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JP4634505B2 - タイヤ用成型ドラムの駆動装置 - Google Patents

タイヤ用成型ドラムの駆動装置 Download PDF

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Description

本発明は、主としてベルト成型ドラム等のタイヤ用成型ドラムの駆動装置に関するものである。
従来より、タイヤの製造における成型工程においては、タイヤ構成部材として、例えば、ゴム材よりなるインナーライナーやゴムチェーファー及びコ−ドを含む補強部材である力−カスプライを成型ドラム周面に貼り付けて積層することにより、円筒状のカーカスバンドを成型し、さらに一次成型ドラムでビードやサイドを成型してグリーンケースとし、次に、前記グリーンケースをシェーピング変形可能な二次成型ドラムに移送して、該グリーンケースをトロイダル状に変形させ、かつその上にコードを含むベルトやトレッドゴム等を貼り付けてグリーンタイヤを成型する成型法が知られている。
また、近年、カーカスバンドとその上に積層するベルト及びトレッドゴムとよりなるベルト/トレッドバンドを、それぞれ別工程で成型しておき、これを合体させて成型する方法も提案されている。
前記の成型方法の実施において、前記ベルト/トレッドバンドを成型する所謂ベルト成型ドラムは、周方向複数に分割された多数のセグメントから構成された拡縮可能なドラムであり、ベルト/トレッドバンドの成型時には、前記各セグメントを拡径した状態に保持して、前記各部材をドラム周面に貼り付けて積層し成型する。そして、成型された円筒状のベルト/トレッドバンドを次工程へ移送するための取り出しの際は、移送装置の把持手段により前記バンドを外周より把持した状態で、前記ベルト成型ドラムの各セグメントを縮径させて、前記バンドを取り外すことが行われている。
そのため、前記ベルト成型ドラムは、ドラム軸としての中心軸部が駆動装置の回転用の駆動手段としてのモータに連結されるとともに、前記各セグメントが拡縮機構を介して拡縮のための駆動手段に連結されている。
成型ドラムの拡縮機構としては、シリンダー装置を利用するもの、ねじ軸を利用するもの等、成型対象のバンドの種別や成型段階の違いに対応して、種々の機構が採用されている。
その一つとして、例えば、ベルト成型ドラムの場合は、成型ドラムの中心軸部を構成する筒状の外側軸の内側に、該外側軸に対して相対回転可能なねじ軸を配し、該ねじ軸に螺合する移動部材と各セグメントとを、テーパコーン等の傾斜ガイドあるいはリンク部材を介して連結し、該ねじ軸の回転によって前記移動部材を軸方向に移動させることにより各セグメントを拡縮動作させる機構が知られている。
この場合、成型ドラムの駆動装置としては、前記外側軸を回転させる回転駆動手段と、前記ねじ軸を回転させて拡縮動作させるための回転駆動手段とが必要になる。これらの回転駆動手段としてはモータが用いられる。
ところで、ベルトやトレッドゴムの貼り付け成型あるいはステッチャーローラによる押圧のためのドラム回転時には、拡縮動作させないために、前記外側軸と内側のねじ軸とが同期して回転する必要があるが、駆動装置に備える拡縮用の前記回転駆動手段、すなわちモータが前記ねじ軸に連結されたままであると、該モータによるブレーキ作用で回転に対する負荷が大きくなり、それだけ大きな電力量が必要になり、不経済である。
特開2003−89158号公報
本発明は、上記の課題を解決するものであり、ベルト成型ドラム等のタイヤ用成型ドラムの駆動装置として、ドラム回転時の負荷を小さくできて経済的であり、しかもドラムの拡縮動作を容易にして確実に行える駆動装置を提供するものである。
上記の課題を解決する本発明のタイヤ用成型ドラムの駆動装置は、ドラム本体が周方向複数に分割されたセグメントにより拡縮可能に構成され、中心軸部が筒状の外側軸とその内側に配されたねじ軸とよりなるタイヤ用成型ドラムの駆動装置であって、前記成型ドラムの前記外側軸に連結される筒状の外軸と、前記ねじ軸に連結される中軸と、前記外軸に連結されたドラム回転用の第1の回転駆動手段と、前記中軸にクラッチを介して断接可能に連結されたドラム拡縮用の第2の回転駆動手段とを備えてなり、前記クラッチの切り替えにより、前記第1の回転駆動手段の作動によるドラム回転時には前記第2の回転駆動手段が前記中軸に対し切断状態に保持され、ドラム拡縮時には前記第2の回転駆動手段が前記中軸に対し接続状態に保持されることを特徴とする。
