〔第1実施形態〕
以下、添付図面に従って本発明に係る実施形態を詳細に説明する。
〔システムの概要説明〕
図1は、本発明の第1実施形態を示す画像形成システムの構成の一例を示すブロック図である。
図1に示すように、本実施形態の画像形成システムを構成する各装置はネットワーク101で接続されており、このネットワーク101は一系統であっても、図に示されるように101a、101b及び101cのように複数系統持っていても構わない。
このシステムには、例えば、スキャナユニットからの電子データやコンピュータ等の外部装置からの電子データ等をプリント可能な、複数の機能を具備する、カラーMFP104や白黒MFP105等の複合機能のデバイスを具備しており、スキャナ106のようにスキャナ機能のみを具備したデバイスや、プリント機能のみを具備するデバイス(不図示)等の単一機能のデバイスも具備している。
又、当該システムには、上記画像形成装置にて印刷されたシートに対するシート加工処理を実行可能な各種のシート処理装置を具備する。尚、シート加工処理とは、印刷された記録紙に対する、断裁処理、ステイプル処理、折り処理、中綴じ製本やくるみ製本等の製本処理、封入処理、丁合処理等の、複数種類の後処理の少なくとも何れかに相当する。
例えば、当該システムには、シート処理装置の一例として、上記の各画像形成装置にて印刷された記録紙を、該記録紙の所定の部分(例えば、記録紙の右端、或いは、記録紙の上端部、右端部、下端部の三方、或いは、記録紙の真中など)を軸に、断裁する、記録紙の断裁処理を行う断裁機121を具備する。又、印刷された記録紙を、該記録紙の中央真中部分にステイプルユニットによりステイプル処理を施し、その後、該中央真中部分を中心軸として、二つに折り畳むことで、中綴じ製本物を作成する、中綴じ製本機122を具備する。又、上記画像形成装置にて印刷された記録紙を揃えて(整合処理し)、該整合処理された記録紙束の背の部分を特製のりで接着し、表紙でくるんでプレス成形する、くるみ製本処理を行う、くるみ製本機123を具備する。
又、上記の画像形成装置で印刷された記録紙の折り処理が可能な紙折機124を具備する。又、上述の画像形成装置にて印刷され、上述のシート処理装置等でシート加工処理がなされた記録紙を、封筒等の所定の封入物の中に収納して、封をする、顧客に納品する場合に役立つ、封入機125を具備する。又、上記画像形成装置で印刷された記録紙の丁合処理(適正なページ順に記録紙をまとめる処理)を実行可能な丁合機126を具備する。
尚、本形態のシステムでは、このように、複数種類のシート加工処理を各シート処理装置毎に実行可能な構成例で説明するが、このような装置構成に限らず、例えば、ある1台のシート処理装置がステイプル処理や製本処理や折り処理等の複数種類のシート加工処理を実行可能な構成でも良いし、1台のシート処理装置が1つのシート加工処理のみを実行可能な機械構成でも良い。いずれにしても、ユーザ(顧客)が望む形態のシート加工処理が実行可能な装置構成、システム構成であれば本形態を適用可能とする。
以上、本形態のシステムは、画像形成装置やシート処理装置等の複数種類のデバイスを有し、これら複数のデバイスは、互いに、通信ユニットを具備し、ネットワーク101等の所定の通信媒体を介して、データ(画像データや印刷条件データや制御データ、ステータスリクエストデータ、ステータスデータ等)の授受が可能に構成されている。
また、図1において、111は工程管理マネージャであり、コンピュータやデバイス、或るいは本画像形成システムを流れる全てのジョブ(印刷処理等の処理が実行中である実行中ジョブ、印刷要求がなされて処理開始を待機する待機中ジョブ、出力処理が完了した終了ジョブ、エラーが発生したエラージョブ等の、様々なステータスの、本システムにて処理対象の、各ジョブを含む)の工程を管理している。
該工程管理マネージャ111は、自身が具備する通信ユニットと各デバイス(画像形成装置、シート処理装置等を含む)が具備する通信ユニット等を用いて、ジョブの受け付け状況に関する情報や、デバイスのステータス(動作状況、エラー状況など)に関する情報や、ジョブの処理状況に関わるジョブ進捗情報等の各種のデータを、ネットワーク110等の通信媒体経由で、各デバイスから獲得することで、各デバイス及び本システムにおける処理対象のジョブを把握し、各ジョブの工程を管理可能に構成している。
112は受注・入稿マネージャであり、インターネット等の所定の通信媒体を介して、ユーザ(顧客)のユーザインタフェースユニット(例えば、クライアントコンピュータ)からデータ入稿されるジョブの受け付けを行う。113は原稿編集マネージャであり、入稿されたジョブ及び/又はスキャナによって読み取られた画像データに基づくジョブをユーザの要求どおりのページ順や配置に加工するためのものである。尚、記録紙に印刷する画像データや、印刷部数の設定、画像処理の設定、仕上げ処理の設定等の各種の印刷出力処理条件データを、含む各種のデータをジョブデータとする。
114はプルーフマネージャであり、インターネット等の通信媒体を介してクライアントコンピュータ等のデバイスとデータ通信可能に構成され、クライアントからの原稿データをクライアントからの出力処理条件に従って原稿編集されたジョブまたはその出力サンプルがユーザの意図どおりであるかどうかを、クライアントコンピュータのディスプレイ等のユーザインタフェースユニットを介してユーザ(顧客)に確認させる(プルーフ処理(校正処理)する)ためのものである。
例えば、クライアントコンピュータからクライアントの原稿画像データ共に、該画像データをどのように処理すべきかを特定する為の印刷出力条件データ(色編集や、拡大、縮小等の変倍処理や、縮小レイアウト処理や拡大レイアウト処理等の編集処理や、仕上げ処理等に関する各種の処理条件データ)を受信したプルーフマネジャ114は、自身が具備する編集ユニット及び/又は本システムの他のデバイス(例えば、画像形成装置や、他の情報処理装置)が具備する編集ユニットを用いて、受信した原稿画像データを、その原稿画像データの為に設定された出力条件データに従って処理し、その処理済画像データを、画像形成装置により実際の印刷する前に、インターネット等の通信媒体を介して、クライアントコンピュータに返信して、クライアントコンピュータのディスプレイにて該処理済画像データを表示させて、クライアントにその処理済結果を確認把握可能に構成する。
当該システムは、ユーザによる当該確認作業を経たうえで、実際に印字処理を開始可能に構成しており、クライアントが所望とする出力結果とは異なる不適正な出力結果を生成する事無く、クライアントが所望の出力結果をクライアントに提供可能にしている。このような効果を得る為に、プルーフマネージャ114は、実際に印刷処理を実行する前に、原稿編集処理やプルーフ処理等の印刷前処理を実行可能にする。
尚、プルーフマネージャ114は、編集処理済みの画像データをクライアントコンピュータのUIを介してクライアントに提示して、クライアントが、その処理結果で良い旨を示す承諾指示を、該クライアントコンピュータのUIのOKキー(不図示)を介して入力されたことに応答して、次工程であるプリントマネージャ115に当該ジョブの処理を渡すよう制御し、一方、クライアントから承諾指示が得られず、例えば、再編集指示がクライアントコンピュータのUIを介してクライアントより入力された場合には、再度編集処理を実行し直し、クライアントが納得する処理済原稿画像データが得られるまで、この工程(処理対象となるジョブのプルーフ工程)を繰り返すよう制御可能に構成する。
115はプリントマネージャであり、プルーフマネージャ114によるプルーフ処理を経て印刷前処理(原稿編集処理,プルーフ処理)された処理対象のジョブに対して、ラスタライズ処理(ビットマップ画像データに変換する処理)を施し、該ラスタライズ処理済み画像データを、本システムが具備する印刷出力先となる画像形成装置、例えば、MFP(カラーMFP104a,104bまたは白黒MFP105a〜105cの少なくともいずれかのデバイス)に、ネットワーク110等の通信媒体を介して、データ転送し、該印刷出力先の画像形成装置にて該処理済画像データのプリント出力(印刷処理)を実行させるよう制御する。
116は後処理マネージャであり、受注・入稿マネージャ112にて受け付けたジョブの出力処理条件データに従った、ユーザ(クライアント)の要求どおりの後処理(仕上げ処理)工程(断裁処理工程,中綴じ製本処理工程,くるみ製本処理工程,紙折処理工程,封入処理工程,帳合処理工程等の記録紙に対するシート加工処理)を、上述のMFP等の画像形成装置にて印刷された記録紙に対して施すように、断裁機121,中綴じ製本機122,くるみ製本機123,紙折機124,封入機,帳合機126等のシート処理装置を制御する。
117はファイル保管マネージャであり、ユーザのジョブ(記録紙への印刷対象となる画像データを含む)を保管したり、再プリント依頼に応えるファイルサーバである。例えば、受注・入稿マネージャ112が受信したジョブの画像データを、クライアントの所望の出力形態で、本システムのMFP等の何れかの画像形成装置により印刷させた後でも、ファイル管理マネージャ117は、該印刷済み画像データを、該ファイル管理マネージャ117が具備するハードディスク等のメモリユニットに格納保持させておき、受注・入稿マネージャ112を通じて、上記印刷済みのジョブの再度の出力要求指示がクライアントからなされた場合に、該メモリユニットに保持しておいた上記印刷済みの画像データを、該メモリユニットから再度読み出して、再出力要求時にクライアントより新たに設定された所望の出力形態でもって、上記MFP等の何れかの画像形成装置にて再印刷可能に構成している。このように、印刷済みの画像データの再利用性を向上させ、同じデータを何度もクライアントから受け付けないようにして無駄なデータ通信を極力控えることができる様に構成している。
118は納品・発送マネージャであり、インターネット等の通信媒体を介して他のデバイスとデータ通信可能に構成され、例えば、本システムのデバイスの何れかのデバイスより、印刷物の完成を示す印刷完了通知データを受信したことに応答し、納品・発送マネージャ118は、本システムのデバイスを操作する作業者に対して出来上がった書類(印刷物)を受注・入稿マネージャ112に対して印刷要求を送出したクライアントに納品するようデバイスのUI等を用いて指示したり、納品した納品伝票データ(納品対象のジョブに関する伝票情報を含む)や発送履歴データ(書類作成が完了されクライアントに発送したジョブに関する情報を含む)などを管理する(納品処理する)役割を果たす。
119はスキャンマネージャであり、紙原稿で印刷依頼を要求するクライアントの為の、紙原稿での入稿などに応えるべく、クライアントの紙原稿を読み取り可能なスキャナ106で該原稿を読み取って、それを、MFP等の本システムのデバイスにて取扱可能なデータとして電子データ化することができる。
なお、各マネージャ111〜118は、それぞれ別個の情報処理装置(例えば、ホストコンピュータやサーバ)で構成されていてもよいし、マネージャ111〜118のいずれか複数又は全ての機能を1の情報処理装置で実現するように構成してもよい。例えば、マネージャ111〜118の機能の全ての機能を実行可能な1台のホストコンピュータやサーバなどを当該システムに組み込んでも良いし、これらのマネージャ111〜118の各マネージャ毎にそれぞれ個別のホストコンピュータやサーバなどを当該システムに組み込んでも良いし、一部の複数のマネージャの機能を実行可能な1台のホストコンピュータやサーバなどを複数台当該システムに組み込んでも良く、本形態で述べる各種の制御が実行可能な装置構成、システム構成であれば如何なる構成でも良い。
また、各マネージャは、例えば、CPU,ROM,RAM,HD等を有するコンピュータ装置(情報処理ユニット)であり、CPUがROM,HD又はその他の記憶媒体に格納されるプログラムを実行して各機能を実現するものである。
103はクライアントコンピュータ(クライアント)で、各マネージャにアクセス可能である。例えば、クラインコンピュータ103は印刷作成を望む画像データを、その画像データの印刷出力処理条件データと共に受注・入稿マネージャ112にデータ送信したり、印刷依頼した原稿の出来栄えを確認すべく、プルーフマネージャ114から編集処理済み原稿画像データを受信したり、印刷完了の通知を受け取るべく、納品・発送マネージャ118から印刷完了通知データを受信可能に構成されており、該クライアントコンピュータのディスプレイ等のUIを介してユーザによる各種の印刷設定や画像確認等を実行可能に構成している。
以下、図1に示した各マネージャの役割に関して説明する。
〔工程管理マネージャ111〕
図1に示した工程管理マネージャ111は、管理情報システム(MIS=Management Information System)と呼ばれる集中的管理システムとして機能し、生産関連データの収集、加工、報告を通して経営計画と管理業務を支援し、情報を蓄積して、必要なとき、必要な部署に提供することができる。
工程管理マネージャ111は、この管理情報システムの中心となるコンピュータであり、従来は、人の能力上の制約によって集中管理しきれなかった部分(例えば、機械のみで完結する作業以外の、作業者による介入作業を経て実行される処理など)を、本システムの各デバイスとのデータ通信、及び、コンピュータによる情報のデータベース化等により、情報を集中管理する役割を果たすものである。
この工程管理マネージャ111に蓄えられたデータ(例えば、各デバイスが具備する機能情報や能力情報、及び、各デバイスのステータス情報、及び、受け付けたジョブの状況情報や進捗情報等)を用いて、当該工程管理マネージャ111は、意思決定のアプリケーション、特に生産物(例えば、本システムにて生成される印刷物)のスケジューリングを行って作業者が効率よく作業できるように作業工程を指示したり管理したりして、生産能力計画を高めることに利用される。
〔受注・入稿マネージャ112〕
図1に示した受注・入稿マネージャ112は、いわゆる電子商取引(EC=Electronic Commerce)の仲介役で、例えば、インターネット等の通信媒体を介してクライアントコンピュータ等の他のデバイスとの受発注を行うためのコンピュータである。また、受注・入稿マネージャ112は、ユーザ側から見ると、インターネット上のウェブページを利用した電子店舗があり、ここでユーザ認証を行った後に、所望のファイルを所望の設定と一緒に電子データとして自身のコンピュータから該受注・入稿マネージャ112に対して送付し、ジョブの発注を行うものである。
図2は、図1に示した受注・入稿マネージャ112とユーザ側のコンピュータとのデータ通信及び受注・入稿マネージャ112による受注処理(本発明の第1の制御処理)を示すフローチャートであり、S201〜S211はユーザ側のウェブブラウザ(Web Browser)上での作業ステップを示し、S222〜S226は受注・入稿マネージャ112側での制御処理ステップを示す。
ステップS201において、ユーザ(クライアント)からのキー入力に応答し、クライアントコンピュータの制御部(CPU)は、クラインコンピュータにウェブブラウザを起動させ、該ウェブブラウザ上でURL(Uniform Resource Locator)アドレスを入力して、受注・入稿マネージャ112がもつウェブサーバ(Web Server)部221にアクセスを行うよう制御する。
このウェブサーバ部221は、Microsoft社のIIS(Internet Information Server)に代表されるウェブサーバプログラムであり、httpプロトコルにより、ユーザのクライアントコンピュータのウェブブラウザを介してURL(Uniform Resource Locator)アドレスがユーザ操作により入力されることに応答し、該クライアントコンピュータにて起動されたウェブブラウザにサービス画面(Webpage;後述する図24〜図31)を提供(表示)させるよう制御する。
そして、ユーザ側では、ウェブブラウザを介してウェブサーバ部221より提供されたサービス画面(後述する図24)を、該クライアントコンピュータのディスプレイ上に、該コンピュータの制御部の制御のもと、表示させる。ユーザIDやパスワードが登録済みのユーザには、図24の表示画面上の「registerd」にポインタを合わせ、ユーザID(例えばE−mail Address),パスワード等を図24の表示画面にて入力させる。なお、登録されていない新たなユーザの場合は、図24の表示画面上の「New」にポインタを合わせ、未登録ユーザを選択させる。そして、該クライアントコンピュータの制御部は、ユーザ操作に応答し、ウェブサーバ部221より提供される各種の受発注画面(図25〜図30)を該クライアントコンピュータのディスプレイ上に選択的に順次表示させる(S202)。
ついで、ウェブサーバ部221より順次提供されウェブブラウザ上に順次表示させる受発注画面(後述する図25〜図30に示す画面)を介して、カスタマ情報(新規ユーザの場合又は登録済みのユーザの変更登録を行う場合),ドキュメント情報(画像データのファイル名(複数選択可能)),ジョブ情報(ジョブチケット等),後処理情報(フィニッシング処理等),プルーフ及びアーカイブ情報,デリバリ情報等の各種印刷指示を、ユーザにより、該クライアントコンピュータのマウスやキーボード等の操作部を介して入力させ、これらの情報を本システムにて利用すべき情報として適当なメモリに保持させる(S203〜S208)。このとき、ウェブサーバ部221では、各受発注画面(図25〜図30に示す各画面)でのユーザの入力項目に欠落や入力ミスがないかを逐次簡単に確認した上で、ジョブ仮発注画面(後述する図31)に表示遷移(提供)させるよう制御するが、もし各受発注画面(図25〜図30に示す各画面)でのユーザ入力項目に問題があれば、その都度ユーザに該クライアントコンピュータのUIを介してワーニング通知を報知させ、ジョブの発注ミスがないように制御する。なお、このウェブサーバ部221には、図24〜図31に示す各サービス画面、及び上記入力項目のチェックプログラム等が予めアップロードされているものとする。
尚、クライアントコンピュータの表示部に図24〜図31の各UI画面を表示させるにあたり、実際に本システムの受注・入稿マネージャ112に対してジョブの依頼を要求する際に、リアルタイムに、表示画面データを、受注・入稿マネージャ112から該クライアントコンピュータに転送することで、該クライアントコンピュータにて図24〜図31の操作画面を含む本システムにて利用すべき操作画面を表示させるような構成でも良いが、例えば、図24〜図31の操作画面を含む本システムにて利用すべき操作画面を表示するためのプログラムデータを、予め、サーバ等の外部装置から該クライアントコンピュータにダウンロードさせるようにして、実際に、受注・入稿マネージャ112に対してジョブの依頼をする際には、受注・入稿マネージャ112から上記操作画面データを受信すること無しに、受注・入稿マネージャ112に対してジョブの依頼を可能に構成しても良い。又、クライアントコンピュータに対して着脱可能な記憶媒体(CD、MD、FD等)に、図24〜図31の操作画面を含む本システムにて利用すべき操作画面を表示するためのプログラムデータを書き込んでおき、該記憶媒体をクライアントコンピュータにセットして、該記憶媒体から該プログラムデータを読み出して、クライアントコンピュータにインストールすることで、上述と同様に、実際に受注・入稿マネージャ112に対してジョブの依頼をする際には受注・入稿マネージャ112から上記操作画面データを受信すること無しに、受注・入稿マネージャ112に対してジョブの依頼を可能に構成しても良い。
このように、ユーザインタフェースを提供するにあたり色々な方法を採用しても良いが、いずれにしても、図24〜図31の操作画面を含む本システムにて利用すべき操作画面をコンピュータ上にて表示可能にし、各種の操作画面を介してユーザにより所望の設定・指示を可能にし、該受注・入稿マネージャ112に対して適正な指示を送出可能であれば如何なる形態でも良い。
次に、受注・入稿マネージャ112が具備するウェブサーバ部221(或いは、クライアントコンピュータに予めサーバからダウンロードされた図24〜図31の操作画面を表示するためのプログラムを含むプログラムデータ、或いは、クライアントコンピュータに装着された記憶媒体から読み出した図24〜図31の操作画面を表示するためのプログラムを含むプログラムデータ)より提供され該クライントコンピュータのウェブブラウザ上に順次表示させたジョブ仮発注画面(後述する図31)上で、ユーザが仮発注を承認するまで上記入力作業を繰り返し(S209)、ジョブ仮発注画面(図31)上で、ユーザが仮発注を承認したことを、図31の表示画面が具備するキー2211に対するユーザによるキー押下により判断すると(S209でYes)、当該ウェブブラウザを利用して、ユーザが選択したファイル(画像データ)及び各印刷指示を含むジョブデータを、ユーザ側としての当該クライアントコンピュータから受注・入稿マネージャ112が具備するホットフォルダ部222に対してインターネット等の通信媒体を介してデータ送信するよう制御する。このホットフォルダはユーザ毎に設けられていてもよい。
尚、ホットフォルダとは受注・入稿マネージャ112が具備するハードディスク等の不図示のメモリに複数個作成可能なものであり、印刷対象となる画像データ、及び、その画像データを如何なる印刷出力処理条件でもって出力させるかを制御部が特定可能にする為の出力条件データ等を格納する為の仮想的なフォルダであり、画像データとその画像データの出力条件データを関連付けて管理可能にするものであり、受注・入稿マネージャ112の制御部等により適宜読出可能に構成し、例えば、受注・入稿マネージャ112や工程管理マネージャ111の制御部による制御の下、ホットフォルダ内の印刷対象となるジョブの画像データを、該ホットフォルダ内の印刷出力条件データに従って、本システムのMFP等の画像形成装置により印刷出力可能に構成されるものである。
また、受注・入稿マネージャ112側では、常にホットフォルダ内のジョブの有無をポーリングにて監視しており(S223,S224)、ジョブがあると判断した場合には、そのジョブを受け付けられるか(例えば、クライアントから処理要求がなされたジョブを、本システムが具備するデバイスにより、該クライアントが望む印刷出力形態で、印刷出力可能か否か等の判断を含む)を、例えば、本システムの各デバイスから取得した各デバイスの機能情報やステータス情報、及び、各デバイスにおけるジョブの処理状況情報・進捗情報等を参照することで、確認し(S225)、許可されれば(受け付け可能であれば)、ジョブの受け付けを行い、該受け付けたジョブのデータを工程管理マネージャ111に対してネットワーク101等の通信媒体を介して送信するよう制御する(S226)とともに、「受諾」の旨をクライアントに報知する為のメッセージデータをクライアントコンピュータに返信してユーザに対して例えばウェブ画面等を用いてその旨を通知可能に制御する。
一方、ステップS225で、ジョブの受け付けが許可されなければ(受け付け可能でなければ)、該受け付けたジョブのデータを工程管理マネージャ111に対してネットワーク101等の通信媒体を介して送信しないよう制御し、「拒絶」の旨をクライアントに報知する為のメッセージデータをクライアントコンピュータに返信し、ユーザに対して例えばウェブ画面等を用いてその旨を通知可能に制御する。
また、ユーザ側としてのクライアントコンピュータでは、ウェブブラウザ上にウェブサーバ部221より提供される「受諾」又は「拒絶」のメッセージ画面を表示させるよう制御し(S210,S211)、処理を終了する。
〔原稿編集マネージャ113〕
図1に示した原稿編集マネージャ113は、工程管理マネージャ111により原稿編集工程のジョブとして管理すべきジョブに関して、ユーザから送付された複数個のファイルをマージしたり、ページの挿入や削除、ユーザの指示どおりにレイアウトしたり、あるいは要求の後工程処理を予めビジュアル的に確認可能視覚化することを目的としたものである。
例えば、原稿編集マネージャ113は、電子データにてジョブを取り扱うものであり、本システムが具備する、画像形成装置による記録紙に対する印刷処理や、印刷処理が施された記録紙に対するシート処理装置によるシート加工処理などを、実際にデバイスに実行させる前に(印刷前工程段階にて)、記録紙に対してどのような処理形態で画像が印字されるか、及び、印刷された記録紙がどのようにシート加工処理されるか等を、コンピュータ上のディスプレイ等のユーザインタフェースユニットを介して、クライアントユーザに可視的に確認可能にする為のものであり、原稿画像データに対して編集処理を施した編集処理済み画像データのプレビュー表示をクライアントコンピュータのディスプレイ上に実行させるよう制御するものであり、編集処理済の画像データが記録紙に印字された状態を示すサムネイル等の表示画像データや、変種処理済の画像データが印字された記録紙がどのようにシート加工処理されるかをユーザにより確認させる為のサムネイル等の表示画像データを、クライアントコンピュータのディスプレイ上に表示可能に制御する。
図3〜図5は、ユーザから送信されたファイルA〜F、及びその出来上がり(編集後の)イメージの一例を表した模式図である。
図3に示した例では、入稿されたユーザからのジョブは、ファイルA(File−A)〜ファイルC(File−C)からなっている。そして、ファイルAはユーザによりそのままのサイズの出力を希望され、ファイルB,ファイルCはユーザにより2in1(1ページ分の記録紙の同一面上に、2ページ分の複数の原稿画像データが配列形成された状態で印刷処理を実行させるモード)の出力を希望されている。このような場合、原稿編集時には出力サイズ等が必要となるため、ユーザはそれらのサイズを指示する必要がある。また、出力の順序を考慮しなければいけない場合等も、ユーザはそれらの順序を原稿入稿時等に指示する必要がある。
また、図4に示した例では、入稿されたユーザからのジョブは、ファイルD(File−D)という1つのファイルとなっている。そして、ファイルDは、ユーザによりタブ紙等の特定のメディアへの出力設定(例えば、画像形成装置において、タブ部を具備するタブシートを、原稿画像データを記録した複数の記録紙の間に仕切紙や章紙等の役目として挿入可能にし、且つ、ユーザからの指示に応答し、該タブシート自体に原稿画像データを印字したり、ページ番号や章番号を印字させる機能)がなされ、且つ、パンチ処理が可能なシート処理装置による当該ジョブの記録紙に対するパンチ処理やステイプル処理が可能なシート処理装置による当該ジョブの記録紙に対するステイプル等の後処理(シート加工処理とも呼ぶ)が希望されている。
このように、1つのファイルにより入稿された場合であっても、タブ紙等の特定のメディアへの出力及びパンチ,ステイプル等の後処理を希望する場合には、原稿編集時に、タブ自身の情報やタブ紙等のメディア情報が必要であったり、パンチ等の後処理情報も必要となったりするため、ユーザはそれらの情報を原稿入稿時等に指示する必要がある。
さらに、図5に示した例では、入稿されたユーザからのジョブは、ファイルE(File−E),ファイルF(File−F)からなっている。そして、ファイルE,ファイルFは、ユーザによりくるみ製本を希望されており、紙サイズが異なっている。このように、出力したい紙サイズが異なっている場合も、原稿編集時に、紙サイズ等の情報が必要となるため、ユーザはそれらの情報を原稿入稿時等に指示する必要がある。
なお、上述したようなユーザからの各種情報の指示は、上述した図2のステップS205,S206等において、後述する図27,図29等の受発注画面から行われる。
このように、ユーザの入稿ファイルそのものが、ユーザの出来上がりイメージ(実際に印刷され、後処理が施された際の出力結果としての仕上がりイメージ)と一致しているとは限らないため(印刷前の原稿画像データの状態と、印刷してシート加工処理が施された後の出力結果の状態とが一致しない場合)、画像形成システム側で、ユーザの指示に従って編集する必要があり、この編集処理を担当するのが原稿編集マネージャ113である。
また、ユーザから送られてくる複数のファイルが同じアプリケーションや同じタイプのファイルとは限らないため、1つのファイルにする必要があるが、この1つのファイルに作り上げる処理もこの原稿編集マネージャ113が行うものとする。
以上の原稿編集マネージャ113における編集処理は、原稿入稿時等にユーザから指示された編集情報等に基づいて原稿編集マネージャ113内のプログラムにより(作業者による編集作業無しに)、及び/又はクライアント103からの作業者による各種アプリケーションを用いた編集作業により行われる。この原稿編集マネージャ113における編集処理工程は、印刷前処理工程の1つである。
〔プルーフマネージャ114〕
図1に示したプルーフマネージャ114は、一般にレイアウトの確認と色味の確認という2つの目的で利用されることが多く、白黒原稿の場合は前者の確認のみとなるが、カラー原稿では両者の確認が必要となる。
印刷業界では、カラーカンプ(Color Comprehensive Layout)と呼ばれる製版・印刷工程に入る前に広告主にプレゼンテーションすることを目的とした、色づけされた出力があるが、最近では、パーソナルコンピュータを使って出版物を作成するDTP(DeskTop Publishing)や、印刷工程で画像の修正や合成などに使用するCEPS(Color Electronic Prepress System)で処理したデジタルカラー画像をカラープリンタやカラープロッタで出力したカラーのハードコピーが上述のカラーカンプに用いられている。
また、プリンタを利用したオンディマンドプリントでは、カンプに相当するレイアウト確認と簡易的な色味確認も、プルーフに相当する詳細な色味確認も、同じカラープリンタ(あるいは白黒プリンタ)にて行うことが可能であるため、これらの確認作業をこのプルーフマネージャ114で一括して処理する。
図6は、図1に示したプルーフマネージャ114とユーザ側のコンピュータ(例えばクライアントコンピュータ)との通信及びプルーフマネージャ114によるプルーフ作成処理(本発明の第2の制御処理)を示すフローチャートであり、S401〜S409はユーザ側のクライアントコンピュータにおいて実効すべき作業ステップを示し、S421〜S429はプルーフマネージャ114側において実行すべき制御処理ステップを示す。
プルーフマネージャ114も、受注・入稿マネージャ112と同様にウェブサーバ部441を有しており(図2に示した受注・入稿マネージャ112のウェブサーバ部221と共有でも構わない)、まず、工程管理マネージャ111によりプルーフ工程に管理されるジョブに関して、ステップS421において、ユーザがプルーフ(試し出力)を要求した(即ち、図2のステップS207のプルーフの設定(図29に示す画面での設定)で要求した)か否かを判断し、プルーフが要求されていないと判断した場合には、そのまま処理を終了する。
一方、ステップS421で、プルーフが要求されていると判断した場合には、ステップS422以降に進み、要求されたプルーフ方法(校正表現方法)によってユーザ側にサービスを提供する(校正表現を行う)。校正表現とは、実際に記録紙に画像を印字した場合の出力結果(出来栄え)及び/又は実際に該記録紙に対してシート処理を実行した場合の出力結果(出来栄え)を、本システムの画像形成装置にて実際に印刷処理を行うことなく、且つ、本システムのシート処理装置にてシート加工処理を実際に実行すること無しに、クライアントコンピュータのディスプレイ等のユーザインタフェースユニットにより表示画像データで、出来上がりイメージデータとして、ユーザがグラフィカルに確認可能に、表現させることに相当する。
即ち、ステップS422で、校正表現方法としてサムネールのウェブ表示が求められているか否かを判断し、要求されていると判断した場合には、ステップS423において、原稿編集マネージャ113よりサムネール画像を、例えば、クライアントコンピュータから受信した元データとしての原稿画像データと、該ジョブに対して設定されたユーザからの印刷出力条件データ等に従って作成させ、該作成されたサムネール画像をウェブサーバ部441にアップロードし、許可されたユーザのみ表示可能に設定する。これにより、ユーザは出来上がりイメージをウェブ上で確認することができる(後述する図32〜図36に示す確認画面により確認可能)。
一方、ステップS422で、サムネールのウェブ表示が求められていないと判断した場合又はステップS423の後、ステップS424に進み、校正表現方法としてPDFファイルが要求されているか否かを判断し、PDFファイルが要求されていると判断した場合には、ステップS425において、Adobe社のAcrobat Distillerなどを利用して、PDFファイル(データ)を作成し、ユーザの要求した方法でユーザに提示する(例えば、ウェブ上での閲覧や、ftpサイトにアップロード、あるいはファイルサイズが小さければユーザへのE−mailに添付するように設定することも可能である)。
一方、ステップS424、PDFファイルが要求されていないと判断した場合又はステップS425の後、ステップS426に進み、サムネール画像,PDFファイルをアップロードしたウェブサイトのURLの記載やPDFファイルの添付等を行った電子メール(E−mail)をユーザに対して送信する。
一方、ステップS401において、この電子メールを受信したユーザは、ステップS402において、ユーザがサムネール表示を行いたい場合には、ステップS403において、ウェブブラウザを起動し、URLを入力するとともに、ウェブサーバ部441より提供される画面にユーザIDとパスワードを入力して、ウェブサーバ部441よりサムネール画面を取得する。そして、ステップS404において、ウェブサーバ部441より取得したサムネール画像(後述する図32〜図36)を表示閲覧し、ステップS405に進む。
一方、ステップS402で、サムネール表示を行わない場合は、そのままステップS405に進む。
次に、ステップS405において、ユーザがPDFファイルの入手を行う場合には、ステップS406に進み、ウェブサーバ部441よりPDFファイルをダウンロードし、ステップS407に進む。
一方、ステップS406で、PDFファイルの入手を行わない場合は、そのままステップS407に進む。
次に、ステップS407において、ユーザは、プルーフを確認し、プルーフの確認がOKである(本システムのMFP等の画像形成装置による印刷工程への移行を指示する)とユーザが判断した場合には、そのままステップS409に進む。
一方、ステップS407で、プルーフの確認がOKでない(NG)(印刷工程へは移行せず再校正を指示する)と判断した場合には、ステップS408において、ユーザは、プルーフのNG箇所とコメントを入力し、ステップS409に進む。
次に、ステップS409において、プルーフの確認結果(印刷工程への移行指示、又は、印刷工程へは移行せず再校正指示)を示す電子メールを作成し、プルーフマネージャ114に対して送信する。なお、プルーフがNGの場合には、ユーザは、ステップS408で入力したプルーフのNG箇所とコメントのデータを電子メールに添付するか、電子メールの本文に記載するものとする。また、プルーフのOK/NGを示す情報は、電子メールの本文に記載するように構成してもよいし、電子メールの題名にOK/NGを示す文字列を記載するように構成してもよい。
一方、プルーフマネージャ114は、この電子メールを受信すると(S427)、ステップS428において、プルーフの確認結果がOKであるか否かを判断し、プルーフの確認結果がOKである(印刷工程への移行を指示する)と判断した場合には、処理を終了し、印刷(プリント)工程に進むように、後述する図23に示す、受注、編集、プルーフ、印刷、シート処理、納品等の一連の処理工程を含んだワークフローを実行する為の指示書を各デバイスが認識可能なデジタルデータで表現したJDF(Job Definition Format)データを書き換える。なお、ステップS427の判断は、受信した電子メールの題名等からプログラムにより判断させるように構成してもよいし、電子メールを受信したことを担当者に通知し、該受信電子メールの内容から担当者に判断させ担当者に確認の有無を入力させるように構成してもよい。
一方、ステップS428で、プルーフの確認結果がOKでない(NG)(印刷工程へは移行せず再校正を指示する)と判断した場合には、ステップS429に進み、画像形成システム側の作業者(クライアントから印刷作成の依頼を受けた本システムの作業者)が、クライアントコンピュータから受信したデータの解析結果である、ユーザ(クライアント)からのNG箇所のコメントデータに従って、再度、原稿編集処理,ドキュメント処理や校正刷り(プルーフプリント)の処理をやり直すよう制御し、ステップS421に戻る。
なお、図6では、クライアントコンピュータから出力される、ユーザからのプルーフの確認結果をステップS409で電子メールによって行っているが、電話やFAX等で、画像形成システム側の担当者(作業者)に連絡するようにし、この連絡を受けた担当者がプルーフのOK/NGを判断し、OK/NGを本システムの例えばプルーフマネージャ114等の適当なデバイスに操作部を介して入力するように構成してもよい。尚、受注・入稿マネージャ112によるジョブの受注処理工程、該受注処理工程の後に実行すべき原稿編集マネージャ113による原稿データの編集処理工程、該編集処理工程の後に実行されるプルーフマネージャ114によるプルーフ処理工程を、印刷前処理とする。一方、後述のプリントマネージャ115によるRIP処理工程や、該RIP処理工程の後に実行されるMFP104や105等の画像形成装置による印刷処理工程や、該印刷処理工程の後に実行される各種のシート処理装置112〜126によるシート加工処理を、印刷工程(或いは、印刷後工程と称す)とする。
〔プリントマネージャ115〕
次に、図7を用いてプリントマネージャ115内のデータフローを説明する。
図7は、図1に示したプリントマネージャ115内のデータフローを説明するブロック図である。
まず、図7に示すように、NIC(Network Interface Card)やSCSI(Small Computer System Interface)のインタフェースから入力された工程管理マネージャ111によりプリント工程に移行したジョブ(後述する図44,図45に示すプリント工程におけるジョブサブミット画面からプリント指示されたジョブ)は、入力デバイス制御部601よりサーバ(プリントマネージャ115)内に入り、サーバに様々なクライアントアプリケーションを連結することにおいてその役割を果たす。入力としてページ記述言語PDL(Page Description Language)データとJCL(Job Control Language)データを受け付ける。それはプリンタとサーバに関する状態情報であって様々なクライアントに対応する。このモジュール(入力デバイス制御部601)の出力は、適切なPDLとJCLの構成要素すべてを結合する役割を持つ。
次に、602は入力ジョブ制御部で、ジョブの要求されたリストを管理し、サーバに提出される個々のジョブにアクセスするために、ジョブリストを作成する。更に、このモジュール(入力ジョブ制御部602)には、ジョブのルートを決めるジョブルーティング機能、分割してRIPするか否かを司るジョブスプリット機能、そしてジョブの順序を決めるジョブスケジューリング機能の3つの機能を含んでいる。
