JP4609426B2 - 運転支援装置 - Google Patents

Description

本発明は、概して、車両運転者に所定地点通過時刻が基準時刻と比べて早いか遅いかを通知する運転支援装置に係り、特に、ユーザ利便性を向上させた運転支援装置に関する。

従来、車両運転者に所定地点通過時刻が基準時刻と比べて早いか遅いかを通知する装置／システムが知られている（例えば、特許文献１及び２参照）。

特許文献１には、路線バスの位置を検出して停留所を通過したか否かを判断し、実際の通過時刻と当該停留所の発着予定時刻とを比較して、進み時間／遅れ時間をバス運転手に提示する装置が開示されている。

特許文献２には、ユーザにより設定された目的地及び目的地希望到着時刻と、車両現在位置と、現在の車速とから、所定の位置における、希望到着時刻に間に合うための通過時刻を算出し、これを実際の通過時刻と比較して、遅れている場合には運転者に加速を促すシステムが開示されている。
特開２００４−２５２５６８号公報 特開２００４−２８７８５６号公報

上記特許文献１記載の従来装置は、決まった経路を決まった運行スケジュールで走行する路線バス用のものであり、走行経路や移動スケジュールが固定的でない一般の乗用車には適用できない。

また、上記特許文献２記載の従来システムは、ユーザにより目的地及び目的地希望到着時刻が入力・設定されることが前提とされている。例えば通勤経路などの常用経路走行時には、ユーザは必ずしも目的地を設定するとは限らない。上記特許文献２記載の従来システムの機能を有効とするには、ユーザは、たとえ常用経路であっても、その都度、目的地及び目的地希望到着時刻を入力・設定しなければならず、手間が掛かる。

本発明はこのような課題を解決するためのものであり、ユーザ利便性を向上させた運転支援装置を提供することを主たる目的とする。

上記目的を達成するための本発明の一態様は、車両運転者に所定地点通過時刻が基準時刻と比べて早いか遅いかを通知する運転支援装置であって、
自車両位置を検出し、検出された位置とその位置の通過時刻とを関連付けて移動履歴として記憶すると共に、自車両が前記移動履歴から抽出された常用経路を走行していると判断されたときには、自車両が当該常用経路上の所定の地点を通過したときにそのときの通過時刻が過去の通過時刻と比較して早いか遅いかを自車両運転者に通知し、
前記所定の地点から前記常用経路における目的地までの間の渋滞情報を取得し、自車両が前記所定の地点を通過したときに併せて自車両運転者に通知し、
自車両が所定期間内に所定回数以上走行した経路を前記常用経路と判断し、
自車両が所定期間内の同じ曜日の所定時間帯内に所定回数以上走行した経路を当該曜日に関する前記常用経路と判断する、ことを特徴とする運転支援装置である。

上記一態様において、常用経路とは、自車両の過去の前記移動履歴から、ユーザが所定以上の頻度で通っていると判断されて抽出された経路であり、例えば、自車両が所定期間内に所定回数以上走行した経路を上記常用経路と判断してもよく、或いは、曜日も考慮して、自車両が所定期間内の同じ曜日の所定時間帯内に所定回数以上走行した経路を当該曜日に関する上記常用経路と判断してもよい。

また、上記一態様においては、例えば、自車両が常用経路上の二点以上を通過したとき、或いは、常用経路上の一点を過去の通過時刻の前後所定の時間範囲内の時刻に通過したとき、或いは、常用経路上の一点を過去の通過曜日と同じ曜日に過去の通過時刻の前後所定の時間範囲内の時刻に通過したときに、自車両が常用経路を走行していると判断する。

上記一態様によれば、車両がどの時刻にどの地点を通過したかという移動履歴を記憶しておくことによって、ユーザが目的地や目的地希望到着時刻などの情報を入力・設定しなくても、それ以前に所定以上の頻度で通ったことのある経路であれば、所定の地点において、過去の通過時刻に対して早いか遅いかが運転者に自動的に通知されるため、ユーザ利便性が向上する。

なお、上記一態様においては、上記所定の地点から上記常用経路における目的地までの間の渋滞情報を取得し、自車両が上記所定の地点を通過したときに併せて自車両運転者に通知する、ことが好ましい。

本発明によれば、ユーザ利便性を向上させた運転支援装置を提供することができる。

以下、本発明を実施するための最良の形態について、添付図面を参照しながら実施例を挙げて説明する。

以下、図１及び図２を参照して、本発明の一実施例に係る運転支援装置について説明する。

図１は、本実施例に係る運転支援装置１００の概略構成図である。

運転支援装置１００は、無線通信を利用して図示しない車外の通信局（センタ）から渋滞情報を取得する通信部１０１を有する。通信部１０１が備えるアンテナの性能や形状並びに通信に利用する方式や周波数帯域などについては、特段の制限はなく、任意でよい。具体的には、例えば、既存の携帯電話や無線ＬＡＮ（Ｗｉｒｅｌｅｓｓ Ｌｏｃａｌ Ａｒｅａ Ｎｅｔｗｏｒｋ）などの通信規格に準拠した無線通信方式を採用することが考えられる。また、通信部１０１と図示しない渋滞情報提供通信局との間の通信接続は、直接的な接続に限られず、車車間通信、路車間通信、及び／又は衛星通信を経由した間接的な通信接続であってもよい。

