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JP4804381B2 - 電動機駆動制御装置及び電動機 - Google Patents

電動機駆動制御装置及び電動機 Download PDF

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JP4804381B2 JP2007049439A JP2007049439A JP4804381B2 JP 4804381 B2 JP4804381 B2 JP 4804381B2 JP 2007049439 A JP2007049439 A JP 2007049439A JP 2007049439 A JP2007049439 A JP 2007049439A JP 4804381 B2 JP4804381 B2 JP 4804381B2
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Description

本発明は、固定子巻線を独立巻線した電動機を駆動する電動機駆動制御装置に関するものである。
従来、固定子巻線が独立巻線化された電動機は、電動機の巻線をY結線とΔ結線とを切替えることにより、電動機の運転範囲を拡大したり、適用する製品の出力トルクを増加させ、また、最高回転数を増加させたり、大容量化することを目的として使用されている。
この種の制御装置として、Y結線とΔ結線を機械式の開閉装置にて切替えて、電動機をベクトル制御するものがある(例えば、特許文献1参照)。
また、インバータを2台用い、Y結線とΔ結線をインバータの動作にて切替えるものもある(例えば、特許文献2参照)。
また、電動機の1次磁束と出力トルクとから、2台のインバータから出力される電圧ベクトルをテーブルから参照して電動機を駆動するものもある(例えば、特許文献3参照)。
また、2台のインバータの出力を合成して大容量化するとともに、低速トルク特性の優れた、低騒音、小型、経済的で高効率なものもある(例えば、特許文献4参照)。
さらに、Y結線やΔ結線の電動機に流すことができない高調波成分を積極的に利用することで大きな出力を得るものもある(例えば、特許文献5参照)。
またさらに、昇圧回路を使用することなく、電圧不足を解消して電動機を高出力化を図ったものもある(例えば、特許文献6参照)。
さらに、第1と第2のエネルギー源に結合された2台のインバータにて電動機を駆動するものもある(例えば、特許文献7参照)。
特公平7−99958号公報 特公平7−99959号公報 特公平6−101958号公報 特許第3352182号公報 特開2006−136144号公報 特開2006−149145号公報 特開2006−238686号公報
特許文献1に記載の技術の場合、Δ結線とY結線を切替えるとき、電動機が停止している必要がある、また、電動機が特許文献1に示すようにすべりのある誘導電動機である必要がある。さらに、結線切替え時に、ベクトル制御における制御定数、例えば、モータ定数や制御ゲインなどを結線に応じて切替える必要がある。
特許文献2に示す技術の場合、メカニカルな巻線切替え機構無しに結線を切替え可能となるが、特許文献1と同様に結線切替え時に、ベクトル制御における制御定数、例えば、モータ定数や制御ゲインなどを結線に応じて切替える必要がある。
特許文献3に示す技術は、結線切替え時に、ベクトル制御における制御定数を結線に応じて切替える必要がなくなる制御方式であるが、電動機の1次磁束と出力トルクの大きさに応じたヒステリシスコンパレータ出力に従い、スイッチングテーブルから得られる電圧ベクトルを出力するというものである。制御定数がなくなる一方で、テーブルが非常に大きく、かつ、テーブル選択の条件が多岐にわたるため、制御が複雑化している。
特許文献4には、2台のインバータを逆極性で出力することにより、出力電圧を増加する技術が示されている。さらに、出力電圧の合成理論が示されている(6頁、図7参照)。しかし、電動機の回転子位置との関係は全く記載されておらず、また、回転子位置はパルス式速度計(PG)から得るようになっている。
特許文献5、6には、2台のインバータにて高調波成分を基本波に重畳する、または、2台を逆位相で駆動するように出力することにより、出力を増加する技術が示されている。また、Y結線を基準にした従来の電動機やΔ結線を基準にした従来の電動機に対し、出力増加に対しての技術が示されているが、Y結線およびΔ結線の両者の利点を双方利用するべく切替えて性能向上する制御については示されていない。さらには、回転子位置は位相検知部を用いており、位置センサレスの技術については示されていない。
特許文献7には、2台のインバータの三相対称性を考慮した1相に特化した概念図(特許文献7の図2)が示されている。しかし、制御上のdq軸を2台のインバータ分だけ有しており、1つの電動機を2つの制御器にて駆動することと同義となり、制御が複雑化する。さらに、ACモータのようなすべりのある電動機を対象としている。
本発明は、上記のような課題を解決するためになされたもので、第1の目的はY結線とΔ結線の両方の利点を有するべく、Y結線状態とΔ結線状態との中間の状態の運転、および過変調運転を2台のインバータ部による制御にてY結線のごとく電動機制御を実現することにより、モータ定数を結線状態に応じて換えることなく線形性を保持したまま、電動機を最高効率条件にて常時駆動することが可能な電動機駆動制御装置を得るものである。
第2の目的はすべりのない同期電動機、例えば、永久磁石同期電動機などまで応用可能な電動機駆動制御装置を得るものである。
また、第3の目的は回転子位置を検出することなく電動機を駆動する位置センサレス駆動を実現することが可能な電動機駆動制御装置を得るものである。
本発明に係る電動機駆動制御装置は、交流電源の電力を直流電力に変換する交直電力変換部と、交直電力変換部の直流電力からそれぞれ交流電圧を生成し、独立巻線型電動機に出力する第1および第2のインバータ部と、独立巻線型電動機がY結線等価動作あるいはΔ結線等価動作するように第1および第2のインバータ部を制御する制御手段とを備え、制御手段は、独立巻線型電動機がY結線等価動作状態からΔ結線等価動作状態に移行させる際、独立巻線型電動機の電機子巻線に発生する磁束のベクトルと第1および第2のインバータ部による合成電圧のベクトルとの位相が平行関係を維持するように第1および第2のインバータ部の出力電圧を制御する。
本発明においては、インバータ1台構成における正弦波出力に対し、2倍の電圧まで高調波歪みなく電圧出力でき、これにより、独立巻線化せずに一方の端子を結線した場合の2倍の出力電圧まで拡大でき、出力電圧の増加分だけ高速回転化、高出力化を実現できる。
また、低速回転時には低速回転時の効率が高いモータ、高速回転時には高速回転可能なモータにモータ特性をインバータ2台で円滑に変化させることができ、低速回転時の効率を大幅に向上させることができる。
また、電機子の固定子コイル軸と合成出力電圧軸の位相を一意になるよう制御しているため、制御器におけるモータ定数は不変で良く、位置センサレス制御も直線性を失うことなく実現でき、安定性した制御を実現できる。さらに、従来の制御ブロックを簡単に適用できる効果も奏する。
