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JP4802042B2 - ワンウェイクラッチの支持構造 - Google Patents

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Description

本願は、伝動軸と同心にワンウェイクラッチを備えるとともに、前記ワンウェイクラッチに対して摩擦係合要素の油圧サーボ機構を備え、この油圧サーボ機構がピストンを内部に軸方向に移動自在に収納するシリンダ部材を備えて構成されるワンウェイクラッチの支持構造に関し、例えば、ワンウェイクラッチの外径側にブレーキの油圧サーボ機構を備え、そのシリンダ部材から固定要素としてのワンウェイクラッチのアウターレースを支持する構造に関する。
この種の支持構造が採用される自動変速機の一例を、本出願人に係る特許文献1、特許文献2に開示の技術を例にとって説明する。
特許文献1
この文献に開示の技術は、軸長の短い、変速制御の容易な自動変速機を提案するものであり、開示の図面に示すように、その一実施形態として、3つの遊星歯車機構5、6、16(本願の実施の形態におけるPG1,PG2,PG3に相等)、4つのクラッチC0、C1、C2、C3、3つのブレーキB0、B1、B2及び2つのワンウェイクラッチF0,F1を採用して、5速自動変速を実現する。
本願明細書の図6は、この特許文献1の図6に示される変速前段部の構成を転記したものである。
以下、図6に示す従来型の自動変速機において、第1ワンウェイクラッチF1と第1ブレーキB1との連結関係を例に取って、本願の課題を説明する。説明に際して、理解を容易とするために、図6に特許文献1で使用されている主要部品の部品番号を付した。さらに、詳細な部位を説明するために、必要箇所に部品番号を付した。以下に説明する図5においても同じ。
この図に示される自動変速機の作動表が、特許文献1の図7に示されている。
この自動変速機では、第1速を形成するために第1ワンウェイクラッチF1が係合状態が維持され、第1速から第2速への変速は、第1ワンウェイクラッチF1の係合を解除し、第1ブレーキB1を係合状態とすることにより形成される。
一方、特許文献1の図5に示されるスケルトンからも判明するように、第1ワンウェイクラッチF1のアウターレースOrは、基本的には例えばミッションケースMCに回り止めされていればよい。しかしながら、本願明細書の図6に示すように、第1ワンウェイクラッチF1をブレーキB1に対して径方向内側に位置し、さらにコンパクトな自動変速機を得ようとする場合、第1ワンウェイクラッチF1のアウターレースOrを、ブレーキB1のシリンダ部材cyを利用して固定することができる。
図6に示す構造では、第1ワンウェイクラッチF1のアウターレースOrと、ブレーキB1のシリンダ部材cyの内径面との間に渡って連結部材Xを配設して、アウターレースOrは回り止めされている。この連結部材Xは、円筒形本体部Xaのシリンダ部材側にブレーキ側係合部Xbを、アウターレース側にクラッチ側係合部Xcを備えた、比較的複雑な構造部材である。これら係合部Xb、Xcは、軸方向に伸びる延出部Xe(図6の下側断面に示す)と、切り欠き部Xd(図6の上側断面に示す)とを交互に備えて構成される。
しかしながら上記のような構成を採用する場合は、ワンウェイクラッチとシリンダ部材との間に別部材である連結部材を配設する必要があり、部品点数の増加に繋がるとともに、組み付け工程も複雑となり、コストアップに繋がる。
また、この種の連結部材は、その収納空間の性質上、比較的薄型の筒状部材とならざるを得ず、この部材に許容できる負荷には限界がある。この点、例えば、自動変速機がハイブリッド駆動装置に採用される場合を考えると、ハイブリッド装置では当該部位がエンジン単独駆動の装置よりも格段に高い回転数で回転する運転状態となる場合もあり、改善の余地があり、特許文献2に開示の自動変速機の構造も採用されていた。
特許文献2
この文献に開示の構造を本願明細書の図5に示した。この技術では、ワンウェイクラッチF1の外径側にブレーキの油圧サーボ機構を備える場合のワンウェイクラッチF1の支持構造として、油圧サーボ機構のシリンダ部材cyの内周側とワンウェイクラッチF1のアウターレースOrの外周側にスプラインsp(spm、spf)が形成され、ワンウェイクラッチF1の回転方向が回り止めされ、軸方向はワッシャ部材Wを介して隣接する部材に当接し、軸方向の移動が規制されている。さらに、この技術では、ミッションケースMC内の空きスペースを有効利用する為にワッシャ部材Wを用いて軸方向を規制し、ワンウェイクラッチF1とシリンダ部材cyのスプライン幅を確保している。
また、該シリンダ部材cyは、ワンウェイクラッチF1の係合時にワンウェイクラッチF1から負荷を受ける為、スプラインspを形成し肉薄となった部分が変形しやすく、変形した状態では、摩擦係合要素の係合を行うシリンダ部材cy内のピストンpの移動に影響が出るという問題が考えられる。そのため、上記文献に開示の技術においては、シリンダ部材cy内のピストンpの移動部分をシリンダ内空間側に張り出して肉厚にすることにより、この影響を抑制している。
特開平9−79328号公報 特開2003−184964号公報