603はRIP(Raster Image Processor)部で、複数個存在する。RIP603a,RIP603b,RIP603cあるいは必要に応じて更に増やすことも可能だが、ここでは総称してRIP部603と記載する。RIPモジュール(RIP部603)は、様々なジョブのPDLをRIP処理して、適切なサイズと解像度のビットマップデータを作成する。RIP処理に関しては、PostScript(米国Adobe社の商標登録)をはじめ、PCL,TIFF,JPEG,PDFなど様々なフォーマットのラスタライズ処理が可能である。
604は画像圧縮/データ変換部で、RIP部603によって作り出されるビットマップイメージデータを圧縮したり、フォーマット変換を施したりする役割を果たし、それぞれのプリンタにマッチした最適な画像イメージタイプを選び出す。例えば、ジョブをページ単位で扱いたい場合には、TIFFやJPEGなどをRIP部でラスタライズした後のビットマップデータにPDFヘッダを付けて、PDFデータとして編集するなどの処理を行う。
605は出力ジョブ制御部で、ジョブのページイメージを取って、それらがコマンド設定に基づいてどう扱われるのかを管理する。ページデータはMFP等のプリンタにて印刷されたり、例えば、ビットマップ画像データの状態で、ハードディスク607にセーブ(格納保持)されたりする。どう取り扱うかは、クライアントからの出力処理条件データに従って決定する。印刷後のジョブは、ハードディスク607に残すか否かをクライアントからの指示により選択可能であり、印刷後のジョブがハードディスク607にセーブされた場合には、ユーザ(クライアント)からの要求がある度に、該メモリに保持した印刷済みのジョブデータを該メモリから再呼び出して印刷処理や送信処理等の所望の再出力処理を可能にデータ制御する。さらに、このモジュール(出力ジョブ制御部605)は、ハードディスク607とメモリ(SDRAM)608との相互作用で管理する。
606は出力デバイス制御部で、どのデバイスに出力するか、またどのデバイスをクラスタリング(1つの画像データ発生源から出力されたジョブの印刷動作を複数台の画像形成装置にて並行且つ同時に実行させるモード)するかの制御を司り、選択されたデバイスのインタフェースに印刷データを送り、該デバイスによるプリント処理や送信処理等の出力処理を実行可能に制御する。
また、このモジュール(出力デバイス制御部606)は、本形態の画像形成装置の一例としてのMFP(104及び/または105)の状態監視と装置状況等の情報(例えば、注目対象の画像形成装置のカレントステータスが待機中なのか、印刷中なのかを確認する為の情報や、画像形成装置のメモリに何個印刷待ちのジョブが存在しているのかを確認する為のステータス情報や、スキャナエラーやプリンタエラー等のエラーが発生しているか否か識別する為の情報や、記録紙の紙切れやトナー切れが発生しているか否か等の情報等の消耗品アラート状態や、セットされている記録紙のサイズやタイプを識別する為の情報や、画像形成装置が如何なる機能を具備しているかを識別する為の機能装備情報等の、本システムにおいて制御部により識別すべき情報)を、各画像形成装置から通信ユニットを介して獲得し、該獲得した情報を、プリントマネージャ115に伝える役割も果たしている。
尚、出力デバイス制御部606が、各画像形成装置から獲得した上述のような各種の情報をプリントマネージャ115に対して通信ユニットを介してデータ送信するにあたり、プリントマネージャ115からの情報獲得コマンドデータを受信したことに応答して出力デバイス制御部606からプリントマネージャ115にデータ転送しても良いし、プリントマネージャ115からの要求無しに、定期的及び/又はリアルタイムに、プリントマネージャ115へ上記情報の転送を実行するような構成でも良い。
なお、図7では、プリントマネージャ115は、RIP部603を有する形態で記述されているが、RIP部603は、実際には、MFP104(またはMFP105)に内蔵されている形態でも良いし、プリントマネージャ115とは別ユニットで構成される形態でも良い。いずれにせよ、MFP104(または、MFP105)やRIP部603を含めて、入力したPDL情報をRIP処理してプリントするまでの一連の工程を担当するのがプリントマネージャ115の主な役割となる。
〔プリンタドライバ〕
ユーザのクライアントコンピュータから受注・入稿マネージャ112等に入稿されるデータは、PDLデータ,PDFデータ,アプリケーションデータ,紙原稿(紙原稿の場合は、例えば、クライアントコンピュータ等の情報処理装置からではなく、スキャナ106等から入力される場合もある)など様々である。ユーザにより入稿されるデータが、PDL(PS,PCLデータ等)やPDFデータ等の場合は、プリント工程に移行された時点で、そのままプリントマネージャ115に送り込まれてもRIP可能である。一方、ユーザにより入稿されるデータがアプリケーションデータの場合は、プリント工程に移行された時点で、作業者がクライアントコンピュータ103からプリントドライバを用いてアプリケーションデータをプリント用のデータに変換する作業を行って、プリントマネージャ115に送信する必要がある。本システムは、このような各種の形態に対応するように構成・制御する。
以下、プリンタドライバについて説明する。
図8〜図10は、例えば、クライアントコンピュータ103の制御部が主体となって、図1に示したクライアントコンピュータ103のディスプレイ上に表示させるプリンタドライバ画面の一例を示す模式図である。尚、図8〜図10を用いて説明する各動作、制御も本発明の一部として包含される。
プリンタドライバは、本システムのMFP等の画像形成装置によるプリント動作等の出力動作を指示するのに好適な表示画面構造のGUI(アプリケーションの操作画面等からユーザからのキー操作により印刷指示したときにコンピュータのディスプレイに表示させる印刷設定用のGUI上において、「プリンタ」に関するプロパティの表示指示をユーザからのキー操作によりなされた場合に該ディスプレイに表示させるGUI)でのユーザのキー操作により、ユーザは所望の設定パラメータ(印刷出力処理条件データ)を設定可能とし、該プリンタドライバは、該設定されたユーザ設定を、所望の画像データと共にプリンタなどの送信先(出力先とも呼ぶ)にネットワーク101等の通信媒体を介して送信するよう制御する。
図8において、701はプリンタドライバのウィンドウである。このプリンタドライバのウィンドウ701内の設定項目において、702はターゲットとなる出力先を選択する送信先の選択カラムである。本実施形態では、前述のMFP104あるいは、MFP105が選択対象となる。このように画面上に表示させる選択カラム702を介してユーザにより本システムの所望の出力先デバイスを選択可能とする。
703はジョブの中から出力ページを選択するページ設定カラムであり、クライアントコンピュータ103上で動作するアプリケーションソフトで作成された画像イメージのどのページを出力するかを決定する。このように画面上に表示させるページ設定カラム703を介して本システムのMFP等のデバイスにて印刷出力させるべきページをユーザにより選択可能とし、全ページ印刷させることも、全ページ印刷させることなく特定のページを印刷させることも可能とする。
704は本システムのMFP等のデバイスにて印刷出力すべきジョブの出力部数を指定する部数設定カラムであり、カーソルをこの位置に移動させ、図示の矢印(スクロールバーの矢印)をクリックすることで、部数の増減が設定できる。また、707は前記送信先選択カラム702にて選択された送信先デバイスに関する詳細設定を行うためのプロパティキーであり、ユーザによりキー707がキー入力されたことに応答し、該コンピュータのディスプレイ上に図9,図10に示す各種の詳細画面を表示させるよう制御する。
そして、図8〜図10の各種の操作画面を介してユーザによる所望の設定が済んだ上で、OKキー705をキー入力すれば、ユーザの所望の設定に従った印刷を開始させることが出来る。該画面701条のOKキー705がユーザにより押下されたことに応答し、クライアントコンピュータ103からプリントマネージャ114に印刷データを送信可能に制御する(後述する図51参照)。当該処理を取り消す場合には、キャンセルキー706をユーザが押下することで、これを受け、制御部は印刷を取りやめて、画面701の表示を終了させる。
図9,図10は、図8に示した操作画面上のプロパティキー707がユーザによりクリックされたことに応答し、該クライアントコンピュータ103に表示させる操作画面(GUI)である。
この画面には、例えば「Paper」,「Graphics」,「Device Options」,「PDL」等のタブキー711〜714が設けられており、それらをクリック(図示しないクライアントコンピュータ103が具備するポインティングデバイス等の操作部で指示)することにより、「Paper」に関する設定,「Graphics」に関する設定,「Device Options」に関する設定,「PDL」に関する設定等の異なる各種詳細な印刷出力条件の設定を行うことができる。
図9では、「Paper」タブ711が押下された場合に表示させる操作画面例である。該画面は、印刷すべきジョブの記録紙の用紙サイズをユーザにより設定可能に用紙サイズ設定部715、一枚の記録紙の同一面上に複数ページ分の原稿画像データを配列形成させるレイアウトモードを選択する為の指示を入力可能とし且つ該レイアウトモードにて一枚の記録紙の同一面上に何ページ分の画像を配列形成させるかを複数の候補の中からユーザにより選択する為の指示を入力する為の面つけレイアウト設定部716、印刷すべきジョブの印刷の向きをポートレイトやランドスケープ等の複数の選択候補の中からユーザの所望の向きを設定可能する為の紙の向き設定部717、本システムの画像形成装置が具備する互いに異なるタイプ及び/又はサイズの複数種の記録紙を各タイプ毎に収納可能な複数の給紙部の中から処理対象となるジョブの印刷にて使用すべき給紙部をユーザが複数の選択候補の中から選択可能にする為の給紙段設定部718,処理対象となるジョブの印刷部数をユーザにより設定可能にする為の部数設定部719等を具備し、該画面の各設定項目部にてユーザが上述した所望の印刷設定を可能とする。
また、「Device Options」タブ713がユーザによるキー操作により選択された場合、これを受け、制御部は、図10に示すような操作画面を表示させる。当該画面は、本システムが具備する複数台のデバイスのうちの図8の操作画面にてユーザにより選択されたMFP104やMFP105等のデバイスに関わる固有の設定情報、例えばステープル処理の設定やソート処理の設定やパンチ処理の設定や穴あけ処理の設定や製本処理の設定などのフィニッシングの設定を含むシート処理の設定や片面印刷するか両面印刷を実行させるかの設定や、プリンタによる色味などのパラメータを変更する画像処理関連のより細かい調整の設定等の各種の詳細設定をユーザにより実行可能な複数の設定部を具備し、ユーザにより上述のような各種の詳細設定を可能とする。
例えば、図10に示すように、機能選択部731により所望のシート処理を設定可能にし、且つ、設定値設定部732を介して、該選択部731により選択された処理モードにおける詳細な処理条件パラメータをユーザにより設定可能にする。例えば、この表示例の設定により、図8の操作画面にてユーザにより選択された画像形成装置に、印刷対象となるジョブを、図10の操作画面の設定部732を介してクライアントにより設定された両面印刷モードに従って印刷処理させるよう制御し、且つ、設定部732を介して設定された該両面印刷モードにおける長辺綴じ設定に基づいた両面印刷処理を実行させるよう該画像形成装置を制御する。又、図10の操作画面のデフォルトキー733をユーザが操作することで、図10の操作画面における印刷詳細設定を初期値へ戻すよう制御する。
また、図示しないが、同様にして「Graphics」タブ712では、解像度やハーフトーン設定、「PDL」タブ714ではPDLの出力形式などの選択を行うことができる。
さらに、720はOKキーで、このキーを押下(指示)すると、プロパティ設定を有効にして、図8の画面に戻る。また、721はキャンセルキーで、このキーを押下(指示)すると、プロパティ設定を無効にして、図8の画面に戻る。さらに、722は適用キーで、このキーを押下(指示)すると、プロパティ画面のままで、プロパティ設定を有効にする。
以上、各種の詳細設定を含む印刷処理条件のうちのクライアントが所望の出力条件を図8〜図10の各種の印刷設定画面を介して設定した上で、該クライアントコンピュータからジョブの出力要求とそのジョブの上記印刷条件データとそのジョブの画像データを送出することで、本システムの受注・入稿マネージャ112及び/又はプリントマネージャ115を介して、本システムが具備するデバイス(MFPやプリンタ等の複数の画像形成装置を含む)のうちの該クライアントが選択したデバイスに、該クライアントにより設定された出力条件に従った該クライアントの所望の出力動作を、該クライアントコンピュータ103から出力するジョブのデータ(画像データを含む)に対して実行可能に制御する。
〔RIP部〕
以下、図11〜図14を参照して、図7に示したRIP部603の構成について説明する。
図11は、図7に示したRIP部603の構成の一例を示すブロック図である。
図11に示すように、RIP部603は、一般に、インタプリタ部801、レンダリング部802、スクリーニング部803の3つの部分から成り立っている。
インタプリタ部801は、PDLの翻訳をしてビットマップ展開を行うものである。レンダリング部802は、PDLの色描写を行うものである。そして、スクリーニング部803は、白黒MFP105への出力の場合には、二値化処理や予め決められた周期や角度のスクリーンを作成し、またカラーMFP104への出力の場合には、キャリブレーション用ガンマテーブルまで含めて作成する。
以下、各部を詳細に説明する。
まず、図12を参照して、インタプリタ部801について説明する。
インタプリタ部801は、PDLデータを解析する部分であり、Adobe社のPostScript(登録商標)言語に代表されるPDLは、以下(a)〜(c)の3要素に分類される。(a)文字コードによる画像記述(b)図形コードによる画像記述(c)ラスタ画像データによる画像記述
すなわち、PDLは、上記の要素を組み合わせで構成された画像を記述する言語であり、それで記述されたデータをPDLデータと呼ぶ。
図12は、図11に示したインタプリタ部801に入力されるPDLデータの記述例とインタプリタ部801による描画結果を示す模式図である。
図12(a)は、図12(b)に示す描画のPDL記述例に対応し、文字情報「R901の記述」は、L911〜L913で表され、文字の色、文字列、座標位置からなる。文字の色のカッコ内は順にCyan,Magenta,Yellow,Blackの濃度を表わしている。最小は「0.0」であり、最大は「1.0」である。L911では、文字を黒にすることを指定する例を示している。次に、L912は、変数String1に文字列"ABC"を代入していることを示している。
次に、L913では、第1,第2パラメータが、文字列をレイアウトする用紙上の開始位置座標のx座標とy座標を示し、第3パラメータが文字の大きさ、第4パラメータが文字の間隔を示しており、第5パラメータがレイアウトすべき文字列を示している。要するにL913は、座標(0.0,0.0)のところから、大きさ「0.2」、間隔「0.3」で、文字列"ABC"をレイアウトするという指示となる。
次に、図形情報の例「R902を記述」において、L921は文字の色を指定したL911と同様の記述方法で線の色を指定しており、ここでは、Cyanが指定されている。次に、L922は、線を引くことを指定するためのものであり、第1,2パラメータが線の始端座標のx,y座標、第3,4パラメータが終端座標のそれぞれ、x,y座標を示し、第5パラメータは線の太さを示す。
さらに、ラスタ画像情報の例「R903の記述」において、L931は、ラスタ画像を変数image1に代入している。ここで、第1パラメータはラスタ画像の画像タイプ、及び色成分数を表わし、第2パラメータは1色成分あたりのビット数を表わし、第3,第4パラメータは、ラスタ画像のx方向、y方向の画像サイズを表わす。第5パラメータ以降が、ラスタ画像データを表す。ラスタ画像データの個数は、1画素を構成する色成分数、及びx方向,y方向の画像サイズの積となる。このL931では、CMYK画像は4つの色成分(Cyan,Magenta,Yellow,Black)から構成されるため、ラスタ画像データの個数は(4×5×5=)100個となる。
次に、L932は、座標(0.0,0.5)のところから、「0.5×0.5」の大きさにimage1をレイアウトすることを示している。
図12(b)は、図12(a)に示した1ページの中で3つの画像記述(「R901の記述」,「R902の記述」,「R903の記述」)を解釈して、ラスタ画像データに展開した様子を示したものである。
図12(b)において、R901,R902,R903は、図12(a)に示したそれぞれのPDLデータ(「R901の記述」,「R902の記述」,「R903の記述」)を展開したものである。
これらのラスタ画像データは、実際にはC,M,Y,K色成分毎にメモリ608(あるいは、ハードディスク607)に展開されており、例えばR901の部分は、各CMYKのメモリに、C=0,M=0,Y=0,K=255が書かれており、R902の部分は、それぞれ、C=255,M=0,Y=0,K=0が書き込まれることになる。
プリントマネージャ115内では、クライアント103(あるいは、他のコンピュータ)から送られてきたPDLデータは、PDLデータのままか、上記のようにラスタ画像に展開された形で、メモリ608(あるいは、ハードディスク607)に書き込まれ、必要に応じて保存されている。
次に、図13を参照して、図11に示したレンダリング部802について説明する。
図11に示したインタプリタ部801から出力される画像データには、グレースケール,RGB,CMYKのほか様々な色空間のものがあり、その他の色空間の場合には、一度CRD(Color Rendering Dictionary)にてCMYK空間に変換された後、カラーマッチングされる。
図13は、図11に示したレンダリング部802におけるカラーマッチングの一例を示すフローである。
図13に示すように、カラーマッチングは、RGB又はCMYKで入力されたデータに対して、カラーマッチングが必要な場合、CMM部1004において、ICCプロファイルによる色調整が行われる。ICCプロファイルは、ソースプロファイル1005とプリンタプロファイル1006からなっており、ソースプロファイルは、RGB(またはCMYK)データを一度規格化されたL*a*b*の空間に変換し、このL*a*b*データを再度ターゲットとなるプリンタに適したCMYK空間になる。
また、ソースプロファイル1005は、図示しないRGBプロファイルとCMYKプロファイルからなっており、入力画像がRGB系画像(Microsoft社のアプリケーションソフトやJPEG,TIFF画像等)の場合は、RGBプロファイルが選択され、CMYK系画像(Adobe社のPhotoshopやIllustratorの一部データなど)の場合にはCMYKプロファイルが選択される。
次に、プリンタプロファイル1006は、各プリンタの色特性に合わせて作られており、RGB系画像の場合は、Perceptual(色味優先)やSaturation(鮮やかさ優先)を選択するのが好ましく、CMYK系画像の場合は、Colorimetric(色差最小)を選んで最適画像を出力することが多い。
また、ICCプロファイルは、一般にルックアップテーブル形式で作られており、ソースプロファイル1005では、RGB(またはCMYK)データが入力されると、一意にL*a*b*データに変換され、プリンタプロファイル1006では、L*a*b*データからプリンタにマッチしたCMYKに変換される。
なお、RGBで入力されたデータに対して、カラーマッチングが必要でない場合は、デフォルト色変換部1003において、RGBデータからプリンタにマッチしたCMYKに変換されて出力される。
また、CMYKで入力されたデータに対して、カラーマッチングが必要でない場合は、そのまま出力される。
次に、図14を参照して、図11に示したスクリーニング部803内のガンマ補正に関して説明する。
図14は、図11に示したスクリーニング部803内のガンマ補正を説明する特性図であり、図14(a)はリニアなガンマテーブルに対応し、図14(b)はプリンタ出力特性に対応し、図14(c)はキャリブレーションされたガンマテーブルに対応し、図14(d)は出力特性を加味したガンマテーブルに対応する。
ガンマテーブルは、デフォルトで図14(a)のようなリニアなガンマ曲線が用意されており、プリンタ特性に応じてテーブルを用意する。
例えば、MFP104aの出力特性Gpが図14(b)に示すような値であった場合、その逆関数Gaである図14(c)を掛け合わせれば出力特性は、図14(a)のようにリニアな値に修正される(Ga×Gp=G0)。
また、印刷ライクな出力特性Gbに図14(d)のような特性を選びたければ、Ga×Gbのような値のテーブルを掛け合わせても良い。
また、これらのガンマテーブルを作成するために、MFP104aのスキャナ部や濃度計などを利用するキャリブレーション機能も一般に知られている。
〔MFP104,105の構成〕
次に、図15〜図19を用いてMFP(Multi Function Peripheral:マルチファンクション周辺機器)104,105の構成について説明する。これらMFPは、自装置内部に複数のジョブのデータを記憶可能なハードディスク等のメモリを具備し、スキャナから出力されたジョブデータを該メモリを介してプリンタ部でプリント可能にするコピー機能や、コンピュータ等の外部装置から出力されたジョブデータを該メモリを介してプリント部でプリント可能にするプリント機能等の複数の機能を具備した画像形成装置である。
但し、MFP104とMFP105の差はフルカラーとモノクロの差であり、色処理以外の部分ではフルカラー機器がモノクロ機器の構成を包含することが多いため、ここではフルカラー機器に絞って説明し、必要に応じて随時モノクロ機器の説明を加えることとする。又、本システムの構成に関し、上記の如く、複数の機能を具備した複合機能型の画像形成装置を有すると共に、プリント機能のみを具備した単一機能型の画像形成装置等のSFP(Single Function Peripheral:単一機能周辺機器)を具備する構成でも良いし、いずれか一方のタイプの画像形成装置のみを具備する構成でも良い。又、何れのタイプの画像形成装置であっても、複数台具備する構成でも良い。いずれにしても、本形態の制御が実現可能な構成であればよい。
図15は、図1に示したMFP(Multi Function Peripheral:マルチファンクション周辺機器)104,105の構成を示すブロック図である。
図15に示すように、MFP104,105は、画像読み取りを行うスキャナ部1201とその画像データを画像処理するスキャナIP部1202と、ファクシミリなどに代表される電話回線を利用した画像の送受信を行うFAX部1203と、ネットワークを利用して画像データや装置情報をやりとりするNIC(Network Interface Card)部1204と、フルカラーMFP104との情報交換を行う専用I/F部1205とを備えている。そして、MFP104,105の使い方に応じてコア部1206で画像信号を一時保存したり、経路を決定したりする制御を行う。
尚、コア部1206内には、上記の如く、複数の画像データを格納可能なハードディスク等のメモリを具備し、例えば、画像形成装置が具備する制御部(例えばコア部のCPUなど)が主体となって、スキャナ部1201からの画像データや、FAX部1203を介して入力されたファクシミリジョブの画像データや、NIC部1204を介して入力されたコンピュータ等の外部装置からの画像データや、I/F部1205を介して入力された他の画像形成装置からの画像データ等の、複数種類の画像データを、該ハードディスクに複数格納可能に制御して、該ハードディスクに格納された画像データを適宜読み出して、プリント部1209等の出力部に転送して、該プリンタ部1209によるプリント処理等の出力処理を実行可能に制御する。又、オペレータからの指示により、ハードディスクから読み出した画像データを、コンピュータや他の画像形成装置等の外部装置に転送可能に制御する。
次に、コア部1206から出力された画像データは、プリンタIP部1207及びスクリーニング部1208を経由して画像形成を行うプリンタ部1209に送られる。プリンタ部1209でプリントアウトされたシートはオンラインフィニッシャ部1210へ送り込まれ、シートの仕分け処理やシートの仕上げ処理が行われる。
コア部1206はバスの交通整理を行っており、MFPの使い方に応じて、以下の(1)〜(5)のようにパス切り替えが行われている。また、データがネットワークを経由する際には、JPEG,JBIG,ZIPなど圧縮データを使用することも一般に知られており、データがMFPに入った後、このコア部1206にて解凍(伸張)される。
(1)複写機能:スキャナ部1201→コア部1206→プリンタ部1209
(2)ネットワークスキャナ:スキャナ部1201→コア部1206→NIC部1204
(3)ネットワークプリンタ:NIC部1204→コア部1206→プリンタ部1209
(4)ファクシミリ送信機能:スキャナ部1201→コア部1206→FAX部1203
(5)ファクシミリ受信機能:FAX部1203→コア部1206→プリンタ部1209
また、プリンタIP部1207は、信号を画像形成装置のトナー色であるY,M,C,K信号にマトリクス演算する出力マスキング/UCR部、トナーの色味諸特性を考慮したルックアップテーブル(LUT)RAMを使って画像出力のためのC,M,Y,Kデータに変換するガンマ補正部、シャープネスまたはスムージングを施す空間フィルタ等から構成される。
スクリーニング部1208は、誤差拡散、ディザ、あるいはPWM(Pulse Width Modulation)などの処理を行う部分である。
図16は、図15に示したスクリーニング部1208におけるPWM処理を説明する図である。
図16(a)において、1301は三角波発生部、1302は入力されるデジタル画像信号をアナログ信号に変換するD/Aコンバータ(D/A変換部)である。
三角波発生部1301からの信号(図16(b)に示す信号a)及びD/Aコンバータ1302からの画像信号(図16(b)に示す信号b)は、コンパレータ1303で大小比較されて、図16(b)に示す信号cのような濃度に依存したパルス幅信号となってレーザ駆動部1304に送られる。なお、カラーの場合には図16(a)に示す構成が4つ(C,M,Y,Kそれぞれ)必要となり、C,M,Y,Kそれぞれが、それぞれのレーザ1305でレーザビームに変換される。
そして、ポリゴンスキャナ1413で、それぞれのレーザビームを走査して、それぞれの感光ドラム1417,1421,1425,1429に照射される。
図17は、図15に示したプリンタ部(特にカラープリンタ部)1209の構造を示す断面図であり、図16と同一のものには同一の符号を付してある。
図17に示すように、ポリゴンミラー1413は、4つの半導体レーザ1305より発光された4本のレーザ光を受ける。その内の1本はミラー1414,1415,1416を経て感光ドラム1417を走査露光し、次の1本はミラー1418,1419,1420をへて感光ドラム1421を走査露光し、次の1本はミラー1422,1423,1424をへて感光ドラム1425を走査露光し、最後の1本はミラー1426,1427,1428をへて感光ドラム1429を走査露光する。
また、1430はイエロー(Y)のトナーを供給する現像器であり、レーザ光に従い、感光ドラム1417上にイエローのトナー像を形成する。1431はマゼンタ(M)のトナーを供給する現像器であり、レーザ光に従い、感光ドラム1421上にマゼンタのトナー像を形成する。1432はシアン(C)のトナーを供給する現像器であり、レーザ光に従い、感光ドラム1425上にシアンのトナー像を形成する。1433はブラック(K)のトナーを供給する現像器であり、レーザ光に従い、感光ドラム1429上にマゼンタのトナー像を形成する。以上4色(Y,M,C,K)のトナー像が感光ドラム1417,1421,1425,1429からシートに転写され、フルカラーの出力画像を得ることができる。
シートカセット1434,1435および手差しトレイ1436のいずれかより給紙されたシートは、レジストローラ1437を経て、転写ベルト1438上に吸着されて搬送される。給紙のタイミングと同期がとられて、予め感光ドラム1417,1421,1425,1429には各色のトナーが現像されており、シートの搬送とともに、トナーがシートに転写される。
各色のトナーが転写されたシートは、分離され、搬送ベルト1439により搬送され、定着器1440によって、トナーがシートに定着される。定着器1440を抜けたシートはフラッパ1450により一旦下方向へ導かれてシートの後端がフラッパ1450を抜けた後、スイッチバックさせて排出する。これによりフェイスダウン状態で排出され、先頭頁から順にプリントしたときに正しいページ順となる。
なお、4つの感光ドラム1417,1421,1425,1429は、距離dをおいて、等間隔に配置されており、搬送ベルト1439により、シートは一定速度vで搬送されており、このタイミングで同期がなされて、4つの半導体レーザ1305は駆動される。
図18は、図15に示したプリンタ部(特にモノクロプリンタ部)1209の構造を示す断面図であり、図16と同一のものには同一の符号を付してある。
図18において、1413はポリゴンミラーで、半導体レーザ1305より発光されたレーザ光を受ける。レーザ光はミラー1514,1515,1516をへて感光ドラム1417を走査露光する。
また、1530は黒色のトナーを供給する現像器であり、レーザ光に従い、感光ドラム1517上にトナー像を形成し、トナー像がシートに転写され、出力画像を得ることができる。
シートカセット1534,1535および、手差しトレイ1536のいずれかより給紙されたシートは、レジストローラ1537を経て、転写ベルト1538上に吸着され、搬送される。給紙のタイミングと同期がとられて、予め感光ドラム1517にはトナーが現像されており、シートの搬送とともに、トナーがシートに転写される。
トナーが転写されたシートは、分離され、定着器1540によって、トナーがシートに定着される。定着器1540を抜けたシートはフラッパ1550により一旦下方向へ導かれてシートの後端がフラッパ1550を抜けた後、スイッチバックさせて排出する。これによりフェイスダウン状態で排出され、先頭頁から順にプリントしたときに正しいページ順となる。
なお、プリンタ部1209がレーザビーム方式である場合を例にして説明したが、レーザビーム方式以外の電子写真方式(例えばLED方式)でも、液晶シャッタ方式、インクジェット方式、熱転写方式、昇華方式でもその他のプリント方式であっても本発明は適用可能である。
〔オンラインフィニッシャ部1210の構成〕
図19は、図15に示したオンラインフィニッシャ部1210の構成を示す断面図である。
プリンタ部1209の定着部を排出したシートは、オンラインフィニッシャ部1210に入る(フィニッシャが接続されている場合)。オンラインフィニッシャ部1210には、サンプルトレイ1601及びスタックトレイ1602があり、ジョブの種類や排出されるシートの枚数に応じて切り替えて排出される。
ソート方式には2通りあり、複数のビンを有して各ビンに振り分けるビンソート方式と、電子ソート機能とビン(または、トレイ)を奥手前方向にシフトしてジョブ毎に出力シートを振り分けるシフトソート方式によるソーティングを行うことができる。電子ソート機能は、コレートと呼ばれ、前述のコア部で説明した大容量メモリを持っていれば、このバッファメモリを利用して、バッファリングしたページ順と排出順を変更する、いわゆるコレート機能を用いることで電子ソーティングの機能もサポートできる。次にグループ機能は、ソーティングがジョブ毎に振り分けるのに対し、ページ毎に仕分けする機能である。
さらに、出力すべきジョブに対してステイプルモードが設定されている場合には、スタックトレイ1602に排出するよう制御するが、その際には、シートがスタックトレイ1602に排出される前に、シートをジョブ毎にフィニッシャ内部の処理トレイに順次蓄えておき、該処理トレイ上にてステープラ1605にてバインドして、その上で、スタックトレイ1602へ、該記録紙束を束排出する。
その他、上記2つのトレイに至るまでに、紙をZ字状に折るためのZ折り機1604、ファイル用の2つ(または3つ)の穴開けを行うパンチャ1606があり、ジョブの種類に応じてそれぞれの処理を行う。例えば、出力すべきジョブに対するシート処理に関する設定としてユーザにより操作部を介してZ折り処理設定がなされた場合には、そのジョブの記録紙に対してZ折り機1604により折り処理を実行させ、その上で、機内を通過させて、スタックトレイ1602及びサンプルトレイ等の排出トレイに排紙するよう制御する。又、例えば、出力すべきジョブに対するシート処理に関する設定としてユーザにより操作部を介してパンチ処理設定がなされた場合には、そのジョブの記録紙に対してパンチャ1606によるパンチ処理を実行させ、その上で、機内を通過させて、スタックトレイ1602及びサンプルトレイ等の排出トレイに排紙するよう制御する。
さらに、サドルステッチャ1607は、シートの中央部分を2ヶ所バインドした後に、シートの中央部分をローラに噛ませることによりシートを半折りし、パンフレットのようなブックレットを作成する処理(製本処理)を行う。サドルステッチャ1607で製本されたシートは、ブックレットトレイ1608に排出される。当該サドルステッチ1607による製本処理等のシート処理動作の実行可否も、上述の如く、出力すべきジョブに対してユーザにより設定されたシート処理設定に基づく。
また、インサータ1603はトレイ1610にセットされたシートをプリンタへ通さずにトレイ1601,1602,1608のいずれかに送るためのものである。これによってオンラインフィニッシャ部1210に送り込まれるシート(プリンタ部で印刷されたシート)とシートの間にインサータ1603にセットされたシートをインサート(中差し)することができる。インサータ1603のトレイ1610にはユーザによりフェイスアップの状態でセットされるものとし、ピックアップローラ1611により最上部のシートから順に給送する。
従って、インサータ1603からのシートはそのままトレイ1601,1602へ搬送することによりフェイスダウン状態で排出される。サドルステッチャ1607へ送るときには、一度パンチャ1606側へ送り込んだ後スイッチバックさせて送り込むことによりフェースの向きを合わせる。尚、当該インサータ1603によるシート挿入処理等のシート処理動作の実行可否も、上述の如く、出力すべきジョブに対してユーザにより設定されたシート処理設定に基づく。
次に、トリマ(裁断機)1612について説明する。
サドルステッチャ1607においてブックレット(中綴じの小冊子)にされた出力は、このトリマ1612に入ってくる。その際に、まず、ブックレットの出力は、ローラで予め決められた長さ分だけ紙送りされ、カッタ部1613にて予め決められた長さだけ切断され、ブックレット内の複数ページ間でばらばらになっていた端部がきれいに揃えられることとなる。そして、ブックレットホールド部1614に格納される。尚、当該トリマ1612による断裁処理等のシート処理動作の実行可否も、上述の如く、出力すべきジョブに対してユーザにより設定されたシート処理設定に基づく。
〔後処理マネージャ116〕
図1に示した後処理マネージャ116は、オフラインフィニッシャを統括管理するコンピュータであり、MFP104(または105)からのプリント出力に対して、フィニッシング処理を行う様々なオフラインフィニッシャのステイタス管理、ジョブ指示などを担当する。
後処理マネージャ116が管理するオフラインフィニッシャ(シート処理装置とも称す)には、断裁機121,中綴じ製本機122,くるみ製本機123,紙折機124,封入機125あるいは、帳合機(コレータ)126を初めとして様々なものがあり、後処理マネージャ116はこれらのオフラインフィニッシャと予め決められたプロトコルで逐次ポーリングにてデバイスの状況やジョブの状況を把握し、ジョブの実行状況を管理する。尚、本形態は、上述の複数のシート処理(断裁、くるみ製本、紙折り、封入、ステイプル、パンチ、丁合、ソート、製本、糊付け等の各種のシート処理)をそれぞれ別々のシート処理装置により実行可能にする構成でも、複数種類のシート処理を1台のシート処理装置が実行可能にする構成でも良い。又、複数のシート処理装置のうちのいずれかのシート処理装置を本システムに具備する構成でも良い。
〔ファイル保管マネージャ117〕
図1に示したファイル保管マネージャ117は、ユーザのファイル(ユーザ情報、画像データや印刷条件データを含む)を保管しておき、後でリプリントの予約が入った場合などに対応するものである。ファイルの形態は、PDLファイルの場合と、Print Readyファイル(BitmapやTiffファイルが広く知られている)の片方または、双方で保管できる。保管に当たっては、Print Readyファイルの保管は大きな容量のデータとなってしまうため、別の記憶メディア(CD−ROMやMO,ZIPなど)に記録されたり、PDLファイルであっても古いものや容量の大きいものは同様に別メディアなどに保管されたりする。また、ユーザが希望した場合には、最終出力と一緒に送り返すことも可能である。このように、ファイル管理マネージャ117は、ユーザ(クライアント)からの再出力要求がなされる度に、その都度、該ユーザのジョブデータを、所望の印刷出力条件でもって、上記記憶媒体から読み出して再プリント可能に制御する。
一方、保管されたデータをユーザが再プリントしたい場合には、例えば後述する図29に示す画面のRestoreの項目で再度オーダすることもできる。
〔納品・発送マネージャ118〕
図1に示した納品・発送マネージャ118は、宅配便,クーリエ便,郵送等のサービスとリンクしたもので、配送のトラッキングナンバやエアウェイビルナンバ等から、現在の配送の状況や到着予定等を管理するコンピュータである。このように、納品・発送マネージャ118は、本システムにて出力した最終成果物(印刷物)をクライアントに納品するうえで、納品対象となる最終成果物の配送状況を、逐次入手可能に、構成し、配送日時や到着予定日時を管理可能に制御する。
〔スキャンマネージャ119〕
図1に示したスキャンマネージャ119は、スキャナ106やMFP104,105のスキャナを制御するためのもので、オペレータからの指示に応答し、スキャナドライバを呼び出して、スキャン画像データのプレビューを表示部に実行させるよう制御したり、画像の読み込み、あるいはMFPのプリンタ部と連携してクイックコピーを行ったりするためのコンピュータであり、ユーザからの入稿が紙原稿であった場合に作業者が紙原稿を電子化する際にも使用する。具体的には、まず、作業者等の操作部におけるキー操作に応答し、スキャンマネージャ119からスキャナドライバが起動させる。
図20は、スキャンマネージャ119やクライアントコンピュータ等の情報処理装置が具備する表示部に表示させる、スキャン動作を指示するためのスキャナドライバのGUI(Graphic User Interface)を示す模式図である。