さらに、電動機を停止することなく、円滑に結線切替えを実現でき、結線状態の中間状態での効率も改善することができる。
図1は本発明の実施の形態に係る電動機駆動制御装置の構成を示す回路図である。
本実施の形態の電動機駆動制御装置は、交流電源1から供給される交流電力を直流電力へ変換する交直電力変換部2と、独立巻線型電動機3の結線(Y結線、Δ結線)を等価変換して駆動制御する2台のインバータ部4、5と、独立巻線型電動機3のコイルに流れる電流を検出する電流検出器6と、交直電力変換部2の負側母線に挿入れた直流シャント抵抗7a〜7cと、2台のインバータ部4、5を制御する制御手段(図示せず)とで構成されている。前述した独立巻線型電動機3は、固定子コイルが結線されていない電動機で、固定子コイルの両端を入力端としている。
なお、本実施の形態では、独立巻線型電動機3の各相のコイルをa相、b相、c相コイルとし、各コイルに流れる電流をia、ib、icとして説明する。さらに、図2に示すように、Δ結線およびY結線された電動機を従来のインバータ1台構成にて駆動する場合におけるインバータからの出力相電流をiu、iv、iwとして説明する。
図2(a)はΔ結線であり、図中に示すように、インバータからの出力相電流iu、iv、iwとコイル電流ia、ib、icとの関係は、出力相電流≠コイル電流である。また、図2(b)はY結線であり、この場合はインバータからの出力相電流とコイル電流の関係は、出力相電流=コイル電流となる。従って、Δ結線の場合、Y結線に等価換算したモータ定数とすることで電動機を駆動することが一般的である。ちなみに、Δ結線のLΔ をY結線に等価変換した場合、LY =LΔ /3で表される。また、磁石による逆起電圧は1/√3倍となる。
本実施の形態においては、独立巻線化された電動機3であるため、検出可能な電流はコイル電流ia、ib、icであり、Y結線の電動機の応用展開として考える。独立巻線型電動機3を2台のインバータ部4、5でY結線と等価動作する場合、インバータ部5を変調率=0(出力電圧=0)にて動作させる。Δ結線と等価動作する場合は、インバータ部5をインバータ部4に対し120度の遅れ位相でインバータ部4と同じ変調率にて動作させれば良い。この制御は、従来技術として引用している特許文献2の第3頁に詳しく記載されている。
まず、Δ結線と等価動作している場合について図3(a)を用いて説明する。図1に示すインバータ部4とインバータ部5は電圧源として表現すると、図中に示すような対称三相Y結線の電圧源となる。ここで、電圧源のa1、b1、c1とa2、b2、c2は図1と同じ符号を意味する。Δ結線の場合、図2(a)で説明したように、コイル電流ia、ib、icとインバータからの出力相電流iu、iv、iwとの関係は、コイル電流≠出力相電流となるが、インバータ2台構成の場合、図3(a)に示すようにコイル電流=出力相電流となっている。
よって、インバータ2台構成でのΔ結線等価動作の場合と、インバータ1台によるΔ結線動作の場合とでは、インバータから出力される電流の振幅、位相が異なり、インバータ2台構成の場合では、インバータ1台構成に対し、振幅が1/√3となり、位相が30度進みとなる。
そこで、従来のΔ結線等価動作は、インバータ1台構成での出力相電流iuがコイル電流ia−icと一致することを利用して、電動機制御の検出電流をiu=ia−icとして演算し、Y結線に等価換算されたモータ定数にて制御している。
しかし、iu=ia−icと演算してΔ結線等価動作を行う場合、Y結線状態からΔ結線状態への移行途中の状態は制御できないことを意味する。本実施の形態は、Y結線状態からΔ結線状態への移行途中の状態だけでなく、Δ結線等価動作を含め、全ての動作をY結線と等価的に模擬した独立巻線型電動機3を駆動するインバータ2台構成の電動機駆動制御装置である。
図3(a)の等価回路より、a相コイルにはインバータ部4による相電圧a1とインバータ部5による相電圧a2との差の電圧が印加され、このa1−a2をa12とすると、a12はa1とa2との線間電圧とみなせる。また、b相コイルおよびc相コイルも同様であり、図3(a)におけるインバータ部4とインバータ部5の電圧源を新たに線間電圧と置き換えた場合の等価回路図を図3(b)に示す。この図において、インバータ部4とインバータ部5の合成電圧a12、b12、c12のうち、黒点にて示した端子側を仮想GNDと仮定すれば、従来のY結線の電圧源とY結線電動機と等価的に置き換えることができる。
これを電圧ベクトル図にて表すと図4のようになる。図4(a)はY結線等価動作状態を示す。インバータ部5の電圧ベクトルa2、b2、c2は、前述したように変調率=0であるため、白点にて示す電圧ベクトル=ゼロとなり、原点に存在する。各相コイルのベクトル方向と同一方向の合成電圧ベクトルa12、b12、c12を出力すれば良いので、インバータ部4から出力されている電圧ベクトルa1、b1、c1は、各相コイルのベクトル軸上に存在する。なお、図4(a)に示す円は変調率=1を示し、インバータ部4から出力される電圧は変調率=1の状態を示している。この変調率の定義については、以下に後述する。
図4(b)がΔ結線等価動作状態を示す電圧ベクトル図である。インバータ部5の出力電圧は、インバータ部4より120度遅れ位相にて出力され、また、図中に矢印にて示すインバータ部4、5の合成電圧ベクトルa12、b12、c12が各相コイルのベクトル軸方向に向くようにすると、インバータ部4の電圧ベクトルa1、b1、c1は各相コイルに対し30度の遅れ位相、インバータ部5の電圧ベクトルa2、b2、c2は各相コイルに対し150度の遅れ位相にて出力される。
図示していないが、図4(b)において、電圧ベクトルa1、c2がa相コイル軸上、電圧ベクトルb1、a2がb相コイル軸上、電圧ベクトルc1、b2がc相コイル軸上にあるとすると、合成電圧ベクトルa12、b12、c12による正三角形の頂点が各相コイルのベクトル軸上となり、三角形の辺とコイル軸が並行とならないことは明らかである。
そこで、図4(a)、(b)より、Y結線等価動作状態からΔ結線等価動作状態への移行途中の動作状態について考える。図4(a)が初期状態とし、(b)のΔ結線等価動作状態になるまで、インバータ部4、5の出力電圧は互いに同心円上の軌跡を描く。さらに、インバータ部4、5の合成電圧ベクトルa12、b12、c12は、各相コイルのベクトル方向と並行移動する。
この2つ事柄より、インバータ部4の電圧ベクトルa1、b1、c1は、図4(c)に示すように変調率=1の円周上を移動する。また、インバータ部5の電圧ベクトルa2、b2、c2は、各相コイルのベクトル軸から30度遅れにて大きくなる同心円の点(図中の点線上)を移動する。これによりY結線等価動作状態とΔ結線等価動作状態との中間状態となる電圧ベクトルがベクトル図として導かれる。
図4(c)から、インバータ部4、5の合成電圧ベクトルa12、b12、c12が、固定子コイルのベクトル、言い換えると、固定子の電機子磁束のベクトルとの位相が所定関係を保持するように2つのインバータ部4、5の出力電圧を制御することにより、インバータ1台構成での電動機制御のベクトル制御部分を代えることなく、インバータ2台構成化することができる。
