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JP4858755B2 - エンコーダ - Google Patents

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Description

本発明は、光学式エンコーダに係り、さらに詳しくは、移動体の位置情報を光学的に検出する光学式エンコーダに関する。
近年、S/N比を向上させ、検出精度を高めた光学式エンコーダが提案されている(例えば、特許文献1等参照)。このエンコーダは、移動体の移動方向に沿って配列された格子を有するスケールと、スケール上でその格子の配列方向に沿ってビームを振動させるプローブとを備える。プローブは、対物レンズと、この対物レンズに接続された振動子とを有し、対物レンズを振動させることによって、格子の配列方向に沿ってビームを振動させる。そして、プローブは、ビームを格子の配列方向に振動することにより、ビームの振動中心を基準位置にしたスケールの相対位置に関する情報を含んだ信号を出力する。そして、このプローブから出力される信号と、ビームを振動させる駆動信号とを比較することでビームとスケールとの相対位置を求めている。
一方、複数の点光源が配列された点光源アレイを用い、各点光源を順次発光させることにより、スケール上へのビームの照射位置を変動させるエンコーダも提案されている。このようなエンコーダでは、隣接する光源の間隔が短ければ短いほど、スケール上に形成された回折格子のピッチを短くして、分解能を高めることができるようになるため、隣接する光源の間隔をさらに短くすることが望まれている。
米国特許第6,639,686号明細書
本発明は、所定方向に配列された複数の光源と;前記複数の光源を縮小した複数の2次光源を形成する光学系と;前記光学系を介した前記2次光源からの照明光を用いて、移動体の位置情報を検出する検出系と;を備えるエンコーダである。
これによれば、実際の光源よりも光源間の間隔が短い2次光源像からの照明光を用いて移動体の位置情報を検出することができるので、移動体の位置情報の検出分解能を高めるように、移動体の位置情報を検出する検出系を構成することができる。
以下、本発明の一実施形態を図1〜図3に基づいて説明する。
図1には、本発明の一実施形態に係るエンコーダ100の概略構成が示されている。このエンコーダ100は、不図示の移動体のX軸方向への位置情報を検出するエンコーダである。図1に示されるように、エンコーダ100は、光源3と、縮小投影光学系18と、コリメータレンズ9と、ビームスプリッタ11と、対物レンズ13と、集光レンズ15と、光センサ17と、検出装置25と、光源駆動装置27とを備えている。
光源3は、移動体の移動方向、すなわちX軸方向に沿って複数の点光源が配列された点光源アレイである。各点光源としては、例えば、面発光レーザを採用することができる。面発光レーザとは、半導体レーザの一種であり、その半導体の各層と垂直な方向、すなわち面と垂直な方向にレーザビームが出射されるため、この名がある。面発光レーザは小型化が容易なため、光源3における各点光源を、密に配置することができる。点光源として面発光レーザを採用すると、隣接する点光源の間隔(ピッチ)を、例えば30〜40μmとすることができる。
光源3では、いずれかの点光源が発光し、発光した点光源から−Z側にコヒーレントな照明光が射出される。この照明光の波長は、例えば850nmである。
光源3は、光源駆動装置27によって駆動される。光源駆動装置27は、光源3を発光させるために光源3に対して電力を供給するための電気回路を有しており、内部の制御回路によってその電気回路を制御することができるようになっている。光源駆動装置27は、光源3の複数の点光源のうち、発光する点光源、すなわち発光位置を時系列で切り替えることが可能である。光源駆動装置27により、その発光位置を時系列で変化させ、その時間変化に周期性を持たせれば、後述するスケール20のグレーティング1上へ照射されるビームスポットの入射位置を周期的に変動させることができる。
縮小投影光学系18は、光源3からの照明光を入射するレンズ5と、レンズ5から入射した照明光を射出するレンズ7とを備えている。縮小投影光学系18では、レンズ5とレンズ7とで、両側テレセントリックな投影光学系が構成されている。レンズ5の焦点距離はf1であり、光源3とレンズ5との間隔は、f1となるように設定されている。また、レンズ7の焦点距離はf2である。したがって、この縮小投影光学系18により、レンズ7から−Z側にf2だけ離れた位置に、光源3のいずれかの点光源の光源像が形成されるようになる。