このスキャナドライバのGUIは、ソースデバイス名選択欄1722や詳細パラメータを設定可能にする設定欄1724〜1733やプレビューキー1736やスキャンキー1737を具備している。該スキャナドライバのGUI(操作画面)で、本システムが具備する複数のデバイスの中からターゲットとなるスキャナ(本システムでは、MFPもスキャナユニットを具備しているので、当該設定欄で選択可能なデバイスである)をソースデバイス名1722で選択し、所望のパラメータ設定1724〜1733を行い、プレビューキー1736あるいはスキャンキー1737をクリック(図示しないポインティングデバイス等で指示)すると画像の読み込みを開始するよう制御する。
なお、キャンセルキー1738をクリック(図示しないポインティングデバイス等で指示)すると画像の読み込みを中止するよう制御する。さらに、プロパティキー1723をクリック(図示しないポインティングデバイス等で指示)するとソースデバイス名1722で選択されたスキャナのプロパティ設定画面が表示されるよう制御する。
図21は、図15に示したスキャナ部1201の構成示す断面図である。
図21において、1801は原稿台ガラスで、読み取られるべき原稿1802が載置される。原稿1802は照明ランプ1803により照射され、その反射光はミラー1804,1805,1806を経て、レンズ1807によりCCDセンサ1808上に結像されとデータ処理部1820に入力される。ミラー1804,照明ランプ1803を含む第1ミラーユニット1810は速度Vで移動し、ミラー1805,1806を含む第2ミラーユニット1811は速度V/2で移動することにより、原稿1802の全面を走査する。第1ミラーユニット1810及び第2ミラーユニット1811はモータ1809により駆動される。
図22は、図21に示したスキャナ部1201内のデータ処理部1820の構成を示すブロック図であり、図22(a)はカラースキャナに対応し、図22(b)はモノクロスキャナに対応する。
図22(a)に示すように、カラースキャナの場合、読み込まれた画像は、CCDセンサ1808により電気信号に変換される。このCCDセンサ1808はRGB3ラインのカラーセンサであり、R,G,Bそれぞれの画像信号としてA/D変換部1901に入力される。ここでゲイン調整、オフセット調整をされた後、A/Dコンバータ(A/D変換部)1901で、各色信号毎に8ビットのデジタル画像信号R0,G0,B0に変換される。その後、シェーディング補正部1902で色ごとに、基準白色板の読み取り信号を用いたシェーディング補正が施される。
さらに、CCDセンサ1808の各色ラインセンサは、相互に所定の距離を隔てて配置されているため、ラインディレイ調整回路(ライン補間部)1903において、副走査方向の空間的ずれが補正される。次に、入力マスキング部1904は、CCDセンサ1808のR,G,Bフィルタの分光特性で決まる読取色空間を、NTSCの標準色空間に変換する部分であり、CCDセンサ1808の感度特性/照明ランプのスペクトル特性等の諸特性を考慮した装置固有の定数を用いた3×3のマトリックス演算を行い、入力された(R0,G0,B0)信号を標準的な(R,G,B)信号に変換する。また、輝度/濃度変換部(LOG変換部)1905は、ルックアップテーブル(LUT)RAMにより構成され、RGBの輝度信号をC1,M1,Y1の濃度信号に変換する。この濃度信号は、スキャナマネージャ119に取り込まれる。
また、図22(b)に示すように、モノクロスキャナの場合は、単色の1ラインCCDセンサ1808を用いて、読み込まれた画像を電気信号に変換し、単色の画像信号としてA/D変換部1901に入力される。この画像信号は、A/D変換1901によりA/D変換され、シェーディング補正部1902によりシェーディング補正された後、スキャナマネージャ119に取り込まれる。
なお、取り込まれた画像は、図20に示したスキャナドライバのプレビュー部1735にて確認できたり、画像データとして、スキャナマネージャ119内のメモリやハードディスクに格納されたりする。尚、当然、スキャナからの画像データは、オペレータからの指示に基づいて、上述のようなハードディスク等のメモリを介して本システムの印刷装置にてプリントさせたり、他の装置へデータ転送させたりすることが出来るように構成されている。
尚、上述したように、本形態では、各マネージャ112〜118の機能を、それぞれ、互いに独立した複数のコンピュータ等の情報処理装置が夫々別々に具備する構成でも良いし、全てのマネージャー機能を、1台の情報処理装置或いはMFP等の1台の画像形成装置が具備する構成でも良いし、全てマネージャの機能のうちの少なくとも2つ以上の機能を、1台の情報処理装置或いはMFP等の1台の画像形成装置が具備する構成でも良い。いずれにしても、本形態で提供できる制御、機能等を実行可能にできる装置構成、システム形態であればよい。
〔データフロー〕
ここで、再び図1に戻って、本実施形態の画像形成システムにおける実際のデータの流れを考える。本システムは、それぞれのコンピュータ,デバイス間で、各々が具備するデータ通信ユニットを用いて、データの受け渡しが可能となるように構成されており、工程管理マネージャ111が、それら全てを管理可能に構成している。
各マネージャ、各デバイス間で、受け渡されているデータは、CIP3(International Cooperation For Integration of Prepress Press and Postpress:製版、印刷、後加工の印刷ワークフロー統合のための共同組織。プリプレスのデータを刷版以降のすべての印刷工程で活用し、自動化と品質向上に役立てるためのデータ標準。)におけるPPF(Print Production Format)と呼ばれるフォーマット、あるいはCIP4(International Cooperation For Integration of Processes in Prepress、 Press and Postpress:製版、印刷、後加工の工程・処理統合のための共同組織。CIP3を拡大させたもの)におけるJDF(Job Definition Format)と呼ばれる、印刷やEコマースを含めた広い範囲のジョブの記載に関する標準仕様の、新たなフォーマットにより実現されていることが好ましい。
PPFは、プリプレス(本システムのMFP等の画像形成装置における印刷作業に入る前までの工程の総称。前工程とも呼ぶ。)→プレス(本システムのMFP等の画像形成装置における印刷工程)→ポストプレス(本システムのMFP等の画像形成装置による印刷作業後に実行される本システムのシート処理装置等での後処理としてのシート処理工程。後工程とも呼ぶ)という、本システムの複数のデバイスにおける印刷に関わる全ワークフローを統合し、その各工程間で処理や管理のデータをやりとりするためのフォーマットであり、PostScript(登録商標)をベースにしており、管理情報やインキの調整、断裁位置の指定などさまざまな情報を扱い、品質の安定化,ミスの低減,処理の高速化,生産設備の効率的運用を目的にしたポストスクリプトをベースにした標準フォーマットである。
一方、JDFは、PPFのコントロール性に加え、Adobe社が提案したPJTF(Portable Job Ticket Format)と呼ばれるプリプレスの作業情報やコントロール属性などが付加されたフォーマットであり、プリプレス,プレス,ポストプレスの情報統合性,プロダクションと工程管理マネージャとの連携,及び現存するシステムとの互換性を掲げている。
また、JDFでは、PJTFが得意とするJob Ticketと呼ばれる作業指示書の受け渡しを行うというアーキテクチャを踏襲しており、履歴や作業指示,管理情報等に対して、それぞれの工程で必要な処理を順次実行し、次工程に伝えていくという仕組みである。
さらに、JDFでは、Job Ticket(作業指示書)を構築する言語として、XML(eXtensible Markup Language:拡張可能なマーク付き言語)が利用されている。JDFでは、スキーマと呼ばれるXMLの要素や属性の配列を記述したテンプレートを定義しており、定義されたスキーマに従って、それぞれの工程でXMLデータの書き換えを行っている。この様子を示したのが、図23である。
図23は、各工程においてJDFデータの書き換えを行っている様子を示す図である。
図23に示すように、本システムは、受注・入稿マネージャ112に入稿されたジョブ2101に対して、工程管理マネージャ111内にあるJDFアプリケーション2102がJDFデータを作成するよう該受注・入稿マネージャ112が主体となって制御する。
更に、本システムは、上記受注・入稿マネージャ112により作成されたJDFデータに対して、例えば、工程管理マネージャ111,受注・入稿マネージャ112,原稿編集マネージャ113,プルーフマネージャ114,プリントマネージャ115,後処理マネージャ116,ファイル保管マネージャ117,納品・発送マネージャ118,あるいはスキャンマネージャ119にてデータの書き換え処理が可能に構成している。
図23の例では、プリントマネージャ115と後処理マネージャ116との間が図示されており、JDFデータのやりとりは、JDFパーサ2104(または2107)でデータ翻訳されて、それぞれのマネージャ内で、各マネージャの制御により、情報の追加,削除,修正ができるように構成している。
この情報のやり取りは、実際のプリント出力(本システムのMFP等の画像形成装置にて印刷出力がなされた記録紙である紙出力)をオフライン処理(ここでいうオフライン処理とは、例えば、本システムにて、作業者が、画像形成装置にて印刷した出力物をフィニッシャ等のシート処理装置に対して手作業で運んで、該シート処理装置にセットする処理等)したとしても、JDFパーサ経由でそれぞれのデバイスからそれぞれのジョブ処理状況がJDFデータに書き込まれて、バケツリレー式に伝達され、そのそれぞれのJDFデータを、工程管理マネージャ111にて逐次管理することで、それぞれのジョブの状況を一覧で見ることができるように構成する。
〔ウェブ受発注〕
図24〜図31を参照して、インターネット上のウェブページを利用した電子店舗の一例について示す。
図24〜図31は、図1に示した受注・入稿マネージャ112によるジョブ受注画面の一例を示す模式図である。
本形態では、ユーザによる該ユーザのコンピュータ(クライアントコンピュータ)における操作部のキー操作に応答して、インターネットを経由して、図24のようなサイトを該コンピュータの表示部にて見ることができるように表示制御する(図2のステップS201,S202)。
本実施形態は、図24の操作画面を介し、予め登録されたユーザによるキー操作により、「Registered」を選択し、ID番号(ここではE−mail Address)とパスワードを入力し、NEXTキー2209を指示することで、ウェブによる本システムに対する受発注が可能となりように制御しており、図24の画面での登録済みユーザの上記各設定が済み、NEXTキー2209が操作されたことに応答し、図26に示す画面を該クライアントコンピュータの表示部に表示させるよう制御する。尚、本形態の表示制御は、該クライアントコンピュータの制御部及び又は本システムの所定の装置の制御部により実行可能にする。
新規でこのウェブサイトを訪れたユーザに対しては、図24の操作画面において「New」を選択可能とする。図24の画面において、ユーザにより「NEW」が選択されNEXTキー2209が押下されたことに応答し、図25のような入力画面を該クライアントコンピュータの表示部に表示させるよう制御する。
次に、図25の操作画面を介して、ユーザによるキー操作により、必要事項(氏名,会社名,住所,電話番号,ファクシミリ番号,電子メールアドレス等)を記入して登録を行えるように制御する(図2のステップS203)。なお、2210はキャンセルキーで、このサイトを終了するときに指示する。ここでは、単に必要事項を記入する例を用いたが、セキュリティを高めるため、本人確認手続きや口座開設の手続きを踏むなど二重三重のチェックを行うようにしても良い。このような登録手続が済めば、登録済みユーザとして、上記の如く、図24の画面から図26の画面への表示遷移を可能とする。
次に、図26の操作画面では、本システムに発注すべき印刷対象となる電子データ(文書データや表データや写真データ等、ユーザの所望のデータ)をユーザによるキー操作により選択可能にする。
図26に示す画面のFires指定欄において、ユーザによるマウス操作により、プリントしたい電子データをドラッグ&ドロップ等で添付可能に構成する。更に、必要に応じて図26の画面上のComments欄にユーザからの要望事項をユーザによるキー操作を介して記入可能にする。以上の図26の画面における設定操作が完了し、図26の画面上のNEXTキー2209がユーザによりキー入力されたことに応答し、該コンピュータの表示部の表示内容を、図27の画面へと表示遷移させる(図2のステップS204)。
次に、図27に示す画面を介して、ジョブチケットと呼ばれるジョブ(本システムに発注すべき印刷対象のデータ)に対する設定情報(例えば、出力すべきジョブに関する、印刷部数の設定情報や、記録紙の用紙サイズの設定情報や、原稿データはカラーページのみで構成されるか、白黒ページのみで構成されるか、カラーページと白黒ページとが混載しているのかに関する特定情報や、両面印刷を実行させるか片面印刷を実行させるかの設定情報や、一枚のシートの同一面上に複数ページの画像をプリント可能にするN−UP機能を用いて、何ページ分の画像を1枚のシートの同一面上にレイアウトするかの設定情報等の各種の印刷出力条件情報を含む)を、ユーザによるキー操作により入力可能とする(図2のステップS205)。以上の図27の画面における設定操作が完了し、図27の画面上のNEXTキー2209がユーザによりキー入力されたことに応答し、該コンピュータの表示部の表示内容を、図28の画面へと表示遷移させる。
次に、図28の操作画面を介して、本システムが具備するシート処理装置により実行可能な複数種類のシート処理(ステイプル処理や、サドルステッチ処理や、パンチ処理や、スパイラルバインド処理や、断裁処理や、封筒に記録紙を収納させる封入処理等の各種のシート処理)の中から、上記印刷対象のデータに対して設定すべき、ユーザの所望のフィニッシング処理(シート処理とも称す)をユーザによるキー操作により選択可能にする(図2のステップS206)。以上の図28の画面における設定操作が完了し、図28の画面上のNEXTキー2209がユーザによりキー入力されたことに応答し、該コンピュータの表示部の表示内容を、図29の画面へと表示遷移させる。
次に、図29の操作画面を介して、プルーフプリントの有無2220の選択,プルーフを実行させる場合における必要なプルーフモード(校正表現方法)の選択(ウェブサイト上のサムネール2221,ftpサイト上のPDFファイル2222,PDFファイルの電子メール送信2223,PDFファイル入りのCD−ROMの郵送2224等の、本システムのデバイスにて処理対象となる上記ジョブの生成物の出来栄えをクライアントが確認する為の本システムにて提供実行可能な複数種類の校正方法の中からいずれか1又は複数選択)や、アーカイブ情報等の入力を、ユーザによるキー操作により実行可能にする(図2のステップS207)。以上の図29の画面における設定操作が完了し、図29の画面上のNEXTキー2209がユーザによりキー入力されたことに応答し、該コンピュータの表示部の表示内容を、図30の画面へと表示遷移させる。
次に、図30の操作画面を介して、上記本システムに発注するジョブの希望納期の情報(何年何月何日に印刷物を納品させるかに関する情報)等をユーザによるキー操作により入力可能にする(図2のステップS208)。以上の図30の画面における設定操作が完了し、図30の画面上のNEXTキー2209がユーザによりキー入力されたことに応答し、該コンピュータの表示部の表示内容を、図31の画面へと表示遷移させる。
次に、図31に示す操作画面を介して、クライアントに処理対象となるジョブの印刷物を生成するのに要する費用に関する概略コストを表示させ、ユーザはその料金に納得すれば、該画面上のキー2211をキー操作することで、本システムに対して仮発注指示をかけることができる。ここで、上記画面上に表示させる算出コストは、新規ユーザとお得意先、ジョブの大きさ(データサイズ)、印刷部数などのジョブチケットの内容、フィニッシング処理方法、プルーフの方法や個数、アーカイブやリプリント情報、あるいは、納期の長短などの各種の条件パラメータに応じて算出されるように制御する。ユーザは仮発注前に概算をおおよそのコストを上記の如く本実施形態が提供するユーザインタフェースを介して見ることができるため、コストによるトラブルを避けることができる。
そして、もしユーザがコスト的に気に入らなけれい場合対応すべく、各情報タブ(カスタマ情報タブ2201,ドキュメント情報タブ2202,ジョブ情報タブ2203,後処理情報タブ2204,プルーフ&アーカイブ情報タブ2205,デリバリ情報タブ2206)や戻るキー2208,次へキー2209等を用いて、コストが安くなるような印刷条件設定に該ユーザにより変更可能に制御し、再度概略コストを算出して、当該UIを介してユーザに再見積もりしたコストデータを再提示可能に構成する。
そして、上述の如く、クライアントによる全ての設定が完了し、且つ、該設定情報等に基づいて見積もり計算した料金を上記UIを介してクライアントに提示した上で、図31の画面上のOKキー2211が押下(指示)されたことに応答して、該クライアントコンピュータから出力された当該ジョブの仮発注処指示を、本システムの受注・入稿マネージャ112が受信し、該受注・入稿マネージャ112が受信した仮発注指示を含む該ジョブのデータに従って、該クライアントからのジョブデータに対する仮発注処理を実行させるよう本システムが具備する上記ジョブの仮発注処理を行うべき各デバイスを動作させる(図2のステップS209でYes)。なお、仮発注処理のため、後述するプルーフ時にもジョブチケットの設定変更を行うことも可能にする。
このように、受注・入稿マネージャ112で受け付けられたジョブのデータを、受注・入稿マネージャ112から工程管理マネージャ111に対して、例えば、101等のデータ通信媒体を介してデータ転送させ、それを受けて、工程管理マネージャ111により、そのジョブの管理を開始させるよう制御し、そのジョブに対してJDFデータを発行するよう制御する。
〔レイアウト確認〕
図1に示したプルーフマネージャ114は、受注・入稿マネージャ112が受け付けた上記クライアントコンピュータから仮発注処理対象のジョブのプルーフデータ(編集結果)を、本システムが具備するデバイスにより生成させるよう制御し、該生成結果に対応する、クライアントコンピュータにて表示可能な、プルーフ表示データを生成させる。そして、図32〜図36に示すように、原稿編集マネージャ113による編集結果(仮発注のジョブの確認の為の出来栄え結果)を表示した確認画面を、ウェブサーバ部441を介してユーザのコンピュータに表示提供可能にする(図6のステップS402〜S406)。
図32〜図36は、図1に示したプルーフマネージャ114の制御のもと、クライアントコンピュータの表示部に表示させる確認画面の一例を示す模式図である。
この確認画面は、ページ順とプリント順の切り替えボタン2301,ページ単位のプロパティ(属性設定)キー2302,ドキュメント単位のプロパティキー2303,ジョブ単位でのプロパティキー2304等の表示構成要素を具備する。
そして、該画面を介して、例えば、ページ単位、ドキュメント単位、ジョブ単位等の所望の単位で、記録紙の用紙サイズや、記録紙のメディアタイプを、該クライアントコンピュータのユーザによるキー操作により、切り替え設定可能にし、更に、N−up(縮小レイアウト)印刷機能における、1枚の記録紙の同一面上にレイアウトする画像の配置数を複数の候補(例えば、1個、2個、4個、8個、9個、16個等の複数の配置数の候補)の中から選択可能し、且つ、1枚の記録紙の同一面上にレイアウトする複数の画像の該記録紙の同一面上における配置順序を複数の候補(例えば、2ページ分の画像をレイアウトする2up印刷機能が指定された場合には2種類の配置順序の候補、又、4ページ分の画像をレイアウトする4up印刷が指定された場合には4種類の配置順序の候補)の中から選択可能にし、更に、フィニッシングの有無(シート処理の実行可否)の設定も可能とし、且つ、フィニッシングを実行する場合の該フィニッシングの種類を、複数の候補(ソート処理、ステイプル処理、パンチ処理、製本処理、中綴じ処理、折り処理、くるみ製本処理等の複数種類のシート処理)の中から選択可能にする。尚、この例では、ジョブ番号が「012345」というジョブのプルーフ画面である。
また、ユーザから入稿された原稿が複数個、しかも異なるタイプのアプリケーションやファイルであった場合(例えば、文書作成ソフトにて生成された文書データや、表計算ソフトで作成された表データとが混在する場合)でも対応可能にし、それらをドラッグ&ドロップしてドキュメント単位で確認画面上にサムネール表示することができる。
例えば、図32,図33はページ順で表示した例に対応し、印刷対象となる文書データに含まれる第1章(Document−001)のデータを記録する記録紙上でのレイアウトと、第14章のデータを記録する記録紙上でのレイアウト、2in1で配置される出力結果となるように構成されているが、それ以外は4in1で配置されるレイアウトとなり、章(ドキュメント)単位でレイアウトの配置数を変えている設定がなされた場合の例である。
また、図34はページ順とプリント順の切り替えボタン2301を切り替えてプリント順で表示した例に対応し、中綴じ(ブックレット)された場合(製本印刷)のプリント配置を見ることができる。次に、図35はタブ紙を利用してページ単位でメディアを切り替えた場合の例に対応し、同時にパンチ(穴あけ)処理の指示をした場合でも、サムネール上で穴の位置などが確認できる。また、図36はくるみ製本される場合の例に対応し、表紙が背表紙分大きな用紙が用いられている点が確認できる。
なお、図32〜図36に示した確認画面の表示ウィンドウは、ファイル構造を示すフォルダ画面とサムネール画面から成り立っているが、サムネール画面の1つのページをダブルクリックすると、ページ単位でのプレビュー画像でページ単位の拡大表示も可能である。
以上示した図32〜図36の確認画面、または図示しないPDFファイル(ウェブサーバ部441よりダウンロードしたPDFファイル)の表示画面において、ユーザは、プルーフを確認し、プルーフの確認がOKであるとユーザが判断する(図6のステップS407)。
そして、プルーフがOKである場合には、ユーザのキー操作に応答し、プルールがOKである(印刷工程への移行を指示する)旨を示す電子メールを(プルーフマネージャ114に割り当てられた所定のアドレス,担当者のアドレス等)該クライアントコンピュータから出力して該プルーフマネージャ114に送信するよう制御する(図6のステップS408)。
一方、プルーフの確認がOKでない(NG)と判断した場合には、ユーザは、プルールがNGである(印刷工程へは移行せず、再校正を指示する)旨とプルーフのNG箇所とコメントを入力した電子メールを該プルーフマネージャ114に送信する(図6のステップS407,S408)。
クライアントコンピュータから電子メールを受けたプルーフマネージャ114は、その電子メールの内容を解析し、プルーフの確認結果がOKであると判断した(印刷工程への移行を指示する)場合には、該ジョブのプルーフ工程を終了し、次工程である印刷(プリント)工程に進むよう後段のマネージャ(例えば、プリントマネージャ115)にタスクを受け渡す(図6のS427,S428でYes)。一方、プルーフの確認結果がNGである(印刷工程へは移行せず、再校正を指示する)場合には、画像形成システム側の作業者が修正内容を確認し、該作業者の操作指示により、ユーザからのNG箇所のコメントに従って、再度、原稿編集処理,ドキュメント処理や校正刷り(プルーフプリント)の処理をやり直すよう本システムの再校正処理に用いる各デバイスを制御する(図6のS427〜S429)。
以上のように、プルーフ手段として、図32〜図36に示したサムネール確認画面やPDFファイル(不図示)をユーザに提供することにより、実際の印刷を行うことなしに、オンラインにて、容易かつ確実に出力予測でき、入稿後のプルーフ時の各種変更も容易にし、従来ユーザの負担となっていた入稿時の入念なチェック負担を軽減して、顧客に対してより安価な出力提供を短期間に行うことができるシステムを提供可能にする。
〔第2実施形態〕
上記第1実施形態では、図6,図29に示したように、ユーザが指定(選択)可能な校正表現としてサムネールとPDFデータの作成を例にしていたが、カラープリントの場合には、実際のプリントを行った方が色味等が正確に分かり良い場合が多い(画面上では表示装置等の特性により実際の印刷と色味が多少異なることもある)。そこで、校正表現方法として実際にプリントマネージャ115とMFP104(または、105)等の画像形成装置を利用して印刷部数の1部数分だけ試し刷り(試し印刷)を行い、その出力を郵送やプルーフ出力を持参しての訪問,その他のオンライン以外の受け渡し手段で顧客に届けて、実際の出力サンプルを受け取った上で顧客が確認可能に構成してもよい。以下、その実施形態について説明する。
〔ジョブ発注画面(プルーフ)〔第2実施形態〕〕
図37は、本発明の第2実施形態におけるジョブ受注画面の一例を示す模式図であり、特にプルーフ情報の設定画面に対応し、図29と同一のものには同一の符号を付してある。
ユーザは、インターネットを経由して、図37に示す画面において、プルーフプリントの有無2220の選択,必要なプルーフモード(校正表現方法)(ウェブサイト上のサムネール2221,ftpサイト上のPDFファイル2222,PDFファイルの電子メール送信2223,PDFファイル入りのCD−ROMの郵送2224,印刷物の郵送2901,印刷物を持参しての訪問2902,その他2903(例えば、ビットマップデータ,プリントレディーデータのダウンロード)等の複数の校正表現手段からいずれか1又は複数選択)を指示することができ、ユーザが、印刷物(プルーフ出力)の郵送2901,印刷物(プルーフ出力)を持参しての訪問2902を選択した場合には、実際にプリントマネージャ115とMFP104(または、105)を利用して1部だけ試しずりが行われ、ユーザに届けられ、ユーザはこの実際の印刷物を見てプルーフ確認を行うことができる。なお、印刷物(プルーフ出力)の郵送や持参訪問等の履歴等も、工程管理マネージャ111にて管理される。
〔プルーフマネージャ〔第2実施形態〕〕
図38は、本発明の第2実施形態におけるプルーフマネージャ114とユーザ側のコンピュータとの通信及びプルーフマネージャ114によるプルーフ作成処理(本発明の第3の制御処理)を示すフローチャートであり、S401〜S409,S3001はユーザ側の作業ステップを示し、S421〜S425,S427〜S429,S3021〜S3026はプルーフマネージャ114側の制御処理ステップを示す。なお、図6と同一のステップには同一のステップ番号を付してあり、説明は省略する。
ステップS424で、PDFデータが求められていないと判断した場合又はステップS425の後、ステップS3021において、校正表現方法としてプルーフ出力が求められている(入稿時に図37の2901,2902が選択された)か否かを判断し、要求されていると判断した場合には、ステップS3022において、プリントマネージャ115によりプルーフ出力を行わせ(プリントドライバを用いた作業者による作業が必要な場合には作業させてプルーフ出力させ)、ステップS3023に進む。
ステップS3023では、プルーフ出力を郵送する必要がある(入稿時に図37の2901が選択された)か否かを判断し、郵送する必要があると判断した場合には、ステップS3024において、郵送させるように担当者に指示(電子メール等で指示)し、一方、郵送させる必要がないと判断した場合には、ステップS3026において、担当者に他の受け渡し等で渡すように指示(電子メール等で指示)する。
一方、ステップS3021で、プルーフ出力が要求されていないと判断した場合又はステップS3024,S3026の後、ステップS3025に進み、サムネール画像,PDFファイルをアップロードしたウェブサイトのURLの記載やPDFファイルの添付,プルール出力を郵送した旨の記載,プルーフ出力を郵送以外の受け渡し手段(例えば、訪問)にて渡す旨の記載等を行った電子メール(E−mail)をユーザに対して送信する。
一方、ステップS3001において、プルーフ出力を郵送や訪問等により受け取ったユーザは、ステップS407に進みプルーフの確認を行い、確認結果を電子メールにより返送する。
このように、ユーザからのオンラインによる要求により、実際のプルーフ出力を取得でき、カラープリントの色味等をより正確に確認することもできる。
〔第3実施形態〕
上記第1,第2実施形態では、ユーザがウェブ上で仮発注の受諾(または拒絶)の通知を受ける(図2のステップS210,S211)構成について説明したが、ウェブにより仮発注の受諾(または拒絶)の通知を受け渡しする構成では、確認履歴に欠けてしまうため、仮発注の受諾(または拒絶)の通知を電子メール(E−mail)により行うように構成してもよい。以下、その実施形態について説明する。
図39は、本発明の第3実施形態における受注・入稿マネージャ112とユーザ側のコンピュータとの通信及び受注・入稿マネージャ112による受注処理(本発明の第4の制御処理)を示すフローチャートであり、S201〜S209,S3101,S3102はユーザ側のウェブブラウザ(Web Browser)上での作業ステップを示し、S223〜S226,S3121,S3122は受注・入稿マネージャ112側での制御処理ステップを示す。なお、図2と同一のステップには同一のステップ番号を付してあり、説明は省略する。
ステップS225で、受注・入稿マネージャ112側で、ホットフォルダ222内のジョブを受け付け不可能であると判断した場合には、「ジョブ拒絶」のメッセージをユーザに対して電子メールにより自動通知する(3121)。
一方、ステップS225で、受注・入稿マネージャ112側で、ホットフォルダ222内のジョブを受け付け可能であると判断した場合には、ステップS226で、ジョブの受け付けを行い、該受け付けたジョブを工程管理マネージャ111に対して送信するとともに、「ジョブ受諾」のメッセージをユーザに対して電子メールにより自動通知する(S3122)。
一方、ユーザ側では、受注・入稿マネージャ112からの電子メールにより「ジョブ受諾」又は「ジョブ拒絶」のメッセージを受信し(S3101,S3102)、処理を終了する。これにより、ユーザは、自らが仮発注したジョブが受け付けられたか否かを容易に判断することができ、履歴として保存することも可能である。
以上のように、仮発注の受諾(または拒絶)の通知を電子メール(E−mail)により行うことにより、仮発注の受諾(または拒絶)の履歴を保存することができる。
なお、本実施形態では、仮発注ジョブの許諾/拒絶の確認を、電子メールにより行い、また上記第1実施形態では、ウェブブラウザ上で行う場合について説明したが、この仮発注ジョブの許諾/拒絶の確認は、ファクシミリや電話等による連絡により行う構成であってもよいことはいうまでもない。
〔第4実施形態〕
上記第3実施形態では、仮発注の受諾(または拒絶)の通知を電子メール(E−mail)により行い、仮発注の受諾(または拒絶)の通知の履歴を容易に保存可能にする構成について説明したが、ユーザからの仮発注そのものも電子メール(E−mail)により行うように構成してもよい。以下、その実施形態について説明する。
図40は、本発明の第4実施形態における受注・入稿マネージャ112とユーザ側のコンピュータとの通信及び受注・入稿マネージャ112による受注処理(本発明の第5の制御処理)を示すフローチャートであり、S3101〜S3112はユーザ側のウェブブラウザ(Web Browser)上での作業ステップを示し、S3121〜S3123は受注・入稿マネージャ112側での制御処理ステップを示す。なお、図2と同一のステップには同一のステップ番号を付してあり、説明は省略する。
ステップS3101において、ユーザはウェブブラウザを起動し、該ウェブブラウザ上でURL(Uniform Resource Locator)アドレスを入力して、受注・入稿マネージャ112がもつウェブサーバ(Web Server)部221にアクセスを行う。
このウェブサーバ部221は、ユーザがウェブブラウザを介してURLアドレスを入力すると、ウェブブラウザにサービス画面を提供する。なお、ウェブサーバ部221には、このサービス画面及び図25〜図30と同様のフォーマットの受注フォーマットファイル等が予めアップロードされているものとする。
そして、ユーザ側では、ウェブブラウザがウェブサーバ部221より提供された図示しない画面を開き、受注フォーマットファイルをダウンロードする(S3102)。
ユーザは、この受注フォーマットファイル上で、図25〜図30と同様のカスタマ情報,ドキュメント情報(画像データのファイル名(複数選択可能)),ジョブ情報(ジョブチケット等),後処理情報(フィニッシング処理等),プルーフ及びアーカイブ情報,デリバリ情報等の各種印刷指示を入力する(S3103〜S3108)。
そして、受注フォーマットファイルの入力が終了し、ユーザが仮発注を行う場合(S3109でYes)には、受注フォーマットファイル及びユーザが選択したファイル(画像データ)を、ユーザ側から受注・入稿マネージャ112に対して電子メール(E−Mail)により送信する(S3112)。これにより、ユーザは、自らが仮発注したジョブの内容及び発注したことを示す履歴をも容易に保存することができる。なお、電子メール送信する代わりに、受注フォーマットファイル及びユーザが選択したファイル(画像データ)を、所定のftpサイトにアップロードするように構成してもよい。
また、受注・入稿マネージャ112側では、ユーザからの電子メールを受信すると、該電子メールに添付された受注フォーマットファイル及びユーザが選択したファイル(画像データ)を含むジョブをホットフォルダ内に格納する(3123)。
また、受注・入稿マネージャ112側では、常にホットフォルダ内のジョブの有無をポーリングにて監視しており(S223,S224)、ジョブがあると判断した場合には、そのジョブを受け付けられるかを確認し(S225)、受け付け不可能であると判断した場合には、「ジョブ拒絶」のメッセージをユーザに対して電子メールにより自動通知する(S3121)。
一方、受注・入稿マネージャ112側で、ホットフォルダ内のフォーマットファイルに基づくジョブを受け付け可能であると判断した場合には、ステップS226で、ジョブの受け付けを行い、該受け付けたジョブを工程管理マネージャ111に対して送信するとともに、「ジョブ受諾」のメッセージをユーザに対して電子メールにより自動通知する(S3122)。
一方、ユーザ側では、受注・入稿マネージャ112からの電子メールにより「ジョブ受諾」又は「ジョブ拒絶」のメッセージを受信し(S3110,S3111)、処理を終了する。これにより、ユーザは、自らが仮発注したジョブが受け付けられたか否かの履歴のみならず、自らが仮発注したジョブの内容及び発注したことを示す履歴をも容易に保存することができる。
以上のように、仮発注の受諾/拒絶の履歴だけでなく、仮発注そのものも電子メール(E−mail)により行うことにより、仮発注の受諾/拒絶の履歴だけでなく、仮発注の履歴をも保存することができる。
〔第5実施形態〕
上記第2実施形態では、画像形成システム側のプリンタによりプルーフ出力を行い、郵送,手渡し等でユーザに確認してもらう場合について説明したが、顧客側にもプルーフプリンタがある場合、そのプルーフプリンタを利用してプルーフ出力可能なように構成してもよい。以下、その実施形態について説明する。
図41は、本発明の第5実施形態におけるプルーフマネージャ114とユーザ側のコンピュータとの通信及びプルーフマネージャ114によるプルーフ作成処理(本発明の第6の制御処理)を示すフローチャートであり、S3201〜S3210はユーザ側の作業ステップを示し、S3221〜S3232はプルーフマネージャ114側の制御処理ステップを示す。
まず、工程管理マネージャ111によりプルーフ工程に管理されるジョブに関して、ステップS3221において、ユーザがプルーフを要求した(図29,図37に示した画面にて設定した)か否かを判断し、プルーフが要求されていないと判断した場合には、そのまま処理を修了する。
一方、ステップS3221で、プルーフが要求されていると判断した場合には、ステップS3222以降に進み、要求されたプルーフ方法によってユーザ側にサービスを提供する。
即ち、ステップS3222で、サムネールのウェブ表示が求められているか否かを判断し、要求されていると判断した場合には、ステップS3223において、原稿編集マネージャ113よりサムネール画面を作成させ、該作成されたサムネール画像をウェブサーバ部441にアップロードし、許可されたユーザのみ表示可能に設定する。これにより、ユーザは出来上がりイメージをウェブ上で確認することができる(図32〜図36に示した確認画面により確認可能)。
一方、ステップS3222で、サムネールのウェブ表示が求められていないと判断した場合又はステップS3223の後、ステップS3224に進み、PDFファイルが要求されているか否かを判断し、PDFファイルが要求されていると判断した場合には、ステップS3225において、Adobe社のAcrobat Distillerなどを利用して、PDFファイルを作成し、ユーザの要求した方法でユーザに提示する(例えば、ウェブ上での閲覧や、ftpサイトにアップロード、あるいはファイルサイズが小さければユーザへのE−mailに添付するように設定することも可能である)。
一方、ステップS3224で、PDFファイルが要求されていないと判断した場合又はステップS3225の後、ステップS3226に進み、プルーフ出力(ビットマップ)が求められているか否かを判断し、要求されていると判断した場合には、ステップS3227において、プリントマネージャ115のRIP部を利用してビットマップデータ又はプリントレディーデータを作成し(S3228)、所定のftpサイトにアップロードする。
一方、ステップS3226で、プルーフ出力が要求されていないと判断した場合又はステップS3228の後、ステップS3229に進み、サムネール画像,PDFファイル,プルーフ出力のビットマップデータをアップロードしたウェブサイトのURLの記載やPDFファイルの添付等を行った電子メール(E−mail)をユーザに対して送信する。
一方、ステップS3201において、この電子メール(ユーザの所望するプルーフ確認のための情報がアップロードされた通知の電子メール)を受信したユーザは、ステップS3202において、ウェブブラウザを起動し、URLを入力するとともに、ウェブサーバ441より提供される画面にユーザIDとパスワードを入力して、ウェブサーバ441にアクセスする。
ここで、ユーザがサムネール表示を要求していた場合には、ステップS3203において、ウェブサーバ441よりサムネール画面を取得し、該サムネール画面(図32〜図36)を表示閲覧し、ステップS3207において、該サムネイル画像をプルーフプリントする。
また、ユーザがPdfファイルを要求していた場合には、ステップS3204において、ウェブサーバ441よりPdfファイルをダウンロードし、ステップS3205において、RIP処理し、ステップS3207において、プルーフプリントする。
また、ユーザがビットマップファイルを要求していた場合には、ステップS3206において、ウェブサーバ441よりビットマップファイル又はプリントレディーファイルのをダウンロードし、ステップS3207において、プルーフプリントする。
次に、ステップS3208において、ユーザは、プルーフを確認し、プルーフの確認がOKであるとユーザが判断した場合には、そのままステップS3210に進む。
