図1を参照して、本発明の第1の態様に係るDC/DCコンバータ10について説明する。図示のDC/DCコンバータ10は、降圧型DC/DCコンバータであって、同期整流型である。ここでは、端子と電圧とを同じ参照符号で表わしている。降圧型DC/DCコンバータ10は、電源入力端子VINと、スイッチ端子SWと、電源出力端子VOUTと、接地端子とを持つ。接地端子は接地電位に保持されている。電源入力端子VINには入力電源15の陽極(カソード)が接続されている。これにより、接地端子と電源入力端子VINとの間には、入力電源15から直流入力電圧VINが印加される。
スイッチ端子SWと電源出力端子VOUTとの間には、インダクタLが接続されている。すなわち、インダクタLの一端はスイッチ端子SWに接続され、インダクタLの他端は電源出力端子VOUTに接続されている。
電源出力端子VOUTと接地端子との間には、出力コンデンサCoが接続されると共に、負荷ROUTが接続されている。電源出力端子VOUTと接地端子との間には、直流入力電圧VINよりも低い直流出力電圧VOUTが生成される。すなわち、出力コンデンサCoは、電源出力端子VOUTと接地端子との間に直流入力電圧VINよりも低い直流出力電圧VOUTを生成する出力回路として働く。尚、以下では、直流入力電圧VINおよび直流出力電圧VOUTを、それぞれ単に、入力電圧および出力電圧と呼ぶ場合もある。
降圧型DC/DCコンバータ10は、電源入力端子VINとスイッチ端子SWとの間に接続された、大電力用コンバータ部12と小電力用コンバータ部14とを備える。降圧型DC/DCコンバータ10は、大電力用コンバータ部12と小電力用コンバータ部14とを負荷ROUTの軽重に応じて後述するように切り替えて使用する。
大電力用コンバータ部12は、スイッチング素子として第1及び第2の大電力用トランジスタ(後述する)を備え、小電力用コンバータ部14は、スイッチング素子として第1及び第2の小電力用トランジスタ(後述する)を備えている。後述するように、第1及び第2の大電力用トランジスタと第1及び第2の小電力用トランジスタとは並列にされる。とにかく、降圧型DC/DCコンバータ10は、複数のスイッチング素子を並列に接続してなるスイッチング部を持つ。降圧型DC/DCコンバータ10は、入力電流IINと出力電圧VOUTとに基づいて、後述するように、複数のスイッチング素子のいずれかを選択する。この結果、後で詳述するように、大電力用コンバータ部12と小電力用コンバータ部14との間の切り替え動作に安定性を持たせることができる。
図1では図示はしないが、後述するように、降圧型DC/DCコンバータ10は、入力電流検出回路と出力電圧検出回路とを備える。入力電流検出回路は、入力電流IINが所定の電流値より小さくなったことを検出して、使用するコンバータ部を大電力用コンバータ部12から小電力用コンバータ部14へ切り替えるための回路である。出力電圧検出回路は、出力電圧VOUTが所定の電圧より低くなったことを検出して、使用するコンバータ部を小電力用コンバータ部14から大電力用コンバータ部12へ切り替えるための回路である。
このように、大電力用コンバータ部12と小電力用コンバータ部14との間の切り替えを、入力電流IINおよび出力電圧VOUTを用いて行うのは次の理由による。
すなわち、小電力用コンバータ部14と大電力用コンバータ部12の切り替えポイントが同じであると、動作がクリティカルになるからである。詳述すると、過渡応答を良くするためには、小電力用コンバータ部12から大電力用コンバータ部14に切り替えるには、出力電圧検出による方法が良い。それは、入力電流IINの変化は出力電流IOUTの変化よりも遅れるので、遅延時間があるからである。従って、大電力用コンバータ部12から小電力用コンバータ部14に切り替える際に、入力電流IINが所定の電流値より小さくなったことを検出することにより切り替えれば、遅延時間の分、切り替えポイントの時間が遅れるので、小電力用コンバータ部14と大電力用コンバータ部12との間の切り替えがクリティカルになるのを抑えることができる。ここで、「クリティカル」とは、大電力用コンバータ部12と小電力用コンバータ部14との間の切り替えが行ったり来たりして短時間の間に繰り返されることをいう。
これらの方法により過渡応答を良く出来、且入力電流での検出も行なっているので、電力が小さくなったことをも確実に検出して大電力用コンバータ部12と小電力用コンバータ部14とを切り替えることができる。また、図2に示されるように、切り替えの安定性を持たせることができ、クリティカルポイントを改善することができる。尚、図2において、横軸は出力電流IOUTを示し、縦軸は使用するコンバータ部を示す。
また、出力電圧VOUTだけを検出して切り替えを行う方法の場合、電力値としての検出がなされていない事になる。そこで、入力電流IINを検出して出力電圧VOUTと組み合わせて使用することにより、この点を改善できる。特に、大電力用コンバータ部12から小電力用コンバータ部14に切り替える時に、電力が問題となるので、出力電圧VOUTに基づいて切り換えるよりも、入力電流IINに基づいて切り換えた方が良い。
図3を参照して、本発明の第1の実施の形態に係る降圧型DC/DCコンバータ10について説明する。
