JP4785306B2 - インクジェット記録装置及び該装置におけるインクの温度制御方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明はインクジェット記録装置及び該装置におけるインクの温度制御方法に関し、特に、インクを吐出して記録を行うインクジェット記録ヘッドを、記録媒体上で走査させて記録を行うインクジェット記録装置におけるインクの温度制御に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
例えばワードプロセッサ、パーソナルコンピュータ、ファクシミリ等に於ける情報出力装置として、所望される文字や画像等の情報を用紙やフィルム等シート状の記録媒体に記録を行うプリンタが広く使用されている。
【0003】
プリンタの記録方式としては様々な方式が知られているが、用紙等の記録媒体に非接触記録が可能である、カラー化が容易である、静粛性に富む、等の理由でインクジェット方式が近年特に注目されており、又その構成としては所望される記録情報に応じてインクを吐出する記録ヘッドを装着すると共に用紙等の記録媒体の送り方向と交差する方向に往復走査しながら記録を行なうシリアル記録方式が安価で小型化が容易などの点から一般的に広く用いられている。
【0004】
一般に、インクジェット記録装置に用いられるインクの粘度は、低温環境下で増加する。そのため低温環境下においては、記録ヘッドから吐出するインクの体積が減少したり(吐出量変動)、正常なインク吐出が行われない(吐出不良)現象が生じる。
【0005】
この場合、記録した画像においては吐出量変動に伴う濃度ムラや吐出不良によるショボ(不完全なドット形状)等が視認され、記録品質が著しく低下する。
【0006】
また、これら以外にも記録ヘッドの吐出口近傍のインク液路内において、揮発性のインク成分が蒸発してインクの粘度が高くなると、始めの数回の吐出で吐出不良が発生しやすくなる。
【0007】
こうした吐出量変動や吐出不良を解消するために、従来のインクジェット記録装置では記録動作前あるいは記録動作中に、記録ヘッドの温度が所定の範囲内となるように加熱して制御することが行われている。
【0008】
記録ヘッドを加熱する主な方法としては以下の2通りがある。すなわち、インク滴を吐出させるための吐出用ヒータを、吐出が行われない程度の短いパルスで駆動する短パルス加熱による方法と、吐出用ヒータとは別に保温用のサブヒータを設け、インクを直接的あるいは間接的に加熱するサブヒータ加熱による方法である。
【0009】
いずれの方法においても、一般的な温調のシーケンスとしては、目標温度に達するまで短パルス加熱或いはサブヒータ加熱を行い、目標温度を越えると加熱を終了する。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来のインクジェット記録装置で行われている記録ヘッドの温度制御方法においては、以下のような問題が生じる。
【0011】
記録装置が実際に記録動作を行う際には、温度制御のための加熱だけでなく、キャリッジの移動や記録媒体の給排紙動作に伴うCRモータやLFモータが駆動される。
【0012】
従って、記録ヘッドを短時間で目標の温度まで加熱し、なおかつCRモータやLFモータとの駆動を同時に行うためには、一時的にかなり大きな電力が必要となるので、必要な電源容量が大きくなり装置のコストが上昇する。逆に、温度制御のための加熱の消費電力を少なくするためには、記録ヘッドの温度上昇プロファイルの傾きを小さくする必要があり、目標温度に達するまでの時間が長くなってスループットが低下してしまう。
【0013】
本発明は以上のような状況に鑑みてなされたものであり、電源容量を増大させずに迅速なインクの温度制御を可能とし、高品質な画像を記録することのできるインクジェット記録装置及び該装置におけるインクの温度制御方法を提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために本発明のインクジェット記録装置は、記録媒体にインクを吐出して記録を行う記録ヘッドを搭載するためのキャリッジと、前記キャリッジを駆動するためのキャリッジモータと、記録媒体を搬送するための搬送手段と、前記搬送手段を駆動するための紙送りモータと、前記記録ヘッド内の温度を検出する検出手段と、前記検出手段により検出された温度が所定温度以下の場合に、前記記録ヘッド内のインクを加熱するためのヒータと、前記ヒータを制御する制御手段と、を備えるインクジェット記録装置であって、
前記制御手段は、
前記キャリッジモータ及び前記紙送りモータが駆動されていない場合には、第1の駆動周波数で前記ヒータを駆動し、
前記キャリッジモータ及び前記紙送りモータのいずれか一方が駆動されている場合には、前記第1の駆動周波数よりも小さい第2の駆動周波数で前記ヒータを駆動し、
前記キャリッジモータ及び前記紙送りモータが駆動されている場合には、前記第2の駆動周波数よりも小さい第3の駆動周波数で前記ヒータを駆動する、ことを特徴とする。
【0017】
このようにすると、例えば、第1及び第2のモータのいずれもが動作していないときには加熱手段での消費電力が大きくなり、いずれかのモータが動作しているときには加熱手段での消費電力が小さくなるようにパラメータを変更することが可能となり、モータの動作状態に応じて、記録装置の電源容量の範囲内でインクの温度を迅速に制御することが可能となる。
【0018】
