Nothing Special   »   [go: up one dir, main page]

JP4967810B2 - 車両用空調装置およびその制御方法 - Google Patents

車両用空調装置およびその制御方法 Download PDF

Info

Publication number
JP4967810B2
JP4967810B2 JP2007135689A JP2007135689A JP4967810B2 JP 4967810 B2 JP4967810 B2 JP 4967810B2 JP 2007135689 A JP2007135689 A JP 2007135689A JP 2007135689 A JP2007135689 A JP 2007135689A JP 4967810 B2 JP4967810 B2 JP 4967810B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
information
air conditioning
probability
vehicle
unit
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2007135689A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2008290494A (ja
Inventor
康史 小島
弘 竹田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Denso Corp
Original Assignee
Denso Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Denso Corp filed Critical Denso Corp
Priority to JP2007135689A priority Critical patent/JP4967810B2/ja
Publication of JP2008290494A publication Critical patent/JP2008290494A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4967810B2 publication Critical patent/JP4967810B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Air-Conditioning For Vehicles (AREA)

Description

本発明は、車両用空調装置およびその制御方法に関し、特に、搭乗者の温感または状況に応じて自動的に空調状態を最適化する車両用空調装置およびその制御方法に関する。
一般に、車両用空調装置では、設定温度、外気温、内気温、日射量などの各種パラメータに応じて、各吹き出し口から送出される空調空気の温度、風量などを自動的に決定する。しかし、搭乗者の温感(暑がり、寒がりなど)には個人差が存在する。そのため、自動的に決定された空調空気の温度、風量などが、最適な値とならないことがある。そのような場合、搭乗者は、必要に応じて操作パネルを操作して、設定温度を高くしたり、あるいは低くしたり、あるいは、風量を増加又は減少させるように空調装置を調節する。そこで、搭乗者が操作パネルを操作して、設定温度、風量などを変更した場合、そのときの各種パラメータを用いて、空調空気の温度や風量を決定する関係式を修正する学習制御を組み込んだ空調制御装置が開発されている(特許文献1参照)。
ところで、搭乗者が空調装置の設定を変更するのは、必ずしも温感などの違いによるものではなく、特定状況下における外部環境的な要因による場合もある。例えば、搭乗者が運転を行う直前に運動を行っていた場合には、通常よりも設定温度を低くすることもある。また、いつも渋滞する地点に差し掛かった場合に、車の排ガスが車内に充満するのを防ぐために、内気循環モードに設定することもある。しかし、特許文献1に記載された空調制御装置では、特定状況下における外部環境的要因のせいで空調装置の設定を変更したのか、温感などの違いによって変更したのかを区別することができない。そのため、上記の学習制御に使用するのには適さない情報を用いて学習を行ってしまうおそれがある。そして、そのような学習に適さない情報を用いて学習を行うと、必ずしも搭乗者の温感に合うように上記の制御式を修正できない場合があった。そこで、そのような不都合を避けるために、空調装置の操作パネル上に別途「学習ボタン」のような、空調装置に学習を行わせることを明示的且つ手動で指示する操作スイッチを設けることが考えられる。しかし、それでは、搭乗者の操作無しには、学習を行うことができず、完全な自動学習とは言い難い。さらに、上記のような特定状況に合わせて空調温度などを自動的に最適化することは困難であった。
一方、走行中の自車両の位置を示すデータを学習データに加えて、温調学習とそれ以外の学習とを識別可能とした自動車用空気調和装置が開発されている(特許文献2参照)。しかし、特許文献2に記載された自動車用空気調和装置は、自車両の位置及び日時を参照して、温調学習を行うか否かを決定するのみであり、具体的な決定方法の記載はなく、上記のような特定の状況に合わせて空調温度などの最適化を行うことまでは考慮されていなかった。
特開2000−293204号公報 特開2000−62431号公報
本発明の目的は、搭乗者の温感に合わせて最適な空調設定を自動的に行うことが可能な車両用空調装置およびその制御方法を提供することにある。
本発明の他の目的は、搭乗者の温感に合わせた最適化だけでなく、特定状況下でも自動的に最適な空調設定を行うことが可能な車両用空調装置およびその制御方法を提供することにある。
本発明のさらに他の目的は、搭乗者の温感又は特定状況下に対する最適な空調設定を自動的に学習することが可能な車両用空調装置およびその制御方法を提供することにある。
請求項1の記載によれば、本発明に係る車両用空調装置は、空調情報取得部(51、52、53)により、安定状態において取得された複数の空調情報を、第1の学習データ群として記憶する記憶部(61)と、空調情報を入力することにより乗員が所定の設定操作を行う推薦確率を算出するための第1の確率モデルを、第1の学習データ群を用いて構築する学習部(66)と、学習部(66)で構築された第1の確率モデルに、空調情報取得部(51、52、53)により取得された空調情報を入力して推薦確率を算出し、その推薦確率に応じて、乗員の設定操作に関連する設定情報又は制御情報を、所定の設定操作となるように修正する制御情報修正部(64)と、修正された設定情報又は制御情報にしたがって、空調空気を車両内に供給する空調部(10)の空調制御を行う空調制御部(65)とを有する。
また、本発明に係る車両用空調装置は、車両に関する状態を表す状態情報を取得する情報取得部(55、56、57、58)をさらに有し、制御情報修正部(64)は、乗員が所定の設定操作を行う推薦確率を算出するための第2の確率モデルを少なくとも一つ有し、情報取得部(55、56、57、58)により取得された状態情報を第2の確率モデルに入力して所定の設定操作を行う推薦確率を算出し、その推薦確率に応じて、乗員の設定操作に関連する設定情報又は制御情報を、所定の設定操作となるように修正することが好ましい。
係る構成により、搭乗者の温感に合わせて、自動的に最適な空調設定を行うことができ、搭乗者の温感に合わせた最適化だけでなく、特定状況に応じて空調設定を自動的に最適化することができる。
なお、空調情報は、車両内外の空調設定に関する情報であり、具体的には、外気温、内気温及び日射量を含む。また、所定の設定操作とは、設定温度の変更、風量の変更、内気循環モードに設定する、デフロスタを作動あるいは停止させるといった、車両用空調装置の動作状態を変更させる操作をいう。また、設定情報とは、設定温度、風量、内外気の吸気比、各吹出口から送出される空調空気の風量比など、車両用空調装置の動作を規定する情報をいう。さらに、制御情報とは、空調空気の温度、ブロアファンの回転数、ブロア電圧、エアミックスドアの開度など、設定情報に基づいて求められ、空調部の各部の動作を制御する情報をいう。また、確率モデルの構築には、新たに確率モデルを生成すること、及び既に生成されている確率モデルを修正して更新することを含む。
また、状態情報は、車両に関する状態を表すものであり、上述した空調情報、車両の位置情報、車両の挙動情報、時間情報又は車両の搭乗者の生体情報の少なくとも一つを含む。
た、空調情報取得部(51、52、53)は、乗員が車両の動力を停止した時点の空調情報、設定操作が行われてから所定時間経過後における空調情報、又は定期的に測定された空調情報の少なくとも何れかを、安定した状態にある空調情報として取得することが好ましい。
た、制御情報修正部(64)は、推薦確率が第1の閾値以上の場合、設定情報又は制御情報を修正することが好ましい。
あるいは、請求項に記載のように、推薦確率が、第1の閾値未満であり、且つ第1の閾値よりも低い第2の閾値以上の場合、所定の設定操作の内容を搭乗者に報知し、且つ所定の設定操作を行うか否かを搭乗者に確認する確認操作部(59)を有し、確認操作部(59)を通じて所定の設定操作を行うことが確認された場合、制御情報修正部(64)は、設定情報又は制御情報を修正することが好ましい。
係る構成により、搭乗者が所定の設定操作を行うことがほぼ確実と考えられる場合は、自動的にその設定操作が行われる。また、その設定操作を行うことがほぼ確実とは言えないまでも、その可能性が高い場合には、搭乗者がその設定操作を行う旨を確認する操作を行うだけで、その設定操作が行われるので、簡単な操作で最適な空調設定にすることができる。
さらに、請求項に記載のように、本発明に係る車両用空調装置は、搭乗者の情報を取得する搭乗者情報取得部(54)と、搭乗者情報を用いて、搭乗者と予め記憶された少なくとも一人の登録済利用者とを照合する照合部(63)を有し、制御値修正部(64)は、照合部(63)が搭乗者と判定した登録済利用者と関連付けられた第1の確率モデルに基づいて推薦確率を算出することが好ましい。
係る構成により、搭乗者毎に異なる確率モデルを使用できるので、搭乗者ごとに最適な空調設定を行うことができる。
また、請求項に記載のように、第1の確率モデルは、空調情報を入力として所定の設定操作を行う推薦確率を出力するノードを有し、学習部(66)は、第1の学習データ群に含まれた、安定状態にある空調情報を用いてその推薦確率を決定することが好ましい。
さらに、請求項に記載のように、学習部(66)は、記憶部(61)に記憶された第1の学習データ群に含まれた、安定状態にある空調情報を少なくとも第1のクラスタと第2のクラスタに区分し、かつ第1のクラスタに含まれた空調情報から空調情報の値に関する第1の範囲を決定し、第2のクラスタに含まれた空調情報から空調情報の値に関する第2の範囲を決定し、第1の範囲に含まれる空調情報の値に対してノードが出力する推薦確率及び第2の範囲に含まれる空調情報の値に対してノードが出力する推薦確率を決定することにより、第1の確率モデルを構築することが好ましい。
係る構成により、空調状態の値の範囲を最適に画定し、その結果に基づいて確率を計算する確率モデルを構築するので、搭乗者の温感に正確に対応した空調設定を自動的に行うことができる。
また、請求項に記載のように、記憶部(61)は、情報取得部(55、56、57、58)により取得された複数の状態情報を、第2の学習データ群として記憶し、学習部(66)は、第2の確率モデルを、第2の学習データ群を用いて構築することが好ましい。
係る構成により、様々な状況に応じた空調設定を行うための推薦確率を求める確率モデルが新たに構築されるので、使用を続けるにつれて、より様々な状況に対応して自動的に空調設定を最適化することができる。
また、請求項の記載によれば、空調空気を車両内に供給する空調部(10)を有する車両用空調装置の制御方法が提供される。係る制御方法は、安定状態において取得された複数の空調情報を、学習データ群として記憶するステップと、空調情報を入力することにより乗員が所定の設定操作を行う推薦確率を算出するための第1の確率モデルを、学習データ群を用いて構築するステップと、空調情報を取得するステップと、第1の確率モデルに空調情報を入力して推薦確率を算出するステップと、推薦確率が所定の条件を満たす場合、推薦確率に応じて、乗員の設定操作に関連する設定情報又は制御情報を、所定の設定操作となるように修正するステップと、修正された設定情報又は制御情報にしたがって、空調部(10)の空調制御を行うステップとを有する。
た、安定した状態にある空調情報は、乗員が車両の動力を停止した時点の空調情報、設定操作が行われてから所定時間経過後における空調情報、又は定期的に測定された空調情報の何れかであることが好ましい。
さらに、本発明に係る車両用空調装置の制御方法は、車両に関する状態を表す状態情報を取得するステップと、状態情報を入力することにより乗員が所定の設定操作を行う推薦確率を算出するための第2の確率モデルに状態情報を入力して推薦確率を算出するステップとをさらに有することが好ましい。
なお、上記各手段に付した括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示す一例である。
以下、本発明に係る車両用空調装置について説明する。
本発明に係る車両用空調装置は、搭乗者の温感に合わせて学習された少なくとも一つの確率モデルに基づいて、搭乗者の空調設定操作を推定し、自動的に空調設定を行うものである。また、本発明に係る車両用空調装置は、特定状況に合わせて学習された確率モデルを別途用いて、その特定状況に応じて空調設定を最適化するものである。
図1は、本発明の第1の実施形態に係る車両用空調装置1の全体構成を示す構成図である。図1に示すように、車両用空調装置1は、主に機械的構成からなる空調部10と、この空調部10を制御する制御部60とを有する。
まず、空調部10の冷凍サイクルRの構成を説明する。車両用空調装置1の冷凍サイクルRは閉回路で構成され、その閉回路はコンプレッサ11より時計回りにコンデンサ15、レシーバ16、膨張弁17、およびエバポレータ18を含む。そして、コンプレッサ11は、冷媒を圧縮して高圧ガスにする。また、コンプレッサ11は、ベルト12を介して車載エンジン13より伝わる動力断続用の電磁クラッチ14を備える。コンデンサ15は、コンプレッサ11より送られてきた高温、高圧の冷媒ガスを冷却し、液化させる。レシーバ16は、液化された冷媒ガスを貯蔵する。また、冷却性能の低下を防ぐため、液化された冷媒に含まれるガス状の気泡を取り除き、完全に液化された冷媒のみを膨張弁17へ送る。膨張弁17は、液化された冷媒を断熱膨張させて低温、低圧化し、エバポレータ18へ送る。エバポレータ18は、低温、低圧化された冷媒と、エバポレータ18に送り込まれた空気との間で熱交換を行ってその空気を冷却する。
