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JP4618904B2 - 電子内視鏡装置 - Google Patents

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JP4618904B2
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はスコープ(内視鏡)と、このスコープの遠位端に設けられた撮像センサと、該スコープの近位端に接続させられた画像信号処理ユニットとから成り、撮像センサで得られた画素信号を画像信号処理ユニットで適宜処理した後にビデオ信号として出力する電子内視鏡装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
周知のように、電子内視鏡装置は臓器の内部例えば代表的には胃の内部を観察するために用いられる。従って、電子内視鏡装置のスコープの撮像センサで臓器の内部映像(所謂、内視鏡像)を得るためには該スコープの遠位端の先方即ち撮像センサの前方を照明することが必要となる。そこで、電子内視鏡装置のスコープには光ガイドケーブルが挿通させられ、その遠位端は該スコープの遠位端面に設けられた照明用レンズに光学的に接続される。一方、電子内視鏡装置の画像信号処理ユニット内には光源ユニットが設けられ、画像信号処理ユニットへのスコープの接続時に該光ガイドケーブルの近位端が光源ユニットに光学的に接続される。かくして、電子内視鏡装置のスコープが臓器内に挿入されたとき、該スコープの遠位端の前方側が照明され、これにより撮像センサによる臓器内部の観察が可能となる。
【0003】
従来、画像信号処理ユニット内の光源ユニットには白色ランプとして例えばハロゲンランプやキセンノンランプ等が使用されるが、このようなランプの寿命は短く、例えばハロゲンランプの場合にはその寿命は80ないし120時間程度である。従って、従来の電子内視鏡装置では、煩わしいランプの交換を頻繁に行わなければならないという問題があった。また、別の問題として、かかる白色ランプの色温度分布がその寿命中に経時的に変化するので、適正な色バランスの内視鏡を得るためには電子内視鏡の使用の度毎に煩わしいホワイトバランス補正を行わなければならないという点も挙げられる。
【0004】
そこで、電子内視鏡装置の照明用光源として、上述したような白色ランプの代わりに、発光素子例えば発光ダイオード(LED)を利用することが提案されている。例えば、特開昭63-260526号公報には、電子内視鏡のスコープの遠位端に例えば赤色、緑色及び青色の三原色のLEDを設けて白色光源として用いることが開示されている。詳述すると、一般的に、同じ作動電流の下では、赤色LEDの発光量は最も大きく、青色LEDの発光量は最も小さく、緑色LEDの発光量はその中間となる。そこで、電子内視鏡装置のスコープの遠位端に設けるべき赤色LEDの数を最も小さくし、緑色LEDの数を中間とし、青色LEDの数を最も大きくすることにより、三原色のLEDによる白色光源が得られることになる。
【0005】
勿論、各色のLEDの寿命は上述したハロゲンランプやキセノンランプ等に比べると遥かに長く、電子内視鏡装置の操作者や管理者は上述したような煩わしいランプ交換作業から解放され得る。しかしながら、電子内視鏡装置のスコープの遠位端には撮像センサの他に鉗子チャンネルの開口部、送水口、送気口等が設けられるので、該スコープの遠位端に三原色のLEDを設けて白色光源とする態様では、そこに設けられるべきLEDの全体的な数量には制限があり、十分な照明光量が得られないという点が問題となる。
【0006】
詳述すると、撮像センサには焦点深度の深い対物レンズが組み合わされ、このため撮像センサではそこから比較的遠方の被写体まで焦点の合った像が得られることになるが、その比較的遠方の被写体までは十分な照明光が届かず、このため比較的遠方の被写体については鮮明な再現画像が得られないということになる。要するに、上述の特許公開公報に開示されたLEDによる光源ユニットでは、撮像センサの近くの被写体を鮮明に観察することはできたとしても、遠方の被写体については鮮明に観察し得ないという点が問題となる。
【0007】
また、上述の特許公開公報では、三原色のLEDのそれぞの設置数については白色光源が得られるように調節されているが、しかしたとえ白色光源が得られたとしても、スコープの撮像センサ自体はそれぞれ特有の分光感度特性を示すことになるので、色むらのない内視鏡像を得るためには、従来の場合と同様に、ホワイトバランス補正は不可欠な処理となる。要するに、三原色のLEDのそれぞれの設置数を調節して白色光源とすることは色むらのない内視鏡像を得るために好ましいことと言えるが、しかし撮像センサ自体の特有の分光感度特性を勘案したとき、三原色のLEDのそれぞれの設置数を調節して白色光源とすることが色むらのない内視鏡像を得るということに直ちに結び付く訳でない。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
従って、本発明の目的は、上述したようなタイプの電子内視鏡装置であって、その画像信号処理ユニット内の光源ユニットに少なくとも二色の発光ダイオードを用いて十分な照明光量を得られるように構成すると共にそのスコープの撮像センサの分光感度特性の偏りに拘わらずに色むらのない内視鏡像を得られるように構成した電子内視鏡装置を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明による電子内視鏡装置は、スコープと、このスコープの遠位端に設けられた撮像センサと、該スコープの近位端に着脱自在に接続させられる画像信号処理ユニットとを具備し、該撮像センサで順次得られる1フレーム分の画素信号を画像信号処理ユニットで適宜処理してビデオ信号として出力するように構成される。電子内視鏡は、更に、スコープの遠位端の前方を照明するための照明光を導くべく該スコープに挿通させられた光ガイドケーブルと、画像信号処理ユニット内に設けられた光源ユニットとを具備し、該画像信号処理ユニットへのスコープの接続時に該光ガイドケーブルの近位端が該光源ユニットに光学的に接続されるようになっている。本発明によれば、このような電子内視鏡装置において、光源ユニットが十分な照明光量を得るための少なくとも二色の複数の発光ダイオードから成り、各色の複数の発光ダイオードが少なくとも2つの発光ダイオード群に分けられ、各色の発光ダイオードの発光が撮像センサのそれぞれの色の分光感度特性の偏りを相殺するようにその発光ダイオード群毎に制御されることが特徴とされる。
【0010】
好ましくは、光源ユニットは少なくとも2色の複数の発光ダイオードを配列させたLEDアレイ光源と、このLEDアレイ光源の各色の複数の発光ダイオードをその発光ダイオード群毎に点灯または消灯するように駆動させるLEDドライバとを含み、このLEDドライバの動作がタイミングジェネレータによって制御される。
【0011】
本発明によれば、スコープとして、少なくとも2つのタイプのものが用意され、各スコープにはそのタイプを表すタイプ情報を格納するメモリ手段が設けられる。画像信号処理ユニットにはそこにスコープが接続された際に該メモリ手段からタイプ情報を読み出す読出し手段と、その読出しタイプ情報に従って前記タイミングジェネレータを設定する設定手段とが設けられ、これによりタイミングジェネレータによるLEDドライバの制御態様がスコープのタイプ毎に変更される。
【0012】
【発明の実施の形態】
次に、本発明による電子内視鏡装置の実施形態について添付図面を参照して説明する。
【0013】
図1を参照すると、本発明による電子内視鏡装置の第1の実施形態がブロック図として概略的に示される。電子内視鏡装置はスコープ10と、このスコープ10を着脱自在に接続するようになった画像信号処理ユニット(所謂、プロセッサ)12とを具備する。本実施形態では、後述するように、スコープ10として2つのタイプのものが用意され、これら2つのタイプのスコープ10によって画像信号処理ユニット12は共用される。
【0014】
