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JP4618220B2 - ガスセンサの組み付け状態検出方法及びガスセンサの組み付け状態検出装置 - Google Patents

ガスセンサの組み付け状態検出方法及びガスセンサの組み付け状態検出装置 Download PDF

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Description

本発明は、ガスセンサの組み付け状態、とりわけ、その誤組み付け検出方法及びガスセンサの誤組み付け検出装置に係り、詳しくは複数の排気系を備えたエンジンの各排気系に配設され、排ガス中の酸素濃度を検出するガスセンサの誤組み付けを検出するガスセンサの組み付け状態検出方法及びガスセンサの組み付け状態検出装置に関する。
一般に、自動車等のエンジンでは、空燃比を最適にフィードバック制御するため、排気系に酸素センサ又は空燃比センサ等のガスセンサを配設し、エンジンの運転中には、このガスセンサの検出信号に基づいて空燃比制御を行っている。
V型エンジンや水平対向エンジンのように左右2つのバンクを備えたエンジンでは、各バンク毎に排気系が設けられるとともに各排気系にガスセンサが配設されている。もしくは、直列エンジンにおいても、前後でグループを分けてバンクを構成し、各バンク毎に排気系が設けられるとともに各排気系にガスセンサが配設される場合もある。このように各バンクに対応してガスセンサが配設される構成では、所定箇所に組み付けられたガスセンサはワイヤハーネスを介してエンジン制御装置に電気的に接続される。その際、左右のガスセンサとエンジン制御装置との接続間違え(誤組み付け)を防止するため、従来、コネクタの形状を左右で変えたり、ハーネス長を左右で変えたりして、物理的に左右逆に接続できないようにしたものがある。また、ガスセンサを左右逆に接続できない構成とせずに、左右の誤組み付けが行われた際には、ガスセンサの応答性ダイアグノーシス(自己診断)や燃料フィードバック補正量ダイアグノーシスでの異常検出で誤組み付けを検出する場合もある。
また、互いに通信可能に構成される電子部品である親機及び少なくとも1つの子機が、車両に搭載される場合に、例えば、サービス工場で車両修理のために、子機を車両から取り外し、再度取り付ける場合、誤って他の部品が取り外した子機に代えて取り付けられたことを検出する検出装置が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。この装置では、イグニッションスイッチがオンになってからオフになるまでの電源供給時間を、子機のMPU及び親機のMPUが算出し、両電源供給時間に大きな差異がある場合には、親機及び子機のいずれかが誤組み付けされているとして警報装置から警報を出力する。
特開2003−11746号公報
ところが、コネクタ形状やワイヤハーネス長を左右のガスセンサで変更する場合は、部品点数の増加を招き、コスト高の要因となる。また、ガスセンサの誤組み付けを、ガスセンサの応答性ダイアグノーシスや燃料フィードバック補正量ダイアグノーシスでの異常検出で検出する方法では、異常の原因がガスセンサの左右誤組み付けにあるのか、センサあるいはエンジンに問題があるのかを特定できず、トラブルシューティングを行って原因の究明が必要で、多大な工数が必要になる。
また、特許文献1の方法をガスセンサの誤組み付け検出に適用することはできない。
本発明は、こうした実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、ハードウエアを変更する必要がなく、ガスセンサの組み付け状態を的確に検出することができるガスセンサの組み付け状態検出方法及びガスセンサの組み付け状態検出装置を提供することにある。より具体的には本願発明はガスセンサの誤組み付けを検出する方法あるいは装置を提供するものである。
上記の課題を解決するために、請求項に記載の発明では、空燃比に影響を与えるエンジン制御パラメータを異なる排気系に対応する気筒群で異なる値に制御するエンジン制御パラメータ制御手段と、前記ガスセンサの出力を入力して、ガスセンサの出力が前記エンジン制御パラメータの値に対応する正常な出力か否かに基づいて前記ガスセンサの組み付け状態が適正か否かを判断する判断手段と、前記判断手段の判断結果を報知する報知手段とを備え、前記エンジン制御パラメータ制御手段は、前記エンジン制御パラメータの制御として、前記ガスセンサ応答性に対する自己診断実行時に、前記異なる排気系に対応する気筒群に対し、空燃比ディザ制御を同時に、かつそれぞれ異なる周期で行い、前記判断手段は、各ガスセンサの出力周期を入力して、それら出力周期と、前記ディザ制御の異なる周期に対応して決まる各設定範囲との関係を判定することにより、前記ガスセンサの組み付け状態が適正か否かを判断することを要旨とする。
