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JP4730174B2 - ヒンジ装置及びヒンジ装置を用いる機器 - Google Patents

ヒンジ装置及びヒンジ装置を用いる機器 Download PDF

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JP4730174B2 JP2006100726A JP2006100726A JP4730174B2 JP 4730174 B2 JP4730174 B2 JP 4730174B2 JP 2006100726 A JP2006100726 A JP 2006100726A JP 2006100726 A JP2006100726 A JP 2006100726A JP 4730174 B2 JP4730174 B2 JP 4730174B2
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Description

本発明は、合成樹脂製のカムを用いるヒンジ装置に関し、特に、カムを機械的に強化したヒンジ装置及びヒンジ装置を用いる機器に関する。
ディジタルムービーカメラ等の撮像機器では、ムービーカメラ本体とモニター装置とをヒンジ装置によって連結し、ムービーカメラ本体に対してモニター装置の開閉、その開閉位置を所定の角度位置で静止、又は回転等の機能を実現している。
このようなヒンジ装置に関し、特許文献1では、角度規制(位置規制)がカムの噛み合いによって達成されている。
特開平11−6519号公報(要約及び図1等)
ところで、ヒンジ装置に関し、ムービーカメラ等の撮像及び音声を収録する機器ではモニターの開閉に伴うクリック音等、操作の度にヒンジ装置からクリック音が生じると、このクリック音が音声として収録されることがある。このようなクリック音の発生源は機械的な摩擦部分であることから、合成樹脂製のカムを用いることにより、クリック音の発生を軽減させることができる。
合成樹脂製のカムは異常音の発生を抑制できるものの、柔軟性を備えているためにトルクが加わると、回転軸や支持軸のDカット部で係止されているカムでは、そのカムの変形により、カムと回転軸や支持軸との係止が損なわれてしまうおそれがある。剛性の高い金属で形成されたカムを用いれば斯かる不都合は解消されるが、金属同士の摩擦が大きなクリック音を生じさせるので、金属製カムは採用できない。
そこで、本発明の目的は、合成樹脂製のカムを用いたヒンジ装置に関し、合成樹脂製のカムの特性を損なうことなく、過大な回転トルクによる変形をも防止することにある。
本発明は、合成樹脂製のカムを用いたヒンジ装置に関し、カムに金属環を被せることにより、合成樹脂製のカムの特性を生かしつつ、カムを金属環によって補強したものである。
そこで、上記目的を達成するため、本発明の第1の側面は、合成樹脂製のカムを用いる
ヒンジ装置であって、円柱状部と平坦面部とを有する回転軸と、前記回転軸の前記平坦面
部側に取り付けられたフランジ部と、前記フランジ部から所定間隔を設けて前記回転軸の
前記円柱状部に取り付けられ、前記回転軸を回動可能に貫通させた第1のカムと、この第
1のカムと前記フランジ部との間にある前記回転軸の前記平坦面部に摺動可能に取り付け
られ、前記回転軸とともに回転可能である、突部を有する第2のカムと、この第2のカム
の環状部の内の前記突部を除いた部分に剛性の高い金属からなる金属環を被せてなり、
記第2のカムの前記環状部を補強する補強部材と、前記回転軸の前記平坦面部に設置され
て前記第2のカムと前記フランジ部との間に挟み込まれ、前記第2のカムと前記フランジ
部との間を拡開方向に復元力を作用させたばねとを備え、前記ばねの復元力を受けて前記
第2のカムと前記第1のカムとが噛み合わされ、前記回転軸の回転により、前記第2のカ
ムが回転するとともに前記ばねの復元力に対抗して前記平坦面部上を摺動し、前記第1の
カムと前記第2のカムとの間にトルクを生じさせる構成である。斯かる構成により、上記
目的を達成することができる。
上記目的を達成するためには、上記ヒンジ装置において、好ましくは、前記第1のカム及び第2のカムは、ポリアセタール樹脂で形成された構成としてもよく、斯かる構成によっても、上記目的を達成することができる。
また、上記目的を達成するため、本発明の第2の側面は、合成樹脂で形成されたカムを
備えるヒンジ装置を用いて第1及び第2の部材を回動可能に連結してなる機器であって、
円柱状部と平坦面部とを有する回転軸と、前記回転軸の前記平坦面部側に取り付けられた
フランジ部と、前記フランジ部との間に所定の間隔を設けて前記回転軸の前記円柱状部に