スコープ10には固体撮像素子例えばCCD(charge-coupled device) 撮像素子から成る撮像センサ14が設けられ、この撮像センサ14はそのCCD撮像素子と組み合わされた対物レンズ16を備える。また、スコープ10内には光ファイバー束から成る照明用光ガイドケーブル18が挿通させられ、この光ガイドケーブル18の遠位端は照明用配光レンズ20と組み合わされる。なお、図1では、体内の組織の一部が参照符号Tでもって模式的に図示されている。
【0015】
図2及び図3を参照すると、2つのタイプのスコープ10がそれぞれ概略的に示され、これらスコープ10の外観は実質的に同じであるが、しかし一方のタイプのスコープ10で使用される撮像センサ14は他方のタイプのスコープ10で使用される撮像センサ14とは異なったものとなっている。なお、ここでは、図2及び図3の示すスコープ10についてはそれぞれAタイプ及びBタイプととして言及することにする。図2に示すAタイプのスコープ10では、撮像センサ14は所謂モノクロ(単色)CCDから構成されるものであり、図3に示すBタイプのスコープ10は所謂オン・チップ・カラー・フィルタを持つCCDから構成されるものである。
【0016】
いずれのタイプにしても、スコープ10は剛性構造となった操作部10aと、この操作部10aから延在した可撓性導管即ち挿入部10bとから成る。操作部10aには挿入部10bの先端部の向きを操作するための操作稈や種々のスイッチ類等が設けられるが、図2及び図3では、それら操作稈やスイッチ類は省かれている。挿入部10bの先端面即ち遠位端面には上述した対物レンズ16及び照明用配光レンズ20が配設される。
【0017】
図2及び図3から明らかなように、スコープ10は更に操作部10bから延びる可撓性の接続ケーブル10cを具備し、その近位端側には接続部10dが設けられる。接続部10dは電気コネクタ10e及び光コネクタ10fを備え、電気コネクタ10eの内部には所定の数のコンタクトピンが設けられ、光コネクタ10fは光ガイドロッドとして構成され、その内端には光ガイドケーブル18の近位端が光学的に接続される。
【0018】
図4を参照すると、画像信号処理ユニット12の外観が概略的に示され、この画像信号処理ユニット14は方形のハウジング12aから成り、その一方の壁面には、電気コネクタ10eと接続されるようになった電気ソケット12bと、光コネクタ即ち光ガイドロッド10fを受け入れるようになった光ソケット12cとが設けられる。スコープ10の接続部10dを手動操作することにより電気コネクタ10e及び光ガイドロッド10fは画像信号処理ユニット12の電気ソケット12b及び光ソケット12cにそれぞれ接続される。なお、図4において、参照符号12dは画像信号処理ユニット12の主電源ON/OFFスイッチを示す。
【0019】
図1に示すように、撮像センサ14からは入力ライン22と出力ライン24とが延び、これら入力ライン22及び出力ライン24は電気コネクタ10eと電気ソケット12bとの接続時に画像信号処理ユニット12内のCCDドライバ26及びCCDプロセス回路28にそれぞれ接続される。CCDドライバ26は撮像センサ14から1フレーム分の画素信号を読み出すための読出しクロックパルスを出力し、この読出しクロックパルスは入力ライン22を通して撮像センサ14に入力される。撮像センサ14から読み出された画素信号は出力ライン24を通してCCDプロセス回路28に対して出力され、CCDプロセス回路28では読出し画素信号に対して種々の画像処理が行われる。例えば、読出し画素信号はCCDプロセス回路28で一旦増幅された後にサンプリングされ、次いでガンマ補正等の適当な画像処理を受ける。
【0020】
光ガイドケーブル18の近位端側の部分も接続ケーブル10c内に挿通させられ、光ガイドロッド10fと光ソケット12cとの接続時に該光ガイドロッド10fの先端面が画像信号処理ユニット12内の光源ユニット30に光学的に接続される。光源ユニット30は光源として多数の発光ダイオード(LED)から成るLEDアレイ光源32と、このLEDアレイ光源32を動作させて発光させるLEDドライバ34と、LEDアレイ光源32からの発光を光ガイドロッド10fの先端面に集光させるための集光レンズ36とを包含する。かくして、LEDアレイ光源32からの発光は照明光として光ガイドケーブル18及び照明用配光レンズ20を介しスコープ10の遠位端から射出させられ、その射出光により被写体Tは照明される。
【0021】
図5に模式的に示すように、LEDアレイ光源32は三原色の多数の発光ダイオード、即ち、参照符号R1、R2及びR3で示された赤色発光ダイオードと、参照符号G1、G2及びG3で示された緑色発光ダイオードと、参照符号B1、B2及びB3青色発光ダイオードとから成る。図5に示す例示するように、三原色の発光ダイオードは縦方向及び横方向に沿って互いに整列させられると共に各色の発光ダイオードは好ましくは規則的に配置され、これにより三原色光の発光面が形成される。LEDアレイ光源32はその発光面の中心が光ソケット12cの中心とほぼ整合するように配置され、このため該光ソケット12eに光ガイドロッド10fが接続されたとき、発光面からの射出光は集光レンズ36(図1)によって光ガイドロッド10f(図2及び図3)の端面に効率的に集光させられる。
【0022】
本実施形態では、参照符号R1、R2及びR3で示される赤色発光ダイオードの個数はそれぞれ9個であり、その総個数は27個となる。参照符号R1で示される9個の赤色発光ダイオードは第1の赤色発光ダイオード群を形成し、参照符号R2で示される9個の赤色発光ダイオードは第2の赤色発光ダイオード群を形成し、参照符号R3で示される9個の赤色発光ダイオードは第3の赤色発光ダイオード群を形成する。後述するように、赤色発光ダイオードの点灯及び消灯の制御については各群毎に独立して行われる。
【0023】
同様に、参照符号G1、G2及びG3で示される緑色発光ダイオードの個数もそれぞれ9個とされ、その総個数は27個となる。参照符号G1で示される9個の緑色発光ダイオードは第1の緑色発光ダイオード群を形成し、参照符号G2で示される9個の緑色発光ダイオードは第2の緑色発光ダイオード群を形成し、参照符号G3で示される9個の緑色発光ダイオードは第3の緑色発光ダイオード群を形成する。後述するように、緑色発光ダイオードの点灯及び消灯の制御については各群毎に独立して行われる。
【0024】
更に、参照符号B1、B2及びB3で示される青色発光ダイオードの個数もそれぞれ9個とされ、その総個数は27個となる。参照符号B1で示される9個の青色発光ダイオードは第1の青色発光ダイオード群を形成し、参照符号B2で示される9個の青色発光ダイオードは第2の青色発光ダイオード群を形成し、参照符号G3で示される9個の青色発光ダイオードは第3の青色発光ダイオード群を形成する。後述するように、青色発光ダイオードの点灯及び消灯の制御については各群毎に独立して行われる。
【0025】
図6を参照すると、LEDアレイ光源32の三原色発光ダイオードの別の配列例が示され、この配列例では、発光ダイオードの縦列が半ピッチずつ交互にされれ、このため図6での発光ダイオードの配列は図5に示す発光ダイオードの配列よりも一層緻密となる。また、図6に示す例では、各色の発光ダイオード群に含まれる9個の発光ダイオードが発光面全体にわたってできるだけ均等に配置されるように配慮されている。
【0026】
図1に示すように、画像信号処理ユニット12内にはシステコントローラ38が設けられ、このシステムコントローラ38は例えばマイクロコンピュータから構成される。即ち、システムコントローラ38は中央処理ユニット(CPU)、種々のルーチンを実行するためのプログラム、定数等を格納する読出し専用メモリ(ROM)、データ等を一時的に格納する書込み/読出し自在なメモリ(RAM)、入出力インターフェース(I/O)を包含し、後述するように電子内視鏡の作動全般を制御する。
【0027】
