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JP4713689B2 - 画像記録装置 - Google Patents

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JP4713689B2
JP4713689B2 JP2010503766A JP2010503766A JP4713689B2 JP 4713689 B2 JP4713689 B2 JP 4713689B2 JP 2010503766 A JP2010503766 A JP 2010503766A JP 2010503766 A JP2010503766 A JP 2010503766A JP 4713689 B2 JP4713689 B2 JP 4713689B2
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Description

この発明は、多数のインク吐出ノズルが副走査方向に列設されたノズルヘッドを副走査方向に複数個列設した構成を有するインクジェットヘッドを使用して、特定領域を繰り返し走査するインターレース方式により画像を記録する画像記録装置に関する。
インクジェットプリンタにおいては、印刷速度、すなわち単位時間あたりに印字可能な画素数を増やすためには、ノズルヘッドの動作速度を向上させるかノズル数を増加させる必要がある。しかしながら、動作速度の向上やノズル数の増加には限界があることから、一般的には、複数のノズルヘッドを副走査方向(ノズルの列設方向)に複数個並べて配置することにより、全体としてノズル数を増加させる構成が採用されている(特許文献1および特許文献2参照)。
一般に、インクジェットプリンタにおいては、ノズルのピッチよりも高い解像度を得るととともに、ノズルのバラツキや搬送ピッチの誤差によりバンディングと呼称されるムラを解消するために、インターレース方式が採用されている。
インターレース方式とは、例えば、1回の主走査毎のインクジェットヘッドの副走査方向の移動量をインクジェットヘッドにおけるノズルヘッドの副走査方向に列設させたノズル間隔の1/Nとし、所定の領域をN回の主走査で重ね刷りし、インクによるドットを隙間なく形成させて印刷する方式である。
このインターレース方式による印刷では、ノズルヘッドの最初の主走査では、インクの付着していない印刷材料にインクを吐出するのに対し、2回目以降の主走査では、それ以前の主走査によって部分的にインクが付着した印刷材料上にインクを吐出することになる。このため、2回目以降の主走査では、先に付着している印刷材料上のインクの影響により、形成される画像上にインクの滲み等によるムラが生じるという問題があった。
このような問題に対し、主走査において記録されるインク滴の位置が、任意の2回の主走査において隣接しないように、各主走査のインク吐出位置と副走査の送り量を設定するドット記録装置が提案されている(特許文献3参照)。
特開2007−69428号公報 特開2003−211644号公報 特開2000−185396号公報
インターレース方式を採用するインクジェットプリンタにおいて、例えば、1回の主走査ごとのインクジェットヘッドの副走査方向の移動量をインクジェットヘッドの副走査方向の寸法の1/Nとし、特定領域をN回の走査で重ね刷りして印刷したとする。このときには、特定領域には、インクジェットヘッドよりN個のインク滴が吐出されることになる。このようなインターレース方式をパス数Nのインターレース方式と呼称する。また、これと同様に、主走査方向のインクの吐出位置を1/Nでずらせることにより、特定領域をN回重ね刷りして印刷する場合もある。
ここで、特定領域とは、画像を記録するときの解像度によって定まる領域であり、記録分解能に対応した、一つの画素領域である。また、複数回の主走査で副走査方向に隙間なくインク滴が形成され、画像が完成される帯状の所定の領域は、スワス(swath)と呼称される。
このようなインターレース方式を採用した場合には、特定領域に対してN個の異なったノズルにより画像の記録を行うことになることから、各ノズルからのインクの吐出量や吐出方向のバラツキ、あるいは副走査の移動量のバラツキ等が平準化され、上述したバンディングが緩和されるという効果がある。
しかしながら、ノズルヘッドを副走査方向に複数個列設した構成を有するインクジェットヘッドを使用してインターレース方式で画像の記録を行った場合には、主走査方向に延びる副走査方向のムラが発生する場合がある。