従って、瞬間的な最大消費電力を抑えることが可能となり、電源容量を増大させずに迅速なインクの温度制御を行うことができると共に、吐出量変動に伴う濃度ムラや吐出不良によるショボの発生を防止して高品質な画像を記録することが可能となる。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下添付図面を参照して本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。
【0020】
なお、以下に説明する実施形態では、インクジェット記録方式を用いた記録装置としてプリンタを例に挙げ説明する。
【0021】
本明細書において、「記録」(「プリント」という場合もある)とは、文字、図形等有意の情報を形成する場合のみならず、有意無意を問わず、また人間が視覚で知覚し得るように顕在化したものであるか否かを問わず、広く記録媒体上に画像、模様、パターン等を形成する、または媒体の加工を行う場合も表すものとする。
【0022】
また、「記録媒体」とは、一般的な記録装置で用いられる紙のみならず、広く、布、プラスチック・フィルム、金属板、ガラス、セラミックス、木材、皮革等、インクを受容可能なものも表すものとする。
【0023】
さらに、「インク」(「液体」と言う場合もある)とは、上記「記録(プリント)」の定義と同様広く解釈されるべきもので、記録媒体上に付与されることによって、画像、模様、パターン等の形成または記録媒体の加工、或いはインクの処理(例えば記録媒体に付与されるインク中の色剤の凝固または不溶化)に供され得る液体を表すものとする。
【0024】
始めに、本発明に係るインクの温度制御方法を適用するのに好適な、カラーインクジェット記録装置について説明する。なお、以下の各実施形態においては、各吐出口からインク滴を吐出させる記録素子として、ヒータ(抵抗素子)を用いたものを例に挙げて説明するが、記録素子としてヒータ以外の素子を用いることもできる。
【0025】
(1)全体構成
図15は、本発明を適応可能なカラーインクジェット記録装置の全体構成を示す概略斜視図である。この図において、202はインクカートリッジであり、4色のカラーインク(ブラック、シアン、マゼンタ、イエロー)がそれぞれ入れられたインクタンクと、記録ヘッド201から構成されている。103は紙送りローラであり、104の補助ローラとともに記録紙107を抑えながら図中の矢印方向に回転し、記録媒体としての記録紙107の給紙を行うとともに、103、104同様に記録紙107を抑える役割も果たしている。106はキャリッジであり、インクカートリッジを支持し、搭載するインクカートリッジ202および記録ヘッド201を記録に伴って移動させる。このキャリッジ106は、記録装置が記録を行っていないとき、あるいは記録ヘッドの回復動作を行うときには図の点線で示したホームポジション位置に待機するように制御される。
【0026】
記録開始前、図の位置(ホームポジション)に位置するキャリッジ106は、記録開始命令がくると、x方向に移動しながら記録ヘッド201に設けられた記録素子を駆動して紙面上に記録ヘッドの記録幅に対応した領域の記録を行う。キャリッジの走査方向に沿って、紙面端部まで記録が終了すると、キャリッジは元のホームポジションに戻り、再びx方向への記録を行う。前回の記録走査が終了してから、続く記録走査が始まる前に紙送りローラ103が図に示した矢印方向へ回転して必要な幅だけy方向への紙送りが行われる。このように記録のための主走査と紙送りとを交互に繰り返すことにより一紙面上への記録が完成する。記録ヘッドからインクを吐出する記録動作は、記録制御手段(不図示)からの制御に基づいて行われる。
【0027】
また、記録速度を高めるため、一方向への主走査時のみ記録を行うのではなく、x方向への主走査の記録が終わりキャリッジをホームポジション側へ戻す際の復路においても記録を行う構成であってもよい。
【0028】
また、以上説明した例では記録用のインクを収容するインクタンクと記録紙107に向けてインクを吐出する記録ヘッド201とがインクジェットカートリッジ202として一体となったものであるが、インクタンクと記録ヘッド201とが分離可能にキャリッジ106に保持されるように構成されていてもよい。さらに、一つの記録ヘッドから複数色のインクを吐出可能な複数色一体型記録ヘッド(カラー記録ヘッド)を用いてもよい。
【0029】
また、前述の回復動作を行う位置には、ヘッドの前面(吐出口面)をキャップするキャッピング手段(不図示)や、キャッピング手段によるキャップ状態で記録ヘッド内の増粘インクや気泡を除去する等のヘッド回復動作を行う回復ユニット(不図示)が設けられている。また、キャッピング手段の側方には、クリーニングブレード(不図示)等が設けられ記録ヘッド201に向けて突出可能に支持され、記録ヘッドの前面との当接が可能となっている。これにより、回復動作後に、クリーニングブレードを記録ヘッドの移動経路中に突出させ、記録ヘッドの移動にともなって記録ヘッド前面の不要なインク滴や汚れ等の払拭が行われる
(2)記録ヘッド
次に、上述した記録ヘッド201について図16を参照して説明する。図16は、図15に示した記録ヘッド201の要部を示す部分分解斜視図である。
【0030】
記録ヘッド201には、図16に示すようにそれぞれが所定のピッチで複数の吐出口300が形成されており、共通液室301と各吐出口300とを連結する各液路302の壁面に沿ってインク吐出用のエネルギーを発生するための記録素子303が配設されている。記録素子303とその回路はシリコン基板上に半導体製造技術を利用して作られている。また、温度センサ(不図示)、サブヒータ(不図示)も同一シリコン基板上に半導体製造プロセスと同様のプロセスで一括形成される。
【0031】