次に、空調部10の空調ケース20内の構成について説明する。エバポレータ18の上流側には、ブロアファン21が配置されている。ブロアファン21は遠心式送風ファンで構成され、駆動用モータ22により回転駆動される。ブロアファン21の吸入側には、内外気切替箱23が配置される。内外気切替箱23内には、内外気サーボモータ24で駆動される内外気切替ドア25が配置される。そして内外気切替ドア25は、内気吸込口26と外気吸込口27とを切り替えて開閉する。そして、内気吸込口26又は外気吸込口27から取り込まれた空気は、内外気切替箱23を経由して、ブロアファン21によってエバポレータ18へ送られる。なお、ブロアファン21の回転速度を調整することにより、車両用空調装置1から送出される風量を調節することができる。
エバポレータ18の下流側には、エバポレータ18側から順に、エアミックスドア28、およびヒータコア29が配置される。ヒータコア29には、ヒータコア29を通る空気を暖めるために、車載エンジン13の冷却に使用された冷却水が循環供給される。また、空調ケース20には、ヒータコア29をバイパスするバイパス通路30が形成されている。エアミックスドア28は、温調サーボモータ31により回動され、各吹き出し口から送出される空気を所定の温度にするために、ヒータコア29を通過する通路32からの温風とバイパス通路30を通過する冷風との風量割合を調整する。
さらに、バイパス通路30を経由した冷風と、ヒータコア29を通過する通路32からの温風とが混合される空気混合部33の下流側には、空調空気を車室内に送出するフット吹き出し口34、フェイス吹き出し口35、デフロスタ吹き出し口36が設けられている。そして、各吹き出し口には、各吹き出し口を開閉するためのフットドア37、フェイスドア38及びデフロスタドア39がそれぞれ設けられている。なお、フット吹き出し口34は、運転席または助手席の足元へ空調空気を送出し、フェイス吹き出し口35は、フロントパネルから運転席または助手席に向けて空調空気を送出する。また、デフロスタ吹き出し口36は、フロントガラスへ向けて空調空気を送出する。各ドア37、38及び39は、モードサーボモータ40により駆動される。
次に、空調情報取得部として機能する各種センサについて説明する。内気温センサ51は、車室内の温度Trを測定するために、ハンドル近傍のインストルメントパネルなどにアスピレータとともに設置される。また、外気温センサ52は、車室外の温度Tamを測定するために、コンデンサ15の外側前面の車両前方ラジエターグリルに設置される。さらに、車室内に照りつける日射光の強さ(日射量)Sを測定するために、日射センサ53が車室内のフロントガラス近傍に取り付けられる。なお、日射センサ53はフォトダイオードなどで構成される。
上記の他、車両用空調装置1は、情報取得部として機能する複数のセンサを備える。具体的には、エバポレータ18から吹き出される空気の温度(エバポレータ出口温度)を測定するためのエバポレータ出口温度センサ、ヒータコア29へのエンジン冷却水の冷却水の水温を測定するためのヒータ入口水温センサ、及び冷凍サイクルR内を循環する冷媒の圧力を測定するための圧力センサなどが設けられる。その他、車室内には、搭乗者情報取得部としても機能する、運転席及びその他の席に搭乗している乗員の顔を撮影するための1台以上の車内カメラ54が設置される。また、車外の様子を撮影する車外カメラ55も設置される。
車両用空調装置1は、上記の各センサからのセンシング情報の他、ナビゲーションシステム56から、車両の現在位置、進行方向、周辺地域情報、Gbook情報などの位置情報を取得する。また、車両操作機器57から、アクセル開度、ハンドル、ブレーキ、パワーウインドウ開度、ワイパー、ターンレバー若しくはカーオーディオのON/OFFなどの各種操作情報及び車速、車両挙動情報などを取得する。さらに、車載時計58より、曜日、現在時刻などの時間情報を取得する。また、車両用空調装置1は、運転席などに心電検出センサ、心拍・呼吸センサ、体温センサ若しくは皮膚温センサなどを設置して、搭乗者の生体情報を取得するようにしてもよい。
このように、ナビゲーションシステム56、車両操作機器57及び車載時計58もまた、情報取得部として機能する。
図2は、車両用空調装置1の制御部60の機能ブロック図である。
制御部60は、図示していないCPU,ROM,RAM等からなる1個もしくは複数個の図示してないマイクロコンピュータ、その周辺回路、電気的に書き換え可能な不揮発性メモリ等からなる記憶部61、及び各種センサ、ナビゲーションシステム56又は車両操作機器57などとコントロールエリアネットワーク(CAN)のような車載通信規格に従って通信を行う通信部62から構成される。
さらに、制御部60は、このマイクロコンピュータ及びマイクロコンピュータ上で実行されるコンピュータプログラムによって実現される機能モジュールとして、照合部63、制御情報修正部64、空調制御部65及び学習部66を有する。
制御部60は、上記のセンシング情報、位置情報、車両挙動情報などの状態情報を、各種のセンサ、ナビゲータシステム、車両操作機器などから取得すると、それらをRAMに一時的に記憶する。同様に、操作部であるA/C操作パネル59から取得された操作信号もRAMに一時的に記憶する。そして制御部60は、それら状態情報及び操作信号に基づいて空調部10を制御する。例えば、制御部60は、電磁クラッチ14を制御してコンプレッサ11のON/OFF切り換えを行ったり、ブロアファン21の回転数調整のために駆動用モータ22を制御する。また制御部60は、内外気サーボモータ24、温調サーボモータ31及びモードサーボモータ40を制御して各ドアの開度を調節する。これらの制御を行うことによって、車室内の温度を、搭乗者の設定した温度に近づけるように、各吹き出し口から送出される空調空気の風量比、全体の風量及び温度を調節する。ここで制御部60は、搭乗者の温感に合わせた最適な空調設定(空調空気の温度や風量など)を求めるための確率モデル(以下、温感調整用確率モデルという)に、外気温、日射量などの空調情報を入力し、搭乗者が所定の操作(例えば、設定温度を下げる、風量を最大にする、内気循環モードに設定する等)を行う推薦確率を求める。その推薦確率が所定閾値以上の場合には、自動的にその所定の操作を行う。また、温感調整用確率モデルを生成するために、制御部60は、安定している状態における空調情報及びそのときの空調設定を取得し、記憶部61に蓄積する。そして、そのような情報が所定数蓄積されると、統計的学習処理を行って、温感調整用確率モデルを更新する。
さらに制御部60は、特定状況に応じた最適な空調設定を求めるための確率モデル(以下、特定状況用確率モデル)に、位置情報、時間情報などの状態情報を入力し、搭乗者が所定の操作を行う推薦確率を求める。その推薦確率が所定閾値以上の場合には、自動的にその所定の操作を行う。また、特定状況用確率モデルを生成するために、制御部60は、搭乗者が車両用空調装置1を操作した場合には、その操作内容及びその操作時の各種情報を蓄積する。そして、そのような情報が所定数蓄積されると、統計的学習処理を行って、特定状況用確率モデルを生成する。
以下、これらの動作を行う各機能モジュールについて説明する。
照合部63は、エンジンスイッチをONすると、車内カメラ54で撮影された画像と、車両用空調装置1に予め登録された登録済利用者に関する照合情報に基づいて、搭乗者の照合及び認証を行い、搭乗者が何れの登録済利用者か判定する。そして、搭乗者と判定された登録済利用者の識別情報(ID)及び登録済利用者に関連する個人情報を記憶部61から読み出す。
ここで、照合部63は、例えば以下の方法によって搭乗者の照合及び認証を行う。照合部63は、車内カメラ54で撮影された画像を2値化したり、エッジ検出を行って搭乗者の顔に相当する領域を識別する。そして、識別された顔領域から、目、鼻、唇など特徴的な部分をエッジ検出等の手段によって検出し、その特徴的な部分の大きさ、相対的な位置関係などを特徴量の組として抽出する。次に、照合部63は、抽出された特徴量の組を、予め記憶部61に記憶されている、各登録済利用者に関して求められた特徴量の組と比較し、相関演算などを用いて一致度を算出する。そして、最も高い一致度が、所定の閾値以上となる場合、照合部63は、搭乗者を、その最も高い一致度となった登録済利用者として認証する。なお、上記の照合方法は、一例に過ぎず、照合部63は、他の周知の照合方法を使用して、搭乗者の照合及び認証を行うことができる。例えば、照合部63は、特開2005−202786号公報に記載された車両用顔認証システムを用いることができる。また、画像認証以外の方法を用いることも可能であり、例えば、スマートキーシステムを用いて搭乗者の照合及び認証を行うようにしてもよい。さらに、特開2005−67353号公報に記載された車両用盗難防止装置のように、スマートキーシステムと画像認証を組み合わせて照合及び認証を行うようにしてもよい。
制御情報修正部64は、温感調整用確率モデル又は特定状況用確率モデルに基づいて、設定温度Tset、風量Wなど、搭乗者が設定可能な設定情報である、空調装置1の制御パラメータを自動調整するか否かを決定する。すなわち、制御情報修正部(64)は、所定の設定操作と関連した少なくとも一つの温感調整用確率モデルを有し、空調情報を温感調整用確率モデルに入力して所定の設定操作を行う推薦確率を算出し、推薦確率と、その温感調整用確率モデルに関連付けられた修正情報に基づいて所定の設定操作に関連する設定情報又は制御情報を修正する。
また、制御情報修正部64は、所定の設定操作と関連した少なくとも一つの特定状況用確率モデルを有し、状態情報を特定状況用確率モデルに入力して所定の設定操作を行う推薦確率を算出し、推薦確率と、その特定状況用確率モデルに関連付けられた修正情報に基づいて所定の設定操作に関連する設定情報又は制御情報を修正する。なお、温感調整用確率モデル又は特定状況用確率モデルに関連付けられた修正情報とは、その確率モデルによって規定される修正において、設定情報または制御情報の修正後の値、あるいは、設定情報または制御情報を所望の修正値に変更するために設定情報または制御情報に加えられ、若しくは乗じられる修正量をいう。
本実施形態では、確率モデルとして、ベイジアンネットワークを用いた。ベイジアンネットワークは、複数の事象の確率的な因果関係をモデル化するものであり、各ノード間の伝播を条件付き確率で求める、非循環有向グラフで表されるネットワークである。なお、ベイジアンネットワークの詳細については、本村陽一、岩崎弘利著、「ベイジアンネットワーク技術」、初版、電機大出版局、2006年7月、繁桝算男他著、「ベイジアンネットワーク概説」、初版、培風館、2006年7月、又は尾上守夫監修、「パターン識別」、初版、新技術コミュニケーションズ、2001年7月などに開示されている。
以下、温感調整用確率モデルに基づいた、設定情報若しくは制御情報の修正について説明する。
本実施形態では、温感調整用確率モデルは、車両用空調装置1に登録された利用者毎に生成される。また、温感調整用確率モデルは、設定操作のタイプごと(例えば、設定温度Tsetの調整、風量Wの調節、内気循環モードと外気モードの切り換え等)に生成される。そして、記憶部61には、温感調整用確率モデルの構造情報が、各利用者情報及び設定操作と関連付けて記憶される。具体的には、温感調整用確率モデルを構成する各ノード間の接続関係を表すグラフ構造、入力ノードに与えられる入力情報のタイプ、各ノードの条件付き確率表(以下、CPTという)とともに、利用者の識別番号(ID)、設定操作の内容と一意に対応する設定操作番号k、その設定操作で修正される設定情報又は制御情報が各確率モデルごとに規定され、記憶部61に記憶される。
制御情報修正部64は、照合部63によって搭乗者として特定された登録済み利用者に関連付けられた温感調整用確率モデルを記憶部61から読み出す。制御情報修正部64は、読み出された1以上の温感調整用確率モデルのそれぞれに、空調情報を入力して、搭乗者が温感調整用確率モデルのそれぞれに関連付けられた設定操作を行う確率(すなわち、推薦確率)を求める。すなわち、各温感調整用確率モデルについて一意に規定され、各温感調整用確率モデルとともに記憶部61に記憶された設定操作番号kで表される設定操作を行う確率を求める。その確率は、例えば確率伝播法(belief propagation)を用いて計算することができる。そして、制御情報修正部64は、求めた推薦確率が、搭乗者がその設定操作を行うことがほぼ確実であると考えられる第1の閾値Th1(例えば、Th1=0.7)以上の場合、その設定操作を自動的に実行する。すなわち、制御情報修正部64は、その温感調整用確率モデルで推薦された設定になるように、設定温度Tsetなどの設定情報あるいはブロア電圧Bvなどの制御情報を修正する。
また、求めた推薦確率が第1の閾値Th1未満であるものの、搭乗者がその設定操作を行う可能性が高いと考えられる第2の閾値Th2(例えば、Th2=0.5)以上である場合には、制御情報修正部64は、A/C操作パネル59あるいはナビゲーションシステム56などの表示部を通じてその設定操作内容を表示して搭乗者に知らせる。そして、搭乗者にその設定操作を行うか否かを確認する。そして、搭乗者がその設定操作を行うことを承認する操作(例えば、所定の操作ボタンを押す)をA/C操作パネル59などを通じて行った場合、制御情報修正部64は、その設定操作を行う。一方、搭乗者がその設定操作を行うことを承認する操作を一定期間(例えば、60秒間)行わなければ、制御情報修正部64は、その設定操作を無視する。なお、A/C操作パネル59あるいはナビゲーションシステム56を通じて設定操作内容を音声で搭乗者に知らせてもよい。また、車両用空調装置1にマイクロフォンを接続し、制御部60に音声認識プログラムを搭載することにより、搭乗者の音声に反応して設定操作を行うか否かを確認してもよい。
以下、設定温度Tsetの推薦値を求めることを例として説明する。ここで、上記の第1の閾値Th1は0.7とし、第2の閾値Th2は0.5とする。