図示の降圧型DC/DCコンバータ10は、制御回路16と、入力電流検出回路18と、出力電圧検出回路20とを更に有する。入力電流検出回路18は、電源入力端子VINと大電力用コンバータ部12および小電力用コンバータ部14の入力端子との間に接続されている。
大電力用コンバータ部12は、入力端子とスイッチ端子SWとの間に接続された第1の大電力用トランジスタQL1と、スイッチ端子SWと接地端子との間に接続された第2の大電力用トランジスタQL2と、これら大電力用トランジスタQL1、QL2を駆動するための大電力用駆動回路22とを有する。
第1の大電力用トランジスタQL1は、一対の主制御端子としてソースとドレインを持ち、制御端子としてゲートを持つPチャネル電界効果トランジスタから構成されている。第2の大電力用トランジスタQL2は、一対の主制御端子としてドレインとソースを持ち、制御端子としてゲートを持つNチャネル電界効果トランジスタから構成されている。Pチャネル電界効果トランジスタQL1において、そのソースは入力端子に接続され、そのドレインはスイッチ端子SWに接続されている。Nチャネル電界効果トランジスタQL2において、そのドレインはスイッチ端子SWに接続され、そのソースは接地端子に接続されている。これらPチャネル電界効果トランジスタQL1とNチャネル電界効果トランジスタQL2とは、後で詳述する大電力用駆動回路22によって駆動される。
同様に、小電力用コンバータ部14は、入力端子とスイッチ端子SWとの間に接続された第1の小電力用トランジスタQS1と、スイッチ端子SWと接地端子との間に接続された第2の小電力用トランジスタQS2と、これら小電力用トランジスタQS1、QS2を駆動するための小電力用駆動回路24とを有する。
第1の小電力用トランジスタQS1は、一対の主制御端子としてソースとドレインを持ち、制御端子としてゲートを持つPチャネル電界効果トランジスタから構成されている。第2の小電力用トランジスタQS2は、一対の主制御端子としてドレインとソースを持ち、制御端子としてゲートを持つNチャネル電界効果トランジスタから構成されている。Pチャネル電界効果トランジスタQS1において、そのソースは入力端子に接続され、そのドレインはスイッチ端子SWに接続されている。Nチャネル電界効果トランジスタQS2において、そのドレインはスイッチ端子SWに接続され、そのソースは接地端子に接続されている。これらPチャネル電界効果トランジスタQS1とNチャネル電界効果トランジスタQS2とは、後で詳述する小電力用駆動回路24によって駆動される。
図示の入力電流検出回路18は、抵抗器181と、基準電圧発生器182と、ヒステリシスコンパレータ183とから構成されている。抵抗器181は、電源入力端子VINと大電力用コンバータ部12および小電力用コンバータ部14の入力端子との間に接続されている。基準電圧発生器182は、図示しないが、ツェナーダイオードと電流源とから構成され、基準電圧を発生する。ヒステリシスコンパレータ183は、この基準電圧発生器182から発生される基準電圧と、入力電流IINが流れることによる抵抗器181での電圧降下とを比較して、入力電流IINが所定の電流値より小さくなった時に、論理Lレベルの入力電流検出信号を出力する。この論理Lレベルの入力電流検出信号は、使用するコンバータ部を大電力用コンバータ部12から小電力用コンバータ部14へ切り替えるための第1の切り替え信号として用いられる。
尚、入力電流IINが上記所定の電流値にヒステリシス分を加えた電流値より大きくなったとき、ヒステリシスコンパレータ183は論理Hレベルの入力電流検出信号を出力する。
上記説明ではヒステリシスコンパレータ183として、ヒステリシス特性があるコンパレータとして説明を行なったが、ヒステリシス特性がない通常のコンパレータを用いても上記動作は行なえることは、当業者であれば容易に理解できることである。
次に制御回路16について説明する。図示の制御回路16は、直列接続された抵抗器161、162から成る分圧器と、基準電圧を発生する基準電圧発生器163と、誤差増幅器164と、発振器165と、パルス幅変調(PWM)比較器166とから構成されている。
電源出力端子VOUTは、分圧器として動作する抵抗器161、162を介して接地されている。抵抗器161、162の接続点から、出力電圧VOUTを分圧した電圧が出力される。この分圧した電圧は、誤差増幅器164の非反転入力端子+に供給される。誤差増幅器164の反転入力端子−には、基準電圧発生器163から基準電圧が供給される。誤差増幅器164は、分圧した電圧と基準電圧とを比較・増幅して、誤差増幅信号を出力する。
誤差増幅信号はPWM比較器166の一方の入力端子に供給される。PWM比較器166の他方の入力端子には、発振器165から三角波(ノコギリ波)が供給される。PWM比較器166は、三角波と誤差増幅信号とを比較して、PWM信号を出力する。このPWM信号は、後述する大電力用駆動回路22および小電力用駆動回路24に供給される。
