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JP4703048B2 - カラーフィルタの製造方法 - Google Patents

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JP4703048B2
JP4703048B2 JP2001216487A JP2001216487A JP4703048B2 JP 4703048 B2 JP4703048 B2 JP 4703048B2 JP 2001216487 A JP2001216487 A JP 2001216487A JP 2001216487 A JP2001216487 A JP 2001216487A JP 4703048 B2 JP4703048 B2 JP 4703048B2
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、カラーフィルタの製造方法に係り、特に液晶表示装置に使用されるカラーフィルタの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、フラットディスプレイとして、カラー液晶表示装置が注目されている。カラー液晶表示装置の一例として、ブラックマトリックス、複数の色(通常、赤(R)、緑(G)、青(B)の3原色)からなる着色層、透明導電層(共通電極)および配向層を備えたカラーフィルタと、薄膜トランジスタ(TFT素子)、画素電極および配向層を備えた対向電極基板とを所定の間隙をもたせて向かい合わせ、この間隙部に液晶材料を注入して液晶層としたものがある。このようなカラー液晶表示装置では、間隙部が液晶層の厚みそのものであり、カラー液晶ディスプレイに要求される高速応答性、高コントラスト比、広視野角等の良好な表示性能を可能とするためには、液晶層の厚み、すなわち、カラーフィルタと対向電極基板の間隙距離を厳密に一定に保持する必要がある。
【0003】
従来、カラー液晶表示装置における液晶層の厚みを決定する方法として、カラーフィルタと対向電極基板との間隙に、ガラスやアルミナ、プラスチック等からなるスペーサーと称する粒子あるいは棒状体を多数混合した液晶を注入する方法がある。そして、スペーサーの大きさをもって両基板の間隙部の大きさ、つまり、液晶層の厚みが決定される。
【0004】
しかし、上述のようなカラーフィルタと対向電極基板との間隙部を形成する方法では、カラー液晶ディスプレイの動作の上で次のような問題点が生じる。すなわち、基板面上に散在させるスペーサーの密度が適正で、かつ、基板面上にスペーサーが均一に分散されていなければ、カラー液晶表示装置の全面に亘って大きさが均一な間隙部は形成されない。一般に、スペーサーの散在量(密度)を増した場合、間隙部の厚みのばらつき偏差は少なくなるが、散在量(密度)が多くなると表示画素部上に存在するスペーサーの数も増し、表示画素部ではこのスペーサーが液晶材料の異物となる。そして、スペーサーの存在によって、配向膜で規制された液晶分子の配向に乱れが生じたり、スペーサー周辺の液晶だけは電圧のON、OFFによる配向制御が不能になる等の支障がみられ、コントラスト比等の表示性能が低下するという問題があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
このような問題を解消するために、間隙(液晶層の厚み)を決定する間隔保持部材として柱状凸部を備えたカラーフィルタが提案されている(特開平4−318816号等)。このカラーフィルタでは、着色層を形成し、この着色層を覆うように保護層を形成した後に、感光性樹脂組成物を用いてフォトリソグラフィー工程により柱状凸部をブラックマトリックス上の所定箇所に形成するものである。そして、保護層、柱状凸部を覆うように透明導電層(共通電極)を形成し、この透明導電層上に配向層を設けた後に、対向電極との組み立てが行なわれる。
【0006】
上記の感光性樹脂組成物は、一般に、その露光感度を高めるために、露光装置が有する発光スペクトルに対応する波長における吸光係数の高い光重合開始剤を含有している。しかし、露光時に表面側の反応が進みすぎ、深さ方向への反応が不充分になると、現像して得られる柱状凸部が逆テーパ(断面形状において表面側の端辺が下側の端辺よりも長いもの)となる。柱状凸部が逆テーパ構造であると、その後の配向層のラビング処理時に剥離が生じるという問題があった。特に、柱状凸部を着色層上に形成した場合、上記の問題がより顕著となる。
また、カラーフィルタの大面積化に伴う露光時間の増大防止、さらには、露光時間の短縮化の要請から、より吸光係数の高い光重合開始剤を使用して感光性樹脂組成物の感度を上げた場合、上記の逆テーパ構造による問題がさらに顕著になる。