図3に、車両用空調装置1の設定温度Tsetを自動調節するために使用される温感調整用確率モデルの一例のグラフ構造を示す。図3に示す温感調整用確率モデル101では、2個の入力ノード102、103がそれぞれ出力ノード104に接続されている。また、各入力ノード102、103には、それぞれ入力される状態情報として外気温Tam及び日射量Sが与えられる。そして、出力ノード104は、設定温度Tsetを24℃〜30℃に設定する推薦確率を出力とする。
図4(a)〜(c)に、図3に示した確率モデル101の各ノードについてのCPT112〜114を示す。CPT112及び113は、それぞれ入力ノード102及び103に対応し、入力される空調情報に対する事前確率を規定する。例えばCPT112において、左側の列121は、外気温Tamの区分を表し、右側の列122の各欄に示された値は、外気温Tamの各区分に対する事前確率を表す。同様に、CPT113において、左側の列123は、日射量Sの区分を表し、右側の列124の各欄に示された値は、日射量Sの各区分に対する事前確率を表す。
さらに、CPT114は、出力ノード104に対応し、各入力ノードの情報の値ごとに割り当てられた条件付き確率分布を規定する。そして、CPT114において、最上段の行131は、確率モデル101に入力情報として与えられる外気温Tamの区分を表し、上から2番目の行132は、確率モデル101に入力情報として与えられる日射量Sの区分を表す。また、CPT114の一番左側の列133は、設定温度Tsetを表す。そして、CPT114のその他の各欄には、行131及び132で特定された外気温Tam及び日射量Sの区分に対する設定温度Tsetの推薦確率を示す。なお、図4(c)では、CPT114のうち、列134及び列135にのみ数値が記載されているが、これは説明のためであり、実際には、全ての欄に推薦確率が記載される。
ここで、外気温Tamが-1℃であり、日射量Sが400W/m2の場合、CPT114の列134より、設定温度Tsetを27℃とする推薦確率が最も高く、0.8となる。したがって、制御情報修正部64は、推薦確率として0.8を出力する。その推薦確率は、第1の閾値Th1以上であるため、制御情報修正部64は、自動的に設定温度Tsetを27℃にする。
また、外気温Tamが14℃であり、日射量Sが600W/m2の場合、CPT114の列135より、設定温度Tsetを26℃とする推薦確率が最も高く、0.6となる。したがって、制御情報修正部64は、推薦確率として0.6を出力する。その推薦確率は、第1の閾値Th1よりも小さいが、第2の閾値Th2以上であるため、制御情報修正部64は、設定温度Tsetを26℃にするか否か、A/C操作パネル59などを通じて搭乗者に確認する。そして、搭乗者が、設定温度Tsetを26℃にすることを承認する操作を行えば、制御情報修正部64は、設定温度Tsetを26℃に設定する。
図5に、車両用空調装置1の風量を調節するために使用される温感調整用確率モデルの一例のグラフ構造を示す。図5に示す温感調整用確率モデル201では、2個の入力ノード202、203がそれぞれ出力ノード204に接続されている。また、各入力ノード202、203には、それぞれ入力される状態情報として外気温Tam及び日射量Sが与えられる。そして、出力ノード204は、ブロア電圧Bvを4V〜10Vに設定する推薦確率を出力とする。
図6(a)〜(c)に、図5に示した確率モデル201の各ノードについてのCPT212〜214を示す。CPT212及び213は、それぞれ入力ノード202及び203に対応し、入力される空調情報に対する事前確率を規定する。例えばCPT212において、左側の列221は、外気温Tamの区分を表し、右側の列222の各欄に示された値は、外気温Tamの各区分に対する事前確率を表す。同様に、CPT213において、左側の列223は、日射量Sの区分を表し、右側の列224の各欄に示された値は、日射量Sの各区分に対する事前確率を表す。
さらに、CPT214は、出力ノード204に対応し、各入力ノードの情報の値ごとに割り当てられた条件付き確率分布を規定する。そして、CPT214において、最上段の行231は、確率モデル201に入力情報として与えられる外気温Tamの区分を表し、上から2番目の行232は、確率モデル201に入力情報として与えられる日射量Sの区分を表す。また、CPT214の一番左側の列233は、ブロア電圧Bvを表す。そして、CPT214のその他の各欄には、行231及び232で特定された外気温Tam及び日射量Sの区分に対するブロア電圧Bvの推薦確率を示す。なお、図6(c)では、CPT214のうち、列234にのみ数値が記載されているが、これは説明のためであり、実際には、全ての欄に推薦確率が記載される。
ここで、外気温Tamが14℃であり、日射量Sが600W/m2の場合、CPT214の列234より、ブロア電圧Bvを6Vとする推薦確率が最も高く、0.7となる。したがって、制御情報修正部64は、推薦確率として0.7を出力する。その推薦確率は、第1の閾値Th1以上であるため、制御情報修正部64は、ブロア電圧Bvを6Vに設定する。
なお、上記の例では、簡単化のために、温感調整用確率モデルを2層のネットワークで構成したが、温感調整用確率モデルを、中間層を含む、3層以上のネットワークで構成してもよい。また、外気温Tamの区分は、上記の図4又は図6に示すものに限られず、例えば、10℃ごとに区分するものであってもよい。さらに、後述するように、温感調整用確率モデルの生成時において、その区分を学習データに基づいて決定するようにしてもよい。同様に、日射量Sについても、上記の図4又は図6に示すものに限られず、例えば、300W/m2ごとに区分するものであってもよく、あるいは、学習データに基づいて決定されるようにしてもよい。さらに、上記の例では、温感調整用確率モデルの入力パラメータとして、外気温Tamと日射量Sのみを用いたが、内気温Trを用いてもよい。さらにまた、ブロア電圧のように、搭乗員に通常表示しない制御情報が修正対象である場合には、制御情報修正部64は、推薦確率が第1の閾値Th1未満かつ第2の閾値Th2以上であっても、搭乗者に確認することなく、制御情報の修正を行わないようにしてもよい。
次に、特定状況用確率モデルに基づいた、設定情報若しくは制御情報の修正について説明する。
本実施形態では、特定状況用確率モデルも、車両用空調装置1に登録された利用者毎に生成される。また、特定状況用確率モデルは、設定操作ごと(例えば、設定温度Tsetを下げる若しくは上げる、風量Wを調節する、内気循環モードにする等)に生成される。そして、記憶部61には、特定状況用確率モデルの構造情報が、各利用者情報及び設定操作と関連付けて記憶される。具体的には、特定状況用確率モデルを構成する各ノード間の接続関係を表すグラフ構造、入力ノードに与えられる入力情報のタイプ、各ノードの条件付き確率表(以下、CPTという)とともに、利用者の識別番号(ID)、設定操作の内容と一意に対応する設定操作番号k、その設定操作で修正される制御パラメータ及びその修正値(例えば、設定温度Tsetが3℃下げられる場合には、(Tset,-3)、風量Wを最大値Wmaxにする場合には、(W,Wmax)など)が各特定状況用確率モデルごとに規定され、記憶部61に記憶される。
制御情報修正部64は、照合部63によって搭乗者として特定された登録済み利用者に関連付けられた特定状況用確率モデルを記憶部61から読み出す。制御情報修正部64は、読み出された1以上の特定状況用確率モデルのそれぞれに、所定の状態情報を入力して、搭乗者が各特定状況用確率モデルに関連付けられた設定操作の推薦確率を求める。すなわち、各確率モデルについて一意に規定され、各確率モデルとともに記憶部61に記憶された設定操作番号kで表される設定操作の推薦確率を求める。この推薦確率も、例えば確率伝播法を用いて計算することができる。そして、制御情報修正部64は、求めた推薦確率が、搭乗者がその設定操作を行うことがほぼ確実であると考えられる第1の閾値Th1(例えば、Th1=0.9)以上の場合、その設定操作を自動的に実行する。具体的には、その設定操作に関連する制御パラメータの値を、特定状況用確率モデルに関連付けられた、すなわち、その特定状況用確率モデルに対して一意に規定され、各特定状況用確率モデルとともに記憶部61に記憶された制御パラメータの修正値を用いて修正する。
また、求めた推薦確率が第1の閾値Th1未満であるものの、搭乗者がその設定操作を行う可能性が高いと考えられる第2の閾値Th2(例えば、Th2=0.6)以上である場合には、制御情報修正部64は、A/C操作パネル59あるいはナビゲーションシステム56などの表示部を通じてその設定操作内容を表示して搭乗者に知らせる。そして、搭乗者にその設定操作を行うか否かを確認する。そして、搭乗者がその設定操作を行うことを承認する操作をA/C操作パネル59などを通じて行った場合、制御情報修正部64は、その設定操作を行う。なお、A/C操作パネル59あるいはナビゲーションシステム56を通じて設定操作内容を音声で搭乗者に知らせてもよい。また、車両用空調装置1にマイクロフォンを接続し、制御部60に音声認識プログラムを搭載することにより、搭乗者の音声に反応して設定操作を行うか否かを確認してもよい。
以下、設定温度Tsetを3℃下げることを例として説明する。ここで、上記の第1の閾値Th1は0.9とし、第2の閾値Th2は0.6とする。
図7に、車両用空調装置1の設定温度Tsetを自動調節するために使用される特定状況用確率モデルの一例のグラフ構造を示す。図7に示す確率モデル301では、3個の入力ノード302、303、304がそれぞれ出力ノード305に接続されている。また、各入力ノード302、303、304には、それぞれ入力される状態情報として曜日(x1)、時間帯(x2)、現在位置(x3)が与えられる。そして、出力ノード305は、設定温度Tsetを3℃下げる確率を出力とする。
図8(a)〜(d)に、図7に示した確率モデル301の各ノードについてのCPT312〜315を示す。CPT312〜314は、それぞれ入力ノード302〜304に対応し、入力される状態情報に対する事前確率を規定する。また、CPT315は、出力ノード305に対応し、各入力ノードの情報の値ごとに割り当てられた条件付き確率分布を規定する。
ここで、曜日が土曜日(x1=1)、時間帯が昼(x2=1)、現在位置が公園(x3=1)と各入力ノードに与えられる情報が全て既知の場合、設定温度Tsetを3℃下げる確率P(x4=1|x1=1,x2=1,x3=1)は、図8(d)より、0.95となる。したがって、得られた確率は、第1の閾値Th1以上であるため、制御情報修正部64は、設定温度Tsetを3℃下げるよう制御パラメータを修正する。
また、曜日が土曜日(x1=1)、時間帯が昼(x2=1)であるものの、例えば、ナビゲーションシステム56の電源が入っておらず、現在位置を知ることができない場合、図8(c)に示した現在位置が公園である場合の事前確率P(x3)を用いて、P(x4=1|x1=1,x2=1,x3)が計算される。この場合、
P(x4=1|x1=1,x2=1,x3)
= P(x4=1|x1=1,x2=1,x3=1)・P(x3=1)
+ P(x4=1|x1=1,x2=1,x3=0)・P(x3=0)
= 0.95・0.15 + 0.55・0.85 = 0.61
となる。したがって、得られた確率は、第1の閾値Th1よりも小さいが、第2の閾値Th2以上であるため、制御情報修正部64は、設定温度Tsetを3℃下げるか否か、A/C操作パネル59などを通じて搭乗者に確認する。
さらに、曜日が月曜日(x1=0)、時間帯が夜(x2=0)、現在位置が職場(x3=0)の場合、設定温度を3℃下げる確率P(x4=1|x1=0,x2=0,x3=0)は、図8(d)より、0.1となる。したがって、得られた確率は、第1の閾値Th1及び第2の閾値Th2よりも小さいため、制御情報修正部64は、設定温度Tsetを変更せず、設定温度Tsetを変更することについて、搭乗者に確認することもしない。
なお、特定状況用確率モデルについても、2層構成に限られず、中間層を含む、3層以上のネットワーク構成としてもよい。また、入力情報としての曜日を、土曜日とそれ以外に区分したが、他の区分、例えば、各曜日ごとに区分するものであってもよい。同様に、現在位置についても、公園とその他に区分するのではなく、搭乗者が訪問する頻度が高い場所ごとに区分するものであってもよい。さらに、時間帯についても、さらに細分化したり、午前、午後などに区分してもよい。
また、同一の操作グループ(設定温度の修正、風量の変更、内外気の切り替え若しくは風量比の設定など)に関連する特定状況用確率モデルが複数存在する場合、すなわち、特定の制御パラメータの修正を行う確率を出力とする確率モデルが複数存在する場合、制御情報修正部64は、それら複数の確率モデルそれぞれについてその確率を計算する。なお、特定の制御パラメータとは、風量、内外気の切り替え、風量比なども含む。そして、得られた確率のうち、最大となるものを選択して上記の処理を行う。例えば、風量設定に関する確率モデルM1(風量Wを最大にする)とM2(風量Wを中程度にする)が存在する場合を考える。この場合、制御情報修正部64は、確率モデルM1に基づいて風量Wを最大にする確率PM1を求め、同様に、確率モデルM2に基づいて風量Wを中程度にする確率PM2を算出する。そして、制御情報修正部64は、PM1>PM2であれば、PM1を上記の閾値Th1、Th2と比較して、風量Wを最大にするか否かを決定する。逆に、PM2>PM1であれば、PM2を上記の閾値Th1、Th2と比較して、風量Wを中程度にするか否かを決定する。
なお、上記では、理解を容易にするために、確率モデルM1とM2が、異なる設定操作に関連付けられるように規定した。しかし、確率モデルM1とM2は、同じ設定操作(例えば、ともに風量Wを最大にする)に関連付けられてもよい。このことは、例えば、搭乗者が異なる2以上の状況(一方は、日中で晴天の場合、他方は、スポーツジムの帰り道の場合等)で、同一の操作を行う場合があることに対応する。それぞれの状況に対応する確率モデルが生成されていれば、それらの確率モデルは、同一の操作グループに属する設定操作が関連付けられることになる。
制御情報修正部64は、上記の処理によって、設定温度Tset、風量Wなどの設定情報または制御情報を必要に応じて修正すると、それらの設定情報または制御情報を制御部60の各部で利用可能なように、制御部60のRAMに一時記憶する。