図示の出力電圧検出回路20は、基準電圧発生器201とヒステリシスコンパレータ202とから構成されている。基準電圧発生器201は基準電圧を発生する。ヒステリシスコンパレータ202は、この基準電圧発生器201から発生された基準電圧と誤差増幅器164から出力された誤差増幅信号とを比較して、出力電圧VOUTが所定の電圧より低くなった時に、論理Hレベルの出力電圧検出信号を出力する。この論理Hレベルの電圧検出信号は、使用するコンバータ部を小電力用コンバータ部14から大電力用コンバータ部12へ切り替えるための第2の切り替え信号として用いられる。
詳述すると、負荷ROUTが重くなり、出力電流IOUTの電流値が大きくなると、出力電圧VOUTとして所定の電圧を維持することが困難となる。その結果として、出力電圧VOUTが所定の電圧より低くなる。このように出力電圧VOUTが所定の電圧より低くなると、抵抗器161、162から成る分圧器から出力される分圧された電圧も低くなる。分圧された電圧が低いので、誤差増幅器164から出力される誤差増幅信号の電圧レベルも低くなる。したがって、ヒステリシスコンパレータ202において、基準電圧発生器201から発生された基準電圧と誤差増幅器164から出力された誤差増幅信号とを比較することにより、出力電圧VOUTが所定の電圧より低くなったことを検出することができる。
尚、出力電圧VOUTが上記所定の電圧にヒステリシス分を加えた電圧より高くなったとき、ヒステリシスコンパレータ202は論理Lレベルの出力電圧検出信号を出力する。
上記説明ではヒステリシスコンパレータ202として、ヒステリシス特性があるコンパレータとして説明を行なったが、ヒステリシス特性がない通常のコンパレータを用いても上記動作は行なえることは、当業者であれば容易に理解できることである。
入力電流検出回路18から出力される入力電流検出信号と出力電圧検出回路20から出力される出力電圧検出信号とは、大電力用駆動回路22および小電力用駆動回路24へ送出される。
入力電流検出回路18から論理Lレベルの入力電流検出信号が供給されると、大電力用駆動回路22は第1および第2の大電力用トランジスタQL1、QL2の駆動を停止し、小電力用駆動回路24は第1および第2の小電力用トランジスタQS1、QS2の駆動を開始する。逆に、出力電圧検出回路20から論理Hレベルの出力電圧検出信号が供給されると、小電力用駆動回路24は第1および第2の小電力用トランジスタQS1、QS2の駆動を停止し、大電力用駆動回路22は第1および第2の大電力用トランジスタQL1、QL2の駆動を開始する。
最初に、大電力用駆動回路22について説明する。大電力用駆動回路22は、SRフリップ・フロップ221と、バッファ222と、インバータゲート223と、バッファゲート224と、ナンドゲート225と、アンドゲート226とから構成されている。
SRフリップ・フロップ221のセット入力端子Sには、入力電流検出回路18からの入力電流検出信号が供給され、そのリセット入力端子Rには、出力電圧検出回路20からの出力電圧検出信号が供給される。入力電流検出信号が論理Lレベルのとき、SRフリップ・フロップ221はその相補出力端子/Qから論理Lレベルの相補出力信号を出力する。出力電圧検出信号が論理Hレベルのとき、SRフリップ・フロップ221はその相補出力端子/Qから論理Hレベルの相補出力信号を出力する。SRフリップ・フロップ221の相補出力信号は、ナンドゲート225およびアンドゲート226の一方の入力端子に供給される。
一方、制御回路16から出力されるPWM信号は、バッファ222およびインバータゲート223を介してナンドゲート225の他方の入力端子に供給されると共に、バッファ222およびバッファゲート224を介してアンドゲート226の他方の入力端子に供給されている。ナンドゲート225の出力端子は第1の大電力用トランジスタ(Pチャネル電界効果トランジスタ)QL1のゲートに接続され、アンドゲート226の出力端子は第2の大電力用トランジスタ(Nチャネル電界効果トランジスタ)QL2のゲートに接続されている。
負荷ROUTが軽く、出力電流IOUTの電流値が小さいとする。この場合、入力電流IINが所定の電流値よりも小さくなるので、入力電流検出回路18は論理Lレベルの入力電流検出信号を出力する。入力電流検出信号が論理Lレベルなので、SRフリップ・フリップ221は、論理Lレベルの相補出力信号を出力する。その結果、ナンドゲート225は論理Hレベルのナンド結果信号を出力し、アンドゲート226は論理Lレベルのアンド結果信号を出力する。したがって、第1および第2の大電力用トランジスタQL1、QL2は両方ともオフ状態に置かれる。したがって、出力電流IOUTの電流値が小さいと、大電力用駆動回路22は第1および第2の大電力用トランジスタQL1、QL2の駆動を停止することが分かる。
逆に、負荷ROUTが重く、出力電流IOUTの電流値が大きいとする。この場合、出力電圧VOUTが所定の電圧より低くなるので、出力電圧検出回路20は論理Hレベルの出力電圧検出信号を出力する。出力電圧検出信号が論理Hレベルなので、SRフリップ・フロップ221は論理Hレベルの相補出力信号を出力する。その結果、制御回路16から出力されるPWM信号は、バッファ222、インバータゲート223、およびナンドゲート225を介して第1の大電力用トランジスタQL1のゲートに供給されると共に、バッファ222、バッファゲート224、およびアンドゲート226を介して第2の大電力用トランジスタQL2のゲートに供給される。したがって、出力電流IOUTの電流値が大きいと、大電力用駆動回路22は第1および第2の大電力用トランジスタQL1、QL2の駆動を開始することが分かる。
