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JP4778064B2 - 圧電デバイス - Google Patents

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JP4778064B2
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Description

本発明は、圧電デバイスに関するものである。
近年、携帯機器などの高機能化にともない、それに使われる圧電デバイスに対する高安定化、高精度化への要求も高まっている。圧電デバイスを高安定化、高精度化する構成として、圧電振動子と回路素子を組み合わせた構成が用いられるようになっている。
例えば特許文献1に、高安定化し、高精度化した圧電デバイスが開示されている。図9は従来の圧電デバイスの構造を示す図である。
図9において、圧電デバイス100のパッケージ103の裏面107には、データを入出力するための端子として、外部接続端子101および入出力端子102が設けられている。外部接続端子101および入出力端子102は、圧電デバイス100の特性を高安定化、高精度化するための制御データを回路素子(図示せず)に入力する端子である。制御データの電気信号は、外部接続端子101および入出力端子102を通して回路素子(図示せず)に入力される。
圧電デバイス100は入力された制御データに基づいて動作する。外部接続端子101や入出力端子102は、圧電デバイス100の動作に伴って得られる特性データを外部に出力する。外部出力された特性データは、圧電デバイス100の特性検査に利用することができる。
入出力端子102は、圧電デバイス100が備える回路素子へ制御データを入力するため、あるいは圧電デバイス100の特性データを出力するために、専用に設けられた端子である。一方、外部接続端子101は、圧電デバイス100の駆動動作時に用いられる端子である。外部接続端子101は、圧電デバイス100を外部回路基板(図示せず)に実装する際に、外部回路基板(図示せず)と電気的に接続する端子であり、圧電デバイス100と同様の制御データの入力および特性データの出力に用いる他、圧電デバイス100への電源電力の供給および発振出力の出力にも用いられる。
外部接続端子101は、圧電デバイス100の回路素子への制御データの入力や圧電デバイス100の特性検査等を実施した後には、圧電デバイスへ電源電圧を供給するための電源電圧供給端子や、圧電デバイスの発振出力を取り出すための発振出力端子として用いられる。これに対して、入出力端子102は、制御データの入力あるいは特性データの出力の専用端子であり、外部回路基板に実装後は不要となる。
圧電デバイス100の外部接統端子101および入出力端子102の表面には、一般的にハンダに濡れやすいAuメッキが施されている。
特開2001−102869号公報
上記した構成の圧電デバイスでは、入出力端子と外部接続端子はパッケージに設けられている。
圧電デバイスは、製造後に外部回路基板に実装して使用される。圧電デバイスの調整や特性検査は、圧電デバイスを外部回路基板に実装する前に行われ、調整や特性検査が終了した後に外部回路基板に実装される。
圧電デバイスの調整や特性検査は、パッケージを外部回路基板に実装する前の状態において、入出力端子および外部接続端子の端子を介して、圧電デバイスの特性を高安定、高精度にするための制御データを入力する他、圧電デバイスの特性データを出力する。
これに対して、パッケージを外部回路基板に実装して製品として完成した後には、外部接続端子のみが圧電デバイスへ電源電圧を供給や、圧電デバイスの発振出力の取り出しに用いられ、入出力端子は利用されない。
したがって、入出力端子は、製品として完成した後には、圧電デバイスにとっては実用上では不要となる。この入出力端子は、圧電デバイスのパッケージの表面に露出した状態で、製品の一部分として存在することになる。
また、近年の圧電デバイスは小型化の要求の高まりに伴って、パッケージの小型化が求められている。そのため、端子を設けるパッケージ裏面の面積が小さくなり、入出力端子と外部接続端子との間の距離も非常に短くなってきている。
このため、圧電デバイスの外部回路基板への実装において、圧電デバイスの外部接続端子と外部回路基板とをハンダなどの実装材料で電気的、機械的に接続する際、パッケージ上の同一面上に設けられている入出力端子にもハンダが付着して、入出力端子と外部接続端子とが短絡する場合がある。
入出力端子は、製品として完成した後には実用上において不要となる端子であるが、外部接続端子と短絡すると、圧電デバイスに悪影響を及ぼすことになる。入出力端子と外部接続端子とが短絡すると、圧電デバイスを動作させる回路は異常な接続状態となり、回路動作が不安定となる他、さらには、不要な電気信号が回路素子に入力することで、圧電デバイスの特性が劣化するという問題がある。
