JP4632585B2 - 光伝送システム - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、光伝送システムに関し、特に光伝送制御を行う光伝送システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
国際通信の需要は、ビジネスのグローバル化、インターネットの普及などにより、急激に拡大している。このような現状に対し、海底光伝送システムは、衛星通信と並んで重要なものであり、経済的で大容量の海底光伝送システムの早期実現が急務となっている。
【0003】
海底光伝送システムは、海底に光ファイバケーブルを敷設し、光ファイバケーブルの途中に中継器を設けて、光増幅して光伝送を行う。また、海底光伝送システムは、海中部分が故障した場合、その修理に多額の費用と時間を要するため、最も厳しい信頼性が要求されている。したがって、万が一、障害が発生した場合には、適確に障害箇所を把握できるような、障害検出機能を具備しておく必要がある。
【0004】
障害検出制御としては、陸上に設けられた端局から、まず、中継器の動作状態をモニタするための光のモニタ命令を各中継器に送信する。そして、モニタ命令を受信した中継器では、自己の動作状態をモニタし、その結果であるレスポンス情報を端局に返信する。このように、端局と中継器とで通信を行うことで、海底の光伝送の状態を監視している。
【0005】
ここで、従来の中継器は、EDFA(エルビウムドープ光ファイバ・アンプ)を用いて光増幅を行っていた。このEDFA中継器が、レスポンス信号(光主信号にレスポンス情報を重畳した信号)を送信する場合には、EDFAを励起する励起レーザダイオードの出力を、レスポンス情報で変調して、光主信号に変調を施すことで、端局側にレスポンス信号を送信していた。
【0006】
また、光ファイバケーブルに切断/破断障害が発生し、光主信号がなくなった場合でも、EDFA中継器では、増幅媒体であるEDFA自体が発するASE(Amplified Spontaneous Emission:自然放射雑音)に変調をかけることで、レスポンス信号を送信できるので、モニタ制御が不可能になるといったことはなかった。
【0007】
一方、近年の光通信システムでは、ラマン増幅と呼ばれる光ファイバ内の非線形光学現象を利用した光ファイバ・アンプ(ラマン・アンプ)が注目されている。これは、物質内の振動現象により入射光と異なる波長の光が散乱される物理現象を利用して、光ファイバ伝送路全体に強い励起光を入射させて光増幅するものである。
【0008】
このようなラマン増幅方式を中継器に適用して、光増幅を行うことにより、従来よりも長距離・大容量の光ファイバケーブルを敷設することが可能になる。
そして、このラマン増幅を用いた中継器の動作状態を示すレスポンス信号を送信する場合には、EDFA中継器の場合と同様にして、増幅媒体である光ファイバを励起する励起レーザダイオードの出力を、レスポンス情報で変調して、光主信号に変調を施すことで、端局側にレスポンス信号を送信する。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記のような、EDFAを用いないラマン増幅の中継器では、中継器の近傍で、光ファイバケーブルに切断/破断障害が発生すると、増幅媒体がなくなるために、ASEが発生しなくなる。すると、ASEに変調をかけることができなくなるので、レスポンス信号を端局に送信することができず、モニタ制御が不可能になってしまうといった問題があった。
【0010】
本発明はこのような点に鑑みてなされたものであり、ラマン増幅で光伝送を行う装置に対して、光ファイバケーブルに切断/破断障害が発生した場合でも、高品質なモニタ制御を行う光伝送システムを提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、光伝送システムが提供される。光伝送システムは、端局装置と、光中継を行う中継装置と、前記端局装置と前記中継装置とに接続して、前記端局装置から前記中継装置へ信号光が流れる第1の光回線と、前記端局装置と前記中継装置とに接続して、前記中継装置から前記端局装置へ信号光が流れる第2の光回線とを備える。
前記端局装置は、第1の光波長を持ち、動作状態をモニタするためのモニタ命令と、前記第1の光波長とは波長が異なる第2の光波長を持ち、モニタ結果であるレスポンス情報を重畳させるためのレスポンスキャリアと、を含むモニタ信号を送信するモニタ信号送信手段と、前記中継装置の動作状態を認識する動作状態認識手段とを有する。
前記中継装置は、前記第1の光回線に設置される第1の光カプラと、前記第2の光回線に設置される第2の光カプラと、前記第1の光カプラから分岐出力された信号光を受信して、前記第1の光波長は透過し、前記第2の光波長は反射して、波長選択制御を行う波長選択手段と、自装置の動作状態をモニタするモニタ制御手段と、前記端局装置と前記第1の光カプラとの間に位置する前記第1の光回線に、励起光を挿入する励起手段と、前記励起光の変調を行う変調制御手段とを有する。
【0012】