本発明は、上記のような事情に鑑みてなされたものであり、表示品質に優れた液晶表示装置を可能とし、かつ、製造効率の高いカラーフィルタの製造方法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
このような目的を達成するために、本発明のカラーフィルタの製造方法は、基板と、該基板上に所定のパターンで形成された複数色からなる着色層と、複数の柱状凸部を備える液晶表示装置用のカラーフィルタの製造方法であって、少なくともポリマー、モノマー、光重合開始剤を含有するとともに該光重合開始剤の含有量が固形分の5〜20重量%の範囲である感光性樹脂組成物を塗布して感光性樹脂層を形成し、その後、発光スペクトルとしてg線、h線、i線を有し、かつ、200〜350nmの波長域にi線エネルギーの35%以上のエネルギーをもつスペクトルを有する露光装置により所定のパターンで前記感光性樹脂層を露光し現像して、高さ2〜6μmの範囲の柱状凸部を形成する工程を備え、前記光重合開始剤は、300nmにおけるモル吸光係数ε300が10000(I/mol・cm)未満である光重合開始剤を70重量%以上含有し、300nmにおけるモル吸光係数ε300が10000(I/mol・cm)以上である第2の光重合開始剤を30重量%以下の範囲で含有するような構成とした。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の最良の実施形態について図面を参照して説明する。
図1は本発明のカラーフィルタの製造方法により製造されるカラーフィルタの一例を示す部分縦断面図である。図1において、カラーフィルタ1は、基板2と、この基板2上に形成されたブラックマトリックス3と着色層4を備え、ブラックマトリックス3と着色層4を覆うように透明保護層5が形成され、この透明保護層5上に透明導電層7が形成され、さらに、ブラックマトリックス3の所定の複数の箇所に位置するように柱状凸部6が上記透明保護層5上に形成されている。
【0010】
上記のカラーフィルタ1を構成する基板2としては、石英ガラス、パイレックスガラス、合成石英板等の可撓性のない透明なリジット材、あるいは透明樹脂フィルム、光学用樹脂板等の可撓性を有する透明なフレキシブル材を用いることができる。この中で特にコーニング社製1737ガラスは、熱膨脹率の小さい素材であり寸法安定性および高温加熱処理における作業性に優れ、また、ガラス中にアルカリ成分を含まない無アルカリガラスであるため、アクティブマトリックス方式によるカラー液晶表示装置用のカラーフィルタに適している。
【0011】
また、カラーフィルタ1を構成するブラックマトリックス3は、着色層4からなる表示画素部の間および着色層4の形成領域の外側に設けられている。このようなブラックマトリックス3は、スパッタリング法、真空蒸着法等により厚み1000〜2000Å程度のクロム等の金属薄膜を形成し、この薄膜をパターニングして形成したもの、カーボン微粒子等の遮光性粒子を含有させたポリイミド樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂等の樹脂層を形成し、この樹脂層をパターニングして形成したもの、カーボン微粒子、金属酸化物等の遮光性粒子を含有させた感光性樹脂層を形成し、この感光性樹脂層をパターニングして形成したもの等、いずれであってもよい。
【0012】
着色層4は、赤色パターン4R、緑色パターン4Gおよび青色パターン4Bが所望のパターン形状で配列されており、所望の着色材を含有した感光性樹脂組成物を使用した顔料分散法により形成することができ、さらに、印刷法、電着法、転写法等の公知の方法により形成することができる。また、着色層4を、例えば、赤色パターン4Rが最も薄く、緑色パターン4G、青色パターン4Bの順に厚くすることにより、着色層4の各色ごとに最適な液晶層厚みを設定するようにしてもよい。
【0013】
透明保護層5はカラーフィルタ1の表面を平坦化するとともに、着色層4に含有される成分の液晶層への溶出を防止するために設けられたものである。この透明保護層5の厚みは、使用される材料の光透過率、カラーフィルタ1の表面状態等考慮して設定することができ、例えば、0.1〜2.0μmの範囲で設定することができる。このような透明保護層5は、カラーフィルタ1を対向電極基板と貼り合わせたときに液晶層と接するような着色層4を少なくとも覆うように形成される。尚、本発明のカラーフィルタは、透明保護層5を備えないものであってもよい。
【0014】