また、任意の2回の主走査によるドットが隣接する位置に形成されることを防止するためには、インクジェットヘッドの副走査方向のノズルの数を減らしたり、1回の主走査でのノズル吐出位置を所定の間隔以上開くように描画されるように制御する方法がある。しかしながら、このような構成を採用した場合には、主走査方向のパス数が増加し、結果として印刷速度が遅くなるという問題がある。
この発明は上記課題を解決するためになされたものであり、ノズルヘッドを副走査方向に複数個列設した構成を有するインクジェットヘッドを使用してインターレース方式で画像の記録を行った場合においても、ムラの発生を防止でき、また、インターレースのパス数を増加させることなく、高い生産性とムラの抑制を両立することが可能な画像記録装置を提供することを目的とする。
請求項1に記載の発明は、多多数のインク吐出ノズルが副走査方向に列設されたインクジェットヘッドを使用して、N回繰り返し走査して画像を記録するパス数Nのインターレース方式により画像を記録する画像記録装置であって、aを2以上の整数とし、bを1またはaと互いに素な整数とし、主走査方向にb画素、副走査方向にa画素からなるb×aの領域をa×b=N回で記録するときに、ノズルの間隔をWとし、n回目のパスでの記録位置と、n+1回目のパスでの記録位置との間の副走査方向の間隔をc画素とし、前記インクジェットヘッドが副走査方向に移動する距離に相当するノズルの数をjとして、1回の主走査毎に、前記インクジェットヘッドが副走査方向に移動する距離を、W×(j+c/a)にするとともに、n回目のパスでの記録位置と、n+1回目のパスでの記録位置との間の主走査方向の間隔をd画素とすることを特徴とし、jは、1以上の整数、cは、1以上a未満であって、かつ、1またはaと互いに素な整数、dは、1またはbと互いに素な整数である。
請求項に記載の発明は、請求項に記載の発明において、前記aは前記bよりも大きい整数である。
請求項に記載の発明は、請求項に記載の発明において、前記aは8、前記bは3である。
請求項1乃至請求項に記載の発明によれば、ノズルヘッドを副走査方向に複数個列設した構成を有するインクジェットヘッドを使用してインターレース方式で画像の記録を行った場合においても、ムラの発生を防止することが可能となる。
請求項乃至請求項に記載の発明によれば、印刷速度を損なうことなく、任意の2回の主走査において形成されるインク滴の隣接位置に起因して表れるムラの発生を防止することが可能となる。
請求項および請求項に記載の発明によれば、副走査方向の画質の不均一性を低減することが可能となる。
この発明を適用する画像記録装置の斜視図である。 この発明に係る画像記録装置の主要な電気的構成を示すブロック図である。 インターレース方式で画像を記録する様子を示す説明図である。 インターレース方式により特定領域Rにインク滴が吐出される様子を模式的に示す説明図である。 4個のノズルヘッドを副走査方向に列設した構成を有するインクジェットヘッドを使用し、パス数Nを順次変化させて画像を記録した記録結果を示す模式図である。 各主走査毎のノズルヘッドの位置と描画位置との関係を示す説明図である。 スワス毎のインク滴の状態を示す説明図である。 領域と各主走査での描画位置との関係を示す説明図である。 領域と各主走査での描画位置との関係を示す説明図である。
以下、この発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。図1はこの発明に係る画像記録装置の斜視図である。
この画像記録装置は、本体フレーム30と、位置決めピン21を備え記録媒体Pを載置するテーブル20と、本体フレーム30に配設され、テーブル20をX+およびX−方向に往復移動させるための一対の主走査ガイド32と、副軸フレーム33と、多数のインク吐出ノズルを備えたインクジェットヘッド10と紫外線照射機構11とCCDカメラ14とを備える記録ヘッド12と、副軸フレーム33に配設され、記録ヘッド12をY方向に移動させるための一対の副軸ガイド31と、インクジェットヘッド10の洗浄部15とを備える。
インクジェットヘッド10は、イエローのインクを吐出するためのイエロー用のインクジェットヘッド10Yと、マゼンタのインクを吐出するためのマゼンタ用のインクジェットヘッド10Mと、シアンのインクを吐出するためのシアン用のインクジェットヘッド10Cと、ブラックのインクを吐出するためのブラック用のインクジェットヘッド10Kとから構成される。また、紫外線照射機構11には、その冷却機構の一部を構成する一対の排気ダクト13が配設されている。