前記端局装置が前記中継装置の動作状態のモニタを行う場合、前記モニタ信号送信手段は、前記第1の光回線を通じて、前記モニタ信号を前記中継装置に向けて送信し、前記波長選択手段は、前記第1の光カプラによって分岐出力された前記モニタ信号を受信して、前記モニタ命令のみを透過し、前記モニタ制御手段は、前記モニタ命令にもとづき自装置の動作状態をモニタして、前記レスポンス情報を生成し、前記変調制御手段は、前記励起光を前記レスポンス情報で変調し、前記励起手段は、前記レスポンス情報で変調された前記励起光を前記第1の光回線に挿入することで、前記第1の光回線上を流れる前記レスポンスキャリアに前記レスポンス情報を重畳させてレスポンス信号を生成し、前記第1の光カプラは、前記第1の光回線上を流れる前記レスポンス信号を分岐出力し、前記波長選択手段は、前記第1の光カプラによって分岐出力された前記レスポンス信号を受信して反射し、前記第2の光カプラは、反射された前記レスポンス信号を前記第2の光回線に挿入して、前記端局装置側へ前記レスポンス信号を送出し、前記動作状態認識手段は、前記レスポンス信号を受信して前記中継装置の動作状態を認識する。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。図1は光伝送システムの原理図である。光伝送システム1は、端局装置10と中継装置20から構成されて光ファイバ伝送路で接続し、長距離の光伝送を行い、かつ中継装置20のモニタ制御を行う。
【0014】
なお、端局装置10は、図には示していないが実際には光ファイバ伝送路の両端に設置され、中継装置20も複数台設置される(海底光伝送システムに適用した場合には、光ファイバ伝送路及び複数の中継装置20は海中に設置され、端局装置10は例えば、陸上の局舎内に設置される)。
【0015】
端局装置10に対し、モニタ信号送信手段11は、モニタ命令及びレスポンスキャリアからなるモニタ信号を、上り回線L1を通じて中継装置20へ送信する。モニタ命令とは、中継装置20の動作状態をモニタするための光信号である。
レスポンスキャリアとは、モニタ結果であるレスポンス情報を、中継装置20において重畳させるための光信号である。
【0016】
また、モニタ命令とレスポンスキャリアとは互いに光波長が異なるように設定する。以下、レスポンスキャリアの光波長をλrとする(第2の光波長がλrであり、第1の光波長はλr以外の波長である)。
【0017】
動作状態認識手段12は、中継装置20で生成されたレスポンス信号を下り回線L2を介して受信し、モニタ対象とした中継装置20の動作状態を認識する。
中継装置20に対し(左右に設置された端局装置に対して、双方向から動作制御可能となるような内部構成を持つ)、上り側光カプラC1(以下、光カプラC1)は、上り回線L1側に設置され、光信号を分岐する。光カプラC1としては例えば、分岐比が、20(光ファイバケーブル上を流れる信号):1(装置内に入力してくる信号)等の光カプラを使用する。
【0018】
波長選択手段21−1、21−2はそれぞれ、上り回線L1及び下り回線L2側に設置され、分岐されたモニタ信号に対し、第1の光波長を透過し、第2の光波長(λr)を反射して、波長選択制御を行う。すなわち、λrの波長のみ反射されることになるので、レスポンスキャリア(λr)の光をラマン励起光の振幅で変調したレスポンス信号(λr)は反射され、モニタ命令は透過することになる。
【0019】
モニタ制御手段22は、透過したモニタ命令を受信して電気信号に変換し、このモニタ命令にもとづいて、自装置の動作状態をモニタし、その結果を示すレスポンス情報を生成する。
【0020】
中継装置20がモニタする動作状態としては、例えば、光主信号の入出力レベルや、励起LD(レーザダイオード)の駆動電流の状態等が該当する。
励起手段24は、光ファイバ伝送路に励起光を入射して、光ファイバ伝送路を増幅媒体とした光増幅であるラマン増幅を行う。
【0021】
変調制御手段23は、励起光をレスポンス情報で変調することで、上り回線L1を流れるレスポンスキャリア(λr)に、レスポンス情報を重畳させてレスポンス信号を生成する。
【0022】
下り側光カプラC2(以下、光カプラC2)は、下り回線L2側に設置され、光信号を分岐し、かつ上り回線L1で生成されたレスポンス信号を、下り回線L2に結合して端局装置10へ送信する。なお、動作及び信号の流れについては図3で後述する。
【0023】
次に解決したい問題点について説明する。図2は問題点を説明するための図である。左側に設置してある端局100は、上り回線を通じてモニタ命令を中継器200へ送信する。中継器200は、モニタ命令にもとづいて、動作状態をモニタする。そして、下り回線を流れる光主信号にレスポンス情報を重畳させて、レスポンス信号を端局100に送信する。
【0024】
ここで、中継器200に接続している下りの光ファイバケーブルが、図に示す中継器200の直近の位置Pで、切断/破断障害が発生したとする。このような場合、中継器200には下りの光主信号は入ってこなくなる。
【0025】
ところが、中継器200が増幅媒体としてEDFAを使用して、中継器200には出力が一定になるように自動制御する働きを持たせた場合には、光主信号が入ってこない場合、中継器内部のEDFAの利得を自ら上げて動作しようとする。このため、増幅媒体特有のASEが発生して、この雑音光に変調をかけることができる。