この入出力端子と外部接続端子との短絡は、入出力端子の表面と外部接続端子の表面とがいずれもAuなどのハンダが濡れやすい材料で構成されていることや、入出力端子と外部接続端子との間の距離が非常に短いことによって、より起こりやすくなる。
そこで、本発明は、圧電デバイスを外部回路基板にハンダなどの実装材料を用いて実装する際、入出力端子と外部接続端子との短絡を防止することを目的とする。また、入出力端子と外部接続端子との短絡を防止することによって、回路動作が安定で、特性劣化を引き起こすことのない安定性の高い圧電デバイスを提供することを目的とする。
本発明は、圧電振動片と回路素子とが電気的に接続される圧電デバイスにおいて、圧電デバイスの少なくとも圧電振動片を内部に収納するパッケージを備える。パッケージは基板と蓋体とで構成され、パッケージの外表面に、回路素子と圧電振動片の少なくとも何れか一方と電気的に接続される電極端子を有する。電極端子は、パッケージの外部回路基板への実装において、外部回路基板と電気的に接続する外部接続端子と、外部回路基板と電気的に非接続とする入出力端子とにより構成される。
本発明の圧電デバイスは、パッケージの外表面に設けた外部接続端子と入出力端子の電極端子において、外部接続端子の表面と入出力端子の表面をそれぞれ異なる材料で形成する。両端子の表面をそれぞれ異なる材料で形成し、ハンダなどの実装材料に対する接着特性を異ならせる。
外部接続端子の表面の材料を、実装材料との接着性が良好な材料とすることによって、外部接続端子と外部回路基板側の電極との接着性を向上させる。一方、入出力端子の表面の材料を、実装材料との接着性が低い材料とすることによって、入出力端子と外部回路基板側の電極との接着性を低下させる。接着性を低下させることによって、仮に入出力端子に実装材料が付着した場合であっても、入出力端子が実装材料を介して外部接続端子と短絡することを防止する。
また、本発明の圧電デバイスは、パッケージの外表面に設けた外部接続端子と入出力端子の電極端子において、外部接続端子の表面と入出力端子の表面を、パッケージの表面に対して異なる高低差とする。外部接続端子のパッケージ表面からの高さと、入出力端子のパッケージ表面からの高さを異ならせる。外部接続端子と入出力端子の表面の高さを異ならせることによって、外部接続端子の表面に付着した実装材料が、入出力端子の表面に付着することを抑制し、入出力端子と外部接続端子とが短絡することを防止する。
基板は半導体基板で構成することができ、この半導体基板の対向する表裏面の少なくとも何れか一方の面に回路素子を構成する回路パターンを形成する。パッケージは、半導体基板の表裏面のいずれか一方の面を実装面として外部回路基板に実装する。
この実装面となる基板の一方の面に回路素子を形成し、基板の他方の面に圧電振動片を搭載した構成とすることができる。圧電振動片と回路素子とは、基板を貫通する貫通電極によって電気的に接続する。回路素子上に、回路素子と電気的に接続された配線を含む多層配線層を形成する。外部接続端子および入出力端子は、多層配線層の所定の配線を介して回路素子と接続される。この構成により、外部接続端子および入出力端子を、多層配線層を介して回路素子に接続し、さらに貫通電極を通して圧電振動片に接続することができる。
外部接続端子および入出力端子と回路素子とを基板面に設けることによって、パッケージの実装面の面積を外部接続端子と入出力端子の配置に用いることができ、外部接続端子と入出力端子の設計に自由度を高めることができる。また、圧電デバイスのサイズを小型とすることができる。
この多層配線層の所定の配線の表面に一部を除いて絶縁層が形成される。多層配線層は、一部に絶縁層に覆われない部分を有し、この絶縁層に覆われない配線の露出表面を入出力端子および外部接続端子とする。
また、入出力端子の端子面と外部接続端子の端子面は高低差を有する構成とする。外部接続端子の表面と入出力端子の端子面に高低差を持たせることによって、外部接続端子の端子面とパッケージ表面との高さ方向の距離と、入出力端子の端子面とパッケージ表面との高さ方向の距離を異ならせる。このとき、入出力端子の端子面は、外部接続端子の端子面に対して回路素子側に位置することになる。
外部接続端子と入出力端子の端子面とパッケージ表面との高さ方向の距離を異ならせることによって、外部接続端子の表面に付着した実装材料が、入出力端子の表面に付着することを抑制し、入出力端子と外部接続端子とが短絡することを防止する。
また、基板と蓋体は、一方は平板状とし、他方は圧電振動片を内部に納める空間を有する凹部形状とする。凹部形状の蓋体あるいは基板の周辺端部を平板状の基板あるいは蓋体の面に接合してパッケージを形成する。これによって、パッケージ内のキャビティ内に圧電振動片を封止する。