この画像記録装置により画像を記録するときには、そこに記録媒体Pを載置したテーブル20をX+方向に移動させながら、インクジェットヘッド10Y、10M、10C、10Kからインキを吐出させる。インクジェットヘッド10Y、10M、10C、10Kから吐出され記録媒体P上に塗布されたインキは、紫外線照射機構11から紫外線の照射を受けることにより定着される。テーブル20がX+方向にそのストロークエンドまで移動すれば、テーブル20をX−方向に移動させる。また、記録ヘッド12をY方向に微小距離移動させる。
このように、この画像記録装置においては、記録媒体Pをテーブル20とともに主走査方向(図1におけるX方向)に往復移動させるとともに、記録ヘッド12を副走査方向(図1におけるY方向)に間欠移動させることにより、記録媒体Pに画像を記録する構成となっている。
図2は、この発明に係る画像記録装置の主要な電気的構成を示すブロック図である。
この画像記録装置は、装置の制御に必要な動作プログラムが格納されたROM、制御時にデータ等が一時的にストアされるRAMおよび論理演算を実行するCPUから構成される制御部41を備える。この制御部41は、後述する解像度とパス数との関係を示すテーブルを記憶した記憶部42と接続されている。また、この制御部41は、上述したインクジェットヘッド10と、後述するパス数Nの選択を含むデータ入力のための入出力部43と、必要なデータ等を表示する表示部44とにも接続されている。
図3は、上述した画像記録装置によりインターレース方式で画像を記録する様子を示す説明図である。この図3におけるインクジェットヘッド10は、インクジェットヘッド10Y、10M、10C、10Kのうちの1つを図示して他を省略している。なお、各インクジェットヘッド10Y、10M、10C、10Kは同一の構成を有する。
インクジェットヘッド10はそれぞれが5個のノズルを有する4個のノズルヘッド101、102、103、104を副走査方向に千鳥状に列設した構成を有する。インクジェットヘッド10による主走査が完了する度にインクジェットヘッド10を副走査方向Yに間欠的に移動させて画像記録材料P上に二次元画像を順次形成していく。図3中における符号10a、10b、10c、10dは、主走査開始時点におけるインクジェットヘッド10の副走査位置を示している。図3で示すように、インクジェットヘッド10は、1主走査が完了する度に、インクジェットヘッド10の副走査方向の寸法、すなわち4個のノズルヘット101、102、103、104による副走査方向の最大記録寸法の1/4の長さずつ順次、副走査方向に移動していく。このとき、特定領域には、インクジェットヘッド10より4個のインク滴が吐出されることになる。
なお、実際には、各主走査開始時におけるインクジェットヘッド10の主走査位置は同一であるが、見分けやすいように、主走査方向にずらして図表している。
符号IM1は主走査が1度だけ行われた画像部分を示している。すなわち副走査位置10dに位置するインクジェットヘッド10d上のノズルヘッド104のみによって記録された画像部分である。
符号IM2は主走査が2回行われた画像部分を示している。すなわち、副走査位置10cに位置するインクジェットヘッド10上のノズルヘッド104と副走査位置10dに位置するインクジェットヘッド10d上のノズルヘッド103とにより記録される画像部分である。副走査位置10d上のノズルヘッド103で画像記録を行う際には、副走査位置10C上のノズルヘッド104が画像記録した走査線に隣接するように主走査を行う。
符号IM3は主走査が3回行われた画像部分を示している。すなわち、副走査位置10bに位置するインクジェットヘッド10上のノズルヘッド104と、副走査位置10cに位置するインクジェットヘッド10上のノズルヘッド103と、副走査位置10dに位置するインクジェットヘッド10上のノズルヘッド102とより記録される画像部分である。副走査位置10dに位置するインクジェットヘッド10上のノズルヘッド103で画像記録を行う際には、副走査位置10cに位置するインクジェットヘッド10上のノズルヘッド104が画像記録した走査線に隣接するように主走査を行う。副走査位置10c上のノズルヘッド102で画像記録を行う際には、副走査位置10bに位置するインクジェットヘッド10上のノズルヘッド104が画像記録した走査線に隣接するように主走査を行う。
符号IM4は主走査が4回行われて画像が完成した画像部分を示している。すなわち、この画像部分IM4は、副走査位置10a、10b、10c、10dに位置するインクジェットヘッド10からの主走査が合計4回行われている。
