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JP4740272B2 - 内燃機関の吸気制御装置 - Google Patents

内燃機関の吸気制御装置 Download PDF

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Description

内燃機関の吸気制御装置に関する。
エアーフローメータの劣化および初期ばらつき等によるエアーフローメータセンサ値のズレについての補正は、エアーフローメータのセンサ値に基づいて決定された燃料噴射量に対するLAFセンサを用いた空燃比フィードバック補正により実施していた。
またエアーフローメータの故障検知は、吸気管内圧力センサのセンサ値との簡易的な状態方程式よりシリンダー流入空気量を推定し、その値とエアーフローメータのセンサ値との比較により実施していた。
例えば特許文献1に示されるように、吸入空気量の検出値と学習値を比較し、検出値が学習値に対して所定割合以上変化している運転領域が所定数以上あるときには、エアーフローメータの出力の傾きやオフセット量等、特性変化故障があると診断するものが知られている。
特開2000-274299号公報
上述のLAFセンサを用いてエアーフローメータのセンサ値を補正する方法では、燃料噴射弁およびパージのばらつきによってLAFセンサにズレが生じた場合にもエアーフローメータのセンサ値がばらついていると誤判断されるおそれがある。また、吸気管内圧力センサを用いてシリンダー流入空気量を推定する方法では、精度が低く、エアーフローメータのセンサ値の特性が大幅にずれるまで故障検知ができないおそれがある。
したがって、エアーフローメータのセンサ値をより良好な精度で補正することのできる手法が望まれている。また、より良好な精度でエアーフローメータの故障検知を行う手法が望まれている。
この発明の一実施形態によると、吸気管内のゲージ圧を所定の基準ゲージ圧に保持するよう制御されるスロットル弁と、吸気管と内燃機関の間に接続されたブローバイガス通路と、スロットル弁開度センサを備える内燃機関の吸気制御装置は、スロットル弁の上流に設けられ、吸気管を通る吸入空気量を検出する検出手段と、補正係数を用いて検出された吸入空気量を補正する手段と、該補正された吸入空気量および推定吸入空気量との比較に基づいて補正係数を更新する手段と、を備える。この推定吸入空気量は、スロットル弁開度センサから得られるスロットル開口面積に基づいて求められる、スロットル弁を通過する空気量であるスロットル通過空気量、および基準ゲージ圧に基づいて求められる、ブローバイガス通路を通過する空気量であるPCV通過空気量に基づいて求められる。
この形態によると、スロットル弁を通る空気量だけではなく、PCVを通る空気量をも考慮して吸入空気量を推定するので、吸入空気量の検出値の補正精度を向上させることができる。また、推定吸入空気量を用いるので、LAFセンサ、燃料噴射弁、パージのバラツキによる影響を排除することができるという利点が得られる。
この発明の一実施形態によると、検出手段は、エアーフローメータである。
この発明の一実施形態によると、所定の基準ゲージ圧は大気圧に近い値である。
この形態によると、PCV通過空気量が安定した状態であるため推定吸入空気量をより高い精度で算出できるという利点が得られるまた、ゲージ圧が大気圧に近い条件で補正するため、吸気管絶対圧センサ及び大気圧センサのバラツキによる影響を減らして吸入空気量を補正することができるという利点が得られる。
この発明の一実施形態によると、基準ゲージ圧、所定の基準大気圧および基準吸気温度におけるスロットル通過空気量とスロットル開口面積との関係を表す第1のマップを記憶する手段をさらに備え、スロットル通過空気量は、第1のマップおよび現在のスロットル開口面積に基づき算出された基準スロットル通過空気量、現在の大気圧、および現在の吸気温度に基づいて算出される。また、PCV通過空気量は、基準ゲージ圧、所定の基準大気圧、および基準吸気温度に基づき算出された基準PCV通過空気量、現在の大気圧、および現在の吸気温度に基づいて算出される。
この形態によると、大気圧毎および吸気温度毎にマップを定義してメモリに記憶しなくてよいという利点が得られる。
この発明の一実施形態によると、吸入空気量の大きさについて複数の運転状態領域が設定されると共に、補正係数は複数の運転状態領域のそれぞれについて設定され、複数の運転状態のどの運転状態領域にあるか判定し、判定された運転状態領域の補正係数を算出する。
吸入空気量の領域毎に検出値のばらつきの大きさが異なるおそれがある。この形態によると、このようなばらつきを補償することができるという利点が得られる。
この発明の一実施形態によると、現在の内燃機関の運転状態を判定する手段をさらに有しており、運転状態が所定の条件を満足した場合に吸入空気量を補正する。
この形態によると、運転状態が安定しているため、より高い精度で吸入空気量を補正することができるという利点が得られる。
前記内燃機関の運転状態を判定する手段は、スロットル弁の開度が全閉でない所定の開度範囲内であるかを判定することを含む、
この形態によると、スロットル弁の開度が中開度の状態で吸入空気量を補正することができるので、カーボン詰まりによる影響を排除することができるという利点が得られる。