柱状凸部6は、カラーフィルタ1を対向電極基板と貼り合わせたときにスペーサーとして作用するものであり、各柱状凸部6は逆テーパ構造となっていないことが特徴である。図2は、柱状凸部のテーパ構造を示す図であり、断面形状において先端側の端辺の長さL1が、下端側の端辺の長さL2よりも長いもの(図2(A))が逆テーパ構造である。柱状凸部6は、L1がL2よりも短い順テーパ構造(図2(B))、あるいは、L1とL2の長さが等しい無テーパ構造(図2(C))であり、図1では順テーパ構造の柱状凸部を示している。これにより、例えば、配向層のラビング処理等による柱状凸部6の剥離が防止され、また、ラビングされない領域の発生が防止される。また、後述するように、柱状凸部6上に透明導電層7を形成する場合にも、柱状凸部6が逆テーパ構造でないことにより、柱状凸部6と透明導電層7との密着性が高まり、例えば、配向層のラビング処理等による透明導電層7のクラック発生や剥離が防止される。
【0015】
しかし、逆テーパー構造の場合、鋭角部位(図2(A)において矢印で示すされる部位)においてラビング処理時の物理的抵抗が大きくなり、また、この鋭角部位における透明導電層7と柱状凸部6との密着性が他の部位よりも低くなる。このため、配向層のラビング処理等において、上記部位が原因となって柱状凸部の剥離や、透明導電層のクラック発生や剥離が生じる可能性が高いものとなる。
尚、上記の順テーパ構造の場合、断面形状において先端側の端辺の長さL1と下端側の端辺の長さL2の比(L1/L2)は1未満であり、特に0.70〜0.95の範囲であることが好ましい。
【0016】
上記の柱状凸部6は、上記の透明保護層5よりも2〜6μm程度の範囲で突出するように一定の高さをもつものであり、突出量はカラー液晶表示装置の液晶層に要求される厚み等から適宜設定することができる。また、柱状凸部6の太さは、5〜20μm程度の範囲で適宜設定することができ、柱状凸部6の形成密度は、液晶層の厚みムラ、開口率、柱状凸部6の形状、材質等を考慮して適宜設定することができるが、例えば、着色層4を構成する赤色パターン4R、緑色パターン4Gおよび青色パターン4Bの1組に1個の割合で必要十分なスペーサー機能を発現する。このような柱状凸部6の形状は、図示例では円柱形状となっているが、これに限定されるものではなく、角柱形状、截頭錐体形状等であってもよい。
【0017】
カラーフィルタ1を構成する透明導電層7は、酸化インジウムスズ(ITO)、酸化亜鉛(ZnO)、酸化スズ(SnO)等、および、その合金等を用いて、スパッタリング法、真空蒸着法、CVD法等の一般的な成膜方法により形成することができ、厚みは0.01〜1μm程度である。尚、本発明のカラーフィルタは、柱状凸部6上に透明導電層7を形成したものでもよく、また、IPSモード用のように透明導電層7を備えないものであってもよい。
【0018】
次に、本発明のカラーフィルタの製造方法を、上述のカラーフィルタ1を例として図3を参照しながら説明する。
まず、基板2上にブラックマトリックス3を形成し、次いで、基板2上の赤色パターン形成領域に赤色パターン4R、緑色パターン形成領域に緑色パターン4G、さらに、青色パターン形成領域に青色パターン4Bを形成して着色層4とする(図3(A))。次に、ブラックマトリックス3および着色層4を覆うようにネガ型の透明感光性樹脂層を形成し、露光して透明保護層5を形成する(図3(B))。
【0019】
上記のブラックマトリックス3の形成は、例えば、以下のように行うことができる。まず、スパッタリング法、真空蒸着法等により形成したクロム等の金属薄膜、カーボン微粒子等の遮光性粒子を含有した樹脂層等からなる遮光層を基板2上に形成し、この遮光層上に公知のポジ型あるいはネガ型の感光性レジストを用いて感光性レジスト層を形成する。次いで、感光性レジスト層をブラックマトリックス用のフォトマスクを介して露光、現像し、露出した遮光層をエッチングした後、残存する感光性レジスト層を除去することによって、ブラックマトリックス3を形成する。
【0020】
また、上記の着色層4の形成は、例えば、以下のように行うことができる。まず、ブラックマトリックス3を覆うように基板2上に赤色着色材を含有した赤色感光性樹脂層を形成し、所定のフォトマスクを介して上記の赤色感光性樹脂層を露光して現像を行うことにより、基板2上の赤色パターン形成領域に赤色パターン4Rを形成する。以下、同様に、基板2上の緑色パターン形成領域に緑色パターン4Gを形成し、さらに、基板2上の青色パターン形成領域に青色パターン4Bを形成する。
【0021】
また、上記の透明保護層5の形成は、例えば、公知のネガ型の透明感光性樹脂組成物を、粘度の最適化を行った上で、スピンコータ、ロールコータ等の公知の手段によりブラックマトリックス3および着色層4を覆うように塗布し、露光により硬化処理を施すことにより形成することができる。
次いで、透明保護層5上に、酸化インジウムスズ(ITO)、酸化亜鉛(ZnO)、酸化スズ(SnO)等、および、その合金等を用いて、スパッタリング法、真空蒸着法、CVD法等の一般的な成膜方法により透明導電層7を設ける。