請求項に記載の発明によれば、ガスセンサの組み付け状態を検出する際には、エンジン制御パラメータは、異なる排気系に対応する気筒群で異なる値に制御され、各排気系に配設されたガスセンサからの出力信号が空燃比に対応する適正な出力信号か否かが判断手段で判断される。判断手段の判断結果は、報知手段により報知される。したがって、ハードウエアを変更せずにガスセンサの誤組み付けを検出することができる。そして、エンジン制御パラメータの制御として、ガスセンサの応答性に対する自己診断実行時に、異なる排気系に対応する気筒群に対し、空燃比ディザ制御を同時に、かつそれぞれ異なる周期で行うようにしている。この場合、ガスセンサのリッチ・リーン出力周期を測定し、ディザ周期に対応する値と比較することで組み付け状態を検出することができる。また、空燃比ディザ制御は、ガスセンサ応答性に対する診断を行う際に従来行っていた制御の一環として実施することができる。
請求項に記載の発明のように、請求項に記載の発明において、前記判断手段によって前記ガスセンサの組み付け状態が適正であると判断されるとき、前記ガスセンサ応答性の判定を行うようにするとよい。
請求項に記載の発明のように、請求項1または2に記載の発明において、前記エンジンは2つのバンクを備えるとともに前記排気系が各バンクに対応して設けられるとき、当該エンジンはV型エンジンや水平対向エンジンとなる。そしてこのときには、前記エンジン制御パラメータ制御手段は、前記ガスセンサ応答性に対する自己診断実行時に、それら2つのバンクで空燃比ディザ制御を同時に、かつ異なる周期で行い、前記判断手段は、同2つのバンクに対応して設けられた各ガスセンサの出力周期を入力して、それら出力周期の双方が、それぞれ対応するバンクで行われた前記ディザ制御の周期によって決まる設定範囲内にある場合に、前記ガスセンサの組み付け状態が適正であると判断するようにするとよい。
また併せて、請求項4に記載のように、請求項3に記載の発明において、前記判断手段は、前記2つのバンクに対応して設けられた各ガスセンサの出力周期のうち、少なくとも一方が対応するバンクで行われた前記ディザ制御の周期によって決まる設定範囲内になく、かつ双方がそれぞれ他方のバンクで行われた前記ディザ制御の周期によって決まる設定範囲内にある場合に、前記ガスセンサの組み付け状態が適正でないと判断するようにするとよい。
尚、以上の発明では特に組み付け状態を検出する装置として説明したが、請求項に係わる発明は、組み付け状態を検出する方法として本願発明を捉えている。すなわち、請求項に係わる発明は、複数のセンサの組み付け状態が、どうなっているのか、をどのように判別するか、に着目したことを特徴としている。その特徴としては、例えば請求項1の発明と同様である。
つまり、組み付け状態判定期間中に、異なる排気系に対応する気筒群に対し、空燃比ディザ制御を同時に、かつそれぞれ異なる周期で行い、その状態でそれぞれの排気系に備えられたガスセンサの出力周期をモニタして、それら出力周期と、前記ディザ制御の異なる周期に対応して決まる各設定範囲との関係を判断することで、正常な組み付けなのかあるいは誤った組み付けなのかを判別することができる。尚、本発明において、正常な組み付けか、誤った組み付けか、というのは組み付け状態の良、不良を見るものではなく、エンジンの各排気系に取り付けられたガスセンサと、エンジン制御装置のセンサ入力が、物理的に正しく対応して接続されているかどうか、を判断することを言う。
また、請求項に記載のように、請求項5に記載の発明において、前記ガスセンサの組み付け状態が適正であると判断された後に、前記ガスセンサ応答性の判定を行うようにするとよい。
さらに、請求項のように、前記各ガスセンサの出力周期とともに応答時間を併せてモニタし、前記出力周期を前記ガスセンサの組み付け状態の診断に用いるとともに、前記応
答時間を前記ガスセンサ応答性に対する自己診断としてセンサ自身が正常に機能するか否かを判定するために用いるようにするとよい。
(第1の比較例
以下、本発明をV型6気筒エンジンに具体化した実施形態を説明するに先立ち、その第1の比較例を図1〜図4にしたがって説明する。
図1に示すように、V型6気筒のエンジン11の右側バンク(第1のバンク)12Rは3つの気筒#1,#3,#5を、左側バンク(第2のバンク)12Lは3つの気筒#2,#4,#6をそれぞれ備えている。エンジン11は気筒内に吸入空気を供給するための吸気通路13に、インテークマニホールド(吸気マニホールド)14を介して接続されている。吸気通路13の入口(始端)にはエアクリーナ15が設けられており、吸気通路13の途中にはエアフローメータ16及びスロットルバルブ17が設けられている。右側及び左側バンク12R,12Lには各気筒#1〜#6毎に燃料噴射弁18が配設されており、吸入空気と燃料噴射弁18から噴射された燃料とが混合された後、各気筒#1〜#6に供給される。
エンジン11は各気筒内の燃焼により生じた排気を排出するための排気通路19R,19Lを備え、各バンク12R,12Lはエキゾーストマニホールド(排気マニホールド)20R,20Lを介して排気通路19R,19Lに接続されている。そして、右側バンク12Rの各気筒#1,#3,#5から排出される排ガスは、エキゾーストマニホールド20R、排気通路19R等を経て大気に放出され、左側バンク12Lの各気筒#2,#4,#6から排出される排ガスは、エキゾーストマニホールド20L、排気通路19L等を経て大気に放出される。エキゾーストマニホールド20R及び排気通路19Rと、エキゾーストマニホールド20L及び排気通路19Lとが異なる排気系を構成し、排気系は各バンク12R,12Lに対応して設けられている。