運転支援装置１００は、更に、例えばＧＰＳ（Ｇｌｏｂａｌ Ｐｏｓｉｔｉｏｎｉｎｇ Ｓｙｓｔｅｍ；全地球測位システム）を利用して自車両の位置を検出する自車両位置検出部１０２を有する。自車両位置検出部１０２の検出精度（分解能）は高い（細かい）ほど好ましく、例えばＲＴＫ（Ｒｅａｌ Ｔｉｍｅ Ｋｉｎｅｍａｔｉｃ）−ＧＰＳなどの高精度ＧＰＳが利用されることが好ましい。

運転支援装置１００は、更に、自車両の移動履歴を記憶保持する記憶部１０３を有する。本実施例において、移動履歴とは、例えば、車両の位置座標、曜日、及び、時刻である。なお、記憶部１０３は、任意の種類・規格の記憶媒体でよい。

運転支援装置１００は、更に、後に詳述するように、所定の地点において、過去の通過時刻と比較して早いか遅いかを運転者に伝達する音声メッセージを出力すると共に、通信部１０１を通じて取得された渋滞情報を運転者に伝達する音声メッセージを出力する音声出力部１０４を有する。本実施例において、音声出力部１０４は、車室内に設けられた任意数のスピーカを含む。他の車載システム（例えば、オーディオビジュアルシステムなど）のスピーカと兼用であってもよい。

また、音声出力部１０４から出力される上記音声メッセージは、もっぱら運転者のみへ伝達されるような形で出力されてもよく、或いは、運転者に加えて運転者以外の乗員（助手席同乗者や後部座席同乗者など）へも伝達されるような形で出力されてもよい。

運転支援装置１００は、更に、運転支援装置１００の各構成要素の動作を統括的に制御すると共に、経路算出などの各種演算を行う演算・制御部１０５を有する。演算・制御部１０５は、例えば、ＥＣＵ（Ｅｌｅｃｔｒｏｎｉｃ Ｃｏｎｔｒｏｌ Ｕｎｉｔ；電子制御装置）である。

このような構成の運転支援装置１００において、演算・制御部１０５は、自車両走行中、自車両位置検出部１０２によって検出された自車両現在位置の位置座標を、その日の曜日及び当該位置座標通過時刻と関連付けて、移動履歴として記憶部１０３に常時記録していく。

一方で、演算・制御部１０５は、自車両走行中、所定の地点において、自車両位置検出部１０２によって検出された自車両現在位置を記憶部１０３に記憶保持された過去の移動履歴に照らして、今回の当該地点の通過時刻が過去の通過時刻と比べて早いか遅いかを判断し、運転者に通知する。

以下、この通知処理の流れについて、図２のフローチャートを用いて説明する。

まず、演算・制御部１０５は、自車両が走行中であるか否かを判定する（Ｓ２０１）。この判定は、例えば、車速の時間変化や自車両位置検出部１０２によって検出された自車両位置の時間変化などから判定される。

自車両が走行中の場合（Ｓ２０１の「ＹＥＳ」）、次いで、演算・制御部１０５は、自車両が過去の移動履歴から当該ユーザにとって常用と言える経路を走行中であるか否かを判定する（Ｓ２０２）。

ここで、常用経路とは、自車両の過去の移動履歴から、ユーザが所定以上の頻度で通っていると判断された経路であり、例えば、自車両が所定期間内の同じ曜日の所定時間帯内に所定回数以上走行した経路である。

また、ここでは、例えば、自車両が常用経路上の二点以上を通過したとき、或いは、常用経路上の一点を過去の通過時刻の前後所定の時間範囲内の時刻に通過したとき、或いは、常用経路上の一点を過去の通過曜日と同じ曜日に過去の通過時刻の前後所定の時間範囲内の時刻に通過したときに、自車両が常用経路を走行していると判断するものとする。

自車両が常用経路を走行していると判断された場合（Ｓ２０２の「ＹＥＳ」）、次いで、演算・制御部１０５は、自車両が当該常用経路上の所定のガイダンス地点に到達したか否かを判定する（Ｓ２０３）。

ここで、常用経路上の所定のガイダンス地点とは、常用経路上に任意数設定された任意の地点であり、例えば、「常用経路の始点と終点の中間地点（１ヵ所）」、「常用経路の始点と終点の間の１／４地点、中間地点、及び、３／４地点（３ヵ所）」、或いは、「常用経路の始点から所定距離（例えば５キロメートル）ごとの地点」などのように設定される。