以上のように、インバータ2台構成としても、2台のインバータ部4、5から出力される電圧の合成電圧軸と固定子コイルの磁束軸との位相関係を所定値に保持すれば、インバータ2台による動作の全ての状態をY結線と等価回路として考えられ、従来の電動機駆動制御部を何ら変更することなく、簡単に独立巻線化した電動機3を駆動することが可能となる。
また、図4(a)→(c)→(b)までの状態遷移においては、点線で示す大きい円を出力最大とし、それを変調率=1としているので、インバータ1台構成の場合、変調率=1を超えると、出力に高調波歪みが発生するが、インバータ2台構成の場合、変調率=√3まで拡大しても高調波歪みなく、電圧を出力できる(図4(a)〜(c)参照)。
さらに、図4(c)の動作状態が、図4(a)のY結線等価動作状態と図4(b)のΔ結線等価動作状態との間を介しているため、結線切替えが円滑に実施でき、一旦、独立巻線型電動機3を停止してから再起動することなく、運転を継続したまま結線切替えが可能になっている。
なお、本実施の形態では、各相コイルのベクトル軸と合成電圧ベクトルa12、b12、c12が同一方向として説明したが、本来、固定子の電機子磁束はコイルに流れる電流に直交して発生する。電動機は誘導負荷であるため、力率が常時1とはならないため、各相コイルのベクトル軸と合成電圧ベクトルa12、b12、c12が同一方向であっても、電圧と電流のベクトルの方向が力率≠1の時、不一致し、電機子の磁束ベクトルと電圧ベクトルが直交するとは限らなくなる。ただし、無効電力が増加するため、概ね力率≒1にて動作させることから合成電圧ベクトルa12、b12、c12と各相コイルのベクトル軸とを同一方向に制御すれば、磁束ベクトルと合成電圧ベクトルa12、b12、c12がほぼ直交の関係で制御でき、所定の位相関係を保持できる。
また、演算により磁束を算出し、その磁束ベクトルと合成電圧ベクトルa12、b12、c12の方向を直交関係にして制御しても良い。さらに、直交関係でなくとも所定の位相関係を保持していればよく、その場合には直交関係を保持しているより無効電力が増加する。また、磁束を算出するのではなく、計測できればそれに越したことがないことは言うまでもない。さらに、合成電圧ベクトルa12、b12、c12を検出する検出回路を追加してもよく、この場合は、インバータ部4、5における短絡防止時間や半導体素子のオン電圧バラツキなどの誤差を低減でき、さらに、精度の良いベクトルの位相関係を維持できる。
また、独立巻線型電動機3を永久磁石同期電動機とした場合、回転子の位置に応じて固定子に通電して、固定子から発生する磁束を制御する必要がある。そのため、従来の技術では、回転子の位置検出器が必要であった。また、すべりのある誘導電動機であれば、Y結線等価動作状態からΔ結線等価動作状態への移行時の急峻な変動はすべりが吸収でき、電動機の動作を継続できた。
本実施の形態では、インバータ部4、5から出力される電圧の合成電圧を固定子座標軸、一般的には、制御上の静止座標軸(「αβ軸」と称す)に一致させるように電動機制御を行うことで、従来の結線された永久磁石同期電動機とインバータ1台構成と同じ回転子の位置センサレス制御ブロックの電圧出力部のみの変更だけで、簡単に独立巻線型電動機3の位置センサレス制御をインバータ2台構成への拡張を実現できる。これにより、複雑な演算を必要とする位置センサレス制御を必要以上に複雑化することなく、既存の信頼性の高い動作を確約する位置センサレス制御を簡単に適用することができ、位置センサレスが必須となる用途へ高効率な永久磁石同期電動機に適用して製品としての高効率化を実現できる。
従来の独立巻線型ではない三相結線された電動機11とインバータ部12の1台構成による位置センサレス制御部13の一例を図5に示す。位置センサレス制御部13内の出力電圧算出部14から出力された2軸電圧(vd、vq)を3相電圧(vuvw)へ座標変換する座標変換部15のみ変更することで本実施の形態は位置センサレス制御を実現できる。なお、図5における座標変換部15は、従来の三相結線電動機11とインバータ部12の1台構成の場合、式(1)で表される。
Figure 0004804381
独立巻線化した電動機3をインバータ部4、5にて駆動する場合、図5における座標変換部15を図6に示すブロックに変更することだけで、位置センサレス制御対応可能なインバータ2台構成の駆動制御装置が得られる。
ここで、本装置の制御手段について図6に示すブロック図を用いて説明をする。図5に示す出力電圧算出部14からの2軸電圧(vd、vq)を2台のインバータ部4、5からの出力に分配し、独立巻線型電動機3へ供給する交流電力の生成を行うのが出力電圧生成部21である。この出力電圧生成部21がインバータ1台構成と2台構成との相違点である。次に、2軸電圧(vd、vq)をインバータ部4、5に分配するのが、変調率分配器22である。出力電圧算出部14からの指令変調率をvkとおくと、vkはvdとvqによるノルム値で表されるので、図7に示すとおり、電圧ベクトルによる正六角形に内接する円の半径を変調率vk=1と定義する。変調率分配器22は、入力される2軸電圧(vd、vq)から指令変調率vkを算出し、インバータ部4への指令電圧(vd1、vq1)とインバータ部5への指令電圧(vd2、vq2)を算出する。インバータ部4の変調率をvk1、インバータ部5の変調率をvk2とすると、vd1、vq1、vd2、vq2は式(2)に示すように与えられる。
Figure 0004804381
指令変調率vkが1以下の場合であれば、図4(a)に示すようにY結線等価動作状態で出力できる。また、永久磁石同期電動機の場合は、Y結線等価動作の方が少ない電流で同じトルクを出力できるため、Y結線等価動作状態が最も損失の少なく高効率の動作方法である。そこで、vk≦1までは図4(a)の状態であるY結線等価動作状態で駆動するよう変調率分配器22は作用する。
そのため、インバータ部4への変調率vk1は指令変調率vkと等しく、インバータ部5への変調率vk2=0である。また、位相補償器23からは補償する位相はθ1=0である。また、インバータ部5への変調率vk2=0である故に、θ2は幾つであっても出力が0となる。よって、インバータ部4、5のための座標変換部24a、24bは、出力電圧生成部21に入力された位相角θにて回転座標変換が行われる。座標変換部24a、24bも座標変換部15と同様に、式(1)に基づいて座標変換される。
次に、vk>1となると、Y結線等価動作状態では出力電圧歪みが発生し始めるため、Y結線等価動作状態からΔ結線等価動作状態への途中動作へ移行し始める。これは図4(c)に示す状態である。この時、インバータ部4の変調率vk1は、vk1=1を保持し、インバータ部5への出力vk2を0から徐々に増加させていくことで、指令変調率vkが1を超える出力を可能にする。このときのvk2はvkにより、三角形の幾何学的に求められ、式(3)に示すように与えられる。
Figure 0004804381
よって、インバータ部4への変調率vk1=1、式(3)によるインバータ部5への変調率vk2に従い、変調率分配器22から式(2)に示すインバータ2台分のdq軸電圧が出力され、それぞれの座標変換部24a、24bに入力される。