圧電振動片の基板への接着を、圧電振動片を支持するマウント電極と基板との間に導電性接着剤を塗布することで行う場合には、塗布ノズルにより導電性接着剤をマウント電極へ一定量排出することで行われている。このとき、塗布ノズルがパッケージのキャビティの壁部に衝突するといった問題が生じ、導電性接着剤の塗布が困難となる。この問題を解決するため塗布ノズルを小型化することも考えられるが、導電性接着剤を一定量安定して供給するためにはその小型化にも限界がある。つまりは、圧電デバイスの小型化も制限されることになる。
これに対して、本発明は基板を平板状とすることで、塗布ノズルがパッケージの壁面と接触することによる不都合を解消することができる。
外部接続端子の表面上に実装用のハンダを備え、このハンダによってパッケージを外部回路基板に実装し、外部接続端子と外部回路基板とを電気的に接続する。
本発明の圧電デバイスのパッケージは、アルミナを主成分とする材料で構成することができる。
本発明の圧電デバイスの外部接続端子は、少なくともその表面が金(Au)、銀(Ag)、白金(Pt)、パラジウム(Pd)、ロジウム(Rh)、ルテニウム(Ru)、イリジウム(Ir)、オスミウム(Os)、銅(Cu)のうちの少なくとも一種類を主成分で構成することができる。一方、圧電デバイスの入出力端子は、その表面がアルミニウム(Al)、チタン(Ti)、クロム(Cr)、ニッケル(Ni)のうちの少なくとも一種類を主成分で構成することができる。
外部接続端子の成分はハンダ等の実装材料に対する接着性は高く、入出力端子の成分はハンダ等の実装材料に対する接着性は低い。
入出力端子は、パッケージの外部回路基板に実装しない状態において、回路素子へ制御データを入力する電極端子とし、また、圧電デバイスからの特性データを出力する電極端子として用いる。
本発明の圧電デバイスは、外部接続端子の最表面をAuやAgなどの化学的に安定でハンダに濡れやすい材料で構成し、一方、入出力端子の最表面を化学的に活性で酸化しやすくハンダに濡れにくいAl、Ti、NiあるいはCrなどの材料で構成する。これにより、圧電デバイスをハンダなどの実装材料を用いて外部回路基板へ実装する際、入出力端子にこの実装材料を付着することがなく、外部接続端子との短絡が発生することがない。そのため、圧電デバイスの動作不良を防ぐことができ、特性劣化を引き起こすことがない安定性の高い圧電デバイスを提供することが可能となる。
また、本発明の圧電デバイスは、入出力端子の表面と外部接続端子の表面とに高低差を設け、入出力端子の表面をパッケージの実装面よりも低い位置に形成する。これによって、外部接続端子の表面と外部接続端子との間の距離よりも、入出力端子の表面と外部回路基板との間の距離の方が遠くなり、入出力端子へのハンダなどの実装材料の付着の防止をより効果的なものとすることができる。
本発明の第1の実施例における圧電デバイスの構造を示す斜視図である。 本発明の第1の実施例の断面図を示す図である。 本発明の第2の実施例における圧電デバイスの構造を示す斜視図である。 本発明の第2の実施例の断面図を示す図である。 本発明の第1,2の実施例における圧電デバイスを実装面から見た図である。 本発明の第3の実施例における圧電デバイスの構造を示す斜視図である。 本発明の第3の実施例における圧電デバイスの構造を示す図である。 本発明の第3の実施例の断面図を示す図である。 従来の圧電デバイスの構造を示す図である。
符号の説明
10,10A,10B,10C 圧電デバイス
11 基板
11A 半導体基板
11a 底面部
11b 凹部
11c 内底面部
11d 開口周縁部
12 蓋体
13 パッケージ
13a キャビティ
14 回路素子
15 圧電振動片
15a 励振電極
15b 接続電極
16 マウント電極
17 導電性接着材
18 貫通電極
21 外部接続端子
22 入出力端子
23 配線
24 電極パッド
25 端子材A
26 端子材B
27 実装面
28 振動片固着部
29 絶縁材
30 多層配線層
100 圧電デバイス
101 外部接続端子
102 入出力端子
103 パッケージ
107 実装面
本発明の最良の実施形態について図1から図8を用いて説明する。以下では、図1,2を用いて第1の実施例を説明し、図3,4を用いて第2の実施例を説明し、図5は本発明の圧電デバイスの実装面における電極端子を説明し、図6〜8を用いて第3の実施例を説明する。
第1、2の実施例は平板状の蓋体と凹状の基板によりパッケージを構成する例であり、第3の実施例は平板状の基板と凹状の蓋体によりパッケージを構成する例である。また、第1の実施例は回路素子を基板と別体に備える構成例であり、第2,3の実施例は回路素子を基板内に備える構成例である。
