JP4529160B2 - 金属微粒子とその製造方法とその含有組成物ならびにその用途 - Google Patents
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S-S.Chang et al,Langmuir,1999,15,p701-709 Y.-Y. Yu, S.-S. Chang, C.-L. Lee, C. R. C. Wang, J. Phys. Chem. B, 101, 6661 (1997) N.R.Jana, L.Gearheart, C.J.Murphy, J. Phys. Chem. B, 105, 4065 (2001) F.Kim, J.H.Song, P.Yang, J. Am. Chem. Soc., 124, 14316 (2002)
〔1〕水溶液中で金属イオンを化学的に還元することによってロッド状の金属微粒子を製造する方法において、還元能を有するアミン類と、実質的に還元能を有さないアンモニウム塩とを含有する水溶液を用い、該アンモニウム塩の存在下で上記アミン類によって金属イオンを還元することを特徴とする金属微粒子の製造方法。
〔2〕上記(1)の方法において、アミン類と併用するアンモニウム塩として次式(1)で示す4級アンモニウム塩を用いる金属微粒子の製造方法。
CH3(CH3)nN+(CH3)3Br- (n=1〜17の整数) …式(1)
〔3〕上記(1)または(2)の方法において、アンモニウム塩と併用するアミン類として次式(2)〜(3)によって示される1種または2種以上のアルキルアミンまたはアルカノールアミンを用いる金属微粒子の製造方法。
NR3 (R:CnH2n+1 n=1〜8の整数) …式(2)
N(ROH)3 (R:CnH2n n=1〜8の整数) …式(3)
〔4〕上記(3)の方法において、アミン類として、トリエチルアミン、トリブチルアミン、トリペンチルアミン、または2,2',2''−ニトリロトリエタノールを用いる金属微粒子の製造方法。
〔5〕上記(1)または(2)の方法において、アンモニウム塩と併用するアミン類として次式(4)〜(5)によって示される1種または2種以上のアルキルアミンを用いる金属微粒子の製造方法。
H2NR (R:CnH2n+1 n=1〜8の整数) …式(4)
HNR2 (R:CnH2n+1 n=1〜8の整数) …式(5)
〔6〕式(1)によって示されるアンモニウム塩の水溶液中の濃度が0.01〜1.0mol/Lである上記[2]〜[5]の何れかに記載する金属微粒子の製造方法。
〔7〕式(2)〜(5)によって示されるアミン類の水溶液中の濃度が0.001〜10wt%である上記[2]〜[6]の何れかに記載する金属微粒子の製造方法。
〔8〕式(2)〜(5)によって示されるアミン類の電離指数(pka値)が7.0〜12.5である上記[2]〜[7]の何れかに記載する金属微粒子の製造方法。
〔9〕 アミン類とアンモニウム塩の濃度を調整することによって粒子径を制御する上記[1]〜[6]の何れかに記載する金属微粒子の製造方法。
〔10〕 上記アミン類およびアンモニウム塩を含有する水溶液にケトン類を添加し、金属微粒子のアスペクト比を調整する上記[1]〜[8]の何れかに記載する金属微粒子の製造方法。
〔11〕上記[1]〜[10]の何れかの方法によって製造された、長軸が400nm以下、短軸が15nm以下であってアスペクト比が1より大きいロッド状の金属微粒子。
〔12〕上記[1]〜[10]の何れかの方法によって製造され、かつ非水溶媒に親和性のある側鎖を有する非水分散剤によって表面処理された金属微粒子。
〔13〕上記[1]〜[10]の何れかの方法によって製造され、かつ金属微粒子表面のアンモニウム塩残留量が、金属微粒子100重量部に対して15重量部以下に除去ないし低減された金属微粒子。
〔14〕上記[1]〜[10]の何れかの方法によって製造された金属微粒子、または上記[11]〜[13]の何れかに記載された金属微粒子を含有する組成物。
