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JP4622405B2 - 印刷方法、印刷装置、およびプログラム - Google Patents

印刷方法、印刷装置、およびプログラム Download PDF

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JP4622405B2 JP2004267981A JP2004267981A JP4622405B2 JP 4622405 B2 JP4622405 B2 JP 4622405B2 JP 2004267981 A JP2004267981 A JP 2004267981A JP 2004267981 A JP2004267981 A JP 2004267981A JP 4622405 B2 JP4622405 B2 JP 4622405B2
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Description

本発明は、印刷方法、印刷装置、およびプログラムに関する。
近年、コンピュータの出力装置の一種として、画像またはテキスト等の情報をインクによって印刷媒体に印刷するプリンタが広く用いられている。
このようなプリンタにおいて、印刷媒体の端まで隙間無く画像を印刷する、いわゆる「縁なし印刷」を行う場合には、紙送り制御系および印刷ヘッドの機械的な制御誤差によって発生する印刷媒体の端の隙間(未印刷部分)を防止するため、印刷媒体よりも大きめの画像データを用いて印刷を行うようにしている。
しかしながら、印刷媒体よりも大きめの画像データを用いて印刷すると、印刷媒体をはみ出したインクが、プリンタ内部(例えば、プラテン)に付着してしまい、印刷媒体や装置自体を汚してしまう。
そこで、本件出願人は、プラテンに凹部を設けて、そこに吸収材を配置するとともに、縁なし印刷を行う場合には、印刷媒体をはみ出したインクが吸収材に吸収されるように印刷ヘッドからのインクの吐出位置を制御することにより、プラテンが汚損することを防止する発明を既に出願している(特許文献1参照)。
特開2002−103586号公報(請求の範囲、要約)
ところで、印刷媒体が吸収材に接触し、印刷用紙の裏面がインクによって汚れることを防止するために、印刷媒体の裏面(印刷面とは反対側の面)に当接する複数の凸部を設け、当該凸部の周囲に吸収材を配置しているものがある。
このような複数の凸部は、定形用紙(A4、B5、ハガキ、L版等)が配置された場合には、その左右端(移動方向の端)が吸収材の上に来るように、それぞれの寸法および配置位置が決定されている。
このような印刷装置において、例えば、定形用紙以外の印刷媒体が使用された場合には、吸収材の上に印刷媒体の左右端が位置せず、前述した凸部の上に左右端が位置する場合があり、そのような場合には凸部にインクが着弾して汚損してしまうという問題点がある。
また、凸部にインクが付着した状態で、次の印刷媒体に印刷しようとすると、凸部に付着したインクが、印刷媒体の裏面に付着して汚損してしまうという問題点もある。
本発明は、上記の事情に基づきなされたもので、その目的とするところは、非定形の印刷媒体を使用して縁なし印刷をした場合であっても、プリンタ内部および印刷媒体の裏面にインクが付着することを防止する印刷装置、印刷方法、および印刷用プログラムを提供しよう、とするものである。
本発明は、所定方向の所定位置に設けられた凸部で媒体を支持し、前記所定方向と交差する方向の位置が異なる複数のノズルを移動し、移動する前記複数のノズルから、前記凸部に支持された前記媒体に向かってインクを吐出し、前記媒体に印刷画像を印刷する印刷方法であって、前記複数のノズルには、前記所定方向に移動する間に、前記凸部と対向するノズルと、前記凸部と対向しないノズルとがあり、前記媒体の前記所定方向の長さに応じて、前記媒体の前記所定方向の端が前記凸部の上にあるか否かを判別し、前記媒体の前記所定方向の端が前記凸部の上にある場合、前記凸部と対向するノズルからは前記インクを吐出せず、前記凸部と対向しないノズルから、前記媒体の前記所定方向の端に向かって前記インクを吐出することを特徴とする。
===開示の概要1===
本明細書及び添付図面の記載により、少なくとも、以下の事項が明らかとなる。
所定方向の所定位置に設けられた凸部で媒体を支持し、
前記所定方向と交差する方向の位置が異なる複数のノズルを移動し、
移動する前記複数のノズルから、前記凸部に支持された前記媒体に向かってインクを吐出し、
前記媒体に印刷画像を印刷する印刷方法であって、
前記複数のノズルには、前記所定方向に移動する間に、前記凸部と対向するノズルと、前記凸部と対向しないノズルとがあり、
前記媒体の前記所定方向の端が前記凸部の上にある場合、前記凸部と対向するノズルからは前記インクを吐出せず、前記凸部と対向しないノズルから、前記媒体の前記所定方向の端に向かって前記インクを吐出する
ことを特徴とする印刷方法。
このような印刷方法によれば、媒体を支持する凸部にインクが付着することを防止できる。
かかる印刷方法であって、前記媒体の前記所定方向の長さに応じて、前記媒体の前記所定方向の端が前記凸部の上にあるか否かを判別することが望ましい。また、かかる印刷方法であって、前記媒体の前記所定方向の端を検出することによって、前記媒体の前記所定方向の長さを検出することが好ましい。また、前記媒体のサイズに関する情報を取得することによって、前記媒体の前記所定方向の長さを検出することが好ましい。これにより、凸部と対向するノズルからインクを吐出するか否かを判別できる。
かかる印刷方法であって、前記媒体に着弾しないインクを吸収材が吸収することが望ましい。これにより、インクの堆積を軽減できる。
かかる印刷方法であって、前記媒体の所定方向の端が前記凸部の上にない場合、前記凸部と対向するノズル及び前記凸部と対向するノズルから、前記媒体の前記所定方向の端に向かって前記インクを吐出することが望ましい。これにより、印刷速度を向上させることができる。
かかる印刷方法において、前記媒体の所定方向の端が前記凸部の上にない場合であって、前記インクが吐出される領域と、前記媒体を支持しない前記凸部と、の間の前記所定方向の距離が、所定の距離よりも短い場合、前記凸部と対向するノズルからは前記インクを吐出せず、前記凸部と対向しないノズルから、前記媒体の前記所定方向の端に向かって前記インクを吐出することが望ましい。これにより、マージンが少ない場合でも、インクが凸部に付着することを防止できる。
かかる印刷方法であって、前記凸部と対向するノズルは、2つの前記凸部と対向しないノズルに挟まれていることが望ましい。これにより、プラテンの搬送方向の中央部に、凸部を設けることができる。
かかる印刷方法であって、前記媒体の所定方向の端が前記凸部の上にない場合、前記2つの前記凸部と対向しないノズルのうちの一方から、前記媒体の上端に向かって前記インクを吐出し、前記2つの前記凸部と対向しないノズルのうちの他方から、前記媒体の下端に向かって前記インクを吐出し、前記媒体の所定方向の端が前記凸部の上にある場合、前記2つの前記凸部と対向しないノズルのうちの一方から、前記媒体の上端に向かって前記インクを吐出し、前記2つの前記凸部と対向しないノズルのうちの一方から、前記媒体の下端に向かって前記インクを吐出することが望ましい。これにより、印刷画像の画質が向上する。また、前記インクを吐出するノズルがN個であり、媒体に形成されるドットの間隔がDであり、ノズルピッチがk×Dである場合、Nとkが互いに素の関係であり、前記媒体の搬送量は、N×Dであることが好ましい。これにより、一定の搬送量で媒体を搬送しながら、ノズルピッチよりも高い解像度の印刷画像を得ることができる。
かかる印刷方法であって、前記媒体の所定方向の端が前記凸部の上にある場合に、前記凸部と対向するノズルを挟む前記2つの前記凸部と対向しないノズルの両方から、前記媒体に向かってインクを吐出することが望ましい。また、前記インクを吐出するノズルがN個であり、媒体に形成されるドットの間隔がDであり、ノズルピッチがk×Dである場合、N/2が互いに素の関係であり、前記媒体の搬送量は、(N/2)×Dであることが好ましい。これにより、印刷画像の画質が向上する。また、前記媒体の所定方向の端が前記凸部の上にある場合に、前記媒体を搬送方向及び逆方向に搬送して、前記2つの前記凸部と対向しないノズルのうちの一方及び他方から交互にインクを吐出することが好ましい。
かかる印刷方法であって、前記凸部と対向しないノズルは、2つの前記凸部と対向するノズルに挟まれていることが望ましい。
所定方向の所定位置に設けられ、媒体を支持する凸部と、
前記所定方向と交差する方向の位置が異なる複数のノズルを、前記所定方向に移動するための移動部と、
前記媒体の前記所定方向の端が前記凸部の上にある場合、移動中に前記凸部と対向するノズルからは前記インクを吐出させず、移動中に前記凸部と対向しないノズルから、前記媒体の前記所定方向の端に向かって前記インクを吐出させるコントローラと、
を有することを特徴とする印刷装置。
このような印刷装置によれば、媒体を支持する凸部にインクが付着することを防止できる。
所定方向の所定位置に設けられ、媒体を支持する凸部と、
前記所定方向と交差する方向の位置が異なる複数のノズルを、前記所定方向に移動するための移動部と、
を有する印刷装置に、
前記媒体の前記所定方向の端が前記凸部の上にある場合、移動中に前記凸部と対向するノズルからは前記インクを吐出させず、移動中に前記凸部と対向しないノズルから、前記媒体の前記所定方向の端に向かって前記インクを吐出させる
ことを特徴とするプログラム。
このようなプログラムによれば、媒体を支持する凸部にインクが付着することを防止するように、印刷装置を制御できる。
===開示の概要2===
また、本明細書及び添付図面の記載により、少なくとも、以下の事項も明らかとなる。
本実施形態は、画像データを入力し、画像データに対応してインクを印刷ヘッドから吐出することにより、印刷媒体に所望の画像を印刷する印刷装置において、印刷媒体の主走査方向の幅よりも広い幅を有する画像データが印刷対象であることを検出する検出手段と、検出手段によって印刷媒体の主走査方向の幅よりも広い幅を有する画像データが印刷対象であることが検出された場合には、画像データの印刷媒体から主走査方向にはみ出た範囲であって、印刷ヘッドの1回の主走査により印刷しようとする範囲が、インクを吸収するための吸収材が配置された範囲内に収まっているか否かを判定する判定手段と、判定手段によって吸収材が配置されていない範囲に画像データの範囲がはみ出している場合には、副走査方向に配列されている複数のノズルの中で、吸収材が配置されている範囲に属するノズルのみを用いて印刷を行う印刷手段と、を有している。