特許文献2に示すように、ワッシャ部材を利用してワンウェイクラッチの両端から軸方向の移動を規制するとワッシャ部材を配置するスペースが必要となる。しかしながら、車両搭載性を向上させる為、各部品を詰めて配置し、ケースの全長を出来るだけ短縮したいような場合には、ミッションケース内に十分な空きスペースができないことが考えられる。
そこで、ワッシャ部材を廃止し、スナップリングでアウターレースとシリンダ部材のスプライン係合部両端の軸方向の移動を規制することで、ワッシャ部材分の軸長を短縮することが考えられるが、この場合、スプライン幅が短縮され十分なスプライン幅を確保できなくなる可能性がある等改善の余地がある。
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、変速用にワンウェイクラッチと摩擦係合要素とを備える自動変速機において、部品点数をできるだけ低減することが可能であるとともに、連続する変速段の変更で、ワンウェイクラッチが係合した状態から摩擦係合要素の係合を行う自動変速機において、できるだけスムーズで信頼性の高い摩擦係合要素の係合を行える技術を得ることにある。
上記目的を達成するための、伝動軸と同心にワンウェイクラッチを備えるとともに、前記ワンウェイクラッチに対して摩擦係合要素の油圧サーボ機構を備え、前記油圧サーボ機
構がピストンを内部に軸方向に移動自在に収納するシリンダ部材を前記ワンウェイクラッチの外径側に備え、
前記ワンウェイクラッチのアウターレースが前記シリンダ部材を介してケースに回り止めされる前記ワンウェイクラッチの支持構造の特徴構成は、
前記アウターレースの外径面と前記シリンダ部材の内径面との間に設けられたスプラインにより前記アウターレースを回り止めし、
前記シリンダ部材の内径面に設けられた軸径方向に延びる段部により前記アウターレースの一方の軸方向端を位置決めし、前記シリンダ部材の内径面に備える支持部材により他方の軸方向端を位置決めするとともに、
前記段部により、前記シリンダ部材の筒部に前記スプラインの外径側に位置する肉薄部と前記スプラインに対して軸方向一方側に位置する肉厚部とが形成され、前記ピストンの移動ストロークが前記肉厚部に軸方向でオーバラップする範囲に設定されていることにある。
この構成の支持構造では、ケースに固定された状態にあるサーボ機構のシリンダ部材を利用して、ワンウェイクラッチのアウターレースの回り止めをする。すなわち、アウターレースの外径面とシリンダ部材の内径面との間に設けられたスプラインにより、アウターレースの回り止めをする。
さらに、軸方向の位置決めに関しては、シリンダ部材の外面に設けられる段部と支持部材により位置決めを実現することで、スプライン幅を確保しながら、少ない部品点数で確実な位置決めを実現できる。
特許文献1に記載の従来技術と比較して、連結部材が不要となり、確実にワンウェイクラッチの固定要素をシリンダ部材から固定することで、結果的に、高負荷が掛かる使用状態においても安定した構造となる。また、特許文献2に対しては、ワッシャ部材が不要となる。
結果、ケース内の空間を有効利用しながら、ワンウェイクラッチのアウターレースの回り止めをし、ワンウェイクラッチの機能を良好に確保できる。
ここで、本願においては、シリンダ部材の内径面に径方向に延びる段部を設け、シリンダ部材の肉厚部と肉薄部とを形成するため、ピストンが移動するシリンダ部材内空間は大きくすることができ、ピストンにより均等な押圧力を形成しやすい。
また、ワンウェイクラッチのアウターレースをサーボ機構のシリンダ部材で固定する構成を採用すると、ワンウェイクラッチが係合状態にある運転状態では、シリンダ部材にワンウェイクラッチ作動のための反力が発生しており、変形を伴う。この種の変形が発生している状況で摩擦係合要素の係合を行う変速構造では、変速時にシリンダ部材内を移動するピストンの動きに、その影響が出ることもある。この点、この種の影響は極力抑えられることが好ましい。
そこで、上記構造において、前記段部により、前記シリンダ部材の筒部に前記スプラインの外径側に位置する肉薄部と前記スプラインに対して軸方向一方側に位置する肉厚部とが形成される状況で、前記ピストンの移動ストロークが前記肉厚部に軸方向でオーバラップする範囲に設定する。
このような構造を採用しておくと、サーボ機構の動作に際して、変形が比較的小さく抑えられる肉厚部にオーバラップする範囲内をピストンが移動することとなり、ピストンのスムーズな動きを確保できる。
上記構成において、前記ピストン部材が前記摩擦係合要素の摩擦板を押圧する押圧部と、前記ピストン部材を復帰する復帰スプリングとが、軸径方向で異なった位置に設けられていることが好ましい。
このように、押圧部を復帰スプリングとの軸径方向で位置を異ならせておくことにより、押圧部を軸周方向において全周にわたるものとすることができ、押圧部に対向して設けられる摩擦板を周方向で均等に押すことが可能となり、摩擦係合要素の良好な作動状態を確保できる。
この点、本願に係る図2と特許文献2に係る図5とを比較すると、両者の下側に示される復帰スプリングを表した断面からも判明するように、径方向位置が重なると、押圧部は、復帰スプリングの配置箇所で切り欠く必要があり好ましくない。