4個の画像部分IM1、IM2、IM3、IM4の比較から明かなように本画像記録装置では、前の主走査で記録された主走線の間を後の主走査で埋めていく、いわゆるインターレース走査が行われている。
図4は、このようなインターレース方式により特定領域Rにインク滴が吐出される様子を模式的に示す説明図である。
すなわち、図4(a)に示すように、1回の主走査毎に、インクジェットヘッド10を当該インクジェットヘッド10の副走査方向の寸法の1/4の距離だけ副走査方向に移動させて画像を記録することにより、特定領域Rに副走査方向位置が異なる4個のインク滴が吐出される。すなわち、この実施形態においては、特定領域Rに対してインクジェットヘッド10が有する記録分解能の4倍の回数インク滴を吐出して画像を記録することになる。
なお、図4おける数字1は4回のサイクルのうちの1回目の主走査時に吐出されたインク滴の位置を、数字2は4回のサイクルのうちの2回目の主走査時に吐出されたインク滴の位置を、数字3は4回のサイクルのうちの3回目の主走査時に吐出されたインク滴の位置を、数字4は4回のサイクルのうちの4回目の主走査時に吐出されたインク滴の位置を、各々示している。
なお、図4(a)の例では前回のパスの副走査位置に隣接するような副走査位置において次の主走査を実行いているが{1,3,2,4}等の順番で補間することとも可能である。
このようなインターレース方式を採用することにより、ノズルのピッチよりも高い印刷解像度を得るとともに、ノズルのバラツキや搬送ピッチの誤差によりバンディングと呼称されるムラを解消することが可能となる。
なお、図4(a)においては、特定領域Rに対するインク滴の吐出位置を副走査方向に対して変化させることにより、特定領域Rを4回繰り返して走査している。これに対して、特定領域Rにおける副走査方向のみならず、主走査方向に対しても吐出位置を変更することにより、特定領域Rを複数回繰り返して走査するようにすることも可能である。
すなわち、図4(b)に示すように、1回の主走査毎のインクジェットヘッド10の副走査方向の移動量をインクジェットヘッド10の副走査方向の寸法の1/4とし、特定領域Rに対するインク滴の吐出位置を、主走査方向および副走査方向に対してずらせることにより、特定領域Rを4回の主走査で重ね刷りして印刷してもよい。
ところで、上述した実施形態においては、4個のノズルヘッド101、102、103、104を副走査方向に列設した構成を有するインクジェットヘッド10を使用し、パス数4のインターレース方式で画像の記録を行っているが、このときのパス数を3とした場合等においては、主走査方向に延びる副走査方向のムラが発生する場合があることが、本発明者の実験等により見いだされた。
すなわち、4個のノズルヘッド101、102、103、104を副走査方向に列設した構成を有するインクジェットヘッド10を使用し、例えば、パス数3のインターレース方式で画像の記録を行った場合には、画像の各部分は4個のノズルヘッド101、102、103、104のうちの3個を使用して記録が行われることになる。このときに、個々のノズルヘッド101、102、103、104にインキの吐出量や吐出方向あるいは取り付け精度等にバラツキがあった場合には、画像の各部分毎に、その部分の記録に使用されるヘッドの組み合わせによってムラが生ずることになる。
このため、この発明に係る画像記録装置においては、ノズルヘッドの副走査方向の列設数をM、インターレースのパス数をNとしたときに、N=i×M(但し、M、N、iは1以上の整数)となるようにNを決定している。例えば、上述したように4個のノズルヘッド101、102、103、104を副走査方向に列設した構成を有するインクジェットヘッド10を使用する場合には、インターレースのパス数Nは、4、8、12、16・・・となる。そして、どのパス数を選択するのかは、画像の記録に必要とされる解像度により決定される。
図5は、上述した4個のノズルヘッド101、102、103、104を副走査方向に列設した構成を有するインクジェットヘッド10を使用した際に、4個のノズルヘッド101乃至104のうちの1つのノズルヘッドからのインクの出力が少ない場合において、パス数Nを順次変化させて画像を記録した記録結果を示す模式図である。
