JP4908176B2 - 建設車両の牽引力制御装置 - Google Patents
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Description
特に、スリップし易い路面でのすくい込み作業時等におけるタイヤの空転を防止するために、車速に対する車両の牽引力を調整するトラクションコントロール機能を有するコントローラを搭載した建設車両が用いられている。
すなわち、上記公報に開示された建設車両では、トラクションコントロール作動モード等の設定条件下においては、走行用油圧モータの最大傾転角を制限することにより車両の牽引力を低下させている。このような制御中には、かき上げ作業等において一時的に牽引力を上げたい場合には、トラクションコントロール作動モードを設定するためのスイッチやダイヤル(特許文献1の切換えスイッチ25,26に相当)をいちいち操作する必要があり、作業効率が低下してしまうおそれがある。
これにより、トラクションコントロール解除操作部を操作して、低速走行中にかき上げ等の作業を行うために一時的に牽引力を上げた後、その作業を終了した場合には、トラクションコントロール解除操作部を再度操作するだけで、無駄に燃料を消費することなく、容易にトラクションコントロール作動モードへと復帰させることができる。
通常、低速走行中において一時的に牽引力が必要となってトラクションコントロール解除モードへと移行した場合には、牽引力を必要とする作業を完了すると前後進切換レバーを操作するケースが多い。
通常、建設車両を高速走行させている状況下においては、一時的に牽引力が必要となるトラクションコントロール解除モードでの作業が終了している場合が多い。
ここでは、トラクションコントロールの作動、解除に際して、走行用油圧モータの最大傾転角を調整することで、建設車両の牽引力を制御する。
これにより、低速走行時において、建設車両の走行用油圧モータの最大傾転角を調整することで、建設車両の牽引力を容易に上昇させたり抑制したりすることができる。
これにより、ともに建設車両の低速域における牽引力を抑制するトラクションコントロール作動モードやスノーモードの設定中であっても、トラクションコントロール解除操作部の操作によって、比較的容易に一時的に牽引力の上昇させることができる。この結果、軟弱路面や雪上路面等の低摩擦路面における作業中においても、簡単な操作によって、容易に一時的な牽引力の上昇を得ることができる。
ここでは、スノーモード中における特性曲線のピーク位置をずらす制御として、エンジンの回転数の上限値を調整する。
これにより、スノーモード設定中には、低速域におけるエンジン回転数が抑制されることになるため、雪上路面等の低摩擦路面における建設車両のタイヤのスリップを低減することができる。
これにより、スノーモード設定中には、低速域におけるエンジン回転数および建設車両の牽引力が抑制されることになるため、雪上路面等の低摩擦路面における建設車両のタイヤのスリップを低減することができる。
これにより、その時に必要な最適な大きさの牽引力を、トラクションコントロール作動モードに含まれる複数のモードによって予め設定しつつ、最大限の大きさの牽引力を必要とする場合にはトラクションコントロール解除モードへと容易に移行することができる。この結果、作業状況に応じて適切な牽引力を確保して、効率よく作業を行うことができる。
ここでは、牽引力を一時的に上昇させるトラクションコントロール解除モードにおいて、オペレータがトラクションコントロール解除操作部を再度操作したことを検知すると、スノーモード解除モードからスノーモードへと復帰する。
ここでは、牽引力を一時的に上昇させるスノーモード解除モードにおいては、オペレータが建設車両を前後進させる操作を行ったことを検知してスノーモード解除モードからスノーモードへと復帰する。
通常、低速走行中において一時的に牽引力が必要となってスノーモード解除モードへと移行した場合には、牽引力を必要とする作業を完了すると前後進切換レバーを操作するケースが多い。
ここでは、牽引力を一時的に上昇させるスノーモード解除モードにおいては、建設車両が所定の速度以上で走行したことを速度計等によって検知してスノーモード解除モードからスノーモードへと復帰する。
これにより、建設車両の走行速度を検知して所定値以上になったことを検知することで、無駄に燃料を消費することなく、自動的にスノーモードへと復帰させることができる。なお、上述したトラクションコントロール解除操作部の再操作による復帰と、前後進切換レバーの操作による復帰とを組み合わせ、例えば、いずれかの復帰条件をオペレータに選択させることで、オペレータの好みや作業環境等に応じて適切な解除条件を設定することができる。
ここでは、トラクションコントロール作動モードからトラクションコントロール解除モードへと移行させる際に操作されるトラクションコントロール解除操作部を、建設車両に搭載された作業機を操作する操作レバーに設けている。