このため、非定形の印刷媒体を使用して縁なし印刷をした場合であっても、プリンタ内部および印刷媒体の裏面にインクが付着することを防止することができる。
また、判定手段は、画像データの印刷媒体から主走査方向にはみ出た範囲であって、印刷ヘッドの1回の主走査により印刷しようとする範囲が、インクを吸収するための吸収材が配置された範囲内に収まっているか否かを判定するようにしている。このため、プリンタ内部にインクが付着することを確実に防止できる。
また、判定手段は、画像データの印刷媒体から主走査方向にはみ出た範囲であって、印刷ヘッドの1回の主走査により印刷しようとする範囲が、吸収材が配置されていない部分から所定の距離だけ離れているか否かについてさらに判定する。このため、インク滴の飛翔する経路がズレを生じたような場合でも、プリンタ内部にインクが付着することを確実に防止できる。
また、吸収材は、主走査方向に連続して形成された第1の領域と、主走査方向に不連続に形成された第2の領域とを有し、印刷手段は、判定手段によって画像データの印刷媒体から主走査方向にはみ出た範囲であって、印刷ヘッドの1回の主走査により印刷しようとする範囲が、第2の領域の吸収材が配置されている範囲内に収まっている場合には、第1および第2の領域の双方に属するノズルを用いて印刷を行い、一方、判定手段によって画像データの印刷媒体から主走査方向にはみ出た範囲であって、印刷ヘッドの1回の主走査により印刷しようとする範囲が、第2の領域の吸収材が配置されている範囲内に収まっていない場合には、第1の領域に属するノズルのみを用いて印刷を行う、ようにしている。このため、定形用紙に対しては高速に印刷を行い、非定形用紙に対してはインクがプリンタ内部に付着しないように印刷することができる。
また、吸収材は、主走査方向に連続して形成された第3の領域をさらに有し、上流側から下流側に向けて、第1、第2、第3の領域の順に配置されており、印刷手段は、判定手段によって画像データの印刷媒体から主走査方向にはみ出た範囲であって、印刷ヘッドの1回の主走査により印刷しようとする範囲が、第2の領域の吸収材が配置されている範囲内に収まっている場合には、第1、第2、および第3の領域の全てに属するノズルを用いて印刷を行い、一方、判定手段によって画像データの印刷媒体から主走査方向にはみ出た範囲であって、印刷ヘッドの1回の主走査により印刷しようとする範囲が、第2の領域の吸収材が配置されている範囲内に収まっていない場合は、上端処理については、第3の領域の範囲に属するノズルを用いて印刷を行い、下端処理については、第1の領域の範囲に属するノズルを用いて印刷を行い、通常の印刷については第1および第3の領域のいずれかに属するノズル、または、これら双方に属するノズルを用いて印刷を行う、ようにしている。このため、定形用紙に対しては高速に印刷を行い、非定形用紙に対してはインクがプリンタ内部に付着しないように印刷することができる。
また、印刷媒体の主走査方向の幅を検出するセンサをさらに有しており、判定手段は、センサによって検出された印刷媒体の範囲と、検出手段の検出結果に基づいて、印刷ヘッドの1回の主走査により印刷しようとする範囲が、インクを吸収するための吸収材が配置された範囲内に収まっているか否かを判定する、ようにしている。このため、印刷媒体の主走査方向の幅を確実に検出することが可能になる。
また、センサは、印刷ヘッドに設けられた光学センサであり、印刷ヘッドの主走査方向の往復動作に応じて、印刷媒体の幅を検出するようにしている。このため、印刷媒体の幅を正確に検出することが可能になる。
また、判定手段は、吸収材の範囲を示す情報と、センサからの情報に応じて、印刷ヘッドの1回の主走査により印刷しようとする範囲が、インクを吸収するための吸収材が配置された範囲内に収まっているか否かを判定する。このため、印刷ヘッドを左右に往復動作させることにより、単一の光センサでも位置を検出することが可能になる。
また、本実施形態は、画像データを入力し、画像データに対応してインクを印刷ヘッドから吐出することにより、印刷媒体に所望の画像を印刷する印刷方法において、印刷媒体の主走査方向の幅よりも広い幅を有する画像データが印刷対象であることを検出する検出ステップと、検出ステップによって印刷媒体の主走査方向の幅よりも広い幅を有する画像データが印刷対象であることが検出された場合には、画像データの印刷媒体から主走査方向にはみ出た範囲であって、印刷ヘッドの1回の主走査により印刷しようとする範囲が、インクを吸収するための吸収材が配置された範囲内に収まっているか否かを判定する判定ステップと、判定ステップによって吸収材が配置されていない範囲に画像データの範囲がはみ出している場合には、副走査方向に配列されている複数のノズルの中で、吸収材が配置されている範囲に属するノズルのみを用いて印刷を行う印刷ステップと、を有するようにしている。
このため、本方法によれば、非定形の印刷媒体を使用して縁なし印刷をした場合であっても、プリンタ内部および印刷媒体の裏面にインクが付着することを防止することができる。
また、本実施形態は、画像データを入力し、画像データに対応してインクを印刷ヘッドから吐出することにより、印刷媒体に所望の画像を印刷する処理をコンピュータに機能させるコンピュータ読み取り可能な印刷用プログラムにおいて、コンピュータを、印刷媒体の主走査方向の幅よりも広い幅を有する画像データが印刷対象であることを検出する検出手段、検出手段によって印刷媒体の主走査方向の幅よりも広い幅を有する画像データが印刷対象であることが検出された場合には、画像データの印刷媒体から主走査方向にはみ出た範囲であって、印刷ヘッドの1回の主走査により印刷しようとする範囲が、インクを吸収するための吸収材が配置された範囲内に収まっているか否かを判定する判定手段、判定手段によって吸収材が配置されていない範囲に画像データの範囲がはみ出している場合には、副走査方向に配列されている複数のノズルの中で、吸収材が配置されている範囲に属するノズルのみを用いて印刷を行う印刷手段、として機能するようにしている。
このため、本プログラムをコンピュータにインストールすれば、非定形の印刷媒体を使用して縁なし印刷をした場合であっても、プリンタ内部および印刷媒体の裏面にインクが付着することを防止することができる。
以下、本発明の一実施の形態について、図面を参照して説明する。
===印刷装置の概要===
<印刷装置の構成について>
まず、本発明の実施の形態に係る印刷装置の概要について、図1および図2を参照しつつ説明する。なお、本明細書中においては、プリンタ22とコンピュータ90の組み合わせを「印刷装置」と称する。また、「画像」とは、自然画等の画像のみならず、線画およびテキストも含み、いわゆるイメージデータと呼ばれるものとテキストデータと呼ばれるものの両方のデータによって得られる画像、文字、線画等を含むものとする。
図1は、印刷装置を構成するプリンタ22の概略構成図である。図2は、制御回路40を中心としたプリンタ22の主要部の構成例を示すブロック図である。
図1に示すように、プリンタ22は、紙送りモータ23によって、印刷媒体である印刷用紙Pを搬送する搬送機構(副走査送り機構)と、キャリッジモータ24によってキャリッジ31を紙送りローラ26の軸方向に往復動させる移動機構(主走査送り機構)とを有している。ここで、搬送機構による印刷用紙Pの送り方向を搬送方向(副走査方向)といい、移動機構によりキャリッジ31の移動する方向を移動方向(主走査方向)という。
また、プリンタ22は、キャリッジ31に搭載され、印刷ヘッド12を備えた印刷ヘッドユニット60と、この印刷ヘッドユニット60を駆動してインクの吐出およびドット形成を制御するヘッド駆動機構と、これらの紙送りモータ23、キャリッジモータ24、印刷ヘッドユニット60および操作パネル32との信号のやり取りを司る制御回路40とを備えている。
つぎに、印刷ヘッド12の構成について、図1を参照しつつ説明する。
キャリッジ31には、図1に示すように、ブラック(K)のインクを収納したカートリッジ71、シアン(C)のインクを収納したカートリッジ72、マゼンタ(M)のインクを収納したカートリッジ73、イエロー(Y)のインクを収納したカートリッジ74の4つのインクカートリッジ71〜74が着脱可能に搭載される。
キャリッジ31の下部には印刷ヘッド12が設けられている。印刷ヘッド12には、それぞれの色のインクに対応したノズル列が形成されている。各ノズル列には、インク吐出箇所としてのノズルが印刷用紙Pの搬送方向に列状に配置されている。
また、キャリッジ31の下部に設けられ、各インクに対応づけられたノズル列には、ノズル毎に、電歪素子の1つであって応答性に優れたピエゾ素子が配置されている。ピエゾ素子は、ノズルまでインクを導くインク通路を形成する部材に接する位置に設置されている。ピエゾ素子は、電圧の印加により結晶構造が歪み、極めて高速に電気−機械エネルギの変換を行う。
本実施の形態では、ピエゾ素子の両端に設けられた電極間に所定時間幅の電圧を印加することにより、ピエゾ素子が電圧の印加時間だけ伸張し、インク通路の一側壁を変形させる。この結果、インク通路の体積はピエゾ素子の伸張に応じて収縮し、この収縮分に相当するインクが、インク滴となって、ノズルの先端から高速に吐出される。このインク滴が紙送りローラ26に沿わされた印刷用紙Pに染み込むことにより、ドットが形成されて印刷が行われる。インク滴の大きさは、ピエゾ素子への電圧の印加方法によって変更することができる。これにより、大、中、小の3種類の異なる大きさのドットを形成することができる。
制御回路40は、コネクタ56を介してコンピュータ90に接続されている。コンピュータ90は、後述するようにプリンタ22用のプリンタドライバプログラムを搭載し、入力装置であるキーボードや、マウス等の操作によるユーザの指令を受け付け、また、プリンタ22における種々の情報を表示装置の画面表示によりに提示するユーザインターフェースを構成している。
印刷用紙Pを搬送する搬送機構は、紙送りモータ23の回転を紙送りローラ26と用紙搬送ローラ(図示せず)とに伝達するギヤトレイン(図示せず)を備える。
