JP4664112B2 - 電動ハンマ - Google Patents
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Description
しかしながら、特許文献1に開示された制振技術においても、さらに改良すべき点を有する。
請求項1に記載の発明によれば、被加工材に対してハンマ作業を行うハンマビットと、駆動モータと、駆動モータにより駆動されてハンマビットに打撃力を加える打撃子と、ハンマ作業時に発生する振動の制振を行う制振機構と、を有する電動ハンマが構成される。本発明における「制振機構」としては、ハンマ作業時に発生する振動に対抗して直線運動することで当該振動の制振を行う動吸振器やカウンタウェイトがこれに該当する。
また本発明における「駆動量」とは、制振機構のウェイトを駆動して所定の振動を発生させるため、当該制振機構のウェイトに加えられる。例えば、制振機構への駆動量が振動の場合であれば、振幅、振動数あるいは位相によって決められる。
本発明では、制振機構の駆動量を、制振要請の高い負荷駆動時と制振要請がそれ程高くない無負荷駆動時とに応じて変化させる、すなわち、負荷駆動時には制振機構が当該負荷駆動時に生ずる振動に対応する振動を発生し、また無負荷駆動時には制振機構が当該無負荷時に生ずる振動に対応した振動を発生するように、当該制振機構に与える駆動量を変化させるようにしたものである。これによって負荷駆動時と無負荷駆動時とのそれぞれにおいて好適な制振効果を得ることができる。なお、制振機構が、例えば動吸振器によって構成される場合であれば、当該動吸振器の固有振動数は、打撃子によるハンマビットの最大打撃数付近となるように設定される。この場合には、負荷駆動時において、動吸振器のウェイトを駆動する際の駆動量の1つの要素である振動数が上記固有振動数と概ね同一となるように設定することが好ましい。
請求項2に記載の発明によれば、駆動モータの回転出力を直線運動に変換して打撃子に伝達する運動変換機構を収容するとともに、当該運動変換機構の駆動に伴う容積の増減によって圧力が周期的に変動する運動変換機構室を有する。また制振機構は、本体部と、当該本体部内に直線運動可能に収容されたウェイトと、当該ウェイトを本体部に連接する弾性要素とを有する動吸振器として構成される。動吸振器は、運動変換機構室から本体部内に導入される圧力によってウェイトが直線移動される構成とされる。そして第1のモードでは、駆動モータを所定の回転数で回転することによって動吸振器に所定の駆動量を与え、第2のモードでは、駆動モータの回転数を第1のモード時の回転数よりも遅い回転数で回転することによって動吸振器に第1のモード時とは異なる駆動量を与える構成とした。ここで「所定の駆動量」とは、動吸振器が負荷駆動時の振動に対応した振動を発生するようにウェイトを直線移動させるべく動吸振器に加える駆動量であり、また「第1のモード時とは異なる駆動量」とは、動吸振器が無負荷駆動時の振動に対応した振動を発生するようにウェイトを直線移動させるべく動吸振器に加える駆動量である。
請求項3に記載の発明によれば、制振機構は、駆動モータにより駆動されてハンマビット長軸方向の直線運動を行うカウンタウェイトして構成される。そして第1のモードでは、駆動モータを所定の回転数で回転することによってカウンタウェイトを駆動し、第2のモードでは、駆動モータを負荷駆動時の回転数よりも低い回転数で回転することによってカウンタウェイトを駆動する構成とした。
本発明によれば、カウンタウェイトを制振機構として備える電動ハンマにおいて、負荷駆動時および無負荷駆動時のそれぞれに対応してカウンタウェイトのストローク量を変化させ、これによって負荷駆動時と無負荷駆動時とのそれぞれに対応した好適な制振効果を得ることができる。
以下、本発明の実施の形態である電動ハンマ(以下、ハンマという)につき、図面を参照しつつ詳細に説明する。本実施の形態に係るハンマ101の全体構成が図1に示される。図2および図3はハンマ301の主要部を示す平断面図である。また図4はハンマ駆動時における動吸振器による制振効果を説明する図である。本実施の形態に係るハンマ301は、概括的に見て、モータハウジング305、ギアハウジング307およびハンドグリップ311を有するハンマ本体部303によってその外郭が形成される。そしてハンマ本体部303の先端側(図中左側端部領域)には、ハンマビット取付けチャック309を介してハンマビット313が取付けられている。
このとき、ウェイト375が筒体373内を直線運動する際に、第2作動室381に形成された第2連通部385を通じて外部の空気が当該第2作動室381内に導入あるいは排出される構成としてあるため、ウェイト375の移動に伴い、第2作動室381内の空間が外部との空気の流通を絶たれた状態での膨張(断熱膨張)あるいは圧縮(断熱圧縮)が効果的に防止される。