次に、小電力用駆動回路24について説明する。小電力用駆動回路24は、SRフリップ・フロップ241と、バッファ242と、インバータゲート243と、バッファゲート244と、ナンドゲート245と、アンドゲート246とから構成されている。
SRフリップ・フロップ241のセット入力端子Sには、入力電流検出回路18からの入力電流検出信号が供給され、そのリセット入力端子Rには、出力電圧検出回路20からの出力電圧検出信号が供給される。入力電流検出信号が論理Lレベルのとき、SRフリップ・フロップ241はその出力端子Qから論理Hレベルの出力信号を出力する。出力電圧検出信号が論理Hレベルのとき、SRフリップ・フロップ241はその出力端子Qから論理Lレベルの出力信号を出力する。SRフリップ・フロップ241の出力信号は、ナンドゲート245およびアンドゲート246の一方の入力端子に供給される。
一方、制御回路16から出力されるPWM信号は、バッファ242およびインバータゲート243を介してナンドゲート245の他方の入力端子に供給されると共に、バッファ242およびバッファゲート244を介してアンドゲート246の他方の入力端子に供給されている。ナンドゲート245の出力端子は第1の小電力用トランジスタ(Pチャネル電界効果トランジスタ)QS1のゲートに接続され、アンドゲート246の出力端子は第2の小電力用トランジスタ(Nチャネル電界効果トランジスタ)QS2のゲートに接続されている。
負荷ROUTが軽く、出力電流IOUTの電流値が小さいとする。この場合、入力電流IINが所定の電流値よりも小さくなるので、入力電流検出回路18は論理Lレベルの入力電流検出信号を出力する。入力電流検出信号が論理Lレベルなので、SRフリップ・フリップ241は、論理Hレベルの出力信号を出力する。その結果、制御回路16から出力されるPWM信号は、バッファ242、インバータゲート243、およびナンドゲート245を介して第1の小電力用トランジスタQS1のゲートに供給されると共に、バッファ242、バッファゲート244、およびアンドゲート246を介して第2の小電力用トランジスタQS2のゲートに供給される。したがって、出力電流IOUTの電流値が小さいと、小電力用駆動回路24は第1および第2の小電力用トランジスタQS1、QS2の駆動を開始することが分かる。
逆に、負荷ROUTが重く、出力電流IOUTの電流値が大きいとする。この場合、出力電圧VOUTが所定の電圧より低くなるので、出力電圧検出回路20は論理Hレベルの出力電圧検出信号を出力する。出力電圧検出信号が論理Hレベルなので、SRフリップ・フロップ241は論理Lレベルの出力信号を出力する。その結果、ナンドゲート245は論理Hレベルのナンド結果信号を出力し、アンドゲート246は論理Lレベルのアンド結果信号を出力する。したがって、第1および第2の小電力用トランジスタQS1、QS2は両方ともオフ状態に置かれる。したがって、出力電流IOUTの電流値が大きいと、小電力用駆動回路24は第1および第2の小電力用トランジスタQS1、QS2の駆動を停止することが分かる。
以上のことから、大電力用コンバータ部12から小電力用コンバータ部14への切り替えは、入力電流検出回路18において入力電流IINが所定の電流値より小さくなったことを検出することによって行われ、小電力用コンバータ部14から大電力用コンバータ部12への切り替えは、出力電圧検出回路20において出力電圧VOUTが所定の電圧より低くなったことを検出することによって行われることが分かる。このように、大電力用コンバータ部12と小電力用コンバータ部14との間の切り替えを、入力電流IINおよび出力電圧VOUTを用いて行っているので、上述したように、小電力用コンバータ部14と大電力用コンバータ部12との間の切り替え動作がクリティカルになるのを抑えることができる。
図3に示した降圧型DC/DCコンバータ10は、大電力用コンバータ部12と小電力用コンバータ部14とが両方とも同期整流型であるが、小電力用コンバータ部はダイオード整流型であっても良い。
図4を参照して、本発明の第2の実施の形態に係る降圧型DC/DCコンバータ10Aについて説明する。図示の降圧型DC/DCコンバータ10Aは、小電力用コンバータ部をダイオード整流型にした点を除いて、図3に示した降圧型DC/DCコンバータ10と同様の構成を有する。従って、小電力用コンバータ部に14Aの参照符号を付してある。図3に示したものと同様の構成を有するものには同一の参照符号を付して、それらの説明については省略する。
小電力用コンバータ部14Aは、第2の小電力用トランジスタQS2の代わりにダイオードDを備えると共に、小電力用駆動回路が後述するように変更されている点を除いて、図3に図示した小電力用コンバータ部14と同様の構成を有する。したがって、小電力用駆動回路に24Aの参照符号を付してある。
ダイオードDのカソードはスイッチ端子SWに接続され、アノードは接地端子に接続されている。小電力用駆動回路24Aは、バッファゲート244とアンドゲート246が省略されている点を除いて、図3に示した小電力用駆動回路24と同様の構成を有する。