排気通路19R,19Lには、排気浄化装置(触媒コンバータ)21R,21Lが設けられており、排気浄化装置21R,21Lより上流にガスセンサとしての酸素センサ22R(第1の酸素センサ)及び酸素センサ22L(第2の酸素センサ)がそれぞれ設けられている。即ち、エンジン11は、複数(この比較例では2つ)の排気系を備えるとともに、各排気系にそれぞれ排ガス中の酸素濃度を検出するガスセンサが配設されている。
エンジン11は、電子制御ユニット(ECU)により制御される。ECU30は、中央処理制御装置(CPU)、各種プログラムやマップ等を予め記憶したメモリ(ROM)、CPUの演算結果等を一時記憶するランダムアクセスメモリ(RAM)、タイマカウンタ、入力インターフェース、出力インターフェース等を備えたマイクロコンピュータを中心として構成されている。そして、ECU30により、例えば、燃料噴射弁18の燃料噴射量、スロットルバルブ17の開度(即ち、スロットルバルブ17を開閉するアクチュエータの駆動量)等、エンジン11の各種制御が行われる。
ECU30には、エンジン運転状態を検出するための各種センサの検出信号が入力される。前記センサには、吸気圧センサ、吸気温センサ、エアフローメータ16、エンジン11の水温を検出する水温センサ、アクセルペダル23の踏み込み量を検出するアクセル開度センサ24、エンジン11の回転速度及びクランク軸の回転角度を検出するクランク角センサ、スロットルバルブ17の開度を検出するスロットル開度センサ等がある。なお、図1においては図示の都合上、大部分のセンサ及びECU30からの指令信号を示す矢印線の一部の図示を省略している。ECU30には表示灯25が接続されている。
ECU30は、酸素センサ22R,22Lの検出信号に基づいて空燃比を理論空燃比近傍に制御する空燃比フィードバック(F/B)制御を行う。ECU30は、空燃比に影響を与えるエンジン制御パラメータを異なる排気系に対応する気筒群で異なる値に制御するエンジン制御パラメータ制御手段と、酸素センサ22R,22Lの出力を入力して、酸素センサ22R,22Lの出力がエンジン制御パラメータの値に対応する正常な出力か否かを判断する判断手段を構成する。表示灯25は、ECU30が酸素センサ22R,22Lの出力を正常な出力でないと判断した場合にそれを報知する報知手段として機能する。
ECU30は、エンジン制御パラメータを異なるバンク12R,12Lに対応する気筒群で異なる値に制御する制御として、燃料カット時に燃料カットを行う気筒を一方のバンクに属する気筒に集中させる制御を行う。
図2は、酸素センサ22R,22Lが適正に組み付けられている状態で燃料カット制御を実行した場合の、アクセル開度、エンジン回転数、各気筒の燃料カット状態、各酸素センサの出力状態を示すタイムチャートである。本比較例では燃料カットはアクセル開度が減少するときに行われる(減速時燃料カット状態)。
第1のバンク(右側バンク12R)の気筒#1,#3,#5に集中させて燃料カットを実行した場合(図2にAで示す部分)は、時刻t12〜t13の間では右側バンク12Rに対応する酸素センサ22R(第1の酸素センサ)の出力は確実にリーンに対応する出力となる。したがって、時刻t12〜t13の間において各酸素センサ22R,22Lがリーンの出力をしているか否かを判断してその回数を積算し、積算回数を比較すれば、酸素センサ22R用の計測カウンタ(後述のカウンタCn1)の積算回数が多くなる。また、第2のバンク(左側バンク12L)の気筒#2,#4,#6に集中させて燃料カットを実行した場合(図2にBで示す部分)は、時刻t22〜t23の間では左側バンク12Lに対応する酸素センサ22L(第2の酸素センサ)の出力は確実にリーンに対応する出力となる。したがって、時刻t22〜t23の間において各酸素センサ22R,22Lがリーンの出力をしているか否かを判断してその回数を積算し、積算回数を比較すれば、酸素センサ22L用の計測カウンタ(後述のカウンタCn2)の積算回数が多くなる。
また、燃料カットを一方のバンクの気筒に集中させずに、図2にCで示す部分のように、右側及び左側バンク12R,12Lの各気筒で実行し、燃料カットの時間を変えた場合も、一方のバンクのみ燃料カットが実行されている期間は有る。しかし、その期間が短いため、図2に示す時刻t31〜t32の間において各酸素センサ22R,22Lがリーンの出力をしているか否かを判断してその回数を積算し、積算回数を比較すると、比較結果の信頼性が低くなる。
図3は、酸素センサ22R,22Lが左右逆に組み付けられている状態で燃料カット制御を実行した場合の、アクセル開度、エンジン回転数、各気筒の燃料カット状態、各酸素センサの出力状態を示すタイムチャートである。この場合は、第1のバンク(右側バンク12R)の気筒#1,#3,#5に集中させて燃料カットを実行した場合(図3にAで示す部分)は、時刻t12〜t13の間では左側バンク12Lに対応する酸素センサ22Lの出力は確実にリーンに対応する出力となる。また、第2のバンク(左側バンク12L)の気筒#2,#4,#6に集中させて燃料カットを実行した場合(図3にBで示す部分)は、時刻t22〜t23の間では右側バンク12Rに対応する酸素センサ22Rの出力は確実にリーンに対応する出力となる。