【0022】
次に、透明導電層7を覆うように感光性樹脂組成物を、ダイレクトグラビアコーティング法、グラビアリバースコーティング法、リバースロールコーティング法、スライドダイコーティング法、スリットダイコーティング法、コンマコーティング法等の公知の塗布手段により塗布して感光性樹脂層6′を形成する(図3(C))。感光性樹脂層6′を形成するための上記の感光性樹脂組成物は、少なくともポリマー、モノマー、光重合開始剤とを含有するものである。また、この感光性樹脂組成物は、光重合開始剤の含有量が固形分の5〜20重量%、好ましくは10〜20重量%の範囲である。光重合開始剤の含有量が5重量%未満であると、感光性樹脂組成物の感度が不充分となり、また、20重量%を超えると、露光時に表面側の反応が進みすぎ、深さ方向での反応阻害が顕著となり、現像して得られる柱状凸部が逆テーパ構造となりやすく好ましくない。感光性樹脂組成物中に含有される光重合開始剤は、300nmにおけるモル吸光係数ε300が10000(I/mol・cm)未満である光重合開始剤を全光重合開始剤中に70重量%以上含有する。上記の条件を満足する光重合開始剤の含有量が70重量%未満であると、露光時に表面側の反応が進みすぎ、深さ方向での反応阻害が顕著となり、現像したパターンが逆テーパ構造となりやすく好ましくない。
【0023】
図4は、光重合開始剤のモル吸光係数を例示する図である。図4において、線Aで示される光重合開始剤は、モル吸光係数ε300が10000(I/mol・cm)未満となるものであり、モル吸光係数のピークは紫外領域にあり、可視領域では短波長側に低いモル吸光係数をもっている。モル吸光係数ε300が10000(I/mol・cm)以上である場合、後述する露光において、表面側の反応が進みすぎ、深さ方向への反応が不充分となり、現像して得られる柱状凸部が逆テーパ構造となりやすく好ましくない。
尚、感光性樹脂組成部は、上記のモル吸光係数ε300が10000(I/mol・cm)未満となる光重合開始剤として、1種のみを含有してもよく、また、2種以上を含有してもよい。
【0024】
感光性樹脂組成物中に含有される光重合開始剤は、300nmにおけるモル吸光係数ε300が10000(I/mol・cm)以上である第2の光重合開始剤を全光重合開始剤中に30重量%以下の範囲で含有してもよい。図4の線Bは、このような第2の光重合開始剤を示しており、モル吸光係数のピークは紫外領域にあり、可視領域では短波長側に低いモル吸光係数をもっている。そして、このような第2の光重合開始剤は、モル吸光係数ε300が10000(I/mol・cm)以上であるため、露光時の深さ方向への反応をやや鈍らせる作用をもつが、全光重合開始剤に占める第2の光重合開始剤の含有量が30重量%以下であれば、露光時に表面側の反応が進みすぎて深さ方向での反応阻害が顕著となることもなく、現像して得られた柱状凸部が逆テーパ構造となることが防止される。
尚、上記の第2の光重合開始剤として、1種のみを含有してもよく、また、2種以上を含有してもよい。
【0025】
次に、上記の感光性樹脂層6′を、所定のフォトマスクを介して露光し、現像することにより、透明保護層5上に複数の柱状凸部6を形成する(図3(D))。本発明では、上記の露光において、g線、h線、i線の発光スペクトルを有し、かつ、200〜350nmの波長域にi線エネルギーの35%以上、好ましくは50%以上のエネルギーをもつスペクトルを有する露光装置を用いる。図5は、このような露光装置の発光スペクトルの一例を示す図である。本発明では、i線エネルギーの35%以上のエネルギーをもつスペクトルとは、200〜350nmの波長域のスペクトル強度の総和が、i線(360〜370nmの波長域のスペクトル強度の総和)の35%以上となることを意味している。
【0026】
この露光では、感光性樹脂層6′を構成する感光性樹脂組成物が上述の光重合開始剤を含有し、かつ、200〜350nmの波長域に所定のエネルギーをもつスペクトルを有する露光装置を使用するので、感光性樹脂層6′の深さ方向で反応が充分に行なわれ、現像後の柱状凸部6は、上述の順テーパ構造あるいは無テーパー構造となる。また、g線、h線、i線の発光スペクトルによる露光に加えて、200〜350nmの波長域のスペクトルによる露光が行なわれることにより、見かけ上の感度が向上し、露光時間を短縮することができる。
以上の工程により、図1に示されるカラーフィルタ1が得られる。
【0027】
ここで、本発明に使用する感光性樹脂組成物の各構成成分について説明する。