これらの図のうち、図5(a)、(b)、(e)は、図4(a)に示すように特定領域Rに対するインク滴の吐出位置を副走査方向に対して変化させた場合を示し、図5(c)、(d)は、図4(b)に示すように、特定領域Rに対するインク滴の吐出位置を、主走査方向および副走査方向に対して変化させた場合を示している。そして、図5(a)においてはパス数Nが4の場合を、図5(b)においてはパス数Nが3の場合を、図5(c)においてはパス数Nが4の場合を、図5(d)においてはパス数Nが6の場合を、図5(e)においてはパス数Nが8の場合を、各々示している。
この図から明らかなように、式N=i×Mを満たす図5(a)、(c)、(e)においては、画像全体が均一となり、ムラは見受けられない。これに対して、式N=i×Mを満たさない図5(b)、(d)においては、画像が不均一となるムラが発生している。
このため、本願発明に係る画像記録装置においては、図2に示す記憶部42に、式N=i×Mを満たすようなパス数Nとノズルヘッドの数Mとの関係を予め記憶しておく。この場合、Mが固定の場合には、複数のNが記憶されることになる。そして、そのパス数Nを使用したときの画像記録時のおおよその解像度もあわせて記憶しておく。たとえば、インクジェットヘッド10が4個のノズルヘッドを有し(M=4)、インクジェットヘッド10が有する固有の副走査方向の記録解像度が250dpiの場合を考える。この場合において、式N=i×4を満たすことのできるパス数Nと各パス数Nに対応する解像度とを予め記憶しておく。
すなわち、Nは、{4,8,12,...}の値を取りうる。
Nの値が2以上のときは、主走査方向のパス数と副走査方向のパス数とが複数の組み合わせを取り得るので、各組み合わせ毎に可能な記録解像度を予め記憶しておく。
たとえばN=4のときは、主走査方向のパス数との組み合わせは、1:4,2:2、4:1の各場合を取り得る。
したがって、N=4のときに、主走査方向に1パスで記録する場合であれば副走査方向の記録解像度は1000dpi、主走査方向に2パスで記録する場合であれば副走査方向の記録解像度は500dpi、主走査方向に3パスで記録する場合であれば副走査方向の記録解像度は250dpiで、画像記録することが可能である。これらの解像度の中から1つ以上の必要な組み合わせをN=4と対応付けて予め記憶しておく。
N=8のときも同様である。すなわち、主走査方向のパス数と副走査方向のパス数との組み合わせと、各組み合わせにおける主走査方向および副走査方向の記録解像度とを、N=8と対応付けて予め記憶しておく。
そして、画像を記録するときには、図2に示す表示部44に、式=i×Mを満たすNと、そのとき解像度とを表示する。たとえば、N=4と、この場合に可能な複数の記録解像度(副走査方向の記録解像度=1000dpi、500dpi、250dpi)とを表示部44に表示する。そして、オペレーターは所望の記録解像度での画像記録を実現可能なパス数Nを表示部44に表示された複数のNの中から選択して入力部43から制御部41に入力する。また、主走査方向のパス数および副走査方向のパス数とを指定する。さらに、主走査方向の記録解像度を指定する。
なお、上記では、1つのパス数に対して複数の記録解像度を対応づけている。たとえば、パス数4に対して3つの記録解像度(1000dpi、500dpi、250dpi)を対応付けている。しかし、1つのパス数に対応付けられた記録解像度を1つのみに限定してもよい。
この場合には、表示部44に表示された複数のパス数Nの中からオペレータが所望のパス数を選択すると、当該選択されたパス数に対応付けられた記録解像度が一義的に決定されることになる。あるいは、表示部44に表示された複数の記録解像度の中からオペレータが所望の記録解像度を選択すると、当該選択された記録解像度に対応付けられたパス数が一義的に決定されることになる。
制御部41は、指定されたパス数・記録解像度で画像記録を行うために画像データの処理を行った後、4個のノズルヘッド101、102、103、104を副走査方向に列設した構成を有するインクジェットヘッド10を使用して、特定領域をN回の主走査で重ね刷りして印刷するパス数Nによるインターレース方式で印刷を実行する。
なお、上述した実施形態において、図5(c)は、特定領域Rに対して、副走査方向に記録分解能の2倍、主走査方向に記録分解能の2倍の回数画像を記録することにより、特定領域に対して記録分解能の4倍の回数インク滴を吐出して画像を記録する場合を示している。
次に、この発明の他の実施形態について、図6乃至図9を参照して説明する。なお、図6乃至図9において、紙面の縦(上下)方向が副走査方向、横(左右)方向が主走査方向である。
この実施形態では、副走査および主走査の1記録分解能(画素)を単位とするa×bの領域での各画素位置における描画順序を考慮した印刷制御を行う。なお、ここでのa×bの領域は、上述した特定領域と同様の概念である。