また、キャリッジ31を往復動させる移動機構は、紙送りローラ26の軸と並行に架設されキャリッジ31を摺動可能に保持する摺動軸34と、キャリッジモータ24との間に無端の駆動ベルト36を張設するプーリ38と、キャリッジ31の原点位置を検出するための光学センサ39とを備えている。なお、光学センサ39は、光を印刷用紙Pに対して投射する光源と、印刷用紙Pからの反射光を対応する画像信号に変換するフォトダイオード(または、CCD素子)とによって構成されている。
図2に示すように、制御回路40は、印刷手段であるCPU(Central Processing Unit)41、プログラマブルROM(P−ROM(Read Only Memory))43、RAM(Random Access Memory)44、文字のドットマトリクスを記憶したキャラクタジェネレータ(CG(Character Generator))45、EEPROM(Electronically Erasable and Programmable ROM)46、およびエンコーダ47を備えた算術論理演算回路として構成されている。なお、エンコーダ47は、キャリッジモータ24に具備された検出部48からの検出信号に基づいて、キャリッジ31の移動方向における位置を検出する。また、エンコーダ47は、紙送りモータ23に具備された検出部49からの検出信号に基づいて、印刷用紙Pの搬送方向における位置を検出する。
この制御回路40は、さらに、外部のモータ等とのインタフェース(I/F(Interface))であるI/F専用回路50と、このI/F専用回路50に接続され印刷ヘッドユニット60を駆動してインクを吐出させるヘッド駆動回路52と、紙送りモータ23およびキャリッジモータ24を駆動するモータ駆動回路54とを備えている。
I/F専用回路50は、パラレルインタフェース回路を内蔵しており、コネクタ56を介してコンピュータ90から供給される印刷データPDを受け取ることができる。
<印刷ヘッド12とプラテン300の構成について>
図3は、印刷ヘッド12におけるノズルNの配列を示す説明図である。印刷ヘッド12には、ブラック(K)、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)の各色ごとにインクを吐出する4組のノズルアレイ(ノズル列)が配置されている。これらの4組のノズルアレイは、移動方向に沿って並ぶように配列されている。各ノズルアレイには、それぞれ180個のノズルが一定のノズルピッチで一列に配列されている。なお、ノズルピッチとはノズル間隔のことであり、本実施形態では180dpi(1/180インチ)である。搬送方向のドット間隔をDとしたとき、ノズルピッチをk×Dとして表すこともある。例えば、ドット間隔Dが720dpi(1/720インチ)のとき、本実施形態のノズルピッチは4×Dである(k=4)。つまり、kは、印刷ヘッド12上に配されるノズルの搬送方向の間隔が何ラスタライン分(すなわち、何画素分)であるかを示す値である。例えば、間に3ラスタライン分の間隔をあけて配されている場合、kは4である。なお、「ラスタライン」とは、移動方向に並ぶ画素の列である。
図4に示すように、印刷ヘッド12は、プラテン300に対向する位置に設けられている。プラテン300は、紙送りローラ26および排紙ローラ25の中間に配置され、紙送りローラ26と従動ローラ26aおよび排紙ローラ25と従動ローラ25aによって搬送される印刷用紙Pと、印刷ヘッド12との間の距離が一定に保たれるように、印刷用紙Pを支持する。また、プラテン300の上部には、凹部302が設けられており、その底にはインクを吸収するための吸収材306が配置されている。また、凹部302の中央部には、凸部303が配置されている。なお、図4において、1〜15の数字は、ノズル番号を示している。前述したように、実際には、180個程度のノズルが存在しているが、説明を簡略化するために、以下では、ノズルが15個であるものとする。また、以下では、ノズルの番号に「#」を付して各ノズルを表す。
図3に破線で示した範囲Ruは、印刷ヘッド12上のノズルNのうちの搬送方向の上流側(印刷用紙Pの先端が先に到達する側)の所定の範囲である。図4に示すように、印刷ヘッド12の範囲Ruと向かい合うプラテン300の部分には、上流側の凹部302が存在している。すなわち、各色ノズル列の#11〜#15は、上流側の凹部302と向かい合う位置に設けられている。上流側の凹部302と向かい合うノズルの集合(これら各色ノズル列の集合)を、ノズル群Nuと表記する。
同様に、図3に破線で示した範囲Rlは、印刷ヘッド12上のノズルNのうちの搬送方向の下流側(印刷用紙Pの先端が後に到達する側)の所定の範囲である。図4に示すように、印刷ヘッド12の範囲Rlと向かい合うプラテン300の部分には、下流側の凹部302が存在している。すなわち、各色ノズル列の#1〜#5は、下流側の凹部302と向かい合う位置に設けられている。下流側の凹部302と向かい合うノズルの集合(これら各色ノズル列の集合)を、ノズル群Nlと表記する。
図5は、プラテン300の詳細な構成例を説明するための図である。この図に示すように、プラテン300は、内部に凹部302を有する枠体301によって構成され、凹部302内には凸部303〜305が設けられている。凹部302の底部には、凸部303〜305がそれぞれ貫通する矩形孔307〜309を有する吸収材306が配置される。
図6は、図5に示す凸部303〜305と、印刷用紙Pとの関係を示す図である。
この図に示すように、L版、ハガキ、B5、A4等の定形用紙のそれぞれの端部が吸収材306の上に位置するように、凸部303〜305の寸法および配置位置が決定されている。すなわち、L版の場合、用紙の右端が凸部303の右側の吸収材306の上になるように凸部303が配置され、用紙の左端が凸部303と凸部304の間の吸収材306の上になるように凸部303及び凸部304が配置される。ハガキもL版の場合と同様である。B5用紙の場合には、用紙の右端が凸部303の右側の吸収材306の上になるように凸部303が配置され、用紙の左端が凸部304と凸部305の間にある吸収材306の上になるように凸部304及び凸部304が配置される。A4用紙の場合は、用紙の右端が凸部303の右側の吸収材306の上になるように凸部303が配置され、用紙の左端が凸部305の左側の吸収材306の上になるように凸部305が配置される。このように、定形用紙が使用された場合には、用紙の左右端が必ず吸収材306の上になるように、凸部303〜305が配置される。
<通常の印刷時の動作について>
まず、ブラックのノズルアレイの印刷方法の参考例を説明する。これは、他の色のノズルアレイによるドット形成の様子も同様なので、他の色のノズルアレイの説明を省略し、説明を簡略化するためである。
図7は、通常の印刷方法の説明図である。なお、説明の便宜上、印刷ヘッド(又はブラックのノズルアレイ)が印刷用紙に対して移動しているように描かれているが、同図はヘッドと印刷用紙との相対的な位置を示すものであって、実際には印刷用紙が搬送方向に移動している。また、同図において、黒丸で示されたノズルは、インクを吐出可能なノズルである。白丸で示されたノズルは、インクを吐出不可に設定されているノズルである。図中には、パス1〜パス4における印刷ヘッド(又はノズルアレイ)の位置とドットの形成の様子をしている。
この印刷方法では、kが2以上であって、1回のパスで記録されるラスタラインの間に記録されないラスタラインが挟まれる。ここで、「パス」とは、ノズルが移動方向に1回移動することをいう。「ラスタライン」とは、移動方向に並ぶ画素の列であり、走査ラインともいう。また、「画素」とは、インク滴を着弾させドットを記録する位置を規定するために、仮想的に定められた方眼状の桝目である。
この印刷方法では、印刷用紙が搬送方向に一定の搬送量Fで搬送される毎に、各ノズルが、その直前のパスで記録されたラスタラインのすぐ上のラスタラインを記録する。このように搬送量を一定にして記録を行うためには、インクを吐出可能なノズル数N(整数)はkと互いに素の関係にあり、搬送量FはN・Dに設定される。
同図では、ノズルアレイは搬送方向に沿って配列された15個のノズルを有する。kは4なので、この印刷方法を行うための条件である「Nとkが互いに素の関係」を満たす。また、15個のノズルが用いられるため、印刷用紙は搬送量15・Dにて搬送される。その結果、180dpi(4・D)のノズルピッチのノズルアレイを用いて、720dpi(=D)のドット間隔にて印刷用紙にドットが形成される。
同図は、最初のラスタラインはパス3のノズル♯4が形成し、2番目のラスタラインはパス2のノズル♯8が形成し、3番目のラスタラインはパス1のノズル♯12が形成し、4番目のラスタラインはパス4のノズル♯1が形成し、連続的なラスタラインが形成される様子を示している。なお、パス1では、ノズル♯12よりも搬送方向上流側のノズルのみがインクを吐出し、パス2では、ノズル♯8よりも搬送方向上流側のノズルがインクを吐出している。これは、パス1やパス2において全てのノズルからインクを吐出しても、連続したラスタラインを印刷用紙に形成できないためである。パス4以降では、15個のノズル(♯1〜♯15)がインクを吐出し、印刷用紙が一定の搬送量F(=15・D)にて搬送されて、連続的なラスタラインがドット間隔Dにて形成される。
実際のノズル数は、180個である。ノズル数が180個の場合、通常の印刷処理では、179個のノズルからインクが吐出され、印刷用紙が179/720インチ(=179・D)の搬送量にて搬送される。これにより、1/180インチのノズルピッチのノズルアレイにより、1/720インチ(=D)の解像度でドットを形成することができる。
===コンピュータの構成===
つぎに、コンピュータ90の構成について、図8を参照しつつ説明する。
図8に示すように、コンピュータ90は、CPU91、ROM92、RAM93、HDD(Hard Disk Drive)94、ビデオ回路95、I/F96、バス97、表示装置98、入力装置99および外部記憶装置100によって構成されている。
ここで、検出手段であり、判定手段であるCPU91は、ROM92やHDD94に格納されているプログラムに従って各種演算処理を実行するとともに、装置の各部を制御する制御部である。
ROM92は、CPU91が実行する基本的なプログラムやデータを格納しているメモリである。RAM93は、CPU91が実行途中のプログラムや、演算途中のデータ等を一時的に格納するメモリである。