また、画像信号処理ユニット12内にはタイミングジェネレータ40が設けられ、このタイミングジェネレータ40からは種々の周波数の制御クロックパルスが出力され、これら制御クロックパルスに従って電子内視鏡の個々の動作タイミングが制御される。例えば、上述したCCDドライバ26から撮像センサ14への読出しクロックパルスの出力タイミングやCCDプロセス回路28での読出し画素信号の処理タイミング等がタイミングジェネレータ40からの所定の制御クロックパルスに従って制御される。また、LEDドライバ34もタイミングジェネレータ40から出力される制御クロックパルスに従って動作させられ、これによりLEDアレイ光源32の発光ダイオードの発光が後述するように所定の態様で制御される。
【0028】
上述したように、Aタイプのスコープ10の撮像センサ14はモノクロCCDから構成され、一方Bタイプのスコープ10の撮像センサ14はオン・チップ・カラー・フィルタを持つCCDから構成される。この場合、双方のタイプの撮像センサ14で得られる1フレーム分の画素数は互いに異なり、このためCCDドライバ26からAタイプのスコープ10の撮像センサ14及びBタイプのスコープ10の撮像センサ14のそれぞれに出力されるべき読出しクロックパルスの周波数は互いに異なったものとなる。同様に、CCDプロセス回路28での読出し画素信号の処理タイミングもAタイプのスコープ10の撮像センサ14の場合とBタイプのスコープ10の撮像センサ14の場合とでは互いに異なる。従って、Aタイプのスコープ10及びBタイプのスコープ10のいずれかが画像信号処理ユニット12に接続されたとき、そのスコープ10(撮像センサ14)のタイプに応じた制御クロックパルスがシステムコントローラ38の制御下でタイミングジェネレータ40から出力される。
【0029】
スコープ10(撮像センサ14)のタイプに応じた制御クロックパルスを出力するためには、システムコントローラ38は画像信号処理ユニット12に接続されたスコープ10がAタイプ或いはBタイプのいずれのタイプのものであるかを知る必要がある。この目的のためにスコープ10には不揮発性メモリとしてEEPROM(electrically erasable programmable read-only memory)41が設けられ、Aタイプのスコープ10のEEPROM41には該スコープ10がAタイプであることを示す情報データが格納され、またBタイプのスコープ10のEEPROM41には該スコープ10がBタイプであることを示す情報データが格納される。図1から明らかなように、Aタイプ及びBタイプのいずれかのスコープ10が画像信号処理ユニット12に接続されると、EEPROM41は画像信号処理ユニット12のシステムコントローラ38に接続され、このとき画像信号処理ユニット12の電源スイッチがオンされていれば、上述の情報データがEEPROM41からシステムコントローラ38によって取り込まれ、これにより画像信号処理ユニット12に接続されたスコープ10がいずれのタイプのものであるかが判別される。
【0030】
図7を参照すると、LEDアレイ光源32とLEDドライバ34との回路構成が示される。同図に示すように、LEDアレイ光源32では、各色の発光ダイオード群(R1、R2、R3;G1、G2、G3;B1、B2、B3)に含まれる9個の発光ダイオードは互いに直列に接続される。一方、LEDドライバ34には電源回路(図示されない)が設けられ、この電源回路により、各色の発光ダイオード接続列のアノード側に電源電圧VCCが印加される。また、LEDドライバ34には9個のトランジスタRTr1、RTr2、RTr3、GTr1、GTr2、GTr3、BTr1、BTr2及びBTr3が設けられ、これらトランジスタのコレクタのそれぞれは各色の発光ダイオード接続列のカソード側に接続され、またそれらのエミッタのそれぞれは抵抗RR1、RR2、RR3、GR1、GR2、GR3、BR1、BR2及びBR3介して接地される。
【0031】
図7から明らかなように、トランジスタRTr1、RTr2、RTr3、GTr1、GTr2、GTr3、BTr1、BTr2及びBTr3のそれぞれのベースはタイミングジェネレータ40に接続され、所定の周波数の制御クロックパルスがタイミングジェネレータ40から各トランジスタ(RTr1、RTr2、RTr3、GTr1、GTr2、GTr3、BTr1、BTr2、BTr3)のベースに印加される。勿論、各トランジスタのベースに制御クロックパルスが印加されると、その該当発光ダイオード接続列に含まれる発光ダイオードが通電させられて発光させられ、このとき発光ダイオードの発光時間は制御クロックパルスのパルス幅に応じた時間となり、またその発光強度は制御クロックパルスの電圧レベルと各トランジスタのエミッタ抵抗値に応じたものとなる。
【0032】
ところで、Aタイプのスコープ10の撮像センサ14は上述したようにモノクロCCDから構成されるものであり、このような撮像センサ14は例えば図8のグラフに示すように偏った分光感度特性ASを示し得る。即ち、Aタイプのスコープ10の撮像センサ14については、約580ないし約720nmの波長を持つ赤色光に対して最も感度が良く、次いで約480ないし約620nmの波長を持つ緑色光に対して感度が良く、約380ないし約520nmの波長を持つ青色光に対して最も感度が悪い。要するに、Aタイプのスコープの撮像センサ14の分光感度特性ASは可視光領域の長波長側に向かって次第に高感度となるような偏りを示す。
【0033】
従って、仮にLEDアレイ光源32が三原色のそれぞれの色の発光ダイオードが同数発光させられ、しかも個々の発光ダイオードの発光強度が同程度とされた場合、例えば第1の赤色発光ダイオード群(R1)、第1の緑色発光ダイオード群(G1)及び第1の青色発光ダイオード群(B1)が図9のグラフに示すように互いに実質的に同じ赤色発光強度分布R、青色発光強度分布G及び青色発光強度分布Bを示すように発光させられた場合には、撮像センサ14の分光感度特性AS(図8)の偏りために、赤色発光強度分布R、緑色発光強度分布G及び青色発光強度分布Bのそれぞれは見掛け上図10のグラフに示すようなものとなる。即ち、同グラフから明らかなように、第1の赤色発光ダイオード群(R1)の発光強度分布R(撮像センサ14にとっての受光強度分布)は最大で、第1の緑色発光ダイオード群(G1)の発光強度分布G(撮像センサ14にとっての受光強度分布)及び第1の青色発光ダイオード群(B1)の発光強度分布B(撮像センサ14にとっての受光強度分布)は順次低下する。
【0034】
しかしながら、本実施形態にあっては、Aタイプのスコープ10が用いられるとき、LEDアレイ光源32の三原色のそれぞれの色の発光ダイオードを発光させる個数の比率については、約1:2:3とされ、これにより分光感度特性ASの偏りが相殺されるように調節される。例えば、赤色発光については第1の赤色発光ダイオード群(R1)に含まれる9個の赤色発光ダイオードだけで行われ、緑色発光については第1及び第2の緑色発光ダイオード群(G1、G2)に含まれる18個の緑色発光ダイオードで行われ、青色発光については第1、第2及び第3の青色発光ダイオード群(B1、B2、B3)に含まれる27個の青色発光ダイオードで行われ、これによりAタイプのスコープ10の撮像センサ14にとっての赤色受光強度分布、緑色受光強度分布及び青色受光強度分布は均一化されることになる。
【0035】
図11のタイミングチャートを参照して、Aタイプのスコープ10が画像信号処理ユニット12に接続されている際の画像信号処理ユニット12の作動について説明する。
【0036】
上述したように、Aタイプのスコープ10の撮像センサ14はモノクロCCDから構成され、このような撮像センサ14でフルカラー内視鏡像を得るために面順次方式が採用され、このときLEDアレイ光源32では、第1の赤色発光ダイオード群(R1)と、第1及び第2緑色発光ダイオード群(G1、G2)と、第1、第2及び第3の青色発光ダイオード群(B1、B2、B3)は所定の順序で周期的に発光させられる。
【0037】