図6は、各主走査毎のノズルヘッドの位置と描画位置との関係を示す説明図である。図6においては、aとbが互いに素でない整数である場合であって、この発明の条件に当てはまらない例を示している。すなわち、図6(a)右側の画像上の描画位置において、2重線で囲っているa=2、b=2の領域を考慮した場合である。
図6(a)および図6(b)中の数字は、各主走査の回数、すなわち、1〜5回目の各パスを示している。そして、図6(a)および図6(b)における左側には、各主走査毎のある1つのノズルヘッドの副走査方向の移動の様子を黒枠で示している。なお、黒枠中の数字の位置は、ノズルヘッドにおける副走査方向に列設されたノズルの位置と対応している。また、図6(a)および図6(b)における右側には、記録媒体Pに実際に形成される画像と、その画像中の各画素が何回目の主走査でのノズル滴により形成されているかを、図中左側のノズルの位置と対応させて示している。
図6では、2×2の領域は4回の主走査で描画される。また、副走査方向に隙間なく描画される領域である各スワスも、4回の主走査により形成される。図6(a)に示すように、1〜4回目のパスでスワス1を、2〜5回目のパスでスワス2を、3〜6回目のパスでスワス3を形成するようにノズルヘッドを副走査方向に移動させて描画している。
ここで、図6(a)の画像上の描画位置で2重線で囲っているa=2、b=2のa×bの領域に着目すると、スワス1とスワス2とでは、描画順序が異なっていることがわかる。
図6(b)では、スワス毎の描画順序の違い、および、連続する任意の2回の主走査により描画される印刷材料P上の位置をわかりやすくするため、各スワスにおける最初の主走査で描画される位置と、その次の主走査で描画される位置とにハッチングを付している。すなわち、スワス1では1回目と2回目のパスで描画される位置に、スワス2では2回目と3回目のパスで描画される位置に、スワス3では3回目と4回目のパスで描画される位置に、それぞれハッチングを付している。
図6(b)に示すように、スワス1とスワス3では、それぞれのスワスにおける最初の主走査で描画される位置と、その次の主走査で描画される位置とが、主走査方向、副走査方向のいずれにおいても等間隔に現れている。これに対し、スワス2では、最初の主走査で描画される位置と、その次の主走査で描画される位置とが副走査方向において同じ位置となる。
このように、任意の2回の主走査で吐出されるインク滴の位置の配置がスワス毎に異なると、各インク滴の広がりや滲み具合等のいわゆる画素ごとの干渉の違いが、スワス毎に画質の違いとなって現れることになる。すなわち、印刷のテクスチャー、インク濃度、あるいは色の差異等がスワス毎に生じるために、画像全体として、これらの違いがストライプ状の印刷ムラとして現れる。
画素ごとの干渉の違いに起因した画質の違いの一例を、図7を参照して説明する。図7は、スワス毎のインク滴の状態を示す説明図である。図7(a)は、図6(b)における記録媒体P上のスワス1のインク滴の状態を、図7(b)は、図6(b)における記録媒体P上のスワス2のインク滴の状態を、それぞれ模式的に表したものである。
図7(a)に示すように、スワス1における最初の主走査であるパス1と、その次の主走査であるパス2によって形成されたノズル滴は、互いに干渉することなく、各々一定の広がりが保たれているのがわかる。
しかしながら、スワス2においては、図7(b)に示すように、スワス2における最初の主走査であるパス2により先に形成されたノズル滴が、その次の主走査であるパス3で形成されるノズル滴に干渉しているのがわかる。すなわち、パス3で形成されるノズル滴は、先にパス2により形成されたノズル滴に弾かれて、記録媒体P上でまだノズル滴が形成されていない領域に広がっている。
このように、a×bの領域での描画順序が異なるため、スワス毎にインク滴の広がりが異なる描画が行われると、画像全体としての印刷の均一性が損なわれることになる。
図8は、領域と各主走査での描画位置との関係を示す図である。図8では、aが2以上の整数で、bが1またはaと互いに素な整数となるa=3、b=2の領域を、N回の主走査で描画する場合を示している。
そして、図8の左側には、3×2の領域を6回の主走査で描画する場合の描画順序を示している。また、図8の右側には、3×2の領域での描画順序を、画像上の画素位置に対応させて示している。なお、図8の右側において、各スワスにおける最初の主走査での描画位置と、その次の主走査での描画位置にはハッチングを付している。