さらに、本願にあっては、先に説明したように、シリンダ部材の内径面に径方向に延びる段部を設け、シリンダ部材の肉厚部と肉薄部とを形成するため、ピストンが移動するシリンダ部材内空間は大きく取ることができる。結果、上記のように、前記押圧部と、前記復帰スプリングとの径方向の位置関係を異ならせる場合も、この構造を容易に実現できる。
さて、上記の構造において、前記復帰スプリングを前記押圧部の軸径方向外径側に位置させ、
前記シリンダ部材から離間した軸方向端に位置する摩擦板を位置決め規制する規制部材を前記ケースに設け、当該摩擦板の軸径方向外径側部位で軸方向移動を規制するとともに、
前記シリンダ部材に近接した軸方向端に位置する摩擦板の軸径方向内径側部位を前記押圧部で押圧可能に構成することが好ましい。
この構造にあっては、復帰スプリングは径方向外径側即ちケース側に配置され、この復帰スプリングより内径側にピストンの押圧部が配置されることとなる。
一方、摩擦係合要素の摩擦板の押圧部による押圧状態においては、シリンダ部材から離間した軸方向端に位置する摩擦板に関しては、ケース側から規制部材により、シリンダ部材から離間する方向への移動が規制される。この規制位置は、当該摩擦板の軸径方向外径側部位(軸径方向で、摩擦板の中央からみてケース側に位置する部位)である。
これに対して、シリンダ部材に近接した軸方向端に位置する摩擦板の軸径方向内径側部位(軸径方向で、摩擦板の中央からみて軸側に位置する部位)が押圧部により押される。
この押圧状態では、シリンダ部材から離間した軸方向端に位置する摩擦板とシリンダ部材に近接した軸方向端に位置する摩擦板および、それら摩擦板間にある摩擦板を総合して見ると、離間側端でケース側(外径側)において、近接側端でケースから離間する側(内径側)において対角線上の端部位置から挟持押圧することとなるため、径方向において例えば外径側(ケース側)のみで軸方向両端から挟持押圧する状態より摩擦板にかかる面圧を均一とすることが可能となる。結果、摩擦係合要素の良好な作動状態を確保できる。
さて、少なくとも第1のギヤ段及び第2のギヤ段を連続して切り替える自動変速機として、当該第1のギヤ段を形成するためにワンウェイクラッチが使用され、当該第2のギヤ段を形成するために摩擦係合要素が使用される構成において、
当該ワンウェイクラッチと摩擦係合要素との間に、本願に係るワンウェイクラッチの支持構造を採用することで、第1のギヤ段と第2のギヤ段との間の変速動作を信頼性の高い、安定したものとできる。
この構成の場合、特に、第1のギヤ段が、第1速を実現するドライブレンジの初段であり、第2のギヤ段が、この第1速より高速側で第1速から連続して切り替えられて実現されるギヤ段であることが好ましい。
自動変速機に掛かる負荷は低速側の第1速において比較的大きい。そこで、第1速とこの第1速に連続して切り替えられる第2速との間で、ワンウェイクラッチ及び摩擦係合要素での係合変更が行われると本願の課題が発生しやすいが、本願の支持構造を採用することで、ピストンの動作をスムーズなものとし、信頼性の高い変速を行える。
さらに、本願に係る自動変速機を変速部としてハイブリッド駆動装置に採用することで、高速回転にも対応でき、信頼性の高いハイブリッド駆動装置を得ることができた。
以下、本願に係るワンウェイクラッチの支持構造を、ハイブリッド駆動装置100に適応した例に関して、図面に基づいて説明する。
図1は、このハイブリッド駆動装置100の駆動構造を示すスケルトン図であり、図2は、変速部101において、本願に係るワンウェイクラッチの支持構造を採用している第1ワンウェイクラッチF1近傍の詳細を示す図であり、図3は、当該ワンウェイクラッチF1のアウターレースOrとその外径側に位置される第1ブレーキB1のシリンダ部材cyの肉薄部Tnとの周方向における係合状態を示した軸方向視図である。
1 ハイブリッド駆動装置100の全体構造
この例におけるハイブリッド駆動装置100は、エンジンE、一対のモータ・ジェネレータ(このモータ・ジェネレータは、電力の供給を受けて駆動力を発生するモータとして働く他、駆動力を受け入れて発電を行うジェネレータとしても働く。以下、単に電動機と呼ぶ)MG1、MG2及びその伝動下流側の変速部101に5段変速可能な自動変速機102を備えて構成されている。
ハイブリッド駆動装置100は、エンジンE若しくはモータとして働く電動機MG1,MG2、あるいはそれらの両方から駆動力を得て変速後、その出力を行う他、エンジンEから駆動力を得て電動機MG1をジェネレータとして働かせてバッテリBAの回生を行う、或は電動機MG1をモータとして働かせてエンジンEの始動を行うことも可能とされている。
図1に示すように、このハイブリッド駆動装置100は、エンジンEの出力下流側に一対の電動機MG1,MG2を備えて構成されている。これら電動機MG1,MG2は、それぞれインバータInを介してバッテリBAに接続されている。図1において右側(エンジンEに近い側)に備えられる電動機(以下、第1電動機と呼ぶ)MG1のロータroは、エンジンEのクランク軸(図示省略)の出力が直接伝動されるエンジン出力軸1に連結した構成が採用されている。同図において左側(第1電動機よりエンジンEからは離れた側)に備えられる電動機(以下、第2電動機と呼ぶ)MG2のロータroは、自動変速機102の入力軸である第1入力軸2に連結されている。