さて、回転角であるが、本実施の形態は2台のインバータ4、5から出力される電圧の合成電圧軸と固定子コイルの磁束軸との位相関係を一定にすることで電動機を駆動する。そこで、θ2はΔ結線等価動作状態による遅れ角=120度に、合成電圧軸のベクトルが固定子磁束軸のベクトルとの位相関係を一致させるための遅れ角=30度を加算した150度遅れにて座標変換を行う。
遅れ方向を負と定義しているので、図6においてθ2=150度となり、1<vk≦√3まではθ2はvkによらず一定値となる。そこで、vk≦1までの範囲でもθ2=150度とおけば、0≦vk≦√3の範囲においてもθ2はvkによらず一定値にできることを付け加えておく。
さらに、θ1は、vk=1のとき、言い換えるとY結線等価動作状態(図4(a))の時にθ1=0となり、vk=√3のとき、言い換えるとΔ結線等価動作状態(図4(b))の時にθ1=30度となる。1<vk≦√3の範囲でのインバータ部4は、vk1=1の円軌跡上を動作する。よって、θ1も三角形の幾何学的に求めることができ、式(4)で与えられる。
Figure 0004804381
よって、インバータ部4の座標変換部24aには、出力電圧生成部21に入力された位相角θから式(4)で与えられたθ1を減算した角度θ−θ1で回転座標変換を行い、インバータ部5の座標変換部24bは、位相角θからθ2(=150度)を減算した角度θ−θ2で回転座標変換を行う。
次に、√3<vk≦2の範囲について説明する。この範囲では、独立巻線型電動機3に印加する電圧を歪ませること無く出力できる2通りの方法がある。そこで、2通りの手法について、順に説明する。
まず、手法1について説明する。vk=√3のときΔ結線等価動作状態と同じ動作状態となる。従って、vk≧√3のとき、インバータ部4、5から出力される各々の電圧源(a1〜c1とa2〜c2)は3次高調波を電圧に印加しても、その線間電圧(a12、b12、c12)には3次高調波が現れない。
これは、Δ結線であれば、図2(a)を見ればわかるように、三相コイルの中性点がインバータ部4、5に接続されず、インバータ部4、5に対して浮いた状態となっている。そのため、3次高調波重畳できる。しかし、図4(a)、(c)の状態はΔ結線等価動作状態ではないため、3次高調波重畳すると、コイルに流れる電流に3次高調波が発生する。そのため、3次高調波重畳はしない方が望ましい。
よって、3次高調波重畳と呼ばれる従来手法を用いて出力電圧実効値を増加させることができる。図8に3次高調波重畳した波形とその基本波の波形を示す。基本波の振幅に対し、3次高調波重畳すると0.866(=√3/2)にピークの抑制ができ、出力電圧を増加でき、変調率が1以上でも電圧の歪みなく出力可能となる。
よって、図7の正六角形の頂点に外接する外接円の円弧まで出力可能となり、図4(d)のベクトル図に示すとおり、出力最大となる円が大きくなる。本実施の形態では、図4(d)の内側の円の半径を1としており、この場合、外側の円の半径は2/√3(=1.155)となる。従って、図4(d)におけるΔ結線等価動作状態での合成電圧ベクトルa12、b12、c12は、vk=√3のとき√3、vk=2のとき2と等価となり、直線性を持つことがわかる。
図4(d)のベクトル図より、固定子コイル軸a、b、cと平行になるように合成電圧ベクトルa12、b12、c12を生成し、Δ結線等価動作状態を保持して合成電圧ベクトルa12、b12、c12を拡大することから、インバータ部4、5の変調率をvk1=vk2=vk/√3とし、位相補償器23からの補償位相θ1=30度、θ2=150度を一定に保つことで、独立巻線型電動機3をセンサレス駆動が可能となる。3次高調波重畳を用いることにより、√3<vk≦2の範囲であっても、Δ結線等価動作状態にて出力電圧を歪ませること無く動作でき、出力電圧を増加できる分、電流を低減して高効率に駆動することができる。
次に、手法2について説明する。手法2はインバータ部4、5間の電圧位相関係を制御することにより出力電圧を増加させる手法であり、図4のベクトル図を用いて説明する。
指令変調率vk=√3のとき、図4(b)の状態であり、この状態から、今度は図4(e)の状態となるようインバータ部4、5の出力位相を変化させる。図4(e)は、インバータ部4の補償位相θ1を0度になる方向に移行させ、インバータ部5の補償位相θ2を180度の遅れ位相となる方向に移行させる。図4(e)の状態を経て、特許文献4に示されるように互いに逆位相の出力となるような図4(f)に示す状態まで、インバータ部4、5の出力電圧の軌跡を描かせると、変調率=2まで拡大しても高調波歪みなく、電圧を出力できる。
インバータ部4の変調率vk1は、1<vk≦√3のときと同様にvk1=1を保持し続ける。インバータ部5の変調率vk2は、vk=√3のとき、vk2=1に達するため、√3<vk≦2の範囲では、vk2も変調率=1(vk2=1)を保持し続ける。よって、変調率分配器22は、インバータ部4への変調率Vk1=1、インバータ部5への変調率vk2=1を保持し、dq軸電圧を出力する。
さらに、手法2での位相補償器23の動作について説明する。vk=√3のとき、θ1=30度、θ2=150度であることは図4(b)よりわかる。この状態から、図4(e)から(f)への状態への移行により、θ1は0度の方向へ向かい、θ2は180度の方向へ向かうことが図4(e)、(f)よりわかる。従って、三角形の幾何学的にθ1、θ2はvkを用いた式(5)(6)として与えられる。
Figure 0004804381
Figure 0004804381
本実施の形態の手法2では、Y結線等価動作状態の図4(a)→図4(c)→図4(b)のΔ結線等価動作状態を経由して、図4(e)→図4(f)の動作状態まで移行する。しかし、特許文献4では図4(a)の状態から図4(g)の動作状態を経て、(e)の動作状態へ移行することが示されている。特許文献4に示すように、vk>1と変調率が1を超えた場合に、単純に逆方向にa2、b2、c2を伸ばしていくことでも実現できる。しかし、単純に逆方向へ出力合成電圧を大きくしていくよりも、Δ結線等価動作状態を経由してから逆方向まで拡大する方が、きめ細やかな出力電圧の制御ができ、本実施の形態では、出力合成電圧を制御する上で位置センサレス駆動に適している。更に言えば、低速から高速、その中間速度においても適切な出力電圧で独立巻線型電動機3を駆動することができるので、低速から高速までの広い範囲で高効率に駆動できる。
以上のように、√3<vk≦2の範囲におけるインバータ2台構成での出力電圧制御について、2つの手法を記述した。この手法を用いれば、固定子コイル軸と合成電圧軸との位相関係を一意に保ちながら独立巻線型電動機3を制御でき、永久磁石同期電動機であれば位置センサレス駆動を容易に実現できる。さらに広い回転範囲において高い効率を維持して駆動することも可能となる。
次に、指令変調率vk>2のvkが大きい範囲について説明する。指令変調率vkが大きくなると、コイルとコイルとの間の線間出力となる合成電圧は、図9に示すように電圧を歪ませた実線で示す台形形状の波形となる。この合成電圧の基本波成分は、図9の点線で示すように正弦波状になり、1以上の振幅となる出力が可能となる。この状態を過変調出力と呼び、過変調出力にて電動機を駆動することを過変調運転と称す。本実施の形態ではvk≦2まで、出力する線間電圧波形を歪ませることなく出力可能であるが、これ以上の変調率vkを出力するには、過変調運転が必要となる。