これにより、トラクションコントロール作動モード中に、オペレータが一時的に牽引力を上げたいと思った場合には、操作中に握っている操作レバーに取り付けられたトラクションコントロール解除操作部を操作するだけで、容易に建設車両の牽引力を上昇させることができる。この結果、トラクションコントロール解除モードへの移行時における操作性を向上させることができる。
なお、以下の説明において登場する「トラクションコントロール作動モード」とは、油圧モータ(後述する走行モータ(走行用油圧モータ)12,13)の最大傾転角を調整することでホイルローダ1の牽引力を制御するモードを意味し、「スノーモード)」とは、エンジン8のMAX回転数の制限、あるいは走行用油圧ポンプ容量(後述するメインポンプ9の最大容量)、ポンプ容量制御シリンダ23へ付与されるパイロット圧等を調整する制御によってホイルローダ1の牽引力を制御するモードを意味するものとする。
本発明の一実施形態に係るホイルローダ(建設車両)1は、図1に示すように、タイヤ4a,4bにより自走可能であると共に作業機3を用いて所望の作業を行う建設車両である。ホイルローダ1は、車体フレーム2、作業機3、タイヤ4a,4b、キャブ5を備えている。
作業機3は、作業機用油圧ポンプ11(図2参照)からの圧油によって駆動される装置であって、フロントフレーム2aの前部に装着されたリフトアーム37と、リフトアーム37の先端に取り付けられたバケット38と、これらを駆動する作業機シリンダ26(図2参照)とを有している。
キャブ5は、車体フレーム2の上部に載置されており、ハンドル、アクセル等の操作部、速度等の各種の情報を表示する表示部、座席等が内装されている。なお、具体的なキャブ5の内部の構成については、後段にて詳述する。
作動油タンク6は、キャブ5の後方に配置されており、各種の油圧ポンプによって加圧される作動油を蓄積する。
油圧駆動機構7は、図2に示すように、主として、エンジン8、メインポンプ(走行用油圧ポンプ)9、チャージポンプ10、作業機用油圧ポンプ11、第1走行モータ(走行用油圧モータ)12、第2走行モータ(走行用油圧モータ)13、クラッチ14、駆動軸15、コントローラ(制御部)16(図3参照)を有しており、いわゆるHST(Hydro Static Transmission)システムが採用されている。
作業機用油圧ポンプ11は、エンジン8によって駆動されている。そして、作業機用油圧ポンプ11から吐出された圧油は、作業機用油圧回路25を介して作業機3の作業機シリンダ26に送られ、作業機シリンダ26を駆動する。
駆動軸15は、第1走行モータ12および第2走行モータ13の駆動力をタイヤ4a,4b(図1参照)に伝達することにより、タイヤ4a,4bを回転させる。また、駆動軸15には、駆動軸15の回転数から車速を検出する車速センサからなる車速検出部34(図3参照)が設けられており、車速検出部34からの車速信号がコントローラ16に入力される。
キャブ5は、図6に示すように、内部に、オペレータシート(運転席)42、ステアリング43、右側コンソールボックス44、前方コンソールボックス46、右側コンソールボックス44の前方であってオペレータシート42の近接する位置に配置された作業機レバー53、を備えている。また、オペレータシート42の前方でステアリング43の下方、左側部分には、前方側に前後進切換レバー55と、が配置されている。そして、オペレータシート42にオペレータが着座した際の左右両側には、乗降用ドア45a,45bが取り付けられている。
ステアリング43は、オペレータシート42の前方に配置された前方コンソールボックス46から突出するように取り付けられており、左右に回転させることでホイルローダ1の走行方向を変更する。
作業機レバー53は、これら2本のレバーを前後に傾斜させることで、ホイルローダ1の前方に取り付けられた作業機、つまりリフトアーム37やバケット38の動きを操作するためのレバーである。作業機レバー53は、上部にオペレータに把持されるグリップを有しており、作業機レバー53のうちの一方(この例では外側)のグリップ上面に、トラクションコントロール解除を実行するためのトラクションコントロール解除ボタン35が設けられている。
具体的には、図14に示すように、キャブ5内に設けられたインパネ70には、スピードメータ71、シフト表示部72、水温・油温計73等を含むインジケータランプ74aを含む警告部74、パイロットランプ75、液晶モニタ76等が配置されている。そして、上述したトラクションコントロール作動モード、スノーモードの作動中には、パイロットランプ75が点灯することで、オペレータに対して現在の設定モードを報知することができる。