詳述すると、図11のタイミングチャートに示すように、第1の赤色発光ダイオード群(R1)のトランジスタRTr1に対してだけ、制御クロックパルスA-CLCK-R1がタイミングジェネレータ40から出力され、また第1及び第2の緑色発光ダイオード群(G1、G2)のトランジスタGTr1及びGTr2のそれぞれに対してだけ、制御クロックパルスA-CLCK-G1及びA-CLCK-G2がタイミングジェネレータ40から出力され、更に第1、第2及び第3の青色発光ダイオード群(B1、B2、B3)のトランジスタBTr1、BTr2及びBTr3のそれぞれに対しては、制御クロックパルスA-CLCK-B1、A-CLCK-B2及びA-CLCK-B3がタイミングジェネレータ40から出力される。これら制御クロックパルスの周波数は共に同じで、その一周期はTVモニタ50で内視鏡像を再現する際の1フレーム期間に対応する。各制御クロックパルスが該当トランジスタのベースに印加されたとき、そのパルス幅に相当する時間だけその該当発光ダイオード群の含まれる9個の発光ダイオードが通電させられて発光が行われる。
【0038】
図11のタイミングチャートから明らかなように、制御クロックパルスA-CLCK-R1と、制御クロックパルスA-CLCK-G1及びA-CLCK-G2と、制御クロックパルスA-CLCK-B1、A-CLCK-B2及びA-CLCK-B3との位相は、1フレーム期間にわたって赤色発光(R発光)、緑色発光(G発光)及び青色発光(B発光)が順次行われるようにずらされる。即ち、制御クロックパルスA-CLCK-R1の位相に対して、制御クロックパルスA-CLCK-G1及びA-CLCK-G2の位相は6分の2周期分だけ遅らされ、制御クロックパルスA-CLCK-G1及びA-CLCK-G2の位相に対して、制御クロックパルスA-CLCK-B1、A-CLCK-B2及びA-CLCK-B3の位相は6分の2周期分だけ遅らされる。
【0039】
赤色発光(R発光)時、Aタイプのスコープ10の撮像センサ14は赤色発光で露光され(R露光)、このとき撮像センサ14の受光面には被写体Tが対物レンズ16によって赤色光学像として結像される。赤色光学像は撮像センサ14によって1フレーム分の赤色アナログ画素信号に光電変換される。赤色発光に対する露光が終了すると、CCDドライバ26から一連の読出しクロックパルスが撮像センサ14に対して出力され(R読出し)、これにより1フレーム分の赤色アナログ画素信号が撮像センサ14から読み出されてCCDプロセス回路28に送られる。
【0040】
1フレーム分の赤色画素信号の読出しが終了すると、緑色発光(G発光)により撮像センサ14は露光され(G露光)、このとき撮像センサ14の受光面には被写体Tが対物レンズ16によって緑色光学像として結像される。緑色光学像は撮像センサ14によって1フレーム分の緑色アナログ画素信号に光電変換される。緑色発光に対する露光が終了すると、CCDドライバ26から一連の読出しクロックパルスが撮像センサ14に対して出力され(G読出し)、これにより1フレーム分の緑色アナログ画素信号が撮像センサ14から読み出されてCCDプロセス回路28に送られる。
【0041】
1フレーム分の緑色画素信号の読出しが終了すると、青色発光(B発光)により撮像センサ14は露光され(B露光)、このとき撮像センサ14の受光面には被写体Tが対物レンズ16によって青色光学像として結像される。青色光学像は撮像センサ14によって1フレーム分の青色アナログ画素信号に光電変換される。青色発光に対する露光が終了すると、CCDドライバ26から一連の読出しクロックパルスが撮像センサ14に対して出力され(B読出し)、これにより1フレーム分の青色アナログ画素信号が撮像センサ14から読み出されてCCDプロセス回路28(図1)に送られる。
【0042】
このようにして、1フレーム期間毎に各色のアナログ画素信号が撮像センサ14から順次読み出されてCCDプロセス回路28に送られると、そこで各色のアナログ画素信号は先にも述べたように増幅処理やガンマ補正等の画像処理を受ける。なお、CCDプロセス回路28での種々の処理については、タイミングジェネレータ40から出力される制御クロックパルスに従って行われる。
【0043】
図1に示すように、CCDプロセス回路28に続いて、アナログ/デジタル(A/D)変換器42と、フレームメモリ44R、44G及び44Bとが順次設けられる。CCDプロセス回路28で処理された各色のアナログ画素信号はA/D変換器42によってデジタル画素信号に一旦変換させられ、次いで1フレーム分のデジタル画素信号はその色に応じて3つのフレームメモリ44R、44G及び44Bのいずれかに書き込まれる。即ち、赤色デジタル画素信号、緑色デジタル画素信号及び青色デジタル画素信号はそれぞれフレームメモリ44R、44G及び44Bに書き込まれる。図11のタイミングチャートから明らかなように、1フレーム期間が終了したとき、3つのフレームメモリ44R、44G及び44Bのそれぞれには1フレーム分の赤色デジタル画素信号、緑色画素信号及び青色画素信号の書込みが完了することになる。なお、A/D変換器42でのアナログ画素信号からデジタル画素信号への変換については、タイミングジェネレータ40から出力される制御クロックパルス(所謂サンプリング・クロックパルス)に従って行われる。
【0044】
フレームメモリ44R、44G及び44Bにそれぞれの色のデジタル画素信号が順次書き込まれている間、該フレームメモリ44R、44G及び44Bからは互いに対応関係にある三原色のデジタル画素信号が所定のタイミングで同時に読み出されてデジタル・コンポーネント・ビデオ信号として出力される。フレームメモリ44R、44G及び44Bへのデジタル画素信号の書込み及びフレームメモリ44R、44G及び44Bからのデジタル画素信号の読出しについては、メモリコントローラ46から出力される書込みクロックパルス及び読出しクロックパルスに従って行われ、これら書込みクロックパルス及び読出しクロックパルスの出力タイミングはタイミングジェネレータ40から出力される制御クロックパルスによって制御される。
【0045】
図1に示すように、フレームメモリ44R、44G及び44Bに続いて、デジタル/アナログ(D/A)変換器48が設けられ、フレームメモリ44R、44G及び44Bから得られたデジタル・コンポーネント・ビデオ信号はD/A変換器48によってアナログ・コンポーネント・ビデオ信号に変換され、このアナログ・コンポーネント・ビデオ信号はTVモニタ50に出力される。一方、アナログ・コンポーネント・ビデオ信号の複合同期信号成分はタイミングタイミングジェネレータ40で造成されてTVモニタ50に対して出力される。かくして、TVモニタ50では、被写体Tの光学像が内視鏡像として再現表示される。
【0046】
なお、図1から明らかなように、画像信号処理ユニット12にはカラーエンコーダ52も設けられ、このカラーエンコーダ52にもアナログ・コンポーネント・ビデオ信号(複合同期信号成分を含む)が出力され、そこでアナログ・コンポーネント・ビデオ信号はコンポジットビデオ信号或いはSビデオ信号に変換された後に外部に出力され、これらコンポジットビデオ信号或いはSビデオ信号は例えばビデオ・テープ・レコーダ、ビデオプリンタ等(図示されない)の周辺機器で利用される。
【0047】
Aタイプのスコープ10の使用時に、仮に、例えば第1の赤色発光ダイオード群、第1の緑色発光ダイオード群及び第1の青色発光ダイオード群のそれぞれに含まれる9個の発光ダイオード(R1、G1、B1)だけが発光させられるような条件下で基準白色が撮像センサ14によって撮影された場合には、図12に模式的に示すように、D/A変換器48から出力されるアナログ・コンポーネント・ビデオ信号の赤色信号成分(R)は最も高く、その緑色信号成分(G)は次いで高く、その青色信号成分(B)は最も低くなる。勿論、これは図8に示すような撮像センサ14の分光感度特性ASの偏りに起因するものである。このような状態で被写体Tが撮像センサ14で撮影されて、その光学像がTVモニタ50で内視鏡像として再現表示されたとしても、その内視鏡像の色バランスは赤色側に偏り、このため適正な色バランスの内視鏡像は当然得られない。
【0048】