このような構成の降圧型DC/DCコンバータ10Aにおいても、大電力用コンバータ部12から小電力用コンバータ部14Aへの切り替えは、入力電流検出回路18において入力電流IINが所定の電流値より小さくなったことを検出することによって行われ、小電力用コンバータ部14Aから大電力用コンバータ部12への切り替えは、出力電圧検出回路20において出力電圧VOUTが所定の電圧より低くなったことを検出することによって行われる。したがって、大電力用コンバータ部12と小電力用コンバータ部14Aとの間の切り替えを、入力電流IINおよび出力電圧VOUTを用いて行っているので、小電力用コンバータ部14Aと大電力用コンバータ部12との間の切り替え動作がクリティカルになるのを抑えることができる。また、小電力用コンバータ部14Aがダイオード整流型であるので、図3に示したものに比較して、部品点数を少なくすることができる。
図5を参照して、本発明の第3の実施の形態に係る降圧型DC/DCコンバータ10Bについて説明する。図示の降圧型DC/DCコンバータ10Bは、小電力用コンバータ部を常に動作させるようにした点を除いて、図3に示した降圧型DC/DCコンバータ10と同様の構成を有する。従って、小電力用コンバータ部に14Bの参照符号を付してある。図3に示したものと同様の構成を有するものには同一の参照符号を付して、それらの説明については省略する。
小電力用コンバータ部14Bは、小電力用駆動回路が後述するように変更されている点を除いて、図3に図示した小電力用コンバータ部14と同様の構成を有する。したがって、小電力用駆動回路に24Bの参照符号を付してある。
常に動作している小電力用コンバータ部14Bを使用しているのは、もともと小電力用コンバータ部は消費電力が小さいので、常に動作させても、効率に余り影響を与えないからである。
小電力用駆動回路24Bは、バッファ242と、第1のバッファゲート243Aと、第2のバッファゲート244Aとから構成されている。制御回路16から出力されるPWM信号は、バッファ242および第1のバッファゲート243Aを介して第1の小電力用トランジスタQS1のゲートに供給される共に、バッファ242および第2のバッファゲート244Aを介して第2の小電力用トランジスタQS2のゲートに供給される。従って、小電力用駆動回路24Bは、PWM信号に応答して、常に、第1および第2の小電力用トランジスタQS1、QS2を駆動する。
このような構成の降圧型DC/DCコンバータ10Bにおいては、大電力用コンバータ部12の駆動停止は、入力電流検出回路18において入力電流IINが所定の電流値より小さくなったことを検出することによって行われ、大電力用コンバータ部12の駆動開始は、出力電圧検出回路20において出力電圧VOUTが所定の電圧より低くなったことを検出することによって行われる。したがって、大電力用コンバータ部12の駆動の停止/開始を、入力電流IINおよび出力電圧VOUTを用いて行っているので、大電力用コンバータ部12の駆動の停止/開始がクリティカルになるのを抑えることができる。また、小電力用コンバータ部14Bが常に動作しているので、図3に示したものに比較して、部品点数を少なくすることができる。
図6を参照して、本発明の第4の実施の形態に係る降圧型DC/DCコンバータ10Cについて説明する。図示の降圧型DC/DCコンバータ10Cは、小電力用コンバータ部としてシリーズレギュレータ14Cを用いた点を除いて、図3に示した降圧型DC/DCコンバータ10と同様の構成を有する。図3に示したものと同様の構成を有するものには同一の参照符号を付して、それらの説明については省略する。
シリーズレギュレータ14Cは、電源入力端子VINと電源出力端子VOUTとの間に接続されている。シリーズレギュレータ14Cは、入力電圧VINを調整して、その入力電圧VINよりも低い出力電圧VOUTを出力する。
このような構成の降圧型DC/DCコンバータ10Cにおいては、大電力用コンバータ部12の駆動停止は、入力電流検出回路18において入力電流IINが所定の電流値より小さくなったことを検出することによって行われ、大電力用コンバータ部12の駆動開始は、出力電圧検出回路20において出力電圧VOUTが所定の電圧より低くなったことを検出することによって行われる。したがって、大電力用コンバータ部12の駆動の停止/開始を、入力電流IINおよび出力電圧VOUTを用いて行っているので、大電力用コンバータ部12の駆動の停止/開始がクリティカルになるのを抑えることができる。また、小電力用コンバータ部としてシリーズレギュレータ14Cを使用しているので、図3に示したものに比較して、部品点数を少なくすることができる。
図7を参照して、本発明の第5の実施の形態に係る降圧型DC/DCコンバータ10Dについて説明する。図示の降圧型DC/DCコンバータ10Dは、第1および第2の遅延回路26、27を更に有している点を除いて、図3に示した降圧型DC/DCコンバータ10と同様の構成を有する。図3に示したものと同様の構成を有するものには同一の参照符号を付して、それらの説明については省略する。