前述の手法1のΔ結線等価動作状態にて指令変調率vk>2まで拡大した場合における過変調運転についてまず説明する。
過変調運転時は、過変調になる直前のθ1(=30度)、θ2(=150度)を保持するよう位相補償器23は出力し、変調率分配器22は、インバータ部4、5の変調率vk1=vk2=vk/√3となるよう1:1に分配する。さらに、Δ結線等価動作状態は線間電圧の出力になるため3次高調波重畳しても出力電圧が直線性を失うことなく、制御でき全く問題ない。そのため、vk>2の動作領域でも3次高調波重畳し過変調運転しても1台構成のインバータと何ら差のない過変調運転を実現できる。
次に、前述の手法2について説明する。vk>2の過変調運転時は、位相補償器23はvk=2の時の位相角θ1=0度、θ2=180度を保持し続ける。変調率分配器22は、インバータ部4、5の変調率がvk1=vk2=vk/2となるよう1:1に分配する。これにより、固定子コイル軸と合成電圧軸との位相関係を一意に保ちながら独立巻線型電動機3を制御できる。
図4(f)の状態にて過変調運転した場合は、手法1と違い、コイルに流れる電流(ia、ib、ic)に3次高調波電流が流れる。これは、図4(f)の状態がΔ結線等価状態と違い、独立巻線型電動機3の中性点がインバータ部4、5と干渉するためである。なお、Δ結線等価状態の場合、独立巻線型電動機3の中性点はインバータ部4、5の出力電圧に影響がないことは前述の通りである。
しかし、手法2において、図4(f)の状態で3次高調波重畳すると、2<vk≦2.309の範囲においても過変調運転とならない動作状態を作り出せる。しかしながら、前述のとおり、図4(f)の状態で3次高調波重畳すると、インバータ部4、5の干渉により、線間出力電圧の3次成分が相殺されず、コイルには3次高調波電流を含む電流が流れる。そのため、トルクリップルの増大や独立巻線型電動機3から発生する電磁音の懸念があることから、過変調運転まで運転範囲を使用する用途の場合には、前述の手法1の方が望ましく、特許文献4に記載の技術は過変調運転までの運転範囲には不適といえ、過変調運転まで考慮すると本実施の形態の効果が理解できる。
以上のように、手法1、2に係わらず、指令変調率vk>√3の領域においては、インバータ部4、5には、vk1:vk2=1:1となるよう変調率を分配するよう記載しているが、vk=vk1+vk2となるように変調率を分配しても何ら上記と同様の効果を有することは言うまでも無い。ただし、1:1に分配しない場合、固定子コイル軸と合成電圧軸との位相関係を一意に保ちながら合成電圧を出力するよう位相補償器23が補償する位相角を出力することとなり、前述の一定値、もしくは式(5)、(6)での補償位相角より演算が多少複雑となる。
例えば、1:1に分配すると、vk1=vk2となるため、インバータ部4、5に流れる電流値は同じになるので、同じ電流容量の半導体素子もしくは半導体モジュールが使用でき、インバータ主素子からの放熱設計は同じ設計ができ、信頼性の高い電動機駆動制御装置を提供できる。
逆に、電流が大きい製品など、片側のインバータ部の電流容量を小さく抑えた方が安価な構成になる場合には、インバータ部4、5の電流容量の比率に応じて分配しても良く、前述と同等の効果を有することはいうまでもない。
さらに、インバータ部4、5の電流容量だけに限らず、過変調運転時の途中から分配比率を変えても何ら差し支えない。
以上の出力電圧制御についてまとめると下記の表1に示すようになり、式2にてインバータ部4、5のdq軸電圧、図6のブロック図に示すとおりの回転角と式1から出力する2つのインバータ部4、5から出力される交流電圧が求められる。表1において手法2のvk>2では、3次高調波重畳を有りとしているが、コイルに流れる3次高調波電流が多くなるため、無しであっても同等の効果を有し、更に言えば、有りの場合より、コイルに流れる電流の3次高調波を低減できる。
Figure 0004804381
以上より、インバータ2台による独立巻線型電動機3の構成は、インバータ1台構成における正弦波出力に対し、2倍の電圧まで高調波歪みなく電圧出力できる。これにより、独立巻線化せずに一方の端子を結線した場合の2倍の出力電圧まで拡大でき、出力電圧増加分だけ、高速回転化、高出力化を実現できる。更に言えば、出力電圧の増加分だけ高速回転でき、独立巻線型電動機3に流れる電流を低減し、広い回転範囲において高効率に駆動できる。
次に、このようなY結線とΔ結線、その中間状態を作り出した場合の効率改善効果について説明する。永久磁石電動機において、電機子巻線の仕様に応じてモータ定数が変化するが、結線形状によってにモータ定数は変化する。従来のY結線のモータ定数(巻数=Nターン)に対するΔ結線をY結線に等価変換したモータ定数、それと同一巻線仕様にしたY結線モータの場合のモータ定数を表2に示す。
Figure 0004804381
表2のモータ定数より、Nターン仕様のY結線モータを√3倍の巻数に増加したΔ結線モータは、従来品とモータ定数は同じとなる。そのため、動作する回転数範囲も同じとなり、モータ効率も同じとなる。一方、Nターン仕様のY結線モータを√3倍の巻数に増加したY結線モータは、従来品に対し、逆起電圧は√3倍、抵抗やインダクタンスは3倍になる。そのため、巻数を従来品の√3倍に増加したY結線モータの場合、磁石による逆起電圧が大きいため、少ない電流でトルクを出力でき、低速回転での効率は向上するが、逆起電圧が大きいため、高速回転側では弱め界磁運転となり、損失が大きく動作する回転数範囲は狭くなる。
以上の永久磁石電動機のモータ効率を図10に示す。図10には従来品のY結線モータの効率が記載されていないが、これはΔ結線モータと同効率となるためである。従って、巻数を√3倍にしてΔ結線にした場合、従来品と効率を変えることなく駆動可能となる。
そこで、巻数増加した場合のY結線モータの回転数範囲が狭くなる欠点は、結線を切替えることで解決し、低速回転時は巻数増加したY結線モータの高効率である利点を利用する。
本実施の形態では、低速回転時にはY結線等価動作状態で動作させ、Y結線で効率が低下する領域より、Y結線等価動作状態からΔ結線等価動作状態へ状態遷移させることができる。よって、中高速回転時はY結線時の効率ピークからΔ結線時の効率ピーク状態を保持して駆動させることができる。
単純にY結線とΔ結線を切替える方法であっても、従来品より低速回転時の効率を向上させることは可能であるが、本実施の形態は、Y結線とΔ結線と中間の動作状態を作り出すことにより効率ピーク状態を保持して駆動させることができるので、より中間速度領域での効率を高めることができる。
また、従来は、高速運転まで動作範囲を確保する必要があるため、図10に示すY結線での効率となるモータ仕様では高速にて回転しなくなるため、製品化できなかったが、高速運転側はΔ結線等価動作状態(前述の手法1)、もしくは逆位相でのY結線等価動作状態(手法2)で駆動できるため、従来品と同じ回転数範囲を維持できる。
よって本実施の形態は、従来採用していた独立巻線型電動機3の回転数範囲を狭めることなく、低速回転時には低速回転時の効率が高いモータ、高速回転時には高速回転可能なモータ、2つのモータ特性に線形性を損なうことなく円滑にインバータ2台で変化させることができ、低速から中速回転時の効率を大幅に向上させることができる。