【0026】
したがって、EDFA方式の中継器では、光ファイバケーブルに切断/破断障害が発生して、光主信号が入ってこなくても、レスポンス信号を端局100に送信することができ、モニタ制御は可能であった。
【0027】
一方、中継器200がラマン増幅方式の場合について考える。ラマン増幅の中継器200では、中継器外部の光ファイバケーブル自体が増幅媒体であり、励起LDからの励起光を光ファイバケーブルに向けて入射することで光増幅される。
したがって、正常時には、励起パワーに変調をかけてやることで、レスポンス信号を端局100に送信することができる。
【0028】
ところが、中継器200直近の位置Pで、光ファイバケーブルに切断/破断障害が生じると、増幅媒体そのものがなくなってしまうので、ASEが発生しなくなる。すなわち、光主信号もASEもないので、レスポンス情報を送信するためのキャリアがまったく存在しなくなり、モニタ制御が不可能となってしまう(ただし、光ファイバケーブル障害が、中継器200から、例えば、数十キロ離れた遠距離の地点で生じたときには、その分の長さの光ファイバケーブルが、ラマン増幅器として動作するので、この場合にはASEが発生し、モニタ制御は可能である)。
【0029】
ラマン増幅を行う中継器200の近距離において、光ファイバケーブルの切断/破断障害が発生してASEの存在がない場合でも、レスポンス信号を確実に端局100へ送信して、モニタ制御及び光中継伝送制御の信頼性及び品質の向上を図るものである。
【0030】
次に全体動作及び信号の流れについて説明する。図3は動作及び信号の流れを示す図である。ただし、図に示してない左側に設置してある端局装置10から、モニタ信号が送信されるものとする。
〔S1〕端局装置10は、中継装置20宛てにモニタ信号を、上り回線L1を通じて送信し、上り回線L1を流れるモニタ命令は、光カプラC1で分岐されて、中継装置20内部に入力する。
〔S2〕波長選択手段21−1は、モニタ命令を透過して、モニタ制御手段22へ送信する。
〔S3〕モニタ制御手段22は、自己宛てのモニタ命令であることを認識すると、自装置の動作状態をモニタし、レスポンス情報を生成する。
〔S4〕変調制御手段23は、励起手段24がラマン増幅するための励起光をレスポンス情報で変調する。そして、上り回線L1を流れるレスポンスキャリアにレスポンス情報を重畳させてレスポンス信号を生成する。
〔S5〕レスポンス信号は、光カプラC1で分岐されて中継装置20内部に入力し、波長選択手段21−1で反射され、光カプラC1、C2を介し、下り回線L2に結合し、この下り回線L2上を流れて端局装置10へ向かう。
【0031】
なお、上記では左側に設置されている端局装置からの制御について説明したが、右側に設置されている端局装置からも同様な制御を行うことができる。
このように、光伝送システム1では、端局装置10では、モニタ命令及びレスポンスキャリアからなるモニタ信号を送信する。また、ラマン増幅を行う中継装置20では、レスポンスキャリアにレスポンス情報を重畳させてレスポンス信号を生成し、端局装置10に送信する構成とした。
【0032】
これにより、ラマン増幅を行う中継装置20の近傍で回線障害が発生して、光主信号及びASEがない状態であっても、レスポンスキャリアに変調制御を施すことができるために、モニタ制御が可能になる。
【0033】
次にレスポンス信号の生成手順について説明する。図4はレスポンス信号の生成手順の一例を示す図である。
〔S11〕変調制御手段23は、アナログのレスポンス情報をA/D変換して、ディジタル情報に変換する。
〔S12〕変調制御手段23は、“1”を幅の広いパルス、“0”を幅の狭いパルスのパルス列に変換する。
〔S13〕変調制御手段23は、パルス列に対応した図に示すようなキャリア信号を生成し、このキャリア信号を用いて、レスポンスキャリアに対して利得変調(振幅変調)をかける(励起LDの駆動電流を、キャリア信号で変調する)。
〔S14〕励起手段24は、ステップS13で変調制御された励起光によってラマン増幅を行う。これにより、レスポンスキャリアにレスポンス情報が重畳されたレスポンス信号が生成する。
【0034】
次に波長選択手段21の特性について説明する。図5は波長選択手段21の反射特性を示す図であり、図6は波長選択手段21の透過特性を示す図である。縦軸に光レベル、横軸に波長をとる。
【0035】
反射特性に示すように、波長選択手段21は、レスポンスキャリアλrに対して光レベルが0dBである。したがって、λrでは光損失はないので、λrの光を反射し、また、λr以外の波長の光は、光損失が大きいため透過する。
【0036】
逆に透過特性で見れば、波長選択手段21は、レスポンスキャリアλrに対して光損失が最も大きい。したがって、λrでの光を反射し、また、λr以外の波長の光は、光レベルが0dBであるため、光損失がなく透過する。
【0037】
このような特性を持つ波長選択手段21としては、光波長を選択的に反射するファイバグレーティング(光ファイバの軸に沿って、コアに周期的な屈折率分布を持たせて、コア内にグレーティング(回折格子)を形成したもの)のファイバ型デバイスを適用することができる。以下、波長選択手段21をFBG(ファイバ・ブラッグ・グレーティング)とする。
