JP4707379B2 - ポリイソシアネート組成物 - Google Patents
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Description
また、特許文献2には、低粘度であるアロファネート基含有ポリイソシアネートとイソシアヌレート型ポリイソシアネートを混合した系が開示されている。しかし、この特許文献のアロファネート基含有ポリイソシアネートは、モノアルコール由来の末端がイソシアネート基でないアルキル鎖を含むアロファネート型ポリイソシアネートであり、乾燥性が不足する場合があった。
1.下記AとBを20:80〜80:20(質量比)で混合して得られる粘度1100mPa・s/25℃以下であるポリイソシアネート組成物。
1)イソシアヌレート3量体濃度60質量%以上、5量体濃度21質量%以下。
[2]ヘキサメチレンジイソシアネートとジオールから誘導される化合物であって、ウレタン結合を有する下記1)〜3)の条件を満足するポリイソシアネート(B)。
1) ウレタン結合モル数
ウレタン結合比率=――――――――――――――――――――――≧0.25
ウレタン結合モル数+アロファネート結合モル数
2)数平均分子量:400〜700
3)イソシアネート基平均数2.0〜3.5
2.前記1.記載のポリイソシアネート組成物を含む塗料組成物。
3.前記1.記載のポリイソシアネート組成物を含むハイソリッド塗料組成物。
に関するものである。
1.ヘキサメチレンジイソシアネートから誘導される下記ポリイソシアネート(A)。
1)イソシアヌレート3量体濃度60質量%以上、5量体濃度21質量%以下。
2.ヘキサメチレンジイソシアネートとジオールから誘導される化合物であって、ウレタン結合を有する下記1)〜3)の条件を満足するポリイソシアネート(B)。
1) ウレタン結合モル数
ウレタン結合比率=――――――――――――――――――――――≧0.25
ウレタン結合モル数+アロファネート結合モル数
2)数平均分子量:400〜700
3)イソシアネート基平均数2.0〜3.5
装置:東ソー(株)HLC−802A
カラム:東ソー(株)G1000HXL×1本
G2000HXL×1本
G3000HXL×1本
キャリアー:テトラハイドロフラン
検出方法:示差屈折計
イソシアヌレート結合を有するポリイソシアネートを製造のための触媒としては、一般的に使用されるイソシアヌレート化触媒が挙げられる。
反応は収率が10〜70質量%の範囲から選択される。高い収率で得られるポリイソシアネート組成物の粘度は高い。反応終了後、未反応ジイソシアネートは薄膜蒸発缶を用いた抽出などにより除去する。
ウレタン結合モル数
ウレタン結合比率=―――――――――――――――――――――― (1)
ウレタン結合モル数+アロファネート結合モル数
数平均分子量は後述のポリスチレンを基準としたGPC測定で求められ、400〜700である。400〜600であることが好ましく、さらに好ましくは、400〜550である。数平均分子量が400より小さい場合は、一般に揮発性が高くなり、また、700以上の場合、粘度が高くなりすぎる場合がある。さらに、ポリイソシアネートBのイソシアネート基平均数は2.0〜3.5であり、好ましくは、2.1〜3.5であり、さらに好ましくは2.3〜3.5である。イソシアネート基平均数が2.0未満の場合、架橋性、乾燥性が低下する場合があり、3.5を超えると、粘度が高くなる場合がある。
(数平均分子量)×(イソシアネート基質量%)
――――――――――――――――――――― =イソシアネート基平均数 (2)
イソシアネートの式量(42)
ポリイソシアネートB製造のためにウレタン化反応、アロファネート化反応を行うことが好ましく、これらは同時に行ってもいいし、それぞれ単独で行ってもよい。得られるポリイソシアネートの具体例として、ヘキサメチレンジイソシアネートとジオールが反応したものやウレタン化物あるいは一部アロファネート化されたウレタン化物、あるいはウレタン化物とアロファネート化物の混合物などが挙げられる。ポリイソシアネートBは2種以上のポリイソシアネートを併用してもよい。本発明で使用されるポリイソシアネートBの原料ジオールは単独で用いても良いし、2種以上を併用して用いても良い。
ウレタン化反応は、触媒を用いても用いなくても良く、用いる場合の触媒としては、錫、亜鉛、鉛等の有機金属塩及び3級アミン等が挙げられる。
また、アロファネート化反応は、触媒を用いても用いなくてもよく用いる場合の触媒としては、鉛、亜鉛、錫、ジルコニウム、ジリコニル、ビスマス、カルシウム、マグネシウム、リチウムなどのカルボン酸塩、塩化物、臭化物、ヨウ化物が挙げられる。また、反応触媒を使用した場合は反応終了後、触媒を失活することが好ましい。
反応終了後、未反応ジイソシアネートは薄膜蒸発缶、抽出などにより除去する。
ポリイソシアネートAおよびB中のHDIモノマー濃度としては3質量%以下、好ましくは1質量%以下、更に好ましくは0.5質量%以下である。HDIモノマー濃度が3質量%を越えると、ポリイソシアネート組成物の硬化性が低下する場合がある。
ポリイソシアネートBが20質量%未満である場合、硬化剤の粘度が高くなりすぎる場合があり、80質量%を超える場合、それにより硬化した塗膜の耐候性が劣る場合がある。