これらの電気配線が作られたシリコンプレート308を放熱用のアルミベースプレート307に接着している。また、シリコンプレート上の回路接続部311とプリント板309とは超極細ワイヤー310により接続され記録装置本体からの信号は信号回路312を通して受け取られる。液路302および共通液室301は射出成形により作られたプラスチックカバー306で形成されている。
【0032】
共通液室301は、インクタンクとジョイントパイプ304とインクフィルター305を介して連結されており、共通液室301にはインクタンクからインクが供給される構成となっている。インクタンクから共通液室301に供給されて一時的に貯えられたインクは、毛管現象により液路302に侵入し、吐出口300でメニスカスを形成して液路302を満たした状態を保つ。
【0033】
この状態で、電極(不図示)を介して記録素子303が通電されると、記録素子303周囲のインクが急激に加熱されて液路302内に気泡が発生し、この気泡の膨張により吐出口300からインク滴313が吐出される。
【0034】
また、図示していないが、記録ヘッド内部のインクの温度に関する情報を出力する温度検出素子が、共通液室301あるいは液路302に設けられている。
【0035】
(3)制御構成の説明
次に、装置構成の各部の記録制御を実行するための制御構成について、図17に示すブロック図を参照して説明する。
【0036】
記録制御部500において、400は記録信号が入力されるインターフェ−ス、401はMPU、402はMPU401が実行する制御プログラムを格納するプログラムROM、403は各種データ(上記記録信号やヘッドに供給される記録データ等)を保存しておくダイナミック型のRAM(DRAM)であり、記録ドット数や、インク記録ヘッドの交換回数等も記憶できる。404は記録ヘッドに対する記録データの供給制御を行うゲートアレイであり、インターフェース400、MPU401、DRAM403間のデータの転送制御も行う。
【0037】
405は記録用紙搬送のための紙送りモータ(LFモータ)、406は記録ヘッドを搬送するためのキャリッジモータ(CRモータ)である。407、408は夫々紙送りモータ405、キャリッジモータ406を駆動するモータドライバである。これらモータドライバ407、408は、MPU401からの命令に従って各モータを駆動する。
【0038】
ヘッド部501において、409は記録ヘッド201を駆動するヘッドドライバであり、410は記録ヘッドの種別(カラー、モノクロ等)を判別する信号を発生するヘッド種別信号発生回路である。
【0039】
また、図示されていないが、記録ヘッド201内部に設けられた温度検出素子からの信号がMPU401に入力される。
【0040】
以下、上記のような構成のインクジェット記録装置におけるインクの温度制御方法の実施形態について説明する。
【0041】
[実施形態1]
インクの温度制御方法の第1の実施形態は、CRモータ或いはLFモータが駆動されている場合と駆動されていない場合とで、吐出用ヒータに印加する短パルスのパラメータを切り換えるものである。
【0042】
(短パルス加熱)
本実施形態では吐出用ヒータによる温度調節(温調)として、通常吐出のために駆動されるヒータに発泡が生じない程度のパルス幅を印加し、その周囲のインクを直接加熱する(短パルス加熱)。
【0043】
図1は、本実施形態において用いる短パルスを説明するための図である。(a)の内部生成パルス1は、設定された駆動周期(PTT01)および駆動デューティー(PTT00)に従って発生される周期的なパルスである。また、(b)の内部生成パルス2は、各ブロックに対する時間内の駆動期間(PTT02)の設定に従って発生される。そして、内部生成パルス1および内部生成パルス2の2つのパルスの論理積を取ることにより合成したパルス(c)が、ヒートパルス(HEAT ENABLE)として記録ヘッドに供給される。
【0044】
なお、本実施形態における記録ヘッドは、全ヒータを24のブロックに分割して各ブロックが時分割で駆動される。従って、駆動周波数を設定することにより各ヒータを駆動する周期が決定される。図2は、駆動周波数(Fop)と各ブロックに対する駆動時間であるブロック時間、および各ブロックに対して印加されるヒートパルス(HEAT ENABLE)の関係を表している。
【0045】
図13は、本実施形態における短パルスのパラメータの例(短パルス加熱条件)を示した図である。(a)の短パルス加熱条件1はCRモータもLFモータも駆動していない場合の加熱条件であり、(b)の短パルス加熱条件2はCRモータ或いはLFモータを駆動している場合の加熱条件である。このように、本実施形態においては、駆動周波数のみを変更することで加熱条件の変更が容易に行えるようにしている。
【0046】
なお、吐出用ヒータに印加するパルスによって発泡が生じるか否かはヒータの抵抗値や駆動電圧等の条件で決定される。従って、短パルスを用いた加熱条件としては、ここで示した例に限定されず、記録ヘッドや記録装置の電源電圧条件等に合わせて発泡が生じない最適なパルス条件で駆動することが望ましい。
【0047】
(サブヒータ加熱)
本実施形態では吐出用ヒータによる温調に加え、サブヒータによる温調(サブヒータ加熱)も行う。図3は、本実施形態でサブヒータの加熱に用いられる駆動パルスを表した図である。サブヒータ加熱は、PWM周期(本実施形態では27.17μs)における、加熱期間に対応するパルス幅(PTS00)を設定することで行う。本実施形態におけるサブヒータは、比較的消費電力が小さいものであるので、設定パルスを27.045μsとしている。