一方、ステップS3208で、プルーフの確認がOKでない(NG)と判断した場合には、ステップS3209において、ユーザは、プルーフのNG箇所とコメントを入力し、ステップS3210に進む。
次に、ステップS3210において、プルーフの確認結果を示す電子メールを作成し、プルーフマネージャ114に対して送信する。なお、プルーフがNGの場合には、ユーザは、ステップS3209で入力したプルーフのNG箇所とコメントのデータを電子メールに添付するか、電子メールの本文に記載するものとする。また、プルーフのOK/NGを示す情報は、電子メールの本文に記載するように構成してもよいし、電子メールの題名にOK/NGを示す文字列を記載するように構成してもよい。
一方、プルーフマネージャ114は、この電子メールを受信すると(S3230)、ステップS3231において、プルーフの確認結果がOKであるか否かを判断し、プルーフの確認結果がOKであると判断した場合には、処理を終了し、印刷(プリント)工程に進むように、図23に示したJDFデータを書き換える。なお、ステップS3231の判断は、受信した電子メールの題名等からプログラムにより判断させるように構成してもよいし、電子メールを受信したことを担当者に通知し、該受信電子メールの内容から担当者に判断させるように構成してもよい。
一方、ステップS3231で、プルーフの確認結果がOKでない(NG)と判断した場合には、ステップS3232に進み、画像形成システム側の作業者が、ユーザからのNG箇所のコメントに従って、再度、原稿編集処理,ドキュメント処理や校正刷り(プルーフプリント)の処理をやり直し、ステップS3221に戻る。
なお、ユーザからのプルーフの確認結果をステップS3209で電子メールによって行っているが、電話やFAX等で、画像形成システム側の担当者に連絡するようにし、この連絡を受けた担当者がプルーフのOK/NGを判断するように構成してもよい。
また、本実施形態のようにリモートプルーフの場合には、図13,図14等で述べたICCプロファイルやガンマテーブル等の画像パラメータのやり取りも、ウェブサーバ(またはftpサーバ)441経由でアクセス可能にする。
以上説明したように、1つまたは複数のプルーフ手段(サムネール画像のウェブ表示,PDFファイルのダウンロード,プルーフ出力(ハードコピー)の郵送,手渡し,プルーフ出力(ビットマップデータ)のダウンロード等)をユーザに提供することにより、ユーザに対してよりリーズナブルなコストでサービスを提供することが可能となる。
また、ユーザ側にとっても複数のプルーフ手段から所望のプルーフ手段を選択して、確実な出力予測が可能となり、サービス提供側にとっても1つずつ段階を追って作業が進められるので、より短納期で出力することができる。
従って、顧客は、デザインやレイアウトの確認作業を重視する部分と、色味や色調整の確認作業を重視する部分を分けて考え、どこまでのレベルを求めるか顧客自身で選択することができ、またそのジョブがカラー出力か白黒出力かなど顧客が注文するジョブの種類に応じて分類し、それにあった確認作業(プルーフモード,校正表現)を選択していくことができる。
また、昨今、ウェブブラウザやインターネット上のウェブページを利用した電子店舗等の受発注システムを利用して、その中でユーザが気軽に、そして無意識にカンプやプルーフの方法(校正表現方法)を選択させ、またその選択された方法や個数に応じてコストを変えることで、顧客のニーズにあった注文とコストでサービスを提供することができる。
〔第6実施形態〕
以下、工程管理マネージャ111により管理される工程の参照について説明する。なお、特にプリントジョブについて説明する。
工程管理マネージャ111は、本システムが具備する各マネージャ及び各デバイスを統括的に制御可能とし、且つ、受注・入稿マネージャ112により受け付けた全てのジョブを管理可能に制御する。本システムにて取扱可能にする各ジョブは、受注・入稿マネージャ112の主体制御によるジョブの受注処理工程から納品・発送マネージャ118の主体制御による納品処理工程までに、複数のデバイスにまたがり複数の処理工程を経る(但し、クライアントからの要求次第では、1台のデバイスにて全ての処理が完了する場合もあるので、本システムにて、このような要求・処理内容にも対応可能とする)。
そして、このように複数の処理工程を適正な順番で順次実行していくことで、1つの成果物として印刷物が完成し、1つのジョブの作業が完了するようなシステム形態となっている。例えば、あるクライアントが、該クライアントのデータを、企画書として、100部作成し、それら複数の企画書を全てステイプル処理したいと考えていたとする。
そして、該クライアントにより、該クライアントの要望に即した設定が、例えば、上述のクライアントコンピュータ上に表示させる図24〜図31の操作画面を含む各種のUI画面を介して実行され、本システムに対して印刷依頼が該クライアントコンピュータを介して発注され、受注・マネージャ112が該依頼を受信して、それにより受注が確定したとする。又、該クライアントからは、オリジナルとしての電子データを受け取ったとする。
このような条件の場合に、このジョブ(以下、ジョブ1と称す)を完了するために本システムにて行うべき作業としては、例えば、受注・入稿マネージャ112による該ジョブ1の受注処理工程を実行させ、次に、原稿編集マネージャ113を介して該ジョブ1の編集処理を実行させ、次に、該編集処理後のジョブ1のプルーフ処理工程をプルーフマネージャ114を介して実行させ、その後、プリントマネージャ115及びMFP等の画像形成装置(104〜105)により上記プルーフ後の該ジョブ1の印刷処理工程(100部印刷する処理を含む)を実行させ、その後、該ジョブ1の印刷済み記録紙に対するシート処理装置121〜126の何れかによるシート処理工程(100部数分ステイプル処理する処理を含む)を実行させ、その後、納品マネージャ118の主体制御による納品処理工程(100部ステイプルした企画書を該クライアントに納品する処理を含む)を実行させる。
このように、本システムが具備する複数のデバイス(各マネージャ及び画像形成装置及びシート処理装置をデバイスと称す)を介して(協働して)、上記のような複数の処理工程を、上記のような手順を経て、実行させることで、ジョブ1の作業を完了させる。又、例えば、ある別のクライアントが、自身の所属する会社で製造されいてる製品のカタログパンフレットを、出力部数を80部でカラー印刷し、且つ、それら全てを中綴じ製本したいと考えていたとする。そして、これに則した依頼を、該クライアントから受注・マネージャ112が受け付け、それにより受注が確定したとする。又、該クライアントからは、オリジナルとしての紙原稿が本システムの作業者に手渡されたとする。
このような条件の場合に、このジョブ(以下、ジョブ2と称す)を完了するために本システムにて行うべき作業としては、例えば、受注・入稿マネージャ112による該ジョブ2の受注処理工程を実行させ、その後、スキャナ106及びスキャンマネージャ119による該ジョブ2の原稿入力処理工程を実行させ、次に、原稿編集マネージャ113を介して該ジョブ2の編集処理を実行させ、その後、該編集処理後のジョブ2のプルーフ処理工程をプルーフマネージャ114を介して実行させ、それから、プリントマネージャ115及びMFP104等のフルカラー印刷が可能なカラー画像形成装置により上記プルーフ後の該ジョブ2の印刷処理工程(80部、カラーで印刷処理する工程を含む)を実行させ、その後、該ジョブ2のカラー印刷済み記録紙に対するシート処理装置121〜126の何れかによるシート処理工程(カラー印刷された記録紙の中綴じ製本処理を、80部数分実行する処理を含む)を実行させ、その後、納品マネージャ118の主体制御による納品処理工程(80部数分、中綴じ製本されたカラー印刷物を該クライアントに納品する処理を含む)を実行させる。
このように、本システムが具備する複数のデバイス(各マネージャ及び画像形成装置及びシート処理装置をデバイスと称す)を介して(協働して)、上記のような複数の処理工程を、上記のような手順を経て、実行させることで、ジョブ2の作業を完了させる。
このようなシステム構成、前提のもと、本システムの上記工程管理マネージャ111は、ジョブの受注処理工程からそのジョブの納品処理工程を実行するまでの期間に含まれる、本システムにおける処理対象となるジョブの一連の作業期間(本形態では、このように、1つのジョブ(1つの受注内容に対応するジョブ)を完遂するうえ必要な、1台のデバイス或いは複数台のデバイスを介して実行される複数の処理工程を有する一連の作業工程を、ワークフローと称す)における、該ジョブに対して実行すべき全ての処理工程を管理可能に制御する。尚且つ、工程管理マネージャ111は、処理対象のジョブに対して該ジョブを完成させるまでに実行すべき全ての処理工程を、本システムが具備する1台のデバイスにて全て実行する場合でも、本システムが具備する複数のデバイスの各々にて夫々個別の処理を実行して協働することで実行する場合でも、受注・入稿マネージャ112が受け付けた複数のジョブの各ジョブ毎に(ジョブ単位で)区別して、管理可能に制御する。尚且つ、本実施形態のシステムは、必ずしも、本システムにて実行される全ての処理工程を、オペレータによる介入作業無しに、全て自動的に動作可能に構成していない。換言すると、本システムは、本システムで受付可能な複数個のジョブの各ジョブ毎に発生する、処理対象となる1つのジョブを完遂するうえで要求される、1台のデバイス或いは複数台のデバイスを介して実行される複数の処理工程を含んだ一連の作業工程(ワークフロー)において、オペレータ(本システムの作業者)による介入作業を要求する場合がある。
例えば、上述のジョブ1を例に挙げ、該ジョブ1のワークフローにおいて、MFP等のの画像形成装置による印刷処理工程が完了した書類(企画書)に対して本システムのシート処理装置によるシート処理工程にてステイプル処理を実行する場合に、本システムにて該ジョブ1の印刷処理を実行する画像形成装置(例えば、図1のMFP104〜105のいずれか)と、上記ジョブ1の記録紙に対してステイプル処理を実行するシート処理装置(例えば、図1の丁合機126)とが、互いに別筐体で且つ独立して設置されており、電気的にも物理的にも非接続だったとする(尚、本形態は、勿論、該画像形成装置がオプション装置としてシート処理装置を具備する構成でも良いが、ここでは説明上、非接続とする。但し、画像形成装置はプリントマネージャ115に少なくとも電気的には接続させ、シート処理装置は後処理マネージャ116に少なくとも電気的には接続させて、それぞれ、各マネージャに対してデータ通信可能に構成されるのが好ましい)。このようなケースの場合、本システムのオペレータ(作業者)は、該画像形成装置にて印刷されたジョブ1の印刷物を、該画像形成装置の排紙部から取り出し、該取り出したジョブ1の印刷物を持ち運び、該シート処理装置の処理トレイにセットする作業が発生する。
このように、ジョブ1を完遂するうえで必要なジョブ1のワークフローにおいて、画像形成装置からの印刷物の取出・搬送作業並びにシート処理装置に対する該印刷物のセット作業が、オペレータによる介入作業として少なくとも要求される。又、例えば、上述のジョブ2を例に挙げれば、例えば、ジョブ2のワークフローにおいては、ジョブ2の紙原稿をスキャナ106にセットする作業が、本システムのオペレータによる介入作業として少なくとも要求される。又、ジョブ2のカラー印刷を実行する画像形成装置(例えば、図1のカラーMFP104)と、ジョブ2のカラー印刷された記録紙に対して中綴じ製本処理を実行するシート処理装置(縦おば、図1の中綴じ製本機122)とが、互いに別筐体で夫々独立して設置されている場合には、上記ジョブ1と同様に、画像形成装置からの印刷物の取出・搬送作業並びにシート処理装置に対する該印刷物のセット作業が、オペレータによる介入作業として少なくとも要求される。
以上、ジョブ1のワークフローにおいても、ジョブ2のワークフローにおいても、本システムの作業者による介入作業が要求される。
又、本システムにおける受注ジョブを完遂するうえで必要なワークフローにおいて、上記のようなオペレータによる介入作業の他にも、例えば、受注・入稿マネージャ112と協働して行われるオペレータによるジョブの受注確認作業や、原稿編集マネージャ113と協働して行われるジョブに対する処理条件パラメータの設定作業並びにジョブ編集作業やプリンタの環境設定作業や、納品マネージャ118と連携して行われる納品発送作業等の、オペレータによる複数種類の介入作業が存在する。
本実施形態は、このようなシステム構成を前提として、本システムにおけるジョブのワークフローにおけるオペレータ(作業者)の複数種類の介入作業に関しても、上記工程管理マネージャ111により管理可能にする。なお且つ、このような、受注ジョブを完遂するうえで要求されるワークフローにおけるオペレータによる介入作業においてオペレータがとるべき行動をオペレータに通知把握する為の、オペレータに対する適正な作業指示情報を、例えば、該指示情報を確認するオペレータ自身がオペレータ毎に且つジョブ毎に識別区別できる最適な提示形式で、コンピュータの表示部や画像形成装置の表示部やシート処理装置の表示部等の本システムが具備する何れかのデバイスが具備するユーザインタフェースユニットを介して報知提示可能に上記工程管理マネージャ111によりUI制御を実行している。
〔プリントジョブ〕
図42〜図45は、図1に示したプリントマネージャ114が、データ通信ユニットを介してMFP等の画像形成装置を主とした各デバイスから取得する、各画像形成装置のステータス情報やジョブ処理状況情報などを主とした各種情報に基づいて、本システムのデバイス(コンピュータや画像形成装置やシート処理装置等のデバイス)が具備する表示部等のユーザインタフェースに提示(表示)させる、プリント工程の管理画面の一例である。尚、図42〜図45の各操作画面は、プリントマネージャ114の機能を具備したコンピュータの表示部でも表示可能にしているが、例えば、工程管理マネージャ111等、他のマネージャが該プリントマネージャ114のコンピュータとは別筐体のコンピュータに内蔵されるようなシステム構成であるならば、他のマネージャのコンピュータが具備する表示部に表示可能に制御する。勿論、ジョブを発注したクライアントのコンピュータの表示部にも表示可能に構成し、且つ、画像形成装置やシート処理装置のデバイスの表示部にも該画面を表示可能に構成しても良い。いずれにしても、ジョブを発注するクライアント及び/又はジョブを受注する本システムのオペレータにとって、最適なユーザインタフェースを本システムにより提供可能な構成であれば如何なる形態であってもよい。
図42は、本システムで実行されるワークフロー(本システムにて処理すべきジョブに関わる、スケジューリング工程、受注工程、編集工程、プルーフ工程、プリント工程、フィニッシング(シート処理)工程、保管工程、納品工程、スキャン工程等の複数種類の処理工程を含む)におけるプリント工程におけるジョブステイタス画面であり、図43は該プリント工程におけるデバイスステイタス画面であり、図44,図45は該プリント工程におけるジョブサブミット画面である。
なお、オペレータによるキー操作により、クライアント103上のウェブブラウザのURLアドレス部に工程管理マネージャ111側のウェブサーバのIPアドレス(ここでは例えば、192.168.100.11とする。DNS(Domain Name Systemの略。インターネットなどのTCP/IPネットワーク上で、ホスト名からIPアドレス割り出すサービスを提供するシステム)がサポートされている環境ならばサーバ名称でも構わない)が入力されたことに応答し、当該図42〜図45等のサービス画面をクライアントコンピュータに読み込ませ、該クライアントコンピュータの表示部に上記画面を表示させるように予め設定可能にしている。
このサービスツール(サービス画面)は、各マネージャ間のスケジューリングをユーザによるキー操作を介して実行可能にするうえで好適な操作画面を表示部に表示させる指示を入力する為のスケジューリングタブ2401,受注・入稿マネージャによる受注状況をユーザにより確認可能にする為の操作画面を表示部に表示させる指示を入力する為のオーダリングタブ2402,原稿編集をユーザによるキー操作を介して実行可能にするうえで好適な操作画面を表示部に表示させる指示を入力する為のエディティングタブ2403,プルーフマネージャ114による顧客のプルーフの承認状況を管理可能にする為の操作画面を表示部に表示させる指示を入力する為のプルーフィングタブ2404,プリントジョブの管理やプリントジョブの投入を実行可能にするうえで利用させるべき操作画面を表示部に表示させる指示を入力する為のプリンティングタブ2405,後処理マネージャ116により後処理工程(シート処理工程)の管理を実行可能にするうえで好適な操作画面を表示部に表示させる指示を入力する為のフィニッシングタブ2406,ファイル保管マネージャ117によるジョブのアーカイブ状況(ジョブの保管状況)の管理を実行可能にするうえで好適な操作画面を表示部に表示させる指示を入力する為のアーカイビングタブ2407,納品発送マネージャ118による納品伝票や配達状況の管理を実行可能にするうえで好適な操作画面を表示部に表示させる指示を入力する為のデリバリィタブ2408,そしてスキャンマネージャ119によるスキャンジョブの管理を実行可能にするうえで好適な操作画面を表示部に表示させる指示を入力する為のスキャンタブ2409等を具備するような表示構成としている。
このような表示構成のもと、例えば、プリンティングタブ2405がユーザのキー操作により選択されたことに応答し、該画面を表示しているコンピュータからプリントマネージャ115側のウェブサーバ(工程管理マネージャ111側のウェブサーバと同一であってもよい)にアクセスして、図42に示すプリント工程におけるジョブステイタス画面を表示するためのデータを該コンピュータに読み込んで、該画面を該コンピュータの表示部に表示させるように制御する。
図42〜図44に示すプリント工程管理画面(プリンティングタブ2405が選択された場合に表示部に表示させるサービス画面)は、ジョブ管理を行うのに適した操作画面を表示部に表示させる指示を入力する為のジョブステイタスキー2411,プリントデバイスMFP104や105の管理を行うのに適した操作画面を表示部に表示させる指示を入力する為のデバイスステイタスキー2412,プリントジョブの投入を司るのに適した操作画面を表示部に表示させる指示を入力する為のジョブサブミットキー2413,そしてプリンタやクラスタプリンタの登録など各種設定を行うのに適した操作画面を表示部に表示させる指示を入力する為のコンフィギュレーションキー2414等の表示構成要素を具備するよう構成している。
図42の操作画面はジョブステイタスキー2411が選択された場合に該コンピュータに表示させる操作画面に対応し、図43の操作画面はデバイスステイタスキー2412が選択された場合に該コンピュータに表示させる操作画面に対応し、図44,図45の各操作画面はジョブサブミットキー2413が選択された場合に、該コンピュータに表示させる操作画面に対応する。
本実施形態の表示制御一例のとして、まず図42に示すジョブステイタス画面が具備するデバイス表示部2421に、ネットワーク上のMFP等のデバイス名称2421−1、デバイスアイコン(ステイタスに応じてアイコンが変化する)2421−2、さらに、それらのデバイスのステイタスを示す文字情報(Ready,PaperJam,Printing等)2421−3を、ユーザが識別可能に表示させるよう制御している。
又、図42に示すジョブステイタス画面が具備するジョブステイタス表示部2422には、サーバ内部に記憶保持可能な本システムにて処理対象となる受注ジョブとしての各ジョブの状態情報(処理状況情報)をユーザがモニタリング可能に表示させるよう制御している。
例えば、本システムの画像形成装置にて受信処理中のジョブの情報としては、Spooling(RIP前のデータを受信中)と表示し、本システムの画像形成装置にて展開処理中のジョブの情報としては、Ripping(RIP中)と表示し、本システムの画像形成装置にて印刷待ち状態のジョブの情報としては、Wait to Print (Print待機中)と表示し、本システムの画像形成装置にて印刷中のジョブの情報としては、Printing(Print中)と表示させるよう制御する。また、予めジョブ投入時にサーバ内部で待機を指示されているジョブに関しては、RIPされる前の状態でHoldと表示させる。エラーやジャムが生じたジョブに関しては、その旨がユーザに分かるように表示させる。印刷が完了したジョブに関しては、次のジョブ履歴として、フィニッシュドジョブとして表示させる。このような情報を表示させるうえで必要な情報である、各ネットワークデバイス(MFP等の画像形成装置を含む)から取得する各デバイスのステイタス情報は、所定期間毎に、或いは所望のタイミングで、サーバが各デバイスにステータスを問い合わせる情報(ステータスリクエスト情報)を送信することで各デバイスから返答結果として取得する。或いは、該サーバが問い合わせずとも、各ネットワークデバイスが自身のステイタスに変化があったときに積極的にステータス情報をサーバに通知する方法で上記ステータス情報を本システムのマネージャが獲得可能にする。いずれにしても、本システムの各マネージャの制御もと、ユーザに対して適正なステータス情報をユーザが望むタイミングで提供可能な構成であれば良い。
また、図42の操作画面は、本システムにて処理済みのジョブに関する履歴情報を表示させるジョブ履歴表示部2423を具備するよう構成されている。ジョブ履歴表示部2423を介してユーザによりジョブの履歴を確認可能に構成する。例えば、印刷動作が正常終了したジョブ(ユーザの指示どおりの印刷動作で適正に処理したジョブ)の履歴情報を表示させる場合にはPrintedと表示させ、途中キャンセルしたジョブの履歴情報を表示させる場合にはCanceledと表示させるよう制御する。
さらに、当画面には、詳細キー2424を備え、ジョブステイタス表示部2422,ジョブ履歴表示部2423において、ユーザのキー操作(クリック。図示しないポインティングデバイス等で指示)により詳細キー2424が押下されることに応答し、本システムにて処理済み前のジョブ(印刷待ちのジョブや印刷中のジョブ)及び処理済み後のジョブ(プリント済みのジョブやキャンセル済みのジョブ)を含む本システムにて受け付けたジョブのうちの、上記キー2424により選択されたジョブの詳細状況をユーザに表示可能に制御する。
詳細情報としては、例えば、ジョブ名,ターゲットプリンタ,ジョブステイタス,ジョブプライオリティ,ジョブID,クライアント名の他,ジョブのページ数,部数,紙サイズ,出力予測時刻,あるいはクライアントからのオペレータへの要望事項などを記述しておくコメント等を表示させる。尚、上記出力予測時刻(予測時刻)は、現在のジョブのスプール順、RIP予測時間、あるいは、プリンタのスピードなどに基づいて本マネージャにより計算する。
さらに、ジョブステイタス表示部2422において、2425−1〜2425−3はコントロールキーで、これらのジョブ一つずつに対して、ある特権を与えられたの者(たとえば、管理者)のみが制御可能にする為のキーである。左から順に、ジョブのキャンセル2425−1,ジョブの一時停止(ジョブのポーズまたは、ホールド)2425−2,ジョブの再開(ポーズジョブまたは、ホールドジョブのリリース)2425−3等を、ジョブを実際に処理する関係デバイス(例えば、MPF等の画像形成装置)に実行させるよう本マネージャ(ここでは、プリントマネージャ115)に対して指示するために機能する。
また、ジョブ履歴表示2423において、2761はコントロールキーで、ジョブ履歴表示2424内のジョブに対して制御可能にする為のキーである。左から順に、ジョブのアーカイブ(ジョブをネットワーク上の別の場所に保管しておく機能)2761−1,ジョブの削除(ジョブのデリート)2761−2,ジョブの再プリント(リプリントジョブ)2761−3等を、ジョブを実際に処理する関係デバイス(例えば、MPF等の画像形成装置)に実行させるよう本マネージャ(ここでは、プリントマネージャ115)に対して指示するために機能する。これらの指示に基づいて、オペレータはサーバを扱うことができる。
尚、本システムでは、MFP104,105及び図示しないプリンタを含む本システムの各画像形成装置内部のネットワークインタフェース部分に、MIB(Management Information Base)と呼ばれる標準化されたデータベースを構築しており、SNMP(Simple Network Management Protocol)というネットワーク管理プロトコルを介してネットワーク上のコンピュータと通信可能にし、MFP104,105をはじめとして、本システムのネットワーク上に接続されたデバイスの状態を獲得可能とし、各画像形成装置とコンピュータ103とで必要な情報の交換を可能にしている。例えば、MFP104,105の装備情報としてどんな機能を有するフィニッシャが接続されているかを検知したり、ステイタス情報として現在エラーやジャムが起きていないか、プリント中かアイドル中かなど検知したりできるように構成し、それをコンピュータ上で表示可能に構成している。
このように、MFP104,105を含む本システムが具備する画像形成装置の装備情報、装置の状態、ネットワークの設定、ジョブの経緯、使用状況の管理、制御などあらゆる静的情報を入手可能に構成する。以上、プリントマネージャは、このMIBを利用して、MFP等のステイタスを随時取り込み、それをHTMLファイルとして更新することで、クライアントにより常にその状態を閲覧することができるに制御している。
又、図42の操作画面等に具備するデバイスステイタスキー2412がユーザによりクリック(図示しないポインティングデバイス等で指示)されたことに応答し、制御部(例えばプリントマネージャ)は、図43に示すデバイスステイタス画面を表示部に表示させる。図43の操作画面に具備するデバイスステイタス表示部2432を介して、デバイス内の装備された紙サイズやその補充状況(各用紙スタッカもしくはカセットの用紙残量)をユーザにより確認可能にし、各デバイスに装備されたフィニッシャなどのアクセサリ状況を予め確認可能にデバイスステータス情報を該表示部2432に表示させる。記録紙の用紙残量については、本システムの画像形成装置が内部に具備する、給紙カセットにおける記録紙の用紙残量を検知可能なセンサ(不図示)により検出させる。
尚、記録紙1枚の精度で検出せずとも、例えば最小単位は10枚程度で検知可能に構成しても良い。ただし、少なくとも、給紙カセット内に記録紙が存在する(用紙有り)こと、及び、給紙カセット内に記録紙が存在しないこと(用紙無し)を、画像形成装置が具備する複数の給紙カセットの各給紙カセット毎に識別可能に構成する。2433は詳細キーで、このキーをユーザによりクリック(図示しないポインティングデバイス等で指示)されることに応答し、デバイスの詳細状況(例えば、カラー/モノクロ,解像度,印刷速度等)を表示部に表示させる。
また、操作画面上のジョブサブミットキー2413がユーザによりクリック(図示しないポインティングデバイス等で指示)されたことに応答し、プリントマネージャ115は、図44に示すジョブサブミット画面を表示部に表示させる。
ジョブサブミット画面の利用方法は前述のプリントドライバと同様だが、これはクライアント103上のファイルをアプリケーションで開かずに(アプリケーション上で印刷指示しないで)、直接プリントマネージャ115に印刷対象のジョブを投入(印刷対象の文書ファイルに以下の付加情報を付随させて転送又はコピーする)可能にする為に機能する。
通常、プリントドライバは、2つの役割を持っており、その一つは、クライアント103上のアプリケーションでデータを立ち上げて、そのデータをPostScript(登録商標)(或いはPCL)などのPDLデータに変換する役割と、もう一つは、プリントマネージャ115(あるいは、プリンタ)にその変換されたデータを投げ込む役割である。これは、従来型のRIP処理が1種類のRIP処理にしか対応できていなかったためであった。
しかし、これに対して、ジョブサブミットは、役割的には、GUIを用いてジョブチケットと共にジョブを投げ込む処理だけなのだが、近年、PSだけでなく様々なフォーマット(たとえば、pdfやtif,jpgなど)のデータを同一のソフトウェアRIPモジュールでRIP処理可能なものが登場したり、プリントマネージャ115内に複数種類のソフトウェアRIPモジュール(例えば、PSとPCL)を有していて、データに応じてそのRIPモジュールを切り替えて使用できたりと、1種類のPDLだけでなく様々なフォーマット(例えば、pdfやtiff,jpgなど)や様々なPDLデータを直接プリントマネージャ115に送付しても、従来の単一のPDLデータ同様にRIP処理を行い、ビットマップデータに展開することが可能となった。また、仮にMFP104またはMFP105のインタフェースの都合で、ビットマップデータでなく、PSデータのみを扱うタイプのRIP処理機能付きのプリンタである場合には、プリントマネージャ115は上記RIP処理にてビットマップデータに展開後、そのデータをJBIGやG4(CCITT)にて画像圧縮したあと、それにPS等のヘッダ(PSデータであることを示すヘッダ)をつけて、そのMFPに出力することにより、様々なプリンタに対してもこれらの各種フォーマットデータのプリントを実現することができる。
ジョブサブミットで付加する設定項目として、2441はターゲットとなる出力先を選択する送信先選択カラムである。一般的には前述のMFP104,105あるいは、それらを組み合わせたクラスタプリンタを設定することも可能である。なお、送信先選択カラム2441でクラスタプリンタと呼ばれる複数台のプリンタを仮想的に組み合わせたプリンタが選択された際には、図45に示すようにそれぞれのプリンタに対して設定を行うことができるように、設定項目切り替えキー2442のGUIが変更される。
2444はファイルを選択するカラムで直接ファイル名をディレクトリィと一緒に指示しても良いが、一般的にはその右のブラウズボタンによりサーバ自身のコンピュータ(あるいは、ネットワーク内)にあるジョブファイルを選ぶことになる。
かかる設定を行い、プリントキー2443をクリックすると、設定された内容と指定されたファイルがプリントマネージャ115に転送され、印刷ジョブとして追加(キューイング)されることになる。
また、選択したファイルと一緒に送られる設定項目をジョブチケットと呼んでおり、2445に示すような設定項目である。なお、図44,図45では、一般設定(General)における設定項目が表示されているが、設定項目切り替えキー2442により設定項目の分類(一般設定,ジョブ制御,フィニッシング,画像処理設定,カラー設定)を切り替えると、図46〜図49に示すような異なる分類の設定項目(ジョブ制御,フィニッシング,画像処理設定,カラー設定等の設定項目)が表示され、それぞれ設定を行って、ジョブチケットとして画像データと共にプリントマネージャ115に送信され、RIP処理やプリント、後処理等に利用される。
それぞれ分類のジョブチケットの詳細設定項目としては、例えば本実施形態では、以下のようにいくつかに分類されて、様々な設定が可能となっている。
1.一般設定(General):印刷すべきジョブの部数,印刷すべきジョブの記録紙の紙サイズ,印刷すべきジョブにて画像形成装置が使用すべき給紙段,印刷すべきジョブの記録紙のタイプ(メディアタイプ),印刷すべきジョブを両面印刷するか片面印刷するかに関する両面の有無等(図44,図45の2445)
2.ジョブ制御(Job):印刷順序を決定する為のジョブの優先順位,印刷対象となるジョブをハードディスク等のメモリ内に保存させるか否かを特定する為のジョブセーブの有無等の、ジョブ制御に関する設定(図46)
3.フィニッシング(Finishing):ステープル,パンチ,ブックレット等のシート処理の実行可否等の、ジョブに対するシート処理の設定(図47)
4.画像処理設定(ImageQuality=IQ):シャープネス,ブライトネス,トナーリダクション設定等の、ジョブに対する画像処理の設定(図48)
5.カラー設定(Color):ガンマ変換テーブルの設定,ICCプロファイルの設定等の、ジョブに対するカラー処理設定(図49)
また、この1〜5に示したジョブチケットの詳細設定項目は、図45の2442に示すように複数台のプリンタを組み合わせてプリントする場合には、それぞれのプリンタに対して設定可能である。
さらに、このジョブチケットは、それぞれのデバイスに固有の設定項目があるばかりでなく、予め用意しておけば、操作がスムーズに運ぶという利点があるため、ジョブチケットの呼び出しキーや、任意に設定したジョブチケットを保存しておくセーブキー(ジョブチケットを再使用するため)、及び、新しく名前を付けて保存できるセーブアズキー、そしてジョブチケットを削除するデリートキー(不図示)を備えたキー群2444を用意されている。なお、キー群2444は、プリントファイルを自分のコンピュータ或いは自分がアクセス可能なネットワーク上から選択するためのファイル名入力エリア,ブラウズキー等も備えている。
以上のようなユーザによる各種の設定が完了したことに応答し、プリントマネージャ115は、ユーザにより設定された各種の印刷出力処理条件に従った処理動作を本システムの関係するデバイス(MFP等の画像形成装置等)により実行させるよう制御する。
また、図44等の操作画面上に具備するリセットキー2446がユーザにより押下されたことに応答し、プリントマネージャ115は、ジョブチケットの設定(ジョブに対する印刷処理条件の設定)をデフォルトの状態(初期設定値)に戻すよう制御する。
〔プリントジョブフロー〕
次に、図50,図51のフローチャートを参照して、ジョブサブミットやプリントドライバよりプリントマネージャ115に投入されたプリントジョブの処理に関して説明する。
図50は、図44,図45に示したジョブサブミット画面を介して入力されたユーザからの指示に基づいて、プリントマネージャ115に投げ込まれたプリントジョブの処理(本発明の第7の制御処理)を説明するフローチャートであり、S2508〜S2514はクライアント103側のウェブブラウザ(ジョブサブミット画面)上でのオペレータの作業ステップを示し、S2534〜S2540はプリントマネージャ115側での制御処理ステップを示す。
クライアント103は図44,図45に示したジョブサブミットからファイルをプリントマネージャ115に投げ込む際には、まずウェブブラウザでプリントマネージャ115側にあるウェブサーバ(Web Server)部2531にアクセスする(S2508)。詳細には、オペレータはクライアント103上でウェブブラウザを起動し、該ウェブブラウザ上でURLアドレスを入力して、プリントマネージャ115側のウェブサーバ部2531にアクセスを行って(工程管理マネージャ111側のウェブサーバから提供されたサービス画面において、プリンティングタブ2405を選択し、さらにジョブサブミットキー2413を選択して)、クライアント側のオペレータは、ジョブサブミット画面(図44に示したジョブサブミット画面)を開く(S2509)。
次にオペレータは、所望のプリントファイルを自分のコンピュータあるいは、自分がアクセス可能なネットワーク上にあるプリントファイルを選択する(S2510)。このとき選ぶファイルは、サーバがラスタライズ(RIP)可能ならば、必ずしもPSファイルでなくてもよく、PCL,TIFF,JPEG,PDFなどでもよい。
さらに、オペレータは出力したいプリンタ或いはクラスタを選択する(S2511)。選択されたプリンタ名あるいはクラスタ名は、すぐさまプリントマネージャ115に知らされ、プリントマネージャ115側にて予め用意されていたデフォルト(あるいは所望)のジョブチケット,ホットフォルダ名等を含むウェブページが通知され、ウェブブラウザ上に表示される(S2512)。
次に、オペレータは表示されたジョブチケットを、プリントしたい所望の設定値にブラウザ上で変更し(S2513)、プリントキー2443をクリック(図示しないポインティングデバイス等で指示)すると、選択されたジョブと所望のジョブチケットがプリントマネージャ115側のホットフォルダ2532に送信される(プリントジョブのサブミット)(2514)。
このとき、プリントマネージャ115側では、受信したジョブファイル(ここでは、PDLファイルの場合と、アプリケーションファイルの場合の両方を総称してジョブファイルと呼ぶこととする)とジョブ設定情報(ジョブチケット)を、例えば別々の拡張子等で別々に管理している。
また、プリントマネージャ115では、複数のホットフォルダを順次ポーリングによって監視(S2534)しており、ホットフォルダ2532内にジョブがあれば(S2535)、入力ジョブ制御部602に渡されてスケジューリングされ(S2536)、図7,図11に示したようにRIP(S2537)が行われて、オペレータが選択した所望のプリンタ(あるいはクラスタ)のスプールキューテーブル2533が参照されて(S2538,S2539)、そこに登録されている出力デバイスにプリントされる(各出力デバイスに印刷データを送信する)(S2540)。
図51は、図8〜図10に示したプリンタドライバ画面からの操作によりプリントマネージャ115に投げ込まれたプリントジョブの処理(本発明の第8の制御処理)を説明するフローチャートであり、S2501〜S2506はクライアント103側のプリンタドライバ画面でのオペレータの作業ステップを示し、S2534〜S2540はプリントマネージャ115側での制御処理ステップを示し、図50と同一のステップには同一のステップ番号を付してある。
クライアント103はプリンタドライバからファイルをプリントマネージャ115に投げ込む際には、まず、クライアントで動作するアプリケーション(例えばワープロソフト等)から印刷指示し、その結果、プリンタドライバからジョブを投げ込む。詳細には、クライアント103でオペレータは、アプリケーションソフトを立ち上げて(S2501)、印刷対象となるファイルを開いて、印刷指示を行う(図8に示したプリンタドライバ画面を開く)(S2502)。
次に、オペレータは、プリンタの選択を行い(S2503)、プロパティ等を利用して所望の機能を設定する(S2504)。オペレータがOKボタン705をクリック(図示しないポインティングデバイス等で指示)すると(S2505)、クライアントコンピュータ103内でPDLデータの作成が開始される(S2506)。
PDLデータが出来上がるとすぐにプリントマネージャ115内にある所定のホットフォルダ2532に送られる。この後のプリントマネージャ115内の処理は、前述のジョブサブミットの場合の処理と同様にプリントされる仕組みとなっており、説明は省略する。
ここで、プリンタあるいはクラスタを選択するに当たっては、予めクライアントコンピュータ103内でPPD(PostScript(登録商標) Printer Description)ファイルなどを用意して、プリンタドライバを設定しておく必要がある。PPDファイルは、そのプリンタを制御するための設定項目とその初期値、あるいは設定の組み合わせの可否などが記述されており、そのプリンタあるいは、クラスタ毎に固有のファイルとして提供されることになる。そしてオペレータは、プリンタやクラスタ毎に自分自身のコンピュータ内にそのPPDとドライバをリンクさせて予め用意しておかなければいけないことになる。
〔クラスタプリンタの設定〕