このガイダンス地点は、ユーザが任意の地点又は任意の距離間隔に設定できるものとしてもよい。また、ガイダンス地点がちょうど交差点などの運転に集中すべき場所に相当する場合には、当初の予定地点から前後にずらして設定されるものとしてもよい。

自車両が常用経路上の所定のガイダンス地点に到達したと判定された場合（Ｓ２０３の「ＹＥＳ」）、演算・制御部１０５は、当該ガイダンス地点を自車両が通過した時刻を、記憶部１０３に記憶保持された過去に当該地点を通過したときの時刻と比較して、早いか遅いかを判断すると共に、通信部１０１を通じて当該常用経路において当該ガイダンス地点よりも先の渋滞情報を取得し、この過去の通過時刻より早いか遅いかの情報と、当該ガイダンス地点より先の渋滞情報とを含む音声メッセージを生成し、音声出力部１０４を通じて出力させる（Ｓ２０４）。

ここで、音声メッセージの内容は、例えば、「○○地点をいつもより早く通過しました。この先、渋滞が発生しています。」、或いは、「××地点をいつもより遅く通過しました。この先、渋滞は発生していません。」といった内容である。

本実施例では、記憶部１０３に記憶保持された移動履歴のうち、常用経路と判断された経路を抽出することによって、曜日や時間帯に応じてユーザの目的地を自動的に、すなわちユーザ操作によらずに、予測することができるため、位置座標、曜日、時間帯、及び、目的地に応じて、過去の通過時刻より早いか遅いかを判断することができる。

ある自車両位置が複数の常用経路に属する場合、まず、曜日が一致するものを優先し、曜日も同一であれば、次は、時間帯が近いものを優先する。

このように、本実施例によれば、ユーザが目的地や目的地希望到着時刻を入力・設定しなくても、ユーザが日頃頻繁に走行している経路であれば、過去の移動履歴と比べて、所定の地点における通過時刻が早いか遅いかが運転者に通知されるため、ユーザ利便性が向上する。

また、通過時刻だけでなく、ガイダンス地点から先の渋滞情報も併せて運転者に通知されるため、運転者は、目的地に予定通り到着できそうか、可能な範囲で急いだ方が良いか、といった判断を適切に行うことができる。

なお、上記一実施例における常用経路の抽出及び常用経路の判定条件は、通過時刻の早い／遅いの判定を常用経路上に限定することによって、目的地推定の精度を向上させるためであり、本発明はこのような実施形態に限定されるものではない。

例えば、過去に一度しか通過したことがない地点であっても、曜日や時間帯などが一致すれば、その過去に一度だけ通過したときの時刻と今回の通過時刻とを比較してその前後関係を運転者に通知することも当然可能である。

また、上記一実施例では、音声メッセージにより運転者にガイダンス地点通過時刻の早い／遅い及びその先の渋滞情報が音声メッセージとして運転者に提供されるものとしたが、当業者には明らかなように、本発明はこのような実施形態に限定されることはなく、例えば、音声メッセージに代えて又は加えて、図示しないディスプレイ画面上に視覚的情報（文字情報）として提示されてもよい。

本発明は、車両運転者に所定地点通過時刻が基準時刻と比べて早いか遅いかを通知する運転支援装置に利用できる。搭載される車両の動力源種類、燃料種類、外観デザイン、重量、サイズ、走行性能等はいずれも不問である。

本発明の一実施例に係る運転支援装置の概略構成図である。 本発明の一実施例に係る運転支援装置による通知処理の流れを示すフローチャートである。

符号の説明

１００ 運転支援装置
１０１ 通信部
１０２ 自車両位置検出部
１０３ 記憶部
１０４ 音声出力部
１０５ 演算・制御部

Claims (1)

1. 車両運転者に所定地点通過時刻が基準時刻と比べて早いか遅いかを通知する運転支援装置であって、
   自車両位置を検出し、検出された位置とその位置の通過時刻とを関連付けて移動履歴として記憶すると共に、自車両が前記移動履歴から抽出された常用経路を走行していると判断されたときには、自車両が当該常用経路上の所定の地点を通過したときにそのときの通過時刻が過去の通過時刻と比較して早いか遅いかを自車両運転者に通知し、
   前記所定の地点から前記常用経路における目的地までの間の渋滞情報を取得し、自車両が前記所定の地点を通過したときに併せて自車両運転者に通知し、
   自車両が所定期間内に所定回数以上走行した経路を前記常用経路と判断し、
   自車両が所定期間内の同じ曜日の所定時間帯内に所定回数以上走行した経路を当該曜日に関する前記常用経路と判断する、ことを特徴とする運転支援装置。

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