HDD94は、CPU91からの要求に応じて、記録媒体であるハードディスクに記録されているデータやプログラムを読み出すとともに、CPU91の演算処理の結果として発生したデータを前述したハードディスクに記録する記録装置である。
ビデオ回路95は、CPU91から供給された描画命令に応じて描画処理を実行し、得られた画像データを映像信号に変換して表示装置98に出力する回路である。
I/F96は、入力装置99および外部記憶装置100から出力された信号の表現形式を適宜変換するとともに、プリンタ22に対して印刷データPDを出力する回路である。
バス97は、CPU91、ROM92、RAM93、HDD94、ビデオ回路95およびI/F96を相互に接続し、これらの間でデータの授受を可能とする信号線である。
表示装置98は、例えば、LCD(Liquid Crystal Display)モニタやCRT(Cathode Ray Tube)モニタによって構成され、ビデオ回路95から出力された映像信号に応じた画像を表示する装置である。
入力装置99は、例えば、キーボードやマウスによって構成されており、ユーザの操作に応じた信号を生成して、I/F96に供給する装置である。
外部記憶装置100は、例えば、CD−ROM(Compact Disk-ROM)ドライブユニット、MO(Magneto Optic)ドライブユニット、FDD(Flexible Disk Drive)ユニットによって構成され、CD−ROMディスク、MOディスク、FDに記録されているデータやプログラムを読み出してCPU91に供給する装置である。また、MOドライブユニットおよびFDDユニットの場合には、CPU91から供給されたデータを、MOディスクまたはFDに記録する装置である。
図9は、コンピュータ90に実装されているプログラムおよびドライバの機能について説明する図である。なお、これらの機能は、コンピュータ90のハードウエアと、HDD94に記録されているソフトウエアとが協働することにより実現される。この図に示すように、コンピュータ90には、アプリケーションプログラム201、ビデオドライバプログラム202、およびプリンタドライバプログラム210が実装されており、これらが所定のオペレーティングシステム(OS)の下で動作している。
ここで、アプリケーションプログラム201は、例えば、画像処理プログラムであり、ディジタルカメラ等から取り込まれた画像を加工処理したり、ユーザによって描画された画像を加工処理したりした後、プリンタドライバプログラム210およびビデオドライバプログラム202に出力する。
ビデオドライバプログラム202は、ビデオ回路95を駆動するためのプログラムであり、例えば、アプリケーションプログラムから供給された画像データに対してガンマ処理やホワイトバランスの調整等を行った後、映像信号を生成して表示装置98に供給して表示させる。
プリンタドライバプログラム210は、解像度変換モジュール211、色変換モジュール212、色変換テーブル213、ハーフトーンモジュール214、記録率テーブル215、および印刷データ生成モジュール216によって構成されており、アプリケーションプログラム201によって生成された画像データに対して後述する種々の処理を施して印刷データPDを生成し、プリンタ22に供給する。
ここで、解像度変換モジュール211は、アプリケーションプログラム201から供給された画像データの解像度を、印刷ヘッド12の解像度に応じて変換する処理を行う。
色変換モジュール212は、RGB(Red, Green, Blue)表色系によって表現されている画像データを、色変換テーブル213を参照して、CMYK(Cyan, Magenta, Yellow, Black)表色系の画像データに変換する処理を行う。
ハーフトーンモジュール214は、後述するようにディザ処理により、CMYK表色系によって表された画像データを、記録率テーブル215を参照して、大、中、小の3種類のドットの組み合わせからなるビットマップデータに変換する。
印刷データ生成モジュール216は、ハーフトーンモジュール214から出力されたビットマップデータから、各主走査時のドットの記録状態を示すラスタデータと、搬送量(副走査送り量)を示すデータとを含む印刷データPDを生成して、プリンタ22に供給する。
===印刷時の処理===
つぎに、図10を参照して、図1に示すコンピュータ90により画像データを印刷する場合の処理について説明する。図10に示す処理は、HDD94に格納されている所定の画像データ(画像ファイル)が、入力装置99により指定され、当該画像データに関連付けられているアプリケーションプログラム201が起動された場合に実行される。このフローチャートが開始されると、以下のステップが実行される。
<印刷開始までの処理(ステップS10〜ステップS16>
ステップS10:アプリケーションプログラム201は、アプリケーションプログラム201の編集画面を表示させるための情報をHDD94から取得し、ビデオ回路95に供給する。その結果、図11に示すような、画面250が表示装置98に表示される。
図11に示す表示例では、画面250の上部には、メニューとしてファイル251、編集252、およびオプション253が表示されている。また、その下には編集の対象となる画像が表示される表示領域255がある。この例では、表示領域255には、画像が表示されているが、実際には、ステップS10の処理が終了した時点では画像は表示されていない。
ステップS11:アプリケーションプログラム201は、アプリケーションプログラム201を起動する際に指定された画像データを、HDD94から読み取る。
ステップS12:アプリケーションプログラム201は、ステップS11において読み取られた画像データを、表示領域255に表示する。その結果、表示領域255には、図11に示すように、例えば、ディジタルカメラ等によって撮影された画像が表示される。
ステップS13:アプリケーションプログラム201は、表示領域255に表示されている画像を印刷する操作がなされたか否かを判定する。具体的には、図12に示すように、ファイル251が操作されることにより表示されるプルダウンメニュー254から「印刷」が選択されたか否かを判定し、選択された場合にはステップS14に進み、それ以外の場合には同様の処理を繰り返す。
ステップS14:アプリケーションプログラム201はプリンタドライバプログラム210を呼び出し、プリンタドライバプログラム210は、表示装置98に対して印刷画面を表示させる。その結果、表示装置98には、図13に示すような画面270が新たに表示される。
この表示例では、画面270には、タイトル271、ラジオボタン272,273、テキストボックス274,275、およびボタン276が表示されている。ここで、タイトル271である「印刷」は、この画面270が印刷用の画面であることを示す。ラジオボタン272は、通常印刷を実行する場合に選択される。ラジオボタン273は、縁なし印刷を実行する場合に選択される。ここで、縁なし印刷とは、印刷用紙Pの上下左右の全ての端に空白ができないように印刷する場合と、左右端のみに空白ができないように印刷する場合を含むものとする。
テキストボックス274には、画像を印刷する枚数が入力される。テキストボックス275には、印刷用紙のサイズ(例えば、A4,B5等)が入力される。ボタン276は、入力された内容で印刷処理を開始する場合に操作される。
ステップS15:プリンタドライバプログラム210は、図13に示すボタン276が操作されたか否かを判定し、操作された場合にはステップS16に進み、それ以外の場合には同様の処理を繰り返す。
ステップS16:プリンタドライバプログラム210は、縁なし印刷か否かを判定する。すなわち、プリンタドライバプログラム210は、図13のラジオボタン273が選択されているか否かを判定し、選択されている場合にはステップS19に進み、それ以外の場合にはステップS17に進む。
<通常の印刷処理(ステップS17〜ステップS18>
ステップS17:アプリケーションプログラム201からプリンタドライバプログラム210に画像データが供給され、プリンタドライバプログラム210は、通常の印刷処理を実行するための印刷データPDを生成する処理を開始する。
ステップS18:プリンタドライバプログラム210は、アプリケーションプログラム201から供給された画像データ(R,G,B表色系によって表されている画像データ)に対して、解像度変換処理、ディザ処理等を施し、印刷データPDを生成し、プリンタ22に印刷データPDを供給する。プリンタ22では、印刷ヘッド12を移動方向に駆動し、受信した印刷データPDに対応して印刷ヘッド12からインクを吐出して、ラスタラインを印刷用紙Pに形成する(この動作を、「走査」又は「主走査」とも言う。)。そして、1回のパスが終了した後に、印刷用紙を所定の搬送量にて搬送し(この動作を「副走査」とも言う。)、同様の処理を繰り返すことにより、印刷用紙Pには、所定の範囲(印刷用紙Pをはみ出さない範囲)に画像が印刷されることになる。この結果、通常の印刷処理が完了する。
既に説明した通り、ノズル数が15個の場合、通常の印刷処理では、全てのノズル(15個のノズル)からインクが吐出され、印刷用紙が15/720インチ(=15・D)の搬送量にて搬送される。これにより、1/180インチのノズルピッチのノズルアレイにより、1/720インチ(=D)の解像度でドットを形成することができる。実際のノズル数は180個であるので、179個のノズルからインクが吐出され、印刷用紙が179/720インチ(179・D)の搬送量にて搬送される。
<縁なし印刷処理のための前処理(ステップS19〜ステップS22>
ステップS19:ラジオボタン273が選択されると、このステップに移行し、プリンタドライバプログラム210は、プリンタ22に対して、印刷用紙Pの移動方向のサイズを測定するように要求する。その結果、プリンタ22は、印刷用紙Pを1枚だけ搬送し(吸引し)、キャリッジ31を移動させ、図14に示すように、まず、印刷用紙Pの例えば左端を検出する。このとき、光学センサ39は、印刷用紙Pの左端からの反射光を検出するとともに、そのときの位置をエンコーダ47から取得する。つぎに、図14に示すように、印刷ヘッド12を右端に移動させ、光学センサ39により、印刷用紙Pの右端を検出するとともに、そのときの位置をエンコーダ47から取得する。そして、エンコーダ47から取得した、印刷用紙Pの左端および右端の位置情報を参照して、印刷用紙Pの移動方向のサイズ(長さ)を求める。