本実施形態では、トラクションコントロール作動モードに設定されると、コントローラ16は、第2走行モータ13の最大傾転角を調整してモータの最大容量を調整することで、タイヤ4a,4bに伝達される駆動力を低減してホイルローダ1の牽引力を抑制し、低速域におけるタイヤ4a,4bのスリップの発生を抑制する。
本実施形態では、図10(a)〜図10(c)および図11(a)〜図11(c)に示すように、トラクションコントロールスイッチ36を操作することによって、上述したトラクションコントロール作動モード以外に、スノーモードの選択も可能となっている。そして、スノーモードが選択された場合には、モータの最大容量の調整に加えて、車速−牽引力特性を示すグラフにおいて特性曲線のピーク位置を車速0側に移動させる制御も行って、図4に示すような牽引力特性を得る。
これにより、ホイルローダ1が低速域において作業を行う際には、車速−牽引力特性を示す図4のグラフにおいて、特性曲線を「スノーモード」のようになるように牽引力を低減する制御を行うことができる。
本実施形態のホイルローダ1では、上述したトラクションコントロールスイッチ36によりトラクションコントロール作動モードあるいはスノーモードに設定されている状態において、オペレータによってトラクションコントロール解除ボタン35が操作された場合には、ホイルローダ1の牽引力切換制御を行う。
トラクションコントロール作動モードでは、上述したように、軟弱路面等におけるタイヤ4a,4bのスリップを防止するために、走行モータ12,13の最大傾転角を調整して、図4に示すグラフの点線部分(トラクションコントロールオン(レベルL1〜L3))のように、ホイルローダ1の低速域における牽引力を低下させる制御を行う。
次に、トラクションコントロールスイッチ36がスノーモードの位置(図10(c)および図11(b)参照)にある場合について説明する。
このとき、コントローラ16は、トラクションコントロール解除ボタン35が操作されると、エンジン8のMAX回転数の制限を解除して、ホイルローダ1の最大牽引力を変更する。具体的には、図4に示すグラフにおいて、トラクションコントロール解除ボタン35を1回操作すると、牽引力がスノーモードレベルからトラクションコントロールオフレベルへ上昇、つまりトラクションコントロール作動モードが解除されてトラクションコントロールオフ状態となり、牽引力を最大にすることができる。これにより、トラクションコントロールスイッチ36がスノーモードに設定されて、エンジン8のMAX回転数に制限がかかっている場合でも、トラクションコントロール解除ボタン35の操作によって牽引力の切換えを行うことで、一時的にオペレータの所望の牽引力を得ながら作業を行うことができる。
すなわち、ステップS1においてモード判定部39において制御モードがトラクションコントロール作動モード(またはスノーモード)であるか否かを判定し、ステップS2において、トラクションコントロール解除ボタン35が操作されたことを検出すると、制御モードがトラクションコントロール作動モードあるいはスノーモードである場合にのみ、ステップS3へと進む。
すなわち、ステップS4〜S6では、トラクションコントロールを解除してホイルローダ1の牽引力を一時的に上昇させた際における、元の牽引力への復帰条件が設定されている。
このうち、1つでも該当する場合には、ステップS7へと進み、ホイルローダ1の牽引力を抑制するトラクションコントロール作動モード(あるいはスノーモード)へと復帰する。つまり、ホイルローダ1の牽引力が抑制された元の状態へ復帰して、タイヤ4a,4bのスリップを防止することができる。具体的には、トラクションコントロール解除ボタン35が再度操作される前にトラクションコントロール作動モードであった場合には、第2走行モータ13の傾転角の最大値を、再度MaxからMax’へと切り換えて、ホイルローダ1の牽引力を元の低い値に復帰させる。一方、再度、トラクションコントロール解除ボタン35が再度操作される前にスノーモードであった場合には、エンジン8のMAX回転数の制限を元の値に設定して、ホイルローダ1の牽引力を元の低い値に復帰させる。
(1)
本実施形態のホイルローダ1では、図3に示すように、モード判定部39における判定結果がトラクションコントロール作動モードである場合において、オペレータによってトラクションコントロール解除ボタン35が操作されると、コントローラ16が、牽引力が低く設定されたトラクションコントロール作動モードから一時的に牽引力を上昇させるトラクションコントロール解除モードへと移行させる。
これにより、軟弱路面等におけるタイヤ4a,4bのスリップを低減するためにトラクションコントロールが作動している状態において、一時的に牽引力が必要な作業を行う場合には、トラクションコントロール解除ボタン35を押下するという簡単な操作によって容易にホイルローダ1の牽引力を上昇させることができる。この結果、オペレータは、複雑な操作を伴うことなく容易に所望の牽引力を引き出して、作業性を向上させることができる。