エンジン出力軸1と第1入力軸2との間には、第四クラッチC4が配設されている。
この構造を採用することにより、第四クラッチC4が係合状態に保たれる状態において、第1、第2電動機MG1,MG2をモータとして働かせて自動変速機102に伝動してモータ走行を行ったり、エンジンEからの駆動を自動変速機102に伝動してエンジン走行を行うことができる。当然、電動機MG1,MG2からの駆動をエンジン駆動のアシスト用にも使用できる。
第四クラッチC4の非係合状態にあっては、第1電動機MG1からエンジンEに駆動を伝達する状態でエンジンEの始動を行うことができ、エンジンEの駆動が第1電動機MG1に伝達される状態では、電動機MG1をジェネレータとして働かせて、バッテリBAの回生を行える。
以上説明した構成により、自動変速機102の第1入力軸2には、エンジンE若しくは電動機MG1,MG2或はそれらの両方から駆動力が伝達され、所定の変速を施した後、自動変速機102の出力ギヤ30より走行駆動を出力できるように構成されている。
2 ハイブリッド駆動装置に備えられる変速部
この例では、自動変速機102は5速自動変速可能な構造としている。
この5速自動変速機102は、図示するようにエンジン出力軸1と同心に、第1入力軸2および第2入力軸3とを備えた変速前段部50と、第2入力軸3に対して平行に配設されるカウンタ軸4を備えた変速後段部51とを備えて構成されている。自動変速機102からの出力は、変速後段部51に備えられる第3遊星歯車機構PG3のキャリアc3の回転として得ることができる。第1入力軸2と第2入力軸3とはスプラインにより、一体回転するように連結されている。これら両入力軸2、3が本願にいう伝動軸に相当する。
さらに詳細に、図1に基づいて説明する。
同図に示すように、第1入力軸2と同一軸線上に第1遊星歯車機構PG1と第2遊星歯車機構PG2とが配列されている。これらの遊星歯車機構PG1,PG2は、それぞれサンギヤs1、s2、これらサンギヤs1、s2に対して同心円上に配置された内歯歯車であるリングギヤr1、r2、それらのサンギヤs1、s2およびリングギヤr1、r2に噛合したピニオンp1、p2を保持しているキャリアc1、c2を三要素とするシングルピニオン型の遊星歯車機構である。
これら遊星歯車機構PG1,PG2のうち図1の右側(伝動上流側)の第1遊星歯車機構PG1のキャリアc1と左側(伝動下流側)の第2遊星歯車機構PG2のリングギヤr2とが一体回転するように連結されており、また第1遊星歯車機構PG1のリングギヤr1と第2遊星歯車機構PG2のキャリアc2とが一体回転するように連結されている。したがってこれら第1遊星歯車機構PG1および第2遊星歯車機構PG2のキャリアc1、c2とリングギヤr1、r2とが上記のように連結されていることにより、これら一体化されたキャリアc1およびリングギヤr2と、キャリアc2およびリングギヤr1、2つのサンギヤs1、s2の合計4つの回転要素を有する構成とされている。
これらの回転要素のうち第1遊星歯車機構PG1のサンギヤs1に第1入力軸2を選択的に連結する多板クラッチ(以下、第1クラッチと呼ぶ)C1 が設けられている。
また、第2遊星歯車機構PG2のサンギヤs2を第1入力軸2(具体的には第2入力軸3)に選択的に連結する多板クラッチ(以下、第3クラッチと呼ぶ)C3 が設けられている。
この第3クラッチC3を挟んで第2遊星歯車機構PG2とは反対側には、第3クラッチC3に隣接して多板式のクラッチ(以下、第2クラッチと呼ぶ)C2が配置されている。そしてこの第2クラッチC2は、第2遊星歯車機構PG2のキャリアc2と第1入力軸2(具体的には第2入力軸3)とを選択的に連結するように構成されている。
ブレーキ手段として、第2遊星歯車機構PG2のサンギヤs2の回転を選択的に止める多板ブレーキ(以下、第1ブレーキと呼ぶ)B1が、そのサンギヤs2とケーシングMCとの間に設けられている。また、互いに一体化された第1遊星歯車機構PG1のリングギヤr1および第2遊星歯車機構PG2のキャリアc2の回転を選択的に止める多板ブレーキ(以下、第2ブレーキと呼ぶ)B2が、これらリングギヤr1およびキャリアc2とケーシングMCとの間に設けられている。そしてこの第2ブレーキB2と並列にワンウェイクラッチ(以下、第1ワンウェイクラッチと呼ぶ)F1が設けられている。
他の回転要素である互いに一体化された第1遊星歯車機構PG1のキャリアc1および第2遊星歯車機構PG2のリングギヤr2には、カウンタドライブギヤCDGが取り付けられている。
なお、上述した構成部材の配列について説明すると、第1遊星歯車機構PG1と第2遊星歯車機構PG2とは互いに隣接して配置され、その第1遊星歯車機構PG1と第2電動機MG2との間に第1クラッチC1が配置され、その第1クラッチC1と第1遊星歯車機構PG1との間にカウンタドライブギヤCDGが配置されている。これに対して第3クラッチC3は、各遊星歯車機構PG1,PG2を挟んで第1クラッチC1とは反対側に配置されている。さらに、第3クラッチC3より第1クラッチC1から離間する側に、第2クラッチC2が配設されている。第3クラッチC3と第2遊星歯車機構PG2との間に第1ワンウェイクラッチF1が配置されている。