【0048】
なお、PWM周期およびパルス幅はここで示した値に限定されるものではなく、サブヒータの性能や記録ヘッドの形状等に応じた最適な値を用いることが望ましい。
【0049】
(温調シーケンス)
次に、本実施形態によるインクの温度制御を各動作に応じてMPUによって実行される温調シーケンスによって説明する。なお、以下の説明においては、記録ヘッド内部のインクの目標温度を38℃としている。
【0050】
図4は、記録開始命令を受信した時の処理を表すフローチャートである。まず、記録開始命令を受信すると記録開始命令割込み処理が起動され(ステップS100)、短パルス加熱条件1の各種パラメータをレジスタに設定する(ステップS101)。続いて、サブヒータの加熱条件をレジスタに設定し(ステップS102)、割込み処理を終了する(ステップS103)。これにより、以降の処理で温調が必要な場合(38℃以下の場合)は、レジスタに設定された条件によって行われることになる。
【0051】
図5は、温調が必要か否かを判定するための48ms毎のタイマ割り込み処理を表すフローチャートである。この処理は、記録開始命令を受信してから記録終了後一定時間を経過するまで周期的に行われる。
【0052】
MPU内部のタイマによって割込み処理が起動されると(ステップS200)、まず、温度検出素子からの信号により記録ヘッド内部のインクの温度が求められ、目標温度(38℃)を越えているか否かが判定される(ステップS201)。ここで、38℃を越えていなければ、短パルス加熱をオンにし(ステップS202)、サブヒータ加熱をオンにして(ステップSS203)、割込み処理を終了する(ステップS204)。
【0053】
一方、ステップS201でインクの温度が38℃を越えていると判定されたら、短パルス加熱をオフにし(ステップS205)、サブヒータ加熱をオフにして(ステップS206)、割込み処理を終了する(ステップS204)。
【0054】
図6は、キャリッジ(CR)モータ或いは紙送り(LF)モータに対する動作命令に応じて起動される割り込み処理を表したフローチャートである。
【0055】
CR動作或いはLF動作命令に応じて割り込み処理が起動されると(ステップS300)、まず短パルス加熱条件2をレジスタに設定する(ステップS301)。続いて、所定量のCR動作或いはLF動作を行う(ステップS302)。このCR動作或いはLF動作中で温調が必要な場合(38℃以下)は、短パルス加熱条件2によって短パルス加熱されることになる。最後に、CR動作或いはLF動作が終了した段階で短パルス条件1をレジスタに設定し(ステップS303)、割込み処理を終了する(ステップS304)。
【0056】
図7は、予備吐或いは記録動作に応じて起動される割り込み処理を表すフローチャートである。
【0057】
予備吐動作或いは記録動作の命令に応じて割込み処理が起動されると(ステップS400)、短パルス加熱をオフにする(ステップS401)。これは、短パルス加熱が吐出用ヒータを用いて行う加熱であるため、インクの吐出と加熱とを同時に行うことが困難だからである。命令に応じて所定量の予備吐或いは記録を行い(ステップS402)、予備吐或いは記録が終了したら短パルス加熱をオンにし(ステップS403)、割込み処理を終了する(ステップS404)。
【0058】
図8は、記録開始命令の待機時に行われる処理を表したフローチャートである。本実施形態では、所定の記録データを記録した後に、連続して、次の記録開始命令が発生した場合を想定し、1分間はキャリッジを待機状態として、記録開始命令が発生した際にすぐに記録が開始できるようにしている。
【0059】
記録動作が終了して待機状態となると処理が開始され(ステップS500)、記録終了後1分経過するまで待機する(ステップS501)。1分経過しても次の記録開始命令が無ければ、短パルス加熱をオフにし(ステップS502)、サブヒータ加熱をオフにして(ステップS503)、キャリッジをホームポジションに戻し、保護キャップをクローズして処理を終了する(ステップS504)。
【0060】
図11は、本実施形態において、短パルス加熱条件が切り換わる様子を模式的に表した図である。図示されたように、LF動作とCR動作がいずれも行われない場合には、消費電力の高い短パルス条件1で駆動される。CR動作或いはLF動作のいずれかが行われる場合には、CR動作或いはLF動作と同期して消費電力が約半分になる短パルス加熱条件2で駆動される。
【0061】
一般に、温調を必要とするのは記録装置がおかれている環境の温度が低く、長時間記録を行わなかった場合である。従って、記録開始命令を受信してから記録開始の準備を行う間には、記録ヘッド内部のインクの温度を上昇させるために多くの熱エネルギーが必要とされる。記録開始後は、記録ヘッド内部のインクは一旦目標温度に到達しているため、記録データのデューティーが低くてもそれほど多くの熱エネルギーは必要とされない。
【0062】
また、記録開始の準備段階でCRモータやLFモータが動作する時間はそれほど長くはない。従って、CRモータ或いはLFモータのいずれかが動作している期間のみ吐出用ヒータに通電する時間を半分程度に抑えても、インクの温度プロファイルにはそれほど影響せず、極めて短時間で目標温度に到達させることが可能となる。
【0063】
以上説明したように、本実施形態によれば、吐出用ヒータとサブヒータとの両方を用いて記録ヘッド内部のインクを加熱し、CR動作およびLF動作のいずれかが行われている場合とそうでない場合とで吐出用ヒータに印加する短パルスのパラメータ(周期)を切り換える。これによって、瞬間的な消費電力の増加を抑えつつ迅速なインクの温度制御が可能となり、電源の大きさ及び価格を抑制することができる。そして、記録ヘッド内部のインクを短時間で目標温度に到達させることが可能となり、記録開始の準備に必要な時間を短縮しつつ濃度ムラやショボのない高品位な画像を記録することが可能となる。