また、燃料カットを一方のバンクの気筒に集中させずに、図3にCで示す部分のように、右側及び左側バンク12R,12Lの各気筒で実行し、燃料カットの時間を変えた場合も、一方のバンクのみ燃料カットが実行されている期間は有る。しかし、その期間が短いため、図3に示す時刻t31〜t32の間において各酸素センサ22R,22Lがリーンの出力をしているか否かを判断してその回数を積算し、積算回数を比較すると、比較結果の信頼性が低くなる。
尚、上述のような燃料カット期間ではなく通常の制御状態では、図2に示されるように各酸素センサに基づき、センサ出力がリーンなら燃料噴射量を増量してリッチ側へ、センサ出力がリッチなら燃料噴射量を減量してリーン側となるように、各気筒の燃料噴射時間等を制御して供給される燃料量を調節する。
次に図4に示すフローチャートを参照しつつ酸素センサの組み付け状態の判定、より具体的には、誤組み付け検出の手順を説明する。ECU30は、図4に示すフローチャートを所定時間毎に実行することにより酸素センサの組み付け診断処理を実行する。図4に示すフローチャートが1回実行されるに要する時間は、燃料カット制御が実行されている時間に比較すると極短時間であり、燃料カット制御が実行されている間にフローチャートの処理は何度も実行される。
ステップ101でECU30は、燃料カット制御を実行中か否かを判断し、実行中であればステップ102に進み、燃料カットが実施されているバンクが一方の(片側の)バンクのみか否かの判断を行う。尚、ECU30は運転状態により、両側のバンクで燃料カットを実施するか、片側のみを実施するかを決定するものであり、組み付け状態の判定のために特別に設けるものではなく、ECUの通常の制御状態の中で片側バンクのみ燃料カットになっているかどうかを判断するものである。燃料カットが片側のバンクのみで実施されている場合はステップ103で計測開始フラグFsをセットした後、ステップ104で実行バンクを記憶する。次に、ECU30は、ステップ105で第1の酸素センサ(右側バンク12Rの酸素センサ22R)の出力がリーンか否かを判断し、リーンであればステップ106に進み、リーンでなければステップ107に進む。ステップ106でECU30は、第1の計測カウンタCn1をカウントアップした後、ステップ107に進む。
ステップ107でECU30は、第2の酸素センサ(左側バンク12Lの酸素センサ22L)の出力がリーンか否かを判断し、リーンであればステップ108に進み、第2の計測カウンタCn2をカウントアップした後、処理を終了する。ステップ107で酸素センサ22Lの出力がリーンでなければそのまま処理を終了する。フローチャートの実行に要する時間は極短時間のため、何回か同じ処理が繰り返され、一方のカウンタのカウント値が増加する状態となる。
また、ECU30は、ステップ101で燃料カット制御を実行中ではないと判断した場合はステップ109に進み、ステップ109で計測開始フラグFsがセットされているか否かを判断する。計測開始フラグFsがセットされていればステップ110に進み、計測開始フラグFsがセットされているバンクが第1のバンク(右側バンク12R)か否かを判断し、セットされているバンクが第1のバンクであればステップ111に進む。ステップ111でECU30は、第1の計測カウンタCn1のカウント値Cn1が第2の計測カウンタCn2のカウント値Cn2より大きいか否かを判断する。ECU30は、Cn1>Cn2であれば、ステップ112で酸素センサ22R,22Lが適正に組み付けられていると診断し、Cn1>Cn2でなければ、ステップ113で酸素センサ22R,22Lが誤組み付けと診断する。ECU30が誤組み付けと診断すると、表示灯25に対して点灯指示信号が出力されて、表示灯25が点灯状態になる。
次にECU30は、ステップ114でに進み、計測開始フラグFsをリセットした後、ステップ115で計測カウンタCn1,Cn2をリセットし、ステップ116で燃料カットバンクの記憶を消去した後、処理を終了する。
ECU30は、ステップ110で計測開始フラグFsがセットされているバンクが第1のバンク(右側バンク12R)ではないと判断した場合はステップ117に進む。ステップ117でECU30は、第2の計測カウンタCn2のカウント値Cn2が第1の計測カウンタCn1のカウント値Cn1より大きいか否かを判断する。ECU30は、Cn2>Cn1であれば、ステップ118で酸素センサ22R,22Lが適正に組み付けられていると診断し、Cn2>Cn1でなければ、ステップ119で酸素センサ22R,22Lが誤組み付けと診断する。その後、ECU30は、ステップ114,115,116を実行した後、処理を終了する。
なお、ECU30は、ステップ102の判断で、燃料カット制御が片側のバンクのみで行われていない、即ち両側のバンクで行われていると判断した場合は、ステップ114に進み、ステップ114,115,116を実行した後、処理を終了する。
以上説明したように、この比較例の誤組み付け検出装置及び誤組み付け検出方法によれば、以下に列記するような優れた効果が得られる。