上述した第1入力軸2、第2入力軸3と平行に、すなわち各遊星歯車機構PG1,PG2の中心軸線と平行に、カウンタ軸4が配置されている。このカウンタ軸4と同一軸線上に第3遊星歯車機構PG3が配置されている。この第3遊星歯車機構PG3は、サンギヤs3と、サンギヤs3に対して同心円上に配置された内歯歯車であるリングギヤr3と、これらサンギヤs3とリングギヤr3とに噛合したピニオンp3を保持しているキャリアc3とを三要素とするシングルピニオン型の遊星歯車機構である。
この第3遊星歯車機構PG3に隣接してカウンタドリブンギヤCDRGが、カウンタ軸4に対して回転自在にかつ同一軸線上に配置されており、このカウンタドリブンギヤCDRGは、前記カウンタドライブギヤCDGに噛合している。そしてこのカウンタドリブンギヤCGRGに第3遊星歯車機構PG3のリングギヤr3が一体回転するように連結され、またキャリアc3がカウンタ軸4に一体回転するよう連結されている。
第3遊星歯車機構PG3の三要素のうちサンギヤs3とキャリアc3とを選択的に連結する多板クラッチ(以下、第0クラッチと呼ぶ)C0が、これら両者の間に設けられている。またそのサンギヤs3の回転を選択的に止める多板ブレーキ(以下、第0ブレーキと呼ぶ)B0が、このサンギヤs3とケーシングMCとの間に配置されている。さらにこの第0ブレーキB0と並列にワンウェイクラッチF0が、サンギヤs3とケーシングMCとの間に配置されている。
そしてカウンタ軸4の図1における右側の端部、すなわち電動機MG側(エンジンE側)の端部に出力ギヤ30が取り付けられており、この出力ギヤ30は、ディファレンシャルDにおけるリングギヤDrに噛合している。
上記の自動変速機102に関して、具体的な第1入力軸2及び第2入力軸3周りの構造を、簡単に説明しておく。
ケーシングMCに第1入力軸2は回転自在に軸支されており、第1入力軸2の先端部(図1において左側端部)には、これと一体に回転する第2入力軸3が同一軸線上に配して連結されている。この第2入力軸3の一方の端部が、前記第1入力軸2の先端部にスプライン嵌合させられるとともに、第2入力軸3の他方の端部が、ケーシングMCのエンジンEとは反対側の端部に取り付けたエンドカバー(図示省略)に軸支される。
この第1入力軸2には、その回転により油圧を発生可能な油圧ポンプ(図示省略)が備えられており、この油圧ポンプからの油圧は、摩擦係合要素としての、第0〜第3クラッチC0,C1,C2,C3、第0〜第2ブレーキB0,B1,B2に、それら要素の係合・非係合の制御状態に応じて油圧制御機構(図示省略)を介して制御供給できるようにされている。図2に示すように、本願で問題とする第1ブレーキB1に関しては、ケーシングMCに設けられたブレーキ制御用油路O1から第1ブレーキB1係合用の油圧が与えられる。第1ブレーキB1の解除は、この油圧を解放することにより、サーボ機構に設けれている復帰スプリングRSの働きで行われる。
3 第1ワンウェイクラッチ近傍の構造
図2は、第1ワンウェイクラッチF1の近傍の詳細を示す図であり、図3は、当該第1ワンウェイクラッチF1とその外径側に位置される第1ブレーキB1との周方向における係合状態を示した軸方向視図である。
図2の上下方向中央には第2入力軸3を示しており、その周部に、内径側から、第2クラッチC2のクラッチハブchが連接されている内径側円筒部材S1、第1ブレーキB1のブレーキハブbhが連接されている外径側円筒部材S2が配設されている。
前記内径側円筒部材S1は、図1に示すように図2の右側端において、第2遊星歯車機構PG2のキャリアc2にスプラインspにより連結されている。一方、外径側円筒部材S2の右側端(図1においてエンジンE側)には、第2遊星歯車機構PG2のサンギヤs2が設けられている。
外径側円筒部材S2の更に外径側位置には、図上右側から第2遊星歯車機構PG2のキャリア軸ca及びリングギヤr2が配設されるとともに、その左側に第1ワンウェイクラッチF1、さらに、左側にブレーキハブbh及びクラッチハブchがそれぞれ配設されている。
図示するように、第2遊星歯車機構PG2のキャリア軸caは、第1ワンウェイクラッチF1側に延出されている。そして、その外径側が第2ブレーキB2のブレーキハブbhと一体とされるとともに、その内径側がスプライン嵌合により第1ワンウェイクラッチF1のインナーレースIrと一体回転するように構成されている。
図2からも判明するように、第1ワンウェイクラッチF1及び第2遊星歯車機構PG2の外径側には、先に説明した第1ブレーキB1の係合・非係合を制御するためのサーボ機構Sbが配設されている。
前記サーボ機構Sbは、ケーシングMCに固定されるシリンダ部材cyと、その内部に収納されるピストンpとを備えて構成されており、ピストンpは先に説明した油圧を供給されることで、図上左側に移動可能に構成されており、油圧が供給された状態で第1ブレーキB1が係合状態となる。一方、非係合状態は、ピストンpの左側に設けられている復帰スプリングRSにより、前記油圧が解除された状態で実現する。第1ブレーキB1のブレーキプレートbpを押圧するためのピストンpの押圧部ppと、前記復帰スプリングRSとの軸径方向の位置関係は、オーバラップしない様に、軸径方向で異なった位置とされている。具体的には、押圧部ppが内径側に、復帰スプリングRSが外径側に設けられている。そして、ピストンpの押圧部ppを軸周方向において全周にわたる環状のものとしている。この様に構成することで、ブレーキプレートbpを均等に押すことが可能となり、摩擦係合要素の良好な作動状態を確保できた。