実際の点光源3の光源像の大きさ(すべての点光源が発光しているときの光源像のX軸方向の幅)と、2次光源像の大きさ(すべての点光源が発光しているときに形成される2次光源像のX軸方向の幅)との比は、入射側のレンズ5の焦点距離f1と、射出側のレンズ7の焦点距離f2との比に等しくなる。そして、レンズ5の焦点距離f1がレンズ7の焦点距離 2 よりも長くなっているので、この光源像は、点光源アレイの縮小倒立像となる。図1においては、光源及びその像を視認しやすくするために、この縮小比を、1/2程度として図示しているが、実際には、例えば、1/8〜1/10程度とするのが望ましい。この縮小比を1/10とすると、この縮小投影像における隣接する点光源像の間隔(点光源の見かけ上の配列ピッチ)p’は、約3〜4μm程度となる。なお、この縮小投影像を、以下では2次光源像と呼ぶ。
なお、この2次光源像の見かけ上の配列ピッチp’は、後述するスケール20のグレーティング1の周期pよりも十分に小さく設定する必要がある。例えば、p=8μmであるとすると、p’≦数μmとする必要がある。
縮小投影光学系18(レンズ7)から出射された照明光は、コリメータレンズ9で平行光に変換される。この平行光は、ビームスプリッタ11を透過して、対物レンズ13で集光され、スケール20に導かれる。対物レンズ13の焦点距離は、レンズ7と同じf2となっている。
光源3、縮小光学系18、コリメータレンズ9、対物レンズ13、集光レンズ15、光センサ17等は、変位測定の基準となる不図示の固定物に固定されており、互いの位置が一定となっている。それに対して、スケール20は、X軸方向に移動可能な不図示の移動体に固定されており、スケール20は、その移動体の移動に伴ってX軸方向に移動する。スケール20には、X軸方向に周期性を有する反射型の回折格子、すなわちグレーティング1が形成されている。図1に示されるように、グレーティング1は凹凸面型の回折格子であり、その面形状は正弦波形状となっている。また、その周期(ピッチ)pは、全区間で同一となっている。
対物レンズ13グレーティング1との距離は、対物レンズ13の焦点距離f2とほぼ同じとなるように設定されている。前述のように、対物レンズ13の焦点距離はf2であるため、照明光は、ビームスポットとしてグレーティング1上に照射される。なお、図1では、グレーティング1の凹凸を視認しやすくするため、その振幅を大きく図示しているが、実際には、グレーティング1における正弦波の振幅は対物レンズ13の焦点距離f2に比べて十分に小さくなっているものとする。
2次光源像が形成されている面と、スケール20のグレーティング1とは、ほぼ共役の関係にあり、グレーティング1上のビームスポットは、2次光源像と同様の光源像となる。この光源像の大きさは、2次光源像の大きさと同じとなっている。
照明光はグレーティング1で反射し、反射光として対物レンズ13に戻る。対物レンズ13で平行光に変換された反射光は、ビームスプリッタ11でさらに反射して−X方向に進み、集光レンズ15で集光され、光センサ17に至る。
光センサ17は、例えば、フォトダイオードである。光センサ17は、例えば、この反射光の受光結果を、電気信号(電流信号)に変換して、検出装置25に送る。検出装置25は、不図示のI−Vコンバータを備えており、入力した電流信号を、電圧信号に変換する。この電圧信号は、グレーティング1を介した光の強度に相当する信号であるため、その信号には、グレーティング1へのビームスポットの照射位置のX軸方向に関する空間的な位相に関する情報が含まれている。検出装置25は、この電圧信号に基づいて、後述する同期検波を行って、そのグレーティング1の位相に関する情報を検出する。このエンコーダ100は、この位相情報に対応する信号を、エンコーダ出力として外部出力する。
図2には、光源駆動装置27が、正弦波信号に従って光源3を駆動した場合の信号検出の様子が示されている。図2に示されるように、光源駆動装置27が、所定の角周波数ωの正弦波に従って光源3を駆動すると、光源3におけるX軸方向の発光位置は、その角周波数ωで正弦波状に変動する。なお、図2においては、光源3におけるX軸方向の発光位置の変動周期をTとして示している。これにより、2次光源像も、同じ角周波数でX軸方向に振動し、スケール20のグレーティング1上のビームスポットの照射位置が、角周波数ωで正弦波状にX軸方向に振動するようになる。
この場合、光センサ17で受光される光は、グレーティング1の位相に関する情報と、ビームスポットの照射位置を変動させる角周波数ωの正弦波に関する情報とを含む光となる。したがって、光センサ17から出力される電流信号は、グレーティング1上のビームスポットの照射位置の位相が、角周波数ωの正弦波によって変調された信号となる。そこで、検出装置25は、図1に示されるように、光源駆動装置27から、光源3の発光パターンの元となる角周波数ωの正弦波に相当する信号を入力し、その信号により、光センサ17から送られた信号を同期検波する。