本実施形態のホイルローダ1では、トラクションコントロール解除ボタン35を操作して、トラクションコントロール作動モード中におけるホイルローダ1の牽引力を一時的に上昇させる際には、走行モータ12,13の最大傾転角を調整するように制御を行う。
つまり、ホイルローダ1におけるトラクションコントロール作動モードのON/OFFの切換えは、走行モータ12,13の最大傾転角を用いて行われる。
これにより、トラクションコントロール作動モードにおいて抑制されていたホイルローダ1の牽引力を一時的に上昇させることができる。
本実施形態のホイルローダ1では、トラクションコントロール作動モードに加えて、雪上路面等のような特に低摩擦路面となる状況下における作業時に選択されるスノーモードが設定されている。このスノーモードでは、図4に示すように、車速−牽引力特性を示す特性曲線のピークの位置が車速0の側へ移動するように制御が行われる。
本実施形態のホイルローダ1では、トラクションコントロール解除ボタン35を操作して、スノーモード中におけるホイルローダ1の低速域における牽引力を一時的に上昇させる際には、図5に示すように、エンジン8のMAX回転数の上限値をMax’からMaxへ切り換えるように制御を行う。
これにより、トラクションコントロール作動モードにおいて抑制されていたエンジン8のMAX回転数を上昇させて、車速−牽引力特性を示すグラフの特性曲線におけるピーク位置を元に戻すことで、ホイルローダ1の低速域における牽引力を一時的に上昇させることができる。
本実施形態のホイルローダ1では、図13のステップS4に示すように、トラクションコントロール解除ボタン35を操作してトラクションコントロール作動モードからトラクションコントロール解除モードへ移行した後、トラクションコントロール解除ボタン35が再度操作された場合には、コントローラ16は、低速域におけるスリップを防止するために牽引力が低く設定されたトラクションコントロール作動モードへと復帰する。
本実施形態のホイルローダ1では、図13のステップS5に示すように、トラクションコントロール解除ボタン35を操作してトラクションコントロール作動モードからトラクションコントロール解除モードへ移行した後、前後進切換レバー55が操作された場合には、コントローラ16は、低速域におけるスリップを防止するために牽引力が低く設定されたトラクションコントロール作動モードへと復帰する。
本実施形態のホイルローダ1では、図13のステップS6に示すように、トラクションコントロール解除ボタン35を操作してトラクションコントロール作動モードからトラクションコントロール解除モードへ移行した後、ホイルローダ1の車速が所定値以上になったことが車速検出部34において検出された場合には、コントローラ16は、低速域における牽引力が低く設定されたトラクションコントロール作動モードへと復帰する。
本実施形態のホイルローダ1では、図4に示すように、低速域における牽引力を3段階(レベルL1〜L3)に切り換えて設定可能となっている。そして、コントローラ16は、牽引力がどのレベルLに設定されている場合でも、トラクションコントロール解除ボタン35の操作によって、トラクションコントロール解除モードへの切換えを行う。
これにより、オペレータの希望する牽引力の大きさ、路面の状況、作業対象物の大きさや重量等の各種条件に応じて、適切な大きさの牽引力を予め選択して作業を行うことができるため、牽引力を引き上げた際の燃費の低下を最小限としつつ、効率よく作業を行うことができる。
本実施形態のホイルローダ1では、トラクションコントロール作動モード(あるいはスノーモード)から一時的に牽引力を引き上げる際に操作されるトラクションコントロール解除ボタン35を、図7に示すように、作業機レバー53の先端部分に設けている。
通常、オペレータは、右腕を右側コンソールボックス44上のアームレスト51に置き、作業機レバー53を握った状態でホイルローダ1の操作を行う。
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
(A)
上記実施形態では、トラクションコントロール作動モードとスノーモードとを明確に区別して説明した。しかし、トラクションコントロールを低速域における建設車両の牽引力制御として定義すれば、トラクションコントロールの制御の中に、車速−牽引力特性を示すトルク曲線のピーク位置を車速0側へ移動させるスノーモードも含まれると考えることもできる。
上記実施形態では、油圧駆動機構7の構成として、2つの走行モータ12,13を搭載している例を挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。
例えば、図15および図16に示すように、走行モータとして1つのモータ12だけを搭載した油圧駆動機構107,207であってもよい。