この発明の一実施形態によると、補正係数に基づき検出手段の故障を判定する手段をさらに有する。
この形態によると、推定吸入空気量を用いることにより補正係数の精度が向上するので、吸入空気量を検出する手段の故障をより高い精度で判定することができるという利点が得られる。
次に図面を参照してこの発明の実施の形態を説明する。図1は、この発明の一実施形態に従う、内燃機関(以下、エンジンと呼ぶ)および吸気制御装置1の全体的な構成図である。
電子制御ユニット(以下、「ECU」)という)2は、中央演算処理装置(CPU)と、読み取り専用メモリ(ROM)およびランダムアクセスメモリ(RAM)を有するメモリを備えるコンピュータである。ROMには、車両の様々な制御を実現するためのコンピュータ・プログラムおよび該プログラムの実施に必要なデータ(マップを含む)を格納することができる。ROMには、EPROMのような不揮発性メモリが含まれる。RAMには、CPUによる演算のための作業領域が設けられる。ECU2は、車両の各部から信号を受取ると共に、該メモリに記憶されたデータおよびプログラムに従って演算を行い、車両の各部を制御するための制御信号を生成する。
エンジン3は、たとえば4気筒を有するエンジンである。エンジン3には、吸気管4および排気管5が連結されている。
燃料噴射弁7が、エンジン3とチャンバ8との間にあって、エンジン3の吸気バルブ(図示せず)の少し上流側に、気筒ごとに設けられている。燃料噴射弁7は、ECU2からの制御に従って燃料を噴射する。燃料噴射弁7の燃料噴射時期および燃料噴射量は、ECU2からの制御信号に従って変更される。代替的に、燃料噴射弁を、エンジン3の気筒内に臨むように取り付けてもよい。
チャンバ8には、吸気管内絶対圧(PB)センサ11が設けられており、吸気管内の圧力を検出する。また、PBセンサ11の下流には吸気温(TA)センサ12が設けられており、吸気管内の温度を検出する。これらの検出値は、ECU2に送られる。
スロットル弁9は、ECU2からの制御信号に応じてアクチュエータ(図示せず)によって駆動されるドライブバイワイヤ(drive by wire:DBW)式のスロットル弁である。スロットル弁9の開度は、吸気管4内のゲージ圧を所定の基準ゲージ圧に保持するように制御される。ゲージ圧は、吸気管内絶対圧の大気圧に対する差圧を示す。スロットル弁9には、スロットル弁の開度を検出するスロットル弁開度(θTH)センサ15が連結されており、この検出値はECU2に送られる。
スロットル弁9の上流には、吸入空気量を検出する手段であるエアーフローメータ(AFM)10が設けられており、この検出値はECU2に送られる。
スロットル弁9およびAFM10との間から、エンジンを経由して(この部分は図では省略されている)吸気管に至る配管すなわちブローバイガス通路13が接続(連結)されている。ブローバイガス通路13は吸気管4に入る新気を取り込み、エンジン3のクランクケースに漏れ出すブローバイガスを吸気管4に還流する。ブローバイガス通路13が吸気管4に接続される部分には、PCV(Positive Crankcase Ventilation)弁14が設けられており、PCV弁14は、ECU2からの制御信号に従って、環流するガスの量を制御する。
この実施例では、可変動弁装置6が設けられ、吸気バルブのリフト量を変更することができる可変リフト機構と、吸気バルブを駆動するカムのクランク軸を基準とした位相を連続的に変更する可変位相機構とを有する。
可変リフト機構は、任意の既知の手法により実現することができる。(たとえば、特開2004−036560号を参照)。可変位相機構は、任意の既知の手法により実現することができる。(たとえば、特開2000―227033号を参照)。
ECU2には、エンジン外部の任意の位置に設けられた大気圧(PA)センサ16、エンジン3のクランク軸の回転角度を検出するクランク角センサ17およびエンジン3の吸気バルブを駆動するカムが連結されたカム軸の回転角度を検出するカム角センサ18が接続されており、このセンサの検出値はECU2に供給される。
クランク角センサ17は、所定のクランク角度(たとえば30度)毎に1パルス(CRK信号)を発生し、該パルスにより、クランク軸の回転角度位置を特定することができる。
カム角センサ18は、エンジン3の特定の気筒の所定クランク角度位置でパルス(CYL信号)と、各気筒の吸入行程開始時の上死点(TDC)でパルス(TDC信号)を発生する。これらのパルスは、燃料噴射時期、点火時期等の各種の制御タイミングおよびエンジン回転数NEの検出に使用される。
ECU2は、上記各種センサからの入力信号に応じて、メモリに記憶されたプログラムおよびデータ(マップを含む)に従い、エンジン3の運転状態を検出すると共に、スロットル弁9、燃料噴射弁7、PCV弁14、可変動弁装置6を制御するための制御信号を生成する。
図2は、本願発明の一実施形態に従う制御装置の機能ブロック図である。本願発明の目的の1つは、AFM10のセンサ値に基づいて検出される吸入空気量を、吸入空気量の推定値を用いて補正することである。