図3には、検出装置25の一般的な構成を示すブロック図が示されている。検出装置25は、フィルタ91と、周波数シンセサイザ92と、乗算部931、932と、位相検出部94と、振幅検出部95と、距離算出部96とを備えている。なお、図3では、I−Vコンバータの図示を省略している。
光センサ17から入力され不図示のI−Vコンバータで変換された電圧信号は、フィルタ91に入力される。フィルタ91では、この電圧信号に含まれる高調波成分が除去される。一方、周波数シンセサイザ92は、光源駆動装置27から入力された駆動信号に基づいて、ビームプローブの発振に対応する周期信号(角周波数ω、振幅r)を発生させる。フィルタ91の出力と、この周期信号とは、乗算器931、932で掛け合わされ、その結果がそれぞれ位相検出部94、振幅検出部95に入力される。位相検出部94では、周波数シンセサイザ92から出力された周期信号の周波数に対応するフィルタ91の出力の位相が検出され、振幅検出部95では、その周期信号に対応するフィルタ91の出力の振幅が検出される。距離算出部96では、検出された位相及び振幅に基づいて、スケール20のグレーティング1上のビームスポットの照射位置の振動中心の位相が算出され、出力される。
なお、この検出装置25の構成は、特表2000−511634号公報又は米国特許第6639686号明細書に開示されているので、詳細な説明を省略する。検出装置25の構成は、上記公報又は明細書に記載されているものであれば、好適に採用することが可能である。
上述したように、検出装置25では、グレーティング1におけるビームスポットの照射位置の振動中心の位相に関する情報が検出され、その位相に関するデータがエンコーダ出力として外部に出力されるようになる。
以上詳細に説明したように、本実施形態によれば、光源3における実際の点光源よりも光源間の間隔が短い2次光源像(ピッチp’)を実質的な光源として用いて、移動体の位置情報を検出することができる。2次光源像のピッチp’を短くすると、スケール20のグレーティング1のピッチpを短くすることができるようになるため、移動体の位置情報を検出分解能を向上させることが可能となる。
また、本実施形態によれば、エンコーダ100では、移動体とともに移動するスケール20と、スケール20を介した照明光を受光する光センサ17と、光センサ17の受光結果に相当する信号に基づいて移動体の位置情報を検出する検出装置25とを備えている。
光源3における複数の点光源は、角周波数ωの正弦波に従って発光している。検出装置25は、角周波数ωの正弦波を用いた同期検波により、移動体の位置情報を検出する。このようにすれば、同期検波に用いる信号を、光源3の発光位置の変動と同期させることができるので、検波精度が向上する。
本実施形態では、光源3の発光位置が従う信号波形を、正弦波としたが、のこぎり波や、三角波や、矩形波であってもよい。このように、光源3を複数の点光源とし、発光する点光源の選択により、発光位置を変更できるようにすれば、機械的に追従することが困難な波形、例えば、のこぎり波や矩形波などに対しても、それに従った正確な変調信号を取得することが可能となり、移動体の位置情報を高精度に検出することができるようになる。
また、本実施形態に係るエンコーダ100の光源3における複数の点光源は、面発光レーザであったが、他の半導体レーザであっても構わない。また、半導体レーザに限らず、他の種類のレーザであってもよい。
また、本実施形態では、光源3における点光源の複数の光源の配列方向を、移動体の計測方向と同じ方向としたが、これには限られない。光源の配列方向が、X軸方向に対して傾斜を有していてもよい。このようにすれば、X軸方向に関する光源の間隔をさらに短くすることが可能である。
また、点光源は、2次元的(XY平面)に配置されていてもよい。そして、Y軸方向を周期方向とするグレーティングを有するスケール又はXY2次元方向を周期方向とする2次元グレーティングを有するスケールを用意し、2次元光源アレイでの発光位置をX軸方向、Y軸方向に同時に周期的に変化させれば、X,Y軸方向に関して同時に変調をかけることも可能となる。
なお、縮小投影光学系は、単一のレンズで構成されていてもよく、3つ以上のレンズで構成されていてもよい。縮小投影光学系のレンズが3つである場合には、例えば、入射側のレンズで形成された像が、射出側のレンズにおける物体となるように、入射側のレンズ(第1のレンズ)と、射出側のレンズ(第2のレンズ)を配置し、第3のレンズを、入射側のレンズの射出瞳の像を射出側のレンズの入射瞳位置に作成するフィールドレンズとして配置すればよい。