上記実施形態では、図4に示すように、トラクションコントロール作動モード中におけるホイルローダ1の牽引力切換え制御を、レベルL1〜L3の3段階のいずれかで行う例を挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。
例えば、牽引力の切り換え制御としては、2段階以下、あるいは4段階以上の牽引力の値を設定可能として、牽引力の切換え制御を行うようにしてもよい。
上記実施形態では、図13のステップS4〜S6に示すように、トラクションコントロール解除ボタン35を再度操作した場合、前後進切換レバー55が操作された場合や、車速検出部34において検出された車速が所定値以上になった場合等に、牽引力が高いトラクションコントロール解除状態から牽引力が低いトラクションコントロール作動モードやスノーモードへと復帰する例を挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。
また、上記3つの条件(ステップS4〜S6)を組み合わせてトラクションコントロール作動モードやスノーモードへの復帰制御を行うのではなく、オペレータの設定によって、1つあるいは2つの復帰条件だけに絞って設定することも可能である。
上記実施形態では、トラクションコントロール解除ボタン35を、作業機レバー53の先端部分に配置した例を挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。
例えば、トラクションコントロール解除ボタンを、右側コンソールボックス上におけるスイッチパネル内に他のスイッチ類と同様に配置することもできる。
上記実施形態では、トラクションコントロール作動モードおよびスノーモードの双方において、トラクションコントロール解除ボタン35の操作によって、トラクションコントロール作動モードおよびスノーモードを解除した状態へと移行してホイルローダ1の牽引力を一時的に引き上げる制御を行う例を挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。
例えば、スノーモードに設定されている場合には、上記実施形態のようにトラクションコントロール解除モードへと移行して牽引力を引き上げる制御を行わずに、トラクションコントロール作動モードに設定中に限って上記制御を適用するようにしてもよい。
上記実施形態では、図14に示すように、トラクションコントロール作動状態で点灯するパイロットランプ75、スノーモードにおいて点灯するパイロットランプ75が、キャブ5内に設けられたインパネ70に表示される例を挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。
例えば、これらのランプをインパネ以外のオペレータから見やすい位置に表示するようにしてもよい。
上記実施形態では、コントローラ16が、制御モードの種類として、トラクションコントロール作動モード、スノーモード、トラクションコントロール解除モードを有している例を挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。
例えば、パワーモード、エコノミーモード等のような、その他のモードを有していてもよい。
上記実施形態では、本発明の建設車両の牽引力制御装置を、ホイルローダ1に搭載した例を挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。
例えば、油圧モータを駆動することで走行可能となる他の建設車両に対しても、本発明を適用することは可能である。
また、上記実施形態のホイルローダ1のように、2つの油圧モータを駆動することによって走行する建設車両に限らず、例えば、1つ、あるいは3つ以上の油圧モータで走行を行う建設車両であってもよい。
2 車体フレーム
3 作業機
4a,4b タイヤ
5 キャブ
6 作動油タンク
7 油圧駆動機構
8 エンジン
9 メインポンプ(走行用油圧ポンプ)
10 チャージポンプ
11 作業機用油圧ポンプ
12 第1走行モータ(走行用油圧モータ)
13 第2走行モータ(走行用油圧モータ)
14 クラッチ
15 駆動軸
16 コントローラ(制御部)
17 燃料噴射装置
18 アクセル開度検出部
19 エンジン回転数検出部
20 主回路
22 主回路油圧検出部
23 ポンプ容量制御シリンダ(油圧シリンダ)
24 前後進切換弁
25 作業機用油圧回路
26 作業機シリンダ
29 第1モータシリンダ
30 第1モータ制御弁
31 第2モータシリンダ
32 第2モータ制御弁
33 クラッチ制御弁
34 車速検出部
35 トラクションコントロール解除ボタン(トラクションコントロール解除操作部)
36 トラクションコントロールスイッチ(トラクションコントロール設定部、スノーモード設定部)
36a 切換えスイッチ
36b 表示部
37 リフトアーム
38 バケット
39 モード判定部