運転状態判定部21は、所定の運転条件によって現在のエンジンの運転状態を判定する。吸入空気量算出部22は、AFM10によって検出されたセンサ値に基づいて、吸入空気量GAIRを求める。吸入空気量補正部23は、後述する所定の補正係数KREF_AFMを用いて吸入空気量GAIRを補正し、補正済み吸入空気量GAIR_AFMを求める。
推定吸入空気量算出部24は、スロットル弁9を通過する空気量(スロットル通過空気量GAIR_THと呼ぶ)だけでなく、ブローバイ通路13に流入する空気量(PCV通過空気量と呼ぶ)を考慮した吸入空気量の推定値である推定吸入空気量HGAIR_AFMを算出する。補正係数算出部25は、補正済み吸入空気量GAIR_AFM、所定の補正係数KREF_AFM、運転状態および推定吸入空気量HGAIR_AFMに基づいて今回の補正係数KREF_AFMを算出する。
以下、図2に示す各機能ブロックを詳細に説明する。
運転状態判定部21では、エンジンの運転状態が所定の条件を満たしているかを判定し、判定フラグF_AFMREFに該判定結果を設定する。所定の条件には、前述したようにゲージ圧が基準ゲージ圧に達しているかどうかの判断を含む。
判定フラグF_AFMREFの値が、上記所定の条件を満たしていることを示すならば、吸入空気量算出部22では、吸入空気量GAIRを求める。図3に示すようなAFMセンサ値および吸入空気量の関係を表す吸入空気量マップが、シミュレーション等によって予め作成されECU2のメモリに記憶されている。吸入空気量算出部22は、検出されたAFMのセンサ値に基づき吸入空気量マップを参照し、対応する吸入空気量GAIRを求める。
吸入空気量補正部23では、吸入空気量算出部22で算出された吸入空気量GAIRを、後述する補正係数算出部25により算出されている補正係数KREF_AFMで補正し、補正済み吸入空気量GAIR_AFMを求める。一例では、該補正係数KREF_AFMには前回の運転サイクルの最後に該補正係数について算出された値(最終値)が用いられる。ここで、運転サイクル(D/C)とは、イグニッションのオンからオフまでの間を示す。前回のD/Cの値を用いるのは、AFM10が正常に稼働している場合には、補正係数KREF_AFMの値の変動は小さいからである。補正係数KREF_AFMの詳細については後述する。
推定吸入空気量算出部24では、θTHセンサ15、TAセンサ12およびPAセンサ16によって検出されたセンサ値から求められたスロットル通過空気量GAIR_THと、基準ゲージ圧、TAセンサ12およびPAセンサ16によって検出されたセンサ値から求められたPCV通過空気量GAIR_PCVに基づいて推定吸入空気量HGAIR_AFMを算出する。
補正係数算出部25は、補正済み吸入空気量GAIR_AFMおよび推定吸入空気量HGAIR_AFMの比較に基づいて、補正係数KREF_AFMを更新する。
本実施形態では、更新対象となる補正係数KREF_AFMには前回のD/Cの最終値が用いられる。これは、吸入空気量補正部23を参照して前述したように、AFM10が正常に稼働している場合には、補正係数KREF_AFMの値の変動は小さいからである。補正係数算出部25で求められた今回のD/Cの最終値はECU2の不揮発性メモリに記憶され、吸入空気量補正部23による次のD/Cにおける補正で用いられる。なお、補正係数の初期値(たとえば、車両の出荷後の最初のD/Cで用いられる)は、任意の適切な値に設定されることができ、該最初のD/Cでは、吸入空気量補正部23および補正係数算出部25では、該初期値を用いて演算することができる。
この形態によると、スロットル通過空気量だけではなく、PCV通過空気量をも考慮して吸入空気量を推定するので、吸入空気量の検出値の補正精度を向上させることができる。また、検出された吸入空気量の補正に、推定吸入空気量に基づく補正係数を用いるので、LAFセンサ、燃料噴射弁、パージのバラツキによる影響を排除することができるという利点が得られる。こうして補正された吸入空気量は、例えば燃料噴射量の算出に用いられることができる。
好ましくは、故障判定部26を設けてもよく、故障判定部26では、補正係数算出部25で求められた補正係数KREF_AFMに基づいてAFM10の故障判定を行う。
この形態によると、推定吸入空気量を用いることにより補正係数の精度が向上するので、吸入空気量を検出する手段の故障をより高い精度で判定することができるという利点が得られる。
本実施形態では、各機能ブロックによる処理は所定の制御周期(例えばTDC信号に同期した周期)で実行される。よって、補正係数も補正係数算出部25により該制御周期毎に更新される。しかし、本実施形態では、前述したように補正係数の値の変動は小さいので、吸入空気量補正部23および補正係数算出部25では、前回のD/Cにおいて算出された補正係数を用いる。一方、故障判定では、故障発生に応じて速やかに故障判定するのが好ましいので、制御周期毎に更新された補正係数を用いる。代替的に、吸入空気量補正部23および補正係数算出部25では、制御周期毎に更新された補正係数を用いてもよい。
次に図4を参照して、推定吸入空気量算出部24の詳細な機能ブロック図について説明する。本実施形態の推定吸入空気量HGAIR_AFMは、スロットル通過空気量GAIR_THおよびPCV通過空気量GAIR_PCVを加算することにより算出される。