ステップS20:プリンタドライバプログラム210は、吸収材306(図4及び図5参照)の配置情報を、プリンタ22から取得する。なお、吸収材306の配置情報とは、吸収材306が存在する位置を示す情報をいう。
縁なし印刷の場合には、印刷用紙Pの端の部分に空白部分ができることを防止するために、図15に示すように、画像データ320は、印刷用紙Pをはみ出すように印刷される。つまり、縁なし印刷の場合には、図15に示すように、印刷用紙Pよりも広い領域302にインクが吐出される。このため、印刷用紙Pをはみ出したはみ出し部分321に応じて吐出されるインク滴は、印刷用紙Pに着弾しないことになる。はみ出し部分321に対応するインク滴Ipは、図16に示すように、吸収材306に吸収される。このため、インク滴Ipが凸部303〜305に付着してこれらを汚損することを防止できる。ここで、図16は、印刷用紙Pの左右端部分の印刷の状態を示す図である。凹部302は、最大サイズ(この例では、A4用紙)の印刷用紙Pの左右幅よりも長く設けられている。
なお、ステップS20にいう、吸収材306の配置情報とは、図17に示すように、印刷用紙Pの右端が通過する位置Tを基準とした場合における、幅d1〜d6の情報をいう。幅d1は、位置Tから凸部303の左端までの距離である。幅d2は、位置Tから凸部304の右端までの距離である。また、幅d3は、位置Tから凸部304の左端までの距離である。幅d4は、位置Tから凸部305の右端までの距離である。幅d5は、位置Tから凸部305の左端までの距離である。幅d6は、位置Tから枠体301の左端までの距離である。これらの幅d1〜d6を参照することにより、印刷用紙Pが非定形用紙である場合に、印刷用紙Pの左右端が吸収材306の上部に来るか否かを判定することができる。なお、幅d1〜d6に関する配置情報は、例えば、プリンタ22のP−ROM43に格納されており、プリンタドライバプログラム210は、プリンタ22に対して配置情報を送信するように要求することにより、配置情報を得ることができる。
図10に戻って、ステップS20の処理が終了すると、ステップS21に進む。
ステップS21:プリンタドライバプログラム210は、ステップS19で取得した印刷用紙Pのサイズに関する情報と、ステップS20で取得した吸収材306の配置情報とを比較し、印刷用紙Pの左端が吸収材306の上部に位置しているか否かを判定する(言い換えれば、印刷用紙Pの左端が凸部の上に位置しているか否かを判定する)。具体的には、印刷用紙Pの左右方向の長さをWとし、印刷用紙Pからはみ出して印刷される画像データGの幅をg(図18参照)とした場合、例えば、d1<W<d2である場合には、吸収材306の上部(凸部303と凸部304の間にある吸収材306の上部)に位置しているとして、ステップS22に進む。また、例えば、d2<W<d3である場合には、図18に示すように、印刷用紙Pの左端からはみ出したインクは、凸部304の上部に位置し、吸収材306の上部に位置しないので、ステップS25に進む。
ステップS22:プリンタドライバプログラム210は、画像データと、凸部303〜305の間のマージンが十分か否かを判定する。すなわち、図19に示すように、印刷用紙Pの左端をはみ出した画像データGの左端と、画像データGの左側に存在する凸部305との距離(マージン)mが所定の距離以上ある場合には、マージンが十分としてステップS23に進む。一方、図20に示すように、印刷用紙Pの左端をはみ出した画像データGの左端と、画像データGの左側に存在する凸部305との距離(マージン)mが所定の距離未満ある場合には、インクが凸部305に付着するおそれがあるので、マージンが十分でないとしてステップS25に進む。なお、印刷用紙Pからはみ出して印刷される画像データGの幅をg(図18参照)とした場合、マージンmは、配置情報と、印刷用紙Pの左右方向の長さWと、幅gとに基づいて、算出される。
<通常の縁なし印刷処理(ステップS23、ステップS24>
ステップS23:アプリケーションプログラム201は、画像データを、プリンタドライバプログラム210に受け渡し、印刷データPDを生成するように要求する。その結果、解像度変換処理、ディザ処理等が行われ、印刷用紙Pのサイズよりも、所定のサイズだけ大きい印刷データPDが生成され、プリンタ22に供給されて、通常の縁なし印刷処理が実行されることになる。
印刷が開始されると、まず、プリンタ22は、印刷用紙Pを給紙し(吸引し)、図21に示すノズル#1〜#5の下まで移動させる。つまり、印刷用紙Pが給紙されたとき、印刷用紙Pの上端は、凹部302の上に位置し、凹部302とノズル♯1〜♯5との間に位置する。そして、ノズル#1〜#5からインクを吐出して、印刷用紙Pの上端に画像を印刷する処理(上端処理)を実行する。このとき、印刷用紙Pと対向しないノズル(図中のノズル♯1と♯2)から吐出されたインクは、印刷用紙Pに着弾せず、凹部302に着弾する。このように、印刷用紙Pよりも広い範囲にインクを吐出することによって、印刷用紙Pの上端に空白をなくすことができる。
上端の印刷が終了すると、印刷用紙Pの上端が凹部302の上を通過し、図22に示すように、全てのノズル♯1〜♯15が印刷用紙Pと対向するようになる。そこで、上端の印刷が終了すると、ノズル#1〜#15の全てを使用して画像を印刷する。このとき、印刷用紙Pの左右端は、図16に示すように、吸収材306の上に位置しているので、印刷用紙Pを外れたインク滴Ipは、全て吸収材306に吸収されるため、凸部303〜305が汚れることを防止できる。このように、印刷用紙Pよりも広い範囲にインクを吐出することによって、印刷用紙Pの左右端に空白をなくすことができる。
全ノズルを用いての印刷処理を続けると、印刷用紙Pの下端が紙送りローラ26を通過し、図23に示すように、印刷用紙Pの下端がノズル♯11〜♯15の下に位置するようになる。そこで、全ノズルを用いての印刷処理が終了すると、つづいて、印刷用紙Pの下端に対して、図23に示すノズル#11〜#15を使用して、画像を印刷する処理(下端処理)を実行する。このとき、印刷用紙Pと対向しないノズル(図中のノズル♯14と♯15)から吐出されたインクは、印刷用紙Pに着弾せず、凹部302に着弾する。このように、印刷用紙Pよりも広い範囲にインクを吐出することによって、印刷用紙Pの下端に空白をなくすことができる。
以上の処理により、通常の縁なし印刷処理が完了する。
<本実施形態の縁なし印刷処理(ステップS25、ステップS26>
ステップS25:アプリケーションプログラム201は、画像データを、プリンタドライバプログラム210に受け渡し、印刷データPDを生成するように要求する。プリンタドライバプログラム210は、受け取った画像データに対して、解像度変換処理、ディザ処理等を施し、印刷用紙Pのサイズよりも、所定のサイズだけ大きい印刷データPDを生成し、プリンタ22に供給する。
ここで、ステップS26の印刷処理に進むのは、例えば、図18に示すように、画像データが凸部303〜305の上に位置している場合や、図20に示すように、マージンが十分でない場合である。これらの場合、そのまま印刷すると、凸部303〜305にインク滴Ipが付着して汚れるおそれがある。そこで、ステップS26の印刷処理では、凸部303〜305の直上に位置するノズル#6〜#10以外のノズル(ノズル#1〜#5およびノズル#11〜#15の双方またはいずれか一方)を使用して全ての部分に対しての印刷を行う。したがって、ステップS25の処理では、使用するノズルに合わせて、印刷データPDを生成する。なお、使用するノズルについては、後述の具体例にて説明する。
ステップS26:プリンタドライバプログラム210は、以上のようにして生成された印刷データPDをプリンタ22に供給して印刷させる。これにより、プリンタ22は、印刷用紙Pを給紙し、凸部303〜305の直上に位置するノズル#6〜#10以外のノズル(ノズル#1〜#5およびノズル#11〜#15の双方またはいずれか一方)を使用して全ての部分に対しての印刷を行う。その結果、定型用紙以外の印刷用紙Pが使用された場合であっても、凸部303〜305を汚さずに縁なし印刷を行うことが可能になる。
===本実施形態の印刷処理の具体例===
<ノズル♯1〜♯5のみを使用する例>
図24は、ノズル♯1〜♯5のみを使用する場合の印刷方法の説明図である。使用するノズル数Nが5個であり、kが4であるので、「Nとkが互いに素の関係」という条件を満たす。また、5個のノズルが用いられるため、印刷用紙は搬送量5・Dにて搬送される。
まず、印刷用紙Pが1枚だけ給紙され、印刷用紙Pの上端がノズル♯1〜♯5の下まで到達する(図21と同様)。次に、ノズル♯1〜♯5を使用して上端処理が実行され、画像データの上端部分が印刷される。
この例では、印刷用紙Pの上端が凹部302の上を通過し、全てのノズル♯1〜♯15が印刷用紙Pと対向するようになった後も、図25に示すように、ノズル♯1〜♯5を使用して画像を印刷する。このとき、凸部303〜305の上に印刷用紙の左右端が位置するような場合であっても、インクが吐出される領域での印刷用紙Pの左右端は、吸収材306の上に位置しているので、印刷用紙Pを外れたインク滴は、全て吸収材306に吸収される。
印刷処理を続けると、印刷用紙Pの下端が紙送りローラ26を通過する。前述の通常の縁なし印刷処理では、図23に示すように、ノズル♯11〜♯15を使用して、印刷用紙Pの下端に画像を印刷していたが、この例では、図26に示すように、ノズル♯1〜♯5を使用する。これにより、使用するノズルを途中で切り換えずに、ノズル♯1〜♯5のみを使用して、印刷を完了することができる。
参考までに、図24の印刷方法を図27のように示すこともできる。図中に示す縦方向に並んだ升目は、印刷ヘッドを示しており、升目の中に存在する数字は、ノズル番号を示している。この例では、“1”、“2”、“3”、“4”、“5”の数字を含む下流側のノズル群の移動中にインクが吐出されることにより、画像が形成される。なお、図中において、印刷不可領域は、ラスタラインが完全に埋まらない領域を示す。したがって、この領域にラスタラインが形成されないように、印刷データPDが生成される。また、印刷可能領域は、ラスタラインが完全に埋まる領域を示す。また、用紙位置とは、縁なし印刷がなされる場合における、想定される用紙の上端位置を示している。すなわち、この例では、用紙の上端位置よりも上に存在する10行分の画像データが印刷用紙Pをはみ出すこととなり、この用紙位置から印刷不可領域までの間が上端のはみ出し部分となる。
<ノズル♯11〜♯15のみを使用する例>