第1の遅延回路26は、出力電圧検出回路20と小電力用駆動回路24との間に挿入されている。詳述すると、第1の遅延回路26は、出力電圧検出回路20の出力端子と小電力用駆動回路24のSRフリップ・フロップ241のリセット入力端子Rとの間に接続されている。第1の遅延回路26は第1の遅延時間T1を持つ。第1の遅延回路26は、出力電圧検出回路20から出力される出力電圧検出信号を第1の遅延時間T1だけ遅延させて、遅延した出力電圧検出信号をSRフリップ・フロップ241のリセット入力端子Rへ供給する。第1の遅延時間T1は、大電力用コンバータ部12が立ち上がるのに必要な時間以上であって、例えば、数十μ秒から数百m秒である。
第2の遅延回路27は、入力電流検出回路18と大電力用駆動回路22との間に挿入されている。詳述すると、第2の遅延回路27は、入力電流検出回路18の出力端子と大電力用駆動回路22のSRフリップ・フロップ221のセット入力端子Sとの間に接続されている。第2の遅延時間27は第2の遅延時間T2を持つ。第2の遅延回路27は、入力電流検出回路18から出力される入力電流検出信号を第2の遅延時間T2だけ遅延させて、遅延した入力電流検出信号をSRフリップ・フロップ221のセット入力端子Sへ供給する。第2の遅延時間T2は、小電力用コンバータ部14が立ち上がるのに必要な時間以上であって、例えば、数十μ秒から数百m秒である。
このような構成の降圧型DC/DCコンバータ10Dでは、大電力用コンバータ部12と小電力用コンバータ部14とを切り替える際に、それらが同時にオフしている期間がないように、オンすべき側のコンバータ部が立ち上がるまでオフする側のコンバータ部に遅延を持たせ、両方のコンバータ部がオンしている期間を設けている。換言すれば、第1の遅延回路26と第2の遅延回路27との組み合わせは、大電力用コンバータ部12と小電力用コンバータ部14との間で切り替える際に、大電力用コンバータ部12と小電力用コンバータ部14の両方がオンしている期間を設けるための遅延手段として動作する。
図8を参照して、図7に示した降圧型DC/DCコンバータ10Dの動作について説明する。図8において、(A)は出力電流IOUTを示し、(B)は大電力用コンバータ部12のオン/オフ状態を示し、(C)は小電力用コンバータ部14のオン/オフ状態を示す。
時刻t1に達するまでは、出力電流IOUTの電流値が小さく、大電力用コンバータ部12がオフ状態で、小電力用コンバータ部14がオン状態になっている。時刻t1で、負荷ROUTが重くなり、出力電流IOUTの電流値が大きくなったとする。出力電流IOUTの電流値が大きくなると、出力電圧VOUTが所定の電圧より低くなるので、出力電圧検出回路20は論理Hレベルの出力電圧検出信号を出力する。この論理Hレベルの出力電圧検出信号に応答して、大電力用駆動回路22は第1および第2の大電力用トランジスタQL1、QL2の駆動を開始する。これにより、図8(B)に示されるように、大電力用コンバータ部12はオフ状態OFFからオン状態ONへ向けて徐々に立ち上がる。
一方、論理Hレベルの出力電圧検出信号は、第1の遅延回路26によって第1の遅延時間T1だけ遅延されて、時刻t1から第1の遅延時間T1経過した時刻t2で、第1の遅延回路26から論理Hレベルの遅延した出力電圧検出信号が出力される。尚、時刻t1から第1の遅延時間T1経過する前には、大電力用コンバータ部12は完全に立ち上がり、オン状態ONになっている。論理Hレベルの遅延した出力電圧検出信号に応答して、小電力用駆動回路24は第1および第2の小電力用トランジスタQS1、QS2の駆動を停止する。したがって、時刻t2で、小電力用コンバータ部14はオフ状態OFFになる。このように、小電力用コンバータ部14から大電力用コンバータ部12へ切り替える際、大電力用コンバータ部12が立ち上がるまで小電力用コンバータ部14に遅延を持たせて、両方のコンバータ部12、14がオンしている期間を設けている。
時刻t3で、負荷ROUTが軽くなり、出力電流IOUTの電流値が小さくなったとする。出力電流IOUTの電流値が小さくなると、入力電流IINが所定の電流値より小さくなるので、入力電流検出回路18は論理Lレベルの入力電流検出信号を出力する。この論理Lレベルの入力電流検出信号に応答して、小電力用駆動回路24は第1および第2の小電力用トランジスタQS1、QS2の駆動を開始する。これにより、図8(C)に示されるように、小電力用コンバータ部14はオフ状態OFFからオン状態ONへ向けて徐々に立ち上がる。
一方、論理Lレベルの入力電流検出信号は、第2の遅延回路27によって第2の遅延時間T2だけ遅延されて、時刻t3から第2の遅延時間T2経過した時刻t4で、第2の遅延回路27から論理Lレベルの遅延した入力電流検出信号が出力される。尚、時刻t3から第2の遅延時間T2経過する前には、小電力用コンバータ部14は完全に立ち上がり、オン状態ONになっている。論理Lレベルの遅延した入力電流検出信号に応答して、大電力用駆動回路22は第1および第2の大電力用トランジスタQL1、QL2の駆動を停止する。したがって、時刻t4で、大電力用コンバータ部12はオフ状態OFFになる。このように、大電力用コンバータ部12から小電力用コンバータ部14へ切り替える際、小電力用コンバータ部14が立ち上がるまで大電力用コンバータ部12に遅延を持たせて、両方のコンバータ部12、14がオンしている期間を設けている。