空調制御部65は、各制御情報及び各センサから取得したセンシング情報をRAMから読み出し、それらの値に基づいて、空調部10の制御を行う。そのために、空調制御部65は、温度調節部651、コンプレッサ制御部652、吹出口制御部653、吸込口制御部654及び送風量設定部655を有する。また、空調制御部65は、制御情報修正部64において修正された設定情報または制御情報がRAMに記憶されている場合には、その修正された設定情報または制御情報を読み出して使用する。
温度調節部651は、設定温度Tset及び各温度センサ及び日射センサ53の測定信号に基づいて、各吹き出し口から送出される空調空気の必要吹出口温度(空調温度Tao)を決定する。そして、その空調空気の温度が空調温度Taoとなるように、エアミックスドア28の開度を決定し、温調サーボモータ31へ、エアミックスドア28の開度が設定された位置になるように制御信号を送信する。例えば、エアミックスドア28の開度は、内気温Trと設定温度Tsetの差を、外気温Tam、日射量Sなどで補正した値を入力とし、エアミックスドア28の開度を出力とする関係式に基づいて決定される。ここで、エアミックスドア28の開度を、一定の時間間隔(例えば、5秒間隔)毎に判定する。そのような制御を行うための各測定値とエアミックスドア28の開度の関係式を以下に示す。
Figure 0004967810
上式において、Doは、エアミックスドア28の開度を表す。また、係数kset、kr、kam、ks、C、a、bは定数であり、Tset、Tr、Tam、Sは、それぞれ、設定温度、内気温、外気温及び日射量を表す。ここで、制御情報修正部64が設定温度Tsetを修正している場合、その修正された設定温度Tsetを使用する。また、エアミックスドア28の開度Doは、ヒータコア29を経由する通路32を閉じた状態(すなわち、冷房のみが動作する状態)を0%、バイパス通路30を閉じた状態(すなわち、暖房のみが動作する状態)を100%として設定される。温調制御式の各係数kset、kr、kam、ks、C及びエアミックスドアの開度を求める関係式の係数a、bは温調制御パラメータとして、登録済利用者ごとに設定され、登録済利用者の個人設定情報に含まれる。
なお、温度調節部651は、空調温度Tao及びエアミックスドア28の開度を、ニューラルネットワークを用いた制御やファジイ制御など、他の周知の制御方法を用いて決定してもよい。算出された空調温度Taoは、制御部60の他の部で参照できるように、記憶部61に記憶される。
コンプレッサ制御部652は、温度調節部651で求められた空調温度(必要吹出口温度)Tao、設定温度Tset及びエバポレータ出口温度などに基づいて、コンプレッサ11のON/OFFを制御する。コンプレッサ制御部652は、車室内を冷房する場合、デフロスタを作動させる場合などには、原則としてコンプレッサ11を作動させ、冷凍サイクルRを作動させる。ただし、エバポレータ18がフロストすることを避けるために、エバポレータ出口温度が、エバポレータ18がフロストする温度近くまで低下すると、コンプレッサ11を停止する。そして、エバポレータ出口温度がある程度上昇すると、再度コンプレッサ11を作動させる。なお、コンプレッサ11の制御は、可変容量制御など周知の方法を用いて行えるため、ここでは詳細な説明を省略する。
吹出口制御部653は、A/C操作パネル59を通じて搭乗者が設定した風量比の設定値、温度調節部651で求められた空調温度Tao、設定温度Tsetなどに基づいて、各吹き出し口から送出される空調空気の風量比を求め、その風量比に対応するように、フットドア37、フェイスドア38及びデフロスタドア39の開度を決定する。吹出口制御部653は、風量比の設定値、空調温度Tao、設定温度Tsetなどと各ドア37〜39の開度との関係を表す関係式にしたがって各ドア37〜39の開度を決定する。このような関係式は予め規定され、制御部60において実行されるコンピュータプログラムに組み込まれている。なお、吹出口制御部653は、他の周知の方法を用いて、各ドア37〜39の開度を決定することもできる。そして、各ドア37〜39が決定された開度となるように、モードサーボモータ40を制御する。
また、吹出口制御部653は、制御情報修正部64が風量比の設定値又は設定温度Tsetを修正している場合には、その修正された設定値又は設定温度Tsetを使用して各ドア37〜39の開度を決定する。
吸込口制御部654は、A/C操作パネル59から取得した吸込口設定、設定温度Tset、空調温度Tao、内気温Trなどに基づいて、車両用空調装置1が内気吸気口26から吸気する空気と外気吸気口27から吸気する空気の比率を設定する。吸込口制御部654は、外気温Tam、内気温Trと設定温度Tsetとの差などと吸気比との関係を表す関係式にしたがって内外気切替ドア25の開度を決定する。このような関係式は予め設定され、制御部60において実行されるコンピュータプログラムに組み込まれている。なお、吸込口制御部654は、他の周知の方法を用いて、内外気切替ドア25の開度を決定することもできる。吸込口制御部654は、内外気サーボモータ24を制御し、内外気切替ドア25を求めた吸気比となるように回動させる。また、吸込口制御部654は、制御情報修正部64が吸気設定値又は設定温度Tsetを修正している場合には、その修正された吸気設定値又は設定温度Tsetを使用して内外気切替ドア25の開度を決定する。
送風量設定部655は、A/C操作パネル59から取得した風量W、設定温度Tset、空調温度Tao、内気温Tr、外気温Tam及び日射量Sなどに基づいて、ブロアファン21の回転速度を決定する。そのために、送風量設定部655は、ブロアファン21の回転速度が設定値になるようなブロア電圧Bvを求め、駆動用モータ22をそのブロア電圧Bvで駆動する。例えば、風量設定が手動設定になっている場合には、送風量設定部655は、A/C操作パネル59から取得した風量Wとなるようにブロアファン21の回転速度を決定する。また、風量設定が自動設定になっている場合には、送風量設定部655は、内気温Tr、空調温度Taoなどと風量Wとの関係を表す風量制御式にしたがってブロア電圧Bvを決定する。あるいは、風量制御式を、設定温度Tset及び空調情報(内気温Tr、外気温Tam及び日射量S)と、風量Wの関係を直接的に表すものとしてもよい。このような風量制御式として、周知の様々なものを用いることができる。なお、このような風量制御式は予め設定され、制御部60において実行されるコンピュータプログラムに組み込まれている。あるいは、送風量設定部655は、空調情報と風量Wの関係を定めたマップを予め準備しておき、そのマップを参照して測定された空調情報に対応する風量Wを決定するマップ制御など、他の周知の方法を用いて、ブロア電圧Bvを決定することもできる。また、送風量設定部655は、制御情報修正部64が設定風量Wを修正している場合には、その修正された設定風量Wに基づいてブロア電圧Bvを決定する。あるいは、制御情報修正部64がブロア電圧Bvを修正している場合には、送風量設定部655は、そのブロア電圧Bvを使用する。
図9に、空調温度Tao(要求吹出し空気温度)とブロア電圧Bvの関係の一例を示す。図9において、横軸は空調温度Taoを表し、縦軸はブロア電圧Bvを表す。また図9において、実線901は、予めコンピュータプログラムに組み込まれた風量制御式によって求められるブロア電圧Bvを表す。また、一点鎖線902は、制御情報修正部64にて、温感調整用確率モデル又は特定状況用確率モデルに基づいて修正されたブロア電圧Bvを表す。図9に示すように、本実施形態では、制御情報修正部64でブロア電圧Bvが修正された場合、送風量設定部655は、空調温度Taoにかかわらずブロア電圧Bvが一定となる範囲でのみ、ブロア電圧Bvをその修正された値に設定する。そして、空調温度Taoの変化に応じてブロア電圧Bvも変化する過渡応答の範囲、及びブロア電圧Bvの飽和値(12V)となるときには、ブロア電圧Bvを通常の温調制御式で求められた値に設定する。
なお、送風量設定部655は、制御情報修正部64でブロア電圧Bvが修正された場合、上記の過渡応答の範囲でも、ブロア電圧Bvをその修正された値に設定するようにしてもよい。但しこの場合には、空調温度Taoに応じてブロア電圧Bvが変化することから明らかなように、温感調整用確率モデル又は特定状況用確率モデルに対する入力パラメータに、空調温度Taoを含むことが必要となる。
学習部66は、車内の空調状態が安定しているときの空調情報及び設定情報に基づいて、温感調整用確率モデルを更新する。また学習部66は、搭乗者が車両用空調装置1の操作を行ったときの状態情報に基づいて、特定状況用確率モデルの生成又は更新を行う。
最初に、確率モデルの生成又は更新のために使用する学習データについて説明する。
一般的に、搭乗者は、車室内が搭乗者にとって適切な空調状態となっていない場合、車両用空調装置1の設定操作を行う。そのため、搭乗者が車両用装置1の設定操作を頻繁に行う場合、搭乗者の設定操作を推定する確率モデルの構築が必要と考えられる。しかし、適切な確率モデルを構築するためには、統計的に正しい推定を行えるだけのデータが必要となる。また、搭乗者の温感に合わせて空調設定を最適化するためには、搭乗者がその空調設定に満足しているときの空調情報を参照して確率モデルを生成することが好ましい。
そこで学習部66は、安定した状態にあるときの空調情報及び設定情報を、温感調整用確率モデルの学習に使用する学習データとして、上述した設定操作番号k及び搭乗者のIDに関連付けて記憶部61に蓄積する。この学習データを、以下では温感調整用学習データCAと記す。安定した状態にあるときの空調情報及び設定情報として、学習部66は、例えば、搭乗者が何れかの空調設定を最後に変更してから一定期間(例えば、15分、1時間)経過した後、あるいは、搭乗者が車両のエンジンを切ったときの空調情報及び設定情報を、温感調整用学習データCAとして記憶部61に蓄積する。また学習部66は、搭乗者が空調設定を最後に変更してから一定期間が経過した後、次に空調設定を変更するまでの間、あるいは、その一定期間が経過したか否かにかかわらず、定期的に、例えば、15分間隔あるいは1時間間隔で、空調情報及び設定情報を取得して、温感調整用学習データCAとして記憶部61に蓄積してもよい。単に定期的に取得した空調情報及び設定情報についても、空調設定変更直後の情報は少ないと考えられるので、安定状態の情報として利用することができる。なお、温感調整用学習データCAは、例えば次式のように表される。
Figure 0004967810
ここで、cijは、各空調情報及び設定情報の値である。iは、データ取得の順番を示す。また、jは、空調情報及び設定情報の各値に対して便宜的に指定される項目番号であり、本実施形態では、j=1に対して、内気温Tr、j=2に対して外気温Tam、j=3に対して日射量Sが割り当てられる。そして、j=4以降に、設定温度、ブロア電圧、風量比などが割り当てられる。温感調整用学習データCAは、登録済み利用者ごとに別個に記憶される。
また、特定の状況(例えば、運動した直後、トンネルに入る直前など)が生じたために、車両用空調装置1の設定操作を最適化する場合、搭乗者は、その特定の状況が発生したとき、あるいはその特定の状況が発生する直前に、車両用空調装置1の設定操作を行う可能性が高い。そこで学習部66は、特定状況用確率モデルの生成に用いるために、車両用空調装置1の設定操作が行われる度に、その操作時に取得した各状態情報(外気温Tamなどの空調情報、車両の現在位置などの位置情報、車速などの車両挙動情報、心拍数などの生体情報)を学習データとして、上述した設定操作番号k及び搭乗者のIDに関連付けて記憶部61に記憶する。なお、この特定状況用確率モデルの生成に用いる学習データを、以下では特定状況用学習データと記す。記憶部61は、特定状況用学習データを、上記の温感調整用学習データCAとは別個に記憶する。また、ある搭乗者(ここでは、搭乗者Aとする)が、設定操作番号kに対応する設定操作α(例えば、設定温度を3℃下げる、風量Wを最大にするなど)を行った操作回数iAkも記憶部61に記憶する。なお、特定状況用学習データDAkは、例えば次式のように表される。
Figure 0004967810
ここで、dijkは、各状態情報の値である。iは、上記の操作回数iAkを示す。また、jは、状態情報の各値に対して便宜的に指定される状態項目番号であり、本実施形態では、j=1に対して、内気温Tr、j=2に対して外気温Tam、j=3に対して日射量Sが割り当てられる。そして、j=4以降に、位置情報、車両挙動情報、生体情報などが割り当てられる。また、kは設定操作番号である。
これら特定状況用学習データDAk及び操作回数iAkは、登録済み利用者及び設定操作ごとに別個に記憶される。
次に、温感調整用確率モデルの更新について説明する。
温感調整用確率モデルについては、入力データは空調情報(外気温Tam、内気温Tr、日射量S)に限られるので、その確率モデルに含まれる各ノード間の接続関係を修正する必要が無い。そこで学習部66は、上記の温感調整用学習データCAを用いて、各ノードのCPTのみを修正する。なお、初期設定として、入力ノードに対するCPT、すなわち、入力パラメータの事前確率を規定するCPTに関しては、入力パラメータの値の各区分に対して事前確率が等しくなるように設定する。また、出力ノードに対するCPTのうち、設定情報を所定値にする推薦確率を出力するCPTに関しても、初期設定として、設定情報の各値に対して推薦確率が等しくなるように設定する。一方、出力ノードに対するCPTのうち、制御情報を所定値にする推薦確率を出力するCPTに関しては、初期設定として、空調制御部65で使用される温調制御式などにより求められる値に対して推薦確率が最も高くなるように設定する。
学習部66は、温感調整用学習データCAの蓄積が開始されてから、十分な学習データが蓄積できると考えられる所定期間(例えば、3ヶ月間、1年間)経過すると、記憶部61に記憶されている温感調整用学習データCAを用いて、温感調整用確率モデルを更新する。その後、学習部66は、その所定期間より以前に取得された温感調整用学習データCAを記憶部61から消去する。
以下、図3に示した確率モデル101を用いて、温感調整用確率モデルの学習について詳細に説明する。