[実施例1]
はじめに、本発明の圧電デバイスの第1の実施例について説明する。第1の実施例は、平板状の蓋体と凹状の基板によりパッケージを構成し、基板と別体に回路素子を備える構成例である。
図1は本発明の一実施例における圧電デバイスの構造を示す斜視図である。図1(a)は本発明における圧電デバイスの構成を説明するための斜視図であり、図1(b)は本発明における圧電デバイスを上面から見た斜視図であり、図1(c)は本発明における圧電デバイスを実装面から見た斜視図である。なお、図1(a)は木発明の圧電デバイスの構成をわかりやすく説明するための斜視図であり、構造の一部を切り取った状態を示している。また、図2は本発明の第1の実施例の断面図を示している。
図1に示すように、圧電デバイス10Aは、底面部11aに制御データを入出力するための外部接続端子21および入出力端子22を有するパッケージ13を備える。このパッケージ13は、基板11と蓋体12により構成される。基板11は、外部回路基板に実装する実装面27となる底面部11aと、内部に回路素子14および圧電振動片15を収納する凹部11bと、回路素子14および圧電振動片15を支持する内底面部11cと、蓋体12を取り付ける開口周縁部11dとを備える。
回路素子15と圧電振動片16は、凹部11bの内部に配置され、金や半田から成るバンプあるいは導電性接着剤などの接着部材(図示せず)を用いて、基板11に機械的に固定されると共に電気的に接続される。蓋体12は、回路素子14と圧電振動片15をパッケージ13の凹部11b内部に気密に封止する。
パッケージ13はシリコンを主成分とする材料、あるいはアルミナを主成分とする材料で形成される。
なお、回路素子14の電極パッド(図示せず)と、外部接続端子21および入出力端子22とは配線(図示せず)でそれぞれつながっている。外部接続端子21および入出力端子22を通すことにより、回路素子14はパッケージ13の外部との間において、電気信号によってデータの入出力が可能となっている。
圧電デバイス10Aを作製する過程で、外部接続端子21や入出力端子22は、圧電デバイス10Aのデバイス特性を高安定化、高精度化するための制御データを回路素子14に入力する他に、回路素子14に入力された制御データを元にして得られる圧電デバイス10Aのデバイス特性を出力する。
外部接続端子21は、圧電デバイス10Aが製品として完成した後も外部回路基板との接続等に利用される。一方、入出力端子22は、回路素子15へ制御データを入力した後や、圧電デバイス10Aの特性検査を行った後には、実用上では不要となる端子である。
この入出力端子22が外部接続端子21と同一の材料を用いて形成される構成とした場合、パッケージ13の実装面に露出した状態のまま存在する状態を仮定する。このような状態で、ハンダなどを用いてこの圧電デバイス10Aを外部回路基板などに実装すると、入出力端子22にもハンダが付着し、入出力端子22は外部接続端子21と短絡してしまう。このように、外部接続端子21と入出力端子22とが短絡すると、回路素子14は圧電デバイスを動作させる回路として異常な接続状態となる。さらに、不要な電気信号が回路素子に入力され、圧電デバイスの特性劣化を引き起こす。
これに対して、本発明の圧電デバイスは、外部接続端子21の表面を化学的に安定でハンダに濡れやすい材料で構成し、入出力端子22は化学的に活性で酸化されやすく、ハンダに濡れにくい材料で構成する。これによって、外部接続端子21は、電気的に安定して接続され、機械的に安定して固定されると共に、外部接続端子21と入出力端子22との短絡が発生することはない。したがって、動作不良などを引き起こすことがない信頼性の高い圧電デバイスを提供することが可能となる。
ここで、外部接続端子21の表面は、金(Au)、銀(Ag)、白金(Pt)、パラジウム(Pd)、ロジウム(Rh)、ルテニウム(Ru)、イリジウム(Ir)、オスミウム(Os)、銅(Cu)のうち少なくとも一種類を主成分とする材料で構成することができる。一方、入出力端子22の表面は、化学的に活性で酸化されやすく、ハンダに濡れにくいアルミニウム(Al)、チタン(Ti)、クロム(Cr)、ニッケル(Ni)のうちの少なくとも一種類を主成分で構成することができる。
なお、外部接続端子21およぴ入出力端子22は、塗布、印刷、メッキ、スパッタリングや蒸着などの成膜、あるいは、微粒子を吹き付けるエアロゾルデポジションなどの手法を用いて形成することができる。
図1では、パッケージの内部の同一空間に、圧電振動片15およぴ回路素子14を収納する場合を示しているが、圧電振動片15およぴ回路素子14をそれぞれ別のパッケージに収納して両者を上下方向、あるいは水平方向に組み合わせた構造、また、一つのパッケージが複数の空間を有し、圧電振動片15およぴ同路素子14をそれぞれ別の空間に収納する構造としてもよい。