推定吸入空気量HGAIR_AFMを算出する意図を説明する。AFM10は、吸気管4のスロットル弁9に向かう空気量を検出するが、図1に示すように、スロットル弁9の上流にはブローバイガス通路13が接続されている。したがって、吸気管4に入ってくる新気は、スロットル通過空気量とPCV通過空気量とからなる。この両方の空気量を推定し、これを、AFM10のセンサ値に基づく吸入空気量と比較しようとするものである。したがって、スロットル弁9とAFM10との間に他の通路が接続される場合には、この通路へ流れる空気量も加算して推定吸入空気量を求めるのが好ましい。例えば、スロットル弁9をバイパスするバイパス通路が設けられているエンジンの場合、該バイパス通路上に設けられた制御弁の開度(開口面積)に基づいて該バイパス通路を通過する空気量を求めることができる。これに対し、例えばパージ通路13およびEGR通路等のスロットル弁9の下流に接続される通路については考慮しなくてよい。
スロットル通過空気量GAIR_THの算出について説明する。基準スロットル通過空気量算出部31は、θTHセンサ15によって検出されたセンサ値θTHに基づいて、スロットルの開口面積THAを求める。例えば、ECU2のメモリに記憶されているスロットルセンサ値とスロットルの開口面積との関係を表すマップを参照することにより、開口面積THAを求めることができる。
所定の基準状態、すなわち基準となるゲージ圧、大気圧、および吸気温度におけるスロットル開口面積とスロットル通過空気量との関係を表すマップを、該算出したスロットルの開口面積THAに基づいて参照し、該基準状態下における基準スロットル通過空気量GAIR_TH_BASEを求める。
図5に、このような相関マップの一例を示す。この例では、ゲージ圧が−100mmHG(−13.333kPa)(すなわち大気圧より100mmHG低いことを示す)、大気圧が1気圧(760mmHGすなわち101.32kPa)、吸気温度が25度である基準状態下におけるスロットル通過空気量とスロットル開口面積との関係を表している。該相関マップは、ECU2のメモリに記憶されることができる。基準状態は、上記のような数値に限定されず、他の値のゲージ圧、大気圧および吸気温度を持つ状態を基準状態に設定してもよい。
より具体的には、スロットル通過空気量算出部32はTAセンサ12により検出される現在の吸気温度TA、PAセンサ16により検出される現在の大気圧PAに基づいて、基準状態下の基準スロットル通過空気量GAIR_TH_BASEを補正し、現在の状態下のスロットル通過空気量GAIR_THに換算する。本実施形態では前述の通り、ゲージ圧は所定の基準ゲージ圧に制御されており、現在の状態下におけるゲージ圧は基準ゲージ圧に等しい。この補正は、ベルヌーイの定理に基づいて導出された補正式を用いて次式のように行なわれる。
Figure 0004740272
TA_STDは、基準状態下の基準吸気温度であり、PA_STDは、基準状態下の基準大気圧であり、前述したように、本実施形態では、それぞれ、25℃、および760mmHg(101.32kPa)である。なお、式において、温度の単位としてケルビンを用いるので、TAおよびTA_STDに273が加算されている。この形態によると、大気圧毎および吸気温度毎にマップを定義してメモリに記憶しなくてよいという利点が得られる。
ここで、図6を参照して、上記式の導出根拠を説明する。図には、スロットル弁9が配置された吸気管4に関する各種パラメータが表されている。吸気管4の流路開口面積およびボア径(内径)は予め決められており、それぞれ、AおよびDによって表される。スロットル弁9が配置された所の面積すなわちスロットル開口面積は、Aで表される。スロットル弁9の上流の圧力は大気圧PAで表され、下流の圧力は、PBセンサ11により検出され、PBで表される。ゲージ圧PBGAは、大気圧PAに対するPBの差圧を示す。空気密度は、ρで表される。図では、GAIR_THの流量の通過空気量が、スロットル弁9を通過している様子を示している。
一般に、圧力(ここでは、大気圧)PAの領域から、断面積Aの経路を介して圧力PBの領域へ、流量GAIR_THの空気が流入する場合、流量GAIR_THは、ベルヌーイの定理に基づいて、次式のように表される。
Figure 0004740272
ここで、Cは、流量係数(流出係数と呼ばれることもある)である。
同様に、基準ゲージ圧PBGA_STD、基準吸気温度TA_STD、基準大気圧PA_STDの基準状態下において、断面積Aの経路を介して流量GAIR_TH_BASEの空気が流れるとき、流量GAIR_TH_BASEは次式のように表される。ここで、ρ’は、この状態下における空気密度である。
Figure 0004740272
式(3)より、流量係数Cは次のように表される。
Figure 0004740272
式(4)を式(2)に代入すると、以下のように展開できる。
Figure 0004740272
ここで、ρ/ρ’は空気密度の比であり、既知の気体の状態方程式(PV=nRT)に基づいて次のように表される。
Figure 0004740272
式(6)を式(5)に代入すると、以下のように展開できる。
Figure 0004740272
本実施形態では、前述したようにPBGA=PBGA_STDとなるように制御されており、式(7)より、吸気温度TA、大気圧PAにおけるスロットル通過空気量GAIR_THを求めるための(1)式が導出される。