〔15〕金属微粒子と共にバインダー(樹脂)、および分散媒を含有する上記[14]の金属微粒子含有組成物。
〔16〕金属微粒子と共に、染料、顔料、蛍光体、金属酸化物、金属ナノ繊維の1種または2種以上を含有する上記[14]または[15]の金属微粒子含有組成物。
〔17〕上記[14]〜[16]の何れかに記載した金属微粒子含有組成物によって形成された塗料組成物、塗膜、フィルム、または板材の形態を有する光吸収材。
〔18〕上記[1]〜[10]の何れかの方法によって製造された金属微粒子、または上記[11]〜[13]の何れかに記載された金属微粒子を含有する光学フィルター材料、配線材料、電極材料、触媒、着色剤、化粧品、近赤外吸収剤、偽造防止インク、電磁波シールド材、表面増強蛍光センサー、生体マーカー、ナノ導波路、記録材料、記録素子、偏光材料、薬物送達システム(DDS)用薬物保持体、バイオセンサー、DNAチップ、検査薬。
以下、本発明を実施形態に基づいて具体的に説明する。
本発明の製造方法は、水溶液中で金属イオンを化学的に還元することによってロッド状の金属微粒子を製造する方法において、還元能を有するアミン類と、実質的に還元能を有さないアンモニウム塩とを含有する水溶液を用い、該アンモニウム塩の存在下で上記アミン類によって金属イオンを還元することを特徴とする金属微粒子の製造方法である。
CH3(CH3)nN+(CH3)3Br- (n=1〜17の整数) …式(1)
この4級アンモニウム塩は水溶性の陽イオン性界面活性剤であり、水に溶解した場合、その濃度によって様々な会合体(ミセル)を形成することが知られている。一般に、このアンモニウム塩の濃度が上昇するのに比例して、球状ミセル、棒状ミセル、板状ミセルと変化する。本発明の製造方法では、このアンモニウム塩濃度を調整し、上記ミセル構造の規則性を利用することによって、ロッド状の金属微粒子を球状の金属微粒子よりも優先的に製造する。
NR3 (R:CnH2n+1 n=1〜8の整数) …式(2)
N(ROH)3 (R:CnH2n n=1〜8の整数) …式(3)
H2NR (R:CnH2n+1 n=1〜8の整数) …式(4)
HNR2 (R:CnH2n+1 n=1〜8の整数) …式(5)
0.08mol/Lのドデシル硫酸ナトリウム水溶液10mlにトリエチルアミン(pka=10.7)0.05mlを添加して溶解した。これに0.01mol/L硝酸銀水溶液0.6mlを添加した。この水溶液に0.024mol/L塩化金酸水溶液を0.8ml添加し、直後にアセトン0.2mlを添加し、30℃で保持した状態で4時間保管した。この結果、得られた金微粒子はアスペクト比約1の球状金微粒子であり、ロッド状の微粒子は得られなかった。
実施例1で製造した金ナノロッド水分散液250重量部に、トルエン100重量部を添加し、3分間攪拌した。この混合液にエタノール500重量部を添加し、5分間攪拌し、攪拌終了後、24時間静置した。生成した金属ナノロッドは非水溶媒中へ殆ど抽出されず、金ナノロッドに吸着していたCT16ABがエタノールによって、金ナノロッド表面から脱離し溶解したため、金ナノロッドどうしが凝集し、容器底に塊状に沈降し、水、非水溶媒中へは再分散しなかった。
実施例4で抽出した金ナノロッドトルエン分散液からエバポレータでトルエンを除去し、金ナノロッドを5wt%含むトルエンペーストを作製した。これをTg−DTAで加熱残分を測定したところ、このペーストは25wt%の有機分(CT16AB、ソルスパース24000SC、トリエチルアミン)を含有していた。この金ナノロッドトルエンペーストをバーコーター#40で塗布し、300℃で30分過熱し、加熱後の塗膜の比抵抗を測定したところ導電性は確認されなかった。
Claims (18)