例えば、適用する製品が空気調和機の場合、空気調和機の電気代性能を表示する指標としてAPF(通年エネルギー消費効率)が存在する。空気調和機の場合、最大回転数で動作することは少なく、室温が設定温度に近づくと、電動機の回転数を低速にして室温が安定するように制御される。そのため、APFも低速時の効率が高い方が高い値となり、電気代性能が高くなる。電気代性能が良いことは、地球環境にやさしいことと同義となる。
よって、本実施の形態の電動機制御駆動装置を空気調和機に用いた場合、APFを向上させることができる。
さらに、大型の空気調和機には圧縮機を2台に分け、空調能力を低下させたい場合には、動作させる圧縮機を1台に減らして効率を向上させると言う技術がある。本実施の形態は、従来品と同等の性能を維持する場合には、√3倍まで低速側の逆起電圧を増加させることができる。よって、1/√3(=0.577)台運転と同じ状況となり、ほぼ2台中1台を停止し、1台運転していることと等価となる。
以上より、圧縮機2台構成と同じ空調性能を圧縮機1台構成で実現できる。これにより、2台の場合より冷媒の分岐弁や冷媒油戻り機構などの構造や制御が容易となり、小型、安価で信頼性の高い空気調和機を実現できる。さらに、冷媒の圧縮漏れなどが低減でき、圧縮効率も向上する。
逆に、従来品と同一巻線仕様とした独立巻線型電動機3とした場合、Δ結線等価動作状態とすれば、従来品より逆起電圧が小さくなるため、高速回転側の回転数範囲を拡大しつつ、低速回転時の効率は従来の巻線仕様のY結線と同じ性能を維持できる電動機制御駆動装置を提供できる。
また、モータ特性は変化しているが、固定子コイル軸と合成出力電圧軸の位相を一意になるよう制御しているため、制御器におけるモータ定数は不変で良く、位置センサレス制御系も直線性を失うことなく実現できる。従って、従来の電動機とインバータを1:1にて構成している制御ブロックを簡単に適用できる。
本実施の形態は、従来から適用されている負荷トルク脈動に追従して出力トルクを制御することで振動を低減するトルク制御、反対に負荷トルク脈動に応答せず出力トルクを一定にする定トルク制御など、従来制御を簡単にモータ制御を拡張できる利点を有する。
また、Δ結線等価動作状態から3次高調波重畳することにより、従来の特許文献4と同じ変調率まで歪みが無い電圧を出力でき、さらには過変調運転まで対応可能を実現した。
さらに、永久磁石電動機の場合、メカニカルな結線切替え方式の場合、一度動作を停止し、再起動する必要があったが、本実施の形態の構成であれば円滑に結線切替えを実現でき、電動機を停止することなく、運転継続でき、結線状態の中間状態での効率も改善することができる。
特に、食品保蔵用の冷凍庫などに使用される圧縮機の場合、電動機が停止する間に食品が解凍したり傷んだりする可能性もあるため、停止することなく動作することにより、このような課題を解決できる。
またさらに、コイルに流れる電流を検出しているため、メカニカルなY結線とΔ結線切替えを行う場合のΔ結線時には検出不能なコイル電流が検出できる。よって、コイルに流れる電流で過電流による減磁の保護ができ、減磁保護のための過電流遮断レベルは一意に設定できる利点を有する。
また、図1に示す交直電力変換部2は交流電源1が単相であるため、単相の交流直流電力変換部としているが、図11に示すように電源が三相交流電源1bで、交直電力変換部が三相整流器2bであってもインバータ部4、5、およびインバータ2台構成における制御が同一であれば、前述と同等の効果があることは言うまでもない。
さらに、図1では独立巻線型電動機3の位置センサレス制御のため、その電動機3の電流を検出する手段として、電流検出器6にて記載しているが、この電流検出器6のみで本実施の形態が実現できないわけではなく、例えば、図1に同じく記載している直流シャント抵抗7a、7b、7cの何れかにて実施してもインバータ2台構成における制御が同一であれば、前述と同等の効果があることは言うまでもない。
また、電流検出器6として、流れる電流による磁束量を検出する磁気式電流検出器(「DCCT」と呼ぶ)や、1次巻線に電流を流し、2次巻線側に巻数比の誘導電流が流れることで電流を検出するACCTで実施しても何ら差異はない。さらに、DCCTやACCTにおいて、電流検出にオフセットが重畳することも予測されるが、これを独立巻線型電動機3が停止中に補正するように構成しても本実施の形態には何ら影響しないことは言うまでもない。さらに、独立巻線型電動機3が回転中であってもオフセット補正を行ってもよいし、ACCTの場合、巻線コアの着磁を除去するように電流を流してから独立巻線型電動機3を駆動するように構成しても問題はない。
電流検出器6ではなく、直流シャント抵抗7a、7b、7cによる本実施の形態について説明する。
直流シャント抵抗7a、7b、7cにて検出可能なコイル電流は、一般的な三相結線電動機を駆動するインバータ1台構成と同様に、電圧ベクトルに対するコイル電流の関係にて直流シャント抵抗の両端で電流が検出できる。その電圧ベクトルとコイル電流の関係は下記の表3に示す通りとなる。なお、表3においてシャント抵抗7aと7bの電圧ベクトルとコイル電流の関係は正負が反転しているが、これはコイル電流の符号を図1に示す電流の矢印方向を正としているためである。
Figure 0004804381
インバータ部4に接続されている直流シャント抵抗7aのみを用いれば、表3に示すとおり、インバータ部4が出力する電圧ベクトルに対し、コイルに流れる電流が一意に決まる。PWMの1キャリア中にゼロベクトル以外の異なる電圧ベクトルは少なくとも2個あるため、コイル電流の二相分検出可能となる。従って、直流シャント抵抗7aが1個あれば、電流検出可能となる。
次に、インバータ部5に接続されている直流シャント抵抗7bについて説明する。インバータ部5のY結線等価動作状態は、電圧ベクトルがv0およびv7のみとなり、ゼロベクトルだけが出力されるため、シャント抵抗7bから電流が検出できない。直流シャント抵抗7bはY結線等価動作状態が検出不可能であるがその動作状態以外は同等の効果を有する。従って、直流シャント抵抗7bのみでは電流検出器6の代替はできないし、Y結線等価動作状態を用いない場合、直流シャント抵抗7bのみで電流を検出でき独立巻線型電動機3を駆動できるが、前述の低回転時の高効率駆動が実現できなくなる。
また、直流シャント抵抗7cで検出される電流は、図1の回路をみれば明らかのように、直流シャント抵抗7aと直流シャント抵抗7bの合成電流が検出される。直流シャント抵抗7aの検出電流をIdc1、直流シャント抵抗7bの検出電流をIdc2とおくと、表3の電圧ベクトルと直流シャント抵抗にて検出されるコイル電流の関係から、直流シャント抵抗7cの検出電流IdcはIdc=Idc1+Idc2で与えられる。
例えば、インバータ部4にて出力されている電圧ベクトルがV5であり、インバータ部5にて出力されている電圧ベクトルがV6である場合、直流シャント抵抗7cの検出電流Idcは、表3の関係より、Idc=Idc1+Idc2=−Ib+Iaとなり、コイル電流の合成電流として検出される。
そのため、Y結線等価動作状態の場合、インバータ部5にて出力される電圧ベクトルはゼロベクトルだけであるから、Idc2=0となり、Idc=Idc1となる。よって、1キャリア中にゼロベクトルではない2つの異なる電圧ベクトルが存在し、直流シャント抵抗7cのみで電流を検出できる。
