Nothing Special   »   [go: up one dir, main page]

JP4672381B2 - セラミックコンデンサ外部電極用導電性ペーストおよびセラミックコンデンサ - Google Patents

セラミックコンデンサ外部電極用導電性ペーストおよびセラミックコンデンサ Download PDF

Info

Publication number
JP4672381B2
JP4672381B2 JP2005016802A JP2005016802A JP4672381B2 JP 4672381 B2 JP4672381 B2 JP 4672381B2 JP 2005016802 A JP2005016802 A JP 2005016802A JP 2005016802 A JP2005016802 A JP 2005016802A JP 4672381 B2 JP4672381 B2 JP 4672381B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
ceramic capacitor
conductive paste
ceramic
component
weight
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2005016802A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2006210399A (ja
Inventor
美和 入江
智行 岡田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kyocera Chemical Corp
Original Assignee
Kyocera Chemical Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kyocera Chemical Corp filed Critical Kyocera Chemical Corp
Priority to JP2005016802A priority Critical patent/JP4672381B2/ja
Publication of JP2006210399A publication Critical patent/JP2006210399A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4672381B2 publication Critical patent/JP4672381B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Ceramic Capacitors (AREA)
  • Conductive Materials (AREA)

Description

本発明は、セラミックコンデンサの外部導体を形成するのに適したセラミックコンデンサ外部電極用導電性ペーストおよびそれを用いたセラミックコンデンサに関する。
セラミック電子部品、例えば積層セラミックコンデンサは、セラミック素体である積層セラミックコンデンサ本体の表面に外部導体である外部電極が形成されている。このような外部電極は、例えば以下のようにして形成されている。まず、金属粉末、ガラス粉末、有機バインダおよび有機溶剤を混合して導電性ペーストを調製し、この導電性ペーストを積層セラミックコンデンサ本体の表面にディッピング法により塗布し、脱バインダ処理を行った後、炉中で焼成し焼き付ける。一般的には、この焼き付けの後、Niメッキを施し、さらにSnメッキもしくはSn−Pb合金メッキを施すことによって外部電極が形成されている(例えば、特許文献1参照。)。
導電性ペーストの調製に用いられる金属粉末としては、例えばNi、Cu、Agなどの金属粉末が用いられている。また、有機バインダとしては、例えばエチルセルロース、ニトロセルロース等のセルロース系樹脂や、メチルメタクリレート、ブチルメタクリレート等のアクリル系樹脂が用いられている。さらに、有機溶剤としては単一系で、例えばブチルセルソルブ(bp170℃)、メチルカルビトール(bp194℃)、エチルカルビトール(bp202℃)、ブチルカルビトール(bp230℃)、ベンジルアルコール(bp205℃)、ターピネオール(bp210℃)等が用いられている。
特開平10−177931号公報
ところで、例えば図7に示すように、積層セラミックコンデンサのようなセラミック電子部品1においては、セラミック素体2の両端部に形成される外部導体3の形状が丸みを帯びず、セラミック素体2の端部表面に沿って平滑であることが求められ、また外部導体3の表面部にくぼみがないことが求められている。