大電力用コンバータ部12において、大電力用駆動回路22によって、第1および第2の大電力用トランジスタQL1、QL2は、制御回路16から出力されるPWM信号に同期して駆動される。同様に、小電力用コンバータ部14においても、小電力用駆動回路24によって、第1および第2の小電力用トランジスタQS1、QS2は、制御回路16から出力されるPWM信号に同期して駆動される。すなわち、大電力用コンバータ部12と小電力用コンバータ部14とは、PWM信号に同期して動作されている。その結果、大電力用コンバータ部12と小電力用コンバータ部14との間で切り替えが行われる際に、両方のコンバータ部12、14が同時にオンしている期間において、貫通電流が流れることはない。
図9を参照して、本発明の第2の態様に係るDC/DCコンバータ30について説明する。図示のDC/DCコンバータ30は、昇圧型DC/DCコンバータであって、同期整流型である。ここでは、端子と電圧とを同じ参照符号で表わしている。昇圧型DC/DCコンバータ30は、電源入力端子VINと、スイッチ端子SWと、電源出力端子VOUTと、接地端子とを持つ。接地端子は接地電位に保持されている。電源入力端子VINには入力電源15の陽極(カソード)が接続されている。これにより、接地端子と電源入力端子VINとの間には、入力電源15から直流入力電圧VINが印加される。
電源入力端子VINとスイッチ端子SWとの間には、インダクタLが接続されている。すなわち、インダクタLの一端は電源入力端子VINに接続され、インダクタLの他端はスイッチ端子SWに接続されている。
電源出力端子VOUTと接地端子との間には、出力コンデンサCoが接続されると共に、負荷ROUTが接続されている。電源出力端子VOUTと接地端子との間には、直流入力電圧VINよりも高い直流出力電圧VOUTが生成される。すなわち、出力コンデンサCoは、電源出力端子VOUTと接地端子との間に直流入力電圧VINよりも高い直流出力電圧VOUTを生成する出力回路として働く。
昇圧型DC/DCコンバータ30は、スイッチ端子SWと電源出力端子VOUTとの間に接続された、大電力用コンバータ部12と小電力用コンバータ部14とを備える。昇圧型DC/DCコンバータ30は、大電力用コンバータ部12と小電力用コンバータ部14とを負荷ROUTの軽重応じて後述するように切り替えて使用する。
図1と図9との間の比較から明らかなように、降圧型DC/DCコンバータ10と昇圧型DC/DCコンバータ30との間の相違点は、接続関係にあって、どちらも実質的に同一の構成要素を含んでいる。
図示はしないが、後述するように、昇圧型DC/DCコンバータ30は、入力電流検出回路と出力電圧検出回路とを備える。入力電流検出回路は、入力電流IINが所定の電流値より小さくなったことを検出すると、使用するコンバータ部を大電力用コンバータ部12から小電力用コンバータ部14へ切り替えるための回路である。出力電圧検出回路は、出力電圧VOUTが所定の電圧より低くなったことを検出すると、使用するコンバータ部を小電力用コンバータ部14から大電力用コンバータ部12へ切り替えるための回路である。
このように、大電力用コンバータ部12と小電力用コンバータ部14との間の切り替えを、入力電流IINおよび出力電圧VOUTを用いて行うのは、前述したのと同様の理由による。
図10を参照して、本発明の第6の実施の形態に係る昇圧型DC/DCコンバータ30について説明する。図示の昇圧型DC/DCコンバータ30は、接続関係が相違している点を除いて、図3に示した降圧型DC/DCコンバータ10と同様の構成を有する。従って、図3に示したものと同一の構成要素には同一の参照符号を付して、以下では、相違点についてのみ説明する。
入力電流検出回路18は、電源入力端子VINとインダクタLの一端との間に接続されている。インダクタLの他端はスイッチ端子SWに接続されている。大電力用コンバータ部12を構成する第1の大電力用トランジスタ(Pチャネル電界効果トランジスタ)QL1のソースは、電源出力端子VOUTに接続されている。同様に、小電力用コンバータ部14を構成する第1の小電力用トランジスタ(Pチャネル電界効果トランジスタ)QS1のソースも、電源出力端子VOUTに接続されている。
このような構成の昇圧型DC/DCコンバータ30によれば、大電力用コンバータ部12から小電力用コンバータ部14への切り替えは、入力電流検出回路18において入力電流IINが所定の電流値より小さくなったことを検出することによって行われ、小電力用コンバータ部14から大電力用コンバータ部12への切り替えは、出力電圧検出回路20において出力電圧VOUTが所定の電圧より低くなったことを検出することによって行われることが分かる。このように、大電力用コンバータ部12と小電力用コンバータ部14との間の切り替えを、入力電流IINおよび出力電圧VOUTを用いて行っているので、上述したように、小電力用コンバータ部14と大電力用コンバータ部12との間の切り替え動作がクリティカルになるのを抑えることができる。