このタイヤ用成型ドラムの駆動装置によれば、前記第1の回転駆動手段の作動によるドラム回転時には、前記成型ドラムの前記外側軸の回転に同期して内側のねじ軸及びこれに連結された前記中軸が回転するが、この際、前記中軸と拡縮用の第2の回転駆動手段との間に備えるクラッチを切断状態(非接続状態)にしておくことにより、前記第2の回転駆動手段が前記中軸から切り離されて、前記中軸の回転に対し第2の回転駆動手段による負荷が全く作用せず、スムーズに回転できることになる。
また、ドラム拡縮時には、前記クラッチの切り替えにより、前記第2の回転駆動手段を前記中軸に対し接続状態にして、前記第2の回転駆動手段を回転させることにより、前記ねじ軸を回転させることができ、ドラム本体の各セグメントを安定性よく拡縮動作させることができる。
前記の駆動装置において、前記クラッチは、ドラム拡縮時以外は前記第2の回転駆動手段を前記中軸に対し非接続状態に保持するように制御されるものが好ましく、これにより、拡縮動作時以外はドラム本体がみだりに拡縮動作される虞がない。
また、前記第1の回転駆動手段及び前記第2の回転駆動手段としては、それぞれ制御部からの信号により回転駆動されるモータが用いられる。これにより、前記両モータの制御が容易になる。特に、前記第2の回転駆動手段としてのモータについては、制御部からの回転方向を指示する信号により正転及び逆転できるものとすることにより、前記ねじ軸を正転及び逆転させることができ、以て、このねじ軸の回転により前記各セグメントの拡径動作及び縮径動作を確実に行わせることができる。
上記のように、本発明のタイヤ用成型ドラムの駆動装置によれば、回転用の第1の回転駆動手段の作動によるドラム回転時には、拡縮用の第2の回転駆動手段と中軸の間のクラッチが切断状態(非接続状態)に保持されているため、第2の回転駆動手段による負荷を生じることなくスムーズに回転でき、ドラム回転に要する電力量を低減でき、経済性を高めることができる。
しかも、ドラム拡縮時には、前記第1の回転用駆動手段を停止し、前記クラッチを接続状態に切り替えて、前記第2の回転駆動手段を作動させることにより、前記中軸及びこれに連結された前記成型ドラムのねじ軸のみを安定性よく確実に回転させることができ、ドラム本体の各セグメントを確実に拡縮動作させることができる。
また、成型ドラムの回転及び拡縮動作の切り替えを容易に行えるため、回転時の負荷を軽減でき、タイヤ成型の自動化に寄与できることになる。
次に本発明の実施の形態を図面に示す実施例に基づいて説明する。
図1は、本発明に係るタイヤ用成型ドラムの駆動装置の実施例を示す主要部の断面図、図2は成型ドラムの拡縮機構を示す断面図である。
図において、符号Dは成型ドラムであり、この実施例では、タイヤ成型上におけるベルト層とトレッドゴム層とからなる円筒状のベルト/トレッドバンドを成型するためのいわゆるベルト成型ドラムの場合を示し、符号1はドラム本体、2は中心軸部を示している。前記ドラム本体1は、周方向複数に分割されたセグメント1aにより拡縮可能に構成され、また該ドラム本体1の中心軸部2は、ドラム回転用の筒状の外側軸3と、該外側軸3の内側に相対回転自在に貫挿されたドラム拡縮用のねじ軸4との二重軸構造をなしている。
前記各セグメント1aの拡縮機構として、図の例では、前記ねじ軸4のねじ部4aに螺合して該ねじ軸4の回転により軸方向に移動する移動部材5と、前記各セグメント1aとが、それぞれに軸方向に角度変更可能にピン連結されたリンク部材6を介して連結されており、前記移動部材5の軸方向移動により、前記リンク部材6を介して前記各セグメント1aが拡縮動作、つまりは拡径動作あるいは縮径動作するように構成されている。前記の拡縮動作の方向は、前記移動部材5の移動方向によって決まり、例えば、移動部材5の一方向への移動によって拡径動作する場合、他方向への移動によって縮径動作するように構成される。符号7は前記各セグメント1aを外側軸3に対して径方向の変位を可能にして、かつ軸方向の変位を規制するように支持する支持部である。前記ねじ軸4は、その全長に渡ってねじを形成しておく必要はなく、少なくとも前記移動部材5の移動範囲の長さに渡ってねじ部4aが形成されていればよい。
なお、前記各セグメント1aの拡縮機構としてはリンク部材に代えて傾斜ガイドを利用した拡縮構造による実施も可能である。