しかしながら、実際には、図8に示す分光感度特性ASの偏りを相殺するために、本実施形態では、赤色発光については第1の赤色発光ダイオード群に含まれる9個の赤色発光ダイオード(R1)で行われ、緑色発光については第1及び第2の緑色発光ダイオード群に含まれる18個の緑色発光ダイオード(G1、G2)で行われ、青色発光については第1、第2及び第3の青色発光ダイオード群に含まれる27個の青色発光ダイオード(B1、B2、B3)によって行われることになるので、撮像センサ14の分光感度特性ASは実質的に平坦化される。かくして、このような発光条件下で基準白色が撮像センサ14によって撮影されたとき、図13に模式的に示すように、D/A変換器48から出力されるアナログ・コンポーネント・ビデオ信号の赤色信号成分(R)、緑色信号成分(G)及び青色信号成分(B)は互いに実質的に均一となり、適正な色バランスの内視鏡像が得られることになる。
【0049】
一方、Bタイプのスコープ10の撮像センサ14(図3)はオン・チップ・カラー・フィルタを持つCCDから構成されるものである。なお、本実施形態では、オン・チップ・カラー・フィルタは三原色の赤色、緑色及び青色の三原色のカラーフィルタをモザイク状に配置したものとされる。このようなオン・チップ・カラー・フィルタを持つ撮像センサ14でカラー内視鏡像を得るために所謂同時撮像方式が採用され、本実施形態では、LEDアレイ光源32の三原色のそれぞれの色の発光ダイオードは同時にしかも周期的に発光させられる。
【0050】
ところで、Bタイプのスコープ10の撮像センサ14は例えば図14のグラフに示すように偏った分光感度特性BSを持ち得る。即ち、Bタイプのスコープ10の撮像センサ14については、約580ないし約720nmの波長を持つ赤色光と約480ないし約620nmの波長を持つ緑色光とに対して同程度の感度を持ち、約380ないし約520nmの波長を持つ青色光に対して幾分低感度となっている。要するに、Bタイプのスコープの撮像センサ14の分光感度特性BSは可視光領域の中間領域で高感度となっているが、その短波長側及び長波長側で低感度となるような偏りを示す。
【0051】
従って、Aタイプのスコープ10の場合と同様に、仮に第1の赤色発光ダイオード群(R1)、第1の緑色発光ダイオード群(G1)及び第1の青色発光ダイオード群(B1)が図9に示すように実質的に同じ赤色発光強度分布R、青色発光強度分布G及び青色発光強度分布Bを示すように発光させられても、撮像センサ14の分光感度特性BS(図14)の偏りために、赤色発光強度分布R、緑色発光強度分布G及び青色発光強度分布Bのそれぞれは見掛け上図15のグラフに示すようなものとなる。即ち、赤色発光ダイオード(R1)及び緑色発光ダイオード(G1)の発光強度分布(撮像センサ14にとっての受光強度分布)はほぼ等しく、青色発光ダイオード(B1)の発光強度分布(撮像センサ14にとっての受光強度分布)は多少低めとなる。
【0052】
しかしながら、本実施形態にあっては、Bタイプのスコープ10が用いられるとき、LEDアレイ光源32の三原色のそれぞれの色の発光ダイオードを発光させる個数の比率については、約2:2:3とされ、これにより分光感度特性BSの偏りが相殺されるように調節される。例えば、赤色発光については第1及び第2の赤色発光ダイオード群(R1、R2)に含まれる18個の赤色発光ダイオードで行われ、また緑色発光についても第1及び第2の緑色発光ダイオード群(G1、G2)に含まれる18個の緑色発光ダイオードで行われるが、青色発光についてだけは第1、第2及び第3の青色発光ダイオード群(B1、B2、B3)に含まれる27個のすべての青色発光ダイオードで行われ、これによりBタイプのスコープ10の撮像センサ14にとっての赤色受光強度分布、緑色受光強度分布及び青色受光強度分布は均一化されることになる。
【0053】
図16のタイミングチャートを参照して、Bタイプのスコープ10が画像信号処理ユニット12に接続されている際の画像信号処理ユニット12の作動について説明する。
【0054】
上述したように、Bタイプのスコープ10の撮像センサ14はオン・チップ・カラー・フィルタ(R、G、B)を持つCCDから構成される。このようなCCDはCCD感光部及びCCD転送部から成り、また所謂電子シャッタ機能を備える。Bタイプのスコープ10の撮像センサ14でカラー内視鏡像を得るためには、既に述べたように同時撮像方式が採用され、本実施形態では、LEDアレイ光源32の三原色のそれぞれの色の発光ダイオードは周期的に同時に発光させられる。要するに、図16のタイミングチャートに示すように、タイミングジェネレータ40からは、制御クロックパルスB-CLCK-R1、B-CLCK-R2、B-CLCK-G1、B-CLCK-G2、B-CLCK-B1、B-CLCK-B2及びB-CLCK-B3が垂直同期信号と同期してトランジスタRTr1、RTr2、GTr1、GTr2、BTr1、BTr2及びBTr3のそれぞれのベースに対して出力され、これら制御クロックパルスに従って、第1及び第2の赤色発光ダイオード群(R1、R2)に含まれる18個の赤色発光ダイオードと、第1及び第2の緑色発光ダイオード群(G1、G2)に含まれる18個の緑色発光ダイオードと、第1、第2及び第3の青色発光ダイオード群(B1、B2、B3)に含まれる27個の青色発光ダイオードとが1フィールド期間毎に同時にかつ周期的に発光される。
【0055】
このような三原色の発光ダイオードの発光期間、即ち垂直同期信号によって規定される1フィールド期間にわたって、Bタイプのスコープ10の撮像センサ14の受光面には被写体Tの光学像が対物レンズ16によって結像される。即ち、三原色の発光ダイオードの発光期間が撮像センサ14のCCD感光部に対して露光期間となる。しかしながら、その電子シャッタ機能が動作されるまでは、蓄積電荷はCCD感光部から掃き出されて棄てられる(電荷掃出し期間)。電子シャッタ機能が動作させられると、CCD感光部は画素信号を得るべく電荷蓄積を開始し(電荷蓄積期間)、三原色の発光ダイオードの発光期間の終了時に電荷蓄積を終了して、その蓄積電荷を画素信号としてCCD転送部に転送する。
【0056】
図16のタイミングチャートに示すように、撮像センサ14のCCD感光部に対する露光が完了すると、CCDドライバ26からは一連の読出しクロックパルスが撮像センサ14に対して出力され、これにより撮像センサ14のDDC転送部からは1フィールド分の三原色アナログ画素信号が順次読み出され、その読出しアナログ画素信号はCCDプロセス回路28で既に述べたような処理を順次受ける。CCDプロセス回路28で処理されたアナログ画素信号はアナログ/デジタル(A/D)変換器42(図1)によってデジタル画素信号に一旦変換させられる。A/D変換器42でのアナログ画素信号からデジタル画素信号への変換については、タイミングジェネレータ40から出力される制御クロックパルス(所謂サンプリング・クロックパルス)に従って行われる。勿論、タイミングジェネレータ40から出力される制御クロックパルスはAタイプのスコープ10の場合とは異なった周波数を持ち、撮像センサ14からのアナログ画素信号読出し、そのアナログ画素信号の処理やA/D変換器42でのデジタル画素信号のサンプリングはAタイプのスコープ10の場合とは異なったタイミングで行われる。
【0057】
次いで、1フィールド分の三原色デジタル画素信号に含まれるデジタル画素信号はその色に応じて3つのフレームメモリ44R、44G及び44Bのいずれかに書き込まれる。即ち、1フィールド分の赤色デジタル画素信号、緑色デジタル画素信号及び青色デジタル画素信号はそれぞれフレームメモリ44R、44G及び44Bに書き込まれる。図16のタイミングチャートから明らかなように、1フィールド期間が終了したとき、3つのフレームメモリ44R、44G及び44Bのそれぞれへの1フィールド分の赤色デジタル画素信号、1フィールド分の緑色画素信号及び1フィールド分の青色画素信号の書込みが完了することになる。なお、NTSC方式が採用されている場合には、1フィールド期間は1/60秒となる。
【0058】
一方、フレームメモリ44R、44G及び44Bにそれぞれの色のデジタル画素信号が順次書き込まれている間、該フレームメモリ44R、44G及び44Bからは互いに対応関係にある三原色のデジタル画素信号が所定のタイミングで同時に読み出される。即ち、Aタイプのスコープ10の場合と同様に、フレームメモリ44R、44G及び44Bからはそれぞれの色のデジタル画素信号がデジタル・コンポーネント・ビデオ信号として出力される。勿論、フレームメモリ44R、44G及び44Bにデジタル画素信号を書き込む際の書込みクロックパルス及びフレームメモリ44R、44G及び44Bからデジタル画素信号を読み出す際の読出しクロックパルスはBタイプのスコープ10の撮像センサ14に応じたものとなっている。