図10に示した昇圧型DC/DCコンバータ30は、大電力用コンバータ部12と小電力用コンバータ部14とが両方とも同期整流型であるが、小電力用コンバータ部はダイオード整流型であっても良い。
図11を参照して、本発明の第7の実施の形態に係る昇圧型DC/DCコンバータ30Aについて説明する。図示の昇圧型DC/DCコンバータ30Aは、小電力用コンバータ部をダイオード整流型にした点を除いて、図10に示した昇圧型DC/DCコンバータ30と同様の構成を有する。従って、小電力用コンバータ部に14Aの参照符号を付してある。図10に示したものと同様の構成を有するものには同一の参照符号を付して、それらの説明については省略する。
小電力用コンバータ部14Aは、第2の小電力用トランジスタQS2の代わりにダイオードDを備えると共に、小電力用駆動回路24が図4に示されるような小電力用駆動回路24Aに変更されている点を除いて、図10に図示した小電力用コンバータ部14と同様の構成を有する。
ダイオードDのカソードはスイッチ端子SWに接続され、アノードは接地端子に接続されている。小電力用駆動回路24Aは、バッファゲート244とアンドゲート246が省略されている点を除いて、図10に示した小電力用駆動回路24と同様の構成を有する。
このような構成の昇圧型DC/DCコンバータ30Aにおいても、大電力用コンバータ部12から小電力用コンバータ部14Aへの切り替えは、入力電流検出回路18において入力電流IINが所定の電流値より小さくなったことを検出することによって行われ、小電力用コンバータ部14Aから大電力用コンバータ部12への切り替えは、出力電圧検出回路20において出力電圧VOUTが所定の電圧より低くなったことを検出することによって行われる。このように、大電力用コンバータ部12と小電力用コンバータ部14Aとの間の切り替えを、入力電流IINおよび出力電圧VOUTを用いて行っているので、小電力用コンバータ部14Aと大電力用コンバータ部12との間の切り替え動作がクリティカルになるのを抑えることができる。また、小電力用コンバータ部14Aがダイオード整流型であるので、図10に示したものに比較して、部品点数を少なくすることができる。
図12を参照して、本発明の第8の実施の形態に係る昇圧型DC/DCコンバータ30Bについて説明する。図示の昇圧型DC/DCコンバータ30Bは、小電力用コンバータ部を常に動作させるようにした点を除いて、図10に示した昇圧型DC/DCコンバータ30と同様の構成を有する。従って、小電力用コンバータ部に14Bの参照符号を付してある。図10に示したものと同様の構成を有するものには同一の参照符号を付して、それらの説明については省略する。
小電力用コンバータ部14Bは、小電力用駆動回路24が図5に示されるような小電力用駆動回路24Bに変更されている点を除いて、図10に図示した小電力用コンバータ部14と同様の構成を有する。
常に動作している小電力用コンバータ部14Bを使用しているのは、もともと小電力用コンバータ部は消費電力が小さいので、常に動作させても、効率に余り影響を与えないからである。
とにかく、小電力用駆動回路24Bは、制御回路16から出力されるPWM信号に応答して、常に、第1および第2の小電力用トランジスタQS1、QS2を駆動する。
このような構成の昇圧型DC/DCコンバータ30Bにおいては、大電力用コンバータ部12の駆動停止は、入力電流検出回路18において入力電流IINが所定の電流値より小さくなったことを検出することによって行われ、大電力用コンバータ部12の駆動開始は、出力電圧検出回路20において出力電圧VOUTが所定の電圧より低くなったことを検出することによって行われる。したがって、大電力用コンバータ部12の駆動の停止/開始を、入力電流IINおよび出力電圧VOUTを用いて行っているので、大電力用コンバータ部12の駆動の停止/開始がクリティカルになるのを抑えることができる。また、小電力用コンバータ部14Bが常に動作しているので、図10に示したものに比較して、部品点数を少なくすることができる。
図13を参照して、本発明の第9の実施の形態に係る昇圧型DC/DCコンバータ30Cについて説明する。図示の昇圧型DC/DCコンバータ30Cは、図7に図示したような、第1および第2の遅延回路26、27を更に有している点を除いて、図10に示した昇圧型DC/DCコンバータ30と同様の構成を有する。図10に示したものと同様の構成を有するものには同一の参照符号を付して、それらの説明については省略する。
このような構成の昇圧型DC/DCコンバータ30Cでは、大電力用コンバータ部12と小電力用コンバータ部14とを切り替える際に、それらが同時にオフしている期間がないように、オンすべき側のコンバータ部が立ち上がるまでオフする側のコンバータ部に遅延を持たせ、両方のコンバータ部がオンしている期間を設けている。換言すれば、第1の遅延回路26と第2の遅延回路との組み合わせは、大電力用コンバータ部12と小電力用コンバータ部14との間で切り替える際に、大電力用コンバータ部12と小電力用コンバータ部14の両方がオンしている期間を設けるための遅延手段として動作する。
以上、本発明についてその好ましい実施の形態によって説明してきたが、本発明の精神を逸脱しない範囲内で、種々の変形が当業者によって可能であるのは明らかである。