この場合には、図8に示すとおり、各スワスでの最初の主走査での描画位置と、その次の主走査での描画位置は、どのスワスにおいても一定の間隔および隣接関係を持って現れる。
このように相対的な描画順序が一定に保たれる描画条件は、任意の2回の主走査、すなわち、n回目とn+1回目のパスでの描画位置の副走査方向の間隔cと主走査方向の間隔dの値をそれぞれ一定に保ちつつ、a×bの領域をa×b=N回で描画することが前提となる。そして、1回の主走査毎に、ノズルヘッドを複数備えたインクジェットヘッドが副走査方向に移動する距離を、次の関係式より求めた場合に実現できる。
W×(j+c/a) ・・・・(式1)
この関係式において、Wは、ノズルヘッドにおけるノズルの間隔である。また、jは、1以上の整数であって、副走査方向の移動量に相当するノズルの数である。cは、1以上a未満であって、かつ、1またはaと互いに素な整数である。そして、dは、1またはbと互いに素な整数である。
なお、jとcの値は特に指定しないが、インターレース方式の画像記録では、連続するN回の主走査での移動量の合計が「ノズル間隔×ノズル総数」(ノズルを列設したノズルヘッドの副走査方向の幅)と一致するように、各主走査ごとにjおよびcを定める必要がある。ただし、各主走査でのjは異なった値でもよく、各主走査毎の移動量を一定に保つ必要はない。
また、aとbの値は互いに素な整数であればよく、互いの値の大小は特に規定はしない。しかしながら、実際の印刷では、ノズルのバラツキ、記録材料Pの送り量の誤差等については、副走査方向の方が、画質の不均一性を生ずる要素が多い。このため、副走査方向のaの値を大きくし、各主走査で吐出されるインク滴副走査方向に一部重複して配置させた方が、不均一を軽減する上で好ましい。
図9は、領域と各主走査での描画位置とを示す説明図である。図9では、ノズルヘッドを副操作方向に4個列設した構成を有するインクジェットヘッドで、パス数N=24(ノズルヘッドMの整数倍の数)のインターレース方式で描画する場合を満足する条件を示している。ここで、a=8、b=3、c=3、d=1であり、上記式1より副走査方向に移動する距離が求められる。
図9の左側には、8×3の領域を24回の主走査で描画する描画順序を示している。また、図9の右側に示す画像上の描画位置においては、各スワスにおける連続する任意の3回の主走査で描画されるされる描画位置にハッチングを付している。
図9に示すように、各スワスにおいて連続する3回の主走査による描画位置は、どのスワスにおいても一定の描画間隔および隣接関係をもって現れている。このため、スワス毎に異なる画質が現れることを防止し、画像全体のムラの発生を防止することができる。
10 インクジェットヘッド
11 紫外線照射機構
12 記録ヘッド
13 排気ダクト
14 CCDカメラ
15 洗浄部
20 テーブル
21 位置決めピン
30 本体フレーム
32 主走査ガイド
33 副軸フレーム
41 制御部
42 記憶部
43 入力部
44 表示部
P 記録媒体

Claims (3)

  1. 多数のインク吐出ノズルが副走査方向に列設されたインクジェットヘッドを使用して、N回繰り返し走査して画像を記録するパス数Nのインターレース方式により画像を記録する画像記録装置であって、
    aを2以上の整数とし、bを1またはaと互いに素な整数とし、主走査方向にb画素、副走査方向にa画素からなるb×aの領域をa×b=N回で記録するときに、ノズルの間隔をWとし、n回目のパスでの記録位置と、n+1回目のパスでの記録位置との間の副走査方向の間隔をc画素とし、前記インクジェットヘッドが副走査方向に移動する距離に相当するノズルの数をjとして、1回の主走査毎に、前記インクジェットヘッドが副走査方向に移動する距離を、
    W×(j+c/a)にするとともに、
    n回目のパスでの記録位置と、n+1回目のパスでの記録位置との間の主走査方向の間隔をd画素とすることを特徴とする画像記録装置。
    ただし、
    jは、1以上の整数、
    cは、1以上a未満であって、かつ、1またはaと互いに素な整数、
    dは、1またはbと互いに素な整数である。
  2. 請求項1に記載の画像記録装置において、
    前記aは前記bより大きい整数である画像記録装置。
  3. 請求項2に記載の画像記録装置において、
    前記aは8であり、前記bは3である画像記録装置。
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