取り付けられ、前記回転軸を回動可能に貫通させた第1のカムと、この第1のカムと前記
フランジ部との間にある前記回転軸の前記平坦面部に摺動可能に取り付けられ、前記回転
軸とともに回転可能である、突部を有する第2のカムと、前記回転軸の前記平坦面部に設
置されて前記第2のカムと前記フランジ部との間に挟み込まれ、前記第2のカムと前記フ
ランジ部との間を拡開方向に復元力を作用させたばねと、前記第2のカムの環状部の内の
前記突部を除いた部分に被せられて前記第2のカムの前記環状部を補強する、剛性の高い
金属からなる補強環とを備え、前記ばねの復元力を受けて前記第2のカムと前記第1のカ
ムとが噛み合わされ、前記回転軸の回転により、前記第2のカムが回転するとともに前記
ばねの復元力に対抗して前記平坦面部上を摺動し、前記第1のカムと前記第2のカムとの
間にトルクを生じさせるヒンジ装置を用いた構成である。斯かる構成によっても、上記目
的を達成することができる。
以上説明したように、本発明によれば、次の効果が得られる。
(1) 本発明のヒンジ装置によれば、合成樹脂製のカムを金属環で補強したので、合成樹脂製のカムが持つクリック音の軽減性等の特性を維持しながら、過大な回転トルクが作用しても、カムの変形がなく、カムとしての機能を維持することができる。
(2) 本発明のヒンジ装置を用いた機器によれば、ヒンジ装置としての機能を維持しながらクリック音の発生がなく、異常音の録音等の不都合を防止できる。
〔第1の実施の形態〕
本発明の第1の実施の形態について、図1及び図2を参照して説明する。図1は、本発明の第1の実施の形態に係るヒンジ装置を示す図、図2は、ヒンジ装置を示す正面図である。
このヒンジ装置2には、ポリアセタール樹脂等の合成樹脂で形成された第1及び第2のカム4、6が用いられ、第1の回転軸8にはフランジ部10が取り付けられ、このフランジ部10から所定間隔を設けて回転軸8にカム4が取り付けられ、このカム4とフランジ部10との間には回転軸8上を摺動可能な摺動カムであるカム6が取り付けられている。カム6とフランジ部10との間にはカム6とフランジ部10との間を拡開させるばね12が取り付けられ、回転軸8にカム4、6及びばね12によってトルクを生じさせるための第1のトルク機構13が構成されている。また、カム6の周囲部には、補強部材として金属環14が被せられ、機械的な強度が補強されている。
このヒンジ装置2には、回転軸8を回転可能に支持する軸受部16、18を備えるコ字形の軸受枠20が設置され、この軸受枠20に回転可能に第2の回転軸22が立設され、回転軸22は、回転軸8と直交方向に設置されている。軸受枠20の内側には、コ字形の補強枠24が取り付けられ、この補強枠24と軸受枠20との間に形成された間隔部26には、軸受枠20を貫通させた回転軸22にトルクを発生させるための第2のトルク機構28が設置されている。回転軸22の端部には、回転軸8と平行に取付部30が取り付けられ、この取付部30には取付孔32、34が形成されている。
軸受部16の外側には、軸受部16に回転支持軸36を以て回動可能にL字形の第1の支持アーム部38が取り付けられ、この支持アーム部38には、複数の取付孔40を備える固定部42が形成されている。
軸受部18の外側には、軸受部18に回転軸8を以て回動可能にL字形の第2の支持アーム部44が取り付けられ、この支持アーム部44には、複数の取付孔46を備える固定部48が形成されている。
次に、トルク機構13について、図3を参照して説明すると、軸受部16、18には軸受孔50、52が形成されている。回転軸8は、軸受孔52を貫通させて回転可能に支持させるとともに、その先端側を軸受孔50側に取り付けられた軸受環54に回転可能に支持させている。回転軸8の先端部側には、固定溝56が形成されており、この固定溝56にフランジ部10が固定されている。回転軸8に取り付けられたカム4は板状支持部58を備えており、この板状支持部58の上平坦部60は補強枠24の下面側に一致し、かつ、軸受部18の内側に突出したボタン状の突部62、64に係合する凹部66、68が形成され、これらによって、回動が阻止されている。カム4には、一対の突部70と凹部72とが形成されている。
回転軸8の中間部には、カム6を摺動可能に支持するためのいわゆるDカットからなる平坦面部74が形成され、カム6には、回転軸8の中間断面に対応する摺動孔76が形成されている。このカム6とフランジ部10との間には、コイル状のばね12が圧縮状態で設置され、このばね12の復元力を受け、カム6とフランジ部10との間には、拡開方向の力がばね12によって付与されている。このため、カム6は、回転軸8と一体となって回転するとともに、ばね12の復元力を受けて平坦面部74上を摺動可能である。