粘度が1100mPa・s/25℃よりも高い場合は、塗料固形分が低下してしまい、ハイソリッド塗料用硬化剤とならない。
1、例えばジグリセリン、ジトリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトールなど
2、例えばエリトリトール、D−トレイトール、L−アラビニトール、リビトール、キシリトール、ソルビトール、マンニトール、ガラクチトール、ラムニトール等糖アルコール系化合物
3、例えばアラビノース、リボース、キシロース、グルコース、マンノース、ガラクトース、フルクトース、ソルボース、ラムノース、フコース、リボデソース等の単糖類、
4、例えばトレハロース、ショ糖、マルトース、セロビオース、ゲンチオビオース、ラクトース、メリビオースなどの二糖類、
5、例えばラフィノース、ゲンチアノース、メレチトースなどの三糖類
6、たとえはスタキオースなどの四糖類
などがある。
好ましいポリオールの例としては、前記の低分子量ポリオール及びこの低分子量にε−カプロラクトンを開環重合して得られるポリカプロラクトンポリオールである。
フッ素ポリオールは分子内にフッ素を含むポリオールであり、例えば特開昭57−34107号公報、特開昭61−275311号公報で開示されているフルオロオレフィン、シクロビニルエーテル、ヒドロキシアルキルビニルエーテル、モノカルボン酸ビニルエステル等の共重合体がある。前記ポリオールの水酸基価は30〜200mgKOH/g、酸価0〜30mgKOH/gの中から選択される。
好ましいポリオールはアクリルポリオール、ポリエステルポリオールである。必要に応じて、完全アルキル型、メチロール基型アルキル、イミノ基型アルキル等のメラミン系硬化剤を添加することができる。
また、必要に応じて、酸化防止剤例えばヒンダードフェノール等、紫外線吸収剤例えばベンゾトリアゾール、ベンゾフェノン等、顔料例えば、酸化チタン、カーボンブラック、インジゴ、キナクリドン、パールマイカ等、金属粉顔料例えばアルミ等、レオロジーコントロール剤例えばヒドロキシエチルセルロース、尿素化合物、マイクロゲル等を添加してもよい。
(数平均分子量の測定)
数平均分子量は下記の装置を用いたGPC測定によるポリスチレン基準の数平均分子量である。
装置:東ソー(株)HLC−802A
カラム:東ソー(株)G1000HXL×1本
G2000HXL×1本
G3000HXL×1本
キャリアー:テトラハイドロフラン
検出方法:示差屈折計
(イソシアネート基平均数の算出方法)
(数平均分子量)×(イソシアネート基質量%)
―――――――――――――――――――――― =イソシアネート基平均数
イソシアネートの式量(42)
(粘度の測定)
E型粘度計(トキメック社製VISCONIC ED型)を用いて、25℃で測定した。
攪拌器、温度計、冷却管を取り付けた4つ口フラスコの内部を窒素置換し、HDI:1000gとキシレン:300gを仕込み、60℃で攪拌下、触媒としてテトラメチルアンモニウム・カプリエート0.3gを加えた。4時間後、屈折率測定によりHDIのイソシアヌレートへの添加率が21%になった時点でリン酸0.2gを添加して反応を停止した。その後、反応液を濾過した後、キシレン、未反応のHDIを薄膜蒸留装置により除去した。得られたポリイソシアネートをA1とする。得られたポリイソシアネートA1の物性は、以下のようであった。粘度1350mPa・s/25℃、イソシアヌレート3量体濃度68質量%、5量体濃度20質量%
攪拌器、温度計、冷却管を取り付けた4つ口フラスコの内部を窒素置換し、HDI:1250gと1,3−ブタンジオール:90.0gを仕込み、攪拌下160℃で1時間反応を行った。その後、未反応のHDIを薄膜蒸留装置により除去した。得られたポリイソシアネートをB1とする。得られたポリイソシアネートB1の物性は、以下のようであった。
粘度600mPa・s/25℃、ウレタン結合比率0.85、数平均分子量490、イソシアネート基平均数2.3
攪拌器、温度計、冷却管を取り付けた4つ口フラスコの内部を窒素置換し、HDI:862gとn−ブタノール:38.0gを仕込み、攪拌下90℃で1時間ウレタン化反応を行った。130℃でアロファネート化触媒として2−エチルヘキサン酸ジルコニルの固形物20%ミネラルスピリット溶液を0.30g加えた。30分後、反応液の屈折率上昇が0.0055となった時点でピロリン酸の固形物39%エタノール溶液0.56gを加え反応を停止した。その後、未反応のHDIを薄膜蒸留装置により除去した。得られたポリイソシアネートをB2とする。得られたポリイソシアネートB2の物性は、以下のようであった。粘度120mPa・s/25℃、ウレタン結合比率0、数平均分子量410、イソシアネート基平均数2.0
ポリイソシアネート組成物とポリエステルポリオール(Akzo Novel Resin bv製の商品名Setal 166:水酸基価 190mgKOH/g(樹脂あたり)、酸価 2.1mgKOH/g>(樹脂あたり)、固形分80%)をイソシアネート基/水酸基の当量割合が1.0になるように配合し、フォードカップNo.4で測定した粘度が20秒になるように、ここにシンナーとして酢酸エチル/トルエン/酢酸ブチル/キシレン/プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(質量比30/30/20/15/5)の混合液を加え、調整する。