すなわち、セラミック電子部品1の外部導体3が丸みを帯びていると、例えば回路基板上にクリーム半田、セラミック電子部品1を順に配置してリフロー炉に流して実装するような場合、半田が外部導体3の表面を十分に這い上がらない、いわゆる半田濡れ不良が発生しやすくなり、あるいは、両端部の外部導体3の一方が回路基板から離れてしまう、いわゆるツームストーン現象が発生しやすくなる。また、セラミック電子部品1の外部導体3の表面部にくぼみがあると、上述したような実装を行った場合に、くぼみ部分で半田の這い上がりが止まってしまうため半田濡れ不良が発生する。
このような外部導体3におけるくぼみは、導電性ペーストの塗布、乾燥工程において発生し、導電性ペーストの有機溶剤として単一の有機溶剤を用いた場合に起こりやすい。このため、有機溶剤を2種以上用いて導電性ペーストとすることも考えられるが、単に2種以上の有機溶剤を混合しただけでは表面部のくぼみの発生を抑制できても、全体の形状が平坦な形状とならず、丸みを帯びたいわゆる船底型の形状となってしまう。
本発明は上述したような課題を解決するためになされたものであって、セラミックコンデンサとなるセラミック素体上に形成される外部導体の形成に用いられるセラミックコンデンサ外部電極用導電性ペーストに係り、外部導体の形状を容易に制御することができ、かつ表面部にくぼみを発生させにくいセラミックコンデンサ外部電極用導電性ペーストおよびそれを用いたセラミックコンデンサを提供することを目的としている。
本発明のセラミックコンデンサ外部電極用導電性ペーストは、粉末、ガラス粉末、有機バインダおよび有機溶剤を含んでなるセラミックコンデンサ外部電極用導電性ペーストであって、前記有機溶剤が、(A)下記化学式(1)および下記化学式(2)で示されるモノアセテート体のうちの少なくとも一方、ならびに、下記化学式(3)で示されるジアセテート体を含む環式テルペン系化合物溶剤と、(B)下記化学式(4)で示される環式テルペン系化合物溶剤とを含む混合溶剤であることを特徴とするものである。
Figure 0004672381
Figure 0004672381
Figure 0004672381
Figure 0004672381
本発明のセラミックコンデンサ外部電極用導電性ペーストに用いられる前記(A)成分の環式テルペン系化合物溶剤は、前記化学式(3)で示されるジアセテート体を70重量%以上、90重量%未満含むものであることが好ましい。また、前記(A)成分の環式テルペン系化合物溶剤および前記(B)成分の環式テルペン系化合物溶剤を含む有機溶剤は、前記(A)成分の環式テルペン系化合物溶剤を10重量%以上、20重量%以下含むものであることが好ましい。
本発明のセラミックコンデンサは、セラミック素体の表面に外部導体が形成されてなるセラミックコンデンサであって、上述したようなセラミックコンデンサ外部電極用導電性ペーストを前記セラミック素体の表面に付与し、焼き付けることにより形成されたものであることを特徴とするものである。
本発明によれば、セラミックコンデンサ外部電極用導電性ペーストにおける有機溶剤を上述したような(A)成分の環式テルペン系化合物溶剤および(B)成分の環式テルペン系化合物溶剤を含む混合溶剤とすることにより、セラミックコンデンサとなるセラミック素体上に外部導体を形成した場合に、その形状を丸みを帯びない平滑なものとすることができると共に、その表面部におけるくぼみの発生も抑制することができる。また、このようなセラミックコンデンサ外部電極用導電性ペーストを用いてセラミックコンデンサを作製することにより、ツームストーン現象の発生が少なく、実装性に優れたセラミックコンデンサとすることができる。
以下、本発明のセラミック電子部品用導電性ペーストについて説明する。本発明のセラミック電子部品用導電性ペーストは、金属粉末、ガラス粉末、有機バインダおよび有機溶剤を含んでなるセラミック電子部品用導電性ペーストであって、この有機溶剤が、(A)下記化学式(1)および下記化学式(2)で示されるモノアセテート体のうちの少なくとも一方、ならびに、下記化学式(3)で示されるジアセテート体を含む環式テルペン系化合物溶剤と、(B)下記化学式(4)で示される環式テルペン系化合物溶剤とを含む混合溶剤であることを特徴とするものである。なお、下記化学式(1)〜3中、Acはアセチル基(CHCO−)を示す。
Figure 0004672381
Figure 0004672381
Figure 0004672381
Figure 0004672381
本発明に用いられる金属粉末は特に限定されるものではなく、例えば銀、パラジウム、金、白金、ニッケルおよび銅から選ばれる1種の金属元素からなる金属単体、または、前記金属元素群から選ばれる少なくとも1種の金属元素を含む合金からなる粉末が挙げられる。このような金属単体あるいは合金からなる金属粉末は1種のみを用いてもよいし、2種以上を混合して用いてもよい。