シリンダ部材cyは、ケーシングMCに設けられた段部St(右側端)と位置決めリングR(左側端)とにより軸方向で位置決めされるとともに、周方向では、ケーシングMCとシリンダ部材cyの外径部とをスプライン嵌合することで、回り止めされている。
前記第1ワンウェイクラッチF1は、インナーレースIrとアウターレースOrとの間に多数のスプラグSpを介在させたものであって、そのインナーレースIrがスプライン嵌合により第2遊星歯車機構PG2のキャリアc2と一体回転するように構成されている。アウターレースOrとスプラグSpとの止めつけは、弾性止めリングrsによっている。またアウターレースOrは、前記第1ブレーキB1のサーボ機構Sbを成すシリンダ部材cyにより位置決めされるとともに、回り止めされている。即ち、図3に示すように、シリンダ部材cyに対するアウターレースOrの軸周方向回転を止める係合手段であるスプラインspを、シリンダ部材cyの内径面とアウターレースOrの外径面との間に設けて回り止めしている。このワンウェイクラッチF1は、キャリアc2が逆回転(第2入力軸3とは反対方向の回転)しようする場合に係合するようになっている。
前記第1ブレーキB1のサーボ機構Sbを成すシリンダ部材cyの内径面には、軸径方向に延びる段部stが設けられており、この段部stにより、シリンダ部材cyのシリンダ筒は、図上右側に位置する肉厚部Tcと図上左側に位置する肉薄部Tnとに分かれるようになっている。
そして、この段部stによりアウターレースOrの一方の軸方向端(右側端)を位置決めするものとし、他方の軸方向端(左側端)に関しては、シリンダ部材cyの内径表面に備えるリングrr(本願に言う支持部材の一種)により位置決めするように構成されている。
本願にあっては、このような独特の構成を採用するとともに、前記ピストンpの移動ストロークMSとシリンダ部材cyの肉厚部Tcとの関係についても、工夫がほどこされている。図2において、符号MSは、第1ブレーキB1が非係合状態から係合状態となるまでの、ピストンpの移動ストロークを示している。この図からも判明するように、ピストンpの移動ストロークMSは、シリンダ筒の肉厚部Tcに対応する範囲内に収まるように設定されている。このように設定することにより、第1ワンウェイクラッチF1が係合状態にある第1速から第2速への変速において、第1ブレーキB1の係合が開始される場合にも、ピストンpの移動をスムーズなものとすることができる。
さて、前記ブレーキハブbhの外径側端には、複数枚のブレーキディスクbdがスプライン嵌合される構成が採用されており、これらのブレーキディスクbdに対して交互に配置したブレーキプレートbpはケーシングMCの内面にスプライン嵌合されている。このブレーキハブbhは、その先端に第3クラッチC3のクラッチディスク(図示省略)を備える構成とされている。
さらに詳細に、複数設けられるブレーキプレートbpの位置決め及びピストンpに設けられる押圧部ppとの関係について説明する。
図2に示すようにシリンダ部材cyから離間した軸方向端に位置するブレーキプレートbp1に対して、その左側(シリンダ部材cyから離間した側)に位置決め用の規制部材としての規制リングbrをミッションケースMCに取り付け、当該ブレーキプレートbp1の軸径方向外径側部位(軸径方向で、ブレーキプレートbp1の中央からみてケース側に位置する部位)で軸方向移動を規制している。一方、ピストンpに設けられる押圧部ppとの関係においては、シリンダ部材cyに近接した軸方向端に位置するブレーキプレートbp2の軸径方向内径側部位(軸径方向で、ブレーキプレートbp2の中央からみて軸側に位置する部位)を押圧部ppで押圧可能としている。
押圧状態では、ブレーキプレートbp1、ブレーキプレートbp2及び、それらの間にあるブレーキプレートbpを総合して見ると、ブレーキプレートbp1でケース側において、ブレーキプレートbp2で軸側において対角線上となる端部位置から挟持押圧することとなりピストンpにより付与可能な面圧が均一化できた。
さらに、図2に示すように、ブレーキプレートbp1、ブレーキプレートbp2を厚みのあるものとし、それらの間にあるブレーキプレートbpを前記両ブレーキプレートbp1、bp2に対して厚みの薄いものとすることで、ピストンpによる押圧時に面圧が均一にかかるようにしている。
4 変速動作
上述した自動変速機102では、前進5段・後進1段の変速段を設定することができ、そのためのクラッチおよびブレーキの係合・解放状態は、図4の作動図に示すとおりである。
なお、図4において摩擦係合要素の○印は係合状態を示し、×印は解放状態を示す。またPはパーキングレンジ、Nはニュートラルレンジ、Rはリバースリンジ、Dはドライブレンジ、"2"は第2速までの変速を行うエンジンブレーキレンジである"2"レンジ、Lはエンジンブレーキの効く第1速を設定するローレンジをそれぞれ示す。
以下、各変速段について簡単に説明する。
前進第1速は、第1クラッチC1を係合させることに伴って第1ワンウェイクラッチF1が係合し、またカウンタ軸4上では、ブレーキB0もしくは第0ワンウェイクラッチF0を係合させることによって設定される。