図28は、ノズル♯11〜♯15のみを使用する場合の印刷方法の説明図である。使用するノズル数が5個であり、kが4であるので、「Nとkが互いに素の関係」という条件を満たす。また、5個のノズルが用いられるため、印刷用紙は搬送量5・Dにて搬送される。
この例では、印刷用紙Pが給紙されると、印刷用紙Pの上端がノズル♯11〜♯15の下まで到達する。次に、ノズル♯11〜♯15を使用して上端処理が実行され、画像データの上端部分が印刷される。この例では、印刷用紙Pの上端が凹部302の上を通過し、全てのノズル♯1〜♯15が印刷用紙Pと対向するようになった後も、ノズル♯11〜♯15を使用して画像を印刷する。そして、印刷用紙Pの下端が紙送りローラを通過した後、ノズル♯11〜♯15を使用して下端処理を実行する。
この例であっても、前述の例と同様に、印刷用紙Pを外れたインク滴は、全て吸収材306に吸収されるので、凸部303〜305を汚さない。
<ノズル♯1〜♯5及びノズル♯11〜♯15を使用する例>
図29は、ノズル♯1〜♯5及びノズル♯11〜♯15を使用する場合の印刷方法の説明図である。本実施形態では、凸部303〜305と対向するノズル♯6〜♯10は、インクを吐出しない。そこで、図中のノズル♯6〜♯10に対応する升目には、×印が付けられている。つまり、図中において、数字に×印が付けられた升目は、インクを吐出しないノズルの番号を示している。
前述の印刷方法では、1つのラスタラインを1つのノズルで形成しているが、この例では、1つのラスタラインを2つのノズルで形成している。例えば、あるラスタラインの偶数画素をノズル♯14が形成し、そのラスタラインの奇数画素をノズル♯4が形成する。また、あるラスタラインの奇数画素をノズル♯13が形成し、そのラスタラインの偶数画素をノズル♯3が形成する。
あるラスタラインをM個のノズルで形成する場合、搬送量を一定にして記録を行うためには、N/Mが整数であること、N/Mはkと互いに素の関係にあること、搬送量が(N/M)・Dに設定されること、が条件となる。この例では、使用するノズル数Nは10個であり、「N/Mが整数である」との条件を満たす。また、使用するノズル数Nが10個であり、1つのラスタラインを形成するノズルの数Mが2であり、kが4であるので、「N/Mとkが互いに素の関係」という条件を満たす。そして、搬送量は、5・D(=(10/2)・D)に設定される。
<印刷中に逆方向に搬送する例>
図30は、印刷中に逆方向に搬送する場合の印刷方法の説明図である。但し、ここでは、説明の都合上、全ノズル数は13個であり、凹部と向かい合う位置にあるノズルは、ノズル♯1〜♯4及びノズル♯10〜♯13である。また、前述の例では、ノズルピッチを示すkは4であったが、ここでは説明の都合上、kは5である。
ここでは、搬送方向に連続するラスタラインを、ノズル♯1〜♯4と、ノズル♯10〜♯13とで1つずつ交互に印刷する。
また、図31に示すように、搬送方向に連続するラスタラインを、ノズル#10〜#13と、ノズル#1〜#4とで2つずつ交互に印刷することができる。また、3つ以上ずつ交互に印刷することも可能である。
なお、図30および図31では、説明を簡単にするため、複数存在するノズル列のうち1列のノズル列のみを使用して説明している。そして、1列のノズル列は13個のノズルを有するものとする。また、各ノズルは4ラスタライン分の間隔をあけて配されているものとする。
また、図30および図31では、時間とともに搬送方向に相対的に送られる印刷ヘッド12を、順に左から右にずらして示している。図30および図31に示すように、4ドットまたは8ドットずつの定則送りを行う。その結果、各ラスタラインは、それぞれ一つのノズルによってドットを記録される。なお、搬送量(副走査送り量)の単位の「ドット」は、搬送方向の印刷解像度に対応する1ドット分のピッチを意味しており、これはラスタラインのピッチとも等しい。図30および図31において数字がふられたノズルが、ラスタラインにドットを記録するノズルである。
プリンタ22では、まず、印刷用紙Pが1枚だけ給紙され(吸引され)、紙送りが行われ、印刷用紙Pの先端がノズル#1〜#4の下まで到達する。つぎに、ノズル#1〜#4を用いて上端処理が実行され、画像データの上端部分が印刷される。
上端処理が終了すると、ノズル#1〜#4およびノズル#10〜#13の双方を使用して、印刷処理を実行する。このとき、ノズル#5〜#9については、使用しないので、インクが凸部303〜305に付着してこれらを汚すことはない。
そして、印刷用紙Pの後端が、ノズル#10〜#13の下に到達した場合には、下端処理を実行した後、排紙処理を実行する。
以上に説明したように、本実施の形態によれば、縁なし印刷を行う場合には、印刷用紙Pの左右方向の長さを検出し、移動方向に印刷用紙Pをはみ出して印刷される範囲にインク吸収材306が存在する場合であって、十分なマージンが存在する場合には、全てのノズルを用いて印刷を行い、それ以外の場合にはインクの吸収材306が存在する部分に対応するノズルのみを用いて印刷を行うようにした。その結果、定形用紙以外の印刷用紙Pが使用された場合であっても、凸部303〜305を汚さずに縁なし印刷を行うことが可能になる。
===その他の実施形態===
以上、本発明の一実施の形態について説明したが、本発明はこれ以外にも種々変形可能である。
<インクについて>
例えば、以上の実施の形態では、インクとしては、CMYKの4色を用いるようにしたが、これら4色に加えて淡色系のインク(ライトシアン(LC)、ライトマゼンタ(LM)、ダークイエロー(DY))のインクを用いるようにしてもよい。
<印刷ヘッドについて>
また、以上の実施の形態では、ピエゾ素子を用いてインクを吐出するヘッドを備えたプリンタ22を用いているが、吐出駆動素子としては、ピエゾ素子以外の種々のものを利用することが可能である。例えば、インク通路に配置したヒータに通電し、インク通路内に発生する気泡(バブル)によりインクを吐出するタイプの吐出駆動素子を備えたプリンタに適用することも可能である。
<給紙について>
また、以上の実施の形態では、ストッカに貯留されている印刷用紙Pを自動的に給紙して印刷する場合を例に挙げて説明したが、例えば、手差しにより印刷用紙Pを供給する場合において、同様の処理を実行することも可能である。また、ステップS22のマージンが十分か否かの判断を省略するようにしたり、印刷用紙Pの右端位置が変更可能である場合には、右端が吸収材の上に来ているか否かの判断ステップを加えるようにしてもよい。
<印刷用紙の長さについて>
また、以上の実施の形態では、印刷用紙Pの左右方向の長さを光学センサ39によって検出するようにしたが、長さをユーザがコンピュータ90に直接入力するようにしてもよい。また、前述した定形用紙(L版、ハガキ、B5、A4)以外の定形用紙が使用された場合には、その定形用紙名を入力することにより、テーブルからサイズに関する情報を取得するようにしてもよい。
また、以上の実施の形態では、印刷ヘッド12に具備されている光学センサ39を用いて印刷用紙Pのサイズを検出するようにしたが、例えば、ラインセンサを用いてサイズを検出することも可能である。さらに、スキャナを有しているプリンタの場合には、スキャナで印刷用紙Pのサイズを一旦測定した後に、印刷を行うようにしてもよい。
<プラテンについて1>
また、以上の実施の形態では、プラテン300としては、図5に示すように、矩形の枠体301に凸部303〜305を有するものを例に挙げて説明した。但し、本発明は、このようなものに限定されるものではなく、これ以外の形状を有するプラテンにも適用可能である。また、印刷媒体の表面形状としては、上述の実施の形態のような四角形以外に、円形、三角形、五角形、台形等各種の形状のものに本発明を適用することができる。このように、四角形以外の場合、サイズではなく形状を検出し、その形状に応じて印刷データを生成することとなるが、「サイズ」とは、この形状を含むものとする。
例えば、図32Aに示すプラテン300Aでは、6つの凸部401〜406が設けられている。このようなプラテン300Aの場合では、吸収材306Aの左右に連続する領域407〜409の3箇所を用いて印刷を行うことができるので、図5に示すプラテン300に比較すると、高速に縁なし印刷を行うことが可能になる。
また、図32Bに示すプラテン300Bでは、幅の狭い3つの凸部420〜422を有している。このようなプラテン300Bの場合では、吸収材306Bの左右に連続する幅広の領域423,424を用いて印刷を行うことができるので、図5に示すプラテン300に比較すると、高速に縁なし印刷を行うことが可能になる。
<プラテンについて2>
前述の実施形態では、凸部303〜305の搬送方向上流側及び搬送方向下流側に、キャリッジ移動方向に沿う凹部306が2つ設けられていた(例えば図4参照)。但し、キャリッジ移動方向に沿う凹部は、1つであっても良い。
図33は、キャリッジ移動方向に沿う凹部が1つになる例の説明図である。図34は、この実施形態のプラテンの構成例を示す図である。
プラテン300Cは、6つの凸部441〜446を備えている。吸収材306Cは、搬送方向上流側の凸部441〜443と、搬送方向下流側の凸部444〜446との間に位置する。
各色ノズル列の♯11〜♯15は、上流側の凸部441〜443と向かい合う位置に設けられている。各色ノズル列の♯1〜♯5は、下流側の凸部444〜446と向かい合う位置に設けられている。各色ノズル列の♯6〜♯10は、凹部306Cのうちのキャリッジ移動方向に連続する部分と向かい合う位置に設けられている。
通常の縁なし印刷の場合、まず、プリンタ22は、印刷用紙Pの上端がノズル♯6〜♯10の下になるまで、印刷用紙Pを給紙する。そして、ノズル♯6〜10からインクを吐出して、印刷用紙Pの上端に画像を印刷する処理(上端処理)を行う。その後、全てのノズルが印刷用紙Pと対向するようになると、ノズル♯1〜♯15の全てを使用して画像を印刷する。そして、印刷用紙Pの下端が紙送りローラを通過すると、印刷用紙Pの下端がノズル♯11〜♯15の下に位置するようになる。このときにノズル♯11〜♯15からインクを吐出すると、上流側の凸部441〜443にインクが着弾するおそれがある。そこで、ノズル♯11〜♯15からのインクの吐出を禁止し、ノズル♯6〜♯10を使用して、下端処理を行う。