また、金属粉末は平均粒径0.1μm以上0.5μm以下の球状粉末および平均粒径0.8μm以上2.0μm以下の球状粉末の2種の平均粒径からなるものであればより好ましい。平均粒径の異なる2種の球状金属粉末を用いることで、金属粉末が高密度で充填され、電気的特性に優れかつ均一な特性を有する外部導体の形成が可能となる。
平均粒径0.1μm以上0.5μm以下の球状粉末および平均粒径0.8μm以上2.0μm以下の球状粉末は、それぞれ粒度分布が個数積算分布における10%粒子径をD10、50%粒子径をD50、90%粒子径をD90としたときに、(D90−D10)/D50≦3を満たすものであればより好ましい。それぞれの球状粉末の粒度分布をこのようなものとすることで、さらに金属粉末が高密度で充填され、電気的特性に優れかつ均一な特性を有する外部導体の形成が可能となる。
上述したように金属粉末を2種の異なる平均粒径からなるものとする場合、金属粉末の合計量100重量%のうち、平均粒径0.8μm以上2.0μm以下の球状粉末を70重量%以上とすることが好ましい。平均粒径0.8μm以上2.0μm以下の球状粉末を70重量%以上とすることで、金属粉末が高密度で充填され、電気的特性に優れかつ均一な特性を有する外部導体の形成が可能となる。
平均粒径0.8μm以上2.0μm以下の球状粉末は金属粉末の合計量の90重量%以下とすることがより好ましい。平均粒径0.8μm以上2.0μm以下の球状粉末が90重量%を超えると、外部導体を形成した場合に金属粉末が十分に充填されず、電気的特性にばらつきが発生するため好ましくない。
セラミック電子部品用導電性ペースト中の金属粉末の含有量は、セラミック電子部品用導電性ペースト全体の60重量%以上90重量%以下とすることが好ましい。60重量%未満であると外部導体にポアや亀裂が発生しやすく、電気的特性も低下するため好ましくない。また、90重量%を超えると相対的にガラス粉末の含有量が減少し、外部導体を形成する際の焼成が困難となるため好ましくない。
本発明に用いられるガラス粉末はセラミック電子部品用導電性ペーストを用いて外部導体を作製する際に焼成を容易にするために加えられるものである。ガラス粉末の平均粒径は5.0μm以下とすることが好ましい。ガラス粉末の平均粒径が5.0μmを超える場合、セラミック電子部品用導電性ペーストにおける分散性が悪くなり、外部導体を形成した場合に電気的特性にばらつきが発生しやすくなるため好ましくない。
ガラス粉末としては、ホウ酸塩ガラス、珪酸塩ガラス、ホウ珪酸塩ガラス等が用いられ、より具体的にはホウ酸ビスマスガラス、ホウ珪酸ビスマスガラス、ホウ珪酸亜鉛ガラス等が用いられる。
セラミック電子部品用導電性ペースト中のガラス粉末の含有量は、セラミック電子部品用導電性ペースト全体に対して5重量%以上15重量%以下とすることが好ましい。5重量%未満であると、セラミック電子部品用導電性ペーストの焼成を容易にする効果が低く、15重量%を超えると、セラミック電子部品用導電性ペーストを焼成して外部導体を形成した場合に、外部導体表面をガラス成分が覆ってしまい、メッキ処理等が困難となるため好ましくない。
本発明に用いられる有機バインダとしては、主として分子量10万〜90万のiso−ブチルメタクリレート樹脂からなるものが好適に用いられる。iso−ブチルメタクリレート樹脂の分子量が10万未満であると、セラミック電子部品用導電性ペーストを焼成して外部導体を形成した際に、外部導体の形状が所定形状となりにくく、分子量が90万を超えるものは製産に時間がかかり、一般的に製品になりにくい。
有機バインダとしては、iso−ブチルメタクリレート樹脂と共に他の樹脂を用いてもよく、この場合、有機バインダの合計量100重量%に対してiso−ブチルメタクリレート樹脂を90重量%以上とすることが好ましい。このような範囲にすることにより、セラミック電子部品用導電性ペーストを焼成して外部導体を形成した際に、外部導体の形状が所定形状となりやすく、また有機バインダを十分に除去することができ、ポアや亀裂の発生を抑制することができる。
iso−ブチルメタクリレート樹脂と共に用いられる他の樹脂としては、例えばiso−ブチルメタクリレート樹脂以外のアクリル樹脂、具体的には、アクリル酸、メタクリル酸およびそれらのエステル類を重合させたものを用いることができる。
アクリル酸エステル類としては、例えばメチルアクリレート、エチルアクリレート、n−ブチルアクリレート、iso−ブチルアクリレート、tert−ブチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、グリシジルアクリレート、メチルグリシジルアクリレートが挙げられ、メタクリル酸エステル類としては例えばメチルメタクリレート、エチルメタクリレート、n−ブチルメタクリレート、tert−ブチルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、グリシジルメタクリレートが挙げられる。