上述したように、複数のプリンタを組み合わせて仮想プリンタを作ることをクラスタプリンタと呼ぶ。例えば、本システムが具備する複数台の画像形成装置(例えば、MFP104とMFP105の2台の画像形成装置)を用いて、コンピュータ等のデータ発生源から出力されたジョブの印刷動作を、上記複数台の画像形成装置により分担して同時に実行させる(複数台の画像形成装置で並行印刷動作を実行させる)。
このようなクラスタプリントモードにおいて、ユーザからの指示に応答し、例えば、100部印刷するジョブのうちの50部数分を第1の画像形成装置に印刷実行させ、且つ、該第1の画像形成装置による印刷動作に並行して、残りの50部数分を第2の画像形成装置により印刷実行させることが出来るようにする(部数分散)。
又、例えば、100ページからなるジョブの1ページ目〜49ページ目の印刷動作を第1の画像形成装置に実行させると共に、且つ、該第1の画像形成装置による印刷動作に並行して、50ページ目〜100ページ目の印刷動作を2の画像形成装置に実行可能にする(ページ分散)。又、カラーページ及び白黒ページを含むカラー白黒混載原稿データのうちのカラーページの印刷動作をカラーMFPに実行させる共に、該MFPの印刷動作に並行して、該白黒混載原稿データのうちの白黒ページの印刷動作を白黒MFPに実行させるように制御する(カラー白黒分散)。分散印刷動作を可能にする画像形成装置は、2台に限らず、例えば、ユーザからの印刷設定に基づいて、2台以上の画像形成装置でも実行可能にする。本形態は、このような複数種類のクラスタプリントモードを具備し、ユーザからの指示に基づいて、本システムの複数台の画像形成装置により上記分散印刷処理を実行させるように、プリントマネージャ115等の制御ユニットにより制御可能に構成する。
尚、本システムが具備するMFP等の複数の画像形成装置のうちのどの画像形成装置によりクラスタプリントを実行さるかのクラスタプリントのデバイス設定をプリントマネージャ115により表示させる不図示の操作画面を介して予めユーザにより設定可能にする。
図42〜図45に示したプリンタ工程管理画面上のコンフィギュレーションキー2414による設定の一つとしてこのクラスタプリンタの設定があり、予め登録されたMFP104や105を組み合わせてクラスタプリンタを作る処理の流れについて図52に示すフローチャートを参照して説明する。
図52は、本発明の画像形成システムにおけるクラスタプリンタ登録処理(本発明の第9の制御処理)の一例を示すフローチャートであり、S2601〜S2621は各ステップを示す。
まず、オペレータに、登録されたプリンタ群の中から、2つかあるいはそれ以上のプリンタを選択させる(S2601)。例えば、A、B、Cの3台のプリンタならば、A&B,A&C、B&C、A&B&Cという4通りの組み合わせが可能となる。また、同じプリンタの組み合わせでもこれから説明するモードが異なれば別のクラスタプリンタとして登録することも可能である。
次に、選択された組み合わせがカラープリンタと白黒プリンタのように異なるタイプのプリンタ(カラー/白黒混在)であるか否かを判断し(S2602)、カラー/白黒混在と判断した場合には、カラー/白黒ページ分離モードとカラー/白黒自動ルーティングモードの2つのモードから選択を行わせる(S2603)。
ここで、カラー/白黒ページ分離モードとは、カラーページと白黒ページが混在する1つのジョブに対して、予めジョブをページ単位でカラーページと白黒ページに分離し、カラー情報を含むページはカラープリンタに、カラー情報を含まない(モノクロ)ページはモノクロプリンタに出力するモードである。また、カラー/白黒自動ルーティングモードとは、同様に予めカラーページと白黒ページを見分けた上で、1枚でもカラーページが混在していればジョブすべてをカラープリンタに出力し、ジョブすべてが白黒ページでできていれば、白黒プリンタに自動的にルーティングするモードである。これらの機能は、カラーページと白黒ページのパープリントコストにギャップがあることからコストダウンと操作性の簡素化を目的にしたモードである。
カラー/白黒ページ分離モードが選択された場合(S2605)、分離モードの設定を行わせ(S2610)、名前を付けさせクラスタを登録し(S2615)、ステップS2620に進む。
一方、カラー/白黒自動ルーティングモードが選択された場合(S2606)、最小ページ(1台あたりの最小ページ)を設定させ(S2611)、名前を付けさせてクラスタを登録し(S2616)、ステップS2620に進む。
また、ステップS2602で、選択された組み合わせがカラープリンタとカラープリンタ、或いは白黒プリンタと白黒プリンタのように同じタイプのプリンタである(カラー/白黒混在でない)と判断した場合には、ジョブクラスタモード,部数クラスタモード,ページクラスタモードの3つのモードからモード選択を行わせる(S2604)。
ここで、ジョブクラスタリングモードとは、ジョブを設定されたプリンタのうち、空いているもの、あるいは一番早くアイドル状態になると予想されるプリンタに順次ジョブを配布するいわばロードバランスの最適化したモードである。
また、部数クラスタリングモードとは、たとえば印刷すべきジョブに対してユーザにより設定された出力部数が100部の場合、該ジョブを3台の同じ能力(ここでは、同じ印刷スピード)のプリンタに33部,33部,34部(3で割ると1余りが発生するから)というように出力部数を割り振り(配分し)、配分した部数分の印刷動作を各画像形成装置(ここでは3台)に実行させることで、早くジョブの印刷動作を終了可能にするのに適したクラスタリングモードである(図54参照)。
さらに、ページクラスタリングモードとは、例えば1000ページからなるジョブを2台のプリンタに500ページずつ割り振るようにし、配分したページ数分の印刷動作を各画像形成装置(ここでは2台)に実行させるモードである。
ジョブクラスタリングモードが選択された場合(S2607)、プリンタ優先順位の設定又は最適化分離を設定させ(S2612)、名前を付けさせクラスタを登録し(S2617)、ステップS2620に進む。
部数クラスタリングモードが選択された場合(S2608)、最小部数の設定又は最適化分離を設定させ(S2613)、名前を付けさせてクラスタを登録し(S2618)、ステップS2620に進む。
ページクラスタリングモードが選択された場合(S2609)、最小ページの設定又は最適化分離を設定させ(S2614)、名前を付けさせてクラスタを登録し(S2619)、ステップS2620に進む。
それぞれのクラスタプリンタは、同じプリンタの組み合わせでも異なるタイプのモードで予め名前を付けて登録することができ、通常の1台のプリンタと同様に仮想的な高速プリンタとして扱うことが可能となる。
次に、ステップS2620において、リルート時間の設定(1台がジャムやエラーでダウンしたりした場合には、そのジョブを自動的に他のプリンタに割り振るジョブリルーティングのための待ち時間の設定)を行わせ、設定終了指示がなされたか否かを判断し(S2621)、設定終了と判断した場合には、処理を終了し、設定終了でないと判断した場合には、ステップS2601に戻る。
図53は、図1に示したプリントマネージャ115によるクラスタプリンタ処理(本発明の第9の制御処理)の一例を示すフローチャートであり、S2651〜S2655は各ステップを示す。
また、ジョブが登録されたクラスタプリンタにサブミットされると、どのクラスタプリンタで処理されるかを判断して(S2651)、それぞれ所定のクラスタ方式にて処理する。即ち、シングルプリンタ用処理(S2652),ジョブクラスタモード用処理(S2653),部数クラスタ用処理(S2654),ページクラスタ用処理(S2655)のいずれかの処理を行い、処理を終了する。
図54は、図53のステップS2654に示した部数クラスタ用処理(本発明の第9の制御処理)の一例を示すフローチャートであり、S2671〜S2676は各ステップを示す。
まず、ステップS2671において、選択したプリンタに割り当てる部数を算出する。次に、ページ数を示す変数iを初期化(i=1)し(S2672)、各プリンタに部数を指定するコマンドを送付し(S2673)、各プリンタにiページのデータを出力する(S2674)。
次に、ステップS2675において、全部のページを出力したか否かを判断し、まだ全部のページを出力していないと判断した場合には、ステップS2676に進み、iをインクリメントし、ステップS2673に進む。
一方、ステップS2675で、既に全部のページを出力したと判断した場合には、処理を終了する。
以上の処理により、ジョブに設定された部数を部数クラスタリングモードとして登録されたプリンタに割り振り、早くジョブを終了させることができる。
〔フィニッシングフロー〕
次に、図55を参照して、図1に示した画像形成システムにおける後処理工程(シート処理工程とも呼ぶ)に関して説明する。
図55は、図1に示した画像形成システムにおいて、プリントされたジョブにステイプル処理やパンチ処理や製本処理や折り処理等のユーザの所望の後処理(シート処理)を施すフローを示す模式図である。なお、MFP105(または104)のプリント出力は、MFPの出力口(印刷部にて印刷されたシートを排出する排出部)に備えられた大容量のスタッカ(印刷されたシートを収納する収納部)に積載可能に構成している。本システムは、このスタッカにオペレータにより搬送可能な台車を具備し、台車の上に積載されたプリント出力を、台車に載せたまま、後処理マネージャ116で管理されるさまざまなフィニッシャ121〜126に作業員が移動して運ぶことが出来るように構成している。
図55を説明する。本システムにおいて、例えば、ジョブAは、本システムのMFP105Aにて印刷したジョブAのプリント出力(プリント済みの記録紙束)を、作業者により台車2701を用いて搬送させ、本システムのくるみ製本機123にセットさせ、該記録紙束に対するくるみ製本処理を該くるみ製本機123により実行させ、該くるみ製本処理済みの記録紙束を台車2702を用いて納品させる処理工程を含んだ一連の処理工程を本システムにて実行する対象のジョブである。
ジョブBは、本システムのMFP105Aにて印刷したジョブBのプリント出力を台車2701により作業者により搬送して本システムの断裁機121にセットさせ、該記録紙束に対する断裁処理を該断裁機121により実行させ、該断裁処理済みの記録紙束を台車2702を用いて納品させる処理工程を含んだ一連の処理工程を本システムにて実行する対象のジョブである。
ジョブCは、本システムのMFP105Aにて印刷したジョブCのプリント出力を作業者により台車2701を用いて搬送させくるみ製本機123にセットさせ、該くるみ製本機123により該記録紙に対するくるみ製本処理を実行させ、その後、該くるみ製本処理済みの記録紙束を作業者により台車2702を用いて搬送させ断裁機121にセットさせ、該くるみ製本処理済みの記録紙束に対する断裁処理を該断裁機121により実行させ、該断裁処理済みの記録紙束を作業者により台車2703を用いて納品させる処理工程を含んだ一連の処理工程を本システムにて実行する対象のジョブを示している。
本実施形態は、このように、本システムの複数台のデバイスによる複数の処理工程及びオペレータによる介入作業を含む一連の処理工程をワークフローとして、本システムの受注・入稿マネージャ112を介して受け付けたジョブに対して実行させるように、工程管理マネージャ111を含む本システムの制御ユニットにより制御する。尚且つ、前述の操作画面を含むユーザインタフェースを介して処理対象となるジョブに対して設定された印刷出力条件情報、及び、本システムが具備するデバイス及びそのデバイスの能力等の資源情報、並びに本システムの作業者の情報等の、ワークフローを特定する為の判断材料情報に基づいて、受注・入稿マネージャ112を介して受け付けた各ジョブ毎にワークフローを決定し、各ジョブを決定したワークフローに基づいて処理するように該工程管理マネージャ111を含む本システムの制御ユニットにより制御する。
ジョブA〜ジョブCの指示は、例えば、上述の図28の操作画面等を介して顧客(クライアント)により指示された要求に対して、工程管理マネージャ111がJDFデータを作成し、それに基づいて順次後処理工程を実行して、所望の出力結果を得られるように構成される。そのために、例えば、工程管理マネージャ111のウェブサーバを用いて、工程管理マネージャ111が、図56の操作画面上のフィニッシャタブ2406がユーザのキー操作によりクリックされたことに応答し、後処理マネージャ116とネットワーク101等の通信媒体を介してデータ通信し、後処理マネージャ116で管理されている全てのフィニッシャ(断裁機121〜丁合機126等の各シート処理装置を含む)の状況監視や制御を可能に構成している。
図56は、図1に示した後処理マネージャ116の制御が主体となってコンピュータ等のデバイスの表示部を介してユーザに提供(表示)される後処理工程の管理画面(後処理マネージャ116で管理されている全てのフィニッシャの状況監視や制御を行う画面)を示す模式図である。
この画面は、例えば、工程管理マネージャ111側のウェブサーバのIPアドレスがウェブブラウザのURLアドレス入力部にユーザによるキー操作により入力されたことに応答して読み込ませる(表示させる)サービス画面において、フィニッシングタブ2406がユーザによるキー操作により選択されたことに応答して、後処理マネージャ116側のウェブサーバ(工程管理マネージャ111側のウェブサーバと同一であってもよい)にアクセスして読み込ませる(表示させる)ように制御している。
図56の操作画面に具備するジョブステイタスキー2811がユーザにより押下されたことに応答し、図に示されるようにそれぞれのフィニッシャの動作状況と、それぞれのジョブの状況等をユーザが一目で把握管理できるように表示制御している。これにより、どれだけのジョブが蓄えられており、どのジョブが既に終了しているか等をユーザにより確認可能に構成している。
図56の操作画面に具備するデバイスステイタスキー2812がユーザによりクリック(図示しないポインティングデバイス等で指示)されたことに応答し、デバイスステイタス画面を該表示部に表示させることで、それぞれのフィニッシャの能力や装着されているアクセサリなどをユーザにより把握管理可能に構成する。
図56の操作画面に具備するジョブサブミットキー2813がユーザによりクリック(図示しないポインティングデバイス等で指示)されたことに応答し、サブミット画面(不図示)を表示部に表示させ、それぞれのフィニッシャに対して、どのようなジョブを投げ込むか(どのようなシート処理をジョブに対して実行するかに関する設定)を該画面を介してユーザにより指示することができるように構成する。例えば、断裁機121による断裁処理を実行させる場合には、断裁量(記録紙を何ミリ断裁するかの設定など)や断裁方向(記録紙の上下左右の4隅のうちのどの隅を断裁するかの設定等)をユーザにより画面を介して指示したり、紙折機124であれば、紙の折順や折方向を指示したりすることをユーザにより画面を介して設定可能に構成する。
図56の操作画面に具備するコンフィギュレーションキー2814がユーザによりクリック(図示しないポインティングデバイス等で指示)されたことに応答し、コンフィギュレーション画面(不図示)を表示部に表示させ、該画面を介して、本システムに導入された新しいフィニッシャの登録処理や本システムに登録済みのフィニッシャの削除(設定から除外する)や装着機能(例えば、ステイプラ、パンチャ、折りユニット、製本ユニット等)の有無などをユーザにより設定可能に構成する。
〔工程管理のスケジューリング〕
ここまで説明してきたように、工程管理マネージャ111は、受注・入稿マネージャ112、原稿編集マネージャ113、プルーフマネージャ114、プリントマネージャ115、後処理マネージャ116、ファイル保管マネージャ117、納品・発送マネージャ118、あるいは、スキャンマネージャ119等と通信を行い、それぞれを統括的に管理制御可能とし、それぞれのマネージャにおけるジョブの状況を管理すると共に、それらのマネージャ間の連携や、スケジューリングも行うことができるように構成されている。
尚、上述したように、工程管理マネージャ111を含む本システムの複数のマネージャ(111〜119を含む)は、夫々、別々のデバイス(コンピュータ等の情報処理装置やMFP等の画像形成装置やシート処理装置の各種のデバイスを含む)に機能として内蔵されるようなシステム構成でも良いし、1台のデバイスに全てのマネージャの機能を搭載させる構成でも良いし、1台のデバイスに複数のマネージャの機能を搭載させる構成でも良い。いずれにしても、本形態で説明する各種の動作、制御を実行可能な構成であれば、如何なる装置構成、システム構成であって良い。
図57は、図1に示した工程管理マネージャ111の制御により、コンピュータの表示部等のデバイスユーザインタフェースに提供(表示)させるジョブ生成画面例である。
当該画面は、例えば、クライアントコンピュータ103のウェブブラウザのURLアドレス入力部に、工程管理マネージャ111側のウェブサーバのIPアドレスが、該コンピュータのユーザによるキー操作により入力されたことに応答し、該画面のデータを該工程管理マネージャ111からネットワーク経由で該コンピュータ103が読み込んで、該コンピュータ103の表示部に表示させるように予め設定可能に構成されている。
尚、図57の画面及び後述する図58〜図64の操作画面を含む、本システムは、工程管理マネージャ111により制御される各種の操作画面を、上記の如くクライアントコンピュータ103の表示部に表示可能に構成するだけでなく、工程管理マネージャ111等のマネージャの機能を具備するコンピュータ自身の表示部にも表示可能に構成し、尚且つ、画像形成装置が具備する操作パネル上にも表示可能に構成する。このように本システムに関わる何れかのデバイス(コンピュータ等の情報処理装置、MFP等の画像形成装置、シート処理装置等の各種のデバイスの少なくとも何れかのデバイス)の表示部に表示可能に構成している。
又、本形態は報知ユニットによる報知処理の一例として表示部による表示処理を説明するが、例えば、図57〜図64の各種の操作画面を介してユーザに報知する情報と同等趣旨の情報を、例えば音声ユニットによる音声出力処理や、プリンタによる該情報の記録紙に対する印字出力処理等により、ユーザに報知する構成でも良い。
いずれにしても、本形態の各種の操作画面を介してユーザに提供可能な各種情報と同等趣旨の情報をユーザに提供報知可能な機能を具備した、且つ、本形態の各種の操作画面を介して実行可能なユーザ設定と同等趣旨のユーザ設定が可能な設定機能を具備した、ユーザインタフェースユニットを用いるならば、如何なる形態であっても良い。
図57の操作画面(図58〜図64の操作画面も同様)が表示構成要素として具備する、クリエートジョブキー2911がユーザによるキー操作(図示しないポインティングデバイス等で指示)により選択されたことに応答し、図57のジョブ生成画面を表示部に表示させるよう制御する。このジョブ生成画面は、前述の受注・入稿マネージャ112におけるジョブの受注が成立した場合(図31の操作画面等の発注キー2211を介して印刷出力指示がなされて受注・入稿マネージャ112がジョブを受け付けた場合)に、ユーザによるキー操作に応答してジョブの優先度を決定設定可能にする為のプライオリティ選択部2930を表示構成要素して具備する。
本実施形態は、本システムが受注・入稿マネージャ112を介して受け付けたジョブを受注・入稿マネージャ112によるジョブの受注順(入力順)に従って順次処理させる為の、優先順位(Order順。これを第1の優先順位と称す)を、処理対象となるジョブに対して設定し、尚且つ、該設定した第1の優先順位に従った順序でジョブを順次処理させる為の、処理対象となるジョブのワークフローに関するスケジューリング(以下、ワークフローのスケジューリングと称す)を、立案(決定)実行させるように、工程管理マネージャ111に対して指示する為の、受注優先指示(第1の指示と称す)、を、上記プライオリティ選択部2930を介して、ユーザによるキー操作により選択入力可能にする。
この第1指示が入力された場合、工程管理マネージャ111は、当該指示が設定されたジョブの処理を、既に受注済みの他のジョブの処理を開始させた後に開始するようにスケジューリングする。尚且つ、例えば、該指示が入力された場合において、該指示が設定されたジョブにて利用すべきデバイスと既に受注済みの他のジョブが利用するデバイスが同一の場合(例えば、当該ジョブと他のジョブとで、同じMFPやシート処理装置を利用する場合)には、工程管理マネージャ111は、既に受注済みの他のジョブの一連の処理工程(ワークフロー)が完了した後に、該指示に対応するジョブのワークフローが完了するように、処理対象となるジョブのワークフローのスケジューリング(このスケジューリング方法を第1タイプのスケジューリング方法と称す)を立案決定する。
そして、スケジューリングを決定したら、工程管理マネージャ111は、該ジョブを完結させる為のワークフローにて必要な複数の処理工程を実行するうえで使用する複数台のデバイス(画像形成装置やシート処理装置等の複数台のデバイス。
尚、印刷条件次第では1台のデバイスでジョブが完結する場合もあるが、ここでは、複数台のデバイスとする)に、上記決定したスケジューリングの内容に従った処理動作を、該スケジューリング(第1タイプのスケジューリング方法により決定したスケジューリング)の内容に基づいたタイミング並びに処理順番で、順次実行させるように、各デバイスを制御する。尚且つ、工程管理マネージャ111は、該ジョブの為のワークフローにおけるオペレータ(本システムの作業者)による介入作業においてオペレータのとるべき行動(作業指示)をオペレータにより識別把握可能にする為の情報(作業指示情報)を、該スケジューリングの内容に即して生成させ、該生成した作業指示情報を、該ワークフローにおける該スケジューリングの内容に従った報知タイミングで、本システムの作業者(オペレータ)に、例えば、表示部等の報知ユニットを介して報知(例えば表示)するように制御する。
尚、本システムの受注・入稿マネージャ112は、複数のジョブを受け付け可能とし、且つ、受け付けた複数のジョブは、本システムが具備する何れかのデバイスが有するハードディスク等のメモリに格納保持するよう構成している。このような構成を前提としているので、工程管理マネージャ111により、上記の如く、ジョブの実行順序やスケジューリングを、動的に適宜入れ換えたり、変更可能に構成している。
又、本実施形態は、本システムが受注・入稿マネージャ112を介して受け付けたジョブを、ジョブの納期日程(ジョブの納品日時)順に従って処理させる為の、優先順位(納期日程優先(Delivery)順。これを第2の優先順位と称す)を、処理対象となるジョブに対して設定し、尚且つ、該設定した第2の優先順位に従った順序でジョブを順次処理させる為の、ジョブワークフローのスケジューリングを、立案(決定)実行させるように、工程管理マネージャ111に対して指示する為の、納期日程優先指示(第2の指示と称す)、を、上記プライオリティ選択部2930を介して、ユーザによるキー操作により選択入力可能にする。当該第2指示が入力された場合に、工程管理マネージャ111は、当該第2指示が設定されたジョブの処理の開始タイミングを、既に受注済みの他のジョブの受注順等に依らずにジョブの納期順で決定する(換言すると、ジョブの納期を最優先事項にする)。
尚且つ、該指示が入力された場合において、例えば、該第2指示が設定されたジョブの処理にて利用すべきデバイスと既に受注済みの他のジョブが利用するデバイスとが同一である(例えば、当該ジョブと他のジョブとで、同じMFPやシート処理装置を利用する場合。このように同じデバイスを使う場合には、そのデバイスを競合デバイスと称す。)ことが原因で、当該第2指示が設定されたジョブの納期が遅れるような場合には、工程管理マネージャ111は、既に受注済みの他のジョブのワークフローにて利用すべき競合対象のデバイスとは異なる他のデバイスうちの該第2指示のジョブの処理を実行可能なデバイスにて代替動作を実行させるようにスケジューリングする(第2タイプのスケジューリングにおける第1の例)。
又、他のデバイスに代替できないような場合(例えば、同じシート処理を実行できるデバイスが本システムには1台しか存在しない場合等)に、例えば、工程管理マネージャ111は、該第2指示のジョブのワークフローにおいて該競合デバイスにて実行すべき処理工程に先立って該競合デバイス以外のデバイスにて実行させる処理を、上記他のジョブのワークフローにおける競合デバイスにて実行すべき処理工程に先立って実行させる処理工程よりも、早くに完了させることで、他のジョブのワークフローにて当該競合デバイスを利用するタイミングよりも早いタイミングで、該競合デバイスを該第2指示のジョブの為に利用出来るようにスケジューリングする(第2タイプのスケジューリングにおける第2の例)。
当該工程管理マネージャ111は、第2指示が入力された場合、上記二つの例の如く、該第2指示が設定されたジョブのワークフローをジョブの受付順等に依らないで該第2指示が設定されたジョブの納期情報に従って可能な限り短い期間で完了させるような処理方法を、本システムが具備するデバイスを最大限に活用して、実行させるスケジューリング(このスケジューリング方法を第2タイプのスケジューリング方法と称す)を立案する。
そして、スケジューリングを決定したら、工程管理マネージャ111は、該ジョブを完結させる為のワークフローにて必要な複数の処理工程を実行するうえで使用する複数台のデバイスに、上記決定したスケジューリングの内容に従った処理動作を、該スケジューリング(第2タイプのスケジューリング方法により決定したスケジューリング)の内容に基づいたタイミング並びに処理順番で、順次実行させるように、各デバイスを制御する。
尚且つ、工程管理マネージャ111は、該ジョブの為のワークフローにおけるオペレータ(本システムの作業者)による介入作業においてオペレータのとるべき行動(作業指示)をオペレータにより識別把握可能にする為の情報(作業指示情報)を、該スケジューリングの内容に即して生成させ、該生成した作業指示情報を、該ワークフローにおける該スケジューリングの内容に従った報知タイミングで、本システムの作業者(オペレータ)に、例えば、表示部等の報知ユニットを介して報知(例えば表示)するように制御する。
又、本実施形態は、本システムが受注・入稿マネージャ112を介して受け付けたジョブを、本システムにてジョブを作成納品する上でクライアントから報酬として受け取る(受け取った)料金(コスト)の高い順に従って処理させる為の、優先順位(コスト優先(Cost)順)。これを第3優先順位と称す)を、処理対象となるジョブに対して設定し、尚且つ、該設定した第3の優先順位に従った順序でジョブを順次処理させる為の、ジョブワークフローのスケジューリングを、立案(決定)実行させるように、工程管理マネージャ111に対して指示する為の、コスト優先指示(第3の指示と称す)、を、上記プライオリティ選択部2930を介して、ユーザによるキー操作により選択入力可能にする。
尚、本実施形態では、より高品位の出力結果を作成するジョブほど、他のジョブよりもコスト(費用)がかかる。又、ジョブの受注から納品までの納品期間がより短い期間で作成するジョブほど、他のジョブよりもコストがかかる。即ち、より高い料金を支払ったクライアントのジョブほど、本システムでは、他のジョブよりも高品位で出力させるように制御するし、他のジョブよりも納品期間がより早くなるように仕上げる。又、別の言い方をすると、納期、品位は、最低限保証できれば、あまり問わないが、可能な限り安い値段(料金)で仕上げて欲しいと要望してきたクライアントのジョブは、該クライアントからの要望を最低限保証した品位で出力させる可能性もあるし、他のジョブに比べて納期も遅くなる可能性もある。
このように、当該第三の優先順位であるコスト優先は、上記第1の優先順位である受注順にはあまり影響を受けないが、上記第2の優先順位である納品順や、後述する第4の優先順位である品質(品位)順には影響がでる可能性がある。
そこで、本実施形態にて、本システムが具備する4種類の優先順位を含む複数の優先順位の各優先順位間での優先度の設定(どの優先順位を最優先事項として取り扱うかを決定する等の優先する順番を設定する)として、例えば、「コスト順>(左記の優先順位の方が右記の優先順位より優先度が高いことを意味する)納品順>品質順>受付順」や、「コスト順>品質順>納品順>受付順」や、「コスト順>納品順=(左記の優先順位と右記の優先順位が同等の優先度とする)品質順>受付順」や、「コスト順=品質順=納品順>受付順」等のように、各優先順位間での優先度の設定を予め操作部にて実行可能に構成しても良い。尚、ここでは、受付順よりコスト順の方が、少なくとも、優先度が高い場合の例を用いて説明する。
上記第3指示が入力された場合に、工程管理マネージャ111は、当該第3指示が設定されたジョブの処理の開始タイミングを、既に受注済みのジョブの受注順に関係なく、受け付けたジョブの各ジョブ毎のコスト順で決定する(換言すると、ジョブのコストを最優先事項にする)。尚且つ、該第3指示が入力された場合において、例えば、該第3指示が設定されたジョブによりも前に既に受注・管理マネージャ112にて受け付けたジョブのコストが、該第3指示が設定されたジョブのコストよりも安い場合に、該工程管理マネージャ111は、該第3指示が設定されたジョブのワークフローの完了を優先し、先に投入されたジョブのワークフローの完了を後回しにするようにスケジューリングする。
一方、該第3指示が設定されたジョブによりも前に既に受注・管理マネージャ112にて受け付けたジョブのコストが、該第3指示が設定されたジョブのコストよりも高い場合には、該工程管理マネージャ111は、該第3指示が設定されたジョブのワークフローの完了を後回しにし、先に投入されたジョブのワークフローの完了を優先させるようにスケジューリングする。
当該工程管理マネージャ111は、第3指示が入力された場合、上記の如く、該第3指示が設定されたジョブのワークフローをジョブの受付順等に依らないで該第3指示が設定されたジョブのコスト情報に基づいたスケジューリング(このスケジューリング方法を第3タイプのスケジューリング方法と称す)を立案する。
そして、スケジューリングを決定したら、工程管理マネージャ111は、該ジョブを完結させる為のワークフローにて必要な複数の処理工程を実行するうえで使用する複数台のデバイスに、上記決定したスケジューリングの内容に従った処理動作を、該スケジューリング(第3タイプのスケジューリング方法により決定したスケジューリング)の内容に基づいたタイミング並びに処理順番で、順次実行させるように、各デバイスを制御する。尚且つ、工程管理マネージャ111は、該ジョブの為のワークフローにおけるオペレータ(本システムの作業者)による介入作業においてオペレータのとるべき行動(作業指示)をオペレータにより識別把握可能にする為の情報(作業指示情報)を、該スケジューリングの内容に即して生成させ、該生成した作業指示情報を、該ワークフローにおける該スケジューリングの内容に従った報知タイミングで、本システムの作業者(オペレータ)に、例えば、表示部等の報知ユニットを介して報知(例えば表示)するように制御する。
又、本実施形態は、本システムが受注・入稿マネージャ112を介して受け付けたジョブを、品質を重視した順序で処理させる為の、優先順位(品質優先(Quality)順)。これを第4優先順位と称す)を、処理対象となるジョブに対して設定し、尚且つ、該設定した第4の優先順位に従った順序でジョブを順次処理させる為の、ジョブワークフローのスケジューリングを、立案(決定)実行させるように、工程管理マネージャ111に対して指示する為の、品質優先指示(第4の指示と称す)、を、上記プライオリティ選択部2930を介して、ユーザによるキー操作により選択入力可能にする。
上記第4指示が入力された場合に、工程管理マネージャ111は、例えば、第4指示が設定されたジョブのワークフローとして、例えばクライアントから明示的にプループマネージャ114によるプルーフ処理要求が設定されているか否かに関係なく、例えば、プループマネージャ114を主体とした該ジョブの確認工程を該ワークフローの中に追加挿入する。又、このように、該確認工程を挿入したことで該第4指示が設定されたジョブのワークフローの完了が、該確認工程を挿入しない場合のワークフローの完了のタイミングよりも遅くなってたとしても、上記工程管理マネージャ111は、第4指示が設定されたジョブのワークフローに該プループマネージャ114を主体とした該ジョブの確認工程を挿入するようにスケジューリングする。
このように、第4指示が設定された場合、工程管理マネージャ111は、該第4指示が設定されたジョブの納期が遅れたとしても該第4指示が設定されたジョブの品位がより高品位となるようなスケジューリング(このスケジューリング方法を第4タイプのスケジューリング方法と称す)を立案する。
そして、スケジューリングを決定したら、工程管理マネージャ111は、該ジョブを完結させる為のワークフローにて必要な複数の処理工程を実行するうえで使用する複数台のデバイスに、上記決定したスケジューリングの内容に従った処理動作を、該スケジューリング(第4タイプのスケジューリング方法により決定したスケジューリング)の内容に基づいたタイミング並びに処理順番で、順次実行させるように、各デバイスを制御する。尚且つ、工程管理マネージャ111は、該ジョブの為のワークフローにおけるオペレータ(本システムの作業者)による介入作業においてオペレータのとるべき行動(作業指示)をオペレータにより識別把握可能にする為の情報(作業指示情報)を、該スケジューリングの内容に即して生成させ、該生成した作業指示情報を、該ワークフローにおける該スケジューリングの内容に従った報知タイミングで、本システムの作業者(オペレータ)に、例えば、表示部等の報知ユニットを介して報知(例えば表示)するように制御する。
上述の制御例を別の観点から説明する。本システムは、各マネージャ等のコンピュータ、スキャナ、画像形成装置、シート処理装置等の複数のデバイスを具備する。そして、受注・入稿マネージャ112を介して、コンピュータから出力されたジョブやスキャナユニットから出力されたジョブ等の複数のジョブを受け付け可能とし、該複数のジョブを、各マネージャ及び画像形成装置等の何れかのデバイスのハードディスク等のメモリに順次複数格納可能にし、該ハードディスクに格納したジョブのデータを、ユーザからの指示に応答し、本システムが具備する画像形成装置にて適宜プリント出力させたり、他の装置へデータ送信させるよう、各マネージャ等の制御部により制御する。
このようなシステム構成において、例えば、データ発生源の一例としてのクライアントコンピュータから印刷発注を希望するジョブ(第1ジョブと称す)が出力され、その後、上記データ発生源と同一のデータ発生源或いは別のデータ発生源(例えば、別のクライアントコンピュータや、スキャナ)から印刷発注を希望する別のジョブが出力されたとする。これら第1ジョブ及び該第1ジョブの後に出力された第2ジョブは、順次、受注・入稿マネージャ112を介して入力させ、ハードディスク等に格納させる。このように、受注・入稿マネージャ112を介して、第1ジョブ及び該第1ジョブの後に入力される第2ジョブを受け付けた場合に、工程管理マネージャ111は、本システムにおける上記第1ジョブのワークフローや第2ジョブのワークフローをスケジューリングし、それらを管理制御して、立案作成したスケジューリングでもって、各ジョブのワークフローを本システムの関係のある各デバイスを用いて実行させるよう制御する。
尚、ワークフローをスケジューリングするにあたり、工程管理マネージャ111は、ジョブに対してクライアントが設定した印刷出力条件情報(どのような印刷出力設定がなされているかを特定する為の情報を含む)及び、本システムが具備する各デバイスの能力情報(例えば、本システムのデバイスは、夫々どのような機能を具備しているのかに関する情報や、本システムには、何台画像形成装置が存在するのか、及び、そのうち、カラー画像形成装置は台数存在し、白黒画像形成装置は何台存在するのか、及び、それら各画像形成装置は、一分間に何枚印刷処理が可能なのか、及び、給紙ユニットや排紙ユニットや両面印刷ユニット等のオプション装置を具備しているのか等を特定する為の情報や、本システムが具備するハードディスク等のメモリにおける空き容量などを特定する為の情報など)や、本システムにおける各デバイスのジョブの処理状況(印刷中、印刷待ち、エラー発生等の各デバイスのカレントステータスを特定する為の情報を含む)や、本システムにおける作業者の労働力情報(何人作業者が存在するか等の情報)等の各種の判断情報に基づいて、ジョブワークフローのスケジューリングを立案する。
このような前提のもと、工程管理マネージャ111は、コンピュータ等の表示部や画像形成装置の操作部等の各種のユーザインタフェースを介して、クライアント及び/又は本システムの作業者から、上記第1ジョブ及び/又は第2ジョブに対して上述の複数の指示データ(上記第1指示〜第4指示)のうちの何れかの指示が入力された場合に、該入力された指示に基づいて、第1ジョブのワークフロー及び第2ジョブのワークフローの両方を新たにスケジューリングし直したり、何れのジョブのワークフローのみを再スケジューリングしたりするよう制御する。尚、第1ジョブのワークフローには、白黒MFP105aによる白黒印刷処理工程、該印刷処理工程後に実行すべき丁合機126によるステイプル処理工程を含んでいるとする。
一方、第2ジョブのワークフローには、プルーフマネージャ114による出力確認工程、該確認工程後に実行すべきカラーMFP104aによるカラー印刷処理工程、該印刷処理工程後に実行すべき丁合機126によるステイプル処理工程を含んでいるとする。このように、第1ジョブと第2ジョブで丁合機126によるステイプル処理工程が競合状態にあるとする。
例えば、上記インタフェースを介して、ユーザ(クライアント或いはオペレータ)から上記第1指示(受注順優先)が入力された場合、工程管理マネージャ111は、該第1ジョブの後に入力された該第2ジョブのワークフローが、該第1ジョブのワークフローの完了後に、完了するように、第2ジョブのワークフローをスケジューリングする。
一方、上記インタフェースを介して、ユーザから該第2ジョブに対して第2指示(納期日程優先)が入力された場合、工程管理マネージャ111は、先のスケージューリングでは、第2ジョブの印刷工程に関して、1台の画像形成装置(白黒MFP105a)で印刷させるよう計画していたが、第2指示が入力されたので、本システムが具備する3台の画像形成装置(白黒MFP105a〜105c)でクラスタプリント動作を実行させ、これにより、該第2ジョブのワークフローにおける印刷工程期間を短縮させ、その分、第2ジョブのワークフローにおける丁合機126による第2ジョブのためのステイプル処理工程を、第1ジョブのワークフローにおける丁合機126による第1ジョブのためのステイプル処理工程を実行させる前に、完了させるように、スケジューリングしなおす。
このように、第1ジョブと第2ジョブとで競合デバイスであったシート処理装置(丁合機126)の第2ジョブでの利用タイミングを、第1ジョブの利用タイミングよりも早める。これにより、第2ジョブのワークフローが最優先に完了できる。このように、第2ジョブに対して第2指示が設定された場合、第2ジョブの納期日程を最優先事項として(その他の優先順に依らずに)、工程管理マネージャ111は、第1ジョブの後に入力された該第2ジョブのワークフローが、該第1ジョブのワークフローの完了前に、完了するように、第2ジョブのワークフローをスケジューリングする。