感光性樹脂組成物を構成するポリマーとしては、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−塩化ビニル共重合体、エチレンビニル共重合体、ポリスチレン、アクリロニトリル−スチレン共重合体、ABS樹脂、ポリメタクリル酸樹脂、エチレンメタクリル酸樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、塩素化塩化ビニル、ポリビニルアルコール、セルロースアセテートプロピオネート、セルロースアセテートブチレート、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン12、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリビニルアセタール、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルサルフォン、ポリフェニレンサルファイド、ポリアリレート、ポリビニルブチラール、エポキシ樹脂、フェノキシ樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリアミック酸樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、フェノール樹脂、ユリア樹脂等、および、重合可能なモノマーであるメチルアクリレート、メチルメタクリレート、エチルアクリレート、エチルメタクリレート、n−プロピルアクリレート、n−プロピルメタクリレート、イソプロピルアクリレート、イソプロピルメタクリレート、sec-ブチルアクリレート、sec-ブチルメタクリレート、イソブチルアクリレート、イソブチルメタクリレート、tert−ブチルアクリレート、tert−ブチルメタクリレート、n−ペンチルアクリレート、n−ペンチルメタクリレート、n−ヘキシルアクリレート、n−ヘキシルメタクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、n−オクチルアクリレート、n−オクチルメタクリレート、n−デシルアクリレート、n−デシルメタクリレート、スチレン、α−メチルスチレン、N−ビニル−2−ピロリドン、グリシジル(メタ)アクリレートの1種以上と、アクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸の2量体(例えば、東亜合成化学(株)製M−5600)、イタコン酸、クロトン酸、マレイン酸、フマル酸、ビニル酢酸、これらの酸無水物等の1種以上からなるポリマーまたはコポリマー等が挙げられる。
また、上記のコポリマーにグリシジル基または水酸基を有するエチレン性不飽和化合物を付加させたポリマー等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
このようなポリマーの含有量は、感光性樹脂組成物の固形分中において20〜45重量%の範囲で設定することができる。
【0028】
本発明の感光性樹脂組成物を構成するモノマーとしては、アリルアクリレート、ベンジルアクリレート、ブトキシエチルアクリレート、ブトキシエチレングリコールアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、ジシクロペンタニルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、グリセロールアクリレート、グリシジルアクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、イソボニルアクリレート、イソデキシルアクリレート、イソオクチルアクリレート、ラウリルアクリレート、2−メトキシエチルアクリレート、メトキシエチレングリコールアクリレート、フェノキシエチルアクリレート、ステアリルアクリレート、エチレングリコールジアクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、1,4−ブタンジオールジアクリレート、1,5−ペンタンジオールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、1,3−プロパンジオールアクリレート、1,4−シクロヘキサンジオールジアクリレート、2,2−ジメチロールプロパンジアクリレート、グリセロールジアクリレート、トリプロピレングリコールジアクリレート、グリセロールトリアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、ポリオキシエチル化トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、ポリオキシプロピルトリメチロールプロパントリアクリレート、ブチレングリコールジアクリレート、1,2,4−ブタントリオールトリアクリレート、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオールジアクリレート、ジアリルフマレート、1,10−デカンジオールジメチルアクリレート、ペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、および、上記のアクリレートをメタクリレートに変えたもの、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、1−ビニル−2−ピロリドン等が挙げられる。