そして、回転軸8の軸受部18を貫通させた一端には、支持アーム部44の固定部78が固定され、回転軸8と支持アーム部44が一体化されている。
次に、カム6について、図4を参照して説明すると、このカム6には、合成樹脂として例えば、ポリアセタール樹脂で成形されたカム本体部80が備えられ、このカム本体部80には、摺動孔76を中心部に備えるとともに、一対の突部82及び凹部84が形成されている。カム本体部80の環状部86には、図4のBに示すように、補強部材として例えば、真鍮等の剛性の高い金属で形成された金属環14が被せられている。この金属環14は、カム本体部80と一体に成形してもよく、また、その内部にインサート成形してもよい。
金属環14は、図4のCに示すように、カム本体部80の環状部86の一部を覆うように形成してもよく、また、図示しないがカム本体部80の突部82を残して他の外壁部分を覆うように形成してもよい。このようなカム6によれば、合成樹脂が持つ潤滑性を備えるとともに、金属環14によって機械的強度が維持される。
このようなヒンジ装置2によれば、図5に示すように、軸受枠20を回転軸8を中心に矢印Nで示す方向に回動させることができるとともに、図6に示すように回転軸22を中心に取付部30をトルク機構13を介して矢印Pで示す方向に回動させることができる。
そして、回転軸8とともにカム6を回転させると、カム4との間に相当大きなトルクによる応力がカム6に作用するが、金属環14によって補強されているので、カム6は変形を来すことなく、回転軸8とともに回転する。カム4、6の噛み合いにより、回転軸8のみが回転し、カム6の回転が損なわれるといった不都合は生じない。この結果、回転軸8の回転とカム4、6との噛み合いにより、所望のトルク値を得ることができる。
また、合成樹脂で形成されたカム4、6の潤滑性により、合成樹脂製のカムが持つクリック音の軽減性等の特性を維持しながら、過大な回転トルクが作用しても、カムの変形がなく、金属環14を真鍮によって形成したので、錆等の発生もなく、長期に亘って安定したトルク感を維持することができる。
〔第2の実施の形態〕
次に、本発明の第2の実施の形態について、図7及び図8を参照して説明する。図7は、本発明の第2の実施の形態に係るヒンジ装置を用いた機器及びその回動を示す図、図8は、その機器の他の回動状態を示す図である。図7及び図8において、図1〜図6と同一部分には同一符号を付し、その説明を省略する。
ヒンジ装置2を備える機器200は、第1の部材202と第2の部材204とを備えており、部材202、204間をヒンジ装置2で連結させたものである。部材202は、支持アーム部38、44の固定部42、48に複数の固定ねじ206を以て固定されている。また、部材204は、ヒンジ装置2の取付け部30に複数の固定ねじを以て固定されている。
斯かる構成によれば、ヒンジ装置2の2軸回転機能により、図7に示すように、部材202に対して部材204を矢印Oで示す方向に屈曲させることができるとともに、図8に示すように、部材202と部材204との相対的な位置関係を回転軸8を中心に矢印Pで示すように、回動させて変位させることができる。
このような2軸回転が可能であれば、機器200は、例えば、ビデオカメラや携帯電話機等に適用し、所望の回転変位を実現することができ、利便性を高めることができる。
以上述べたように、本発明の最も好ましい実施の形態等について説明したが、本発明は上記記載に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載され、又は、発明を実施するための最良の形態に開示された発明の要旨に基づき、当業者において様々な変形や変更が可能であり、斯かる変形や変更が本発明の範囲に含まれることはいうまでもない。
本発明は、合成樹脂製のカムを用いるヒンジ装置に関し、カムに金属環を被せることにより、合成樹脂製のカムの特性を生かしつつ、カムを金属環によって補強し、合成樹脂製のカムが持つクリック音の軽減性等の特性を維持しながら、過大な回転トルクが作用しても、カムの変形がなく、カムとしての機能を維持することができ、有用である。
本発明の第1の実施の形態に係るヒンジ装置を示す斜視図である。 ヒンジを示す正面図である。 ヒンジを示す分解斜視図である。 カムを示す図である。 ヒンジ装置の動作を示す図である。 ヒンジ装置の動作を示す図である。 本発明の第2の実施の形態に係るヒンジ装置を用いた機器及びその動作を示す図である。 機器の動作を示す図である。
符号の説明
2 ヒンジ装置
4 カム(第1のカム)
6 カム(第2のカム)
8 回転軸(第1の回転軸)
10 フランジ部
12 ばね
14 金属環