(1)ガスセンサ(酸素センサ22R,22L)の誤組み付け検出装置(組み付け状態検出装置)は、組み付け状態、あるいは誤組み付けを検出する際、異なる排気系に対応する気筒群で空燃比が異なる値になるようにエンジン制御パラメータを変更して制御が行われる。そして、各排気系に配設された酸素センサ22R,22Lからの出力信号が空燃比に対応する適正な出力信号か否かが判断手段で判断される。これらは、ECU30がプログラムを実行することで実施されるため、ハードウエアを変更せずに酸素センサ22R,22Lの誤組み付けを検出することができる。また、酸素センサ22R,22Lやエンジン本体の不調と区別して誤組み付けを検出することができるため、トラブルシューティングの時間を大幅に短縮することができる。
(2)判断手段が誤組み付けと判断した場合、報知手段としての表示灯25が点灯して報知されるため、誤組み付けであることを容易に確認することができる。
(3)エンジン制御パラメータ制御手段は、異なるバンクに対応する気筒群で空燃比が異なる値になるようにエンジン制御パラメータを制御する制御として、燃料カット時に燃料カットを行う気筒を一方のバンクに属する気筒に集中させる制御を行う。判断手段は燃料カットが行われるバンクに対応するガスセンサがリーンを示すことをモニタすることにより、誤組み付けの有無を検出することができる。したがってコストアップなしで、通常の車両運転中に誤組み付けの検出が可能になる。
(第2の比較例
次に、第2の比較例を図5及び図6にしたがって説明する。この第2の比較例は、車両がセンサの自己診断装置を備えている点が第1の比較例と異なる。第1の比較例と同様の部分については、その重複する説明を省略又は簡略する。
ECU30は、自己診断装置としても機能し、ガスセンサ応答性に対する診断を行う診断手段を備えている。空燃比を強制的にリッチとリーンに交互に変化させる空燃比ディザ制御を実行し、空燃比ディザ制御のリッチ・リーンの反転からガスセンサのリッチ・リーン反転までの遅れ時間を計時することにより、ガスセンサ応答性診断を行う。図5に示すように、ECU30は、ガスセンサの応答性診断実行時に、左右のバンク12L,12Rで空燃比ディザ制御を順に行うことで、エンジン制御パラメータを左右のバンク12L,12Rで異なる値に制御する。ECU30のメモリにはディザ制御を行う場合のディザ周期が記憶されている。
ECU30は、ガスセンサの応答性診断実行時に、ガスセンサのリッチ・リーン出力周期を測定し、ディザ周期に対応する値(範囲)と比較することで誤組み付けを検出する。
図5は、ガスセンサの応答性の自己診断を行う際に、第1のバンク(右側バンク12R)及び第2のバンク(左側バンク12L)で順にディザ制御を行った際における、各バンクの目標空燃比と、ガスセンサ(酸素センサ22R,22L)が適正に組み付けられている状態及び誤組み付けの状態の各ガスセンサの出力状態を示すタイムチャートである。
図5に示すように、ディザ制御が行われた側のバンクに対応する排気系では排気ガスのリーンとリッチの状態がディザの周期に対応した周期で変化する。しかし、ディザ制御が行われていない側のバンクに対応する排気系では排気ガスのリーンとリッチの状態がディザの周期より短い周期で変化する。したがって、ディザ制御が行われた側のバンクに対応するガスセンサの応答周期をディザ周期によって決まる設定範囲内にあるか否かで誤組み付けを検出することが可能になる。
次に図6に示すフローチャートを参照しつつ酸素センサの誤組み付け検出手順を説明する。ECU30は、図6に示すフローチャートを実行することにより酸素センサ組み付け診断処理を実行する。
ステップ201でECU30は、応答性診断を実行する条件が成立しているか否かを判断し、成立していればステップ202に進み、していなければ処理を終了する。応答性診断を実行する条件とは、例えば、エンジン11が運転を開始してから酸素センサ22R,22Lが活性化するまでの時間を経過していることが挙げられる。ECU30は、ステップ202で第1のバンク(右側バンク12R)でディザ制御を実行する。次に、ECU30は、ステップ203で第1の酸素センサ(酸素センサ22R)の応答時間Rt1及び第2の酸素センサ(酸素センサ22L)の応答時間Rt2を計測するとともに、第1の酸素センサの周期C1及び第2の酸素センサ(酸素センサ22L)の周期C2を計測する。
応答時間Rt1,Rt2は、ディザ周期のリッチからリーンへの立ち上がり時刻t51から酸素センサ22R,22Lの出力がリッチからリーンに変わる変曲点までの時間である。したがって、両酸素センサ22R,22Lが適正に組み付けられている場合は、(c)に示すように、適正な応答時間Rt1は時刻t51から時刻t52迄の時間になり、適正な応答時間Rt2は時刻t61から時刻t62迄の時間になる。そして、第1のバンクに対してディザ制御が行われている状態では、第2の酸素センサの応答時間Rt2は、適正な値で計測されず、第2のバンクに対してディザ制御が行われている状態では、第1の酸素センサの応答時間Rt1は、適正な値で計測されない。また、両酸素センサ22R,22Lが誤まって組み付けられている場合は、(d)に示すように、適正な応答時間Rt2は時刻t51から時刻t52迄の時間になり、応答時間Rt1は時刻t61から時刻t62迄の時間になる。