【0038】
次に光主信号がWDMの波長多重化信号の場合における、モニタ信号送信手段11のレスポンスキャリアλrの波長設定例について説明する。図7は波長設定を示す図である。
【0039】
(A)は最短波長λ1にレスポンスキャリアλrを設定した場合であり、(B)は最長波長λnにレスポンスキャリアλrを設定した場合であり、(C)は波長λm(1<m<n)と波長λm+1の間にレスポンスキャリアλrを設定した場合である。
【0040】
次に中継装置20を具体化した構成に対し、第1の実施の形態から第9の実施の形態について説明する(なお、以降に示す実施の形態では、中継装置はすべて双方向対象な内部構成を持つものである)。
【0041】
図8は第1の実施の形態の構成を示す図である。中継装置20−1は、FBG21−1,21−2、PD(フォトダイオード)1、PD2、LD(レーザダイオード)1、LD2、SV(supervisory circuit)を有し、さらに光カプラC1、C2及びWDM(Wavelength Division Multiplex)カプラCw1、Cw2を有する。
【0042】
次に動作について説明する。なお、図示しない左側にある端局装置10からモニタ信号が送られるものとする。
〔S21〕光信号(モニタ信号)は、光カプラC1で分岐されて、中継装置20−1内部に入力する。
〔S22〕FBG21−1は、モニタ命令を透過させる。
〔S23〕PD1は、光のモニタ命令にO/Eを施して、電気信号に変換して、SVに送信する。
〔S24〕SVは、受信したモニタ命令が自己宛てのものと判断すると、自装置の動作状態をモニタし、レスポンス情報を生成する。
〔S25〕SVは、LD1の駆動電流をレスポンス情報で変調する。
〔S26〕上り回線L1を流れるレスポンスキャリアに対し、LD1が出射した励起光が、WDMカプラCw1で結合されて、レスポンスキャリアにレスポンス情報を重畳させることによって、レスポンス信号が生成する。その後、レスポンス信号は、光カプラC1で分岐され、FBG21−1で反射されて、光カプラC1、C2によって、下り回線L2へ結合され、下り回線L2側から端局装置10へ向かって送信される。
【0043】
図9はWDMカプラCw1、Cw2の特性を説明するための図である。WDMカプラCwが光ファイバケーブルに接続し、励起光を光ファイバケーブルに入射する場合を考える。
【0044】
光主信号の波長は1530nm〜1560nm程度であり(1530nmとする)、LDが出射する励起光は、光主信号の波長から通常は100nmほど離した波長の励起光を出射する(励起光の波長を1430nm)。
【0045】
ここで、WDMカプラCwのポートp1〜p3に対し、ポートp1→ポートp2の光通過特性は、1430nm付近で光損失が最も大きく、1530nm付近で0dB(光損失がない)となっている。すなわち、光主信号の波長が1530nmであるならば、この光主信号は、WDMカプラCwを介して、光ファイバケーブル上をポートp1→p2と流れることになる。
【0046】
一方、ポートp3→ポートp1の光通過特性は、1430nm付近で0dB(光損失がない)であり、1530nm付近で光損失が最も大きくなっている。すなわち、励起光の波長を1430nmと設定すれば、この励起光は、WDMカプラCwを介して、ポートp3→ポートp1へと流れて、図の場合では光主信号が送信されてくる向きとは逆方向に励起することができる(ラマン増幅後方励起)。
【0047】
次にFBGの反射波長の設定について説明する。図10〜図12は反射波長の設定例を示す図である。図10は反射波長がすべて同一の場合、図11は反射波長が同じ回線上で同一とした場合、図12は反射波長がすべて異なる場合である。
【0048】
図10のように、中継装置20のFBG21−1、21−2に対し、反射波長を同一の波長λ1にした場合は、すべての中継装置20で1種類のFBGを使用することができる。
【0049】
また、図11のように、上り回線L1側に設置したすべてのFBG21−1の反射波長をλ1に設定し、下り回線L2側に設置したすべてのFBG21−2の反射波長をλ2(≠λ1)に設定した場合には、多重反射の防止を図ることが可能になる。さらに、多重反射の防止をするために、図12のようにすべてのFBGに対して異なる反射波長(λ1、λ2、λ3、…)を設定してもよい。
【0050】
次に変調制御手段23について説明する。図13は変調制御手段23の変調度設定を説明するための図である。複数の中継装置20−1〜20−nに対して、1台の中継装置からモニタ結果として、振幅変調されたレスポンス信号が端局装置10へ送られてくる。
【0051】
このとき、図で上述したようにFBGでの反射波長がすべて同一のような場合には、レスポンス信号が端局装置10へ到達した際には、変調度が下がってしまい、端局装置10で認識できなくなるおそれがある。なお、変調度は、光主信号の振幅をA、振幅変調がかけられた部分の0to Peakの振幅をBとした場合には、変調度(%)=(B/(A+B))×100である。
【0052】