Claims (3)

  1. 合成樹脂製のカムを用いるヒンジ装置であって、
    円柱状部と平坦面部とを有する回転軸と、
    前記回転軸の前記平坦面部側に取り付けられたフランジ部と、
    前記フランジ部から所定間隔を設けて前記回転軸の前記円柱状部に取り付けられ、前記
    回転軸を回動可能に貫通させた第1のカムと、
    この第1のカムと前記フランジ部との間にある前記回転軸の前記平坦面部に摺動可能に
    取り付けられ、前記回転軸とともに回転可能である、突部を有する第2のカムと、
    この第2のカムの環状部の内の前記突部を除いた部分に剛性の高い金属からなる金属環
    を被せてなり、前記第2のカムの前記環状部を補強する補強部材と、
    前記回転軸の前記平坦面部に設置されて前記第2のカムと前記フランジ部との間に挟み
    込まれ、前記第2のカムと前記フランジ部との間を拡開方向に復元力を作用させたばねと

    を備え、前記ばねの復元力を受けて前記第2のカムと前記第1のカムとが噛み合わされ
    、前記回転軸の回転により、前記第2のカムが回転するとともに前記ばねの復元力に対抗
    して前記平坦面部上を摺動し、前記第1のカムと前記第2のカムとの間にトルクを生じさ
    せることを特徴とするヒンジ装置。
  2. 請求項1のヒンジ装置において、
    前記第1のカム及び第2のカムは、ポリアセタール樹脂で形成されたことを特徴とする
    請求項1記載のヒンジ装置。
  3. 合成樹脂で形成されたカムを備えるヒンジ装置を用いて第1及び第2の部材を回動可能
    に連結してなる機器であって、
    円柱状部と平坦面部とを有する回転軸と、
    前記回転軸の前記平坦面部側に取り付けられたフランジ部と、
    前記フランジ部との間に所定の間隔を設けて前記回転軸の前記円柱状部に取り付けられ
    、前記回転軸を回動可能に貫通させた第1のカムと、
    この第1のカムと前記フランジ部との間にある前記回転軸の前記平坦面部に摺動可能に
    取り付けられ、前記回転軸とともに回転可能である、突部を有する第2のカムと、
    前記回転軸の前記平坦面部に設置されて前記第2のカムと前記フランジ部との間に挟み
    込まれ、前記第2のカムと前記フランジ部との間を拡開方向に復元力を作用させたばねと

    前記第2のカムの環状部の内の前記突部を除いた部分に被せられて前記第2のカムの
    環状部を補強する、剛性の高い金属からなる補強環と、
    を備え、前記ばねの復元力を受けて前記第2のカムと前記第1のカムとが噛み合わされ
    、前記回転軸の回転により、前記第2のカムが回転するとともに前記ばねの復元力に対抗
    して前記平坦面部上を摺動し、前記第1のカムと前記第2のカムとの間にトルクを生じさ
    せるヒンジ装置を用いたことを特徴とする、ヒンジ装置を用いる機器。
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