又、上記インタフェースを介して、ユーザから第2ジョブに対して第3指示(コスト優先指示)が入力された場合には、例えば、第2ジョブのワークフローに関する先のスケジューリングでは、プルーフマネージャ114による出力確認工程、カラーMFP104aによるカラー印刷処理工程を含んでいたことに着目し、第2ジョブのコストを安くすることを最優先に、例えば、まず、プルーフマネージャ114による出力確認工程を省略し(確認作業を省略する分、費用が安くなるので)、且つ、印刷工程に関し、カラーMFP104aの利用をキャンセルして、代わりに、白黒MFP105aを利用する(カラーMFPを利用するよりは白黒MFPを利用した方が、費用が安いので)ように、スケジューリングしなおす。
このように、第2ジョブに対して第3指示が設定された場合、工程管理マネージャ111は、第2ジョブのコストを最優先にすべく(その他の優先順に依らずに)、該第2ジョブに対して該第3指示が設定される前にスケジューリングされた該第2ジョブのワークフローにおいて介在していた処理工程(ここでは、プルーフマネージャ114による確認工程)を、第2ジョブのコストが安くなるように、該第3指示が設定された後の第2ジョブのワークフローから削除したり、該第3指示が設定される前にスケジューリングされた第2ジョブのワークフローにおいて利用するように設定されていたデバイス(ここでは、カラーMFP)を、第2ジョブのコストが安くなるように、該第3指示が設定された後の第2ジョブのワークフローにおいて、利用することを禁止して、代わりのデバイス(白黒MFP)を利用するように、第2ジョブのワークフローを再スケジューリングする。
又、上記インタフェースを介して、ユーザから第1ジョブに対して第4指示(品質優先指示)が入力された場合には、例えば、第1ジョブのワークフローに関する先のスケジューリングでは、白黒MFP105aによる白黒印刷処理工程、該印刷処理工程後に実行すべき丁合機126によるステイプル処理工程等を含んでいるのみであったが、第1ジョブに対して第4指示が入力されたことに応答し、工程管理マネージャ111は、第1ジョブの品質向上を最優先事項として、例えば、プルーフマネージャ114による確認工程→カラー画像形成装置104aによる印刷工程→プルーフマネージャ114による確認工程→丁合機126によるシート処理工程→プルーフマネージャ114による確認工程、というようなワークフローにスケジューリングしなおす。
このように、第1ジョブに対して第4指示が設定された場合、工程管理マネージャ111は、第1ジョブのコストを最優先にすべく(その他の優先順に依らずに)、該第1ジョブに対して該第4指示が設定される前にスケジューリングした該第1ジョブのワークフローにおいて介在していない処理工程(ここでは、プルーフマネージャ114による確認工程)を、第1ジョブの品質を向上させるべく、該第4指示が設定された後の第1ジョブのワークフローに追加挿入したり、該第4指示が設定される前にスケジューリングした第1ジョブのワークフローにおいて利用するように設定されていたデバイス(ここでは、白黒MFP)を、第1ジョブの品質向上を目的として、該第4指示が設定された後の第1ジョブのワークフローにおいて、利用することを禁止して、代わりのデバイス(カラーMFP)を利用するように、第1ジョブのワークフローを再スケジューリングする。
以上のように、工程管理マネージャ111は、複数のジョブの各ワークフローを夫々スケジューリングする。尚且つ、ワークフローのスケジューリングを決定するうえでの判断条件情報として複数の指示(第1指示〜第4指示を含む)を、例えば、工程管理マネージャ111の制御により報知提供(表示)させるユーザインタフェース(例えば、図57の操作画面や後述の図58〜図61の操作画面)を介して、ユーザから受付入力可能とし、上記複数の指示のうちの、何れかの指示が、該ユーザインタフェースの操作指示部(図57の操作画面のプライオリティ選択部2930や図58〜図61の操作画面のプライオリティ選択部2916等)を介して、ユーザにより入力された場合に、該工程管理マネージャ111は、既にスケジューリング済みのジョブのワークフローを、当該入力された指示に基づいて、新たなワークフローに再スケジューリング可能に制御する。且つ、新たに設定したスケジューリングでもって各ジョブのワークフローを本システムにて実行可能に制御し、且つ、該スケジューリングに従った指示内容を、本システムの作業者に対して該スケジューリングに従ったタイミングで、適宜、適当なユーザインタフェースユニット(各マネージャの表示部や画像形成装置の表示部やシート処理装置の表示部や携帯端末等)を介して報知させるよう制御する。
尚、上述の制御例は、あくまでも本形態における一例であって、本形態が提供する構成において想定されうる他の状況やその際の制御(第1ジョブや第2ジョブ以外にも複数ジョブが存在する場合や、他の競合デバイスが存在する場合)が、他にも色々考えられるが、本形態の各制御例を参考にしながら、本形態の制御を用いることで種々の応用が可能とする。
再び、図57の操作画面例の説明に戻る。
上述したように、表示部に表示させる図57の操作画面の設定部2930を介して、ユーザ(ここでは、本システムのオペレータとするが、クライアントユーザでも良い)が、受け付けたジョブの優先度として、受注順優先(Order),納期日程優先(Delivery),コスト優先(Cost),品質優先(Quality)を、各ジョブ毎に選択設定可能とする(この例では、ジョブIDが039028のジョブの設定を行っている)。又、該画面に表示させる他の設定部において、本システムのどのプリンタを用いて当該ジョブの印刷動作を実行させるかを選択可能にし、又、該選択した画像形成装置により印刷された該ジョブの記録紙を、本システムが具備するどのフィニッシャを用いてシート処理を実行させるか等の設定を可能にする。図57の操作画面を介してオペレータの設定が完了したら、工程管理マネージャ111は、新しいジョブを発行し、同時にJDFデータも発行するよう制御すると共に、当該生成したジョブを、他の登録済みのジョブも踏まえて、工程管理マネージャ111上で管理するよう制御する。
図57の操作画面上のスケジューリングキー2912がオペレータによるキー操作によりクリック(図示しないポインティングデバイス等で指示)された場合に、工程管理マネージャ111は、当該操作画ジョブ生成画面におけるオペレータの入力状態に基づいて、ジョブのスケジューリング(後述する図62に示すスケジューリング処理)を行い、図58〜図61に示すジョブスケジューリング画面を選択的に表示部に表示可能に制御する。
図57の操作画面上のコンフィギュレーションキー2913がオペレータによるキー操作によりクリック(図示しないポインティングデバイス等で指示)された場合に、工程管理マネージャ111は、ジョブの設定情報や構成情報等をオペレータにより確認可能とする、ジョブコンフィギュレーション画面(不図示)を表示部に表示させる。
図58〜図61は、工程管理マネージャ111が、オペレータのキー操作により表示部に提供(表示)させるジョブスケジューリング画面の一例であり、図57の操作画面上の機能ボタン(操作キー)と同一のものには同一の符号を付してある。
例えば、上述の図57の操作画面上のスケジューリングキー2912がオペレータにより押下されたことに応答して、工程管理マネージャ111は、当該表示部の表示内容を、図58の操作画面に切り換えるよう表示制御する。
本実施形態は、工程管理マネージャ111が主体となって立案作成した各ジョブのワークフローのスケジューリング結果をユーザ(ここでは本システムのオペレータ。勿論、クライアントユーザでも良い)が可視的且つ各ジョブ毎に確認識別可能にする為の識別情報を、例えば、グラフィカルな表現形態でもって、表示部等のユーザインタフェースに報知させるよう、該工程管理マネージャ111により報知制御する。例えば、該工程管理マネージャ111による報知制御の一例としての表示制御において、工程管理マネージャ111は、表示部に、図58のようなジョブスケジューリング画面の為の情報を生成させ、該生成した画面情報に基づいた操作画面を表示させるよう制御する。
ここで、工程管理マネージャ111は、図58の画面のように、それぞれのマネージャ(112〜119)で費やす時間を加味したスケジュール結果の情報をオペレータが識別可能に表示させるよう制御し、且つ、それぞれのマネージャの連携が一目でオペレータにより確認把握可能に報知制御する。
例えば、工程管理マネージャ111がスケジューリングしたジョブのワークフローにおいて、どのような処理工程が存在し、それらがどのような順番で、どのような日程でもって、実行されるかを、オペレータにより、各ジョブ毎に区別して、識別可能に表示させるよう、該工程管理マネージャ111により制御する。尚且つ、本形態は、受注・入稿マネージャ112によるジョブの受付処理並びにハードディスク等のメモリによる記憶処理により、複数のジョブを受け付け可能としており、工程管理マネージャ111によりジョブ単位で管理可能に構成しているので、該工程管理マネージャ111は、図57の操作画面で提供させる表示内容のように、画面上にジョブID入力欄2915を具備し、キー2915を介して、スケジューリングを確認したいジョブのジョブIDをオペレータによるキー操作により入力可能とし、該キー2915を介してジョブIDが入力された場合に、これを受け、工程管理マネージャ111が、受注・入稿マネージャ112により受け付けて該メモリに格納保持している複数のジョブのうちの、該キー2915を介して入力されたジョブIDに対応するジョブのワークフローのスケジューリング情報を該表示部に表示させるよう制御すると共に、そのジョブのスケジュールが周辺のジョブのスケジュールと一緒に且つ他のジョブと区別可能な形態で表示可能に制御する。
例えば、図58の画面のように、キー2915により指定されたジョブIDが039028のジョブのスケジューリングを注目ジョブのスケジューリングとして表示部に表示させると共に、該ジョブIDに対応するジョブの1つ前に該入稿マネージャ112を介して受け付けた(入力された)ジョブに相当するジョブIDが039027のジョブのワークフローのスケジューリング情報を、上記ジョブのスケジューリング情報と共に表示部に表示させるよう制御する。
尚、この例では、1画面上において、1個前のジョブを周辺のジョブとして該キー295により表示可能に制御しているが、これに限らず、例えば、キー2915にて入力されたIDのジョブの前後に受け付けた2つのジョブを含む少なくとも2個以上のジョブのワークフローのスケジューリングを表示部に同時に表示可能に制御する構成でも良い。尚、その他のジョブのスケジューリング情報に関しても、例えば、図57の操作画面の右端に具備するスクロールバーの操作によるスクロール表示処理等により、例えば、受注・入稿マネージャ112によるジョブの受付順に対応した順序で、順次表示させるよう制御しても良い。尚、勿論、複数のジョブのスケジューリングを1画面上にて同時に表示させずとも、1個のジョブ毎に、順次、表示画面を切り換えるように表示制御しても良い。
このように、本形態におけるジョブのスケジュール表示に関し、工程管理マネージャ111により工程管理された各ジョブに対して各工程単位でスケジュール表示するよう工程管理マネージャ111により制御している。尚且つ、図58の表示画面例のように、該マネージャ111は、ワークフローにおける各工程に要する作業時間(作業期間)に関する情報を、オペレータが識別可能にすべき情報として、例えば、図58のように、作業期間を棒グラフ形式の表現形態で、表示部に表示させるよう制御する。
例えば、ジョブID#039028のジョブ番号をジョブID入力エリア2915に入力すると、そのジョブのスケジュール情報を表示部に表示させるよう工程管理マネージャ111により制御する。
本実施形態の工程管理マネージャ111の報知制御によるジョブのスケジューリング結果の表現方法の一例を、図58の表示画面を用いて詳細に説明する。例えば、キー2915を介してジョブIDが入力されたことに応答し、該キー2915により入力されたジョブID39028に対応するジョブのスケジューリング結果を、図58の画面中央上方部の表示領域(第1の表示領域とも呼ぶ)に表示させる。尚且つ、画面中央下方部の表示領域(第2の表示領域とも呼ぶ)に、該キー2915で指定されたジョブID39028のジョブの1個前に投入済みのジョブに相当するジョブID39027のジョブのスケジューリング結果を表示可能に制御する。
ここで、第1の表示領域及び第2の表示領域の夫々の領域にて、それぞれ、当該画面の縦軸方向に、処理対象のジョブを本システムにて完結させるにあたり(注目ジョブのワークフローを実行するにあたり)、本システムが具備する複数台のデバイス(画像形成装置やマネージャやシート処理装置等の各デバイスを含む)のうちの、どのデバイスを用いて、且つ、どのような処理工程を、且つ、どのような処理順番で、処理するか等を、オペレータにより識別可能にする為の情報を配列表示させるよう制御する。例えば、該注目ジョブのワークフローにおける複数の処理工程の各処理工程の名称を識別する為の工程名称情報を、それら複数の処理手順の処理順序がオペレータにより識別できるように、該複数の処理工程の実行順序と同じ順番で、該画面の縦軸の上から下に向かって順番に、上記第1表示領域および第2表示領域の各領域にて各ジョブ毎に、配列表示させるよう制御する。
図58の例を用いて説明すれば、ジョブID39028のジョブに関しては、受注・入稿マネージャ112を用いた受注処理を経て、その後、原稿編集マネージャ113を用いた編集処理を経て、その後、プルーフマネージャ114を用いたプルーフ処理を経て、その後、MFP105cを用いた印刷処理工程を経て、その後、フィニッシャ123(図1のくるみ製本機123に相当)を用いたシート処理工程(くるみ製本処理)を経て、その後、フィニッシャ121(図1の断裁機121に相当)を用いたシート処理工程(断裁処理)を経て、その後、ファイル保管マネージャ117を用いたジョブのデータ保管処理工程を経て、その後、納品・発送マネージャ118を用いた納品処理工程を経て、ジョブID39028のジョブを完結されるようスケジューリングされていることが、オペレータが上記第1表示領域の画面縦軸方向の上から順番に配列表示させているジョブID39028のジョブに関する各処理工程の名称情報を閲覧確認することで識別可能にしている。同様に、第2表示領域の画面縦軸方向においても、ジョブID39027のジョブが、本システムが具備する複数台のデバイス(画像形成装置やマネージャやシート処理装置等の各デバイスを含む)のうちの、どのデバイスを用いて、且つ、どのような処理工程を、且つ、どのような処理順番で、処理するかを、オペレータにより識別できるように、ジョブID39027のジョブのワークフローにおける各処理工程の名称情報を該縦軸方向の上から各処理工程の実行順序に即した順序で配列表示させるよう制御している。
更に、当該工程管理マネージャ111は、上記のような第1及び第2領域における画面縦軸方向に対する上記表示制御を実行と共に、図58の操作画面を参照し、上記第1の表示領域及び第2の表示領域の夫々の領域において、それぞれ、当該画面の横軸方向に、処理対象となる注目ジョブのワークフローにおける複数の処理工程の各処理工程が、どのような順番で、且つ、どのようなタイミングで、且つ、どのような日程で、実行されるかを、オペレータにより識別可能にする為の情報を配列表示させるように表示部を制御する。例えば、画面の横軸上の左から右方向に向かって、各処理工程の実行日時に関する情報を配列表示させ(該画面例では、10月19日→10月20日→10月21日→10月22)、注目ジョブのワークフローにおける複数の処理工程の各処理工程に要する作業期間を表現した各処理工程毎の棒グラフデータを、各処理工程の実行順序と同じ順序で、左から右方向に配列表示させ、尚且つ、各処理工程の作業期間を示す棒グラフデータを、処理工程毎に独立して1個ずつ下方向にずらすように配列表示させる。
図58の例を用いて説明すれば、ジョブID39028のジョブに関しては、受注・入稿マネージャ112を用いた受注処理が10月19日に実行され、その後、10月19日から10月20日において原稿編集マネージャ113を用いた編集処理が実行され、その後、プルーフマネージャ114を用いたプルーフ処理が10月20日に実行され、その後、その後、MFP105cを用いた印刷処理工程が10月20日から10月21において実行され、その後、フィニッシャ123(図1のくるみ製本機123に相当)を用いたシート処理工程(くるみ製本処理)とファイル保管マネージャ117を用いたジョブのデータ保管処理とが10月21日に実行され、その後、フィニッシャ121(図1の断裁機121に相当)を用いたシート処理工程(断裁処理)が10月21日から10月22日において実行され、その後、納品・発送マネージャ118を用いた納品処理工程が10月22日に実行され、このようなワークフローを経て、ジョブID39028のジョブを完結されるように工程管理マネージャ111によりスケジューリングしていることが、オペレータが上記第1表示領域の画面横軸方向の左から順番に配列表示させているジョブID39028のジョブに関する各処理工程の実行日時及び作業期間を識別する為の棒グラフ形式の日程情報を閲覧確認することで識別可能にしている。同様に、第2表示領域の画面横軸方向においても、ジョブID39027のジョブが、本システムが具備する複数台のデバイス(画像形成装置やマネージャやシート処理装置等の各デバイスを含む)のうちの、どのデバイスを用いて、且つ、どのような処理工程で、且つ、各処理工程が、それぞれ、どのような処理順番で、且つ、どれだけの作業期間で、且つ、どのようなタイミングで、且つ、どのような日程で、実行されるかを、オペレータにより識別できるように、ジョブID39027のジョブのワークフローにおける各処理工程の日程情報を該横軸方向の左から各処理工程の実行順序に即した順序で配列表示させるよう制御している。
又、更に、当該工程管理マネージャ111は、上記各表示制御を実行可能にする共に、各ジョブの工程の詳細をオペレータに報知する為のキー入力部を当該画面上に設け、各工程の詳細を確認可能に表示制御する。例えば、図58の画面上の工程名称情報の左側に、ユーザによるキー入力可能な「+」キーや、「−」キーを表示させ、該キーがユーザによりクリック(図示しないポインティングデバイス等で指示)されたことに応答し、選択された処理工程の詳細の情報を、表示部に表示させたり、縮めて表示(縮小表示)させたりするよう制御する。
図58の例では、ジョブID39028のワークフローにおける印刷工程と、フィニッシング工程が、ユーザによる上記キー操作により詳細に表示させている例であり、当該処理工程をどのデバイスが実行するかをオペレータにより識別可能にする為の情報としてデバイス名称を詳細情報として表示させている例である。これにより、ジョブID39028のジョブのワークフローにおける印刷工程は本システムが具備するMFP105cで実行され、シート処理工程は本システムが具備するシート処理装置123、121で実行されることが、各デバイス名称情報通知により、オペレータが識別できる。尚、工程管理マネージャ111は、「+」キーが表示された状態で「+」キーがユーザによりクリックされると、該「+」キーを「-」キーに表示遷移させ、且つ、デバイス名称を詳細情報として表示させ、一方、「-」キーが表示されている状態で、「-」キーがクリックされると、該「-」キーを「+」キーに表示変化させ、且つ、詳細情報としてのデバイス名称を画面上から消去する(閉じる)ように、表示制御している。
尚、上述した各表示制御の他にも、工程管理マネージャ111によるスケジューリング画面に関わる他の表示制御として、例えば、現在の日時情報を当該画面上に表示させたり、該画面上に表示させているジョブのワークフローにおいて、現在までに既に完了した処理工程が存在する場合や、現在処理中の処理工程が存在する場合に、それらを、オペレータが、前工程の処理待ち状態の未実行の処理工程と区別出来る表示形態(例えば、グレー表示や網掛け表示や点滅表示等の強調表示)で、図58の画面上で実行させるように制御しても良い。
本実施形態は、工程管理マネージャ111による表示制御により表示部に表示させる図58〜図61のような操作画面を介して、以下のようなことも実行可能に構成している。例えば、図58のスケジューリング画面を参照してみると、ジョブID#039028のジョブのワークフローに関し、それぞれの処理工程が順次途中までスムーズに進んでいるが、プリントマネージャ115が主体となる印刷工程からフィニッシング(後処理。シート処理とも呼ぶ)マネージャ116が主体となるシート処理工程に該ジョブが渡されるときにタイムラグが発生しているのが該画面上の第1表示領域に表示させている該ジョブのスケジューリング結果を参照することでオペレータにより確認させることが出来る。これは、上述した、本形態の工程管理マネージャ111による、第1指示乃至第4指示を含むスケジューリングを決定する為の複数の指示の中からオペレータにより指定された指示に従ったスケジューリング制御において、該工程管理マネージャ111が、オペレータからの第1指示により、複数のジョブを受注・マネージャ112による受注順にスケジュールを組んでいる場合(図57の操作画面上のプライオリティ選択ボタン2930を介して受注順優先(Order)がユーザにより選択されている場合)であり、且つ、ジョブID#039028のジョブの1個前に受注・入稿マネージャ112により受け付けた、ジョブID#039027のジョブのワークフローにおけるシート処理工程において、ジョブID#039028のジョブにて利用すべきフィニッシャと同じフィニッシャ121と123を利用するスケジューリングがなされている場合であるからである。このようなケースの場合、ジョブID#039028のジョブは、先に入力されたジョブID#039027のジョブのフィニッシング工程(シート処理工程)の完了を待たなければ、ジョブID#039028のジョブのシート処理工程を開始できないようにスケジューリングされている為、ここがボトルネックとなって納期が決まることとなる。
図58の操作画面に表示させたジョブスケジューリング結果を確認したユーザ(ここでは、本システムのオペレータとするが、クライアントユーザでも良い)が、上記スケジューリング結果の状況を把握した一方で、例えば、ジョブID#039028のジョブの顧客(クライアント)から該ジョブID#039028のジョブの納期をできるだけ早くして欲しいと依頼された場合でも、本形態では、工程管理マネージャ111による制御のもと、図58〜図61の操作画面上に表示させるプライオリティキー(優先順位キー)2916を介して、ジョブの優先度を変更し、且つ、ジョブワークフローのスケジューリングを再調整するよう工程管理マネージャ111に指示する為の操作をユーザ(ここでは、本システムのオペレータとするが、クライアントユーザでも良い)により、受け付け可能に構成していることで、上記のような要望にも対処可能に工程管理マネージャ111により制御している。
即ち、図58の表示画面に表示させた上記第1指示(受付順)に従って作成したジョブスケジューリング結果におけるジョブID#039028のジョブの納期予定日時よりも早いタイミング(日程)で、ジョブID#039028のジョブの納期予定日時が来るように、上記プライオリティキー(優先順位キー)2916を介して入力されたユーザからの指示に応答して、工程管理マネージャ111により制御可能に構成している。
例えば、図58の操作画面に表示させたスケジューリング結果(この結果は、例えば、工程管理マネージャ111が、図57の操作画面の設定部2930を介して設定された優先度情報や各ジョブに対して設定された印刷条件情報を含むユーザからの各種の設定情報や、本システムが具備するデバイス能力情報や各デバイスのカレントステータス情報に従ってスケジューリングした結果に基づく)に従った管理運用動作を本システムにて実行するように設定されている場合において、図58の操作画面のプライオリティキー(優先順位キー)2916を介して、現在の受注順優先(Order優先。第1指示に相当する)から納期日程優先(Delivery優先。第2指示に相当する)に変更するようにユーザ(ここでは、本システムのオペレータとするが、クライアントコンピュータ上でクライアントユーザが操作しても良い)から指示された場合、これを受け、工程管理マネージャ111は、図58の操作画面の設定部2916を介して設定された優先度情報(ここでは、第2指示が入力されている)や各ジョブに対して設定された印刷条件情報を含むユーザからの各種の設定情報や、本システムが具備するデバイス能力情報や各デバイスのカレントステータス情報に従って、上記ジョブID#039028のジョブのワークフローの完了タイミング(納期のタイミング)が、先の受注順に従ったスケジューリングにおける上記ジョブID#039028のジョブのワークフローの完了タイミングよりも可能な限り短縮できるように、再度、ジョブワークフローをスケジューリングし直すよう制御する。尚且つ、該工程管理マネージャ111は、再スケジューリングした結果をオペレータにフィードバックすべく、ユーザインタフェースにおけるユーザに対する報知内容を、以前のスケジューリング結果に基づいた報知内容から、該再調整したスケジューリング結果に基づいた報知内容に切り換えるように該ユーザインタフェースを制御する。
例えば、報知ユニットの一例としての表示部に表示させるべき表示内容を、図58に示す、受付順に従ったスケジューリング結果に基づいた表示内容から、図59に示す、納期順に従って再調整したスケジューリング結果に基づいた表示内容に遷移させるよう表示制御を実行する。尚、本形態では、報知ユニットによる報知処理の一例としての表示部による表示処理を用いるが、本形態は音声出力ユニットによる音声出力処理で対応可能に構成しても良い。
例えば、工程管理マネージャ111は、図59のジョブスケジューリング画面に示すように、納期日程優先(Delivery)に従って該工程管理マネージャ111により再スケジュールした結果に対応する表示内容を、上記のような表現形態(ジョブを完結させるうえで、本システムのどのデバイスを用いて、どのような処理工程を実行し、各処理工程は、どのような順番で実行され、どれだけの作業期間を必要とし、どのような日程で、実行されるのか等の情報を、オペレータが可視的且つグラフィカルに、各ジョブ毎に、識別確認可能な表現形態)で、表示部に表示させるよう制御する。図59のジョブスケジューリング画面は、再スケジューリング後のジョブスケジューリング結果を反映させており、この例では、図59のジョブスケジューリング画面を参照してもわかるように、ジョブID#039028のジョブの納期完了予定日(ワークフロー完了タイミング)が、図58に示した受注順優先(Order)のスケジュールに対して2日間も早く納品される(図58の画面で提示したスケジューリング結果では10月22日に完了予定だったのが、今回の再スケジューリングにより10月20日に完了するように再設定される)ように、工程管理マネージャ111が、再スケジューリングした結果を、オペレータに識別可能に表示部に表示させている。
工程管理マネージャ111による上述の再スケジューリング処理における工夫のポイントを上述の例を用いて説明する。例えば、ジョブID#039028のジョブのワークフローに関し、先に指示された受注順優先(Order)設定に基づいて構築したスケジュールでは、ジョブID#039028のジョブの画像データのプリント動作を1台のMFPにて実行させるように工程管理マネージャ111によりスケジューリングしていた。これに対して、今回のユーザからの優先度の設定変更により指示された納期日程優先(Delivery)設定に基づいて、工程管理マネージャ111により、ジョブID#039028のジョブの画像データのプリント動作を、1台の画像形成装置のみで実行させることを禁止して、3台のMFPによる分散印刷(クラスタプリント)を実行させるように再スケジューリングしている点が挙げられる(尚、工程管理マネージャ111は、プリントマネージャ115とのデータ通信により該プリントマネージャから取得したデバイス情報に基づいて、本システムには少なくとも複数台の画像形成装置が存在すること、及び、本システムにて3台のMPFによるクラスタプリント動作が実行可能であることを、把握した上で、上記のようなスケジューリングを実行している)。
これにより、納期優先対象のジョブID#039028のジョブのワークフローにおけるシート処理工程でのシート処理装置(フィニッシャ123と121)を利用するタイミングを、ジョブID#039027のジョブのワークフローにおけるシート処理工程でのシート処理装置(フィニッシャ123と121)を利用するタイミングよりも早くなるようにスケジューリングして、これにより、上記のようなボトルネックの問題を解消して、ジョブID#039028のジョブの納期を優先可能に制御している。
尚、納期を短縮させるようなスケジューリング方法として、他にも、例えば、後処理マネージャでも他のジョブより優先させることで時間短縮しており、その他のマネージャに関しても、作業員をより多く投入させたり、時間外も稼動させたりするなどして、ジョブID#039028のジョブの納期日程を縮めてスケジューリングさせることもできる。
次に、受注順優先(Order),納期日程優先(Delivery)のスケジュールの他に、コスト優先(Cost),品質優先(Quality)のスケジュールも同様に考えることができる。本形態は、受注順優先(Order優先。第1指示に対応),納期日程優先(Delivery優先。第2指示に対応)の他にコスト優先(Cost優先。第3指示に対応),品質優先(Quality優先。第4指示に対応)を含む、スケジューリングを決定するうえでの複数の指示を、工程管理マネージャ111により表示部に表示させる図58〜図61に示すような操作画面上のプライオリティキー(優先順位キー)2916(或いは、図57の操作画面のプライオリティ選択部2930)を介して、ユーザ(この例では本システムのオペレータ。図57〜図61の操作画面をクライアントコンピュータ上に表示させる場合にはクライアントユーザでも良い。)のキー操作により、選択的に入力受付可能にしている。
このような構成のもと、例えば、プライオリティキー(優先順位キー)2916を介して、コスト優先(Cost優先。第3指示に対応)がユーザから指示された場合、工程管理マネージャ111は、該第3指示に従ってスケジューリングを再調整するよう制御すると共に、スケジューリングを再構築したら、該新たに作成しなおしたスケジューリング結果を、表示部に反映させるべく、図58や図59に示したジョブスケージューリング画面の表示内容を、例えば、図60のコスト優先のジョブスケジュール画面に切り換える(更新する)ように表示部を制御する。又、例えば、プライオリティキー(優先順位キー)2916を介して、品質優先(Quality優先。第4指示に対応)に変更するよう指示された場合、工程管理マネージャ111は、該第4指示に従ってスケジューリングを再調整するよう制御すると共に、スケジューリングを再構築したら、該新たに作成しなおしたスケジューリング結果を、表示部に反映させるべく、図58や図59や図60に示すジョブスケージューリング画面の表示内容を、例えば、図61に示す品質優先のジョブスケジュール画面に切り換える(更新する)ように表示部を制御する。
図60に示すコスト優先(Cost)のジョブスケジュール画面では、ジョブID#039028のジョブがコスト優先でスケジューリングされたものであり、この例では、予めそれぞれの工程に対して余裕を持ってスケジューリングされており、後から受注・入稿マネージャ112に入力されたジョブが日程優先の場合ならば、そちらを優先させてもいいように、あらかじめ該ジョブID#039028の顧客には該ジョブID#039028のジョブの納期に関して、余裕を持ってスケジューリングしており、その分、該ジョブID#039028の顧客(クライアント)に対しては、印刷費用の割引の度合いを高めるようにすることが出来る。工程管理マネージャ111は、このようなスケジューリングを該第3指示が入力された場合に設定可能にし、その結果を図61のような操作画面を介してユーザにフィードバックするよう表示制御する。
尚、いくらコスト優先であっても、後から受注・入稿マネージャ112に入力された日程優先のジョブに常に追い抜かれていては、該ジョブID#039028のジョブの出力結果を納品できない可能性がでてくるので、工程管理マネージャ111により以下のように対処可能に構成しても良い。
例えば、遅れてもデッドラインとなる日程だけはあらかじめ決めておくように、納期の延長期限に関する情報を、予め、該ジョブID#039028のジョブの情報として、該ジョブID#039028のジョブの発注処理を行う為のクライアントコンピュータ上の操作画面を介してクライアントからの指示として入力可能にし、工程管理マネージャ111は、該情報を基づいて、納期の最大延長期限を決定して、その期限を守ることを前提条件として、上記コスト優先に基づいたスケジューリングを行うように工程管理マネージャ111が制御する構成でも良い。
又、該ジョブID#039028のユーザからの納期希望日から所定日数経過した日時を上記デッドラインとしてスケジューリングし、例えば、該ジョブID#039028のユーザからの納期希望日から所定日数経過するまでに、該ジョブID#039028のジョブが完了することを前提条件として、上記コスト優先に基づいたスケジューリングを行うように工程管理マネージャ111が制御する構成でも良い。尚、この場合、管理者が予め上記所定日数情報を初期設定として入力可能に構成する。
図61に示す品質優先のジョブスケジュール画面は、例えば図58〜図60の何れかの操作画面のプライオリティキー2916を介してユーザにより品質優先(Quality優先。第4指示に対応)が入力された場合に、表示部に表示させる操作画面例である。プライオリティキー2916を介して該第4指示が入力された場合、これを受け、工程管理マネージャ111は、ジョブワークフローのスケジューリング処理を実行し、上記第4指示に従った品質優先用のスケジューリングを作成決定する(既にスケジューリング済みの場合はスケジューリングを再調整する)。そして、該スケジューリング処理が完了したら、その品質優先用に作成(再調整)したスケジューリング結果に対応する情報を、図61のような品質優先のジョブスケジュール画面として、表示部に表示させるよう制御する。この例は、工程管理マネージャ111が、ユーザからの指示により、ジョブID#039028のジョブを品質優先でスケジューリングした場合の例である。
図61の画面のスケジューリング結果を見ても分かるように、品質優先が指示されたジョブID#039028に対応するジョブのワークフローにおいて、1つの処理工程が完了する毎に、確認工程を時実行するようにスケジューリングしている。このように、例え納期が遅れても品質を確保する工程を入れるようなスケジューリングを、上記第4指示が入力された場合に、工程管理マネージャ111により実行可能にする。
このように、プライオリティキー2916を切り替えることで、受注順,納期
優先,コスト優先,品質優先等を切り替えてスケジューリングすることができる
。さらに、デバイスや作業者の稼働率などを優先して考える等、様々な方向から
スケジューリングするように構成してもよい。
尚、図57〜図61の操作画面等のユーザインタフェースを介してユーザにより選択的に入力可能とする、上記第1指示〜第4指示を含む、工程管理マネージャ111によりジョブのワークフローのスケジューリングを実行するうえで用いられる複数の指示を、ジョブ毎(例えば、図58〜図61の操作画面のジョブID入力部2915を介して入力される各ジョブ毎)に設定可能にしても良いし、本システムの共通設定として、何れかの指示が入力されたら、受注・入稿マネージャ112を介して入力される複数のジョブの全てに対して該指示を有効にするようにしても良い。このように、ジョブ単位で上記指示を設定可能にしても良いし、複数のジョブの全てのジョブに対して一律(共通)に、上記指示を設定可能にしても良い。但し、これら何れのケースの場合においても、一旦、指示が入力された後でも、再度、新たに指示をユーザから受付可能に制御し、上記制御例の如く、優先度の設定変更、ジョブのスケジューリングの再調整を、新たに指示が入力される度に、実行可能に制御する。
図62は、図1に示した工程管理マネージャ111によるスケジューリング処理(本発明の第10の制御処理)の一例を示すフローチャートであり、プライオリティに応じて他のジョブとスケジュールを調整する処理に対応する。なお、S3001〜S3011は各ステップを示す。
また、受注順をデフォルトとした場合(どの優先度をデフォルトとするかを予め管理者等により操作部を介して設定可能にしている)を例として説明する。又、以下のフローチャートで説明するスケジューリング処理を行ううえで、工程管理マネージャ111は、次のような処理、判断も、事前及びリアルタイムに適宜行っている。例えば、その他のマネージャ112〜119とデータ通信処理を行う。
これにより、工程管理マネージャ111は、例えば、受注・入稿マネージャ112から取得した情報に基づいて、処理対象となる各ジョブは、夫々、どのような印刷出力条件が設定されているかを特定可能にする為のジョブの出力条件情報を入手把握する。又、各マネージャ112〜119から獲得したデバイス情報に基づいて、本システムには、どのようなデバイスが何台存在し、且つ、それら各デバイスはどのような機能、ユニットを具備しているのか等のデバイス情報を入手把握する。又、各マネージャ112〜119から取得したステータス情報に基づいて、デバイスの各種ステータス情報(ジョブの処理待ち状態、ジョブ処理実行中状態、エラー状態や、ジョブの処理状況等のカレント情報)を入手把握する。このような情報も、以下のフローチャートにおけるスケジューリングを決定するうえでの必要な判断情報として、工程管理マネージャ111により適宜獲得可能にし、以下のスケジューリング処理に利用している。
まず、工程管理マネージャ111は、本システムにて受け付けたジョブの工程管理に関し、受注順(Order順)にスケジュールを生成する。又、この受注順に基づいて作成したスケジューリング結果の情報を、ハードディスク等のメモリに登録しておき、図58の操作画面に示すが如く、ユーザからの指示に応答し、表示部等の報知ユニットに該スケジューリング結果を読出して表示可能にする(S3001)。
次に、図57〜図61の何れかの操作画面を介してユーザにより入力されたジョブIDに対応するジョブに対して、コスト優先が選択されているか否かを、図57の操作画面のプライオリティ選択部2930や図58〜図61の各操作画面の何れかの操作画面のプライオリティ選択部2916を介して入力されたユーザからの指示の内容を確認することで、判定する(S3002)。
図57〜図61の何れかの操作画面を介してユーザにより入力されたジョブIDに対応するジョブに対して、コスト優先が選択されていると判断した場合には、コストが最優先となるようなジョブのワークフローのスケジューリングを行う。例えば、上記各種の情報(ジョブの出力条件情報やデバイス情報やステータス情報)を確認しながら、コスト優先対象となるジョブの処理を他のジョブの処理の実行後に行うなどの後回し処理や、日程や品質のパラメータを抑えるなどの処理を、行うようなスケジューリングとなるようスケジュールを調整する(例えば、日程/品質の優先順位を1つ下げる)。そして、このコスト優先順に基づいて作成したスケジューリング結果の情報を、ハードディスク等のメモリに登録しておき、図60の操作画面に示すが如く、ユーザからの指示に応答し、表示部等の報知ユニットに該スケジューリング結果を読出して表示可能にする(S3003)。