図2は本発明の第1の実施例において、外部接続端子および入出力端子と回路素子の電極パッドとの接続状態の一例を説明する断面図である。
図2(a)、(b)に示すように、基板11のキャビティ側の内底面部11cに回路素子14を設け、基板11の底面部11aに多層配線層30を設け、この多層配線層に外部接続端子21および入出力端子22を形成する。
多層配線層30には、配線23と電極パッド24が設けられる。回路素子14と電極パッド24とは基板11内で接続される。多層配線層30において、電極パッド31はそれぞれ配線23と接続される。配線23は回路素子14の回路パターンとの間で絶縁を保つために絶縁材29で覆われた構造である。外部接続端子21と入出力端子22が形成される部分の絶縁材34は除去され、この部分の配線23は露出して、外部と導通可能な構造となっている。
図2(a)は、Alなど化学的に活性な材料で配線23を形成する場合を示している。入出力端子22は、配線23の絶縁材29が除去されている部分をそのまま利用して形成される。一方、外部接続端子21は、配線23の絶縁材29が除去されている部分にAuなどの化学的に安定な材料からなる端子材A(25)を積層して形成される。
すなわち、外部接続端子21の表面は、化学的に安定でハンダに濡れやすい材料で構成され、入出力端子22の表面は、化学的に活性で酸化されやすく、ハンダに濡れにくい材料で構成される。これにより、圧電デバイスを外部回路基板に実装する際、外部接続端子21は、電気的、機械的に安定し、外部接続端子21と入出力端子22との短絡の発生を抑制することができる。したがって、動作不良などを引き起こすことのない信頼性の高い圧電デバイスを提供することが可能となる。
また、図2(b)のように、配線23の絶縁材29が除去されている部分に、化学的に活性な材料である端子材B(26)を更に積層して入出力端子22を形成した構造を示している。
入出力端子22の構成において、図2(a)は、化学的に活性でハンダに濡れにくい材料で配線23が形成されている構成を示し、図2(b)は、入出力端子22の配線23の絶縁材29が除去されている部分に化学的に活性な材料である端子材B(26)を積層した構成を示している。図2(b)の構成によれば、配線23として化学的に安定な材料を用いることも可能となる。
[実施例2]
次に、本発明の圧電デバイスの第2の実施例について説明する。
図3は本発明の第2の実施例における圧電デバイスの構造を示す斜視図であり、図3(a)は本発明の圧電デバイスの第2の実施例の構成を説明するための斜視図であり、図3(b)は本発明の圧電デバイスの第2の実施例を上面から見た斜視図であり、図3(c)は本発明の圧電デバイスの第2の実施例を実装面から見た斜視図である。なお、図3(a)は本発明の圧電デバイスの構成をわかりやすく説明するため、構造の一部を切り取った状態の斜視図としている。また、図4は本発明の第2の実施例の断面図を示している。
図1、2に示す第1の実施例では、パッケージと回路素子が別々に存在する場合を示したが、図3は、回路素子がパッケージ13を兼ねる場合の圧電デバイスを示し、基板内に回路素子を形成する例を示している。
図3に示すように、圧電デバイス10Bは、底面部11aに制御データを入出力するための外部接続端子21および入出力端子22を有する。パッケージ13の基板11には、回路素子の回路パターン(図示せず)が形成される。圧電振動片15は、パッケージ13の凹部11bの内部に配置され、金や半田から成るバンブあるいは導電性接着剤などの接着部材(図示せず)を用いて、パッケージ13の内底面部11cに機械的に固定され、電気的に接続される。また、基板11の開口周縁部11dには蓋体12が取り付けられ、圧電振動片15をパッケージ13のキャビティ13a内に気密に封止する。
パッケージ13は、シリコンを主成分とする材料で形成される。パッケージ13の底面部11aは、外部回路基板に実装するための実装面27となる。また、パッケージ13の内底面部11cは、実装面27の裏面側であり、圧電振動片14を固着するための振動片固着面28となる。
基板11を半導体基板11Aで形成し、回路素子14の回路パターン(図示せず)が形成される。
また、回路素子の電極パッド(図示せず)と入出力端子23や外部接続端子22とは、図3に示すような再配線技術を利用した配線(図示せず)で、それぞれつながっている。
図4は本発明の第2の実施例の断面図を示し、外部接続端子および入出力端子と回路素子の電極パッドとの接続状態の一例を示している。ここでは、回路素子の回路パターンが、半導体基板11Aの実装面27側に形成される例を示している。