周期C1は、酸素センサ22Rの出力の1周期を意味し、周期C2は、酸素センサ22Lの出力の1周期を意味する。各周期C1,C2は、例えば、酸素センサ22R,22Lの出力がリッチからリーンに変わる変曲点の時刻から次に出力がリッチからリーンに変わる変曲点の時刻までの時間で計測される。
次に、ECU30は、ステップ204で周期C1が設定範囲内か否かを判断し、設定範囲内であればステップ205に進み、酸素センサ22R,22Lが適正に組み付けられていると診断した後、ステップ208に進む。ステップ204で周期C1が設定範囲内でなければ、ECU30はステップ206に進み、周期C2が設定範囲内か否かを判断する。周期C2が設定範囲内であればステップ207で誤組み付けと判断した後、処理を終了する。また、周期C2が設定範囲内でなければ、ステップ208に進む。
ECU30は、ステップ208で応答時間Rt1が判定値以下か否かを判断し、判定値以下であればステップ209に進み、第1の酸素センサ(酸素センサ22R)は正常と診断した後、ステップ211に進む。ステップ208で応答時間Rt1が判定値より大きければ、ECU30は、ステップ210に進み、第1の酸素センサ(酸素センサ22R)は異常と診断した後、ステップ211に進む。
次に、ステップ211でECU30は、第2のバンク(左側バンク12L)でディザ制御を実行する。次に、ECU30は、ステップ212で第1の酸素センサ(酸素センサ22R)の応答時間Rt1及び第2の酸素センサ(酸素センサ22L)の応答時間Rt2を計測するとともに、第1の酸素センサの周期C1及び第2の酸素センサの周期C2を計測する。
次に、ECU30は、ステップ213で周期C2が設定範囲内か否かを判断し、設定範囲内であればステップ214に進み、酸素センサ22R,22Lが適正に組み付けられていると診断した後、ステップ217に進む。ステップ213で周期C2が設定範囲内でなければ、ECU30はステップ215に進み、周期C1が設定範囲内か否かを判断する。周期C1が設定範囲内であればステップ216で誤組み付けと判断した後、処理を終了する。また、周期C1が設定範囲内でなければ、ステップ217に進む。
ECU30は、ステップ217で応答時間Rt2が判定値以下か否かを判断し、判定値以下であればステップ218に進み、第2の酸素センサ(酸素センサ22L)は正常と診断した後、処理を終了する。ステップ217で応答時間Rt2が判定値より大きければ、ECU30は、ステップ219に進み、第2の酸素センサ(酸素センサ22L)は異常と診断した後、処理を終了する。
この比較例では、第1の比較例の効果(1),(2)と同様の効果に加えて以下に示す効果を得ることができる。
(4)自己診断装置によるガスセンサの応答性診断実行時に、左右のバンクで空燃比ディザ制御を順に行うことで、エンジン制御パラメータを左右のバンクで異なる値に制御する。そして、ガスセンサのリッチ・リーン出力周期を測定し、ディザ周期に対応する値と比較することで誤組み付けを検出できる。即ち、自己診断装置が従来行っていた診断時の制御の一環として、誤組み付けの検出を実施できる。
(5)第1の比較例において、リーン継続時間が長くなりすぎると触媒での酸化還元に影響を来す可能性があるが、この比較例ではそのようなことがない。
(実施形態)
次に、本発明を具体化した実施形態を図7及び図8にしたがって説明する。この実施形態は、エンジン制御パラメータを左右のバンクで異なる値に制御するために、ガスセンサの応答性診断実行時に空燃比ディザ制御を適用する点は第2の比較例と同じであるが、左右のバンクで空燃比ディザの周期を変更して実現する点が第2の比較例と異なる。第2の比較例と同様の部分については、その重複する説明を省略又は簡略する。
図7は、第1のバンク(右側バンク12R)及び第2のバンク(左側バンク12L)において異なるディザ周期でディザ制御を行った際における、各バンクの目標空燃比と、ガスセンサ(酸素センサ22R,22L)が適正に組み付けられている状態及び誤組み付けの状態の各ガスセンサの出力状態を示すタイムチャートである。
図7に示すように、この実施形態においては、右側バンク12Rのディザ周期T1が左側バンク12Lのディザ周期T2より短い周期となるように制御される。したがって、酸素センサ22R,22Lが正しく組み付けられていれば、(c)に示すように、第1の酸素センサ22Rの周期C1は右側バンク12Rのディザ周期T1に対応し、第2の酸素センサ22Lの周期C2は左側バンク12Lのディザ周期T2に対応する状態になる。したがって、ディザ制御が行われた側のバンクに対応するガスセンサの周期をディザ周期によって決まる設定範囲内にあるか否かで誤組み付けを検出することが可能になる。
次に図8に示すフローチャートを参照しつつ酸素センサの誤組み付け検出手順を説明する。ECU30は、図8に示すフローチャートを実行することにより酸素センサ組み付け診断処理を実行する。
ステップ301でECU30は、応答性診断を実行する条件が成立しているか否かを判断し、成立していればステップ302に進み、していなければ処理を終了する。ECU30は、ステップ302で第1のバンク(右側バンク12R)において周期T1でディザ制御を実行するとともに、第2のバンク(左側バンク12L)において周期T2でディザ制御を実行する。次に、ECU30は、ステップ303で第1及び第2の酸素センサ(酸素センサ22R,22L)の応答時間Rt1,Rt2を計測するとともに、第1の酸素センサの周期C1及び第2の酸素センサの周期C2を計測する。