本発明では、上記のモノマーを1種または2種以上の混合物として、あるいは、その他の化合物との混合物として使用することができる。
このようなモノマーは、感光性樹脂組成物の固形分中に30〜65重量%程度含有されることが好ましい。
【0029】
また、感光性樹脂組成物には、エポキシ樹脂を含有してもよい。このエポキシ樹脂としては、三菱油化シェル(株)製エピコートシリーズ、ダイセル(株)製セロキサイドシリーズ、エポリードシリーズ、または、ビスフェノール−A型エポキシ樹脂、ビスフェノール−F型エポキシ樹脂、ビスフェノール−S型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂、ポリカルボン酸グリシジルエステル、ポリオールグリシジルエステル、脂肪族または脂環式エポキシ樹脂、アミンエポキシ樹脂、トリフェノールメタン型エポキシ樹脂、ジヒドロキシベンゼン型エポキシ樹脂、グリシジル(メタ)アクリレートとラジカル重合可能なモノマーとの共重合エポキシ化合物等を挙げることができる。本発明では、上記のエポキシ樹脂を単独で、または2種以上の混合物として使用することができる。
このようなエポキシ樹脂は、感光性樹脂組成物の固形分中に5〜15重量%程度含有されることが好ましい。
【0030】
感光性樹脂組成物を構成する光重合開始剤としては、その70重量%以上が、300nmにおけるモル吸光係数ε300が10000(I/mol・cm)未満である光重合開始剤である。このような光重合開始剤としては、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1、みどり化学(株)製TAZ−104等が挙げられる。
【0031】
また、第2の光重合開始剤として、300nmにおけるモル吸光係数ε300が10000(I/mol・cm)以上である光重合開始剤を全光重合開始剤中に30重量%以下の範囲で含有してもよい。このような第2の光重合開始剤としては、2−メチル−1[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1−オン等が挙げられる。
【0032】
感光性樹脂組成物に用いる溶剤としては、例えば、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、エチレングリコール、プロピレングリコール等のアルコール類、α−もしくはβ−テルピネオール等のテルペン類等、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、N−メチル−2−ピロリドン等のケトン類、トルエン、キシレン、テトラメチルベンゼン等の芳香族炭化水素類、セロソルブ、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、カルビトール、メチルカルビトール、エチルカルビトール、ブチルカルビトール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル等のグリコールエーテル類、酢酸エチル、酢酸ブチル、セロソルブアセテート、エチルセロソルブアセテート、ブチルセロソルブアセテート、カルビトールアセテート、エチルカルビトールアセテート、ブチルカルビトールアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル等の酢酸エステル類等が挙げられる。
【0033】
【実施例】
次に、実施例を示して本発明を更に詳細に説明する。
【0034】
参考例
カラーフィルタ用の基板として、300mm×400mm、厚さ0.7mmのガラス基板(コーニング社製1737ガラス)を準備した。この基板を定法にしたがって洗浄した後、基板の片側全面にスパッタリング法により金属クロムからなる遮光層(厚さ0.1μm)を成膜した。次いで、この遮光層に対して、通常のフォトリソグラフィー法によって感光性レジスト塗布、マスク露光、現像、エッチング、レジスト層剥離を行ってブラックマトリックスを形成した。
【0035】