上記組成で調整時の塗料固形分が60%以上になる場合を○、60%以下になる場合を×とした。その結果を表1に示す。
ポリイソシアネート組成物とポリエステルポリオール(Akzo Novel Resin bv製の商品名Setal166)をイソシアネート基/水酸基の当量割合が1.0になるように配合し、ポリイソシアネートとアクリルポリオールを加えた固形分質量が50%になるように、ここにシンナーとして酢酸エチル/トルエン/酢酸ブチル/キシレン/プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(質量比30/30/20/15/5)の混合液を加え、塗料溶液を得た。その塗料溶液を白エナメル塗板に乾燥後膜厚40μmになるようにアプリケーター塗装し、20℃、湿度63%の条件で1週間塗膜養生を行った後、その塗板について耐候性を評価した。
評価条件は、JIS D0205に従い、照射照度30W/m2、パネル温度60℃、照射時間と結露時間は各4時間ごとのサイクル運転で行った。暴露時間1200時間時点の光沢保持率が80%以上のものを○とし、80%未満のものを×とした。その結果を表1に示す。
また、上記により作成した塗料溶液をガラス板に乾燥後膜厚40μmになるようにアプリケーター塗装し、20℃、湿度63%の条件で24時間後の指触による塗膜乾燥性試験を行った。タックがないものを○とし、タックが残っているものを×とした。その結果を表1に示す。
ポリイソシアネートA1(粘度1350mPa・s/25℃、イソシアヌレート3量体濃度68質量%、5量体濃度20質量%)とポリイソシアネートB1(粘度600mPa・s/25℃、ウレタン結合比率0.85、数平均分子量490、イソシアネート官能基数2.3)を質量比50:50で混合した。得られたポリイソシアネート混合物の粘度は、850mPa・s/25℃であった。
以下、実施例2〜3、比較例1〜3についても以下の表1の組成で混合し、ポリイソシアネート組成物を得た。そのポリイソシアネート組成物を用いて、ハイソリッド化、耐候性、塗膜乾燥性の各評価を行なった。本発明では、低粘度とハイソリッド化は相関がありますが、低粘度と乾燥性との関連はありませんでした。乾燥性はポリイソシアネートの構造に起因し、以下のポリイソシアネートそれぞれ単独で比較した場合、乾燥性良 A1>B1>B2 悪となります。したがって、混合物にしますと以下の表1のような結果となりました。
Claims (3)
- 下記AとBを20:80〜80:20(質量比)で混合して得られる粘度1100mPa・s/25℃以下であるポリイソシアネート組成物。
1.ヘキサメチレンジイソシアネートから誘導される下記ポリイソシアネート(A)
1)イソシアヌレート3量体濃度60質量%以上、5量体濃度21質量%以下。
2.ヘキサメチレンジイソシアネートとジオールから誘導される化合物であって、ウレ
タン結合を有する下記1)から3)の条件を満足するポリイソシアネート(B)
1)ウレタン結合比率:
ウレタン結合モル数/(ウレタン結合モル数+アロファネート結合モル数)=
0.4〜0.9
2)数平均分子量: 400〜700
3)イソシアネート基平均数: 2.3〜3.5 - 請求項1のポリイソシアネート組成物を含む塗料組成物。
- 請求項1のポリイソシアネート組成物を含むハイソリッド塗料組成物。
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JP2004352014A JP4707379B2 (ja) | 2004-12-03 | 2004-12-03 | ポリイソシアネート組成物 |
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JP2006160838A JP2006160838A (ja) | 2006-06-22 |
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Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2004352014A Active JP4707379B2 (ja) | 2004-12-03 | 2004-12-03 | ポリイソシアネート組成物 |
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---|---|---|---|---|
JPH06287512A (ja) * | 1993-03-30 | 1994-10-11 | Nippon Polyurethane Ind Co Ltd | 特定のポリイソシアネート硬化剤を用いたポリウレタ ン塗料 |
WO2002042351A1 (fr) * | 2000-11-27 | 2002-05-30 | Asahi Kasei Kabushiki Kaisha | Composition de revetement a solidite elevee |
-
2004
- 2004-12-03 JP JP2004352014A patent/JP4707379B2/ja active Active
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