印刷用紙Pの左端が凸部441〜446の上に位置するような場合や、マージンmが十分でない場合、以下のように縁なし印刷を行う。まず、まず、プリンタ22は、印刷用紙Pの上端がノズル♯6〜♯10の下になるまで、印刷用紙Pを給紙する。そして、ノズル♯6〜10を使用して上端処理を行う。全てのノズル♯1〜♯15が印刷用紙Pと対向するようになった後も、図33に示すように、ノズル♯6〜♯10を使用して画像を印刷する。その後、ノズル♯6〜♯10を使用して下端処理を行う。これにより、ノズル♯6〜10のみを使用して、印刷を完了することができる。
<プログラムについて>
なお、以上の処理機能を記述したプログラムは、コンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録しておくことができる。コンピュータで読み取り可能な記録媒体としては、磁気記録装置、光ディスク、光磁気記録媒体、半導体メモリなどがある。磁気記録装置には、ハードディスク装置(HDD)、フレキシブルディスク(FD)、磁気テープなどがある。光ディスクには、DVD、DVD−RAM(Random Access Memory)、CD−ROM、CD−R(Recordable)/RW(ReWritable)などがある。光磁気記録媒体には、MOなどがある。
プログラムを流通させる場合には、例えば、そのプログラムが記録されたDVD、CD−ROMなどの可搬型記録媒体が販売される。また、プログラムをサーバコンピュータの記憶装置に格納しておき、ネットワークを介して、サーバコンピュータから他のコンピュータにそのプログラムを転送することもできる。
プログラムを実行するコンピュータは、例えば、可搬型記録媒体に記録されたプログラムもしくはサーバコンピュータから転送されたプログラムを、自己の記憶装置に格納する。そして、コンピュータは、自己の記憶装置からプログラムを読み取り、プログラムに従った処理を実行する。なお、コンピュータは、可搬型記録媒体から直接プログラムを読み取り、そのプログラムに従った処理を実行することもできる。また、コンピュータは、サーバコンピュータからプログラムが転送される毎に、逐次、受け取ったプログラムに従った処理を実行することもできる。
===まとめ===
(1)通常の印刷方法では、まず、プリンタは、印刷用紙(印刷媒体の一例)を給紙して、プリンタは、搬送方向(移動方向と交差する方向)の位置が異なる15個のノズルを移動させ、移動するノズルから凸部に支持された印刷用紙に向かってインクを吐出させ、印刷用紙に印刷画像を印刷する。
プリンタが縁なし印刷を行う場合、プリンタは、印刷用紙の端に向かってインクを吐出させる。これにより、印刷用紙の端部に余白をつくらずに、印刷を行うことができる。但し、プリンタが縁なし印刷を行う場合、印刷用紙よりも広い範囲にインクを吐出するため、印刷用紙に着弾しないインクが発生する。このように、印刷用紙からはみ出したインクは、プリンタ内部や印刷用紙の裏面を汚すおそれがある。
そこで、縁なし印刷を行うプリンタには、凸部が設けられている。この凸部は、定型用紙を支持する際に印刷用紙の下に位置するように、所定の位置に設けられている(図17参照)。そして、定型用紙が縁なし印刷される場合に、凸部と対向するノズル♯6〜♯10から印刷用紙の左右端に向かってインクが吐出されても、印刷用紙からはみ出したインクが凸部に着弾しないようになっている(図16参照)。
但し、定型用紙以外の印刷用紙に対して縁なし印刷を行う場合、凸部の上に印刷用紙の左右端が位置する場合がある。このような場合に、凸部と対向するノズル♯6〜♯10から印刷用紙の左右端に向かってインクが吐出されると、凸部にインクが着弾する。この結果、プリンタ内部や印刷用紙の裏面を汚すおそれがある。
これを防ぐため、前述の印刷方法では、印刷用紙の左右端(所定方向の端)が凸部の上にある場合、凸部と対向するノズル♯6〜♯10からはインクを吐出せず、凸部と対向しないノズル♯1〜♯5や、ノズル♯11〜♯15から、印刷用紙の左右端に向かってインクを吐出する。
これにより、印刷用紙に着弾しないインクがあったとしても、インクが凸部に着弾することはない。この結果、プリンタの内部や印刷用紙の裏面を汚さずに済む。
(2)前述の印刷方法では、プリンタドライバは、印刷用紙の幅(所定方向の長さ)に応じて、印刷用紙の左右端が凸部の上にあるか否かを判別している。例えば、図17に示すプラテンにおいて、印刷用紙の幅Wがd1<W<d2であれば、印刷用紙の左端が凸部の上にないと判別できる。同様に、印刷用紙の幅がd2<W<d3であれば、印刷用紙の左端が凸部の上にあると判別できる。
なお、プリンタは、予め凸部が設けられている位置に関する配置情報を記憶しており、プリンタドライバは、印刷用紙の幅と配置情報とに基づいて、印刷用紙の左右端が凸部の上にあるか否かを判別している。
(3)前述の印刷方法では、図14に示すように、キャリッジを移動させて、光学センサにより印刷用紙の左右端(所定方向の端)を検出し、印刷用紙の幅(所定方向の長さ)を検出している。これにより、プリンタドライバは、検出された印刷用紙の幅に応じて、印刷用紙の左端が凸部の上にあるか否かを判別できる。
(4)但し、光学センサによらずに、印刷用紙の幅に関する情報を取得しても良い。印刷用紙の幅に関する情報の取得方法として、例えば、ユーザが直接入力する方法や、用紙の種類に応じてテーブルから幅に関する情報を取得する方法などがある。
(5)前述の印刷方法では、印刷用紙に着弾しないインクを吸収材が吸収している。これにより、凹部にインクが堆積しないので、印刷用紙の裏面を汚さずに済む。
(6)前述の印刷方法では、印刷用紙の左右端(所定方向の端)が凸部の上にない場合、全てのノズル♯1〜♯15から印刷用紙の左右端に向かってインクを吐出する(図22参照)。ノズル♯1〜5のみを使用する場合、搬送量は5・Dになるが、全てのノズル♯1〜♯15を使用する場合、搬送量は15・Dになる。このため、凸部と対向するノズル♯6〜♯10が使用できれば、搬送量が多くなり、印刷速度を向上させることができる。
(7)但し、印刷用紙の左右端(所定方向の端)が凸部の上にない場合であっても、図19に示すように、画像データG(インクが吐出される領域)と、媒体を支持しない凸部305との間の距離mが所定の距離以下の場合には、凸部と対向するノズル♯6〜♯10からはインクを吐出しない。これは、距離mが所定の距離以下の場合には、インクの飛行曲がり等の影響により、インクが凸部に付着するおそれがあるためである。
(8)前述の印刷方法では、凸部と対向するノズル♯6〜♯10は、凸部と対向しないノズル♯1〜♯5と、凸部と対向しないノズル♯11〜♯15との間で挟まれている。これは、図4に示すように、プラテンに設けられた凸部が、搬送方向の上流側及び下流側の凹部に挟まれているためである。
(9)前述の印刷方法では、通常の縁なし印刷の場合(媒体の所定方向の端が凸部の上にない場合)、ノズル♯1〜♯5から印刷用紙の上端に向かってインクを吐出し、ノズル♯11〜♯15から印刷用紙の下端に向かってインクを吐出する。つまり、通常の縁なし印刷の場合、上端処理と下端処理で使用されるノズルが異なる。
一方、印刷用紙の左右端(媒体の所定方向の端)が凸部の上にある場合、ノズル♯1〜5から印刷用紙の上端に向かってインクを吐出し、ノズル♯1〜5から印刷用紙の下端に向かってインクを吐出する(図26参照)。つまり、この場合、上端処理と下端処理で使用されるノズルが同じである。これにより、使用するノズルを途中で切り換えずに済むので、ノズル♯1〜♯5のみを使用して印刷を完了することができ、一定の搬送量で印刷を完了することができ、印刷画像の画質が向上する。
(10)前述の印刷方法では、インクを吐出するノズルがN個であり、ドット間隔がDであり、ノズルピッチがk×Dである場合、Nとkが互いに素の関係であり、搬送量がN×Dに設定される。これにより、一定の搬送量で印刷用紙を搬送しながら、ノズルピッチよりも高い解像度の印刷画像を得ることができる。例えば、ノズルピッチが180dpiの印刷ヘッドを用いて、720dpiの解像度の印刷画像を得ることができる。
(11)図27や図28に示す印刷方法では、ノズル♯1〜♯5又はノズル♯11〜♯15のいずれか一方のみを用いて、印刷を行っている。しかし、両方のノズル群を用いて印刷を行うこともできる。
(12)例えば、図29に示す印刷方法では、ノズル♯1〜♯5及びノズル♯11〜♯15の両方のノズル群を用いて印刷を行っている。このように、2つのノズル群を使用する印刷方法では、N/2とkとが互いに素の関係であり、搬送量が(N/2)×Dに設定されることが望ましい。これにより、1つのラスタラインを2つのノズルが形成するように、印刷を行うことができる。これにより、ノズルの製造ばらつきがラスタラインに与える影響が緩和されるので、印刷画像の画質が向上する。
(13)また、図30や図31に示す印刷方法では、搬送方向への搬送と逆方向への搬送を繰り返し、ノズル♯1〜♯5とノズル♯11〜♯15とを交互に使用することによって、両ノズル群を用いて印刷を行っている。
(14)図33に示す印刷方法では、凸部と対向しないノズル♯6〜♯10は、凸部と対向するノズル♯1〜♯5と、凸部と対向するノズル♯11〜♯15との間で挟まれている。これは、図34に示すように、プラテンに設けられた凹部が、搬送方向の上流側及び下流側の凸部に挟まれているためである。
(15)前述の印刷方法の全ての構成を含む形態であれば、全ての効果を奏することができるので、望ましい。
(16)前述の印刷装置は、プリンタとコンピュータの組み合わせを指している。このコンピュータには、プリンタドライバがインストールされている。このプリンタは、凸部とキャリッジモータを備えている。凸部は、定型用紙を支持する際に印刷用紙の下に位置するように、所定の位置に設けられている。キャリッジモータは、キャリッジを移動させることにより、15個のノズルをキャリッジ移動方向(所定方向)に移動させる。
このようなプリンタが定型用紙以外の印刷用紙に対して縁なし印刷を行う場合、凸部の上に印刷用紙の左右端が位置する場合がある。このような場合に、凸部と対向するノズル♯6〜♯10から印刷用紙の左右端に向かってインクが吐出されると、凸部にインクが着弾する。この結果、プリンタ内部や印刷用紙の裏面を汚すおそれがある。
これを防ぐため、前述の印刷装置では、印刷用紙の左右端(所定方向の端)が凸部の上にある場合、プリンタの制御回路(コントローラの一例)は、凸部と対向するノズル♯6〜♯10からはインクを吐出させず、凸部と対向しないノズル♯1〜♯5や、ノズル♯11〜♯15から、印刷用紙の左右端に向かってインクを吐出させる。なお、このような動作は、プリンタドライバがインストールされたコンピュータのCPU(コントローラの一例)が印刷データを生成し、この印刷データに基づいてプリンタの制御回路がプリンタ内の各要素を制御することにより、実現される。つまり、プリンタの制御回路及びコンピュータのCPUが、印刷装置のコントローラとして、このような動作を実現させている。