セラミック電子部品用導電性ペースト中の有機バインダの含有量は、セラミック電子部品用導電性ペースト全体100重量%のうち、2重量%以上、15重量%以下であることが好ましい。有機バインダの含有量が2重量%未満であると、ペースト状になりにくく、セラミック素体への付与が困難となり、有機バインダの含有量が15重量%を超えると、セラミック電子部品用導電性ペーストを焼成して外部導体を形成した際に、外部導体の形状が所定形状とならず、また有機バインダが十分に除去されず、ポアや亀裂が発生するため好ましくない。
本発明に用いられる有機溶剤は、上述したように(A)成分の環式テルペン系化合物溶剤と、(B)成分の環式テルペン系化合物溶剤とを含む混合溶剤である。そして、(A)成分の環式テルペン系化合物溶剤は、化学式(1)および化学式(2)で示されるモノアセテート体のうちの少なくとも一方を含み、かつ、化学式(3)で示されるジアセテート体を含むものである。また、(B)成分の環式テルペン系化合物溶剤は、化学式(4)で示される環式テルペン系化合物を含むものである。
本発明では、セラミック電子部品用導電性ペーストの有機溶剤としてこのような(A)成分の環式テルペン系化合物溶剤と(B)成分の環式テルペン系化合物溶剤とを含む混合溶剤を用いることにより、例えばセラミック素体へ付与し、焼成することにより外部導体を形成した場合に、外部導体の形状を丸みを帯びない平滑なものとすることができ、またその表面部におけるくぼみの発生を抑制することができる。
このような混合溶剤である有機溶剤は、(A)成分の環式テルペン系化合物溶剤を10重量%以上、20重量%以下含むものであることが好ましい。(A)成分の環式テルペン系化合物溶剤の含有量が10重量%未満であると、(A)成分の環式テルペン系化合物溶剤の含有量が少なすぎるため混合溶剤とした効果が現れにくく、セラミック電子部品用導電性ペーストを用いてセラミック素体上に外部導体を形成した場合に、外部導体にくぼみが発生するおそれがある。一方、(A)成分の環式テルペン系化合物溶剤の含有量が20重量%を超えると、(A)成分の環式テルペン系化合物溶剤の含有量が多すぎるため、セラミック電子部品用導電性ペーストの粘度が上昇し、セラミック素体上に外部導体を形成した場合に、外部導体の形状が所定の形状とならないおそれがある。
(A)成分の環式テルペン系化合物溶剤は、化学式(3)で示されるジアセテート体を70重量%以上、90重量%未満含むものであることが好ましい。(A)成分の環式テルペン系化合物溶剤における化学式(3)で示されるジアセテート体の含有量が70重量%未満の場合、(A)成分の環式テルペン系化合物溶剤の粘度が低くなり、これを含むセラミック電子部品用導電性ペーストをセラミック素体上に付与、焼成し外部導体を形成した場合に、その形状が所定の形状となりにくくなるおそれがある。一方、含有量が90重量%以上となる場合、(A)成分の環式テルペン系化合物溶剤の粘度が高くなり、やはりセラミック電子部品用導電性ペーストをセラミック素体上に付与、焼成し外部導体を形成した場合に、その形状が所定の形状となりにくくなるおそれがある。
また、(A)成分の環式テルペン系化合物溶剤は、化学式(3)で示されるジアセテート体に加えて化学式(1)または化学式(2)で示されるモノアセテート体を含むものであるが、これら化学式(1)または化学式(2)で示されるモノアセテート体は一方のみが含まれるものであってもよく、また両方が含まれるものであってもよい。さらに、(A)成分の環式テルペン系化合物溶剤には、アセテート体でないものが含まれていてもよく、この場合、(A)成分の環式テルペン系化合物溶剤中、アセテート体でないものの含有量が10重量%以下であることが好ましい。
本発明に用いられる有機溶剤は、上述したような(A)成分の環式テルペン系化合物溶剤および(B)成分の環式テルペン系化合物溶剤のみからなる混合溶剤であることが好ましいが、必要に応じて、かつ、本発明の趣旨に反しない限度において、この種のセラミック電子部品用導電性ペーストに一般的に用いられる他の有機溶剤を添加することもできる。
他の有機溶剤としては、例えばジオキサン、トルエン、エチルセロソルブ、シクロヘキサノン、ブチルセルソルブ、ブチルセルソルブアセテート、ブチルカルビトール、ブチルカルビトールアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジアセトンアルコール等が挙げられる。このような他の有機溶剤を添加する場合、(A)成分の環式テルペン系化合物溶剤および(B)成分の環式テルペン系化合物溶剤、ならびに、他の有機溶剤からなる有機溶剤全体100重量%中、他の有機溶剤が5重量%以下となるようにすることが好ましい。
このような本発明に用いられる有機溶剤は、所望とするセラミック電子部品用導電性ペーストの粘度によっても異なるが、例えばセラミック電子部品用導電性ペースト全体100重量%中、5重量%以上、25重量%以下とすることが好ましい。