【0059】
フレームメモリ44R、44G及び44Bから得られたデジタル・コンポーネント・ビデオ信号はデジタル/アナログ(D/A)変換器48によってアナログ・コンポーネント・ビデオ信号に変換され、その後TVモニタ50で被写体Tの光学像が内視鏡像として再現表示されることはAタイプのスコープ10の場合と同様である。また、アナログ・コンポーネント・ビデオ信号はD/A変換器48からカラーエンコーダ52に出力され、そこでアナログ・コンポーネント・ビデオ信号はコンポジットビデオ信号或いはSビデオ信号に変換された後に外部に出力されることもAタイプのスコープ10の場合と同様である。
【0060】
Aタイプのスコープ10について説明した場合と同様に、Bタイプのスコープ10の使用時に、仮に、例えば第1の赤色発光ダイオード群、第1の緑色発光ダイオード群及び第1の青色発光ダイオード群のそれぞれに含まれる9個の発光ダイオード(R1、G1、B1)だけが発光させられるような条件下で基準白色が撮像センサ14によって撮影された場合には、D/A変換器48から出力されるアナログ・コンポーネント・ビデオ信号の赤色信号成分及び緑色信号成分はほぼ同程度で、その青色信号成分だけが低めとなる。勿論、これは図14に示すような撮像センサ14の分光感度特性BSの偏りに起因するものである。このような状態で被写体Tが撮像センサ14で撮影されて、その光学像がTVモニタ50で内視鏡像として再現表示されたとき、その内視鏡像の色バランスはくずれて緑色と赤色が強調され、このため適正な色バランスの内視鏡像は得られない。
【0061】
しかしながら、実際には、図14に示す分光感度特性BSの偏りを相殺すべく、赤色発光については第1及び第2の赤色発光ダイオード群に含まれる18個の赤色発光ダイオード(R1、R2)で行われ、緑色発光については第1及び第2の緑色発光ダイオード群に含まれる18個の緑色発光ダイオード(G1、G2)で行われ、青色発光については第1、第2及び第3の青色発光ダイオード群に含まれる27個の青色発光ダイオード(B1、B2、B3)によって行われることになるので、撮像センサ14の分光感度特性BSは実質的に平坦化される。かくして、基準白色が撮像センサ14によって撮影されたとき、D/A変換器48から出力されるアナログ・コンポーネント・ビデオ信号の赤色信号成分、緑色信号成分は均一となり、適正な色バランスの内視鏡像が得られることになる。
【0062】
図17を参照すると、システムコントローラ38で実行されるタイミングジェネレータ設定ルーチンのフローチャートが示され、この設定ルーチンの実行により、スコープ10のタイプに応じて、タイミングジェネレータの設定が行われる。タイミングジェネレータ設定ルーチンは所定の時間間隔例えば20ms毎に実行される時間割込みルーチンとして構成され、その実行開始は画像信号処理ユニット12の電源ON/OFFスイッチ12d(図4)のオン後とされ、この電源ON/OFFスイッチ12dがオンされている限り、20ms毎にその実行が繰り返される。
【0063】
ステップ1701では、スコープ10が画像信号処理ユニット12に接続されたか否かが判断される。画像信号処理ユニット12に対するスコープ10の接続の有無については、例えば、電気コネクタ12e(図2、図3)に接続検出コンタクトピンを設け、この接続検出コンタクトピンが電気ソケット12bに接続されたか否かによって判別することができる。画像信号処理ユニット12へのスコープ10の接続が確認されないとき、ステップ1702に進み、そこで設定確認フラグFが“0”とされた後、本ルーチンは一旦終了する。その後、本ルーチンは20ms経過毎に実行されるが、画像信号処理ユニット12へのスコープ10の接続が確認されない限り、何等の進展もない。
【0064】
なお、設定確認フラグFはタイミングジェネレータ40に対する設定が完了しているか否かを指示するフラグであり、電源ON/OFFスイッチ12dのオン直後の初期状態では、F=0とされる。
【0065】
ステップ1701で画像信号処理ユニット12へのスコープ10の接続が確認されると、ステップ1703に進み、そこでフラグFが“0”であるか否かが判断される。現段階では、F=0であるので、ステップ1704に進み、そこでEEPROM41からタイプ情報が取り込まれる。次いで、ステップ1705に進み、そこで画像信号処理ユニット12に接続されたスコープ10がAタイプのものであるか或いはBタイプのものであるかが判断される。勿論、そのような判断はEEPROM41から取り込まれたタイプ情報に基づいて行われる。
【0066】
ステップ1705でもしスコープ10がAタイプのものであることが確認されると、ステップ1706に進み、タイミングジェネレータ40がAタイプのスコープ10に従って設定される。即ち、タイミングジェネレータ10の設定については、撮像センサ14に対する露光及びそこからの画素信号の読出し等が図11のタイミングチャートに従って行われるように行われる。次いで、ステップ1707に進み、そこで設定確認フラグFは“0”から“1”に書き換えられ、これによりタイミングジェネレータ40の設定が完了したことが指示される。その後、20ms経過毎に本ルーチンは実行されるが、画像信号処理ユニット12からスコープ10が取り外されない限り、ステップ1701及び1603から成るルーチンだけが繰り返され、タイミングジェネレータ40のAタイプに従う設定は維持される。
【0067】
一方、ステップ1705でもしスコープ10がBタイプのものであることが確認されると、ステップ1708に進み、タイミングジェネレータ40がBタイプのスコープ10に従って設定される。即ち、タイミングジェネレータ10の設定については、撮像センサ14に対する露光及びそこからの画素信号の読出し等が図16のタイミングチャートに従って行われるように行われる。次いで、ステップ1707に進み、そこで設定確認フラグFは“0”から“1”に書き換えられ、これによりタイミングジェネレータ40の設定が完了したことが指示される。その後、20ms経過毎に本ルーチンは実行されるが、画像信号処理ユニット12からスコープ10が取り外されない限り、ステップ1701及び1703から成るルーチンだけが繰り返され、タイミングジェネレータ40のBタイプに従う設定は維持される。
【0068】
なお、スコープ10が画像信号処理ユニット12から取り外されると、ステップ1701からステップ1702に進み、そこで設定確認フラグFは“0”とされ、スコープ10が再び画像信号処理ユニット12に接続されると、そのスコープ10のタイプに応じてタイミングジェネレータ40が再設定される。
【0069】
図18ないし図20を参照すると、LEDアレイ光源32の各色の27個の発光ダイオードとLEDドライバ34との別の回路構成例が示され、この回路構成例では、各色の27個の発光ダイオードが7つの群に振り分けられる。詳述すると、第1及び第2の赤色発光ダイオード群のそれぞれには、6個の赤色発光ダイオード(R1、R2)が振り分けられ、第3、第4、第5及び第6の赤色発光ダイオード群のそれぞれには、順次赤色発光ダイオードの個数が1つずつ減少するように、5個の赤色発光ダイオード(R3)、4個の赤色発光ダイオード(R4)、3個の赤色発光ダイオード(R5)、2個の赤色発光ダイオード(R2)及び1個の赤色発光ダイオード(R7)が振り分けられる(図18)。また、第1及び第2の緑色発光ダイオード群のそれぞれには、6個の緑色発光ダイオード(G1、G2)が振り分けられ、第3、第4、第5及び第6の緑色発光ダイオード群のそれぞれには、順次緑色発光ダイオードの個数が1つずつ減少するように、5個の緑色発光ダイオード(G3)、4個の緑色発光ダイオード(G4)、3個の緑色発光ダイオード(G5)、2個の緑色発光ダイオード(G2)及び1個の緑色発光ダイオード(G7)が振り分けられる(図19)。同様に、第1及び第2の青色発光ダイオード群のそれぞれには、6個の青色発光ダイオード(B1、B2)が振り分けられ、第3、第4、第5及び第6の青色発光ダイオード群のそれぞれには、順次青色発光ダイオードの個数が1つずつ減少するように、5個の青色発光ダイオード(B3)、4個の青色発光ダイオード(B4)、3個の青色発光ダイオード(B5)、2個の青色発光ダイオード(B2)及び1個の青色発光ダイオード(B7)が振り分けられる(図20)。