そして、該スケジューリング設定でもって、本システムを運用するように、ステップS3004等の後段のステップの処理をそのままスルーするかたちで、本フローチャートの処理を終了する。一方、ステップS3002の判断でコスト優先が選択されていないと判断した場合には、そのままステップS3004に進む。
次に、ステップS3004において、図57〜図61の何れかの操作画面を介してユーザにより入力されたジョブIDに対応するジョブに対して、品質優先が選択されているか否かを、図57の操作画面のプライオリティ選択部2930や図58〜図61の各操作画面の何れかの操作画面のプライオリティ選択部2916を介して入力されたユーザからの指示の内容を確認することで、判定する。品質優先が選択されていると判断した場合には、そのジョブの品質を向上させるようなジョブワークフローのスケジューリングを行う。
例えば、上記各種の情報(ジョブの出力条件情報やデバイス情報やステータス情報)を確認しながら、該ジョブのワークフロー内に品質の確認工程を該ジョブの各処理工程の間に追加挿入するようにスケジュールを調整する。そして、この品質優先に基づいて作成したスケジューリング結果の情報を、ハードディスク等のメモリに登録しておき、図61の操作画面に示すが如く、ユーザからの指示に応答し、表示部等の報知ユニットに該スケジューリング結果を読出して表示可能にする(S3005)。
そして、該スケジューリング設定でもって、本システムを運用するように、ステップS3006等の後段のステップの処理をそのままスルーするかたちで、本フローチャートの処理を終了する。一方、ステップS3004の判断で、品質優先が選択されていないと判断した場合には、そのままステップS3006に進む。
次に、ステップS3006において、図57〜図61の何れかの操作画面を介してユーザにより入力されたジョブIDに対応するジョブに対して、納期日程優先が選択されているか否かを、図57の操作画面のプライオリティ選択部2930や図58〜図61の各操作画面の何れかの操作画面のプライオリティ選択部2916を介して入力されたユーザからの指示の内容を確認することで、判定する。
納期日程優先が選択されていると判断した場合には、そのジョブの納期が早くなる(そのジョブのワークフローが、他のジョブのワークフローの完了よりも早く完了する)ようなスケジューリングを設定する。該ジョブの納期を短縮する為の方法としては、例えば、該ジョブのワークフローの印刷工程にて、1台の画像形成装置により該ジョブの印刷動作を実行させる非クラスタプリントモードを実行させずに、本システムが具備する複数の画像形成装置により同時に該ジョブの印刷動作を分担して実行させるクラスタプリントモードを実行させる。これにより、1つの処理工程(ここでは、印刷工程)に要する時間を短縮する分、全体の作業時間を短縮する方法がある。よって、ここでは、該ジョブに対して、上記非クラスタプリントモードの実行を禁止して、クラスタプリントモードを実行させるべく、例えば、上記各種の情報(ジョブの出力条件情報やデバイス情報やステータス情報)を確認することで、本システムにて該ジョブの為のクラスタプリント動作が実行可能か否かを判断し(S3007)、本システムにて該ジョブの為にクラスタプリント動作が実行可能であると判断した場合には、該ジョブのワークフローにおける印刷工程にて本システムが具備する複数台の画像形成装置による該ジョブのクラスタプリント動作を実行させるようなワークフローに再スケジュールする。そして、この納期順優先に基づいて作成したスケジューリング結果の情報を、ハードディスク等のメモリに登録しておき、図59の操作画面に示すが如く、ユーザからの指示に応答し、表示部等の報知ユニットに該スケジューリング結果を読出して表示可能にする(S3008)。そして、該スケジューリング設定でもって、本システムを運用するように、ステップS3009等の後段のステップの処理をそのままスルーするかたちで、本フローチャートの処理を終了する。
一方、ステップS3007の判断にて、該ジョブの為のクラスタプリント動作が実行不可能と判断した場合には、そのままステップS3009に進む。
次に、ステップS3009において、仕掛かりジョブ(処理が途中のジョブを含む、本システムに受け付けたジョブのうちの、処理が完了していないジョブに相当)に、順序入替可能なものがあるか否かを、例えば、上記各種の情報(ジョブの出力条件情報やデバイス情報やステータス情報)を確認することで、判断する。仕掛かりジョブのうちの入替可能なジョブの一例としては、例えば、印刷処理工程が完了し、且つ、シート処理工程での処理を順番待ちしているジョブ(待機中ジョブ)などが該当する。このように、ワークフローにおいて、少なくとも、1つの処理工程が終了し、且つ、次の処理工程が開始されていないジョブがこれに該当する。仕掛かりジョブのうちの入替不可能なジョブの一例としては、例えば、該ジョブにて利用すべきデバイスと同一のデバイスを用いる競合対象のジョブで且つ、印刷処理実行中等の、ワークフローにおける1つの処理工程にて処理中のジョブがこれに該当する。
ステップS3009にて仕掛かりジョブのうちの順序入替可能なジョブが存在すると判断した場合には、当該ジョブと入替可能なジョブのスケジュールの入替を行う(即ち、該ジョブのワークフローを、他の入替可能なジョブのワークフローの完了前に優先して完了させる)ようなスケジューリングを設定する。そして、この納期順優先に基づいて作成したスケジューリング結果の情報を、ハードディスク等のメモリに登録しておき、図59の操作画面に示すが如く、ユーザからの指示に応答し、表示部等の報知ユニットに該スケジューリング結果を読出して表示可能にする(S3011)。そして、該スケジューリング設定でもって、本システムを運用するように、本フローチャートの処理を終了する。
一方、ステップS3009の判断において、仕掛かりジョブ(処理が途中のジョブを含む、処理が完了していないジョブに相当)に順序入替可能なものがないと判断した場合には、受注順(Order順)に従ったスケジューリングを設定する。例えば、図57〜図61の何れかの操作画面を介してユーザにより入力されたジョブIDに対応する当該注目ジョブのワークフローを、当該注目ジョブよりも前に既に受注・マネージャ112を介して受信したジョブのワークフローが完了した後に、完了するようにスケジューリングする。
尚、この場合、先のステップS3001の処理にて既に作成済みのメモリに保持しておいた上記受注順に従ったスケジューリング情報を該メモリから読み出して、当該受注順に従ったスケジューリング情報に基づいて、本システムを運用するように制御する(S3010)。そして、本フローチャートの処理を終了する。
尚、図示しないが、上記フローチャートのサブフローチャートとして、上記フローチャートにおけるスケジューリング処理により作成済みの該メモリに格納したスケジューリング結果の情報を、図58〜図61の各操作画面の何れかの操作画面のプライオリティ選択部2916からの指示に基づいて、図58〜図61のようなジョブスケジューリング画面として表示部に表示させるスケジューリング結果表示処理を、上記フローチャートにおけるスケジューリング決定処理に並行して実行するよう制御する。なお且つ、本システムにて運用が確定したスケジューリング結果に対応したスケジューリング結果を表示部に表示可能に制御する。
又、上記工程管理マネージャ111は、上記フローチャートの処理を経て、実際の運用を決定したジョブワークフローのスケジューリングにより、本システムを運用動作可能に制御する。以下の2つのスケジューリング運用制御例を用いて説明する。
(運用例1)
例えば、上記図62のフローチャートの処理を経て、確定した本システムにおけるジョブワークフローのスケジューリング情報を、上記工程管理マネージャ111が、自身の上記ハードディスク等のメモリから読み出して、通信ユニットやネットワーク101等を介して、他の全てのマネージャ112〜119にデータ配信し、各マネージャが具備するハードディスク等のメモリに上記情報を登録させる。そして、各マネージャが、各マネージャが管理する各デバイス(スキャナ106や画像形成装置104〜105やシート処理装置121〜126)に、それぞれ、該情報を提供可能にし、自身で管理するデバイスを各々制御可能にする。尚、工程マネージャ111の機能を具備したコンピュータ自身に他のマネージャ112〜119の機能が内蔵され、1台のコンピュータですべてを管理しているならば、この処理は不要とする。いずれにしても、本システムが具備するコンピュータやスキャナ装置106やMFPやSFP等の画像形成装置104〜105並びにシート処理装置121〜126を含む、本システムが具備する複数台のデバイスに対して上記決定したスケジューリング情報を伝達可能し、各デバイスに該情報に従った動作を実行させるように制御可能な構成であれば、如何なる形態でもよい。又、各デバイスにジョブのデータ(例えば、画像データ)を転送する場合は、そのジョブのIDが特定できるように、該ジョブの印刷処理条件情報と共に該ジョブを特定する為のジョブID(このジョブIDは、上記マネージャの何れかのマネージャにより生成させる)も該ジョブの画像データ等に対応付けて転送可能にする。
以上のような前提構成のもと、本システムにおいて、例えば、コンピュータやスキャナ等のデバイスから出力されたジョブのデータ(画像データ)を、MFP等の画像形成装置が受信した場合、該画像形成装置は、該ジョブのデータとして画像データと共に受信したジョブID情報を解析することで、該ジョブのジョブIDを特定する。そして、該画像形成装置は、そのジョブIDに対応するジョブの画像データを印刷させる為の印刷動作開始タイミングを、上記工程管理マネージャ111から予め獲得した上記スケジューリング情報と比較参照したうえで決定する。
例えば、上記工程管理マネージャ111が生成したスケジューリング情報には、ジョブのワークフローが完結するうえで、どのような処理工程を、どのデバイスにて、実行するのか等を、各ジョブ毎に、各デバイスが特定可能にする情報(工程確認情報)が含まれている。尚且つ、該情報には、1つのジョブのワークフローに含まれる複数の処理工程の各処理工程を、如何なるタイミングで、どのデバイスに実行させるか等を、ジョブ単位で、特定可能にする為の情報(日程情報)も含まれている(尚、これら情報は、上記各種の表示例で述べたように、オペレータ等のユーザ自身も確認できる情報である)。該画像形成装置を含む各デバイスは、他のデバイスから受信したジョブの処理を自装置にていつ実行すべきかを各々判断可能に構成されている。
よって、該画像形成装置も、該スケジューリング情報をチェックした結果、該受信したジョブは自装置にて直ぐに印刷すべきジョブであると判断したならば、該ジョブの印刷動作を開始実行する。一方、該スケジューリング情報を参照した結果、該受信したジョブは、直ぐに印刷すべきジョブではないと判断したならば、そのジョブの画像データを該画像形成装置が具備するハードディスク等のメモリに格納保持しておき、上記スケジューリング情報に基づいて決定した印刷開始タイミングにて、該ジョブを該メモリから読み出して印刷実行可能にする。
又、例えば、該画像形成装置は、該スケジューリング情報を確認した結果、すぐにでも印刷動作を自装置にて実行すべきジョブが本システムに存在するはずなのに、該画像形成自身が該ジョブの画像データを受信していないと判断した場合には、該画像形成装置を用いた印刷工程に先立って他のデバイスにて実行すべき前処理工程(例えば、原稿編集処理マネージャ113を用いた原稿編集処理工程プルーフマネージャ114を用いたプルーフ処理工程等)にて、ジョブ処理の遅延が生じていたり、エラーが発生している可能性等を考慮し、その旨を示すエラー情報を、プリントマネージャ115等を介して、工程管理マネージャ111に送信(通知)する。
このように、各デバイスは、工程管理マネージャ111から獲得したスケジューリング情報によれば、自装置にて直ぐにでも処理すべきジョブが存在するのにもかかわらず、該当するジョブを受け取っていないと判断した場合に、その旨を示す情報を、ネットワーク101等の通信媒体を介して、工程管理マネージャ111に送信(通知)し、該工程管理マネージャ111により、スケジューリングの再調整や、クライアントやオペレータ等のユーザへのエラー報知処理を実行してもらうように、依頼できるような構成としている。
(運用例2)
上記運用例1では、画像形成装置が、他のデバイスにおける前工程にて処理済みのジョブのデータを、電子データ(画像データ)形式で、他のデバイスから受け取っている。本システムは、ジョブのデータを、電子データで受け取る場合もあるが、紙データで受け取る場合にも対応可能に構成されている。紙データとは、スキャナで読取る対象の、紙原稿や、上記のような画像形成装置にて印刷処理が施された記録紙が、これに該当する。この運用例では、ジョブのデータを、このような紙データ形式で、受け取って処理するデバイスにおける該スケジューリング情報に基づいた動作制御例について説明する。
例えば、工程管理マネージャ111にて決定されたスケジューリング結果によれば、ジョブのワークフローにおいて、上記運用例1における画像形成装置による印刷処理工程を実行後、シート処理装置(121〜126のいずれか)によるシート処理工程(例えば、ステイプル処理や製本処理や折り処理等)を実行するようなスケジューリングが設定されているジョブが存在するとする。このようなジョブを、シート処理装置(121〜126のいずれか)にて、上記工程管理マネージャ111からのスケジューリング情報によって、どのように動作させるかを説明する。尚、シート処理装置が、工程管理マネージャ111にて生成されたスケジューリング情報を獲得して自装置のメモリにセットするまでの処理は、上記運用例1と同様なので、省略する。
シート処理装置は、工程管理マネージャ111から出力されたジョブワークフローのスケジューリング情報を確認した結果、上記運用例1の画像形成装置にて印刷された記録紙束に対してシート処理を実行するジョブが存在することを把握し、且つ、そのようなジョブのうちの自装置で処理すべきジョブを、上記スケジュール情報により特定しておき、更に、そのジョブのシート処理を、如何なるタイミングで実行すべきかを予め特定しておく。
本システムでは、該ジョブのワークフローにおける、画像形成装置にて印刷処理工程が完了してから該シート処理装置によるシート処理工程を開始するまでの期間(1つのワークフローにおける、1台のデバイスによる、ある処理工程の完了から、別の1台のデバイスによる別の処理工程の開始までの期間)において、本システムの作業者による、該画像形成装置で印刷された記録紙の取出作業や、台車等を用いた記録紙の搬入作業や、該シート処理装置の積載部に対する該記録紙の載置作業等、本システムにおけるオペレータによる介入作業が発生する場合がある。ここでは、このようなオペレータによる介入作業を積極的に活用可能にする。
例えば、上記画像形成装置にて印刷された記録紙が画像形成装置からオペレータの介入作業により、該シート処理装置の積載部にセットされたら、該シート処理装置は、そのセットした記録紙束のジョブIDを、該シート処理装置が具備する操作部を介して該オペレータのキー入力により、オペレータにより入力させるよう指示する。これにより、該シート処理装置の積載部にセットされた実際の記録紙束(これが、紙データに相当)のIDを、該シート処理装置が特定可能にする。尚、このようなオペレータのキー入力を必要とせずに、例えば、記録紙にバーコード等のジョブIDを特定する為の付加情報を、前工程である、上記画像形成装置による印刷工程において、該ジョブの画像データと共に印字させておき、該付加情報付きの記録紙束の該付加情報を、該シート処理装置が具備するスキャナにより読取らせることで、該シート処理装置の積載部にセットされた実際の記録紙束(これが、紙データに相当)のIDを、該シート処理装置が特定可能にする構成でもよい。いずれにしても、シート処理装置に実際にセットされた記録紙束のジョブIDが特定可能な構成であれば如何なる形態であってもよい。
そして、該シート処理装置は、先のチェックしたスケジューリング情報の解析結果をもとに、該シート処理装置の積載部にセットされた記録紙束が、直ぐにでもシート処理を実行すべきジョブIDのジョブであるかを判断し、処理すべきと判断したら、該積載部から該記録紙の搬送を開始して、シート処理ユニット(例えば、ステイプラ)によるシート処理を実行して、排紙部に排出するよう制御する。一方、まだ処理すべきジョブではないジョブの記録紙であると判断した場合には、そのまま積載部にストックしておき、該スケジューリング情報により決定されるシート処理を実行すべきタイミングに達するまで、該記録紙に対するシート処理動作の実行を待機させる。
又、例えば、該シート処理装置は、該スケジューリング情報を確認した結果、すぐにでもシート処理動作を自装置にて実行すべきジョブが本システムに存在するはずなのに、該シート処理装置自身が該ジョブの記録紙束を受け取っていない(シート処理装置の積載部に紙原稿がセットされていない)と判断した場合には、該シート処理装置を用いたシート処理工程に先立って他のデバイスにて実行すべき前処理工程(例えば、原稿編集処理マネージャ113を用いた原稿編集処理工程プルーフマネージャ114を用いたプルーフ処理工程、画像形成装置による印刷工程等)にて、ジョブ処理の遅延が生じていたり、エラーが発生している可能性等を考慮し、その旨を示すエラー情報を、プリントマネージャ115等を介して、工程管理マネージャ111に送信(通知)する。
工程管理マネージャ111は、以上の2つの運用例のような運用を、本システムにおける各デバイスにて実行可能にしてシステム全体を統括的に制御しており、上述の図62のフローチャートの処理を経て、実際の運用を決定したジョブワークフローのスケジューリングデータに従った管理運用動作を、本システムにより実行可能に制御している。これにより、ワークフローの管理ばかりでなく運用面からみても最適なシステム構築が可能となる。
又、以上の説明では、ジョブ単位に、受注順、納期日程優先、コスト優先、品質優先等のモードを切り替えて(選択して)スケジュールする構成について説明したが、ジョブ単位だけでなく、コスト低減のためのシステムの最適化の優先、システムの稼働率の優先等のモードも切り替えて(選択して)スケジュール可能に構成してもよい。
また受注順、納期日程優先、コスト優先、品質優先、コスト低減のためのシステムの最適化の優先、システムの稼働率の優先等のモードを切り替えてスケジュールする構成について説明したが、上記モードの切り換えのみではなく、受注順、納期優先、コスト優先、品質優先、先システムの最適化の優先、コスト低減のためのシステムの稼働率の優先等のモードから複数のモードを選択可能とし、該選択された複数のモードを組み合わせてスケジューリングするように構成してもよい。
さらに、上述したスケジューリングのモードは、一旦スケジューリングされた後であっても切り替え可能であり、上記スケジューリングのモードが切り替えられた場合には、工程管理マネージャ111は再スケジュールを行うだけでなく、再スケジューリングされたスケジュールを再表示するように構成する。尚且つ、工程管理マネージャ111は、本システムにて運用を決定したスケジューリング結果に従った動作を、本システムの各デバイスに実行させるよう制御可能にしており、システム全体を統括制御する。
以上説明したように、工程管理マネージャ111が主体となり、印刷業界およびPOD市場における工程を分類化して(ジョブに対して、受注・入稿、原稿編集、プルーフ、プリント、後処理、ファイル保管、納品・発送、あるいは、スキャン等の工程に分類化して、各工程を効率的な作業手順、順序、及び、他のジョブとの順序等を考慮して最適なスケジューリングを行うことで、当該画像形成システムのようなシステムにおいて、効率的な工程管理を行うことができる。尚且つ、スケジューリングに従った動作を、本システムの各デバイスに実行可能に制御することで、当該画像形成システムのようなシステムにおいて、効率的な工程運用を行うことができる。
また、各工程に分類されたスケジュールを一覧表示することで、効率的な工程管理を行うことができる。
さらに、それぞれのジョブに対して、受注順、納期優先、コスト優先、品質優先などのモードを設け、他のジョブと調整を行って全体をスケジューリングすることで顧客のニーズに合った出力を行うことが可能となる。
更に、工程管理マネージャ111は、以下のような制御にも携わっている。
例えば、上述したように、本システムの工程管理マネージャ111により提供させる、図57〜図61の操作画面等のユーザインタフェースを介して、ジョブIDと共に上記第1指示〜第4指示を含む複数の指示を選択的に入力可能としている。
又、本システムの工程管理マネージャ111は、該操作画面を介して入力されたジョブIDに対応するジョブ(本例では、ジョブIDが#039028のジョブ)のワークフローを、該ジョブIDに対応するジョブ(本例では、ジョブIDが#039028のジョブ)の前に受注・入稿マネージャ112に既に入力済みのジョブ(本例では、ジョブIDが#039027のジョブ)のワークフローが完了した後に、完了させるように、ジョブのワークフローを、スケジュールする、スケジューリング(第1のスケジューリングとも称す)と、該操作画面を介して入力されたジョブIDに対応するジョブ(本例では、ジョブIDが#039028のジョブ)のワークフローを、該ジョブIDに対応するジョブ(本例では、ジョブIDが#039028のジョブ)の前に受注・入稿マネージャ112に既に入力済みのジョブ(本例では、ジョブIDが#039027のジョブ)のワークフローが完了する前に、完了させるように、ジョブのワークフローをスケジュールする、スケジューリング(第2のスケジューリング)と、を含む、複数種類のスケジューリング方法を選択的に設定可能とする。
そして、例えば、該ユーザインタフェースを介して、上記第1指示(受け付け優先)が入力された場合に、上記第1スケジューリングを設定可能にし、上記第2指示(納期優先)が入力された場合に、上記第2スケジューリングを設定可能にする。そして、工程管理マネージャ111は、設定(再調整含む)が確定したジョブワークフローのスケジューリングでもって本システムの各デバイスを動作可能に制御し、且つ、決定したスケジューリングの情報をユーザインタフェースを介してユーザに報知可能に制御している。
ここで、上記第2スケジューリングで本システムを制御する場合、ユーザのキー操作により選択されたジョブIDに対応するジョブ(本例では、ジョブIDが#039028のジョブ)のワークフローを、該ジョブIDに対応するジョブ(本例では、ジョブIDが#039028のジョブ)の前に受注・入稿マネージャ112に既に入力されたジョブ(本例では、ジョブIDが#039027のジョブ)のワークフローが完了する前に、完了させるように、本システムの各デバイスを工程管理マネージャ111により制御している(これを、後続ジョブのワークフローの追い越し制御と称す。又、第2ワークフローシーケンスとも称す。尚、前述の、第1スケジューリングに従ったワークフロー動作を、第1ワークフローシーケンスと称す)。
本実施形態は、この第2スケジューリングに従った第2ワークフローシーケンスを本システムにて実行する場合に、ユーザのキー操作により選択されたジョブIDに対応するジョブ(本例では、ジョブIDが#039028のジョブ)のワークフローに含まれる最初の処理工程の実行を、該ジョブIDに対応するジョブ(本例では、ジョブIDが#039028のジョブ)の前に受注・入稿マネージャ112に既に入力されたジョブ(本例では、ジョブIDが#039027のジョブ)のワークフローに含まれるに最初の処理工程の実行が開始される前に、開始可能に制御している(第1の制御)。
なお且つ、この第2スケジューリングに従った第2ワークフローシーケンスを本システムにて実行する場合に、ユーザのキー操作により選択されたジョブIDに対応するジョブ(本例では、ジョブIDが#039028のジョブ)のワークフローに含まれる最初の処理工程の実行を、該ジョブIDに対応するジョブ(本例では、ジョブIDが#039028のジョブ)の前に受注・入稿マネージャ112に既に入力されたジョブ(本例では、ジョブIDが#039027のジョブ)のワークフローに含まれるに最初の処理工程の実行が開始された後でも、開始可能にする制御(第2の制御)も、許可している。
つまり、上述の2つの制御の何れかの制御を採用しても、第2スケジューリングに従った第2ワークフローシーケンスを本システムにて展開実行する場合に、上記の如く、後続ジョブ(本例では、ジョブIDが#039028のジョブ)のワークフローを、先行ジョブ(本例では、ジョブIDが#039027のジョブ)のワークフローを完了する前に、完了させるように動作可能に制御出来るならば、どちらの制御を実行しても良いように、工程管理マネージャ111により制御している。
本実施形態は、このようなルールを応用して、例えば、工程管理マネージャ111が主体となって、以下の様な構成を前提とした、以下のような制御を、実行可能にする。
例えば、本システムが具備するMFPやSFP等の画像形成装置は、自装置に入力された第1の印刷ジョブ及び該第1ジョブの後に入力される第2の印刷ジョブを含む複数の印刷ジョブを、自装置が具備するハードディスク等のメモリに順次格納可能に構成している。
更に、該画像形成装置は、このような構成のもと、例えば、該第1の印刷ジョブの印刷動作を実行中に、該第1の印刷ジョブの印刷動作を中断させて、該第1印刷ジョブの後に入力されて該メモリに格納保持させた該第2の印刷ジョブの印刷動作を、該中断状態下において、開始可能にする割込印刷機能を具備している。このように、本システムの画像形成装置において印刷処理中の印刷ジョブを中断して別の印刷ジョブの印刷処理を実行可能にする機能を具備する。
更に、該画像形成装置は、該第1の印刷ジョブが、他の印刷ジョブ(印刷ジョブXとする)の印刷実行中であること等に起因して、上記メモリに印刷待ち状態(未だ、第1の印刷ジョブの印刷を開始していない状態)である場合で、且つ、該第2の印刷ジョブの画像データが入力され、上記メモリに格納された場合等において、該第1印刷ジョブ及び該第2印刷ジョブに対して設定された優先順位の比較結果に基づいて、該第1の印刷ジョブの印刷動作を開始する前に、後から入力された該第2の印刷ジョブの印刷動作を優先的に開始可能にする追越印刷機能も具備している。このように、印刷処理中の印刷ジョブ(印刷ジョブX)が終了した後に、他の印刷ジョブ(第1の印刷ジョブ)よりも優先して別のジョブ(第2の印刷ジョブ)の印刷処理を実行可能にする機能を具備している。
尚、上述の2つの機能は、例えば、SFP等のプリンタ機能(プリンタモードとも呼ぶ)しか具備していない画像形成装置の場合は、互いに同一機能であるプリンタ機能(プリントモード)同士のジョブの間で、実行可能にする。一方、MFPのように、コピー機能やファクシミリ機能やプリント機能等の複数の機能(複数のモードとも呼ぶ)を具備する画像形成装置の場合には、上記の如く、同一機能のジョブ同士(例えば、第1の印刷ジョブ及び第2の印刷ジョブが、両方とも、プリントモードのジョブである場合)であっても、互いに異なる機能同士のジョブ(例えば、第1の印刷ジョブはプリントモードのジョブで、第2の印刷ジョブはコピーモードのジョブである場合等)であっても、上述の割込印刷機能や追越印刷機能を動作可能に制御する。
上述の2つの機能は、印刷ジョブの印刷が完了するタイミングが、設定次第で、短縮されたりも、遅延されたりもする機能である。しかし、このような処理時間の短縮や遅延は、画像形成装置という、1台のデバイスにおける、印刷処理工程という、1つの処理工程の間において、主に影響が出る機能である。
このような画像形成装置を本システムが具備している場合に、工程管理マネージャ111は、上述したルールを応用し、以下のように制御する。
(制御例1)
本システムにて、上述の第1スケジューリング(例えば、受注・入稿マネジャー112が受け付けた第1ジョブの後に該受注・入稿マネジャー112が受け付けた、第2ジョブの為の第2のワークフローを、該第1ジョブの為の記第1ワークフローの完了後に、完了させるように、ワークフローをスケジューリングする第1スケジューリング)が、該工程マネージャ111による図62のスケジューリング処理を経て、設定された場合において、当該第1スケジューリングに従った動作に対応する上記第1ワークフローシーケンス(後続ジョブのワークフローを先行ジョブのワークフローの完了後に完了させるシーケンス)を本システムにて実行できない状態(第1状態と称す)であることを、例えば、各マネージャ112〜119から獲得した上述したような各種の情報(デバイス能力情報、ジョブ設定情報、ステータス情報など)に基づいて、判断した場合に、上記本システム内に含まれる上記画像形成装置(カラーMFP104及び又は白黒MFP105を含む)が具備する上記割込印刷機能の実行、及び/又は、追越印刷機能の実行を、禁止するよう制御する。
一方、本システムにて、上述の第1スケジューリングが該工程マネージャ111による図62のスケジューリング処理を経て設定された場合において、当該第1スケジューリングに従った動作に対応する上記第1ワークフローシーケンスを本システムにて実行できる状態(第2状態と称す)であることを、例えば、各マネージャ112〜119から獲得した上述したような各種の情報(デバイス能力情報、ジョブ設定情報、ステータス情報など)に基づいて、判断した場合に、上記本システムが具備する画像形成装置(カラーMFP104及び又は白黒MFP105を含む)における、上記割込印刷機能の実行、及び/又は、追越印刷機能の実行を、許可するよう制御する。
(制御例2)
上述の第2スケジューリング(例えば、受注・入稿マネジャー112が受け付けた第1ジョブの後に該受注・入稿マネジャー112が受け付けた、第2ジョブの為の第2のワークフローを、該第1ジョブの為の記第1ワークフローの完了前に、完了させるように、ワークフローをスケジューリングする第2スケジューリング)が、該工程マネージャ111による図62のスケジューリング処理を経て、設定された場合において、当該第2スケジューリングに従った動作に対応する上記第2ワークフローシーケンス(後続ジョブのワークフローを先行ジョブのワークフローの完了前に完了させるシーケンス)を本システムにて実行できる状態(第3状態と称す)であることを、例えば、各マネージャ112〜119から獲得した上述したような各種の情報(デバイス能力情報、ジョブ設定情報、ステータス情報など)に基づいて、判断した場合に、本システムの上記画像形成装置(カラーMFP104及び又は白黒MFP105を含む)が具備する、上記割込印刷機能の実行、及び/又は、追越印刷機能の実行を、許可するよう制御する。
一方、上述の第2スケジューリングが、該工程マネージャ111による図62のスケジューリング処理を経て、設定された場合において、当該第2スケジューリングに従った動作に対応する上記第2ワークフローシーケンスを本システムにて実行できない状態(第4状態と称す)であることを、例えば、各マネージャ112〜119から獲得した上述したような各種の情報(デバイス能力情報、ジョブ設定情報、ステータス情報など)に基づいて、判断した場合に、本システムの上記画像形成装置(カラーMFP104及び又は白黒MFP105を含む)が具備する、上記割込印刷機能の実行、及び/又は、追越印刷機能の実行を、禁止するよう制御する。
上述の2つの制御例のように、工程管理マネージャ111の管理下にて、図57〜図61の操作画面等のユーザインタフェースを介して入力されたユーザからの指示に基づいて、図62のフローチャートの処理を経て設定決定したジョブワークフローのスケジューリングに即したワークフローシーケンスを本システムの各デバイスを用いて実行させることができるのであるならば(ジョブのワークフローの完了自体が遅延するなどの、最終的なジョブの納期に影響がでるような問題が起こらなければ)、たとえ、本システムの画像形成装置が具備する割込印刷機能や追越印刷機能等を実行したことが原因で、画像形成装置という、1台のデバイスにおける、印刷処理工程という、1つの処理工程の期間内において、ジョブの処理時間が長くなったり、短くなったりしたとしても、本システムの画像形成装置が具備する割込印刷機能や追越印刷機能の実行を許可する。一方、本システムの画像形成装置が具備する割込印刷機能や追越印刷機能等を実行したことが原因で、画像形成装置における印刷工程が遅延するだけでなく、納品・発送マネージャ118を用いた納品処理工程までもが遅延されてしまい、結局、ジョブのワークフローの完了自体までもが遅延してしまうならば、上記第1スケジューリングが設定されていようが、上記第2スケジューリングが設定されていようが関係なく、本システムの画像形成装置が具備する割込印刷機能や追越印刷機能の実行を禁止する。
このような、工程管理マネージャ111による応用制御により、本画像形成システムのようなシステムにてPOD市場向けの適正なワークフロー管理運用を提供できるだけなく、各デバイスが具備する固有の機能をも最大限に有効活用できる、柔軟なシステム構築が可能となる。
以上のような考えに基づいて、更に発展して、以下のような制御も工程管理マネージャ111により実行可能にする。
(制御例3)
例えば、上記第1スケジューリングが設定された場合において、本システムの現在の状態が上記第1状態である場合に、MFP等の複数の機能を具備する複合機能の画像形成装置が具備する、例えば、ファクシミリ送信機能、ネットワークスキャナ機能や、プレビュー機能等の各種の拡張応用機能の実行を禁止する一方で、上記第1スケジューリングが設定された場合において、本システムの現在状態が上記第2状態である場合には、該画像形成装置の該応用機能の実行を許可するよう制御する。
(制御例4)
又、例えば、上記第2スケジューリングが設定された場合において、本システムの現在の状態が上記第3状態である場合に、上記複合機能の画像形成装置が具備する上記応用機能の実行を許可する一方で、上記第2スケジューリングが設定された場合において、本システムの現在状態が上記第4状態である場合には、該画像形成装置の該応用機能の実行を禁止するよう制御する。
尚、上述した制御例1〜4において、各機能(割込印刷機能、追越印刷機能、ファクシミリ送信機能、ネットワークスキャナ機能や、プレビュー機能等の機能)の実行を禁止する具体的方法しては、例えば、工程管理マネージャ111が機能の禁止を決定したら、その情報を、ネットワーク101等の通信媒体を介して画像形成装置に伝達し、例えば、画像形成装置の操作部の表示部に表示可能な操作画面上の上記割込印刷機能の実行を指示する割込印刷キーの表示や、上記追越印刷機能の実行を指示する追越印刷キーの表示や、上記応用機能の実行を指示する為の応用キーの表示等を、グレー表示にしたり、網掛け表示にしたり、キー自体を表示させないようにして、これらのキーを無効状態にするよう画像形成装置の表示部を制御し、画像形成装置のユーザによる画像形成装置の操作部におけるこれらの機能のキー入力を受付けないようにすることで、上記禁止対象の機能を実行できないように制御する方法などがある。
又、プリント機能などの場合には、印刷ジョブの送信元であるコンピュータに対して上記禁止機能の情報を通知して、該コンピュータの表示部に表示させるプリンタドライバ上にて、上記キーの表示を、グレー表示にしたり、網掛け表示にしたり、キー自体を表示させないようにコンピュータの表示部を制御し、コンピュータのユーザによるコンピュータの操作部におけるこれらの機能のキー入力を受付けないようにすることで、上記禁止対象の機能を実行できないように制御する方法などがある。一方、画像形成装置における上記機能を許可状態にする具体的方法としては、例えば、上記制御により該機能を禁止状態にした画像形成装置に対してプリントマネージャ115経由で、工程管理マネジャーが該機能の使用を許可する旨の情報を送信し、画像形成装置の操作部の操作画面における上記キーの無効状態を解除して(グレー表示や網掛け表示や非表示を解除して)、該キーを有効状態になるよう表示し、これらの機能のキー入力をユーザから受付可能にすることで、ユーザにより選択された機能を実行させるよう画像形成装置を制御する。プリント機能の場合は、上記機能の許可信号をコンピュータ側に送信して、プリンタドライバでのキー表示を無効状態から有効状態にさせるよう表示制御することで、上記同様に、該キー入力を受付け可能にし、ユーザからの指示された機能を実行可能に制御する。
上記各機能の実行可否は、本システムの複数台の画像形成装置(MFP104、105を含む)の各画像形成装置毎に、決定可能に工程管理マネージャ111により制御する。即ち、上記のような処理を、各デバイス毎に、個別に実行する。これにより、例えば、該複数台の画像形成装置のうちの、工程管理マネージャ111が設定したスケジューリングに基づいて実行すべきジョブのワークフロー内に含まれる印刷工程にて利用する画像形成装置に対しては、上記機能を禁止するよう制御し(但し、ワークフローにおける納品工程が遅延しないようなタイミングであるならば上記機能を許可しても良い)、一方、ワークフロー内に含まれる印刷工程にて利用する画像形成装置ではない残りの画像形成装置に対しては、上記機能を許可するよう制御するような構成でも良い。
以上のように、工程管理マネージャ111により本システムにてワークフローを適正に管理運用できるか否かによって、各デバイスが具備するデバイス固有の機能の実行可否自体をも制御対象とするこで、上記効果が一層向上させることも可能となる。
〔第7実施形態〕
上記第6実施形態では、工程管理マネージャ111が、デバイス主体となるスケジュール設定、スケジューリング結果の表示、スケジューリングに従ったワークフローの実行、システム運用等を実行する構成について説明した。
本実施形態は、上述したように、工程管理マネージャ111にて統括的に管理制御運用する本画像形成システムにおいて、本システムが具備する複数台のデバイスを用いた複数の処理工程(受注処理、編集処理、プルーフ処理、印刷処理、シート処理、納品処理、データ保管処理等)を、1つのワークフローとして、工程管理マネージャ111が設定したスケジューリングに従った順序で、順次実行させることで、1つのジョブの作業を完結させる。このようなワークフローを、受注・入稿マネージャ112により受付けた各ジョブ毎に、実行する。更に、1つのワークフローの中に、複数のデバイスによる複数の処理工程が含まれていると共に、各処理工程が完了する度に、オペレータによる介入作業を必要とする(1つのワークフローに含まれる複数の処理工程のうちの、1つの処理工程が完了してから次の処理工程を開始するまでの期間において、オペレータによる介入作業を必要とする)ジョブも数多く存在している。
このようなシステム構成において、本形態は、上記のような、ワークフローにて発生するオペレータによる介入作業を実際に行う、本システムにおいて働く作業者(オペレータとも、ワーカーとも呼ぶ)の為のスケジューリングについても、工程管理マネージャ111により設定管理する。更に、工程管理マネージャ111の制御のもと、該作業者に対して適正な指示を提供するなどして、本システムで働く作業者の効率化も向上させる。工程管理マネージャ111は、本システム環境下で働く作業者の立場でのスケジューリングを行い、本システム内で作業する複数の作業者の夫々の作業者に夫々どの仕事をするかを割り当てる(スケジューリングする)。更に、受注・入稿マネージャ112により受付けたジョブのワークフローを実行するうえで、どの仕事を作業者により実行させるのが効率的かを計算して、仕事を割り振ったり、作業者に対して、次の仕事(1つの処理工程、及び/又は、1つの作業が済んだ直後に作業者が実行すべき作業)を表示部等のユーザインタフェースユニットを介して指示したりすることで、システム全体の仕事を効率的に行うことが可能に構成している。以下、その実施形態について説明する。尚、後述する説明以外の本システムにおける構成、制御、動作は、全て、先の述べた本システムの構成、制御、動作と同様とする(全く同一でなくても良い)。よって、本形態も、先で述べたようなシステム構成を前提として、以下のように構成されている。