次に、ECU30は、ステップ304で周期C1が第1の設定範囲内、かつ周期C2が第2の設定範囲か否かを判断し、YESであればステップ305に進み、NOであればステップ306に進む。ECU30は、ステップ305で酸素センサ22R,22Lが適正に組み付けられていると診断した後、ステップ308に進む。ECU30は、ステップ306で周期C1が第2の設定範囲、かつ周期C2が第1の設定範囲か否かを判断し、YESであればステップ307に進み、NOであればステップ308に進む。ECU30は、ステップ307で誤組み付けと診断した後、処理を終了する。
ECU30は、ステップ308で応答時間Rt1が判定値以下か否かを判断し、判定値以下であればステップ309に進み、第1の酸素センサ(酸素センサ22R)は正常と診断した後、処理を終了する。ステップ308で応答時間Rt1が判定値より大きければ、ECU30は、ステップ310に進み、第1の酸素センサ(酸素センサ22R)は異常と診断する。なお、図8には図示せず省略されているが、第2の酸素センサの応答時間Rt2についても、第1の酸素センサと同様に診断した後、処理を終了する。
この実施形態では、第1の比較例の効果(1),(2)及び第2の比較例の効果(5)と同様の効果に加えて以下に示す効果を得ることができる。
(6)自己診断装置によるガスセンサの応答性診断実行時に、左右のバンクで空燃比ディザ制御を同時に、かつ異なる周期で行うことで、エンジン制御パラメータを左右のバンクで異なる値に制御する。そして、ガスセンサのリッチ・リーン出力周期を測定し、ディザ周期に対応する値と比較することで誤組み付けを検出できる。即ち、自己診断装置が従来行っていた診断時の制御の一環として誤組み付けの検出を実施できる。また、第2の比較例の場合よりも早く、ガスセンサの応答性診断を終了させることが可能である。
なお、前記各比較例および実施形態に限らず、例えば、以下の態様にて実施することもできる。
・ ECU30は、空燃比に影響を与えるエンジン制御パラメータを異なる排気系に対応する気筒群で異なる値に制御する制御として、一方のバンクに対応する気筒群の燃料噴射量を一時的に増量若しくは減量する制御を行うようにしてもよい。例えば、ECU30のメモリに、燃料の増減量に対応するガスセンサ(酸素センサ22R,22L)のリッチ・リーン出力の値を記憶させておき、燃料の増減量とガスセンサのリッチ・リーン出力を比較することで誤組み付けを検出する。
・ ECU30は、エンジン制御パラメータを異なるバンクに対応する気筒群で異なる値に制御する制御として、一方のバンクに対応する気筒群の燃料噴射量を一時的に増量するとともに他方のバンクに対応する気筒群の燃料噴射量を減量する制御を行うようにしてもよい。この場合もECU30のメモリに、燃料の増減量に対応するガスセンサ(酸素センサ22R,22L)のリッチ・リーン出力の値を記憶させておき、燃料の増減量とガスセンサのリッチ・リーン出力を比較することで誤組み付けを検出する。
・ 空燃比に影響を与えるエンジン制御パラメータの制御として、燃料噴射量を制御するだけでなく、燃料噴射量とともに吸入空気量を変更したり、燃料噴射量を変更せずに吸入空気量を変更したりするようにしてもよい。
・ 第2の比較例のように、ECU30がエンジン制御パラメータを左右のバンクで異なる値に制御する制御として、左右のバンクで空燃比ディザ制御を順に行う構成を採用した場合、ガスセンサの応答性異常の有無と、誤組み付け検出とを同時に行わずに、誤組み付け検出のみを行うようにしてもよい。即ち、図6のフローチャートにおいて、ステップ203,212でガスセンサ(酸素センサ22R,22L)の応答時間Rt1,Rt2の計測を行わずに、ステップ208〜210及びステップ217〜219を省略してもよい。この場合、ガスセンサの誤組み付けをより簡単に検出することができる。
施形態のように、ECU30がエンジン制御パラメータを左右のバンクで異なる値に制御する制御として、左右のバンクで空燃比ディザ制御を同時に、かつ異なる周期で行う構成を採用した場合、ガスセンサの応答性異常の有無と、誤組み付け検出とを同時に行わずに、誤組み付け検出のみを行うようにしてもよい。即ち、図8のフローチャートにおいて、ステップ303でガスセンサ(酸素センサ22R,22L)の応答時間Rt1,Rt2の計測を行わずに、ステップ308〜310を省略してもよい。この場合、ガスセンサの誤組み付けをより簡単に検出することができる。
・ エンジン11として、一対の右側及び左側バンク12R,12Lを備えるとともに各排気通路19R,19Lにそれぞれ排ガス中の酸素濃度を検出するガスセンサを備えた構成以外のものに適用してもよい。例えば、バンクを3以上備えた構成のエンジンや、バンクが一つであって直列に配置された複数の気筒を2群に分けて各群に排気系を備える構成のエンジンに適用してもよい。
・ エンジン11は、ガソリンエンジンやディーゼルエンジンに限らず、燃料を燃焼させて排気ガスを排出するエンジンであれば適用することができる。