【0070】
一方、LEDドライバ34には電源回路(図示されない)が設けられ、この電源回路により、各色の発光ダイオード接続列のアノード側に電源電圧Vccが印加される。また、LEDドライバ34には21個のトランジスタRTr1、RTr2、RTr3、RTr4、RTr5、RTr6、RTr7、GTr1、GTr2、GTr3、GTr4、GTr5、GTr6、GTr7、BTr1、BTr2、BTr3、BTr4、BTr5、BTr6及びBTr7が設けられ、これらトランジスタのコレクタはそれぞれ各色の該当発光ダイオード接続列のカソード側に接続され、またそれらのエミッタのそれぞれは抵抗RR1、RR2、RR3、RR4、RR5、RR6、RR7、GR1、GR2、GR3、GR4、GR5、GR6、GR7、BR1、BR2、BR3、BR4、BR5、BR6及びBR7介して接地される。
【0071】
図18ないし図20から明らかなように、各トランジスタ(RTr1、RTr2、RTr3、RTr4、RTr5、RTr6、RTr7、GTr1、GTr2、GTr3、GTr4、GTr5、GTr6、GTr7、BTr1、BTr2、BTr3、BTr4、BTr5、BTr6、BTr7)のベースはタイミングジェネレータ40に接続され、タイミングジェネレータ40からは所定の周波数の制御クロックパルスが必要に応じて該トランジスタのベースに選択的に印加される。勿論、各トランジスタのベースに制御クロックパルスが印加されると、その該当発光ダイオード接続列に含まれる発光ダイオードが通電させられて発光させられ、このとき発光ダイオードの発光時間は制御クロックパルスのパルス幅に応じた時間となり、またその発光強度は制御クロックパルスの電圧レベルと各トランジスタのエミッタ抵抗値に応じたものとなる。
【0072】
図18ないし図20に示すような回路構成例によれば、LEDアレイ光源32に含まれる各色の発光ダイオードの発光個数を一個単位で制御することが可能である。例えば、赤色発光ダイオードを10個発光させる場合には、第1の赤色発光ダイオード群(R1)と第4の赤色発光ダイオード群(R4)とに含まれる10個の発光ダイオードを発光させればよく、また赤色発光ダイオードを11個発光させる場合には、第1の赤色発光ダイオード群(R1)と第3の赤色発光ダイオード群(R5)とに含まれる11個の発光ダイオードを発光させればよい。要するに、各色の発光ダイオードの27個のうちの任意の個数を発光させることが可能であり、これにより撮像センサ14の分光感度特性の偏り(図8、図14)を一層緻密に相殺すことができる。
【0073】
また、図18ないし図20に示すような回路構成例については、同じタイプのスコープ10の撮像センサ14毎の分光感度特性の所謂バラツキを相殺することにも応用することができる。例えば、Aタイプのスコープ10に用いられる個々の撮像センサ14が同一の製造条件で製造されたとしても、個々の撮像センサ14毎に分光感度特性のバラツキが見られ、このような同タイプの撮像センサ14の分光感度特性毎にバラツキについても、LEDアレイ光源32に含まれる各色の発光ダイオードの発光個数を一個単位で制御することにより相殺することが可能である。
【0074】
図18ないし図20に示すような回路構成例を採用する場合には、各スコープ10のEEPROM41には該スコープ10がAタイプであるかBタイプであるかを示すタイプ情報データだけでなく、21個のトランジスタRTr1、RTr2、RTr3、RTr4、RTr5、RTr6、RTr7、GTr1、GTr2、GTr3、GTr4、GTr5、GTr6、GTr7、BTr1、BTr2、BTr3、BTr4、BTr5、BTr6及びBTr7のそれぞれに対応した21個のフラグデータRFD1、RFD2、RFD3、RFD4、RFD5、RFD6、RFD7、GFD1、GFD2、GFD3、GFD4、GFD5、GFD6、GFD7、BFD1、BFD2、BFD3、BFD4、BFD5、BFD6及びBFD7も格納され、これらフラグデータには“1”あるいは“0”の値が与えられる。スコープ10が画像信号処理ユニット12に接続されたとき、21個のフラグデータがEPROM41から取り込まれ、値“1”が与えられたフラグデータに対応するトランジスタに対してタイプ情報に応じた制御クロックパルスがタイミングジェネレータ40によって印加されることになる。
【0075】
例えば、上述したようにAタイプのスコープ10を使用して9個の赤色発光ダイオード、18個の緑色発光ダイオード及び27個の青色発光ダイオードを発光させる場合には、トランジスタRTr1及びRTr5に対応するフラグデータRFD1及びRFD5に値“1”が与えられ、トランジスタGTr1、GTr2、GTr3及びGTr7に対応するフラグデータGFD1、GFD2、GFD3及びGFD7に値“1”が与えられ、トランジスタBTr1、BTr2、BTr3、BTr4、BTr5、BTr6及びBTr7に対応するフラグデータBFD1、BFD2、BFD3、BFD4、BFD5、BFD6及びBFD7に値“1”が与えられる。即ち、トランジスタRTr1及びRTr5に対応するフラグデータRFD1及びRFD5に値“1”を与えることにより、第1及び第5の緑色発光ダイオード群(R1、R5)に含まれる9個の赤色発光ダイオードが発光させられ、トランジスタGTr1、GTr2、GTr3及びGTr7に対応するフラグデータGFD1、GFD2、GFD3及びGFD7に値“1”を与えることにより、第1、第2、第3及び第7の緑色発光ダイオード群(G1、G2、G3、G7)に含まれる18個の緑色発光ダイオードが発光させられ、トランジスタBTr1、BTr2、BTr3、BTr4、BTr5、BTr6及びBTr7に対応するフラグデータBFD1、BFD2、BFD3、BFD4、BFD5、BFD6及びBFD7に値“1”を与えることにより、第1ないし第7の青色発光ダイオード群(G1、G2、G3、G4、G5、G6、G7)に含まれる27個の青色発光ダイオードが発光させられる。この場合には、赤色発光、緑色発光及び青色発光は図11のタイミングチャートに示されるように1フレーム期間毎に周期的に順次行われる。
【0076】
また、例えば、上述したようにBタイプのスコープ10を使用して18個の赤色発光ダイオード、18個の緑色発光ダイオード及び27個の青色発光ダイオードを発光させる場合には、トランジスタRTr1、RTr2、RTr3及びRTr7に対応するフラグデータRFD1、RFD2、RFD3及びRFD7に値“1”が与えられ、、トランジスタGTr1、GTr2、GTr3及びGTr7に対応するフラグデータGFD1、GFD2、GFD3及びGFD7に値“1”が与えられ、トランジスタBTr1、BTr2、BTr3、BTr4、BTr5、BTr6及びBTr7に対応するフラグデータBFD1、BFD2、BFD3、BFD4、BFD5、BFD6及びBFD7に値“1”が与えられる。即ち、トランジスタRTr1、RTr2、RTr3及びRTr7に対応するフラグデータRFD1、RFD2、RFD3及びRFD7に値“1”を与えることにより、第1、第2、第3及び第7の赤色発光ダイオード群(R1、R2、R3、R7)に含まれる18個の赤色発光ダイオードが発光させられ、トランジスタGTr1、GTr2、GTr3及びGTr7に対応するフラグデータGFD1、GFD2、GFD3及びGFD7に値“1”を与えることにより、第1、第2、第3及び第7の緑色発光ダイオード群(G1、G2、G3、G7)に含まれる18個の緑色発光ダイオードが発光させられ、トランジスタBTr1、BTr2、BTr3、BTr4、BTr5、BTr6及びBTr7に対応するフラグデータBFD1、BFD2、BFD3、BFD4、BFD5、BFD6及びBFD7に値“1”を与えることにより、第1ないし第7の青色発光ダイオード群(G1、G2、G3、G4、G5、G6、G7)に含まれる27個の青色発光ダイオードが発光させられる。勿論、この場合には、赤色発光、緑色発光及び青色発光は図16のタイミングチャートに示されるように1フィールド期間毎に周期的に同時に行われる。