【0064】
[実施形態2]
以下、本発明に係るインクジェット記録装置のインクの温度制御方法の第2の実施形態について説明する。以下の説明では上記第1の実施形態と同様な部分については説明を省略し、本実施形態の特徴的な部分を中心に説明する。
【0065】
本実施形態は、インクジェット記録装置のブラックとカラーの記録ヘッドでヒータサイズやノズル数が異なる場合において、それぞれの記録ヘッドに対して最適なパラメータ(加熱条件)を設定して迅速なインクの温度制御を可能とするものである。
【0066】
(インクとパルス幅)
一般にインクジェット記録装置では、ブラックとカラーで異なる種類のインクを用いることが多い。例えば、ブラックインクとして、上乗せ系の顔料などのインクを使用し、カラーインクとして染料などの浸透系のインクを使用することが行われている。このようにすると、ブラックの文字品位を向上すると共に、カラー同士のインクのにじみを防止することができる。
【0067】
このようなインクシステムを用いた記録装置においては、ブラックインクとカラーインクではドットの記録に必要な吐出量が異なる。そのため、ヒータサイズやノズル数等の記録ヘッドの構成も異なってくる。一般的には、ブラックインクの吐出量がカラーインクよりも大きいため、ヒータサイズが大きくなり、発泡に必要なエネルギーも大きくなる。従って、供給される電源電圧が同じであれば、温調のための発泡しない程度の加熱のパルス幅が異なり、ブラックの記録ヘッドに印加するパルス幅は、カラーの記録ヘッドに印加するパルス幅よりも長くする必要がある。
【0068】
(加熱条件)
図14は、本実施形態におけるブラックの記録ヘッドとカラーの記録ヘッドそれぞれに対する短パルスの加熱条件のパラメータを図13と同様に示した図である。(a)及び(b)の短パルス加熱条件1はCRモータもLFモータも駆動していない場合の加熱条件であり、(c)及び(d)の短パルス加熱条件2はCRモータ或いはLFモータを駆動している場合の加熱条件である。このように、本実施形態でも第1の実施形態と同様に、駆動周波数のみを変更することで加熱条件の変更が容易に行えるようにしている。
【0069】
また、図示されたように、カラーの記録ヘッドの加熱条件(b)及び(d)は図13に示した第1の実施形態の加熱条件(a)及び(b)とそれぞれ同じであり、ブラックの記録ヘッドに対する加熱条件のパラメータは、駆動デューティー(PTT00)及び駆動期間(PTT02)がカラーの記録ヘッドの加熱条件よりも長く設定されている。
【0070】
なお、サブヒータでの加熱条件は上記第1の実施形態と同様であり、CRモータ及びLFモータの駆動状態に係らず一定である。
【0071】
(温調シーケンス)
温調シーケンスとしては、第1の実施形態と同様の処理で行うものとし、短パルス加熱条件の設定をブラックとカラーとで個別に行えばよい。
【0072】
以上説明したように、本実施形態によれば、ブラックの記録ヘッドとカラーの記録ヘッドそれぞれに対して最適な加熱条件を設定することで、ブラックとカラーで記録ヘッドの構成が異なるインクジェット記録装置においても、迅速なインクの温度制御が可能となる。
【0073】
[実施形態3]
以下、本発明に係るインクジェット記録装置のインクの温度制御方法の第3の実施形態について説明する。以下の説明では上記第1及び第2の実施形態と同様な部分については説明を省略し、本実施形態の特徴的な部分を中心に説明する。
【0074】
本実施形態では、加熱条件をより細かく分類し、LF動作もCR動作も行わない場合、LF動作のみ行う場合、CR動作のみ行う場合、LF動作とCR動作との両方を行う場合、の4つの場合に応じて短パルス加熱条件を変更する。
【0075】
このようにすると、CRモータとLFモータの消費電力に応じて短パルスの加熱条件を設定して、電源容量に応じた最適な温度制御とすることができる。これにより、CR動作とLF動作を同時に行うようなインクジェット記録装置においても、迅速なインクの温度制御を行うことが可能となる。
【0076】
(加熱条件)
本実施形態における4つの短パルス加熱条件は、駆動周波数を切り換えるものとし、その他の条件は、上記第1の実施形態と同様である。各加熱条件の駆動周波数は、
短パルス加熱条件1(CR動作無し、LF動作無し):30KHz
短パルス加熱条件2(CR動作有り、LF動作無し):22.5KHz
短パルス加熱条件3(CR動作有り、LF動作有り):7.5KHz
短パルス加熱条件4(CR動作無し、LF動作有り):15KHz
である。
【0077】
なお、サブヒータでの加熱条件は上記第1の実施形態と同様であり、CRモータ及びLFモータの駆動状態に係らず一定である。
【0078】
(温調シーケンス)
本実施形態においては、CRモータの駆動およびLFモータの駆動それぞれの動作開始時と終了時に互いの動作が行われているか否かを判別し、短パルス加熱条件を切り替えるものとする。
【0079】
図9は、CRモータの動作命令割り込み処理を表すフローチャートである。CRモータの動作命令に応じて割込み処理が起動されると(ステップS600)、まず、LFモータが動作中であるか否かを判定する(ステップS601)。もし、動作中であれば、短パルス加熱条件3をレジスタに設定する(ステップS602)。動作中でなければ、短パルス加熱条件2をレジスタに設定する(ステップS607)。