次に、ブラックマトリックスが形成された基板全面に、赤色パターン用の感光性着色材料(富士フィルムオーリン(株)製カラーモザイクCR−7001)をスピンコート法により塗布して赤色感光性樹脂層を形成し、プレベーク(85℃、5分間)を行った。その後、所定の着色パターン用フォトマスクを用いて赤色感光性樹脂層をアライメント露光し、現像液(富士フィルムオーリン(株)製カラーモザイク用現像液CDの希釈液)にて現像を行い、次いで、ポストベーク(200℃、30分間)を行って、ブラックマトリックスパターンに対して所定の位置に赤色パターン(厚み1.5μm)を形成した。
【0036】
同様に、緑色パターン用の感光性着色材料(富士フィルムオーリン(株)製カラーモザイクCG−7001)を用いて、ブラックマトリックスパターンに対して所定の位置に緑色パターン(厚み1.5μm)を形成した。さらに、青色パターン用の感光性着色材料(富士フィルムオーリン(株)製カラーモザイクCB−7001)を用いて、ブラックマトリックスパターンに対して所定の位置に青色パターン(厚み1.5μm)を形成した。
次いで、着色層が形成された基板上に、ネガ型の透明感光性樹脂材料(JSR(株)製NNシリーズ)をスピンコート法により塗布し露光して、厚み1.5μmの透明保護層を形成した。
【0037】
次に、300nmにおけるモル吸光係数ε300が異なる下記の2種の光重合開始剤を準備した。
Figure 0004703048
【0038】
次いで、上記の各光重合開始剤を用いた下記組成の2種の感光性樹脂組成物1−A、1−Bを調製した。これらの感光性樹脂組成物における光重合開始剤の含有量は、固形分中15重量%とした。
感光性樹脂組成物の組成
・ポリマー … 25重量部
(ジシクロペンタニルメタクリレート−スチレン−
メタクリル酸共重合体)
・モノマー … 60重量部
(ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート)
・光重合開始剤(A、Bのいずれか) … 15重量部
・溶剤 … 250重量部
(プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート)
【0039】
次に、上記の透明保護層の全面に上記の各感光性樹脂組成物(1−A、1−B)をスピンコート法により塗布して感光性樹脂層を形成し、プレベーク(90℃、3分間)を行った。その後、直径15μmの円形の開口部を複数備えたフォトマスクを介して感光性樹脂層を露光した。露光装置は、(株)トプコン製TME−400PRDを使用した。この露光装置は、g線、h線、i線の発光スペクトルを有し、さらに、200〜350nmの波長域にi線エネルギーの35%に相当するエネルギーをもつスペクトルを有する。照射エネルギー量は100mJ/cm2(i線モニター)とした。
【0040】
次に、現像液(KOH0.05重量%水溶液)にて現像を行い、次いで、ポストベーク(230℃、30分間)を行って、高さ4.5μmの柱状凸部(試料A、B)を形成した。
上記のように形成した柱状凸部(試料A、B)の軸方向に沿った断面形状を観察し、図2に示されるL1とL2を測定して、順テーパ構造、無テーパ構造、逆テーパー構造のいずれに相当するか判定し、下記の表1に示した。
【0041】
【表1】
Figure 0004703048
【0042】
表1に示されるように、300nmにおけるモル吸光係数ε300が10000(I/mol・cm)未満である光重合開始剤Aを含有する感光性樹脂組成物1−Aを用いて形成した柱状凸部(試料A)は、断面形状が順テーパ構造であることが確認された。
しかし、300nmにおけるモル吸光係数ε300が10000(I/mol・cm)以上である光重合開始剤Bを含有する感光性樹脂組成物1−Bを用いて形成した柱状凸部(試料B)は、断面形状が逆テーパ構造であった。
【0043】
実施例
まず、参考例と同様にして、ガラス基板上にブラックマトリックス、着色層、透明保護層を形成した。
次に、300nmにおけるモル吸光係数ε300が異なる下記の2種の光重合開始剤を準備した。
光重合開始剤I:チバ・スペシャリティ・ケミカルズ社製
イルガキュアー369
ε300=9000(I/mol・cm)
光重合開始剤II:チバ・スペシャリティ・ケミカルズ社製
イルガキュアー907
ε300=20000(I/mol・cm)
【0044】
次いで、上記の光重合開始剤Iと光重合開始剤IIを共に含有した下記組成の2種の感光性樹脂組成物2−1、2−2を調製した。これらの感光性樹脂組成物における光重合開始剤の含有量は、固形分中15重量%とし、光重合開始剤に占める光重合開始剤Iの量を、感光性樹脂組成物2−1では80重量%とし、感光性樹脂組成物2−2では60重量%とした。
感光性樹脂組成物の組成
・ポリマー … 25重量部
(ジシクロペンタニルメタクリレート−スチレン−
メタクリル酸共重合体)