次にPCV通過空気量GAIR_PCVの算出について説明する。基準PCV通過空気量算出部33は、基準ゲージ圧について予め決められた基準PCV通過空気量GAIR_PCV_BASEを求める。例えば図7に示すように、所定の基準状態、すなわち基準となる大気圧、および吸気温度におけるゲージ圧とPCV通過空気量との関係がシミュレーション等によって予め判明しており、基準ゲージ圧に対応するPCV通過空気量をECU2の不揮発性メモリに予め記憶しておくことができる。
基準ゲージ圧は、図7から明らかなように、例えば−100mmHG(−13.333kPa)のようにPCV通過空気量が安定する所に設定されるのが好ましい。この形態によると、PCV通過空気量が安定した状態であるため推定吸入空気量をより高い精度で算出できるという利点が得られる。さらに、基準ゲージ圧は大気圧に近い条件が好ましく、例えば−100mmHG(−13.333kPa)である。この形態によると、ゲージ圧が大気圧に近い条件で補正されるため、吸気管絶対圧センサ及び大気圧センサのバラツキによる影響を減らして検出された吸入空気量を補正することができるという利点が得られる。
PCV通過空気量算出部34は、スロットル通過空気量GAIR_THの算出と同様に、基準状態下の基準PCV通過空気量GAIR_PCV_BASEを補正し、現在の状態下のPCV通過空気量GAIR_PCVに換算する。
Figure 0004740272
次に図8〜図13を参照して、本願発明の一実施例に従う、制御フローを説明する。
図8は、メインフローを示し、該フローに示されるプロセスは、ECU2により実行され、より具体的には、図2に示される機能ブロックによって実現される。該フローの制御周期は、例えばTDC信号に同期している。
ステップS1において、運転状態の判定を行うプロセスを実行する。ステップS2において、判定フラグF_AFMREF(より具体的には、後述するようにこの実施例には第1〜第3の判定フラグがある)が立てられていればステップS3に進み、それ以外の場合はメインフローを終了する。ステップS3において、前述したように、検出されたAFM10のセンサ値に基づいて、図3に示すようなマップを参照し、吸入空気量GAIRを算出するプロセスを実行する。ステップS4において、吸入空気量GAIRの補正をするプロセスを実行する。ステップS5において、推定吸入空気量HGAIR_AFMを算出するプロセスを実行する。ステップS6において、補正係数を算出するプロセスを実行する。ステップS7において、故障判定を行うプロセスを実行する。
図9a〜cは、図8のステップS1で実行されるプロセスのフローチャートを示す。本実施形態では、吸入空気量GAIRの大きさについて第1運転状態、第2運転状態および第3運転状態という3つの運転状態領域が設定されているため3つの判定が行われる。この実施例では、第1運転状態は比較的小さい吸入空気量の運転状態であり、第3運転状態は比較的大きい吸入吸気量の運転状態であり、第2運転状態は第1と第3の間の吸入吸気量の運転状態である。
図9a〜cはこの3つの各運転状態の判定プロセスを示す。吸入空気量GAIRの大きさについて3つの運転状態が設定される理由としては、AFMによって検出された吸入空気量(吸入空気量GAIR)の誤差の大きさは、該吸入空気量の大きさに依存するおそれがあるからである。したがって、補正係数も運転状態毎に設定される。なお本実施形態では3つであるが任意の数でよい。この形態によると、吸入空気量毎にAFMの検出値のばらつきの大きさが異なるおそれがある場合に、該ばらつきを補償できるという利点が得られる。図8のステップS1では、図9a〜cに示す各運転状態の判定プロセスを順番にまたは同時に実行している。
図9aについて説明をする。ステップS101は、θTHセンサ15によって検出されたセンサ値が所定範囲内にあるかを判定する。所定値は例えば6deg〜15degの範囲であり、全閉でない値に設定される。この形態によると、スロットル弁の開度が中開度の状態で吸入空気量を補正することができるので、カーボン詰まりによる影響を排除することができるという利点が得られる。ステップS102は、基準ゲージ圧が所定値であるかを判定する。所定値は、前述の通り、例えば−100mmHG(−13.333kPa)である。ステップS103〜105は、運転状態が安定しているかどうかを判定するためのものである。ステップS103は、基準ゲージ圧からの偏差が所定値であるかを判定する。所定値は例えば5mmHG(0.666kPa)である。ステップS104aは、検出された吸入空気量GAIRが第1の判定値以下であるかを判定する。第1の判定値は例えば10g/sである。ステップS105は、吸入空気量のばらつき幅が所定値であるかを判定する。所定値は例えば0.5g/sである。ステップS106は、DBWが正常に作動しているかを判定する。ステップS107は、PBセンサ11が正常に作動しているかを判定する。ステップS108は、PAセンサ16が正常に作動しているかを判定する。ステップS109は、PCV弁14が正常に作動しているかを判定する。ステップS110は、学習UPタイマーの値が所定値より大きいかを判定する。これは、ステップS101〜110をみたす運転状態が所定時間以上継続するか判断している。所定時間は例えば2secである。この形態によると、運転状態が安定した状態で補正するので、検出された吸入空気量をより高い精度で補正することができるという利点が得られる。