したがって、中継装置20のモニタを行う場合には、アウトオブサービス時(光主信号がない時)に、モニタ対象の中継装置20において、最大変調度で振幅変調をかけたレスポンス信号を生成させる。このような最大変調度で振幅変調をかけられたレスポンス信号ならば、変調度が下がって、端局装置10に到達した場合でも、端局装置10で十分認識可能である。
【0053】
図14は第2の実施の形態の構成を示す図である。中継装置20−2は、図8で上述した構成に対してさらに、2台のLDと、PBC(Polarization Beam Coupler)1、PBC2と、3dBカプラC3を追加したものである。
【0054】
このように、4台のLDを冗長的に備えることにより、光パワーを上げることができ、また、LDの故障対策として使用することができる。
また、PBC1は、LD1、LD2からの励起光を結合し、PBC2は、LD3、LD4からの励起光を結合する。そして、3dBカプラC3は、PBC1、PBC2から送られる光を、上り回線L1と下り回線L2へ1:1で分岐する。分岐された励起光は、WDMカプラCw1、Cw2を通じて、光ファイバケーブルに入射されて、ラマン増幅を行い、またモニタ制御時にはレスポンス信号が生成する。
【0055】
図15は第3の実施の形態の構成を示す図である。中継装置20−3では、図14で上述したWDMカプラCw1、Cw2の各回線L1、L2に対する接続位置及び向きを変えて、図15に示すような構成としている(図中、Cw1a、Cw2aと表示)。このような構成にすることにより、回線を流れる光主信号と同方向に励起して、ラマン増幅前方励起を行っている。その他の構成・動作については上述した装置と同様である(なお、以降の説明では、主な差異の部分のみ説明する)。
【0056】
図16は第4の実施の形態の構成を示す図である。中継装置20−4は、3dBカプラC3−1で、LD1、LD2から送られる励起光を、上り回線L1と下り回線L2へ分岐し、3dBカプラC3−2で、LD3、LD4から送られる励起光を、上り回線L1と下り回線L2へ分岐する。また、ラマン増幅後方励起用のWDMカプラCw1、Cw2と、ラマン増幅前方励起用のWDMカプラCw1a、Cw2aによりラマン増幅双方向励起を行う。
【0057】
図17は第5の実施の形態の構成を示す図である。中継装置20−5は、上り回線L1上のWDMカプラCw1と光カプラC1との間にアイソレータISO1を設け、下り回線L2上のWDMカプラCw2と光カプラC2との間にアイソレータISO2を設けた構成をとる。
【0058】
アイソレータISO1、ISO2を設置することにより、光信号の意図しない逆方向への流れを防止することができるので、多重反射の悪影響を抑制することができ、増幅動作の安定化を図ることが可能になる。
【0059】
図18は第6の実施の形態の構成を示す図である。中継装置20−6は、ラマン増幅に加えて、さらにEDFA増幅を行う装置である。回線L1、L2上にEDFA増幅器であるEDFA1、EDFA2及び利得等化を行うGEQ1、GEQ2が接続されている。
【0060】
LD5、LD6は、EDFA1、EDFA2用の励起LDである。LD5、LD6からの励起光は、光カプラC3aで分岐され、また光カプラC4−1、C4−2で回線L1、L2に結合されて、EDFA1、EDFA2で増幅される。
【0061】
図19は第7の実施の形態の構成を示す図である。中継装置20−7は、変調制御手段23を光変調器(図中、MOD1、MOD2)として、光可変減衰制御または波長可変フィルタリング制御のいずれかを行って、レスポンス信号を生成する構成である。
【0062】
MOD1は、WDMカプラCw1と光カプラC1の間、MOD2は、WDMカプラCw2と光カプラC2の間に配置される。そして、光可変減衰制御で変調制御を行う場合には、MOD1、MOD2として、VATT(variable attenuator)を適用し、波長可変フィルタリング制御で変調制御を行う場合には、音響光学型波長可変フィルタ(AOTF:Acoustic-Optic Tunable Filter)を適用する。
【0063】
図20はVATTでの変調制御を示す図である。VATTには、レスポンスキャリアと、SVからレスポンス情報で変調された駆動電流とが入力する。VATTは、駆動電流の大きさに応じて、入力光信号の減衰量を可変に設定できる。これにより、レスポンス情報を重畳させたレスポンス信号を生成する。
【0064】
図21はAOTFでの変調制御を示す図である。AOTFには、レスポンスキャリアと、SVからレスポンス情報で変調された駆動信号とが入力する。AOTFは、特定の波長(中心波長と呼ぶ)を通過させる光フィルタであり、高周波駆動信号の周波数に応じて、中心波長が可変的に移動する。
【0065】
レスポンスキャリアの波長λrを中心波長λ0としたときに、光損失が0dBとすると、駆動周波数を変えることで、例えば、中心波長がλaになったときは、波長λ0に対する光損失が大きくなる。このような動作機能のAOTFを用いることで、AOTFを通過した光信号に、振幅変調がかけられたレスポンス信号を生成することができる。
【0066】
図22は第8の実施の形態の構成を示す図である。中継装置20−8は、光カプラC1と光カプラC2の間に、1台のMODを配置して、レスポンス信号の生成を行うものである。このような接続構成にすることにより、中継装置20−7と比べて、MODの台数を減らすことができる。