【0080】
続いて、所定量のCRモータの駆動を行う(ステップS603)。このCRモータの駆動とLFモータの駆動が重なると、最も消費電力の低い短パルス加熱条件3で加熱が行われることになる。CRモータの駆動の終了後、LFモータが動作中であるか否かを判定する(ステップS604)。もし、動作中であれば、短パルス加熱条件4をレジスタに設定する(ステップS605)。動作中でなければ、短パルス加熱条件1をレジスタに設定する(ステップS608)。LF動作が行われていなければ、最も消費電力の高い短パルス加熱条件1で加熱が行われることになる。
【0081】
図10は、LFモータの動作命令割り込み処理を表すフローチャートである。LFモータの動作命令に応じて割込み処理が起動されると(ステップS700)、まず、CRモータが動作中であるか否かを判定する(ステップS701)。もし、動作中であれば、短パルス加熱条件3をレジスタに設定する(ステップS702)。動作中でなければ、短パルス加熱条件4をレジスタに設定する(ステップS707)。
【0082】
続いて、所定量のLFモータの駆動を行う(ステップS703)。このLFモータの駆動とCRモータの駆動が重なると、最も消費電力の低い短パルス加熱条件3で加熱が行われることになる。LFモータの駆動の終了後、CRモータが動作中であるか否かを判定する(ステップS704)。もし、動作中であれば、短パルス加熱条件2をレジスタに設定する(ステップS705)。動作中でなければ、短パルス加熱条件1をレジスタに設定する(ステップS708)。CR動作が行われていなければ、最も消費電力の高い短パルス加熱条件1で加熱が行われることになる。
【0083】
図12は、本実施形態での短パルス加熱条件の切り換えの様子を模式的に表した図である。LF動作とCR動作がいずれも行われない場合には、最も消費電力の高い短パルス条件1で駆動される。CR動作のみが行われる場合には、CR動作に同期して短パルス加熱条件2で駆動され、LF動作のみが行われる場合には、LF動作に同期して短パルス加熱条件4で駆動される。LF動作とCR動作がいずれも行われる場合は、両方が動作するタイミングに同期して最も消費電力の低い短パルス加熱条件3で駆動されることになる。
【0084】
以上説明したように、本実施形態によれば、CR動作とLF動作との組み合わせに合わせて短パルス加熱条件を変更することで、CR動作とLF動作を同時に行うような高スループットのインクジェット記録装置においても、電源容量を増やすことなく、インクの温度制御を迅速に行うことができ、濃度ムラやショボのない高品質な画像を記録できる。
【0085】
[その他の実施形態]
上記第1から第3の実施形態においては、CR動作とLF動作に応じて、短パルス加熱条件のみを変更したが、消費電力の大きいサブヒータを搭載した記録ヘッドを用いる場合には、サブヒータの駆動条件を変更しても良い。
【0086】
一般に、記録ヘッドの製造工程におけるばらつきによって吐出用ヒータやサブヒータの抵抗値にはばらつきが生じる。従って、温調に必要な時間もばらつきが生じることになる。そこで、記録ヘッドのヒータ抵抗のばらつきをランク分けするなどして、装着された記録ヘッドのヒータのランク値に応じて最適な加熱条件(パラメータ)を設定するようにしても良い。
【0087】
また、上記の各実施形態においては、各吐出口からインク滴を吐出させる記録素子として、ヒータ(抵抗素子)を用いたものを例に挙げて説明したが、記録素子としてヒータ以外の素子を用い、インクを加熱するためのヒータが別に設けられている構成にも本発明は適用することができる。この場合は、CRモータやLFモータの動作状態に応じて、インク加熱用ヒータの駆動パラメータを切り換えることとなる。
【0088】
以上の実施形態は、特にインクジェット記録方式の中でも、インク吐出を行わせるために利用されるエネルギーとして熱エネルギーを発生する手段(例えば電気熱変換体やレーザ光等)を備え、前記熱エネルギーによりインクの状態変化を生起させる方式を用いることにより記録の高密度化、高精細化が達成できる。
【0089】
その代表的な構成や原理については、例えば、米国特許第4723129号明細書、同第4740796号明細書に開示されている基本的な原理を用いて行うものが好ましい。この方式はいわゆるオンデマンド型、コンティニュアス型のいずれにも適用可能であるが、特に、オンデマンド型の場合には、液体(インク)が保持されているシートや液路に対応して配置されている電気熱変換体に、記録情報に対応していて核沸騰を越える急速な温度上昇を与える少なくとも1つの駆動信号を印加することによって、電気熱変換体に熱エネルギーを発生せしめ、記録ヘッドの熱作用面に膜沸騰を生じさせて、結果的にこの駆動信号に1対1で対応した液体(インク)内の気泡を形成できるので有効である。
【0090】
この気泡の成長、収縮により吐出用開口を介して液体(インク)を吐出させて、少なくとも1つの滴を形成する。この駆動信号をパルス形状とすると、即時適切に気泡の成長収縮が行われるので、特に応答性に優れた液体(インク)の吐出が達成でき、より好ましい。
【0091】
このパルス形状の駆動信号としては、米国特許第4463359号明細書、同第4345262号明細書に記載されているようなものが適している。なお、上記熱作用面の温度上昇率に関する発明の米国特許第4313124号明細書に記載されている条件を採用すると、さらに優れた記録を行うことができる。
【0092】