ステップS101〜110の全てが所定の条件を所定時間以上満たす場合は、ステップS111aにおいて、第1運転状態と判定し、以降の処理を許可するため第1判定フラグF_AFMREF1を1に設定する。ステップS101〜110の所定の条件を1つでも満たさない場合は処理を許可しないので、ステップS112は学習UPタイマーを0に設定し、ステップS113aは第1判定フラグF_AFMREF1を0に設定する。
代替的に、上記所定の条件に現在の運転状態がアイドル状態かどうかの判定を含めてもよい。例えばアイドル状態は、エンジン回転数の変動が少ないこと、アイドル時の目標回転数と実回転数との偏差が少ないこと、暖機状態に達したことおよび、吸気管内圧力の変動が少ないことから判定できる。
次に、図9bおよびcについて説明をする。図9bおよびcについては、図9aと異なるステップのみを説明し、同一のステップについては同一の符号を付し説明を省略する。
図9bについて説明をする。ステップS104bは、吸入空気量GAIRが第1の判定値および第2の判定値の範囲内であるかを判定する。第1の判定値は前述の通りであり、第2の判定値は例えば20g/sである。ステップS101〜110の全てが所定の条件を満たす場合は、ステップS111bは、第2運転状態と判定して第2判定フラグF_AFMREF2を1に設定する。ステップS101〜110の所定の条件を1つでも満たさない場合は、ステップS113bは、第2判定フラグF_AFMREF2を0に設定する。
図9cについて説明をする。ステップS104cは、吸入空気量GAIRが第2の判定値以上であるかを判定する。第2の判定値は前述の通りである。ステップS101〜110の全てが所定の条件を満たす場合は、ステップS111cは、第3運転状態と判定して第3判定フラグF_AFMREF3を1に設定する。ステップS101〜110の所定の条件を1つでも満たさない場合は、ステップS113cは、第3判定フラグF_AFMREF3を0に設定する。
図8に戻り、ステップS2では、第1判定フラグF_AFMREF1、第2判定フラグF_AFMREF2および第3判定フラグF_AFMREF3のいずれかのフラグに値1が設定されているかを判断する。いずれの判定フラグにも1が設定されていない場合には、メインフローは終了する。いずれかの判定フラグに1が設定されていれば、ステップS3に進む。
図10は、図8のステップS4で実行されるプロセスのフローチャートを示す。ステップS3で算出された吸入空気量GAIRを補正して補正済み吸入空気量GAIR_AFMを算出する。ステップS401は、第1判定フラグF_AFMREF1=1であるかを判定する。第1判定フラグF_AFMREF1=1である場合には、第1運転状態用の第1補正係数KREF1_AFMを用いて補正を行う。補正済み吸入空気量GAIR_AFMは以下の式に従って算出される(ステップS402)。
GRIR_AFM=KREF1_AFM(前D/C) ×GAIR (9)
前述したように、式(9)では前回のD/Cの最終値の第1補正係数KREF1_AFMを用いる。
ステップS403は、第2判定フラグF_AFMREF2=1であるかを判定する。第2判定フラグF_AFMREF2=1である場合には、第2運転状態用の第2補正係数KREF2_AFMを用いて補正を行う。補正済み吸入空気量GAIR_AFMは以下の式に従って算出される(ステップS404)。
GRIR_AFM=KREF2_AFM(前D/C) ×GAIR (10)
式(10)では前回のD/Cの最終値の第2補正係数KREF2_AFMを用いる。
ステップS403において、第2判定フラグF_AFMREF2=1でないと判定された場合には、第3運転状態用の第3補正係数KREF3_AFMを用いて補正を行う。補正済み吸入空気量GAIR_AFMは以下の式に従って算出される(ステップS405)。
GRIR_AFM=KREF3_AFM(前D/C) ×GAIR (11)
式(11)では前回のD/Cの最終値の第3補正係数KREF3_AFMを用いる。
代替的に、前述の通り補正係数KREF1_AFM〜KREF3_AFMに、前回の制御周期で算出された補正係数(後述する図12で算出される)を用いてもよい。
図11は、図8のステップS5で実行されるプロセスのフローチャートを示す。ステップS501において、θTHセンサ15によって検出されたセンサ値に基づいてスロットルの開口面積THAを求める。該スロットルの開口面積THAに基づいて、図5に示すようなマップを参照し、基準スロットル通過空気量GAIR_TH_BASEを算出する。ステップS502において、前述した式(1)に従って、スロットル通過空気量GAIR_THを算出する。
ステップS503において、基準ゲージ圧について、基準PCV通過空気量GAIR_PCV_BASEを求める。ステップS504において、前述した式(8)に従って、PCV通過空気量GAIR_PCVを算出する。