このような印刷装置によれば、プリンタの内部や印刷用紙の裏面を汚さずに済む。
(17)前述のプリンタドライバ(プログラムの一例)は、コンピュータに、印刷データを生成させ、プリンタに印刷データを送信させる。プリンタは、この印刷データに基づいて、印刷用紙の左右端(所定方向の端)が凸部の上にある場合に、プリンタの制御回路(コントローラの一例)は、凸部と対向するノズル♯6〜♯10からはインクを吐出せず、凸部と対向しないノズル♯1〜♯5や、ノズル♯11〜♯15から印刷用紙の左右端に向かってインクを吐出するように、動作する。
このようなプログラムによれば、プリンタの内部や印刷用紙の裏面を汚さないように、印刷装置を制御できる。
本実施の形態に係る印刷装置の主要部分の概略構成を示す図である。 図1に示すプリンタの制御回路の詳細な構成例を示すブロック図である。 図1に示す印刷装置における印刷ヘッドに設けられたノズルの詳細な構成例を示す図である。 図1に示す印刷装置における印刷ヘッドと、印刷用紙、およびプラテンの関係を示す図であって、上下端にインクがはみ出して印刷される状況を説明するための図である。 図4に示すプラテンの詳細な構成例を示す図である。 図4に示すプラテンと、定形用紙との関係を示す図である。 通常の印刷方法の説明図である。 図1に示すコンピュータの詳細な構成例を示すブロック図である。 図8に示すコンピュータのハードウエアとソフトウエアとが協働することにより実現される処理機能の一例を示す図である。 図1に示す印刷装置において、画像を印刷する際に実行される処理の一例を説明するためのフローチャートである。 図10に示すフローチャートが実行された場合に、図8に示す表示装置に表示される画面の一例である。 図11に示す画面においてメニューとしての「ファイル」が操作された場合に表示されるプルダウンメニューの一例である。 図12に示すプルダウンメニューにおいて「印刷」が選択された場合に表示される画面の一例である。 図1に示すプリンタにおいて、印刷用紙の移動方向の幅を検出する場合のキャリッジの動作を説明するための図である。 図1に示す印刷装置における印刷用紙と、画像データと、はみ出し領域の関係を示す図である。 図1に示す印刷装置中の印刷ヘッドと、印刷用紙、およびプラテンの関係を示す図であって、左右端にインクがはみ出して印刷される状況を説明するための図である。 図4に示すプラテンに配置される吸収材の配置情報の一例を示す図である。 図1に示す印刷装置において画像データの印刷用紙からはみ出した部分が、吸収材の上にない場合のこれらの位置関係を示す図である。 図1に示す印刷装置において画像データの印刷用紙からはみ出した部分が、吸収材の上にある場合であって、凸部からの距離が十分である場合のこれらの位置関係を示す図である。 図1に示す印刷装置において画像データの印刷用紙からはみ出した部分が、吸収材の上にある場合であって、凸部からの距離が十分でない場合のこれらの位置関係を示す図である。 通常の縁なし印刷処理時の上端処理の説明図である。 印刷用紙の中央部を通常の縁なし印刷処理する様子を示す図である。 通常の縁なし印刷処理時の下端処理の説明図である。 本実施形態の第1の具体例の説明図である。 印刷用紙の中央部を縁なし印刷処理する様子を示す図である。 第1の具体例の下端処理の説明図である。 第1の具体例を別の方法で示した図である。 本実施形態の第2の具体例の説明図である。 本実施形態の第3の具体例の説明図である。 印刷処理の他の一例を示す図である。 印刷処理の他の一例を示す図である。 図32Aは、6つの凸部を有するプラテンの構成例を示す図である。図32Bは、幅の狭い凸部を有するプラテンの構成例を示す図である。 凹部が1つ場合の印刷処理の様子を示す図である。 プラテンの構成例を示す図である。
符号の説明
22 プリンタ(印刷装置の一部)
41 CPU
90 コンピュータ(印刷装置の一部)
91 CPU
306,306A,306B,306C 吸収材
P 印刷用紙(印刷媒体)

Claims (15)

  1. 所定方向の所定位置に設けられた凸部で媒体を支持し、
    前記所定方向と交差する方向の位置が異なる複数のノズルを移動し、
    移動する前記複数のノズルから、前記凸部に支持された前記媒体に向かってインクを吐出し、
    前記媒体に印刷画像を印刷する印刷方法であって、
    前記複数のノズルには、前記所定方向に移動する間に、前記凸部と対向するノズルと、前記凸部と対向しないノズルとがあり、
    前記媒体の前記所定方向の長さに応じて、前記媒体の前記所定方向の端が前記凸部の上にあるか否かを判別し、
    前記媒体の前記所定方向の端が前記凸部の上にある場合、前記凸部と対向するノズルからは前記インクを吐出せず、前記凸部と対向しないノズルから、前記媒体の前記所定方向の端に向かって前記インクを吐出する
    ことを特徴とする印刷方法。
  2. 請求項1に記載の印刷方法であって、
    前記媒体の前記所定方向の端を検出することによって、前記媒体の前記所定方向の長さを検出する
    ことを特徴とする印刷方法。
  3. 請求項1に記載の印刷方法であって、
    前記媒体のサイズに関する情報を取得することによって、前記媒体の前記所定方向の長さを検出する
    ことを特徴とする印刷方法。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載の印刷方法であって、
    前記媒体に着弾しないインクを吸収材が吸収する
    ことを特徴とする印刷方法。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載の印刷方法であって、
    前記媒体の所定方向の端が前記凸部の上にない場合、前記凸部と対向するノズル及び前記凸部と対向するノズルから、前記媒体の前記所定方向の端に向かって前記インクを吐出する
    ことを特徴とする印刷方法。
  6. 請求項5に記載の印刷方法であって、
    前記媒体の所定方向の端が前記凸部の上にない場合であって、前記インクが吐出される領域と、前記媒体を支持しない前記凸部と、の間の前記所定方向の距離が、所定の距離よりも短い場合、前記凸部と対向するノズルからは前記インクを吐出せず、前記凸部と対向しないノズルから、前記媒体の前記所定方向の端に向かって前記インクを吐出する
    ことを特徴とする印刷方法。
  7. 請求項1〜6のいずれかに記載の印刷方法であって、
    前記凸部と対向するノズルは、2つの前記凸部と対向しないノズルに挟まれている
    ことを特徴とする印刷方法。
  8. 請求項7に記載の印刷方法であって、
    前記媒体の所定方向の端が前記凸部の上にない場合、
    前記2つの前記凸部と対向しないノズルのうちの一方から、前記媒体の上端に向かって前記インクを吐出し、
    前記2つの前記凸部と対向しないノズルのうちの他方から、前記媒体の下端に向かって前記インクを吐出し、
    前記媒体の所定方向の端が前記凸部の上にある場合、
    前記2つの前記凸部と対向しないノズルのうちの一方から、前記媒体の上端に向かって前記インクを吐出し、
    前記2つの前記凸部と対向しないノズルのうちの一方から、前記媒体の下端に向かって前記インクを吐出する
    ことを特徴とする印刷方法。
  9. 請求項8に記載の印刷方法であって、
    前記インクを吐出するノズルがN個であり、媒体に形成されるドットの間隔がDであり、ノズルピッチがk×Dである場合、
    Nとkが互いに素の関係であり、
    前記媒体の搬送量は、N×Dである
    ことを特徴とする印刷方法。
  10. 請求項7に記載の印刷方法であって、
    前記媒体の所定方向の端が前記凸部の上にある場合に、前記凸部と対向するノズルを挟む前記2つの前記凸部と対向しないノズルの両方から、前記媒体に向かってインクを吐出する
    ことを特徴とする印刷方法。
  11. 請求項10に記載の印刷方法であって、
    前記インクを吐出するノズルがN個であり、媒体に形成されるドットの間隔がDであり、ノズルピッチがk×Dである場合、
    N/2とkとが互いに素の関係であり、
    前記媒体の搬送量は、(N/2)×Dである
    ことを特徴とする印刷方法。
  12. 請求項10に記載の印刷方法であって、
    前記媒体の所定方向の端が前記凸部の上にある場合に、前記媒体を搬送方向及び逆方向に搬送して、前記2つの前記凸部と対向しないノズルのうちの一方及び他方から交互にインクを吐出する
    ことを特徴とする印刷方法。
  13. 請求項1〜6のいずれかに記載の印刷方法であって、
    前記凸部と対向しないノズルは、2つの前記凸部と対向するノズルに挟まれている
    ことを特徴とする印刷方法。
  14. 所定方向の所定位置に設けられ、媒体を支持する凸部と、
    前記所定方向と交差する方向の位置が異なる複数のノズルを、前記所定方向に移動するための移動部と、
    前記媒体の前記所定方向の長さに応じて前記媒体の前記所定方向の端が前記凸部の上にあるか否かを判別し、前記媒体の前記所定方向の端が前記凸部の上にある場合、移動中に前記凸部と対向するノズルからは前記インクを吐出させず、移動中に前記凸部と対向しないノズルから、前記媒体の前記所定方向の端に向かって前記インクを吐出させるコントローラと、
    を有することを特徴とする印刷装置。
  15. 所定方向の所定位置に設けられ、媒体を支持する凸部と、
    前記所定方向と交差する方向の位置が異なる複数のノズルを、前記所定方向に移動するための移動部と、
    を有する印刷装置に、
    前記媒体の前記所定方向の長さに応じて、前記媒体の前記所定方向の端が前記凸部の上にあるか否かを判別させ、
    前記媒体の前記所定方向の端が前記凸部の上にある場合、移動中に前記凸部と対向するノズルからは前記インクを吐出させず、移動中に前記凸部と対向しないノズルから、前記媒体の前記所定方向の端に向かって前記インクを吐出させる
    ことを特徴とするプログラム。
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