まず、確率モデル101の入力ノード102及び103に対しては、その入力ノードに関するCPT112及び113に規定された、入力パラメータの値の各区分に対する事前確率を、温感調整用学習データCAに含まれる各区分ごとの頻度に基づいて決定する。例えば、温感調整用学習データCAは、同時期に取得された、外気温Tam、内気温Tr、日射量S、設定温度Tset、ブロア電圧Bvなどを含むデータの組を1万個有するとする。このうち、入力ノード102の入力パラメータである外気温Tamについて着目すると、0℃未満、0℃以上15℃未満、15℃以上30℃未満、30℃以上の各区分に含まれるデータが、それぞれ1000個、3000個、4000個、2000個あったとする。この場合、外気温Tamが0℃未満の各区分の事前確率は、その頻度である1000を全データ数10000で割った値、すなわち0.1となる。同様に、0℃以上15℃未満、15℃以上30℃未満、30℃以上の各区分の事前確率は、0.3、0.4、0.2と求められる。入力ノード103についても、同様にCPT113を求めることができる。すなわち、温感調整用学習データCAに含まれる日射量Sの値の頻度を、0W/m2以下、1W/m2以上500W/m2以下、501W/m2以上1000W/m2以下、1001W/m2以上の各区分ごとに求め、その頻度を全データ数で割ることにより、各区分ごとの事前確率を求めることができる。
また、出力ノード104のCPT114については、学習部66は、外気温Tamと日射量Sの各区分の組み合わせごとに、設定温度Tsetの各値の頻度をその組み合わせのデータ個数の総数で割ることにより、設定温度Tsetを所定の値にする条件付き確率の値を求める。例えば、温感調整用学習データCAのうちに、外気温Tamが0℃以上15℃未満で、且つ日射量Sが501W/m2以上1000W/m2以下のデータが1000個含まれるとする。このうち、設定温度Tsetが25℃であったものが300個含まれるとする。この場合、学習部66は、外気温Tamが0℃以上15℃未満で、且つ日射量Sが501W/m2以上1000W/m2以下の場合に、設定温度Tsetを25℃に設定する条件付き確率を、対応するデータ数300をその入力データの区分についてのデータの総数1000で割った数、すなわち0.3とする。同様に、設定温度Tsetが26℃であったものが600個含まれるとする。この場合、学習部66は、外気温Tamが0℃以上15℃未満で、且つ日射量Sが501W/m2以上1000W/m2以下の場合に、設定温度Tsetを26℃に設定する条件付き確率を、0.6とする。
なお、入力パラメータの値の区分は、クラスタリングなどの手法を用いて決定してもよい。例えば、学習部66は、温感調整用学習データCAに含まれる外気温Tamのデータに対して、最短距離法などの階層的手法またはk−平均法などの分割最適化手法を用いてクラスタリングを行い、複数のクラスタに分類する。次に、学習部66は、各クラスタについて、そのクラスタに含まれる外気温Tamの最小値から最大値までの範囲を、そのクラスタに対応するパラメータ値の区分とする。あるいは、学習部66は、隣接する二つのクラスタについて、それぞれのクラスタに含まれるデータのうち、互いの距離が最も近いデータを選択する。そして、学習部66は、選択された二つのデータの値の中点を、その二つのクラスタの境界とすることにより、パラメータ値の区分を決定する。
なお、学習部66は、学習に用いるデータ数が十分でないと考えられる場合には、ベータ分布を用いて確率分布を推定するようにしてもよい。また、温感調整用学習データCAの中に、一部の入力情報の値の組み合わせが存在しない、すなわち、未観測データがある場合、未観測データに対する確率分布を推定し、その分布に基づいて期待値を計算することで、対応する条件付き確率を計算する。このような条件付き確率の学習については、例えば、繁桝算男他著、「ベイジアンネットワーク概説」、初版、培風館、2006年7月、p.35-38、p.85-87に記載された方法を用いることができる。
次に、特定状況用確率モデルの生成及び更新について説明する。
学習部66は、操作回数iAkが、所定回数n1(例えば、10回)に等しくなると、特定状況用学習データDAkを用いて、その設定操作に関する特定状況用確率モデルMAqkを生成する。なお、q(=1,2,..)は、搭乗者Aの設定操作番号kの設定操作について生成された確率モデルの数を表す。その後、搭乗者Aが、さらに設定操作αを繰り返す場合、学習部66は、前回の確率モデルMAqk生成後のその操作回数iAkがn1回に到達する度に(すなわち、操作回数iAk=n1・j(ただし、j=1,2,..)となる場合)、特定状況用学習データDAkを用いて、確率モデルMAqkを更新する。
そして、その操作回数iAkが、所定回数n2(例えば、30回)に等しくなると、学習部66は、その時点で記憶部61に記憶されている確率モデルMAqkを確立されたものとし、以後その確率モデルMAqkの更新は行わない。学習部66は、確立された確率モデルMAqkに対して、更新されないことを示すフラグ情報を付す。例えば、更新フラグfを確率モデルに関連付けて記憶部61に記憶し、その更新フラグfが'1'の場合は、更新(すなわち、書き換え)禁止、更新フラグfが'0'の場合は更新可能として、更新可否を判別可能とすることができる。そして、学習部66は、特定状況用学習データDAkを記憶部61から消去し、操作回数iAkを初期化して、値を0にリセットする。なお、所定回数n2は、n1よりも大きな数で、統計的に十分正確な確率モデルを生成可能と考えられるデータ数に対応する。所定回数n1及びn2は、経験的、実験的に最適化することができる。
確率モデルMAqkが確立された後、さらに搭乗者Aが同じ設定操作αを繰り返す場合には、上記と同様の手順に従って、新たな確率モデルMAq+1kを生成する。このように、必要に応じて複数の確率モデルを生成することにより、同一種類の設定操作が行われる特定状況が複数存在する場合(例えば、内気循環モードに設定する操作が行われる状況として、トンネル内に入ったという状況と、大型トラックの後ろになったという状況がある場合)に対応することができる。また、発生頻度の高い特定状況については、その状況に対応する情報が特定状況用学習データ中に多数含まれるので、早期に対応する確率モデルが生成される。そして、対応する確率モデルが生成された特定状況に対しては、制御情報修正部64は、その確率モデルに基づく確率推論によって自動的に設定操作を行うようになるので、搭乗者は車両用空調装置1の設定操作を行わなくなる。そのため、学習部66は、学習が進むにつれて、発生頻度の低い特定状況が生じたときのみ、搭乗者は設定操作を行うようになるので、発生頻度の低い特定状況に対応する確率モデルを生成することもできる。
本実施形態では、状態情報のうち、設定操作と特に関連が深そうなものを幾つか入力パラメータとして選択し、それら入力パラメータの組み合わせに対する条件付き確率によって設定操作を行う確率を求める2層構成のグラフ構造を標準モデルとして15種類準備した。しかし、標準モデルの数は、15種類に限られない。標準モデルの数は、得られる状態情報の数や、学習対象とする設定操作の種類に応じて、適宜最適化できる。また、標準モデルは、入力パラメータを1個だけとするものや、取得可能な全ての状態情報を入力パラメータとするものであってもよい。さらに、標準モデルは、2層構成のグラフ構造に限られず、制御部60を構成するCPUの能力に応じて、3層以上のグラフ構造のものを標準モデルとして使用してもよい。
それらの標準モデルは、記憶部61に記憶される。そして、学習時には、各標準モデルについて、その標準モデルに含まれる各ノード間の条件付き確率を決定して仮の確率モデルを生成する。その後、情報量基準を用いて、最も適切なグラフ構造を有する仮の確率モデルを選択する。その選択されたモデルが、特定状況用確率モデルとなる。
以下、図を用いて詳細に説明する。
図10(a)〜(d)に、15個の標準モデルのうちの4個を例として示す。図10(a)〜(d)に示す標準モデル501〜504は、何れも入力ノードと出力ノードからなる2層構成のベイジアンネットワークである。各標準モデル501〜504は、入力ノードに与えられるパラメータが異なる。
また、各標準モデル501〜504の入力ノードに対しては、その入力ノードに割り当てられた入力パラメータに対する事前確率を規定するCPTが設定される。なお、入力情報の区分は、クラスタリングなどの手法を用いて行う。例えば、図10(b)に示す標準モデル502において、現在位置を入力パラメータ(パラメータy11)とする入力ノードについて、学習部66は、特定状況用学習データを、最短距離法などの階層的手法またはk−平均法などの分割最適化手法を用いてクラスタリングする。そして学習部66は、各クラスタについて、クラスタに含まれるデータの重心を中心とし、その重心から最も遠い位置までを半径とする円を、そのクラスタに対応するパラメータ値の区分とする。あるいは、自宅のときy11=0、職場のときy11=1、近所の公園のときy11=2のように区分を予め決めておくようにしてもよい。同様に、出力ノードに対しては、入力ノードに与えられた情報に基づく条件付き確率の分布を示すCPTが設定される。なお、初期状態では、CPTは、全ての状態に対して等しい値となるように設定される。
図10に示したフローチャートは、特定状況用確率モデルを生成する手順である。
学習が開始されると、学習部66は、まず、各標準モデルに対して、特定状況用学習データDAkから対象となる入力パラメータを抽出して各ノードの条件付き確率を求め、CPTを作成して確率モデルを構築する(ステップS201)。
そこで、学習部66は、記憶部61から読み出した、特定状況用学習データDAkから、各ノードについて、各パラメータの状態ごとに該当する数nを数える。そして、その数nを全事象数Nで除した値を、事前確率及び条件付き確率の値とする。例えば、図10(b)の標準モデル502を例として説明する。ここで、30個のデータの組を含む特定状況用学習データDAkがあり、このうち、入力ノードの一つに割り当てられている現在位置について調べると、自宅である回数(y11=0)が15回、職場である回数(y11=1)が12回、近所の公園である回数(y11=2)が3回とすると、現在位置に対する事前確率P(y11)は、それぞれ、P(y11=0)=0.5、P(y11=1)=0.4、P(y11=2)=0.1となる。同様に、出力ノードについては、親ノードである各入力ノードに与えられる入力情報の現在位置(y11)、曜日(y12)、時間帯(y13)の取り得る値の組み合わせのそれぞれについて、特定状況用学習データDAk中に出現する数を計算し、それを全データ数である30で割ることによって、条件付き確率を求められる。このように、事前確率及び条件付き確率を求めることにより、各ノードに対応するCPTを決定する。
なお、学習部66は、学習に用いるデータ数が十分でないと考えられる場合には、ベータ分布を用いて確率分布を推定するようにしてもよい。また、特定状況用学習データDAkの中に、一部の入力情報の値の組み合わせが存在しない、すなわち、未観測データがある場合、未観測データに対する確率分布を推定し、その分布に基づいて期待値を計算することで、対応する条件付き確率を計算する。
各標準モデルに対するCPTが求められると、学習部66は、構築された確率モデルを評価するために、各確率モデルについて情報量基準を算出する(ステップS202)。
本実施形態では、情報量基準として、AIC(赤池情報量基準)を用いた。AICは、確率モデルの最大対数尤度と、パラメータ数に基づいて、以下の式に基づいて求めることができる。
Figure 0004967810
ここで、AICmは、確率モデルMに対するAICを表す。また、θmは、確率モデルMのパラメータ集合を、lmm|X)は、データXを所与としたときの確率モデルMにおけるそのデータの最大対数尤度の値を、kmは確率モデルMのパラメータ数をそれぞれ表す。ここでlmm|X)は、以下の手順で計算できる。まず、各ノードにおいて、親ノードの変数の各組み合わせについて、学習データDAkから出現頻度を求める。その出現頻度に条件付き確率の対数値を乗じた値を求める。最後にそれらの値を足し合わせることでlmm|X)が算出される。また、kmは、各ノードにおける、親ノード変数の組み合わせの数を足し合わせることで求められる。
学習部66は、全ての確率モデルについてAICを求めると、AICの値が最も小さいモデルを、特定状況用確率モデルとして選択し、記憶部61に保存する(ステップS203)。そして、他の確率モデルを消去する(ステップS204)。
なお、情報量基準を用いた確率モデルの選択(言い換えれば、グラフ構造の学習)については、ベイズ情報量基準(BIC)、竹内情報量基準(TIC)、最小記述長(MDL)基準など他の情報量基準を用いてもよい。さらに、これらの情報量基準の算出式の正負を反転させたものを、情報量基準として用いてもよい。この場合には、情報量基準の値が最大となる確率モデルを、特定状況用確率モデルとして選択する。
学習部66は、構築された特定状況用確率モデルを記憶部61に記憶する。また、学習データDAkに関連付けられた搭乗者のID、設定操作番号kを取得し、構築された特定状況用確率モデルに関連付けて記憶部61に記憶する。さらに、その特定状況用確率モデルに基づいて修正される制御パラメータ及び修正値を、設定操作番号kに基づいて特定し、その特定状況用確率モデルに関連付けて記憶部61に記憶する。なお、設定操作番号kと、修正される制御パラメータ及び修正値の関係は、例えばルックアップテーブルとして予め規定され、記憶部61に保持される。
以下、図12〜14に示したフローチャートを参照しつつ、本発明に係る車両用空調装置1の空調制御動作について説明する。なお、空調制御動作は、制御部60により、制御部60に組み込まれたコンピュータプログラムにしたがって行われる。
図12に示すように、まず、エンジンスイッチがONとなり、車両用空調装置1に電源が投入されると、制御部60は、車両用空調装置1を稼動させる。そして、制御部60の照合部63は、搭乗者の照合・認証を行う(ステップS101)。そして、搭乗者と判定された登録済利用者の個人設定情報を記憶部61から読み出す(ステップS102)。
次に、制御部60は、前回の温感調整用確率モデルの更新から所定期間が経過したか否かを判定する(ステップS103)。なお、この所定期間は、例えば3ヶ月若しくは1年に設定することができる。また、最初の更新の場合は、車両用空調装置1が稼動を開始してから所定期間が経過したか否かを判断する。
ステップS103にて、所定期間が経過していた場合、制御部60の学習部66は、温感調整用の確率モデルを更新する(ステップS104)。なお、この確率モデルの更新の詳細については、上述したとおりである。この確率モデルの更新が終了すると、学習部66は、その所定期間より以前に取得された温感調整用学習データCAを記憶部61から消去する(ステップS105)。