次に本発明の第2の実施形態につき図5を参照しつつ説明する。第2の実施形態においては、動吸振器211は、ウェイト215を積極的に駆動することで強制的に振動を発生させる加振手段としてのソレノイド223を有する。この点を除いた電動ハンマ301の全体構成については、前述した第1の実施形態と同様である。動吸振器211は、ハンマ本体部303に隣接状に配置された本体部としての筒体213と、当該筒体213内に配置された鉄製(磁性材料製)のウェイト215と、ウェイト215の左右に配置された付勢バネ217とを主体として構成される。付勢バネ217は、本発明における「弾性要素」に対応する。付勢バネ217は、ウェイト215が筒体213の長軸方向(ハンマビット313の長軸方向)に移動する際にウェイト215に対向状の弾発力を付与する。また筒体213内のウェイト215の左右両側部には、それぞれ第1作動室219および第2作動室221が形成される。
次に、本発明の第3の実施形態につき、図6〜図14を参照しつつ詳細に説明する。本実施の形態に係るハンマ101の全体構成が図6に示される。本実施の形態に係るハンマ101は、概括的に見て、モータハウジング105、ギアハウジング107およびハンドグリップ111を有するハンマ本体部103によってその外郭が形成される。そしてハンマ本体部103の先端側(図中左側端部領域)には、ハンマビット取付けチャック109を介してハンマビット113が取付けられている。
また上述した各実施の形態では、駆動モータ321,121の負荷電流の変化を見て負荷駆動状態と無負荷駆動状態とを検出する構成としたが、負荷状態の検出手段いついては、これに限るものではなく、例えば適宜センサを用いて検出する方式に変更してもよい。
また第1の実施形態では、動吸振器371のウェイト375を積極的に駆動させることによって当該動吸振器371を強制加振する手段として、クランク室367内の圧力を利用したが、これに変え、ウェイト375を積極的に駆動させることによって当該動吸振器371を強制加振する手段として、クランク機構等のような駆動モータ321の回転出力を直線運動に変換する駆動機構を用いてウェイト375を駆動する構成としてもよい。そして、負荷駆動時には、駆動モータ321を所定の回転数で回転することによって動吸振器371に所定の駆動量を与え、無負荷時には、駆動モータ321の回転数を負荷駆動時の回転数よりも遅い回転数で回転することによって動吸振器371に負荷駆動時とは異なる駆動量を与える構成とされる。
103 ハンマ本体部
105 モータハウジング
107 ギアハウジング
108 ハウジングキャップ
109 ハンマビット取付チャック
111 ハンドグリップ
113 ハンマビット
121 駆動モータ
123 出力軸
125 出力軸ギア部
131 クランク機構
133 エアシリンダ機構
134 ストライカ(打撃子)
135 打撃力伝達機構
136 インパクトボルト
137 ツールホルダ
141 変速ギア
143 ギアシャフト
145 ギアシャフト支持ベアリング
147 クランクピン
147a 先端ピン部
159 クランクアーム
161 連接ピン
163 ピストン(駆動子)
165 シリンダ
165a 空気バネ室
171 カウンタウェイト(制振機構)
171a 長孔
171b ガイド孔
172 ガイドピン
173 カウンタウェイト駆動機構
175 外歯付インターナルギア
175a 内歯
175b 外歯
177 アイドルギア
177a 軸部
179 遊星歯車
179a 軸部
181 キャリア
181a 係合凹部
182 キャリア支持ベアリング
183 カウンタウェイト駆動ピン
185 運動量可変機構
187 中間ギア
189 運動量可変ギア
191 ウォームホイール
193 ウォームギア
195 補助モータ
197 第1センサ
198 第2センサ
199 磁石
211 動吸振器(制振機構)
213 筒体(本体部)
215 ウェイト
217 付勢バネ(弾性要素)
219 第1作動室
221 第2作動室
223 ソレノイド
225 フレーム
227 ソレノイドコイル
301 電動ハンマ
303 ハンマ本体部
305 モータハウジング
307 ギアハウジング
308 ハウジングキャップ
309 ハンマビット取付チャック
311 ハンドグリップ
313 ハンマビット
321 駆動モータ
323 出力軸
325 出力軸ギア部
331 クランク機構
333 エアシリンダ機構
334 ストライカ(打撃子)
335 打撃力伝達機構
336 インパクトボルト
337 ツールホルダ
341 変速ギア
343 ギアシャフト
345 ギアシャフト支持ベアリング
347 クランクピン
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359 クランクアーム