【0067】
次に図1で上述した光伝送システム1の変形例について説明する。図23は光伝送システムの変形例の原理図である。光伝送システム1aは、端局装置10a、中継装置20aから構成される。なお、図1で上述した構成手段と同一のものには同符号を付けてそれらの説明は省略する。
【0068】
端局装置10aのモニタ信号送信手段11aは、モニタ命令及びレスポンスキャリアからなるモニタ信号を、上り回線L1を通じて中継装置20aへ送信する。また、モニタ命令の波長とレスポンスキャリアの波長は、同一波長を使用する。
【0069】
中継装置20aに対し、モニタ命令用光カプラCm1、Cm2(以下、光カプラCm1、Cm2)は、上り回線L1及び下り回線L2側に設置される。そして、モニタ制御手段22は、光カプラCm1、Cm2で分岐されて入力した光信号からモニタ命令を検出し、自己宛てか否かを判断した後、上述したモニタ制御を行う。波長反射手段21a−1、21a−2は、レスポンス信号を反射する(構成要素としては、波長選択手段21で用いたFBG21−1、21−2と同じものを使用する)。
【0070】
図24は変形例の場合の中継装置20aの構成を示す図である。第9の実施の形態である中継装置20aでは、光カプラCm1、Cm2を上り回線L1、下り回線L2に接続し、光カプラCm1、Cm2で分岐された光信号をPD1、PD2で電気信号に変換してSVに送信する。このような構成にすることにより、端局装置側でモニタ命令とレスポンスキャリアとの波長を同一波長にすることができる。
【0071】
以上説明したように、ラマン増幅を行う中継装置20に対して、光ファイバケーブルに切断/破断障害が発生した場合でも、中継装置20の動作状態のモニタが可能となる。
【0072】
なお、上記の説明では、障害発生の有無に関係なく、レスポンスキャリアを送信する構成としたが、回線障害がなく下り回線L2からの光主信号がある場合には、モニタ命令のみを送信して、光主信号にレスポンス情報を重畳させて、レスポンス信号を生成し、また、回線障害が発生した場合には、レスポンスキャリアを送信して、レスポンスキャリアにレスポンス情報を重畳させるというように制御を切り分けて行ってもよい。
【0073】
(付記1) 光伝送制御を行う光伝送システムにおいて、
第1の光波長を持ち、動作状態をモニタするためのモニタ命令と、前記第1の光波長とは波長が異なる第2の光波長を持ち、モニタ結果であるレスポンス情報を重畳させるためのレスポンスキャリアと、からなるモニタ信号を送信するモニタ信号送信手段と、レスポンス信号を受信して、前記動作状態を認識する動作状態認識手段と、から構成される端局装置と、
上り回線側に設置され、光信号を分岐する上り側光カプラと、上り回線及び下り回線側に設置され、分岐された前記モニタ信号に対し、前記第1の光波長を透過し、前記第2の光波長を反射して、波長選択制御を行う波長選択手段と、透過した前記モニタ命令にもとづいて、自装置の動作状態をモニタし、前記レスポンス情報を生成するモニタ制御手段と、光ファイバ伝送路に励起光を入射して、前記光ファイバ伝送路を増幅媒体とした光増幅を行う励起手段と、前記励起光を前記レスポンス情報で変調して、上り回線を流れる前記レスポンスキャリアに、前記レスポンス情報を重畳させて前記レスポンス信号を生成する変調制御手段と、下り回線側に設置され、光信号を分岐し、かつ上り回線で生成された前記レスポンス信号を、下り回線に結合して前記端局装置へ送信する下り側光カプラと、から構成される中継装置と、
を有することを特徴とする光伝送システム。
【0074】
(付記2) 前記波長選択手段は、光波長を選択的に反射するファイバグレーティングのファイバ型デバイスであることを特徴とする付記1記載の光伝送システム。
【0075】
(付記3) 前記変調制御手段は、前記レスポンスキャリアに振幅変調を行った前記レスポンス信号を生成することを特徴とする付記1記載の光伝送システム。
【0076】
(付記4) 前記励起手段は、前記光ファイバ伝送路に前記励起光を結合するWDM光カプラを有し、前記WDM光カプラを通じて、前方励起、後方励起、双方向励起のいずれか1つの光増幅を行うことを特徴とする付記1記載の光伝送システム。
【0077】
(付記5) 前記上り側光カプラと前記WDM光カプラの間と、前記下り側光カプラと前記WDM光カプラの間とに、光アイソレータをさらに有することを特徴とする付記4記載の光伝送システム。
【0078】
(付記6) 前記励起手段は、EDFAを併用した光増幅を行うことを特徴とする付記1記載の光伝送システム。
(付記7) 前記変調制御手段は、光可変減衰制御または波長可変フィルタリング制御のいずれかを行う光変調器を用いて、前記レスポンス信号を生成することを特徴とする付記1記載の光伝送システム。
【0079】
(付記8) 前記光変調器は、前記上り側光カプラと前記下り側光カプラの間に配置されることを特徴とする付記7記載の光伝送システム。
(付記9) 前記モニタ信号送信手段は、前記下り回線からの光主信号があるときは、前記モニタ命令のみを送信し、前記変調制御手段は、前記光主信号に前記レスポンス情報を重畳させて前記レスポンス信号を生成することを特徴とする付記1記載の光伝送システム。