ステップS105の後、または、ステップS103にて、所定期間が経過していない場合、制御部60は、通信部62を通じて、各センサ、ナビゲーションシステム56、車両操作機器57などから各状態情報を取得する(ステップS106)。この状態情報には、外気温Tam、日射量Sなどの空調情報も含む。同様に、記憶部61から各設定情報を取得する。
次に、制御部60は、搭乗者が車両用空調装置1の設定操作を行ったか否かを判定する(ステップS107)。具体的には、制御部60は、A/C操作パネル59から操作信号を受信すると、設定操作が行われたと判断する。
図13に示すように、搭乗者が設定操作を行っていない場合、制御部60の制御情報修正部64は、その搭乗者に関連付けられている温感調整用確率モデルのうち、何れかの設定操作に関連する確率モデルに、ステップS106で取得された空調情報を入力する。そして、その温感調整用確率モデルに関連付けられている設定操作に関する推薦確率Pを算出する(ステップS108)。あるいは、制御情報修正部64は、その搭乗者に関連付けられている特定状況用確率モデルMAqkのうち、何れかの操作グループに関連する設定情報または制御情報の修正に関連する確率モデルに、ステップS106で取得された状態情報を入力する。そして、その特定状況用確率モデルに関連付けられている設定操作に関する確率を算出する。そして、その設定情報または制御情報に関連する同一操作グループ内の設定操作について算出された確率のうち、最も高い確率を推薦確率Pとして求める。
次に、制御情報修正部64は、得られた推薦確率Pを、第1の所定値Th1と比較する(ステップS109)。推薦確率Pが第1の所定値Th1(例えば、0.9)以上の場合、制御情報修正部64は、推薦確率Pを出力した確率モデル(以下、選択確率モデルという)に基づいて、対応する車両用空調装置1の設定情報(例えば、設定温度Tset)又は制御情報(例えば、ブロア電圧Bv)を修正する(ステップS112)。一方、推薦確率Pが、第1の所定値Th1未満の場合、制御情報修正部64は、推薦確率Pを、第2の所定値Th2(例えば、0.6)と比較する(ステップS110)。そして、推薦確率Pが第2の所定値Th2以上であれば、制御情報修正部64は、A/C操作パネル59の表示部などを通じて、選択確率モデルに関連付けられた設定操作番号kに対応する設定操作を行うか否かを表示し、確認する(ステップS111)。そして、搭乗者がその設定操作を行うことを承認した場合、制御情報修正部64は、車両用空調装置1の設定情報又は制御情報を修正する(ステップS112)。一方、搭乗者が承認しなかった場合には、制御情報修正部64は、設定情報及び制御情報を修正しない。すなわち、選択確率モデルに関連する設定操作は行わない。また、ステップS110において、推薦確率Pが第2の所定値Th2未満の場合も、制御情報修正部64は、設定パラメータ及び制御パラメータを修正しない。
その後、制御情報修正部64は、全ての温感調整用確率モデル及び特定状況用確率モデルに関して推薦確率を算出したか否かを確認することにより、全ての設定操作について、設定情報又は制御情報の修正が終わったか否かを判定する(ステップS113)。まだ推薦確率を算出していない確率モデルがある場合、すなわち、設定情報の修正の有無を調べていない操作グループがある場合には、制御部60は、制御をステップS108の前に戻す。なお、温感調整用確率モデルに基づく設定情報若しくは制御情報の修正と、特定状況用確率モデルに基づく設定情報若しくは制御情報の修正とが矛盾する場合、制御情報修正部64は、特定状況用確率モデルに基づく修正を優先する。
一方、全ての確率モデルについて、確率算出を終了している場合には、制御部60の空調制御部65は、必要に応じて修正された設定情報又は制御情報に基づいて、所望の空調温度、風量などが得られるように、空調制御を行い、エアミックスドア、ブロアファンの回転数、各吹き出し口のドアの開度を調節する(ステップS114)。
その後、制御部60は、搭乗者が前回設定操作を行ったとき、かつ前回温感調整用学習データCAを取得したときから、所定のサンプリング時間が経過したか否か判定する(ステップS115)。なお、サンプリング時間は、例えば、15分あるいは1時間に設定することができる。また、車両用空調装置1に電源が投入されてから、1度も設定操作がされていない場合には、制御部60は、設定操作を行ったときの代わりに、その電源投入されたときを基準にサンプリング時間が経過したか否かを判定する。
ステップS115にて、所定のサンプリング時間が経過していた場合、制御部60は、空調情報をセンサから取得し、温感調整用学習データCAとして記憶部61に保存する(ステップS116)。また、ステップS116の後、あるいは、ステップS115にて、所定のサンプリング時間が経過していなかった場合、制御部60は、エンジンがOFFされたか否かを判定する(ステップS117)。エンジンがOFFになっていない場合、制御部60は、制御をステップS106の前に戻す。そして、ステップS106〜ステップS125の処理を、一定時間間隔(例えば、5秒間隔)で繰り返す。一方、ステップS117にて、エンジンがOFFにされたと判定された場合、制御部60は、空調情報をセンサから取得し、温感調整用学習データCAとして記憶部61に保存する(ステップS118)。そして、車両用空調装置1を停止する。
また、図14に示すように、ステップS107において、搭乗者が車両用空調装置1の設定操作を行った場合、設定信号を参照してどの設定操作が行われたかを特定する(ステップS119)。そして、搭乗者のIDと、行われた設定操作に対応する設定操作番号kと、その設定操作が行われた操作回数iAkと関連付けて、取得された各状態情報を特定状況用学習データDAkの要素として記憶部61に記憶する(ステップS120)。
その後、制御部60の学習部66は、操作回数iAkが所定回数n1*j(j=1,2,3)と等しいか否か判定する(ステップS121)。なお、所定回数n1は、例えば10回である。そして、学習部66は、iAk=n1*jと判定した場合、その搭乗者及び設定操作番号kに関連付けられて記憶部61に記憶されている特定状況用学習データDAkを用いて、特定状況用確率モデルを生成する(ステップS122)。なお、特定状況用確率モデルは、図11のフローチャートに示した手順に従って生成される。そして、その特定状況用確率モデルを搭乗者のIDなどと関連付けて記憶部61に記憶する。その際、記憶部61に特定状況用確率モデルMAqkが存在し、且つ対応する更新フラグfの値が、更新を許可することを示す場合には、学習部66は、新たに生成された特定状況用確率モデルで、記憶部61に記憶されている特定状況用確率モデルMAqkを置き換える。一方、記憶部61に特定状況用確率モデルMAqkが存在せず、あるいは、特定状況用確率モデルMAqkに対応する更新フラグfの値が、更新を許可しないことを示す場合には、学習部66は、新たに生成された特定状況用確率モデルを確率モデルMAq+1kとして、記憶部61に保存する。
一方、ステップS121において、iAkがn1*jと等しくない場合、学習部66は、制御をステップS123の前に移行する。
次に、学習部66は、操作回数iAkが所定回数n2(例えば、n2=30)と等しいか否か判定する(ステップS123)。iAkがn2と等しくなければ、iAkを1だけインクリメントし(ステップS124)、制御を図13に示したステップS114の前へ移行する。一方、ステップS123において、iAk=n2であれば、学習部66は、その搭乗者及び設定操作番号kに関連付けられて記憶部61に記憶されている特定状況用学習データDAkを消去する(ステップS125)。また、iAkを初期化し、iAk=0とする。その後、制御をステップS114の前に移行する。
なお、上記のフローチャートのステップS121において、学習部66は、特定状況用確率モデルの生成を行うか否かを判定するために、操作回数iAkと所定回数n1*j(j=1,2,3)を比較する代わりに、同一の設定操作に関連する特定状況用確率モデルを前回生成したときからの経過時間が第1の所定時間(例えば、1週間、1ヶ月)経過したか否かを判定するようにしてもよい。この場合、学習部66は、その経過時間が第1の所定時間以上となったとき、特定状況用確率モデルを生成する。すなわち、学習部66は、上記のステップS122〜S125の処理を実行する。このように、経過時間に基づいて確率モデルの構築を行うか否かを判定するために、制御部60は、特定状況用確率モデルが構築された時の作成日時をその確率モデルに関連付けて記憶部61に記憶しておく。そして、学習部66は、経過時間を算出する際に、設定操作αに関連する特定状況用確率モデルのうち、最新の確率モデルに関連付けられた作成日時を記憶部61から取得し、現在の時間との差を求めることによって経過時間を算出する。
さらに、学習部66が経過時間に基づいて特定状況用確率モデルの構築を行うか否かを判定する場合、上記のステップS123では、学習部66は、経過時間を第1の所定時間よりも長い第2の所定時間(例えば、4週間、6ヶ月)と比較するようにしてもよい。そして、経過時間が第2の所定時間よりも長い場合、学習部66は、特定状況用学習データDAkの消去、更新フラグfの書き換えを行う。
以上説明してきたように、本発明に係る車両用空調装置は、搭乗者の温感又は特定状況に合わせて学習された少なくとも一つの確率モデルに基づいて、搭乗者の空調設定操作を推定するので、搭乗者の温感又は状況に応じて自動的に最適な空調設定を行うことができる。特に、使用を続けるほど、各状況に対応した確率モデルが別個に生成されるので、様々な状況に応じて最適な空調設定を行うことができる。
なお、本発明は上記の実施形態に限定されるものではない。例えば、上記の学習部及び記憶部を、車両とは別個に設置されたサーバに設け、温感調整用確率モデル及び特定状況用確率モデルの生成又は更新を、そのサーバで行うようにしてもよい。この場合、車両用空調装置は、空調情報または状態情報を取得すると、車両の識別情報を付してサーバに送信する。そしてサーバは、それらの情報を、車両ごとに区別して、学習データとして蓄積する。特定の車両についての学習データが十分に蓄積されると、サーバは、その学習データを利用して、その車両用の温感調整用確率モデル及び特定状況用確率モデルを生成又は更新する。その後、サーバはそれら確率モデルを、車両の識別情報を参照して、対応する車両に送信する。なお、サーバにも、バックアップとしてそれら確率モデルを保存しておくことが好ましい。サーバは、確率モデルの更新の際、車両から更新対象となる確率モデルに関する情報を取得しなくても、そのバックアップの確率モデルを利用することができるためである。
また、上記の実施形態において、搭乗者は運転者に限られない。車両用空調装置の設定操作を誰が行ったかを判別することにより、運転者以外の同乗者が操作する場合にも好適に用いることができる。例えば、車両用空調装置のA/C操作パネル59が、運転席用と助手席用の二つ準備されている場合、制御部60は、どちらのA/C操作パネル59が操作されたかによって、運転者が操作したのか、同乗者が操作したのかを判定してもよい。また、制御部60は、特開2002−29239号公報に記載されているように、A/C操作パネル59上に赤外線温度センサなどで構成される操作乗員検出センサを設けて、運転者か同乗者のどちらが操作を行ったかを判定するようにしてもよい。
そして、同乗者が操作を行った場合には、運転者の照合及び認証と同様に、車内カメラ54で撮影した画像データに基づいて、同乗者の照合及び認証も行い、その操作時の各センサ値などの状態情報を、運転者ではなく、その同乗者に関連付けて記憶する。
また、搭乗者が特定人に限定されるような場合、あるいは、誰が運転する場合でも行うような設定操作について確率モデルを構築する場合には、照合部63を省略してもよい。この場合、確率モデル及び確率モデルの学習に用いる学習データは、搭乗者が誰であっても共通して使用される。
なお、本発明を適用する空調装置は、フロントシングル、左右独立、リア独立、4席独立、上下独立の何れのタイプのものであってもよい。何れかの独立タイプの空調装置に本発明を適用する場合には、内気温センサ、日射センサなどが複数搭載されてもよい。
上記のように、本発明の範囲内で様々な修正を行うことが可能である。
本発明の第1の実施形態に係る車両用空調装置の全体構成を示す構成図である。 車両用空調装置の制御部の機能ブロック図である。 温感調整用確率モデルの構造の一例を示す図である。 (a)〜(c)は、それぞれ図3に示した確率モデルの各ノードについての条件付き確率表を示す図である。 温感調整用確率モデルの構造の他の一例を示す図である。 (a)〜(c)は、それぞれ図5に示した確率モデルの各ノードについての条件付き確率表を示す図である。 特定状況用確率モデルの構造の一例を示す図である。 (a)〜(d)は、それぞれ図7に示した確率モデルの各ノードについての条件付き確率表を示す図である。 空調温度とブロア電圧の関係の一例を示すグラフである。 (a)〜(d)は、それぞれ特定状況用確率モデルの基礎となるグラフ構造を有する標準モデルを示す図である。 特定状況用確率モデルの構築動作を示すフローチャートである。 本発明に係る車両用空調装置の制御動作を示すフローチャートである。 本発明に係る車両用空調装置の制御動作を示すフローチャートである。 本発明に係る車両用空調装置の制御動作を示すフローチャートである。
符号の説明
1 車両用空調装置
10 空調部
11 コンプレッサ
21 ブロアファン
22 駆動用モータ
24 内外気サーボモータ
25 内外気切替ドア
28 エアミックスドア
31 温調サーボモータ
37 フットドア
38 フェイスドア
39 デフロスタドア
40 モードサーボモータ
51 内気温センサ
52 外気温センサ
53 日射センサ
54 車内カメラ
55 車外カメラ
56 ナビゲーションシステム
57 車両操作機器
58 車載時計
59 A/C操作パネル
60 制御部
61 記憶部
62 通信部
63 照合部
64 制御情報修正部
65 空調制御部
651 温度調節部
652 コンプレッサ制御部
653 吹出口制御部
654 吸込口制御部
655 送風量設定部
66 学習部
101、201 温感調整用確率モデル
102〜104、202〜204 ノード
112〜114、212〜214 条件付き確率表(CPT)
301 特定状況用確率モデル
302〜305 ノード
312〜315 CPT
501〜504 標準モデル