- 水溶液中で金属イオンを化学的に還元することによってロッド状の金属微粒子を製造する方法において、還元能を有するアミン類と、実質的に還元能を有さないアンモニウム塩とを含有する水溶液を用い、該アンモニウム塩の存在下で上記アミン類によって金属イオンを還元することを特徴とする金属微粒子の製造方法。
- 請求項1の方法において、アミン類と併用するアンモニウム塩として次式(1)で示す4級アンモニウム塩を用いる金属微粒子の製造方法。
CH3(CH3)nN+(CH3)3Br- (n=1〜17の整数) …式(1)
- 請求項1または2の方法において、アンモニウム塩と併用するアミン類として次式(2)〜(3)によって示される1種または2種以上のアルキルアミンまたはアルカノールアミンを用いる金属微粒子の製造方法。
NR3 (R:CnH2n+1 n=1〜8の整数) …式(2)
N(ROH)3 (R:CnH2n n=1〜8の整数) …式(3)
- 請求項3の方法において、アミン類として、トリエチルアミン、トリブチルアミン、トリペンチルアミン、または2,2',2''−ニトリロトリエタノールを用いる金属微粒子の製造方法。
- 請求項1または2の方法において、アンモニウム塩と併用するアミン類として次式(4)〜(5)によって示される1種または2種以上のアルキルアミンを用いる金属微粒子の製造方法。
H2NR (R:CnH2n+1 n=1〜8の整数) …式(4)
HNR2 (R:CnH2n+1 n=1〜8の整数) …式(5)
- 式(1)によって示されるアンモニウム塩の水溶液中の濃度が0.01〜1.0mol/Lである請求項2〜5の何れかに記載する金属微粒子の製造方法。
- 式(2)〜(5)によって示されるアミン類の水溶液中の濃度が0.001〜10wt%である請求項2〜6の何れかに記載する金属微粒子の製造方法。
- 式(2)〜(5)によって示されるアミン類の電離指数(pka値)が7.0〜12.5である請求項2〜7の何れかに記載する金属微粒子の製造方法。
- アミン類とアンモニウム塩の濃度を調整することによって粒子径を制御する請求項1〜8の何れかに記載する金属微粒子の製造方法。
- 上記アミン類およびアンモニウム塩を含有する水溶液にケトン類を添加し、金属微粒子のアスペクト比を調整する請求項1〜9の何れかに記載する金属微粒子の製造方法。
- 請求項1〜10の何れかの方法によって製造された、長軸が400nm以下、短軸が15nm以下であってアスペクト比が1より大きいロッド状の金属微粒子。
- 請求項1〜10の何れかの方法によって製造され、かつ非水溶媒に親和性のある側鎖を有する非水分散剤によって表面処理された金属微粒子。
- 請求項1〜10の何れかの方法によって製造され、かつ金属微粒子表面のアンモニウム塩残留量が、金属微粒子100重量部に対して15重量部以下に除去ないし低減された金属微粒子。
- 請求項1〜10の何れかの方法によって製造された金属微粒子、または請求項11〜13の何れかに記載された金属微粒子を含有する組成物。
- 金属微粒子と共にバインダー(樹脂)、および分散媒を含有する請求項14の金属微粒子含有組成物。
- 金属微粒子と共に、染料、顔料、蛍光体、金属酸化物、金属ナノ繊維の1種または2種以上を含有する請求項14または15の金属微粒子含有組成物。
- 請求項14〜16の何れかに記載した金属微粒子含有組成物によって形成された塗料組成物、塗膜、フィルム、または板材の形態を有する光吸収材。
- 請求項1〜10の何れかの方法によって製造された金属微粒子、または請求項11〜13の何れかに記載された金属微粒子を含有する光学フィルター材料、配線材料、電極材料、触媒、着色剤、化粧品、近赤外線吸収剤、偽造防止インク、電磁波シールド材、表面増強蛍光センサー、生体マーカー、ナノ導波路、記録材料、記録素子、偏光材料、薬物送達システム(DDS)用薬物保持体、バイオセンサー、DNAチップ、検査薬。
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