図4(a)に示すように、回路素子14が有する複数の電極パッド24は、それぞれ配線23と接続される。配線23は、回路素子14の回路パターンと絶縁を保つために絶縁材29で覆われている。絶縁材29は、外部接続端子21および入出力端子22に当たる部分が除去され、この部分の配線23は露出して外部と導通可能な構造となっている。
図4(a)は、Alなど化学的に活性な材料で配線23を形成する場合を示している。入出力端子22は、配線23の絶縁材29が除去されている部分をそのまま利用して形成される。一方、外部接続端子21は、配線23の絶縁材29が除去されている部分にAuなどの化学的に安定な材料からなる端子材A(25)を積層することで形成される。
外部接続端子21の表面は、化学的に安定でハンダに濡れやすい材料で構成され、一方、入出力端子22の表面は、化学的に活性で酸化されやすく、ハンダに濡れにくい材料で構成されることにより、外部回路基板などに圧電デバイスを実装する際、外部接続端子21は、電気的、機械的に安定して接続され固定される。さらに、外部接続端子21と入出力端子22とが短絡することはないため、動作不良などを引き起こすことのない信頼性の高い圧電デバイスを提供することが可能となる。
また、図4(b)のように、配線23の絶縁材29が除去されている部分に、化学的に活性な材料である端子材B(26)を更に積層して入出力端子22を形成した構造としてもよい。
図4(a)では、化学的に活性でハンダに濡れにくい材料で配線23を形成する場合を示しているが、図4(b)の構造では、入出力端子22の配線23の絶縁材29が除去されている部分に化学的に活性な材料である端子材B(26)を積層して入出力端子22を形成することによって、配線23として化学的に安定な材料を用いることも可能となる。
図5は、本発明の第1,2の実施例における圧電デバイスの斜視図であり、実装面から見た図である。
図5において、パッケージ13の実装面27には外部接続端子21と入出力端子22が設けられている。実装面27を上方に向けた状態において、入出力端子22の表面の位置は、外部接続端子21の表面よりも低い位置に形成されている。
図5に示すように、入出力端子22の表面の高さを外部接続端子21の表面の高さよりも低い位置となるように形成することによって、圧電デバイス10Bを外部回路基板(図示せず)にハンダなどの実装材料で実装する際、外部接続端子21の表面と外部回路基板(図示せず)との間の距離よりも、入出力端子22の表面と外部回路基板(図示せず)との間に距離を遠い位置とする。この位置関係とすることによって、外部接続端子21に付着させてハンダなどの実装材料が、入出力端子22に付着することをより効果的に防止することができる。
図5では、外部接続端子21の表面に対して、入出力端子22の表面が窪んだ位置にある場合を示しているが、この構造に限ることはない。実装面を上方に向けた位置とした場合に、外部接続端子21の表面よりも入出力端子22の表面の方が低い位置関係にある構造であれば、同様の効果を得られることは言うまでもない。
[実施例3]
次に、本発明の圧電デバイスの第3の実施例について、図6〜図8を用いて説明する。
図6は本発明の圧電デバイスの第3の実施例を説明するための斜視図であり、図6(a)は本発明における圧電デバイスの基板と蓋体を説明するための斜視図であり、図6(b)は本発明における圧電デバイスを上面から見た斜視図であり、図6(c)は本発明における圧電デバイスを実装面から見た斜視図である。なお、図6(a)は本発明の圧電デバイスの構成をわかりやすく説明するために、構造の一部を分解した状態を示している。
前記した第1、2の実施例は、圧電振動片と回路素子とが電気的に接統され、少なくとも圧電振動片を収納する凹部を基板に設ける構成例を示している。これに対して、第3の実施例は、基板を平板状とし、蓋体を凹部とする形状とした実施例である。
なお、図6に示す第3の実施例の圧電デバイスは、図1,3に示した第1、2の実施例のパッケージ13において、基板11を平板状する構成であり、その他の構成はほぼ同様である。図6では、図1,3で説明した部材と同様の部材には同じ符号を付している。
図6に示す構成では、蓋体12を凹部状に形成して、圧電振動片15を収納するキャビティを形成した構成である。
したがって、本発明は、第1〜第3の実施例に示すように、パッケージ13を構成する基板11あるいは蓋体12の少なくともいずれか一方を凹部状に形成することで、圧電振動片15を収納するキャビティを形成することができる。また、基板11と蓋体12の両方を凹部状に形成して、キャビティを形成してもよい。このパッケージの構成は、回路素子に対して入出力を行う電極端子を有するあらゆる圧電デバイスに適用することが可能である。
図7は、本発明の第3の実施例における圧電デバイスの構造を示す図であり、図7(a)は図7(b)に示すA−A線における平面断面図であり、図7(b)は図7(c)に示すB−B線における側面断面図である。また、図7(c)は実装面の平面図である。