次に、Y結線等価動作状態からΔ結線等価動作状態への移行中の直流シャント抵抗にて検出可能な電流について説明する。
インバータ部4の変調率vk1=1、θ1は式(4)にて動作し、インバータ部5の変調率vk2は式(3)、θ2=150度にて動作する。そのため、インバータ部4、5のduty比率が異なり、図12に示すように半キャリア中にインバータ部4、5の双方ともゼロベクトルである場合を除き、それ以外の電圧ベクトル時に直流シャント抵抗7cの両端にて電流検出が可能となる。なお、図12の駆動信号はHiが上アームON、Loが下アームONを示す。
インバータ部4、5の駆動信号の変化タイミングが同時とはならず、電流検出可能な電圧ベクトルは5回発生し、これら全てでIdc=Idc1+Idc2が成り立つ。よって、従来、三相平衡から三相コイル電流=0としてIdcからコイル電流を復元するのでなく、三相コイル電流を全て検出できる。従って、直流シャント抵抗7cのみで電流検出できるだけではなく、直流シャント抵抗7cを用いるとゼロ相電流も検出できる。
ゼロ相電流は、三相平衡であれば流れないため、独立巻線型電動機3が三相平衡となっていない、コイル間にバラツキがある、もしくは、2台のインバータ部4、5に出力誤差があることを意味する。特許文献2では、ゼロ相電流のため、開閉器を設ける構成を採用していたが、直流シャント抵抗7cに流れる電流からゼロ相電流を検出することでゼロ相電流がゼロになるように制御することも可能になる。
また、直流シャント抵抗7cのみの構成におけるΔ結線等価動作状態の場合、インバータ部4、5における出力電圧の位相差は120度となるため、duty比率は一致し、インバータ部4、5の駆動信号の変化タイミングが同時となる。よって、半キャリア中に電流検出可能な電圧ベクトルは2回あり、従来の1:1のインバータとモータの構成と同じとなる。
以上より、直流シャント抵抗7cのみの構成であっても、コイル電流の二相分の検出可能となり、直流シャント抵抗7cが1個あれば、電流検出可能といえる。さらに、Y結線等価動作状態からΔ結線等価動作状態への移行中はゼロ相電流も検出でき、ゼロ相電流がゼロになるように制御することも可能になる。
なお、図1では電流検出器6および直流シャント抵抗7a〜7cが記載されているが、これら全てのうち、1つのみが構成されても独立巻線型電動機3のコイル電流が検出できればよく、例えば、電流検出器6と直流シャント抵抗7cが構成されていても、本実施の形態が実現できることは言うまでもない。さらに、電流検出器6や直流シャント抵抗7a〜7cでなくとも独立巻線型電動機3のコイル電流が検出できれば何ら方式を問うものではないことは言うまでもない。
直流シャント抵抗7cのみの構成の場合、Y結線等価動作状態からΔ結線等価動作状態への移行中のゼロ相電流の検出は可能であるが、Y結線等価動作状態でもゼロ相電流が発生する可能性がある。そこで、直流シャント抵抗7cと電流検出器6を併用することにより、ゼロ相電流を検出し、ゼロ相電流が流れなくなるように制御する構成としてもよい。
この場合、直流シャント抵抗7cではなく、直流シャント抵抗7aと電流検出器6との組合せで、ゼロ相電流を検出し、ゼロ相電流が流れなくなるように制御する構成としても何ら問題がないことは言うまでもない。
また、図1では電流検出器6を三相の独立巻線型電動機3に対し、2個設けているが、これを相数と同じの3個にすればゼロ相電流を検出することが可能になることは言うまでもなく、ゼロ相電流抑制のための検出手段によらず、出力電圧の制御によりゼロ相電流を抑制可能な構成であれば、どのような構成であってもよいことは言うまでもない。
さらに、ゼロ相電流はインバータ部4、5を循環することで発生する。その循環を抑制するためには、図13に示すようにダイオードを介してインバータ部4、5を接続すれば良い。ダイオードは逆方向の電流は流れないので、循環電流が抑制され、その結果、ゼロ相電流を抑制できる。図13は単相整流器にて記載しているが、図11に示す三相整流器2bにて構成しても何ら問題は無い。さらに、図13におけるコンデンサ8a、8bを電解コンデンサではなく、小容量のフィルムコンデンサを用いて、電解コンデンサレスとして独立巻線型電動機3を駆動しても、1:1のインバータとモータの構成を同じ動作にて独立巻線型電動機3を駆動することができ、さらには、図11に示す三相整流器2bのコンデンサ8を小容量化しても同等の効果を有する。
また、本実施の形態は独立巻線型電動機3の駆動制御に関する技術であるが、1:1のインバータとモータの構成で実現できる制御であれば、その制御は簡単に適用できる。例えば、空気調和機に用いられる圧縮機は図14に示すような1回転中に負荷トルク脈動を有する。この負荷トルク脈動を抑制するようにインバータを制御するトルク脈動抑制制御が実用化されている。従って、本実施の形態は、dq軸電圧を出力電圧へ座標変換する部分にインバータ2台へ出力電圧を分配する構成であるため、トルク脈動抑制制御が実用化されていれば、そのまま制御を踏襲して、インバータ2台構成へ応用できる。
上記まで、直流シャント電流検出およびトルク脈動抑制制御について説明し、独立巻線型電動機3の駆動制御に関する技術を説明したが、1:1のインバータとモータの構成で実現できる制御であれば、その制御は簡単に適用できるのであって、その他に電源周波数と電動機周波数が干渉して電動機の電流が脈動するビート現象抑制制御やコンデンサを小容量化するケミコンレス制御などについても同様で、1:1の構成で実現可能な制御構成であれば、本実施の形態に適用することは容易であり、その効果も同等の効果を有する。
さらに、空気調和機に搭載された圧縮機駆動に適用する場合、前述でAPF向上や圧縮機2台構成を1台にて実現できる旨を説明したが、圧縮機が1回転中のトルク脈動の小さいスクロール方式の圧縮機であれば、1回転中の電流変動が小さくなるため、電流が流れることにより変動するインダクタンス変化を機械的に抑制しているため、三相平衡状態を機械的に保持でき、ゼロ相電流の抑制制御無しでもゼロ相電流を少なくできる利点がある。
また、空気調和機のように冷媒を用いる圧縮機ではなく、空気を圧縮するエアコンプレッサーに適用した場合、圧縮工程による熱量の移動が冷媒の圧縮機より少なく、温度で特性が変化する磁石の特性が安定し、これも三相平衡状態を機械的に保持できる。そのため、前記と同様の効果を有する。さらに、空気ではなく、二酸化炭素を圧縮する圧縮機であっても同様の効果を有するだけでなく、オゾン破壊係数が0の自然冷媒であるため、地球環境にやさしい利点も併せて有する。
さらに、永久磁石電動機として用いている永久磁石は、フェライト磁石を用いているが、これを希土類磁石に変更すると、最大エネルギー積が増加でき、磁力を大きくすることができるため、減磁レベルが向上し、減磁による磁石のバラツキを抑制できる。また、モータ定数である逆起電圧定数φも磁力が高い分だけバラツキを抑えることが容易になる。これにより、三相平衡状態を機械的に保持でき、ゼロ相電流の抑制制御無しでもゼロ相電流を少なくできる。また、磁石に別の粉末を混ぜて生成した永久磁石電動機は、焼結磁石より成形性が上がり、三相間のバラツキを抑制しやすくなるため、ゼロ相電流が流れにくい電動機と言える。