Claims (7)

  1. 空調空気を車両内に供給する空調部(10)と、
    前記車両の空調設定に関する情報であり、前記車両内の気温、前記車両外の気温及び日射量のうちの少なくとも一つを含む空調情報を取得する空調情報取得部(51、52、53)と、
    前記車両に関する状態を表す状態情報を取得する情報取得部(55、56、57、58)と、
    前記空調情報取得部(51、52、53)により、前記車両内の空調状態が安定している安定状態において取得された複数の前記空調情報を、第1の学習データ群として記憶する記憶部(61)と、
    前記空調情報を入力することにより乗員が空調に関する第1の設定操作を行う第1の確率を算出するための第1の確率モデルを、前記第1の学習データ群を用いて構築する学習部(66)と、
    前記学習部(66)で構築された前記第1の確率モデルに、前記空調情報取得部(51、52、53)により取得された空調情報を入力して前記第1の確率を算出し、かつ、前記状態情報を入力することにより、乗員が空調に関する第2の設定操作を行う第2の確率を算出するための第2の確率モデルに、前記情報取得部(55、56、57、58)により取得された前記状態情報を入力して該第2の設定操作を行う前記第2の確率を算出し、前記第1の確率が乗員が前記第1の設定操作を行うと推定される第1の閾値以上である場合、乗員の設定操作に関連する設定情報又は制御情報を、前記第1の設定操作となるように修正し、一方、前記第2の確率が乗員が前記第1の設定操作を行うと推定される第2の閾値以上である場合、乗員の設定操作に関連する設定情報又は制御情報を、前記第2の設定操作となるように修正する制御情報修正部(64)と、
    前記修正された設定情報又は制御情報にしたがって、前記空調部(10)の空調制御を行う空調制御部(65)と、
    を有し、
    前記状態情報は、前記車両の位置に関する情報、前記車両の挙動を表す情報及び前記情報取得部が当該状態情報を取得する際の時間に関する情報のうちの少なくとも一つを含み、
    前記空調情報取得部(51、52、53)は、乗員が車両の動力を停止した時点の前記空調情報、設定操作が行われてから所定時間経過後における前記空調情報、又は定期的に測定された前記空調情報の少なくとも何れかを、前記安定状態にある空調情報として取得する、
    ことを特徴とする車両用空調装置。
  2. 前記第1の確率が、前記第1の閾値未満であり、且つ前記第1の閾値よりも低い第の閾値以上の場合、前記第1の設定操作の内容を搭乗者に報知し、且つ前記第1の設定操作を行うか否かを搭乗者に確認する確認操作部(59)を有し、
    前記確認操作部(59)を通じて前記第1の設定操作を行うことが確認された場合、前記制御情報修正部(64)は、前記設定情報又は制御情報を修正する、請求項に記載の車両用空調装置。
  3. 搭乗者の情報を取得する搭乗者情報取得部(54)と、
    前記搭乗者情報を用いて、搭乗者と予め記憶された少なくとも一人の登録済利用者とを照合する照合部(63)を有し、
    前記制御値修正部(64)は、前記照合部(63)が搭乗者と判定した登録済利用者と関連付けられた前記第1の確率モデルに基づいて前記第1の確率を算出する、請求項1または2に記載の車両用空調装置。
  4. 前記第1の確率モデルは、前記空調情報を入力として前記第1の確率を出力するノードを有し、
    前記学習部(66)は、前記第1の学習データ群に含まれた、前記安定状態にある空調情報を用いて該ノードが出力する前記第1の確率を決定する、請求項1〜3の何れか一項に記載の車両用空調装置。
  5. 前記学習部(66)は、前記記憶部(61)に記憶された前記第1の学習データ群に含まれた、前記安定状態にある前記空調情報を少なくとも第1のクラスタと第2のクラスタに区分し、かつ該第1のクラスタに含まれた前記空調情報から前記空調情報の値に関する第1の範囲を決定し、該第2のクラスタに含まれた前記空調情報から前記空調情報の値に関する第2の範囲を決定し、前記第1の範囲に含まれる前記空調情報の値に対して前記ノードが出力する前記第1の確率及び前記第2の範囲に含まれる前記空調情報の値に対して前記ノードが出力する前記第1の確率を決定することにより、前記第1の確率モデルを構築する、請求項に記載の車両用空調装置。
  6. 前記記憶部(61)は、前記情報取得部(55、56、57、58)により取得された複数の状態情報を、第2の学習データ群として記憶し、
    前記学習部(66)は、前記第2の確率モデルを、前記第2の学習データ群を用いて構築する、請求項1に記載の車両用空調装置。
  7. 空調空気を車両内に供給する空調部(10)を有する車両用空調装置の制御方法であって、
    前記車両内の空調状態が安定している安定状態において取得された前記車両の空調設定に関する情報であり、前記車両内の気温、前記車両外の気温及び日射量のうちの少なくとも一つを含む複数の空調情報を、学習データ群として記憶するステップと、
    前記空調情報を入力することにより乗員が空調に関する第1の設定操作を行う第1の確率を算出するための第1の確率モデルを、前記学習データ群を用いて構築するステップと、
    前記空調情報を取得するステップと、
    前記車両に関する状態を表す状態情報を取得するステップと、
    前記第1の確率モデルに前記空調情報を入力して前記第1の確率を算出するステップと、
    乗員が空調に関する第2の設定操作を行う第2の確率を算出するための第2の確率モデルに前記状態情報を入力して該第2の設定操作を行う第2の確率を算出するステップと、
    前記第1の確率が乗員が前記第1の設定操作を行うと推定される第1の閾値以上である場合、乗員の設定操作に関連する設定情報又は制御情報を、前記第1の設定操作となるように修正し、一方、前記第2の確率が乗員が前記第2の設定操作を行うと推定される第2の閾値以上である場合、乗員の設定操作に関連する設定情報又は制御情報を、前記第2の設定操作となるように修正するステップと、
    前記修正された設定情報又は制御情報にしたがって、前記空調部(10)の空調制御を行うステップと、
    を有し、
    前記状態情報は、前記車両の位置に関する情報、前記車両の挙動を表す情報及び当該状態情報を取得する際の時間に関する情報のうちの少なくとも一つを含み、
    前記安定状態にある空調情報は、乗員が車両の動力を停止した時点の前記空調情報、設定操作が行われてから所定時間経過後における前記空調情報、又は定期的に測定された前記空調情報の何れかである、
    ことを特徴とする制御方法。
JP2007135689A 2007-05-22 2007-05-22 車両用空調装置およびその制御方法 Active JP4967810B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007135689A JP4967810B2 (ja) 2007-05-22 2007-05-22 車両用空調装置およびその制御方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007135689A JP4967810B2 (ja) 2007-05-22 2007-05-22 車両用空調装置およびその制御方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2008290494A JP2008290494A (ja) 2008-12-04
JP4967810B2 true JP4967810B2 (ja) 2012-07-04