また、縮小投影光学系は、両側テレセントリック光学系でなくてもよい。片側テレセントリックであってもよく。テレセントリックでなくてもよい。ただし、両側テレセントリックであった方が、スケールと光学系のZ軸方向の位置関係によって、ビームスポットの照射位置の横ずれがなくなるので、精度の観点からすれば有利である。
なお、縮小光学系や、コリメータレンズ、対物レンズを明確に区別する必要はない。例えば、エンコーダの構成を図4に示されるようにすることも可能である。図4に示されるように、エンコーダ101では、コリメータレンズ9’と、対物レンズ13’とが、上記実施形態に係るエンコーダ100におけるレンズ5と、レンズ7との縮小光学系としての役割を果たしている。コリメータレンズ9’の焦点距離をf1とし、対物レンズ13’の焦点距離をf2とすると、光源3における点光源のピッチと、スケール20のグレーティング1上の点光源像の間隔は、上記実施形態に係るエンコーダ100と同一となる。
また、上記実施形態では、スケール上のグレーティング1の凹凸パターンを、正弦波状としたが、矩形波状や他の周期パターンでもよい。また、グレーティング1は、凹凸パターンでなく、明暗パターンで構成されていてもよい。また、グレーティング1は、反射型でもよいし、透過型でもよい。
また、上記実施形態では、ビームスポットを照射する光学系を固定物に固定し、スケール20を移動体に固定する場合について説明したが、スケール20と上記光学系とは、相対的に移動すればよいので、スケール20を固定物に固定し(固定物に固定された場合には、固定回折格子と称する)、光学系を移動体に固定してもよい。
なお、本発明は、他のタイプのエンコーダにも適用することができる。例えば、特表2000−511634号公報又は米国特許第6639686号明細書に開示されているいわゆる3ビーム方式のエンコーダにも適用することができる。また、分離光学系を介して分離した2つの光を移動体とともに移動するスケールに照射し、再び干渉させ、その干渉状態によって、移動体の位置情報を検出する回折干渉方式のエンコーダにおいて、その干渉状態に相当する信号を変調する場合にも本発明を適用することができる。また、インコヒーレントな照明光でインデックススケールを照射し、その影を移動スケールに照射し、移動スケールを介した光の受光結果によって移動体の位置情報を検出する影絵方式のエンコーダにおいて、その干渉状態に相当する信号を変調する場合にも本発明を適用することができる。
以上説明したように、本発明のエンコーダは、移動体の位置情報を検出するのに適している。
本発明の一実施形態に係るエンコーダの主要部の概略構成を示す図である。 光源駆動装置による点光源アレイの発光制御の様子の一例を示す図である。 検出装置の構成の一例を示す図である。 本発明の一実施形態に係るエンコーダの主要部の概略構成の他の例を示す図である。
符号の説明
1…グレーティング、3…光源、5、7…レンズ、9…コリメータレンズ、11…ビームスプリッタ、13…対物レンズ、15…集光レンズ、17…光センサ、18…縮小投影光学系、20…スケール、25…検出装置、27…光源駆動装置、91…フィルタ、92…周波数シンセサイザ、931、932…乗算部、94…位相検出部、95…振幅検出部、96…距離算出部、100、101…エンコーダ。

Claims (5)

  1. 所定方向に配列された複数の光源と;
    前記複数の光源を縮小した複数の2次光源を形成する光学系と;
    前記光学系を介した前記2次光源からの照明光を用いて、移動体の位置情報を検出する検出系と;を備えるエンコーダ。
  2. 前記複数の光源は、所定の周期信号に基づいて発光位置が時系列に変化して発光し、
    前記検出系は、前記移動体とともに移動し、前記所定方向に沿って配列されたパターンを有するスケールと、該スケールを介した前記照明光を受光し、該受光結果に相当する信号に基づいて移動体の位置情報を検出する検出装置とを備え、
    前記検出装置は、
    前記所定の周期信号を用いた同期検波により、前記移動体の位置情報を検出することを特徴とする請求項1に記載のエンコーダ。
  3. 前記2次光源が形成される面と前記スケールが配置される面とは、光学的に共役であることを特徴とする請求項2に記載のエンコーダ。
  4. 前記所定の周期信号は、
    正弦波、のこぎり波、三角波、矩形波のいずれかであることを特徴とする請求項2又は3に記載のエンコーダ。
  5. 前記複数の光源は、面発光レーザ光源であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載のエンコーダ。
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