すなわち第1クラッチC1が係合させられて第1遊星歯車機構PG1のサンギヤs1が第1入力軸2と共に回転すると、キャリアc1に負荷がかかっていることによりリングギヤr1が逆回転しようとするので、第1ワンウェイクラッチF1が係合する。したがってリングギヤr1を固定した状態でサンギヤs1が第1入力軸2と共に回転するので、キャリアc1およびこれと一体のカウンタドライブギヤCDGが、第1入力軸2に対して減速させられて正回転する。
一方、第3遊星歯車機構PG3は、ブレーキB0が係合してサンギヤs3が固定されており、これに対してリングギヤr3がカウンタドリブンギヤCDRGに連結されて入力要素となっているから、第3遊星歯車機構PG3はアンダードライブ状態となっている。したがってカウンタドライブギヤCDGからカウンタドリブンギヤCDRGに伝達された駆動力は、第3遊星歯車機構PG3で減速されてカウンタ軸4および出力ギヤ30を経てディファレンシャルDに伝達される。
したがって駆動状態の第1速は第1ワンウェイクラッチF1が係合して設定されるので、エンジンブレーキを効かせる場合には、その第1ワンウェイクラッチF1と並列に設けてある第2ブレーキB2を係合させる。
第2速は、第1速の状態から第1ブレーキB1を係合させることにより設定される。すなわち第1速の状態で逆回転していた第2遊星歯車機構PG2のサンギヤs2の回転を第1ブレーキB1によって止めることにより設定する。したがって第1遊星歯車機構PG1のリングギヤr1およびこれと一体の第2遊星歯車機構PG2のキャリアc2がゆっくり正回転するので、出力要素である第1遊星歯車機構PG1のキャリアc1および第2遊星歯車機構PG2のリングギヤr2が、第1速の場合より高回転数で正回転する。なお、第3遊星歯車機構PG3は上述したアンダードライブ状態に維持される。
したがって第1速から第2速のアップシフトは、第1ブレーキB1の係合に伴って第1ワンウェイクラッチF1が解放されることにより達成される。そのため、トルク変動の大きい変速であっても円滑な変速を行うことができ、また変速制御も容易である。
第3速は、第1遊星歯車機構PG1および第2遊星歯車機構PG2とをいわゆる直結状態とすることで達成される。さらに具体的には、第1および第2のクラッチC1,C2と第3遊星歯車機構PG3側のブレーキB0もしくは第0ワンウェイクラッチF0を係合させて設定される。これは、第1遊星歯車機構PG1の二つの要素すなわちサンギヤs1とリングギヤr1とを第1入力軸2に直接連結することにより、トルクの伝達効率を向上させるためである。なお、その場合、第3クラッチC3を併せて係合させてもよい。
第4速は、第2クラッチC2と第1ブレーキB1とを係合させて第1遊星歯車機構PG1および第2遊星歯車機構PG2をオーバドライブ状態とし、また第0ブレーキB0もしくは第0ワンウェイクラッチF0を係合させて第3遊星歯車機構PG3をアンダードライブ状態とする。すなわち第2遊星歯車機構PG2では、サンギヤs2を第1ブレーキB1で固定した状態でキャリアc2を第1入力軸2に連結することになるので、リングギヤr2およびこれに連結してあるカウンタドライブギヤCDGが第1入力軸2に対して増速されて正回転する。そしてこのカウンタドライブギヤCDGからカウンタドリブンギヤCDRGに伝達された駆動力が第3遊星歯車機構PG3によって減速されて出力ギヤ30からディファレンシャルギヤDに出力される。
第5速は、上記の第4速の状態で第3遊星歯車機構PG3におけるクラッチC0を係合させて第3遊星歯車機構PG3を直結状態にアップシフトすることにより達成される。したがってカウンタドライブギヤCDGおよびカウンタドリブンギヤCDRGを介して伝達された駆動力が減速されずにそのまま出力ギヤ30からディファレンシャルギヤDに出力される。
したがって、トルク変動の大きい第1速と第2速との間の変速、および変速頻度の高い第4速と第5速との間の変速が、ワンウェイクラッチF1 ,F0を作用させる変速となるので、変速ショックの少ない円滑な変速を容易に実行することができる。この構成の自動変速機は、軸長の短い自動変速機ものとなっている。
なお、後進段は、第3クラッチC3と第2ブレーキB2と第3遊星歯車機構PG3側のブレーキB0との三者を係合させて設定する。したがって第2遊星歯車機構PG2においては、キャリアc2を固定した状態でサンギヤs2が第1入力軸2と共に回転するので、リングギヤr2およびこれと一体のカウンタドライブギヤCDGが第1入力軸2に対して減速されて逆回転する。また第3遊星歯車機構PG3はサンギヤr3がブレーキB0によって固定されていることによりアンダードライブ状態になっており、カウンタドリブンギヤCDRGに伝達された駆動力は更に減速されて出力ギヤ30からディファレンシャルギヤDに出力される。
以上の構成を採用することにより、第1ワンウェイクラッチF1が係合する第1速から、第1ブレーキB1が係合する第2速への変速がスムーズに行われるとともに、部品点数が少なく、信頼性の高い自動変速機を得ることができた。
〔別実施の形態〕
