるアプローチ角で定義される。
第3の実施形態において、例えば日本工業規格(JIS)のJIS G 5501等に規定される鋳鉄やJIS H 5202、JIS H 5302等に規定されるアルミニウム合金に代表されるように、炭素鋼や合金鋼にくらべ硬度が低い被削材を切削する場合には、副切刃21bの稜線を、この副切刃21bの全体にわたってホーニングのないシャープエッジに形成すると、副切刃21bの切れ味が良好となり、コバ欠けを抑制する効果がいっそう大きくなる。あるいは、切削条件によっては、ねずみ鋳鉄やアルミニウム合金の切削において、さらい刃21a、副切刃21b又は主切刃21cがチッピングする場合には、これらさらい刃21a、副切刃21b及び主切刃21cにわたってホーニング24を形成することによってチッピングを防止するとともに、すくい面22に直交する方向からみて、さらい刃21a及び副切刃21bのホーニング幅Wを、主切刃21cのホーニング幅Wより小さくすることによってコバ欠けを抑制することが望ましい(図4の(c)参照)。
一方、炭素鋼や合金鋼を切削する場合には、チッピングを防止するためさらい刃21a、副切刃21b及び主切刃21cにわたってホーニング24を形成するのが望ましい。さらに、副切刃21bのチッピングによるコバ欠けの発生を抑えることに配慮して、すくい面22に直交する方向からみて、副切刃21bのホーニング幅Wは、さらい刃21aのホーニング幅Wより大きくかつ主切刃21cのホーニング幅Wと同等以上であることが望ましい。
あるいは、主切刃21cのホーニング幅Wがさらい刃21a及び副切刃21bのホーニング幅Wより幅広に設定されていることが望ましい。これは、ホーニング24の切刃強化作用によって、切刃寿命の延長をはかるとともに、さらい刃21a及び副切刃21bのホーニング幅Wを、主切刃21aのホーニング幅Wより小さくすることによって、切れ味の低下をおさえ、コバ欠けの抑制効果の低下を極力防止することに配慮したものである。
あるいは、第3の実施形態において、さらい刃21a、副切刃21bおよび主切刃21cにわたってホーニング24を形成する場合、すくい面22とホーニング面とのなす角度であるホーニング角度θに関して、副切刃21bのホーニング角度θを、さらい刃21aのホーニング角度θより大きく設定すると、副切刃21bにチッピングが発生することが抑制されるため、コバ欠けの発生が抑制される。このとき、主切刃21cのホーニング角度θを、副切刃21bのホーニング角度θより大きく設定すると、ホーニング24の切刃強化作用によって、切刃寿命の延長がはかられる。
本発明は、以上の実施形態に説明した正面フライス及びバイトに限定されるものではなく、例えば、エンドミル、サイドカッタ、ドリル、ボーリングカッタといった、ほぼ切削工具全般に適用可能であり、切刃となるチップを工具本体に着脱自在に装着する切削工具以外に、切刃となる切刃部材をろう付け等の固着手段により工具本体に固定されたものであってもかまわない。
第1の実施形態に係る正面フライスの要部の底面図である。 図1に示す正面フライスの要部の一部縦断面図である。 図1に示す正面フライスにおける切刃形状の拡大側面図である。 図1に示す正面フライスに装着されるスローアウェイチップを説明する図であり、(a)は平面図、(b)は側面図、(c)は切刃に直交する断面におけるホーニング断面の模式図である。 第2の実施形態に係る正面フライスの一部縦断面図である。図3に示す正面フライスの要部拡大側面図である。 正面フライスによる切削面のコバ欠け状況を示す図である。 第3の実施形態に係るバイトを説明する図であり、(a)は要部平面図、(b)は要部正面図である。 図7に示すバイトに装着されるスローアウェイチップの平面図である。
符号の説明
10 工具本体
20 チップ
21a さらい刃
21b 副切刃
21c 主切刃
22 すくい面
23 逃げ面
24 ホーニング
31a チップ座
40 くさび部材
Ψb 副切刃のアプローチ角
γp 副切刃のすくい角
CL 工具本体の中心軸線
K 工具回転方向

Claims (6)

  1. スローアウェイチップが工具本体に装着されてなる切削工具において、
    前記スローアウェイチップは多角形平板状をなし、少なくとも一方の多角形面にすくい面が形成され、周面に逃げ面が形成され、これらすくい面と逃げ面との交差稜線部に切刃が形成され、
    前記逃げ面の逃げ角は0°であり、
    前記切刃は、少なくとも、該切削工具の送り方向と略平行方向に延在するさらい刃と、このさらい刃に交差し該さらい刃の前記送り方向前方側へ延在する副切刃と、この副切刃に交差し該切削工具の切込み方向に延在する主切刃と、から構成され、
    前記副切刃のアプローチ角が75°以上88°以下の範囲に設定されるとともに、前記副切刃におけるすくい角が−10°以上−5°以下の範囲に設定されていることを特徴とする切削工具。
  2. 前記副切刃の稜線は、該副切刃の全体にわたってホーニングのないシャープエッジに形成されていることを特徴とする請求項1記載の切削工具。
  3. 前記さらい刃、前記副切刃及び前記主切刃には、これら切刃稜線に沿ってホーニングが形成され、前記すくい面に直交する方向からみて、前記副切刃のホーニングが前記さらい刃のホーニングより幅広に形成されていることを特徴とする請求項1記載の切削工具。
  4. 前記さらい刃、前記副切刃及び前記主切刃には、これら切刃稜線に沿ってホーニングが形成され、前記副切刃のホーニング角度が前記さらい刃のホーニング角度より大きく設定されていることを特徴とする請求項1記載の切削工具。
  5. 前記さらい刃、前記副切刃及び前記主切刃には、これら切刃稜線に沿ってホーニングが形成され、前記すくい面に直交する方向からみて、前記主切刃のホーニングが前記副切刃及び前記さらい刃のホーニングより幅広に形成されていることを特徴とする請求項1記載の切削工具。
  6. 前記さらい刃、前記副切刃及び前記主切刃には、これら切刃稜線に沿ってホーニングが形成され、前記主切刃のホーニング角度が前記副切刃及び前記さらい刃のホーニング角度より大きく設定されていることを特徴とする請求項1記載の切削工具。
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