361 連接ピン
363 ピストン(駆動子)
365 シリンダ
365a 空気バネ室
367 クランク室
371 動吸振器(制振機構)
373 筒体(本体部)
375 ウェイト
377 付勢バネ(弾性要素)
379 第1作動室
381 第2作動室
383 第1連通部
385 第2連通部
Claims (3)
- 被加工材に対してハンマ作業を行うハンマビットと、
駆動モータと、
前記駆動モータにより駆動されて前記ハンマビットに打撃力を加える打撃子と、
前記ハンマ作業時に発生する振動の制振を行う制振機構と、を有する電動ハンマであって、
前記ハンマ作業時において、前記制振機構が、前記被加工材側から前記ハンマビットに外力が作用する当該ハンマビットの負荷駆動時の振動に対応した振動を発生することによって制振を最適化する第1のモードと、前記制振機構が、前記被加工材側から前記ハンマビットに外力が作用しない当該ハンマビットの無負荷駆動時の振動に対応した振動を発生することによって制振を最適化する第2のモードとの間で、前記制振機構に与える駆動量を変化させるよう構成されており、
前記制振機構は、本体部と、当該本体部内に収容されて前記ハンマビット長軸方向に直線移動可能なウェイトと、当該ウェイトを本体部との間で連接する弾性要素とを有する動吸振器として構成され、
前記動吸振器は、前記駆動モータの回転出力を直線運動に変換する駆動機構によって前記ウェイトが直線移動される構成とされ、
前記第1のモードでは、前記駆動モータを所定の回転数で回転することによって前記動吸振器に所定の駆動量を与え、前記第2のモードでは、前記駆動モータの回転数を前記第1のモード時の回転数よりも遅い回転数で回転することによって前記動吸振器に前記第1のモード時とは異なる駆動量を与えることを特徴とする電動ハンマ。 - 被加工材に対してハンマ作業を行うハンマビットと、
駆動モータと、
前記駆動モータにより駆動されて前記ハンマビットに打撃力を加える打撃子と、
前記ハンマ作業時に発生する振動の制振を行う制振機構と、を有する電動ハンマであって、
前記ハンマ作業時において、前記制振機構が、前記被加工材側から前記ハンマビットに外力が作用する当該ハンマビットの負荷駆動時の振動に対応した振動を発生することによって制振を最適化する第1のモードと、前記制振機構が、前記被加工材側から前記ハンマビットに外力が作用しない当該ハンマビットの無負荷駆動時の振動に対応した振動を発生することによって制振を最適化する第2のモードとの間で、前記制振機構に与える駆動量を変化させるよう構成されており、
前記駆動モータの回転出力を直線運動に変換して前記打撃子に伝達する運動変換機構を収容するとともに、当該運動変換機構の駆動に伴う容積の増減によって圧力が周期的に変動する運動変換機構室を有し、
前記制振機構は、本体部と、当該本体部内に収容されて前記ハンマビット長軸方向に直線移動可能なウェイトと、当該ウェイトを本体部との間で連接する弾性要素とを有する動吸振器として構成され、
前記動吸振器は、前記運動変換機構室から前記本体部内に導入される圧力によって前記ウェイトが直線移動される構成とされ、
前記第1のモードでは、前記駆動モータを所定の回転数で回転することによって前記動吸振器に所定の駆動量を与え、前記第2のモードでは、前記駆動モータの回転数を前記第1のモード時の回転数よりも遅い回転数で回転することによって前記動吸振器に前記第1のモード時とは異なる駆動量を与えることを特徴とする電動ハンマ。 - 被加工材に対してハンマ作業を行うハンマビットと、
駆動モータと、
前記駆動モータにより駆動されて前記ハンマビットに打撃力を加える打撃子と、
前記ハンマ作業時に発生する振動の制振を行う制振機構と、を有する電動ハンマであって、
前記ハンマ作業時において、前記制振機構が、前記被加工材側から前記ハンマビットに外力が作用する当該ハンマビットの負荷駆動時の振動に対応した振動を発生することによって制振を最適化する第1のモードと、前記制振機構が、前記被加工材側から前記ハンマビットに外力が作用しない当該ハンマビットの無負荷駆動時の振動に対応した振動を発生することによって制振を最適化する第2のモードとの間で、前記制振機構に与える駆動量を変化させるよう構成されており、
前記制振機構は、前記駆動モータにより駆動されて前記ハンマビット長軸方向の直線運動を行うカウンタウェイトして構成され、
前記第1のモードでは、前記駆動モータを所定の回転数で回転することによって前記カウンタウェイトを駆動し、前記第2のモードでは、前記駆動モータを前記負荷駆動時の回転数よりも低い回転数で回転することによって前記カウンタウェイトを駆動することを特徴とする電動ハンマ。
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