記録ヘッドの構成としては、上述の各明細書に開示されているような吐出口、液路、電気熱変換体の組み合わせ構成(直線状液流路または直角液流路)の他に熱作用面が屈曲する領域に配置されている構成を開示する米国特許第4558333号明細書、米国特許第4459600号明細書に記載された構成も本発明に含まれるものである。加えて、複数の電気熱変換体に対して、共通するスロットを電気熱変換体の吐出部とする構成を開示する特開昭59−123670号公報や熱エネルギーの圧力波を吸収する開口を吐出部に対応させる構成を開示する特開昭59−138461号公報に基づいた構成としても良い。
【0093】
さらに、記録装置が記録できる最大記録媒体の幅に対応した長さを有するフルラインタイプの記録ヘッドとしては、上述した明細書に開示されているような複数記録ヘッドの組み合わせによってその長さを満たす構成や、一体的に形成された1個の記録ヘッドとしての構成のいずれでもよい。
【0094】
加えて、上記の実施形態で説明した記録ヘッド自体に一体的にインクタンクが設けられたカートリッジタイプの記録ヘッドのみならず、装置本体に装着されることで、装置本体との電気的な接続や装置本体からのインクの供給が可能になる交換自在のチップタイプの記録ヘッドを用いてもよい。
【0095】
また、以上説明した記録装置の構成に、記録ヘッドに対する回復手段、予備的な手段等を付加することは記録動作を一層安定にできるので好ましいものである。これらを具体的に挙げれば、記録ヘッドに対してのキャッピング手段、クリーニング手段、加圧あるいは吸引手段、電気熱変換体あるいはこれとは別の加熱素子あるいはこれらの組み合わせによる予備加熱手段などがある。また、記録とは別の吐出を行う予備吐出モードを備えることも安定した記録を行うために有効である。
【0096】
さらに、記録装置の記録モードとしては黒色等の主流色のみの記録モードだけではなく、記録ヘッドを一体的に構成するか複数個の組み合わせによってでも良いが、異なる色の複色カラー、または混色によるフルカラーの少なくとも1つを備えた装置とすることもできる。
【0097】
以上説明した実施の形態においては、インクが液体であることを前提として説明しているが、室温やそれ以下で固化するインクであっても、室温で軟化もしくは液化するものを用いても良く、あるいはインクジェット方式ではインク自体を30°C以上70°C以下の範囲内で温度調整を行ってインクの粘性を安定吐出範囲にあるように温度制御するものが一般的であるから、使用記録信号付与時にインクが液状をなすものであればよい。
【0098】
加えて、積極的に熱エネルギーによる昇温をインクの固形状態から液体状態への状態変化のエネルギーとして使用せしめることで積極的に防止するため、またはインクの蒸発を防止するため、放置状態で固化し加熱によって液化するインクを用いても良い。いずれにしても熱エネルギーの記録信号に応じた付与によってインクが液化し、液状インクが吐出されるものや、記録媒体に到達する時点では既に固化し始めるもの等のような、熱エネルギーの付与によって初めて液化する性質のインクを使用する場合も本発明は適用可能である。
【0099】
このような場合インクは、特開昭54−56847号公報あるいは特開昭60−71260号公報に記載されるような、多孔質シート凹部または貫通孔に液状または固形物として保持された状態で、電気熱変換体に対して対向するような形態としてもよい。本発明においては、上述した各インクに対して最も有効なものは、上述した膜沸騰方式を実行するものである。
【0100】
なお、本発明は、複数の機器(例えばホストコンピュータ,インターフェース機器,リーダ,プリンタなど)から構成されるシステムに適用しても、一つの機器からなる装置(例えば、複写機,ファクシミリ装置など)に適用してもよい。
また、本発明の目的は、前述した実施形態の機能を実現するソフトウェアのプログラムコードを記録した記憶媒体を、システムあるいは装置に供給し、そのシステムあるいは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU)が記憶媒体に格納されたプログラムコードを読出し実行することによっても、達成されることは言うまでもない。
【0101】
この場合、記憶媒体から読出されたプログラムコード自体が前述した実施形態の機能を実現することになり、そのプログラムコードを記憶した記憶媒体は本発明を構成することになる。
【0102】
プログラムコードを供給するための記憶媒体としては、例えば、フロッピディスク,ハードディスク,光ディスク,光磁気ディスク,CD−ROM,CD−R,磁気テープ,不揮発性のメモリカード,ROMなどを用いることができる。
【0103】
また、コンピュータが読出したプログラムコードを実行することにより、前述した実施形態の機能が実現されるだけでなく、そのプログラムコードの指示に基づき、コンピュータ上で稼働しているOS(オペレーティングシステム)などが実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれることは言うまでもない。
【0104】
さらに、記憶媒体から読出されたプログラムコードが、コンピュータに挿入された機能拡張ボードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書込まれた後、そのプログラムコードの指示に基づき、その機能拡張ボードや機能拡張ユニットに備わるCPUなどが実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれることは言うまでもない。
【0105】
本発明を上記記憶媒体に適用する場合、その記憶媒体には、先に説明した(図4から図10に示す)フローチャートに対応するプログラムコードが格納されることになる。