本発明の駆動装置10は、前記成型ドラムDの中心軸部2における外側軸3と、内側のねじ軸4とをそれぞれ回転駆動するものである。この駆動装置10の主軸部12は、前記成型ドラムDの前記外側軸3が連結される外軸13と、前記ねじ軸4が連結される中軸14との二重軸構造をなしている。符号8は前記外側軸3と前記外軸13とのポルト締結による連結部を示し、符号9は前記ねじ軸4と前記中軸14との角軸係合等による連結部を示す。
図の場合、前記主軸部12は、前記外軸13が移動支持台30上に設けられた支持部31において、軸方向に間隔を存して複数個所(図は2個所)に配された軸受32,32により回転自在に略水平に支承されており、これにより、該主軸部12に連結される前記成型ドラムDを片持ち支持するように設けられている。前記中軸14は、ドラム支持側の端部近傍の個所が前記外軸13の内側に配された軸受33により支承され、またドラム支持側とは反対側で前記外軸13より軸方向に長く延びている突出端側部分14aが前記移動支持台30上の支持部材34の中央開口34aを貫通して支持されている。
前記主軸部12における前記外軸13には、ドラム支持側とは反対側の端部に、ドラム回転用の第1の回転駆動手段としての第1モータ15が連結されており、この第1モータ15の回転により、前記外軸13及びこれに連結された前記成型ドラムDの前記外側軸3を回転させ、ドラム本体1を回転駆動できるように設けられている。前記第1モータ15は、アウターロータ型の環状のモータであり、前記外軸13より軸方向に延びている前記中軸14の突出端側部分14aの外方で前記支持部材34に取り付けられており、該第1モータ15のロータ部材(図示省略)に固定された筒状連結部材16の端部16aが前記外軸13の端部13aにボルト締結されている。17はその締結部を示す。
また、前記主軸部12における中軸14には、前記第1モータ15及び前記支持部材34の筒部34aを貫通して突出している軸端部に、ドラム拡縮用の第2の回転駆動手段としての正逆回転が可能な第2モータ20がクラッチ21を介して断接自在に連結されている。すなわち、前記のクラッチ21により、前記第2モータ20を、前記中軸14に対し切断状態(非接続状態)と接続状態とに切り替えることができるように設けられている。そして、接続状態において、前記第2モータ20を回転させることにより、前記中軸14を介して前記成型ドラムDの前記ねじ軸4を回転させることができるように構成されている。
前記第2モータ20は、支持脚22を介して前記支持部材34に取付固定されており、該第2モータ20の出力軸23と、前記中軸14の軸端部との間に前記クラッチ21が設けられている。このクラッチ21としては、前記中軸14の軸端部と出力軸23の端部とに互いに係脱可能な係合部材21a,21bを設ける等、伝動状態の断接可能な種々の構造のクラッチを用いることができるが、この実施例では作動制御の容易性から電磁式のクラッチが用いられている。
ドラム回転用の前記第1モータ15及びドラム拡縮用の前記第2モータ20は、それぞれ制御部(図示せず)に電気的に接続されており、該制御部からの指令信号により、ベルト貼り付け等の成型作業、及び、成型されたベルト/トレッドバンドの取り出し作業等の成型サイクルにおける各作業の必要性に応じて適宜回転するように制御されるように構成されている。特に、前記第2モータ20については、制御部からの回転方向を指示する信号により、正転あるいは逆転するように構成されており、これにより、前記ねじ軸4の正転あるいは逆転により前記移動部材5の移動方向を適宜選定でき、前記各セグメント1aを拡径動作、或いは縮径動作させることができるように構成されている。また、前記クラッチ21についても、前記制御部に電気的に接続されて該制御部からの指令信号により、成型サイクル上の必要に応じて適宜切り替え動作するように設けられている。
特に、前記クラッチ21の切り替えにより、前記第1モータ15の作動によるドラム回転時には、前記第2モータ20が前記中軸14に対し切断状態(非接続状態)に保持され、また前記第1モータ15によるドラム回転が停止した状態でのドラム拡縮時には、前記第2モータ20が前記中軸14に対し接続状態に保持するように設定されている。
このタイヤ用成型ドラムDの駆動装置10による作動状態について説明する。該装置の主軸部12に連結されて支持された成型ドラムDは、ドラム本体1の各セグメント1aを拡径状態に保持して、例えばベルト及びトレッドゴムの貼り付け成型、並びに押圧ローラ等のステッチャー(図示せず)によるステッチング等の作業を行う。この際、前記主軸部12の外軸13に連結された回転用の第1モータ15を作動させて、該第1モータ15の回転を前記中軸13を介して前記成型ドラムDの外側軸3に伝え、該成型ドラムDを回転させる。