図12は、図8のステップS6で実行されるプロセスのフローチャートを示す。ステップS601は、第1判定フラグF_AFMREF1=1であるかを判定する。第1判定フラグF_AFMREF1=1である場合には第1運転状態で用いる第1の補正係数を求める。第1の補正係数KREF1_AFMが以下のように算出される(ステップS602)。
まず、補正済み吸入空気量GAIR_AFMおよび推定吸入空気量HGAIR_AFMとの比率kref1_afmを求める。
kref1_afm=GAIR_AFM/HGAIR_AFM (12)
次に、比率kref1_afmに対してなまし計算(smoothing、平滑化)をする。例えば次のような一次遅れの式を用いて、平滑化を行うことができる。
Kref1_afm=C×Kref1_afm(n)+(1−C)×Kref1_afm(n-1) (13)

ここで、Cは所定の係数を、nは制御周期を表す。
最後に、平滑化した比率kref1_afmを用いて、第1の補正係数KREF1_AFMを算出する。
KREF1_AFM=KREF1_AFM(前D/C) ×kref1_afm (14)
前述したように、式(14)では前回のD/Cの最終値の補正係数KREF1_AFMを用いる。
ステップS603は、第2判定フラグF_AFMREF2=1であるかを判定する。第2判定フラグF_AFMREF2=1である場合には第2運転状態で用いる第2の補正係数を求める。第2の補正係数KREF2_AFMが以下のように算出される(ステップS604)。
まず、補正済み吸入空気量GAIR_AFMおよび推定吸入空気量HGAIR_AFMとの比率kref2_afmを求める。
kref2_afm=GAIR_AFM/HGAIR_AFM (15)
次に、比率kref2_afmに対してなまし計算(smoothing、平滑化)をする。例えば次のような一次遅れの式を用いて、平滑化を行うことができる。
Kref2_afm=C×Kref2_afm(n)+(1−C)×Kref2_afm(n-1) (16)

ここで、Cは所定の係数を、nは制御周期を表す。
最後に、平滑化した比率kref2_afmを用いて、第2の補正係数KREF2_AFMを算出する。
kREF2_AFM=KREF2_AFM(前D/C) ×kref2_afm (17)
式(17)では前回のD/Cの最終値の補正係数KREF2_AFMを用いる。
一方ステップS603において、第2判定フラグF_AFMREF2=1でない場合には第3運転状態で用いる第3の補正係数を求める。第3の補正係数KREF3_AFMが以下のように算出される(ステップS605)。
まず、補正済み吸入空気量GAIR_AFMおよび推定吸入空気量HGAIR_AFMとの比率kref3_afmを求める。
Kref3_afm=GAIR_AFM/HGAIR_AFM (18)
次に、比率kref3_afmに対してなまし計算(smoothing、平滑化)をする。例えば次のような一次遅れの式を用いて、平滑化を行うことができる。
kref3_afm=C×Kref3_afm(n)+(1−C)×Kref3_afm(n-1) (19)

ここで、Cは所定の係数を、nは制御周期を表す。
最後に、平滑化した比率kref3_afmを用いて、第3の補正係数KREF3_AFMを算出する。
KREF3_AFM=KREF3_AFM(前D/C) ×kref3_afm (20)
式(20)では前回のD/Cの最終値の補正係数KREF3_AFMを用いる。なおステップS6で求めた補正係数が今回のD/Cの最終値である場合には不揮発性メモリに記憶され、前述したように、次のD/Cで用いられる。代替的に、前述の通り補正係数KREF1_AFM〜KREF3_AFMに、前回の制御周期で算出された補正係数を用いてもよい。 図13は、図8のステップS7で実行されるプロセスのフローチャートを示す。ステップS701は、式(21)に従って第1の補正係数に基づきAFM10の故障を判定する。
|KREF1_AFM-1| > KREF1_FM_FAL (21)
第1の補正係数KREF1_AFMが1の場合には、吸入空気量GAIRの補正が不要であることを示す。つまり、第1の補正係数KREF1_AFMが1に近い値を示す場合には、AFM10で検出した吸入空気量GAIRの補正量が少なくAFM10が正常に作動していることを示す。そこで、式(21)の左辺で、第1の補正係数KREF1_AFMから1を減算し、その差分の絶対値がしきい値より大きいかどうかで故障判定を行っている。第1のしきい値KREF1_FM_FALは所定のしきい値であって、例えば、第1の補正係数KREF1_AFMの10%〜20%の値である。
ステップS701において、第1の補正係数KREF1_AFMが第1のしきい値KREF1_FM_FALより大きければ、ステップS704において、故障と判定する。
ステップS702は、式(22)に従って第2の補正係数に基づきAFM10の故障を判定する。
|KREF2_AFM-1| > KREF2_FM_FAL (22)
ここで、左辺において1を減算しているのは、第1の補正係数KREF1_AFMの場合と同様の理由である。第2のしきい値KREF2_FM_FALは所定のしきい値であって、例えば、第2の補正係数KREF2_AFMの10%〜20%の値である。
ステップS702において、第2の補正係数KREF2_AFMが第2のしきい値KREF2_FM_FALより大きければ、ステップS704において、故障と判定する。