【0077】
勿論、図18ないし図20に示すような回路構成例においては、各色の発光ダイオードを発光させるべき個数は1個単位で制御できるので、同タイプ(AまたはB)のスコープの分光感度特性のバラツキについても相殺することが可能である。なお、図18ないし図20に示すような回路構成例を採用する場合には、三原色の各色の発光ダイオードについてはLEDアレイ光源32の発光面においてランダムに配置されることが好ましい。
【0078】
上述の実施形態においては、撮像センサ14から画素信号を読み出すためのCCDドライバ26は画像信号処理ユニット12側に設けられているが、CCDドライバ26を個々のスコープ10側に設けるようにしてもよい。
【0079】
また、上述の実施形態では、三原色の発光ダイオードの個数については全体で27個とされているが、必要に応じて、その総数を更に増大して十分な照明光量を得るようにしてもよい
【0080】
更に、上述した実施形態においては、LEDアレイ光源には赤色発光ダイオード、緑色発光ダイオード及び青色発光ダイオードの三原色の発光ダイオードが用いられているが、三原色光のうちの2色に対してほぼ同一の分光感度特性を持つような撮像センサを備えたスコープにおいては、二色の発光ダイオードを用いて三原色光を得るようにしてもよい。例えば、赤色光及び緑色光に対してほぼ同一の分光感度特性を持つ撮像センサを備えたタイプBのスコープについては、LEDアレイ光源にイエロー発光ダイオードと青色発光ダイオードとの二色の発光ダイオードだけを用いることが可能である。周知のように、イエロー光は赤色光及び緑色光から成るものであるから、イエロー発光ダイオードと青色発光ダイオードの発光個数を適宜変えることにより、タイプBのスコープの撮像センサの分光特性の偏りを相違を相殺することができる。
【0081】
更にまた、本発明は補色(4色)方式のカラーフィルタを持つ撮像センサにも適用可能であり、この場合の分光感度特性の偏りについても三原色発光ダイオードのそれぞれの色の発光ダイオードの発光個数を適宜調節することにより相殺することができる。
【0082】
【発明の効果】
以上の記載から明らかなように、本発明による電子内視鏡装置にあっては、先に述べた特開昭63-260526号公報のようにスコープの遠位端に発光ダイオードを設けるのではなく、複数の発光ダイオードをLEDアレイ光源として画像信号処理ユニット側に設けるので、その総数については実質的に制限されることはなく、このため発光ダイオードによる十分な照明光量を確保することが可能である。また、本発明によれば、三原色のそれぞれの色の発光ダイオードの発光個数を適宜調節することにより、撮像センサの分光感度特性の偏りを相殺することができるので、適正な色バランスの内視鏡像を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による電子内視鏡装置の一実施形態の概略ブロック図である。
【図2】本発明による電子内視鏡装置のAタイプのスコープの概略図である。
【図3】本発明による電子内視鏡装置のBタイプのスコープの概略図である。
【図4】本発明による電子内視鏡装置の画像信号処理ユニットの外観を示す概略斜視図である。
【図5】LEDアレイ光源の三原色の発光ダイオードの配列例を模式的に示す模式図である。
【図6】LEDアレイ光源の三原色の発光ダイオードの別の配列例を模式的に示す模式図である。
【図7】LEDアレイ光源とLEDドライバとの回路構成例を示す配線図である。
【図8】Aタイプのスコープの撮像センサの分光感度特性の偏りを示すグラフである。
【図9】LEDアレイ光源を白色光源とする際の三原色のそれぞれの色の発光ダイオードの発光強度分布を示すグラフである。
【図10】図9に示す三原色の発光ダイオードの発光強度分布が図8に示す分光感度特性の偏りのために変化を受けた際の三原色のそれぞれの色見掛け上の発光強度分布を示すグラフである。
【図11】Aタイプのスコープを用いた際の電子内視鏡の作動を説明するためのタイミングチャートである。
【図12】Aタイプのスコープを用い、しかもLEDアレイ光源の三原色のそれぞれの色の発光ダイオードの発光強度が等しいと仮定した際に得られるべきアナログ・コンポーネント・ビデオ信号の赤色信号成分、緑色信号成分及び青色信号成分のレベルを模式的に示す説明図である。
【図13】図11のタイミングチャートに従って電子内視鏡を作動させた際に得られるべきアナログ・コンポーネント・ビデオ信号の赤色信号成分、緑色信号成分及び青色信号成分のそれぞれのレベルを模式的に示す説明図である。
【図14】Bタイプのスコープの撮像センサの分光感度特性の偏りを示すグラフである。
【図15】図8に示す三原色の発光ダイオードの発光強度分布が図14に示す分光感度特性の偏りのために変化を受けた際の三原色のそれぞれの色の見掛け上の発光強度分布を示すグラフである。
【図16】Bタイプのスコープを用いた際の電子内視鏡装置の作動を説明するためのタイミングチャートである。
【図17】図1に示すシステムコントローラで時間割込みルーチンとして実行されるタイミングジェネレータ設定ルーチンのフローチャートである。
【図18】LEDアレイ光源とLEDドライバとの別の回路構成例の一部分を示す配線図である。
【図19】図18に示す回路構成例の他の部分を示す配線図である。
【図20】図18に示す回路構成例の残りの部分を示す配線図である。
【符号の説明】
10 スコープ
12 画像信号処理ユニット
14 撮像センサ
30 光源ユニット
32 LEDアレイ光源
34 LEDドライバ
38 システムコントローラ
40 タイミングジェネレータ
41 EEPROM
42 A/D変換器

Claims (3)

  1. スコープと、このスコープの遠位端に設けられた撮像センサと、前記スコープの近位端に着脱自在に接続させられる画像信号処理ユニットとを具備し、前記撮像センサで順次得られる1フレーム分の画素信号を前記画像信号処理ユニットで適宜処理してビデオ信号として出力するように構成され、更に、前記スコープの遠位端の前方を照明するための照明光を導くべく該スコープに挿通させられた光ガイドケーブルと、前記画像信号処理ユニット内に設けられた光源ユニットとを具備し、前記画像信号処理ユニットへの前記スコープの接続時に該光ガイドケーブルの近位端が前記光源ユニットに光学的に接続される電子内視鏡装置において、
    前記光源ユニットが十分な照明光量を得るための少なくとも二色の複数の発光ダイオードから成り、各色の複数の発光ダイオードが少なくとも2つの発光ダイオード群に分けられ、各色の発光ダイオードの発光が前記撮像センサのそれぞれの色の分光感度特性の偏りを相殺するようにその発光ダイオード群毎に点灯または消灯するように制御する制御手段を備えることを特徴とする電子内視鏡装置。
  2. 請求項1に記載の電子内視鏡装置において、前記光源ユニットが前記少なくとも2色の複数の発光ダイオードを配列させたLEDアレイ光源と、このLEDアレイ光源の各色の複数の発光ダイオードをその発光ダイオード群毎に駆動させるLEDドライバとを含み、このLEDドライバの動作がタイミングジェネレータによって制御されることを特徴とする電子内視鏡装置。
  3. 請求項2に記載の電子内視鏡装置において、前記スコープとして、少なくとも2つのタイプのものが用意され、各スコープにはそのタイプを表すタイプ情報を格納するメモリ手段が設けられ、前記画像信号処理ユニットにはそこに前記スコープが接続された際に該メモリ手段からタイプ情報を読み出す読出し手段と、その読出しタイプ情報に従って前記タイミングジェネレータを設定する設定手段とが設けられ、これにより前記タイミングジェネレータによる前記LEDドライバの制御態様が前記スコープのタイプ毎に変更されることを特徴とする電子内視鏡装置。
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