・ 報知手段としての表示灯25は、誤組み付けを検出した際に点灯する構成に限らず、適正組み付けの状態のときに点灯する構成としてもよい。また、誤組み付けを検出した際に点灯する表示灯と適正組み付けの状態のときに点灯する表示灯の両方を設けてもよい。
比較例や実施形態のエンジン及びその周辺の模式図。 正しい組み付けの場合の酸素センサ等の出力状態を示すタイムチャート。 誤組み付けの場合の酸素センサ等の出力状態を示すタイムチャート。 誤組み付け検出手順を示すフローチャート。 第2の比較例の酸素センサ等の出力状態を示すタイムチャート。 誤組み付け検出手順を示すフローチャート。 施形態の酸素センサ等の出力状態を示すタイムチャート。 誤組み付け検出手順を示すフローチャート。
符号の説明
C1,C2,T1,T2…周期、11…エンジン、12L,12R…バンク、19R,19L…排気系を構成する排気通路、20R,20L…排気系を構成するエキゾーストマニホールド、22R,22L…ガスセンサとしての酸素センサ、25…報知手段としての表示灯、30…エンジン制御パラメータ制御手段及び判断手段としてのECU。

Claims (7)

  1. 複数の排気系を備えるとともに、各排気系にそれぞれ排ガス中の酸素濃度を検出するガスセンサが配設されたエンジンを搭載するとともに空燃比フィードバック制御が行われ、かつガスセンサ応答性に対する自己診断を行う機能を有する車両におけるガスセンサの組み付け状態検出装置であって、
    空燃比に影響を与えるエンジン制御パラメータを異なる排気系に対応する気筒群で異なる値に制御するエンジン制御パラメータ制御手段と、
    前記ガスセンサの出力を入力して、ガスセンサの出力が前記エンジン制御パラメータの値に対応する正常な出力か否かに基づいて前記ガスセンサの組み付け状態が適正か否かを判断する判断手段と、
    前記判断手段の判断結果を報知する報知手段と
    を備え、前記エンジン制御パラメータ制御手段は、前記エンジン制御パラメータの制御として、前記ガスセンサ応答性に対する自己診断実行時に、前記異なる排気系に対応する気筒群に対し、空燃比ディザ制御を同時に、かつそれぞれ異なる周期で行い、前記判断手段は、各ガスセンサの出力周期を入力して、それら出力周期と、前記ディザ制御の異なる周期に対応して決まる各設定範囲との関係を判定することにより、前記ガスセンサの組み付け状態が適正か否かを判断することを特徴とするガスセンサの組み付け状態検出装置。
  2. 前記判断手段によって前記ガスセンサの組み付け状態が適正であると判断されるとき、前記ガスセンサ応答性の判定を行う請求項1に記載のガスセンサの組み付け状態検出装置。
  3. 前記エンジンは2つのバンクを備えるとともに前記排気系は各バンクに対応して設けられ、前記エンジン制御パラメータ制御手段は、前記ガスセンサ応答性に対する自己診断実行時に、前記2つのバンクで空燃比ディザ制御を同時に、かつ異なる周期で行い、前記判断手段は、前記2つのバンクに対応して設けられた各ガスセンサの出力周期を入力して、それら出力周期の双方が、それぞれ対応するバンクで行われた前記ディザ制御の周期によって決まる設定範囲内にある場合に、前記ガスセンサの組み付け状態が適正であると判断する請求項1または2に記載のガスセンサの組み付け状態検出装置。
  4. 前記判断手段は、前記2つのバンクに対応して設けられた各ガスセンサの出力周期のうち、少なくとも一方が対応するバンクで行われた前記ディザ制御の周期によって決まる設定範囲内になく、かつ双方がそれぞれ他方のバンクで行われた前記ディザ制御の周期によって決まる設定範囲内にある場合に、前記ガスセンサの組み付け状態が適正でないと判断する請求項3に記載のガスセンサの組み付け状態検出装置。
  5. 数の排気系を備えるとともに、各排気系にそれぞれ排ガス中の酸素濃度を検出するガスセンサが配設されたエンジンを搭載するとともに空燃比フィードバック制御が行われ、かつガスセンサ応答性に対する自己診断を行う機能を有する車両におけるガスセンサの組み付け状態検出方法であって、
    組み付け状態判定期間中に、異なる排気系に対応する気筒群に対し、空燃比ディザ制御を同時に、かつそれぞれ異なる周期で行い、その状態でそれぞれの排気系に備えられたガスセンサの出力周期をモニタして、それら出力周期と、前記ディザ制御の異なる周期に対応して決まる各設定範囲との関係を判定し、この判定結果に基づき、前記ガスセンサの組み付け状態が適正か否かを判断することを特徴とするガスセンサの組み付け状態検出方法。
  6. 前記ガスセンサの組み付け状態が適正であると判断された後に、前記ガスセンサ応答性の判定を行う請求項5に記載のガスセンサの組み付け状態検出方法。
  7. 前記ガスセンサの出力周期とともに応答時間を併せてモニタし、前記出力周期を前記ガスセンサの組み付け状態の診断に用いるとともに前記応答時間を前記ガスセンサ応答性に対する自己診断としてセンサ自身が正常に機能するか否かを判定するために用いる請求項5または6に記載のガスセンサの組み付け状態検出方法。
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