本発明のセラミック電子部品用導電性ペーストは、上述したような金属粉末、ガラス粉末、有機バインダを必須成分として添加し、さらに有機溶剤を加えて混合し、ペースト状とすることにより得られる。なお、本発明のセラミック電子部品用導電性ペーストにおいては、必要に応じて、かつ本発明の目的に反しない範囲で他の成分を添加してもよい。
このようなセラミック電子部品用導電性ペーストは、粘度が20〜100Pa・s(E型粘度計、3°コーン、25℃)であることが好ましい。セラミック電子部品用導電性ペーストの粘度をこのような範囲に調整するには、例えば金属粉末、ガラス粉末、有機バインダおよび有機溶剤の添加量を上述したような範囲内で調整することにより行うことができる。
本発明のセラミック電子部品用導電性ペーストは、各種セラミック電子部品においてセラミック素体上に外部導体を形成する際に用いることができる。セラミック電子部品としては例えば積層セラミックコンデンサが挙げられ、セラミック素体である積層セラミックコンデンサ本体へ外部導体である外部電極を形成する際に本発明のセラミック電子部品用導電性ペーストを用いることで、形状が整い、表面部のくぼみの発生が抑制された外部電極を形成することができる。
次に、本発明のセラミック電子部品用導電性ペーストを用いたセラミック電子部品の製造について説明する。以下、セラミック電子部品の一例として積層セラミックコンデンサを例に挙げて説明する。
積層セラミックコンデンサの製造においては、導電性ペーストとして本発明のセラミック電子部品用導電性ペーストを用いる以外は公知の積層セラミックコンデンサの製造方法を適用することができる。
すなわち、まずチタン酸バリウム系等の誘電体セラミック原料粉末をスラリーとし、このスラリーをシート状に成形してセラミックグリーンシートを作製する。セラミックグリーンシートへの内部電極の形成は、公知の内部電極用材料をスクリーン印刷やインクジェット方式等を用いてセラミックグリーンシート上に直接所望のパターンに塗布して行う。
上述のようにして内部電極が形成されたセラミックグリーンシートは例えば30〜500枚程度積層した後、所定の温度、時間で熱処理して積層セラミックコンデンサ本体(焼結体)とする。このようにして得られた積層セラミックコンデンサ本体は、その両端部を研磨し、一方の端部については奇数番目の内部電極だけを露出させ、他端部では偶数番目の内部電極だけを露出させる。
積層セラミックコンデンサ本体のそれぞれの端部における外部電極の形成は、端部にディップ法により本発明のセラミック電子部品用導電性ペーストを付与し、乾燥させた後、例えば700〜900℃で30分〜2時間程度熱処理して焼き付けることにより行うことができる。さらに、外部電極表面には半田付け性を向上させるためのニッケルメッキ、スズメッキ等を必要に応じて施し、積層セラミックコンデンサとすることができる。
(実施例1〜11、比較例1〜5)
有機バインダとして重量平均分子量74万または20万のアクリル樹脂系バインダiBMA(いずれも根上工業製)を用意した。有機バインダを溶解する有機溶剤として、(A)成分の環式テルペン系化合物溶剤、(B)成分の環式テルペン系化合物溶剤、ブチルセロソルブ、ベンジルアルコールを用意した。
なお、(A)成分の環式テルペン系化合物溶剤は、化学式(1)、(2)で示されるモノアセテート体の混合物と化学式(3)で示されるジアセテート体とからなる環式テルペン系化合物溶剤である。(A)成分の環式テルペン系化合物溶剤としては、化学式(3)で示されるジアセテート体の含有量が、90重量%以上のもの(日本テルペン化学社製、TH−DAc−90)、70重量%以上90重量%未満のもの(日本テルペン化学社製、TH−DAc−70)、50重量%以上70重量%未満のもの(日本テルペン化学社製、TH−DAc−50)、50重量%未満のもの(日本テルペン化学社製、TH−DAc−30)、の4種類を用いた。また、(B)成分の化学式(4)で示される環式テルペン系化合物溶剤としてターピネオール(ヤスハラケミカル社製、ターピネオール)を用いた。
そして、実施例1〜11については、表1に示すような割合となるように、(A)成分の環式テルペン系化合物溶剤と(B)成分の環式テルペン系化合物溶剤とを混合して有機溶剤(混合溶剤)を得た後、有機バインダを加えて混合することによりバインダ液を得た。また、比較例1〜5については、表2に示すような割合となるように、(A)成分の環式テルペン系化合物溶剤あるいは(B)成分の環式テルペン系化合物溶剤のいずれか一方のみを含み、または、いずれも含まない有機溶剤を用いてバインダ液を得た。
さらに、表1、表2に示すような割合となるように、実施例および比較例のバインダ液に平均粒径3μmのガラス粉末、平均粒径0.3μm、1.3μm、3.0μmおよびフレーク状の中から選択された2種の銅粉を添加し、3本ロールで分散させ混練し銅ペースト(セラミック電子部品用導電性ペースト)を得た。