ステップS703は、式(23)に従って第3の補正係数に基づきAFM10の故障を判定する。
|KREF3_AFM-1| > KREF3_FM_FAL (23)
ここで、左辺において1を減算しているのは、第1の補正係数KREF1_AFMの場合と同様の理由である。第3のしきい値KREF3_FM_FALは、所定のしきい値であって、例えば、第3の補正係数KREF3_AFMの10%〜20%の値である。
ステップS703において、第3の補正係数KREF3_AFMが第3のしきい値KREF3_FM_FALより大きければ、ステップS704において、故障と判定する。
以上に、この発明の特定の実施形態について説明したが、本発明は前述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる他の構成等を含むものである。
本発明の一実施形態に従う、内燃機関およびその制御装置を概略的に示す図。 本発明の一実施形態に従う、内燃機関の吸入空気量の検出値を補正する機能ブロック図。 本発明の一実施形態に従う、吸入空気量を検出する手段の検出値と吸入空気量との関係を表す相関マップ 本発明の一実施形態に従う、推定空気量算出部の機能ブロック図。 本発明の一実施形態に従う、基準状態下におけるスロットル開口面積とスロットル通過空気量との関係を表す相関マップ。 本発明の一実施形態に従う、吸気管に関する各種パラメータを示す図。 本発明の一実施形態に従う、基準状態下におけるゲージ圧とPCV通過空気量との関係を表す相関マップ。 本発明の一実施形態に従う、吸入空気量の補正を行うためのメインフロー。 本発明の一実施形態に従う、運転状態を判定するプロセスのフローチャート。 本発明の一実施形態に従う、運転状態を判定するプロセスのフローチャート。 本発明の一実施形態に従う、運転状態を判定するプロセスのフローチャート。 本発明の一実施形態に従う、吸入空気量の補正をするプロセスのフローチャート。 本発明の一実施形態に従う、吸入空気量の推定値を算出するプロセスのフローチャート。 本発明の一実施形態に従う、補正係数を算出するプロセスのフローチャート。 本発明の一実施形態に従う、故障を判定するプロセスのフローチャート。
符号の説明
1 吸気制御装置
2 ECU
3 エンジン
4 吸気管
9 スロットル弁
10 AFM
11 PBセンサ
12 TAセンサ
13 ブローバイガス通路
14 PCV弁
15 θTHセンサ
16 PAセンサ

Claims (7)

  1. 吸気管内のゲージ圧を所定の基準ゲージ圧に保持するよう制御されるスロットル弁と、吸気管と内燃機関の間に接続されたブローバイガス通路と、スロットル弁開度センサを備える内燃機関の吸気制御装置であって、
    前記スロットル弁の上流に設けられ、吸気管を通る吸入空気量を検出する検出手段と、
    補正係数を用いて前記検出された吸入空気量を補正する手段と、
    前記スロットル弁開度センサから得られるスロットル開口面積に基づいて求められる、前記スロットル弁を通過する空気量であるスロットル通過空気量と、前記基準ゲージ圧に基づいて求められる、前記ブローバイガス通路を通過する空気量であるPCV通過空気量とに基づいて、推定吸入空気量を算出する推定吸入空気量算出手段とを備え、
    前記補正された吸入空気量と前記推定吸入空気量との比率を前記補正係数の前回値に乗算することにより前記補正係数を更新し、さらに、更新後の前記補正係数と1との差分の絶対値が所定のしきい値より大きい場合に前記検出手段が故障であると判定することを特徴とする、吸気制御装置。
  2. 前記検出手段は、エアーフローメータである、請求項1に記載の吸気制御装置。
  3. 前記所定の基準ゲージ圧は、大気圧から所定値を引いた値である、請求項1に記載の吸気制御装置。
  4. 前記基準ゲージ圧、所定の基準大気圧および基準吸気温度におけるスロットル通過空気量とスロットル開口面積との関係を表す第1のマップを記憶する手段をさらに備え、
    前記スロットル通過空気量は、前記第1のマップおよび現在のスロットル開口面積に基づき算出された基準スロットル通過空気量、現在の大気圧、および現在の吸気温度に基づいて算出され、
    前記PCV通過空気量は、前記基準ゲージ圧、所定の基準大気圧、および基準吸気温度に基づき算出された基準PCV通過空気量、現在の大気圧、および現在の吸気温度に基づいて算出される、請求項1に記載の前記吸気制御装置。
  5. 前記吸入空気量の大きさについて複数の運転状態領域が設定されると共に、前記補正係数は該複数の運転状態領域のそれぞれについて設定され、前記複数の運転状態のどの運転状態領域にあるか判定し、該判定された運転状態領域の前記補正係数を算出する、請求項1に記載の前記吸気制御装置。
  6. 現在の内燃機関の運転状態を判定する手段をさらに有し、
    前記運転状態が所定の条件を満足した場合に前記吸入空気量を補正する、請求項1に記載の前記吸気制御装置。
  7. 前記内燃機関の運転状態を判定する手段は、前記スロットル弁の開度が全閉でない所定の開度範囲内にあるかを判定することを含む、請求項6に記載の前記吸気制御装置。
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