40 制御ブロック(牽引力制御装置)
42 オペレータシート
43 ステアリング
44 右側コンソールボックス
45a,45b 乗降用ドア
46 前方コンソールボックス
46a モニタパネルモード切換えスイッチ
51 アームレスト
52 スイッチパネル
53 作業機レバー
55 前後進切換レバー
61 キースイッチ
62,63 車速レンジ切換スイッチ
64 スイッチ群
70 インパネ
71 スピードメータ
72 シフト表示部
73 水温・油温計
74 警告部
74a インジケータランプ
75 パイロットランプ
76 液晶モニタ
L レベル
S ステップ
Claims (10)
- エンジンによって駆動される走行用油圧ポンプから吐出された圧油によって走行用油圧モータを駆動して走行する建設車両に搭載されており、低速域における前記建設車両の牽引力を低下させてスリップを防止するトラクションコントロール作動モードを有する建設車両の牽引力制御装置であって、
前記トラクションコントロール作動モードの設定を受け付けるトラクションコントロール設定部と、
制御モードが前記トラクションコントロール作動モードであるか否かを判定するモード判定部と、
前記トラクションコントロール作動モードを解除するトラクションコントロール解除操作部と、
前記モード判定部において前記トラクションコントロール作動モードであると判定され、かつ前記トラクションコントロール解除操作部が操作された場合には、一時的に前記建設車両の牽引力を上昇させる前記トラクションコントロール解除モードへと移行する制御部と、
を備え、
前記制御部は、前記トラクションコントロール解除操作部が再度操作されたこと、前記建設車両の前後進切換レバーが操作されたこと、前記建設車両の車速が所定値以上になったこと、および前記トラクション解除モードに移行してから所定時間が経過したこと、の少なくとも1つを検知すると、前記トラクションコントロール解除モードから前記トラクションコントロール作動モードに復帰する、
建設車両の牽引力制御装置。 - 前記制御部は、前記走行用油圧モータの最大傾転角を調整する制御を行うことにより、前記トラクションコントロール作動モードの設定の有無を切り換える、
請求項1に記載の建設車両の牽引力制御装置。 - 前記制御部は、前記建設車両の雪上路面におけるスリップを防止するために、車速−牽引力特性を示すグラフのトルク曲線のピーク位置を車速0の側へ移動させるスノーモードをさらに有しており、
前記スノーモードの設定を受け付けるスノーモード設定部を、さらに備え、
前記モード判定部は、前記制御モードが前記スノーモードであるか否かを判定するとともに、
前記制御部は、前記スノーモード判定部により前記制御モードが前記スノーモードであると判定され、かつ前記トラクションコントロール解除操作部が操作された場合には、一時的にスノーモード解除モードへと移行する制御を行う、
請求項1または2に記載の建設車両の牽引力制御装置。 - 前記制御部は、前記スノーモードへ移行する際には、前記エンジンの回転数の上限値を調整して、前記トルク曲線のピーク位置をずらす制御を行う、
請求項3に記載の建設車両の牽引力制御装置。 - 前記制御部は、前記スノーモードへ移行する際には、前記エンジンの回転数の上限値を調整してトルク曲線のピーク位置をずらす制御に加え、前記走行用油圧ポンプの最大傾転角を調整することにより牽引力を低下させる制御を行う、
請求項3に記載の建設車両の牽引力制御装置。 - 前記制御部は、前記トラクションコントロール作動モードとして、前記建設車両の牽引力を段階的に切り換える複数のモードを有しており、
前記制御部は、前記トラクションコントロール解除操作部を操作すると、前記複数のモードのいずれかを解除して、前記トラクションコントロール解除モードへと移行する、
請求項1から5のいずれか1項に記載の建設車両の牽引力制御装置。 - 前記制御部は、前記トラクションコントロール解除操作部が再度操作されたことを検知すると、前記スノーモード解除モードから前記スノーモードに復帰する、
請求項3から5のいずれか1項に記載の建設車両の牽引力制御装置。 - 前記制御部は、前記建設車両の前後進切換レバーが操作されたことを検知すると、前記スノーモード解除モードから前記スノーモードに復帰する、
請求項3から5のいずれか1項に記載の建設車両の牽引力制御装置。 - 前記制御部は、前記建設車両の車速が所定値以上になったことを検知すると、前記スノーモード解除モードから前記スノーモードに復帰する、
請求項3から5のいずれか1項に記載の建設車両の牽引力制御装置。 - 前記トラクションコントロール解除操作部は、前記建設車両に取り付けられた作業機を操作する操作レバーに取り付けられている、
請求項1から9のいずれか1項に記載の建設車両の牽引力制御装置。
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