次に、セラミックコンデンサ本体として1005型チップを用意し、このセラミックコンデンサ本体の両端部に実施例および比較例の銅ペーストをディップ法によって付着させた後、乾燥工程、焼成工程を行い外部電極を形成してセラミックコンデンサを得た。
このようにして得られたセラミックコンデンサについて、その外部電極の形状、厚さ、くぼみ発生量、半田濡れの評価を行い、これらに基づいて総合評価を行った。なお、各評価は以下のようにして行った。結果を表1、2に示す。
(形状評価)
実施例および比較例のセラミックコンデンサの各50個について、顕微鏡を用いて外部電極の表面部および断面部を観察し、表面部におけるくぼみの発生および断面形状を観察し以下のような4種類の形状に分類し、各実施例および比較例において最も平均的であった形状をその実施例および比較例の形状とした。また、各実施例および比較例の形状評価の合否は、形状が以下の図1に説明されるものを合格とし、それ以外を不合格とした。
4種類の形状は、図1〜図4に示す通りである。図1〜図4は、セラミックコンデンサ1の一端部を示した断面図であり、セラミックコンデンサ本体2に外部電極3が形成された状態を示したものである。図1は外部電極3の最も好ましい形状を示したものであり、外部電極3が丸みを帯びず平滑であり、その表面部にはくぼみの発生がないことを示すものである。図2は、外部電極3が丸みを帯びず平滑であるものの、その表面部にはくぼみ4が発生していることを示すものである。図3は、外部電極3の表面部にくぼみの発生がなかったものの、丸みを帯びてしまったことを示すものである。図4は、外部電極3が丸みを帯び、その表面部にはくぼみ4が発生したことを示すものである。
(厚さ評価)
実施例および比較例のセラミックコンデンサの各50個について、図1〜図4に示すように、セラミックコンデンサ本体2の端部からその表面に形成された外部電極3の表面部までの厚さTを測定し、それらを平均した。なお、厚さTは最大の厚さを測定したものであり、例えば、図3、図4に示されるように、外部電極3が丸みを帯びていたり、くぼみを有していたりする場合、最大の厚さとなる最も突出した部分までの距離を厚さTとした。各実施例および比較例の厚さ評価の合否は、外部電極の平均厚さが40μm以下のものを合格とした。
(くぼみ発生量評価)
実施例および比較例のセラミックコンデンサの各10個について、外部電極の表面部を顕微鏡で観察し、くぼみの発生が認められた試料の数を測定した(p/10)。各実施例および比較例のくぼみ発生量の評価の合否は、くぼみ発生量が0/10であるもの(くぼみの発生した試料が皆無であるもの)を合格とした。
(半田濡れ評価)
実施例および比較例のセラミックコンデンサの各200個について、回路基板上にクリーム半田およびこのセラミックコンデンサを順に載せてリフロー炉に流し実装を行った。図5、図6に示すように、外部電極3の高さを100%としたときに、回路基板5の表面から外部電極3の表面に沿って這い上がった半田6の高さが50%未満であったものを半田濡れ不良とし、半田濡れ不良が発生した割合を半田濡れ不良率とした。各実施例および比較例の半田濡れ評価の合否は、半田濡れ不良率が1%以下であったものを合格とした。
(総合評価)
上記形状、厚さ、くぼみ発生量および半田濡れの評価において、全ての評価で合格となったものを総合評価で合格とし、不合格が1つでもあった場合には総合評価で不合格とした。
Figure 0004672381
Figure 0004672381
表1、2から明らかなように、実施例1〜11の銅ペーストのように、有機溶剤として上述したような(A)成分の環式テルペン系化合物溶剤および(B)成分の環式テルペン系化合物溶剤からなる混合溶剤を用いたものは、いずれも外部電極の形状が平滑となり、かつ、表面部におけるくぼみの発生が抑制されており、半田濡れにも優れていることが認められた。
これに対して、比較例1〜5の銅ペーストのように、有機溶剤として(A)成分の環式テルペン系化合物溶剤あるいは(B)成分の環式テルペン系化合物溶剤の一方しか含まないもの、または、いずれも含まないものは、外部電極の形状が丸みを帯びた船底型となったり、表面部にくぼみが発生したりして、半田濡れにも劣ることが認められた。
セラミックコンデンサの外部電極の形状の一例を示した断面図。 セラミックコンデンサの外部電極の形状の他の例を示した断面図。 セラミックコンデンサの外部電極の形状の他の例を示した断面図。 セラミックコンデンサの外部電極の形状の他の例を示した断面図。 セラミックコンデンサの半田濡れ評価の一例を示した断面図。 セラミックコンデンサの半田濡れ評価の他の例を示した断面図。 セラミックコンデンサの外部電極の好ましい形状を示した断面図。
符号の説明
1…セラミックコンデンサ(セラミック電子部品)、2…セラミックコンデンサ本体(セラミック素体)、3…外部電極(外部導体)、4…くぼみ、5…回路基板、6…半田