【0080】
(付記10) 前記変調制御手段は、変調度を任意に設定し、アウトオブサービス時には、前記変調度を最大変調度に設定することを特徴とする付記1記載の光伝送システム。
【0081】
(付記11) 前記波長選択手段は、すべての前記中継装置で反射波長が同一であるか、またはすべて異なることを特徴とする付記1記載の光伝送システム。
(付記12) 上り回線側に設置した前記波長選択手段と、下り回線側に設置した前記波長選択手段との反射波長は異なり、同じ回線内で同一であることを特徴とする付記1記載の光伝送システム。
【0082】
(付記13) 前記モニタ信号送信手段は、光主信号が波長多重化信号である場合に、前記光主信号の波長帯域の最短波長、最長波長、または波長λmと波長λm+1の間の波長のいずれかに前記第2の光波長を設定することを特徴とする付記1記載の光伝送システム。
【0083】
(付記14) 光伝送制御を行う端局装置において、
第1の光波長を持ち、中継装置の動作状態をモニタするためのモニタ命令と、前記第1の光波長とは波長が異なる第2の光波長を持ち、モニタ結果であるレスポンス情報を重畳させるためのレスポンスキャリアと、からなるモニタ信号を送信するモニタ信号送信手段と、
前記中継装置から送信されたレスポンス信号を受信して、前記動作状態を認識する動作状態認識手段と、
を有することを特徴とする端局装置。
【0084】
(付記15) 光伝送制御を行う中継装置において、
上り回線側に設置され、光信号を分岐する上り側光カプラと、
上り回線及び下り回線側に設置され、第1の光波長を持ち、動作状態をモニタするためのモニタ命令と、前記第1の光波長とは波長が異なる第2の光波長を持ち、モニタ結果であるレスポンス情報を重畳させるためのレスポンスキャリアと、からなるモニタ信号に対し、前記第1の光波長を透過し、前記第2の光波長を反射して、前記モニタ命令と前記レスポンスキャリアとの選択制御を行う波長選択手段と、
透過した前記モニタ命令にもとづいて、自装置の動作状態をモニタし、前記レスポンス情報を生成するモニタ制御手段と、
光ファイバ伝送路に励起光を入射して、前記光ファイバ伝送路を増幅媒体とした光増幅を行う励起手段と、
前記励起光を前記レスポンス情報で変調して、上り回線を流れる前記レスポンスキャリアに、前記レスポンス情報を重畳させて前記レスポンス信号を生成する変調制御手段と、
下り回線側に設置され、光信号を分岐し、かつ上り回線で生成された前記レスポンス信号を、下り回線に結合して前記端局装置へ送信する下り側光カプラと、
を有することを特徴とする中継装置。
【0085】
(付記16) 光伝送制御を行う光伝送システムにおいて、
動作状態をモニタするためのモニタ命令と、モニタ結果であるレスポンス情報を重畳させるためのレスポンスキャリアとからなり、前記モニタ命令と前記レスポンスキャリアの波長を同一にしたモニタ信号を送信するモニタ信号送信手段と、レスポンス信号を受信して、前記動作状態を認識する動作状態認識手段と、から構成される端局装置と、
上り回線側に設置され、光信号を分岐する上り側光カプラと、上り回線及び下り回線側に設置され、前記波長を反射する波長反射手段と、上り回線及び下り回線側に設置され、前記モニタ命令を受信するためのモニタ命令用光カプラと、前記モニタ命令にもとづいて、自装置の動作状態をモニタし、前記レスポンス情報を生成するモニタ制御手段と、光ファイバ伝送路に励起光を入射して、前記光ファイバ伝送路を増幅媒体とした光増幅を行う励起手段と、前記励起光を前記レスポンス情報で変調して、上り回線を流れる前記レスポンスキャリアに、前記レスポンス情報を重畳させて前記レスポンス信号を生成する変調制御手段と、下り回線側に設置され、光信号を分岐し、かつ上り回線で生成された前記レスポンス信号を、下り回線に結合して前記端局装置へ送信する下り側光カプラと、から構成される中継装置と、
を有することを特徴とする光伝送システム。
【0086】
(付記17) 光伝送制御を行う端局装置において、
動作状態をモニタするためのモニタ命令と、モニタ結果であるレスポンス情報を重畳させるためのレスポンスキャリアとからなり、前記モニタ命令と前記レスポンスキャリアの波長を同一にしたモニタ信号を送信するモニタ信号送信手段と、
レスポンス信号を受信して、前記動作状態を認識する動作状態認識手段と、
を有することを特徴とする端局装置。
【0087】
(付記18) 光伝送制御を行う中継装置において、
上り回線側に設置され、光信号を分岐する上り側光カプラと、
上り回線及び下り回線側に設置され、動作状態をモニタするためのモニタ命令と、モニタ結果であるレスポンス情報を重畳させるためのレスポンスキャリアとからなり、前記モニタ命令と前記レスポンスキャリアの波長を同一にしたモニタ信号に対し、前記波長を反射する波長反射手段と、
上り回線及び下り回線側に設置され、前記モニタ命令を分岐するためのモニタ命令用光カプラと、
前記モニタ命令にもとづいて、自装置の動作状態をモニタし、前記レスポンス情報を生成するモニタ制御手段と、
光ファイバ伝送路に励起光を入射して、前記光ファイバ伝送路を増幅媒体とした光増幅を行う励起手段と、