Family

ID=40165691

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2007135689A Active JP4967810B2 (ja) 2007-05-22 2007-05-22 車両用空調装置およびその制御方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4967810B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20190050455A (ko) * 2017-11-03 2019-05-13 (주)레이원 차량 및 사용자 정보를 이용한 인공지능 차량제어장치

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5078937B2 (ja) * 2009-03-30 2012-11-21 株式会社デンソーアイティーラボラトリ 車両用空調装置及び車両用空調装置の制御方法
JP6019720B2 (ja) * 2012-05-02 2016-11-02 スズキ株式会社 車両の空調制御装置

Family Cites Families (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3111733B2 (ja) * 1993-03-17 2000-11-27 日産自動車株式会社 自動車用空調装置
JP4221867B2 (ja) * 1999-02-05 2009-02-12 株式会社デンソー 制御量算出装置、空調制御装置及び記録媒体
US7797266B2 (en) * 2004-03-18 2010-09-14 Denso It Laboratory, Inc. Vehicle information processing system for content recommendation using Bayesian network models
JP4531556B2 (ja) * 2004-12-27 2010-08-25 株式会社デンソーアイティーラボラトリ ユーザ支援装置及びユーザ支援方法
JP4531646B2 (ja) * 2005-07-01 2010-08-25 株式会社デンソー ナビゲーションシステム、および、そのナビゲーションシステムに用いる係数決定プログラム
JP4682992B2 (ja) * 2007-02-08 2011-05-11 株式会社デンソー 車両用空調装置、車両用空調装置の制御方法および制御装置
JP4789842B2 (ja) * 2007-03-29 2011-10-12 株式会社デンソーアイティーラボラトリ 車両用空調装置、車両用空調装置の制御方法、車載機器制御装置及び車載機器制御方法
JP4879065B2 (ja) * 2007-03-29 2012-02-15 株式会社デンソーアイティーラボラトリ 車両用空調装置、車両用空調装置の制御方法、車載機器制御装置および車載機器の制御方法
JP4780035B2 (ja) * 2007-05-21 2011-09-28 株式会社デンソー 車両用空調装置

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20190050455A (ko) * 2017-11-03 2019-05-13 (주)레이원 차량 및 사용자 정보를 이용한 인공지능 차량제어장치
KR102028523B1 (ko) * 2017-11-03 2019-10-04 (주)레이원 차량 및 사용자 정보를 이용한 인공지능 차량제어장치

Also Published As

Publication number Publication date
JP2008290494A (ja) 2008-12-04

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4360409B2 (ja) 車両用空調装置、車両用空調装置の制御方法および制御装置
JP4990115B2 (ja) 位置範囲設定装置、移動物体搭載装置の制御方法および制御装置、ならびに車両用空調装置の制御方法および制御装置
JP2009046115A (ja) 車両用空調装置及び車両用空調装置の制御方法
US7962441B2 (en) Air conditioner for vehicle and controlling method thereof
JP4682992B2 (ja) 車両用空調装置、車両用空調装置の制御方法および制御装置
JP5224280B2 (ja) 学習データ管理装置、学習データ管理方法及び車両用空調装置ならびに機器の制御装置
US20090031741A1 (en) Automotive air conditioner and method for controlling automotive air conditioner
JP4985057B2 (ja) 車両用空調装置およびその制御方法
JP4821536B2 (ja) 車両用空調装置及び車両用空調装置の制御方法
JP5078937B2 (ja) 車両用空調装置及び車両用空調装置の制御方法
JP4780035B2 (ja) 車両用空調装置
EP3582030A1 (en) Method and system for smart interior of a vehicle
JP2008056078A (ja) 車両用空調装置
JP2016137818A (ja) 車室内空気向上システム
JP4967810B2 (ja) 車両用空調装置およびその制御方法
JP4879065B2 (ja) 車両用空調装置、車両用空調装置の制御方法、車載機器制御装置および車載機器の制御方法
JP4789842B2 (ja) 車両用空調装置、車両用空調装置の制御方法、車載機器制御装置及び車載機器制御方法
JP2001199217A (ja) 車両用空調装置
JP5177667B2 (ja) 車両用空調装置及びその制御方法
JP2007308096A (ja) 車両用空調装置
JPH07285322A (ja) 車両用空調制御装置
JPH06320934A (ja) 車両用空調制御装置
CN115489261A (zh) 车内空气调节方法、装置、设备及计算机可读存储介质
JPH08188030A (ja) 車両用空調装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20090825

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20110407

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20110531

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20110726

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20120306

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20120319

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150413

Year of fee payment: 3

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 4967810

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150413

Year of fee payment: 3

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250