〔作業者のスケジューリング〕
図63は、図1に示した工程管理マネージャ111が、報知制御の一例として、本システムのコンピュータや画像形成装置等のデバイスの表示部に提供させる作業者のジョブスケジュール画面を示す模式図であり、作業者の立場からみた仕事の時間割に対応する。
尚、工程管理マネージャ111が、先の形態の図58〜図61の操作画面等を介して報知(表示)させる情報を、主に、ジョブワークフローにおける各デバイスによる各処理工程に関する第1タイプのスケジューリング(結果)情報と定義する(この第1タイプのスケジューリング情報には、ジョブの受付順に従った第1スケジューリング情報と、ジョブの納期優先に従った第2のスケジューリング情報、コスト優先に従った第3のスケジューリング情報、品質優先に従った第4スケジューリング情報等が含まれる)。そして、該第1タイプのスケジューリング情報をオペレータに報知(表示)させるモードを、第1のスケジューリング報知(表示)モードとする。
これに対して、図63や図64等の操作画面等を介して報知(表示)させる情報を、主に、ジョブワークフローにおける本システムの各作業者による各処理工程(各作業)に関する第2タイプのスケジューリング(結果)情報と定義する。そして、該第2タイプのスケジューリング情報をオペレータに報知(表示)させるモードを、第2のスケジューリング報知(表示)モードとする。
工程管理マネージャ111は、上記第1スケジューリング報知モード及び第2スケジューリング報知モードとを、オペレータからの指示により、選択的に切替可能に制御する。
尚、本形態では、先の図57〜図61の各操作画面上の左側の表示領域に、図63の操作画面のワーカースケジューリングキー2919が具備されているものとする(即ち、図57〜図61の操作画面が、キー29169を表示構成要素として更に具備するように、図57〜図61の操作画面を一部カスタマイズしている)。このような図57〜図61の操作画面を一部カスタマイズした操作画面上のキー2919がユーザ(ここでは、主に作業者だが、先の形態と同様に、クライアントユーザでも良い)によるキー入力(クリック。図示しないポインティングデバイス等で指示)がなされたことに応答し、図63の操作画面を表示部に表示させるよう工程管理マネージャ111により制御する(即ち、上記第1スケジューリング報知モードから第2スケジューリング報知モードに切換るよう表示部を制御する)。図63の操作画面は、上記第2タイプのスケジューリング情報を作業者により識別可能にする為の、主に作業者自身に関するスケジュール画面が表示される。
本システムにて、工程管理マネージャ111は、クライアントからのジョブを処理する為に本システムにて働いている作業者を、各作業者(ワーカ)単位で、ジョブワークフローを実行するうえでのスケジューリング(このスケジューリングは、図57〜図61の操作画面を介して入力された情報や、本システムが具備する各デバイスの能力情報や、ジョブの進捗情報や、各デバイスのステータス情報や、ジョブに対するクライアントからの設定情報等に基づいて、上記図62のフローチャートのようなスケジューリング処理を経て、工程管理マネージャ111が決定する)に対応して、管理可能に制御している。そして、この作業者自身に直接関わる管理情報(例えば、作業者自身がジョブワークフローにておいてとるべき行動を各作業者毎に区別把握可能にする情報を含む)を、図63の作業者のスケジュール画面等を表示部に表示させることで、報知する(表示部等の報知ユニットではなくて音声ユニットによる音声出力により報知しても良い)。
工程管理マネージャ111は、作業者に通知すべき作業情報を不適正な作業者に誤まって通知する等の不具合発生や不正アクセスを防止する。その為に、例えば、図63に示すような、表示部にて作業内容を確認しようとして現在アクセスしているユーザを工程管理マネージャ111自身が特定識別する為の情報の一例としてのワーカIDを入力する為のワーカID入力欄2917を具備すると共に、該ワーカIDを入力したユーザが該ワーカIDに対応する正式な作業者であるかの否かを判断して該ユーザに対する作業情報の通知処理の実行可否(禁止/許可)を制御する為の認証データ(認証データの一例として、ここではパスワードを利用するが、ICカードからの情報を認証データとしても良い)を入力する為のパスワード入力欄2918を具備する、操作画面を、表示部に表示させるよう制御する。
工程管理マネージャ111は、本システムで作業する全ての作業者の名前情報、及び、その作業者のワーカID、及び、その作業者のパスワード、及び、その作業者の処理能力(スキル)情報、労働時間情報、作業進捗情報等の各種の作業者に関する情報を、各作業者毎に、識別可能になるよう、これらの情報を各作業者毎に関連付けて、予め自身のハードディスク等のメモリに、これらの情報を登録保持させておく。
図63の操作画面は、ワーカID入力欄2917やパスワード入力欄2918の右側には、ワーカID入力欄2917に入力されたワーカIDに対応する作業者に対して通知すべき作業情報を表示させる為の作業情報表示領域を具備する。工程管理マネージャ111は、ワーカID入力欄2917に入力されたワーカIDに対応する作業者(図63の例では、worker−A)の為の上記メモリに保持しているパスワードに一致するパスワードがパスワード入力欄2918を介してユーザのキー操作により入力されたことを条件に、図63のように、上記作業情報表示領域に、ワーカID入力欄2917に入力されたワーカIDに対応する作業者(図63の例では、worker−A)に対して通知すべき作業情報を表示させるよう制御する(許可する)。図63は、適正なパスワードが入力された場合の表示結果例である。一方、ワーカID入力欄2917に入力されたワーカIDに対応する作業者の為の上記メモリに保持しているパスワードとは異なる(一致しない)パスワードがパスワード入力欄2918を介してユーザのキー操作により入力された場合には、ワーカID入力欄2917に入力されたワーカIDに対応する作業者に対して通知すべき作業情報を表示させることを禁止する。つまり、図63の画面のような表示内容は表示させない。
上記の如く、適正なパスワードが入力された場合には、図63の如く、工程管理マネージャ111は、該ワーカIDに対応する作業者(図63の例では、worker−A)自身の為のスケジューリング情報を上記作業情報表示領域に表示させる。尚且つ、ジョブのワークフローにおいて該ワーカIDに対応する作業者が実行すべき作業に関連影響のある作業者(この例では、worker−B)のスケジュール情報も、周辺作業の作業者のスケジュール情報として、上記作業情報表示領域に、一緒に表示できるよう制御する。尚、1画面で表示させなくても、スクロール表示や、表示画面を切り換えることで、周辺作業の作業者(この例では、worker−B)のスケジュール情報を、該ワーカIDに対応する作業者(図63の例では、worker−A)が、自身のスケジューリング情報と区別できる状態で、確認可能に表示させるように制御しても良い。
例えば、作業者A(worker−Aに相当)と作業者B(worker−Bに相当)がこの作業環境において作業していたとき、作業者Aは主にプリプレス部門(例えば、受注工程や、編集工程などを含む、画像形成装置による印刷工程よりも前に行われる処理工程を担当する部門)、作業者Bは主にポストプレス部門(例えば、シート処理工程を含む、画像形成装置による印刷工程よりも後に行われる処理工程を担当する部門)だったとする。この場合、それぞれの役割に応じて、工程管理マネージャ111が、自身のメモリに管理している上記作業者情報や、本システムが具備する各デバイスの能力情報や、ジョブの進捗情報や、各デバイスのステータス情報や、ジョブに対するクライアントからの設定情報や、上記図62のフローチャートのようなスケジューリング処理を経て、工程管理マネージャ111が決定した主にデバイス主体の第1タイプのスケジューリング情報等の判断情報に基づいて、作業者A(worker−Aに相当)と作業者B(worker−Bに相当)が行うべき作業を決定して、それぞれの作業者に作業内容を割り振るよう制御する。
例えば、工程管理マネージャ111は、上述の図62のフローチャートにおけるスケジューリング処理を実行することで、各ジョブのワークフローを決定する。これにより、各ジョブを如何なる複数台のデバイスの如何なる複数の処理工程を経て完了させるかを把握している。又、そのワークフローにおいて如何なるオペレータによる介入作業を必要であるのかも確認する。この情報と、先の作業者情報の登録処理を経てメモリに保持している本システムの作業者に関する各種の情報とを、参照することで、ジョブのワークフローにおいて必要とするオペレータの複数の介入作業を、本システムの如何なる作業者に、如何なるタイミング(日程)で、実行させるべきかを決定する。そして、この結果を、第2タイプのスケジューリング情報として、例えば、図63に示すようにスケジューリング情報として表示部の作業情報表示領域欄に表示させる。
工程管理マネージャ111は、図63に示すように、受注・入稿マネージャ112を介して受け付けた複数のジョブのうちの、ワーカID2917に入力されたIDに対応する作業者(ここではworker−A)、が、どのジョブの作業を実行すべきかを該作業者(ここではworker−A)により識別可能にする為の情報(この例では、ジョブID)を、作業情報表示領域の画面縦方向に、ジョブ番号の早いジョブから順番に配列表示させるよう制御する。この例では、worker−Aは、自分は、少なくとも、ジョブ039027〜039030の4つのジョブの作業を実行することが確認できる。
更に、工程管理マネージャ111は、図63に示すように、それらの各ジョブのワークフローにおいて実際に、どのような作業(オペレータによる介入作業)を該作業者(ここではworker−A)が実行すべきであるのかを該作業者(ここではworker−A)により識別可能にする為の情報を、詳細情報として、作業情報表示領域の画面縦方向に、作業手順の早い作業からうえから順に表示可能に制御する。
この例では、該作業情報表示領域の縦軸方向にワークフローの実行順番どおり配列された各ジョブ毎に対応する各ジョブID毎に、「+」キーを表示させるよう制御し、「+」キーが作業者により押下された場合には、該キーの表示状態を「+」から「-」に表示遷移させ、そのキーに対応するジョブのワークフローの実行期間中において要求される該作業者(ここではworker−A)が該ワークフローにおいて実行すべき介入作業を、作業順番に即した順序で、該作業情報表示領域の縦軸方向に上から順に、配列表示させる。
図63の例では、worker−Aに相当する作業者Aは、ジョブID39028に対応するジョブのワークフローを実行する際に、該ワークフローにおいて、そのジョブの受注内容を確認する為の作業(Verify Order)と、そのジョブをメモリに登録する為の作業(Register Job)と、そのジョブを編集する為の作業(Edit Job)という、少なくとも3つの介入作業を、ジョブID39028のジョブのワークフローにおいて、この順番どおりに(Verify Order→Register Job→Edit Job)、実行すべきであることを、該作業者(ここではworker−A)が識別できるように表示制御している例である。更に、昼食をはさみ(Lunch情報)、上記ジョブ39027のジョブのワークフローが完了した後に、ジョブID39029に対応するジョブのワークフローにおいて、そのジョブの受注内容を確認する為の作業(Verify Order)と、そのジョブをメモリに登録する為の作業(Register Job)という、少なくとも2つの介入作業を、ジョブID39029のジョブのワークフローにおいて、この順番どおりに(Verify Order→Register Job)、実行すべきであることを、該作業者(ここではworker−A)が識別できるように表示制御している。更に、その後に、ジョブID39030のワークフローにおいて作業すべきであることを、該作業者(ここではworker−A)が識別できるように表示制御している。
尚、「−」キーの状態で、該キーを押下すると、そのジョブの詳細情報は画面上から消して(閉じて)、「+」キーの状態に戻す。
更に、工程管理マネージャ111は、当該作業者情報表示領域の横軸方向に、これらのジョブ(当該作業者情報表示領域の縦軸方向に列挙した各ジョブ)に関し、如何なるタイミングで、作業するのか、及び、各ジョブの各ワークフローにおいて要求される各オペレータの介入作業を、如何なるタイミングで、該作業者(ここではworker−A)が実行すべきであるかを、該作業者(ここではworker−A)により特定識別可能にする為の日程情報を、該作業者が可視的且つグラフィカルに容易に把握できる表現形態で(例えば、図63のように、日時を文字データで表現する方法や、各作業工程にて必要な作業時間を棒グラフで表示する方法等)、日時が早い作業から順番に配列表示させるよう制御する。
この例では、該作業者Aは、ジョブID39027の作業を10月19日の午前中に実行し、その後、ジョブID39028の作業を10月19日の午前中から午後まで実行し、その後、10月19日の午後にジョブID39029の作業を実行し、その後、ジョブID39030の作業を10月20日の午前中に実行するようスケジューリングされていることが確認できる。
更に、ジョブID39028に対応するジョブのワークフローにおいて必要な3つの介入作業に関し、該ジョブのワークフローにおける受注内容を確認する為の作業(Verify Order)を10月19日の午前中に実行し、その次に、そのジョブをメモリに登録する為の作業(Register Job)を実行し、その次に、10月19日の午前中までに、そのジョブを編集する為の作業(Edit Job)を、実行すべきであることなどが、該作業者により識別確認できる。更に、工程管理マネージャ111は、ワーカIR2917に入力されたワーカIDに対応する注目作業者の作業に関連する作業を実行する作業者(ここではworker−Bの作業者)に関する情報も、上述と同様な表現形態で、上記作業者情報表示領域に表示させるよう制御する。
尚、図63の表示画面上に具備する上記作業表示領域の右端にあるスクロールバーを操作することで、その他の作業者の情報を表示可能に制御しても良い。又、複数の作業者の情報を、図63のように、1画面上で表示させなくとも、各作業者毎に、複数の操作画面を順次切り換えるように表示制御しても良い。
いずれにしても、各作業者毎に、自分がどのジョブのワークフローに携わるのかを作業者自身が確認可能にする為の情報、及び、各ワークフロー毎に、どのような介入作業を実行すればよいのかを作業者自身が確認可能にする為の情報、及び、それらをどのような順番で実行すればよいのかを作業者自身が確認可能にする為の情報、且つ、それらを、如何なるタイミングで作業を実行すればよいのか等の日程情報を作業者自身が確認可能にする為の情報を含む、ジョブワークフローにおける作業者自身の為のスケジューリングなどに関するガイダンス情報(第2タイプのスケジューリング情報とも称す)を、工程管理マネージャ111の制御により、表示部や音声ユニット等の各種のユーザインタフェースを介して、作業者に報知可能に構成されていれば良い。尚且つ、工程管理マネージャ111は、上述したように、第1スケジューリング報知モード及び第2スケジューリング報知モードとを、オペレータからの指示により、選択的に切替可能に制御する。
例えば、図63の操作画面上のジョブスケジューリングキー2912が押下された場合には、表示部に表示内容を、図63の操作画面から、図58〜図61の第1タイプのスケジューリング情報を表示させる表示画面に切り替えるよう制御する。このように、第1タイプのスケジューリング情報を表示する為の操作画面と第2タイプのスケジューリング情報を表示させる操作画面とをユーザからモード切替指示が入力される毎に切替可能に制御する。尚、図58〜図61の操作画面に戻る場合には、上述の第1指示〜第4指示(受注順優先、納期順優先、コスト優先、品質優先)の中から選択された指示に対応する操作画面を表示させるよう制御する。又、図63などの操作画面に示すクリエイトジョブキー2911が入力された場合には、図57の操作画面に戻るよう制御する。
このように複数種類の操作画面(図57〜図64の各操作画面を含む)を、ユーザからのキー入力に応答し、選択的に表示部に表示可能に制御する。
更に、大きな特徴として、図63や図64の操作画面に表示可能な第2タイプのスケジューリング情報の内容は、先の形態における第1タイプのスケジューリング情報に基づいて、決定される。つまり、工程管理マネージャ111は、図57〜図61の操作画面を介してユーザが上記複数の指示のの中から入力した指示に対応する内容の第1タイプのスケジューリング情報を作成し、作成した第1タイプのスケジューリング情報の内容に従って、第2タイプのスケジューリング情報を作成する。
例えば、第1の指示が入力された場合には、ジョブの受付順に従った第1スケジューリング情報を第1タイプのスケジューリング情報として生成し、該生成した第1スケジューリング情報及び作業者情報等に基づいた内容の第2タイプのスケジューリング情報を作成する。第2の指示が入力された場合には、ジョブの納期優先に従った第2のスケジューリング情報を第1タイプのスケジューリング情報として生成し、該生成した第2スケジューリング情報及び作業者情報等に基づいた内容の第2タイプのスケジューリング情報を作成する。第3の指示が入力された場合には、コスト優先に従った第3のスケジューリング情報を第1タイプのスケジューリング情報として生成し、該生成した第3スケジューリング情報及び作業者情報等に基づいた内容の第2タイプのスケジューリング情報を作成する。第4の指示が入力された場合には、品質優先に従った第4スケジューリング情報を第1タイプのスケジューリング情報として生成し、該生成した第4スケジューリング情報及び作業者情報等に基づいた内容の第2タイプのスケジューリング情報を作成する。よって、図63や図64の操作画面の作業者情報表示領域に表示させる内容は、上記複数の指示毎に異なり、上記形態のように、図57の操作画面を介して一度設定された指示が、図58〜図61の操作画面を介して再度設定変更された場合には、該変更に連動し、図63や図64の操作画面の作業者情報表示領域に表示させる第2タイプのスケジューリング情報が設定変更後の指示を反映した結果となるよう表示内容を変化させる。
また、この作業環境において、作業者C(図64のworker−Cに対応)も作業者Bと同一のポストプレス担当だった場合において、作業者Bの作業内容と作業者Cの作業内容が、同じ日時に重複しないように、工程管理マネージャ111においてそれぞれ別のジョブを扱うようにジョブが割り振られるように(同じ日時に、作業者BとCが夫々別々の作業を実行できるようなワークフローにおける作業者の為のスケジューリングを決定するように)、工程管理マネージャ111は制御する。そして、その結果を第2タイプのスケジューリング情報として、図63や図64のような操作画面に表示可能に制御する。
そして、作業者はそれぞれ工程管理マネージャ111の指示に従って、それぞれの業務をこなすことで、本システム全体の系が効率的に稼動することとなる。
〔第8実施形態〕
上記第7実施形態では、作業者Bと作業者Cとが同一のポストプレス担当だった際には、作業者Bと作業者Cは、それぞれ業務がダブらないように、工程管理マネージャ111においてそれぞれ別のジョブを扱うようにジョブを割り振る構成について説明したが、一つのジョブを複数の作業者で分割するように構成してもよい。以下、その実施形態について説明する。
図64は、図1に示した工程管理マネージャ111より提供される作業者のジョブスケジュール画面を示す模式図であり、作業者Bと作業者Cとが同一のポストプレス担当で一つのジョブを作業者Bと作業者Cで分割する場合の例に対応する。
図64に示すように、作業者Bと作業者Cが共にポストプレス担当の場合、作業者Bはジョブ#039028のジョブのワークフローにおいて、まず、MFP105aと105bの両方を設定(例えば、電源投入や、色合わせ等の各種パラメータの設定など)する該ジョブの為の介入作業を実行し、次にMFP105aのプリント出力をフィニッシャ123に搬送するという該ジョブの為の介入作業を実行し、さらに、フィニッシャ123の出力をフィニッシャ121に運ぶという該ジョブの為の介入作業を実行する。このように工程管理マネージャ111によりスケジューリングされ、その結果を該作業者Bが識別可能に表示させている。
一方、作業者Cは、同じジョブ#039028において、まずMFP105bのプリント出力をフィニッシャ123に搬送するという該ジョブの為の介入作業を実行し、さらに、フィニッシャ123の設定(例えば、電源投入や、くるみ製本処理を適正に行う為の各種パラメータの設定など)を行い、さらに、フィニッシャ121の設定(例えば、電源投入や、断裁処理を適正に行う為の各種パラメータの設定など)を行うように工程管理マネージャ111によりスケジューリングされ、その結果を識別可能に表示させている。
工程管理マネージャ111が、このように(図64に示したように)、自装置のメモリに記憶した上記第1タイプのスケジューリング情報や、作業者情報などの情報を基に、スケジューリングすることにより、1つのジョブであっても互いに別の仕事を同時にこなすことができるだけでなく、作業者の人数と細分化された業務を最適化して割り振ることができ、効率のよいマネージメントが可能となる。
又、本実施形態では、例えば、作業者が1つのジョブを与えられた場合ならば、次に何をするかを容易に類推できるが、上述したように、1つのジョブを2人或いはそれ以上の人数で担当しようとすると、互いの割り当て分を把握しきれないため、実際には業務の重なりや無駄時間が増えてしまうことが発生するかもしれないことを考慮した設計、制御を工程管理マネージャ111により実行している。
工程管理マネージャ111は、これらの作業者に逐次、作業指示を与えて、次の業務指示を与える(ジョブのワークフローを実行するうえで作業者に要求されるる複数の介入作業に関し、ある1つの介入作業を実行した直後に実行すべき介入作業を作業者に指示する。そして、このような指示を、少なくとも、1つの介入作業がオペレータにより完了する度に、或いは、完了する直前に、リアルタイムに次の作業を作業者に指示する)ことで、作業者全体を無駄なく、的確に配備させるように報知制御を実行可能にする。
図65は、夫々作業者に対して逐次的確な指示を行うための構成の一例を説明
する模式図であり、図55と同一のものには同一の符号を付してある。
例えば、図65に示すように、図55に示した作業を行う際に、それぞれの作業者に対して、的確な指示を行うために、デバイス(図1に示した104,105,121〜126等)やデバイス間でジョブを運搬するための台車2701〜2703に予め表示装置(UI)を設けておき、工程管理マネージャ111は、各デバイス又は台車等により処理されているジョブの次工程を該デバイス又は台車のUIに表示するようにする。さらに、工程管理マネージャ111は、作業中のデバイス又は台車のUIに対して、その作業者の次の作業をも表示するようにする。これにより、各作業者に対して逐次的確な指示を与えることができる。尚、工程管理マネージャ111は、上述の二種類のスケジューリング情報と、現在の日時情報や、現在のジョブの処理状況等ををチェックしながら、作業者に、作業者に対して次工程としてどの指示を与えるかを決定している。
よって、各作業者は、作業中のデバイスや台車のUIから現在処理しているジョブの次工程の情報や、該作業者の次の作業の情報を得ることができる。これにより、各作業者は、次に何をするかが容易に分かり、上述したように、1つのジョブを2人或いはそれ以上の人数で担当する場合であっても、互いの割り当て分を把握でき、業務の重なりや無駄時間の発生を押さえることができる。
なお、各デバイスに対してはそれぞれネットワーク経由で前記指示を伝えるが、台車は可動式であり物理的なネットワークでは作業性に欠けるため、無線式のネットワークにて通信を行い、それに応じて台車や装置を扱う作業者それぞれに作業指示を表示して、それぞれの作業者にそれぞれ別々の指示を行うように構成する。
〔第9実施形態〕
上記第8実施形態では、各デバイスや台車にそれぞれUIを設け、該UIに工程管理マネージャ111からの指示を表示することにより、工程管理マネージャ111からの指示を各作業者に逐次通知可能な構成について説明したが、各作業者にIDカードと端末等を携帯させ、該IDカードにより所定のデバイスで作業を行っている作業者を識別し、その作業者の端末に工程管理マネージャ111からの指示を表示するように構成してもよい。以下、その実施形態について説明する。
図66は、作業者毎に設けられるIDカードの一例を示す模式図である。
図66において、3301,3302はIDカード(例えば、3301はジョン(John)のIDカード,3302はローラ(Laura)のIDカード)で、作業者の氏名、識別番号、部署名、作業能力(スキル)、担当分野、作業履歴等の情報が記憶されている。
図67は、夫々作業者に対して逐次的確な指示を行うための構成の一例を説明する模式図であり、図65と同一のものには同一の符号を付してある。
図67に示すように、全ての作業者がそれぞれIDカードを有している(例えば、図66に示したように、ジョン(John)はIDカード3301,ローラ(Laura)はIDカード3302を携帯している)。工程管理マネージャ111は、各作業者をそのIDカードによって識別可能である。そして、工程管理マネージャ111は、識別した各作業者のIDに応じて作業内容を区別して、各作業者に作業指示を与える。
また、全ての作業者は、PDA(Personal Digital Assistant)と呼ばれる携帯端末も携帯している(例えば、ジョンはPDA3401,ローラはPDA3402を携帯している)。尚、携帯端末装置としては、携帯電話等でもよく、少なくとも、ユーザにより携帯可能でかつ、データ通信機能を有し、且つ、表示部等の報知ユニットを具備し、工程管理マネージャ111から情報を受信し、該受信した情報を該報知ユニットに報知させることが可能装置であれば如何なる装置であっても良い。また、上述したIDカードは、トランスミッタを含み、そのID固有の信号(作業者のID)を発信する。そして作業者がこのPDAとIDカードとを組み合わせて携帯することにより、該IDカードから発信される信号(作業者のID)をPDAにて無線受信して、PDAがどの作業者に携帯されているPDAであるかを工程管理マネージャ111に通知する。なお、上述ではIDカードはトランスミッタを含むものとしたが、PDAにカードリーダ等を設け、該カードリーダによりIDカード内の情報を読み取り可能ならば磁気カードであってもその他のICカードであってもよい。
そして、工程管理マネージャ111は、PDAからの通信により識別した各作業者のIDに応じて作業内容を区別した上で、各作業者への作業指示を各作業者のPDAに送信する。これにより、工程管理マネージャ111は、各作業者に応じた的確な作業指示を各作業者の携帯するPDAに逐次表示することができる。
よって、各作業者は、該作業者の携帯するPDAから現在処理しているジョブの次工程の情報や、該作業者の次の作業の情報を得ることができる。これにより、各作業者は、次に何をするかが容易に分かり、上述したように、1つのジョブを2人或いはそれ以上の人数で担当するような複雑な場合であっても、互いの割り当て分を把握でき、業務の重なりや無駄時間の発生を押さえることができる。なお、工程管理マネージャ111とPDAとの通信は、例えば無線LANなどを利用するものとする。
また、このIDカードを利用すれば、それぞれの作業者のスキル、担当分野等もあらかじめ登録しておけるため(IDカードに直接記録するようにしてもよいし、本画像形成システム内に記憶管理するように構成してもよい)、工程管理マネージャ111は、それぞれの作業者のレベルに合わせて作業工数を見積もることもでき、作業時間のより正確な算出が可能になる。
さらに、各作業者の勤怠を各作業者のIDにより管理しておき、工程管理マネージャ111は、IDカードを利用して各作業者の勤怠情報も把握でき、作業者の勤怠に応じて、休暇中の作業者がいたとしても(特に急病等により予め休暇の登録なしに休暇となった作業者がいたとしても)、作業者の勤怠を確実に把握でき、作業の配分を再スケジュール化することも可能である。
以上説明したように、ジョブに対して、受注・入稿、原稿編集、プルーフ、プリント、後処理、ファイル保管、納品・発送、あるいは、スキャンなどのスケジューリングを作業者の業務という観点で、効率的に管理して、業務全体のワークフローの効率化を図ることができる。
また、各装置(デバイス)や台車に設けられたUI、あるいは作業者が携帯するPDA端末などを利用して、作業者に対して的確な指示を行うことで、複数の作業者が混乱なく、同時に別々の業務を、無駄なく行うことができ、全体として短納期でジョブを仕上げることができる。
さらに、作業者のスキルや、作業者の勤怠等の過不足に柔軟に対応できる等により、日程の進捗状況やリソースの増減などを予測し、計画性のあるリソースマネージメントが可能となる。
なお、上記各実施形態を組み合わせた構成(上記第1実施形態乃至第9実施形態の全ての構成要件を具備した構成、又は、少なくとも2つの形態を具した構成を含む)も全て本発明に含まれるものである。
尚、本システムは、複数のデバイスのうちの1つのデバイスとして、スキャナやコンピュータ等の画像データ発生源となるデバイス以外にも、デジタルカメラ等を具備するようなシステム構成でも良い。この場合、デジタルカメラから供給される該デジタルカメラにより撮影した撮像画像データ(或いは、デジタルカメラに着脱可能な記憶媒体に書き込まれた撮像画像データ)の印刷作業も1つのジョブとして受注・マネージャ112により受付可能にし、且つ、このジョブも1つのジョブとして,上述した他のジョブと同様に、工程管理マネージャ111によりスケジューリング設定及び管理を含む制御を実行可能とし、該デジタルカメラから直接受信した、或いは、該着脱可能な記憶媒体から読み出した撮像画像データを、編集したり、加工したうえで、印刷、後処理、等が可能に構成されるシステムでも良い。
以上説明したように、本形態によれば、印刷ジョブと印刷指示を受け付け、前記印刷ジョブに対する複数の工程をそれぞれ制御し、前記各工程をスケジューリングし、該スケジューリング結果に基づいて前記各工程を管理するので、印刷ジョブに対して施す複数の工程のスケジューリングを行って効率的な工程管理を行うことができる。従って、印刷ジョブに対して、受け付け,原稿編集,プルーフ,プリント,後処理,ファイル保管,納品・発送,スキャン等の複数の工程のスケジューリングを行うことで、効率的な工程管理を行うことができる。また、受注順,納期優先,コスト優先,品質優先等のスケジューリングモードを設け、選択されるスケジューリングモードに応じて、他のジョブと調整を行うことで、顧客のニーズに合ったスケジュールで出力(画像形成)を行うことができる等の効果を奏する。
更に、割込印刷機能や追越印刷機能や各種拡張応用機能等、画像形成装置が固有の機能を具備している場合でも、工程管理マネージャ111によるスケジューリングに影響が出ないようにしながら、これらの機能を最大限に活用でき、柔軟且つ使い勝手の良いシステムを提供できる。
又、本形態によれば、画像形成処理の複数の工程を管理し、本システムで作業を行う作業者に対して適正な作業指示をリアルタイムに実行可能にし、印刷業界及びPOD市場における画像形成処理の工程を分類化し、各工程(原稿編集、プルーフ、プリント、後処理、ファイル保管、納品・発送、スキャン等の各工程)に対してのスケジューリングを作業者の業務という観点で行って効率的な工程管理を行うことができる等の効果を奏する。
このように、本実施形態によれば、印刷業界やPOD市場において、印刷物を商品として、該商品の受発注から、梱包、配送、アフターサービス、在庫管理、入金管理までのすべての業務を一括して代行するようなサービスも提供しようとした場合に、最適なサービス、システムを提供できる。又、印刷業界やPOD市場において、生産関連データの収集、加工、報告を通して経営計画と管理業務を支援し、情報を蓄積して、必要なとき、必要な部署に提供することができるようなシステムも検討した場合に、最適なシステムの実現・運用化を図れる。又、POD市場において、従来の印刷業界ほど、スキルのある作業者が雇えないの等の事情や、低コストにてジョブを仕上げたい等の要望や、少ない投資で商売を行いたい等の要望や、TCO(Total Cost of Ownership)を削減したい等の要望にも、十分検討対処したシステムを提供出来る。
以上示したように、フルフィルメント(PODにおける入稿から納品までを一貫して行う作業)のワークフローの中で、全ての工程を管理する工程管理マネージャ111を設けて、作業者とデバイスのスケジューリングを、ジョブの受け入れ順、納期優先、コスト優先、品質優先、稼働率優先などのモードをもって行うことにより、作業者と装置(生産財)を効率的に稼動させることができ、TOCの削減ができる。
また、POD(特にPFP/CRD)のワークフローの中で、そこで作業する作業者に対して、作業指示を与え、効率のよい作業環境と作業ミスの削減を行い、また、各作業者がIDカードを所持し、そのIDに応じて作業工程を区別することで更なる効率化を図り、作業のスキルにかかわらず、効率的なマネージメントが可能となる。また作業者が入れ替わっても効率よく作業が可能なようにスケジューリングできる。このように、作業者に対して作業指示を与えることにより、MFPとオフラインフィニッシャの間の搬送等の作業者が手作業で行っている作業を効率的にマネージメントすることができる。
以下、図68に示すメモリマップを参照して本発明に係る画像形成システムで読み出し可能なデータ処理プログラムの構成について説明する。
図68は、本発明に係る画像形成システムで読み出し可能な各種データ処理プログラムを格納する記憶媒体のメモリマップを説明する図である。
なお、特に図示しないが、記憶媒体に記憶されるプログラム群を管理する情報、例えばバージョン情報,作成者等も記憶され、かつ、プログラム読み出し側のOS等に依存する情報、例えばプログラムを識別表示するアイコン等も記憶される場合もある。
さらに、各種プログラムに従属するデータも上記ディレクトリに管理されている。また、各種プログラムをコンピュータにインストールするためのプログラムや、インストールするプログラムが圧縮されている場合に、解凍するプログラム等も記憶される場合もある。
本実施形態における図2,図6,図38,図39,図40,図41,図50,図51,図52,図53,図54,図62に示す機能が外部からインストールされるプログラムによって、ホストコンピュータにより遂行されていてもよい。尚、この場合に、図57〜図61及び図63及び図64の各操作画面を含む本形態で述べた操作画面と同様の操作画面を表示させる為のデータを外部からインストールし、該ホストコンピュータの表示部に上記各種のユーザインタフェース画面を提供可能に構成する。そして、その場合、CD−ROMやフラッシュメモリやFD等の記憶媒体により、あるいはネットワークを介して外部の記憶媒体から、プログラムを含む情報群を出力装置に供給される場合でも本発明は適用されるものである。
以上のように、前述した実施形態の機能を実現するソフトウエアのプログラムコードを記録した記憶媒体を、システムあるいは装置に供給し、そのシステムあるいは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU)が記憶媒体に格納されたプログラムコードを読出し実行することによっても、本発明の目的が達成されることは言うまでもない。
この場合、記憶媒体から読み出されたプログラムコード自体が本発明の新規な機能を実現することになり、そのプログラムコードを記憶した記憶媒体は本発明を構成することになる。
従って、プログラムの機能を有していれば、オブジェクトコード、インタプリタにより実行されるプログラム、OSに供給するスクリプトデータ等、プログラムの形態を問わない。
プログラムを供給するための記憶媒体としては、例えばフレキシブルディスク、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスク、MO、CD−ROM、CD−R、CD−RW、磁気テープ、不揮発性のメモリカード、ROM、DVDなどを用いることができる。
この場合、記憶媒体から読出されたプログラムコード自体が前述した実施形態の機能を実現することになり、そのプログラムコードを記憶した記憶媒体は本発明を構成することになる。
その他、プログラムの供給方法としては、クライアントコンピュータのブラウザを用いてインターネットのホームページに接続し、該ホームページから本発明のコンピュータプログラムそのもの、もしくは、圧縮され自動インストール機能を含むファイルをハードディスク等の記録媒体にダウンロードすることによっても供給できる。また、本発明のプログラムを構成するプログラムコードを複数のファイルに分割し、それぞれのファイルを異なるホームページからダウンロードすることによっても実現可能である。つまり、本発明の機能処理をコンピュータで実現するためのプログラムファイルを複数のユーザに対してダウンロードさせるWWWサーバやftpサーバ等も本発明の請求項に含まれるものである。
また、本発明のプログラムを暗号化してCD−ROM等の記憶媒体に格納してユーザに配布し、所定の条件をクリアしたユーザに対し、インターネットを介してホームページから暗号化を解く鍵情報をダウンロードさせ、その鍵情報を使用することにより暗号化されたプログラムを実行してコンピュータにインストールさせて実現することも可能である。
また、コンピュータが読み出したプログラムコードを実行することにより、前述した実施形態の機能が実現されるだけでなく、そのプログラムコードの指示に基づき、コンピュータ上で稼働しているOS(オペレーティングシステム)等が実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれることは言うまでもない。
さらに、記憶媒体から読み出されたプログラムコードが、コンピュータに挿入された機能拡張ボードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書き込まれた後、そのプログラムコードの指示に基づき、その機能拡張ボードや機能拡張ユニットに備わるCPU等が実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれることは言うまでもない。
また、本発明は、複数の機器から構成されるシステムに適用しても、1つの機器からなる装置に適用してもよい。また、本発明は、システムあるいは装置にプログラムを供給することによって達成される場合にも適応できることは言うまでもない。この場合、本発明を達成するためのソフトウエアによって表されるプログラムを格納した記憶媒体を該システムあるいは装置に読み出すことによって、そのシステムあるいは装置が、本発明の効果を享受することが可能となる。
本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づき種々の変形(各実施形態の有機的な組合せを含む)が可能であり、それらを本発明の範囲から排除するものではない。
本発明の様々な例と実施形態を示して説明したが、当業者であれば、本発明の趣旨と範囲は、本明細書内の特定の説明に限定されるのではない。