前記励起光を前記レスポンス情報で変調して、上り回線を流れる前記レスポンスキャリアに、前記レスポンス情報を重畳させて前記レスポンス信号を生成する変調制御手段と、
下り回線側に設置され、光信号を分岐し、かつ上り回線で生成された前記レスポンス信号を、下り回線に結合して端局装置へ送信する下り側光カプラと、
を有することを特徴とする中継装置。
【0088】
【発明の効果】
以上説明したように、中継装置の近傍で回線障害が発生した場合でも、モニタ制御を行うことができるので、光通信制御の信頼性及び品質の向上を図ることが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 光伝送システムの原理図である。
【図2】問題点を説明するための図である。
【図3】動作及び信号の流れを示す図である。
【図4】レスポンス信号の生成手順の一例を示す図である。
【図5】波長選択手段の反射特性を示す図である。
【図6】波長選択手段の透過特性を示す図である。
【図7】波長設定を示す図である。(A)は最短波長にレスポンスキャリアを設定した場合であり、(B)は最長波長にレスポンスキャリアを設定した場合であり、(C)は波長λmと波長λm+1の間にレスポンスキャリアを設定した場合である。
【図8】第1の実施の形態の構成を示す図である。
【図9】WDMカプラの特性を説明するための図である。
【図10】反射波長の設定例を示す図である。
【図11】反射波長の設定例を示す図である。
【図12】反射波長の設定例を示す図である。
【図13】変調制御手段の変調度設定を説明するための図である。
【図14】第2の実施の形態の構成を示す図である。
【図15】第3の実施の形態の構成を示す図である。
【図16】第4の実施の形態の構成を示す図である。
【図17】第5の実施の形態の構成を示す図である。
【図18】第6の実施の形態の構成を示す図である。
【図19】第7の実施の形態の構成を示す図である。
【図20】VATでの変調制御を示す図である。
【図21】AOTFでの変調制御を示す図である。
【図22】第8の実施の形態の構成を示す図である。
【図23】光伝送システムの変形例の原理図である。
【図24】変形例の場合の中継装置の構成を示す図である。
【符号の説明】
1 光伝送システム
10 端局装置
11 モニタ信号送信手段
12 動作状態認識手段
20 中継装置
21−1、21−2 波長選択手段
22 モニタ制御手段
23 変調制御手段
24 励起手段
C1 上り側光カプラ
C2 下り側光カプラ
L1 上り回線
L2 下り回線
Claims (2)
- 端局装置と、
光中継を行う中継装置と、
前記端局装置と前記中継装置とに接続して、前記端局装置から前記中継装置へ信号光が流れる第1の光回線と、
前記端局装置と前記中継装置とに接続して、前記中継装置から前記端局装置へ信号光が流れる第2の光回線と、
を備え、
前記端局装置は、
第1の光波長を持ち、動作状態をモニタするためのモニタ命令と、前記第1の光波長とは波長が異なる第2の光波長を持ち、モニタ結果であるレスポンス情報を重畳させるためのレスポンスキャリアと、を含むモニタ信号を送信するモニタ信号送信手段と、
前記中継装置の動作状態を認識する動作状態認識手段とを有し、
前記中継装置は、
前記第1の光回線に設置される第1の光カプラと、
前記第2の光回線に設置される第2の光カプラと、
前記第1の光カプラから分岐出力された信号光を受信して、前記第1の光波長は透過し、前記第2の光波長は反射して、波長選択制御を行う波長選択手段と、
自装置の動作状態をモニタするモニタ制御手段と、
前記端局装置と前記第1の光カプラとの間に位置する前記第1の光回線に、励起光を挿入する励起手段と、
前記励起光の変調を行う変調制御手段とを有し、
前記端局装置が前記中継装置の動作状態のモニタを行う場合、
前記モニタ信号送信手段は、前記第1の光回線を通じて、前記モニタ信号を前記中継装置に向けて送信し、
前記波長選択手段は、前記第1の光カプラによって分岐出力された前記モニタ信号を受信して、前記モニタ命令のみを透過し、
前記モニタ制御手段は、前記モニタ命令にもとづき自装置の動作状態をモニタして、前記レスポンス情報を生成し、
前記変調制御手段は、前記励起光を前記レスポンス情報で変調し、
前記励起手段は、前記レスポンス情報で変調された前記励起光を前記第1の光回線に挿入することで、前記第1の光回線上を流れる前記レスポンスキャリアに前記レスポンス情報を重畳させてレスポンス信号を生成し、
前記第1の光カプラは、前記第1の光回線上を流れる前記レスポンス信号を分岐出力し、
前記波長選択手段は、前記第1の光カプラによって分岐出力された前記レスポンス信号を受信して反射し、
前記第2の光カプラは、反射された前記レスポンス信号を前記第2の光回線に挿入して、前記端局装置側へ前記レスポンス信号を送出し、
前記動作状態認識手段は、前記レスポンス信号を受信して前記中継装置の動作状態を認識する、
ことを特徴とする光伝送システム。 - 前記波長選択手段は、光波長を選択的に反射するファイバグレーティングのファイバ型デバイスであることを特徴とする請求項1記載の光伝送システム。
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