図7において、基板11Aは、シリコンを主成分とする平板状の半導体基板11Aである。半導体基板11Aの一方の面には、圧電振動片15を駆動して発振を制御するための回路素子14が設けられ、回路パターンが形成されている。ここでは、回路素子14は、半導体基板11Aにおいて外部回路基板に実装される面側である。一方、回路素子14が形成された半導体基板11Aの面と裏面側で対向する面には、圧電振動片15を搭載するためのマウント電極16が形成されている。
回路素子14とマウント電極16とは、半導体基板11Aを貫通する貫通電極18により電気的に接続されている。また回路素子14の回路パターン上には、多層配線層30が形成される。多層配線層30は、絶縁層29内に配線23が配設されて形成される。配線23は、電極パッド24によって回路素子14の回路パターンと電気的に接続される。
さらに、この多層配線層30には、外部接続端子21と入出力端子22が形成される。外部接続端子21は、回路素子14と外部回路基板との接続に用いられる。また、入出力端子22は、回路素子14に圧電振動片15の制御データを入力する入力端子、あるいは圧電振動片15の特性を出力する出力端子として用いられる。
図7(a)、図7(b)において、圧電振動片15は、その表面に励振電極15aおよび接続電極15bが蒸着等の手段により形成される。接続電極15bは、半導体基板11Aに形成されたマウント電極16に導電性接着剤17によって電気的および機械的に接続されている。ここに示す例では、圧電振動片15とマウント電極16との接続は導電性接着剤17を用いて行っているが、導電性接着剤17に限らず他の接合手段を用いてもよい。例えば、金属バンプ等により接続してもよい。
このように圧電振動片15を半導体基板11Aに搭載した後、キャビティ13aを有する蓋体12を、圧電振動片15を覆うように平板状の半導体基板11Aに接合し、これによってパッケージ13を有した圧電デバイス10Cが完成される。
蓋体12としては、金属製の蓋体やシリコン製の蓋体が適用できる。また、接合方法としては、蓋体12の開口周縁部の全周に接着剤を塗布し接合する方法、半導体基板11Aと蓋体12との接合界面にAu−Snを設け、これを加熱溶融させて接合する方法、あるいは、半導体基板11Aと蓋体12の接合面表面を活性化処理し接合する表面活性化接合等を適用することができる。
図8は本発明の第3の実施例の断面図を示し、外部接続端子および入出力端子と回路素子の電極パッドとの接続状態の一例を示している。ここでは、回路素子の回路パターンが、半導体基板11Aの実装面27側に形成される例を示している。
第3の実施例は、パッケージにおいて基板の形状を平板状とした点を除いては、第2の実施例に示したパッケージと同様とすることができる。
図8(a)に示すように、回路素子14が有する複数の電極パッド24は、それぞれ配線23と接続される。また、回路素子14は、半導体基板11Aを貫通する貫通電極18によってマウント電極16と電気的に接続されている。
配線23は、回路素子14の回路パターンと絶縁を保つために絶縁材29で覆われている。絶縁材29は、外部接続端子21および入出力端子22に当たる部分が除去され、この部分の配線23は露出して外部と導通可能な構造となっている。
図8(a)は、Alなど化学的に活性な材料で配線23を形成する場合を示している。入出力端子22は、配線23の絶縁材29が除去されている部分をそのまま利用して形成される。一方、外部接続端子21は、配線23の絶縁材29が除去されている部分にAuなどの化学的に安定な材料からなる端子材A(25)を積層することで形成される。
外部接続端子21の表面は、化学的に安定でハンダに濡れやすい材料で構成され、一方、入出力端子22の表面は、化学的に活性で酸化されやすく、ハンダに濡れにくい材料で構成されることにより、外部回路基板などに圧電デバイスを実装する際、外部接続端子21は、電気的、機械的に安定して接続され固定される。さらに、外部接続端子21と入出力端子22とが短絡することはないため、動作不良などを引き起こすことのない信頼性の高い圧電デバイスを提供することが可能となる。
また、図8(b)のように、配線23の絶縁材29が除去されている部分に、化学的に活性な材料である端子材B(26)を更に積層して入出力端子22を形成した構造としてもよい。
図8(a)では、化学的に活性でハンダに濡れにくい材料で配線23を形成する場合を示しているが、図8(b)の構造では、入出力端子22の配線23の絶縁材29が除去されている部分に化学的に活性な材料である端子材B(26)を積層して入出力端子22を形成することによって、配線23として化学的に安定な材料を用いることも可能となる。