Claims (4)

  1. 粉末、ガラス粉末、有機バインダおよび有機溶剤を含んでなるセラミックコンデンサ外部電極用導電性ペーストであって、
    前記有機溶剤が、(A)下記化学式(1)および下記化学式(2)で示されるモノアセテート体のうちの少なくとも一方、ならびに、下記化学式(3)で示されるジアセテート体を含む環式テルペン系化合物溶剤と、(B)下記化学式(4)で示される環式テルペン系化合物溶剤とを含む混合溶剤であることを特徴とするセラミックコンデンサ外部電極用導電性ペースト。
    Figure 0004672381
    Figure 0004672381
    Figure 0004672381
    Figure 0004672381
  2. 前記(A)成分の環式テルペン系化合物溶剤は、前記化学式(3)で示されるジアセテート体を70重量%以上、90重量%未満含むものであることを特徴とする請求項1記載のセラミックコンデンサ外部電極用導電性ペースト。
  3. 前記有機溶剤は、前記(A)成分の環式テルペン系化合物溶剤を10重量%以上、20重量%以下含むことを特徴とする請求項1または2記載のセラミックコンデンサ外部電極用導電性ペースト。
  4. セラミック素体の表面に外部導体が形成されてなるセラミックコンデンサであって、
    前記外部導体は請求項1乃至3のいずれか1項記載のセラミックコンデンサ外部電極用導電性ペーストを前記セラミック素体の表面に付与し、焼き付けることにより形成されたものであることを特徴とするセラミックコンデンサ
JP2005016802A 2005-01-25 2005-01-25 セラミックコンデンサ外部電極用導電性ペーストおよびセラミックコンデンサ Expired - Fee Related JP4672381B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005016802A JP4672381B2 (ja) 2005-01-25 2005-01-25 セラミックコンデンサ外部電極用導電性ペーストおよびセラミックコンデンサ