(1)上記の実施の形態では、本願に係るワンウェイクラッチの支持構造をハイブリッド駆動装置に採用する例を示したが、本願は、ワンウェイクラッチに対して、その近傍に摩擦係合要素のシリンダ部材を配設する構成で、任意のものに採用できる。例えば、ハイブリッド構造の駆動装置に採用できる外、従来型のエンジンより駆動を得る自動変速機、或いは、モータ駆動の自動変速機にも適用できる。さらに、上記の実施の形態では、5段変速の自動変速機に本願に係る潤滑油の供給構造を採用する例を示したが、変速段の数が限られるものではない。
(2)摩擦係合要素としては、ブレーキの外、係合・非係合状態を実現して、伝動状態を切り替える多板クラッチであってもよい。
(3) 上記の実施の形態においては、本願に係るワンウェイクラッチの支持構造が採用されるワンウェイクラッチ及びブレーキとが、第1速(初段)と第2速との間における変速切り替えにおいて、係合・係合解除を行う例を示したが、連続する変速段間の切り替えを実現する関係にあれば、どの変速段間の切り替えに関わるワンウェイクラッチと摩擦係合要素のシリンダ部材間に、本願のワンウェイクラッチを採用できる。
変速用にワンウェイクラッチと摩擦係合要素とを備える自動変速機において、部品点数をできるだけ低減することが可能であるとともに、連続する変速段の変更で、ワンウェイクラッチが係合した状態から摩擦係合要素の係合を行う自動変速機において、スムーズで信頼性の高い摩擦係合要素の係合を行える技術を得ることができた。
本願に係るハイブリッド駆動装置のスケルトン図 本願に係るハイブリッド駆動装置の第1ワンウェイクラッチ近傍の詳細断面図 図2に示す該当部位の軸方向視図 図1に示す変速機構における各摩擦係合要素の係合・非係合状態を示す図表 ワンウェイクラッチの係合構造の改善従来構造を示す図 従来構造を示す図
符号の説明
1 エンジン出力軸
2 第1入力軸(伝動軸)
3 第2入力軸(伝動軸)
4 カウンタ軸
30 出力ギヤ
50 変速前段部
51 変速後段部
100 ハイブリッド駆動装置
101 変速部
102 自動変速機
B0 第0ブレーキ
B1 第1ブレーキ
B2 第2ブレーキ
BA バッテリ
BRG ベアリング
C0 第0クラッチ
C1 第1クラッチ
C2 第2クラッチ
C3 第3クラッチ
CDG カウンタドライブギヤ
CDRGカウンタドリブンギヤ
D ディファレンシャル
E エンジン
F1 第1ワンウェイクラッチ
MG1 モータ・ジェネレータ(電動機)
MG2 モータ・ジェネレータ(電動機)
MC ケーシング
PG1 第1遊星歯車機構
PG2 第2遊星歯車機構
PG3 第3遊星歯車機構
br リング(規制部材)
cy シリンダ部材
ro ロータ
st 段部
rr リング(支持部材)

Claims (6)

  1. 伝動軸と同心にワンウェイクラッチを備えるとともに、前記ワンウェイクラッチに対して摩擦係合要素の油圧サーボ機構を備え、前記油圧サーボ機構がピストンを内部に軸方向に移動自在に収納するシリンダ部材を前記ワンウェイクラッチの外径側に備え、
    前記ワンウェイクラッチのアウターレースが前記シリンダ部材を介してケースに回り止めされる前記ワンウェイクラッチの支持構造であって、
    前記アウターレースの外径面と前記シリンダ部材の内径面との間に設けられたスプラインにより前記アウターレースを回り止めし、
    前記シリンダ部材の内径面に設けられた軸径方向に延びる段部により前記アウターレースの一方の軸方向端を位置決めし、前記シリンダ部材の内径面に備える支持部材により他方の軸方向端を位置決めするとともに、
    前記段部により、前記シリンダ部材の筒部に前記スプラインの外径側に位置する肉薄部と前記スプラインに対して軸方向一方側に位置する肉厚部とが形成され、前記ピストンの移動ストロークが前記肉厚部に軸方向でオーバラップする範囲に設定されているワンウェイクラッチの支持構造。
  2. 前記ピストンが前記摩擦係合要素の摩擦板を押圧する押圧部と、前記ピストンを復帰する復帰スプリングとが、軸径方向で異なった位置に設けられている請求項1記載のワンウェイクラッチの支持構造。
  3. 前記復帰スプリングを前記押圧部の軸径方向外径側に位置させ、
    前記シリンダ部材から離間した軸方向端に位置する摩擦板を位置決めする規制部材を前記ケースに設け、当該摩擦板の軸径方向外径側部位で軸方向移動を規制するとともに、
    前記シリンダ部材に近接した軸方向端に位置する摩擦板の軸径方向内径側部位を前記押圧部で押圧可能に構成した請求項2記載のワンウェイクラッチの支持構造。
  4. 少なくとも第1のギヤ段及び第2のギヤ段を連続して切り替える自動変速機において、前記第1のギヤ段を形成するためにワンウェイクラッチが使用され、前記第2のギヤ段を形成するために摩擦係合要素が使用され、
    前記ワンウェイクラッチと前記摩擦係合要素との間に、請求項1〜3のいずれか一項記載のワンウェイクラッチの支持構造を備えた自動変速機。
  5. 前記第1のギヤ段が、第1速を実現するドライブレンジの初段であり、前記第2のギヤ段が、前記第1速より高速側で前記第1速から連続して切り替えられて実現されるギヤ段である請求項4記載の自動変速機。
  6. 請求項4又は5記載の自動変速機を変速部に備えたハイブリッド駆動装置。
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