・モノマー … 60重量部
(ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート)
・光重合開始剤(I、IIの混合物) … 15重量部
・溶剤 … 250重量部
(プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート)
【0045】
次に、透明保護層上に上記の各感光性樹脂組成物(2−1、2−2)をスピンコート法により塗布して感光性樹脂層を形成し、プレベーク(90℃、3分間)を行った。その後、直径15μmの円形の開口部を複数備えたフォトマスクを介して感光性樹脂層を露光した。露光装置は、(株)トプコン製TME−400PRDを使用した。この露光装置は、g線、h線、i線の発光スペクトルを有し、さらに、200〜350nmの波長域にi線エネルギーの35%に相当するエネルギーをもつスペクトルを有する。尚、照射エネルギー量は100mJ/cm2とした。
【0046】
次に、現像液(KOH0.05重量%水溶液)にて現像を行い、次いで、ポストベーク(230℃、30分間)を行って、高さ4.5μmの柱状凸部(試料1、2)を形成した。
上記のように形成した柱状凸部(試料1、2)について、参考例と同様に、断面形状を判定して、下記の表2に示した。
【0047】
【表2】
Figure 0004703048
【0048】
表2に示されるように、300nmにおけるモル吸光係数ε300が10000(I/mol・cm)未満である光重合開始剤Iを全光重合開始剤中に70重量%以上の範囲で含有する感光性樹脂組成物2−1を用いて形成した柱状凸部(試料1)は、断面形状が順テーパ構造であることが確認された。
しかし、300nmにおけるモル吸光係数ε300が10000(I/mol・cm)以上である光重合開始剤IIを全光重合開始剤中に30重量%以上含有する感光性樹脂組成物2−2を用いて形成した柱状凸部(試料2)は、断面形状が逆テーパ構造となっていた。
【0049】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明によれば感光性樹脂組成物に含有される光重合開始剤の含有量と、その300nmにおけるモル吸光係数ε300とが最適な範囲で設定されているため、露光、現像され形成された柱状凸部は、逆テーパ形状を呈することがなく、例えば、配向層のラビング処理等による柱状凸部の剥離が防止され、また、柱状凸部上に透明導電層が形成された場合には両者の密着性が高まり、配向層のラビング処理等による透明導電層のクラック発生や剥離が防止される。さらに、露光装置が200〜350nmの波長域にi線エネルギーの35%以上のエネルギーをもつスペクトルを有し、g線、h線、i線の各スペクトルによる露光に加えて、上記スペクトルによる露光が確実に行なわれるので、感光性樹脂組成物の見かけ上の感度が向上し、露光時間の短縮が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のカラーフィルタの製造方法により製造されるカラーフィルタの一例を示す部分縦断面図である。
【図2】柱状凸部のテーパ構造を説明するための図である。
【図3】本発明のカラーフィルタの製造方法を説明するための工程図である。
【図4】光重合開始剤のモル吸光係数を例示する図である。
【図5】露光装置の発光スペクトルの一例を示す図である。
【符号の説明】
1…カラーフィルタ
2…基板
3…ブラックマトリックス
4…着色層
5…透明保護層
6…柱状凸部
7…透明導電層
6′…感光性樹脂層

Claims (1)

  1. 基板と、該基板上に所定のパターンで形成された複数色からなる着色層と、複数の柱状凸部を備える液晶表示装置用のカラーフィルタの製造方法において、
    少なくともポリマー、モノマー、光重合開始剤を含有するとともに該光重合開始剤の含有量が固形分の5〜20重量%の範囲である感光性樹脂組成物を塗布して感光性樹脂層を形成し、その後、発光スペクトルとしてg線、h線、i線を有し、かつ、200〜350nmの波長域にi線エネルギーの35%以上のエネルギーをもつスペクトルを有する露光装置により所定のパターンで前記感光性樹脂層を露光し現像して、高さ2〜6μmの範囲の柱状凸部を形成する工程を備え、前記光重合開始剤は、300nmにおけるモル吸光係数ε300が10000(I/mol・cm)未満である光重合開始剤を70重量%以上含有し、300nmにおけるモル吸光係数ε300が10000(I/mol・cm)以上である第2の光重合開始剤を30重量%以下の範囲で含有するものであることを特徴とするカラーフィルタの製造方法。
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