このとき、前記主軸部12における中軸14と拡縮用の第2モータ20との間に介在するクラッチ21を切断状態(非接続状態)に保持し、ドラム拡縮用の第2モータ20を前記中軸14から切り離しておくものとする。そのため、前記のドラム回転時には、前記外側軸3の回転に伴って内側のねじ軸4及びこれに連結された前記中軸14が回転するが、この回転に対して前記第2モータ20による負荷がかからず、スムーズに回転でき、ひいては使用電力量を低減できることにもなる。また、前記第1モータ15を停止すれば、成型ドラムDの回転は停止する。
そして、成型後のベルト/トレッドバンドの取り出しのためのドラム縮径、あるいは前記取り出し後のドラム拡径等のドラム拡縮動作の際には、前記前記クラッチ21の切り替えにより、前記第2モータ20を前記中軸14に対し接続状態に保持する。この状態において、前記第2モータ20を作動させることにより、該第2モータ20の回転を前記中軸14を介して成型ドラムDのねじ軸4に伝達し、該ねじ軸4を正転又は逆転させ、該ねじ軸4のねじ部4aに螺合している移動部材5を軸方向に移動させ、リンク部材6を介してドラム本体1の各セグメント1aを縮径動作あるいは拡径動作させる。
このとき、前記外側軸3にはこれに連結された停止状態の前記第1モータ15による負荷が作用してブレーキがかかっている状態であり、そのため、前記外側軸3の内側の前記ねじ軸4が回転しても、該外側軸3がみだりに回転するおそれがなく、拡縮動作を安定性よく行える。
なお、上記した実施例では、成型ドラムDがベルト成型ドラムの場合を例にして説明したが、カーカスバンド等のタイヤ成型における他の円筒状バンドを成型する所謂バンド成型ドラムの回転及び拡縮動作のための駆動装置においても、上記同様に構成して実施することができる。
本発明のタイヤ用成型ドラムの駆動装置は、ドラム本体の拡縮動作を、中心軸部に有するねじ軸に回転を伝達して行うようにした成型ドラム、例えばベルト/トレッドバンドを成型するベルト成型ドラムの駆動装置に好適に利用できる。
本発明に係るタイヤ用成型ドラムの駆動装置の実施例を示す主要部の断面図である。 成型ドラムの拡縮機構を示す断面図である。
符号の説明
D…成型ドラム、1…ドラム本体、1a…セグメント、2…中心軸部、3…外側軸、4…ねじ軸、4a…ねじ2部、5…移動部材、6…リンク部材、7…支持部、8…連結部、9…連結部、10…駆動装置、12…主軸部、13…外軸、13a…端部、14…中軸、14a…突出端側部分、15…第1モータ、16…筒状連結部材、16a…端部、17…締結部、20…第2モータ、21…クラッチ、21a…係合部材、21b…係合部材、22…支持脚、23…出力軸、30…移動支持台、31…支持部、32…軸受、33…軸受、34…支持部材、34a…中央開口。

Claims (2)

  1. ドラム本体が周方向複数に分割されたセグメントにより拡縮可能に構成され、中心軸部が筒状の外側軸とその内側に配されたねじ軸とよりなるタイヤ用成型ドラムの駆動装置であって、
    前記成型ドラムの前記外側軸に連結される筒状の外軸と、
    前記ねじ軸に連結される中軸と、
    前記外軸に連結されたドラム回転用の第1の回転駆動手段と、
    前記中軸にクラッチを介して断接可能に連結されたドラム拡縮用の第2の回転駆動手段とを備えてなり、
    前記第1の回転駆動手段及び前記第2の回転駆動手段がそれぞれ制御部からの信号により回転駆動されるモータよりなり、前記第2の回転駆動手段としてのモータについては、制御部からの回転方向を指示する信号により正転及び逆転できるものであり、
    前記クラッチの切り替えにより、前記第1の回転駆動手段の作動によるドラム回転時には前記第2の回転駆動手段が前記中軸に対し切断状態に保持され、ドラム拡縮時には前記第2の回転駆動手段が前記中軸に対し接続状態に保持されることを特徴とするタイヤ用成型ドラムの駆動装置。
  2. 前記クラッチは、ドラム拡縮時以外は前記第2の回転駆動手段を前記中軸に対し非接続状態に保持するように制御されることを特徴とする請求項1に記載のタイヤ用成型ドラムの駆動装置。
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