なお、これまで実施の形態の説明では、圧電デバイスを外部回路基板へ実装する際にハンダ等の実装部材を塗布しているが、本発明における圧電デバイスの範疇には、外部接続端子にあらかじめハンダ等の実装部材を形成した構造の圧電デバイスも含んでいる。
本発明は、小型の圧電デバイスに活用することが可能である。

Claims (11)

  1. 圧電振動片と回路素子とが電気的に接続される圧電デバイスにおいて、
    前記圧電デバイスは少なくとも圧電振動片を内部に収納するパッケージを備え、
    当該パッケージは基板と蓋体とで構成され、当該パッケージの外表面に、前記回路素子と前記圧電振動片の少なくとも何れか一方と電気的に接続される電極端子を有し、
    前記電極端子は、パッケージの外部回路基板への実装において、当該外部回路基板と電気的に接続される外部接続端子と、当該外部回路基板と電気的に非接続とする入出力端子とにより構成され、
    前記外部接続端子の表面と前記入出力端子の表面はそれぞれ異なる材料で形成され、
    前記外部接続端子の表面は化学的に安定でハンダに濡れやすい材料であり、
    前記入出力端子の表面は化学的に活性で酸化しやすくハンダに濡れにくい材料であり、
    前記基板は半導体基板で構成され、当該半導体基板の対向する表裏面の少なくとも何れか一方の面に回路素子を構成する回路パターンが形成され、
    前記表裏面のいずれか一方の面は、前記パッケージを外部回路基板に実装する際の実装面であり、
    前記実装面となる基板の一方の面に前記回路素子が形成され、基板の他方の面に前記圧電振動片が搭載され、
    前記圧電振動片と前記回路素子は、前記基板を貫通する貫通電極によって電気的に接続され、
    前記回路素子上に、当該回路素子と電気的に接続された配線を含む多層配線層が形成され、
    前記外部接続端子および前記入出力端子は、前記多層配線層の所定の配線を介して前記回路素子と接続されることを特徴とする圧電デバイス。
  2. 請求項に記載の圧電デバイスにおいて、
    前記多層配線層の所定の配線の表面に一部を除いて絶縁層が形成され、前記絶縁層に覆われない前記配線の露出表面は前記入出力端子および前記外部接続端子を形成することを特徴とする圧電デバイス。
  3. 請求項に記載の圧電デバイスにおいて、
    前記入出力端子の端子面と前記外部接続端子の端子面は高低差を有することを特徴とする圧電デバイス。
  4. 請求項に記載の圧電デバイスにおいて、
    前記入出力端子の端子面は、前記外部接続端子の端子面に対して前記回路素子側に位置することを特徴とする圧電デバイス。
  5. 請求項に記載の圧電デバイスにおいて、
    前記基板は平板状であり、
    前記蓋体は前記圧電振動片を内部に納める空間を有する凹部形状であり、
    前記蓋体の周辺端部を前記基板の面に接合して前記圧電振動片を封止することを特徴とする圧電デバイス。
  6. 請求項に記載の圧電デバイスにおいて、
    前記基板は前記圧電振動片を内部に納める空間を有する凹部形状であり、
    前記蓋体は平板状であり、
    前記基板の周辺端部を前記蓋体の面に接合して前記圧電振動片を封止することを特徴とする圧電デバイス。
  7. 請求項1からの何れか一つに記載の圧電デバイスにおいて、
    前記外部接続端子の表面上に実装用のハンダを備えることを特徴とする圧電デバイス。
  8. 請求項1からの何れか一つに記載の圧電デバイスにおいて、
    前記外部接続端子は、少なくともその表面が金(Au)、銀(Ag)、白金(Pt)、パラジウム(Pd)、ロジウム(Rh)、ルテニウム(Ru)、イリジウム(Ir)、オスミウム(Os)、銅(Cu)のうちの少なくとも一種類を主成分で構成されていることを特徴とする圧電デバイス。
  9. 請求項1からの何れか一つに記載の圧電デバイスにおいて、
    前記入出力端子は、その表面がアルミニウム(Al)、チタン(Ti)、クロム(Cr)、ニッケル(Ni)のうちの少なくとも一種類を主成分で構成されていることを特徴とする圧電デバイス。
  10. 請求項1からの何れか一つに記載の圧電デバイスにおいて、
    前記入出力端子は、パッケージの外部回路基板への非実装時において、回路素子への制御データの入力と、圧電デバイスからの特性データの出力の少なくとも何れか一方の入出力を行う電極端子であることを特徴とする圧電デバイス。
  11. 請求項1から10の何れか一つに記載の圧電デバイスにおいて、
    前記外部接続端子と前記入出力端子の表面は、パッケージの表面に対して異なる高低差を有することを特徴とする圧電デバイス。
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