【0106】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、例えば、第1及び第2のモータのいずれもが動作していないときには加熱手段での消費電力が大きくなり、いずれかのモータが動作しているときには加熱手段での消費電力が小さくなるようにパラメータを変更することが可能となり、モータの動作状態に応じて、記録装置の電源容量の範囲内でインクの温度を迅速に制御することが可能となる。
【0107】
従って、瞬間的な最大消費電力を抑えることが可能となり、電源容量を増大させずに迅速なインクの温度制御を行うことができると共に、吐出量変動に伴う濃度ムラや吐出不良によるショボの発生を防止して高品質な画像を記録することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態において用いる短パルスを説明するための図である。
【図2】第1の実施形態における駆動周波数と各ブロックに対する駆動時間、およびヒートパルスの関係を表す図である。
【図3】第1の実施形態でサブヒータの加熱に用いられる駆動パルスを表す図である。
【図4】第1の実施形態における記録開始命令を受信した時の処理を表すフローチャートである。
【図5】第1の実施形態におけるタイマ割り込み処理を表すフローチャートである。
【図6】第1の実施形態におけるCRモータ或いはLFモータに対する動作命令に応じて起動される割り込み処理を表したフローチャートである。
【図7】第1の実施形態における予備吐或いは記録動作に応じて起動される割り込み処理を表すフローチャートである。
【図8】第1の実施形態における記録開始命令の待機時に行われる処理を表したフローチャートである。
【図9】第3の実施形態におけるCRモータの動作命令割り込み処理を表すフローチャートである。
【図10】第3の実施形態におけるLFモータの動作命令割り込み処理を表すフローチャートである。
【図11】第1の実施形態において短パルス加熱条件が切り替わる様子を模式的に表した図である。
【図12】第3の実施形態において短パルス加熱条件が切り替わる様子を模式的に表した図である。
【図13】第1の実施形態における短パルス加熱条件を表した図である。
【図14】第2のの実施形態におけるブラックとカラーの短パルス加熱条件を表した図である。
【図15】本発明を適応可能なカラーインクジェット記録装置の一実施形態の概略構成を示す概略斜視図である。
【図16】本発明を適応可能な記録ヘッドの要部を示す部分断面斜視図である。
【図17】図15のインクジェット記録装置の制御ブロック図である。
Claims (5)
- 記録媒体にインクを吐出して記録を行う記録ヘッドを搭載するためのキャリッジと、前記キャリッジを駆動するためのキャリッジモータと、記録媒体を搬送するための搬送手段と、前記搬送手段を駆動するための紙送りモータと、前記記録ヘッド内の温度を検出する検出手段と、前記検出手段により検出された温度が所定温度以下の場合に、前記記録ヘッド内のインクを加熱するためのヒータと、前記ヒータを制御する制御手段と、を備えるインクジェット記録装置であって、
前記制御手段は、
前記キャリッジモータ及び前記紙送りモータが駆動されていない場合には、第1の駆動周波数で前記ヒータを駆動し、
前記キャリッジモータ及び前記紙送りモータのいずれか一方が駆動されている場合には、前記第1の駆動周波数よりも小さい第2の駆動周波数で前記ヒータを駆動し、
前記キャリッジモータ及び前記紙送りモータが駆動されている場合には、前記第2の駆動周波数よりも小さい第3の駆動周波数で前記ヒータを駆動する、
ことを特徴とするインクジェット記録装置。 - 前記紙送りモータが駆動され且つ前記キャリッジモータが駆動されない場合に前記ヒータを駆動する駆動周波数は、前記キャリッジモータが駆動され且つ前記紙送りモータが駆動されない場合における前記ヒータを駆動する駆動周波数に対して小さいことを特徴とする請求項1に記載のインクジェット記録装置。
- 前記ヒータはインクを吐出するための吐出用ヒータであり、
前記記録ヘッド内のインクを加熱する場合に、前記制御手段は、発泡が生じない程度のパルス幅を前記ヒータに印加することを特徴とする請求項1又は2に記載のインクジェット記録装置。 - 前記ヒータは、前記吐出用ヒータとは異なるヒータを更に有することを特徴とする請求項3に記載のインクジェット記録装置。
- 記録媒体にインクを吐出して記録を行う記録ヘッドを搭載するためのキャリッジと、前記キャリッジを駆動するためのキャリッジモータと、記録媒体を搬送するための搬送手段と、前記搬送手段を駆動するための紙送りモータと、前記記録ヘッド内の温度を検出する検出手段と、前記検出手段により検出された温度が所定温度以下の場合に、前記記録ヘッド内のインクを加熱するためのヒータと、前記ヒータを制御する制御手段と、を備えるインクジェット記録装置におけるインクの温度制御方法であって、
前記制御手段が、
前記キャリッジモータ及び前記紙送りモータが駆動されていない場合には、第1の駆動周波数で前記ヒータを駆動する工程と、
前記キャリッジモータ及び前記紙送りモータのいずれか一方が駆動されている場合には、前記第1の駆動周波数よりも小さい第2の駆動周波数で前記ヒータを駆動する工程と、
前記キャリッジモータ及び前記紙送りモータが駆動されている場合には、前記第2の駆動周波数よりも小さい第3の駆動周波数で前記ヒータを駆動する工程と
を有することを特徴とするインクの温度制御方法。
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