さらに、前述までの相数は三相であるとして説明してきたが、なにも三相に限ったことではなく、多相でもあっても、磁束軸のベクトルと合成電圧のベクトルの位相関係を一定に保持すれば、本実施の形態が適用できることは言うまでもない。更に言えば、6相までは各相の軸の相差角が60度以上となり、各巻線に注意せずに適用できる。それ以上の相数の場合、合成電圧が合成前の電圧より小さくならなければ、本実施の形態の効果が適用されることを断っておく。
以上より、回路構成や電動機の構造、電動機を搭載する機械の構成などにより、循環電流を抑制し、または、各相間のバラツキを抑制して、三相平衡状態を保持することによりゼロ相電流を抑制することもできる。また、ゼロ相電流自体を検出するようにし、各相のバラツキに応じて出力を補正することでもゼロ相電流を抑制することができる。
また、本実施の形態はインバータ主回路部分が2台の構成となるため、単純には2倍のコストが費やされると思われるが、コイルに流れる電流は、Y結線時とΔ結線時とでは、√3:1となる。そのため、インバータ主回路部分は、1台構成に使用される電流容量の1/√3の電流容量の主回路部分が2台分必要となる。従って、電流容量の大きな製品、例えば、業務用空気調和機やショーケースなど、電流容量を低減でき、安価な民生製品用の部品が使えることもある。この場合、安価な主回路部2台と高価な主回路部1台とのコスト差が本実施の形態のコスト差となり、コストダウンの可能性もあることを付け加えておく。
本実施の形態の活用例として、位置センサレスが必須となる圧縮機を搭載している空気調和機のほか、冷蔵庫、除湿器、ヒートポンプ式給湯機、ヒートポンプ式乾燥洗濯機、冷凍機、ショーケースが挙げられる。さらには、洗濯乾燥機、洗濯機、掃除機など圧縮機を搭載していない製品でも適用可能であり、ファンモータなどへの適用も可能である。
本発明の実施の形態に係る電動機駆動制御装置の構成を示す回路図である。 本実施の形態を説明するための結線回路図である。 本実施の形態を説明するための等価回路を示すブロック図である。 本実施の形態の動作状態を示す電圧ベクトル図である。 本実施の形態を説明するインバータ1台構成での制御ブロック図である。 本実施の形態におけるインバータ2台構成で変更する制御ブロック図である。 本実施の形態における変調率を定義する電圧ベクトル図である。 本実施の形態における3次高調波重畳を説明するための電圧波形図である。 本実施の形態における過変調時を説明するための電圧波形図である。 本実施の形態における効率曲線図である。 本実施の形態における他の交直電力変換部を示す回路ブロック図である。 本実施の形態における合成電流のシャント検出を説明するための波形図である。 本実施の形態における他の実施の形態を示す回路ブロック図である。 本実施の形態におけるトルク脈動を説明するための波形図である。
符号の説明
1 交流電源、2 交直電力変換部、3 独立巻線型電動機、4 第1のインバータ部、5 第2のインバータ部、21 出力電圧生成部、22 変調率分配器、23 位相補償器、24a 第1のインバータ部のための座標変換部、24b 第2のインバータ部のための座標変換部。

Claims (16)

  1. 交流電源の電力を直流電力に変換する交直電力変換部と、
    該交直電力変換部の直流電力からそれぞれ交流電圧を生成し、独立巻線型電動機に出力する第1および第2のインバータ部と、
    独立巻線型電動機がY結線等価動作あるいはΔ結線等価動作するように前記第1および第2のインバータ部を制御する制御手段とを備え、
    前記制御手段は、独立巻線型電動機がY結線等価動作状態からΔ結線等価動作状態に移行させる際、独立巻線型電動機の電機子巻線に発生する磁束のベクトルと前記第1および第2のインバータ部による合成電圧のベクトルとの位相が平行関係を維持するように前記第1および第2のインバータ部の出力電圧を制御することを特徴とする電動機駆動制御装置。
  2. 前記制御手段は、前記独立巻線型電動機の電機子巻線に流れる電流のみを検出し、これに基づいて前記第1および第2のインバータ部の出力電圧を制御することを特徴とする請求項1記載の電動機駆動制御装置。
  3. 前記制御手段は、前記独立巻線型電動機の回転子の位置を検出することなく、当該独立巻線型電動機を駆動制御することを特徴とする請求項2記載の電動機駆動制御装置。
  4. 前記独立巻線型電動機の電機子巻線に流れる電流によって発生する磁束を検出し、これに基づいて電機子電流を検出する電流検出器を備えたことを特徴とする請求項2又は3記載の電動機駆動制御装置。
  5. 前記独立巻線型電動機の電機子巻線に流れる電流によって発生する誘導電流を検出し、これに基づいて電機子電流を検出する電流検出器を備えたことを特徴とする請求項2又は3記載の電動機駆動制御装置。
  6. 前記第1および第2のインバータ部の出力電圧と抵抗の両端電圧との関係から電機子電流を検出する電流検出器を備えたことを特徴とする請求項2又は3記載の電動機駆動制御装置。
  7. 前記制御手段は、前記第1のインバータ部の出力電圧が飽和するまで第2のインバータ部の出力をゼロ電圧とすることを特徴とする請求項1乃至6の何れかに記載の電動機駆動制御装置。
  8. 前記制御手段は、前記第1のインバータ部の出力電圧が飽和し、第2のインバータ部の出力電圧が飽和するまで、第1のインバータ部の出力電圧を飽和した値で保持しつつ位相のみ変更し、第2のインバータ部の出力電圧の位相を保持したまま振幅のみ変化させることを特徴とする請求項1乃至6の何れかに記載の電動機駆動制御装置。
  9. 前記制御手段は、前記第2のインバータ部の出力電圧が飽和したときに、前記第1および第2のインバータ部の位相と振幅とを保持したまま、出力周波数の3次高調波を重畳して電圧を出力することを特徴とする請求項1乃至6の何れかに記載の電動機駆動制御装置。
  10. 前記制御手段は、前記第2のインバータ部の出力電圧が飽和したときに、前記第1および第2のインバータ部の振幅を保持したまま、位相を変化させて電圧を出力することを特徴とする請求項1乃至6の何れかに記載の電動機駆動制御装置。
  11. 請求項1乃至10の何れかに記載の電動機駆動制御装置により駆動制御される独立巻線型電動機であって、その回転子に永久磁石が用いられていることを特徴とする電動機。
  12. 電機子巻線がY結線等価変換によりY結線されたとき所定の回転数まで未到達であるが、Δ結線等価変換によりΔ結線されたときは所定の回転数まで回転可能としたことを特徴とする請求項11記載の電動機。
  13. 前記回転子の永久磁石に希土類磁石が用いられていることを特徴とする請求項11又は12記載の電動機。
  14. 前記回転子の永久磁石は粉末が添加されて成形されていることを特徴とする11又は12記載の電動機。
  15. スクロール方式の圧縮機に搭載されていることを特徴とする請求項11乃至14の何れかに記載の電動機。
  16. オゾン破壊係数がゼロである冷媒を用いた圧縮機に搭載されていることを特徴とする請求項11乃至14の何れかに記載の電動機。
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