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005016802A JP4672381B2 (ja) 2005-01-25 2005-01-25 セラミックコンデンサ外部電極用導電性ペーストおよびセラミックコンデンサ

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2006210399A JP2006210399A (ja) 2006-08-10
JP4672381B2 true JP4672381B2 (ja) 2011-04-20

Family

ID=36966944

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2005016802A Expired - Fee Related JP4672381B2 (ja) 2005-01-25 2005-01-25 セラミックコンデンサ外部電極用導電性ペーストおよびセラミックコンデンサ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4672381B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20160049244A (ko) * 2014-10-27 2016-05-09 삼성전기주식회사 외부전극용 페이스트
JP2020088353A (ja) 2018-11-30 2020-06-04 昭栄化学工業株式会社 積層セラミック電子部品の端子電極用導電性ペースト

Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH09328570A (ja) * 1996-06-11 1997-12-22 Nippon Terupen Kagaku Kk ビヒクル及びその用途
JP2001160327A (ja) * 1999-09-24 2001-06-12 Dmc 2 Degussa Metals Catalysts Cerdec Ag 導電性被膜の製造法および該被膜を備えた支持体

Patent Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH09328570A (ja) * 1996-06-11 1997-12-22 Nippon Terupen Kagaku Kk ビヒクル及びその用途
JP2001160327A (ja) * 1999-09-24 2001-06-12 Dmc 2 Degussa Metals Catalysts Cerdec Ag 導電性被膜の製造法および該被膜を備えた支持体

Also Published As

Publication number Publication date
JP2006210399A (ja) 2006-08-10

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3734731B2 (ja) セラミック電子部品及びその製造方法
CN104737252B (zh) 层叠陶瓷电子部件及其制造方法
WO2018025627A1 (ja) 導電性ペースト
KR20040068494A (ko) 다층 세라믹 축전기용 말단 전극 조성물
JP2012022841A (ja) 導電性ペースト
JP2007208112A (ja) 積層セラミックコンデンサの製造方法および積層セラミックコンデンサ
US7285232B2 (en) Conductive paste and ceramic electronic component
JP6968524B2 (ja) 厚膜導電ペーストおよびセラミック多層積層電子部品の製造方法
JP2005085495A (ja) 導電性ペースト及びセラミック電子部品
JP3297531B2 (ja) 導電性ペースト
JP2011129884A (ja) セラミック電子部品の製造方法、及びセラミック電子部品
JP2004228094A (ja) 多層セラミックキャパシタ用端子電極組成物
JP6737506B2 (ja) 導電性ペースト、チップ電子部品及びその製造方法
WO2020040138A1 (ja) 導電性ペースト
JP2009146890A (ja) 低温焼付け可能な銅導電性ペースト。
JP2006196421A (ja) 被覆導体粉末および導体ペースト
JP4672381B2 (ja) セラミックコンデンサ外部電極用導電性ペーストおよびセラミックコンデンサ
JP2006073836A (ja) セラミック電子部品用導電性ペーストおよびセラミック電子部品
JP2005216987A (ja) セラミック電子部品用導電性ペーストおよびセラミック電子部品
JP2009146732A (ja) セラミック電子部品用導電性ペーストおよびセラミック電子部品
JP4333594B2 (ja) 導電性ペースト及びセラミック電子部品
JP3493665B2 (ja) 導電性ペースト
JPH0897527A (ja) 導電性ペースト
JPS59215367A (ja) 導電性ペ−スト組成物
JP2006190491A (ja) セラミック電子部品用導電性ペーストおよびセラミック電子部品

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20080111

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20100528

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20100608

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20100809

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20110118

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20110119

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140128

Year of fee payment: 3

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees