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JP4508932B2 - 呈味増強剤及び該呈味増強剤を含有する香味料並びに該香味料を含有する飲食物 - Google Patents

呈味増強剤及び該呈味増強剤を含有する香味料並びに該香味料を含有する飲食物 Download PDF

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Description

本発明は、塩味増強効果に優れた呈味増強剤及び該呈味増強剤を含有する香味料並びに該香味料を含有する飲食物に関する。
塩化ナトリウムは、飲食物への塩味の付与により味を調え、あるいは保存性や物性の向上など、食品業界においては欠かすことのできない素材であるが、ナトリウムの過剰摂取は多くの病気(高血圧症など)の原因となり、人口構成の高齢化に伴い摂取量の減少が望まれている。飲食物のナトリウム量を減少させる方法としては、カリウム塩を用いたり、タンパク加水分解物を用いた方法が行われているが、いずれも苦味又はエグ味など素材由来の不快味が指摘されていた。飲食物本来の風味を阻害せずに塩味を増強させる方法としては、例えば、スピラントールを含有する組成物が塩味を増強することが知られていた(特許文献1)が、この手法によりナトリウム含量を減少させた場合、塩味は維持できる。但し旨味の増強効果はみられないため、呈味全体としては、まだまだ満足できるレベルでない。
一方、旨味、コク味などの呈味感付与の目的では、アリウム属植物の低温アルコール抽出物が有効であることが知られていた(特許文献2)が、この素材自体は強い呈味性を有しているがアリウム属植物特有の風味を有していることがあり、使用できる飲食物やその添加量に制限が生ずることもあった。
特公昭48−35465号公報 特開2002−186448号公報
解決しようとする課題は、塩味を増強させ、このことによりナトリウム含量を減少させたにもかかわらず、旨味、コク味などの呈味感を維持し、かつ、汎用性のある素材がないということである。
上記課題を解決するために本発明者らは鋭意検討した結果、スピラントールとアリウム属植物抽出物を組み合わせることにより、それぞれの効果が相乗的に発揮され、上記課題を解決することを見いだし、本発明を完成させた。すなわち、本発明は、スピラントールと、アリウム属植物抽出物を含有することを特徴とする塩味増強剤であり、また、スピラントールと、アリウム属植物抽出物を含有することを特徴とする呈味増強剤であり、詳しくは、スピラントールが、オランダセンニチ又はキバナオランダセンニチ由来の抽出物であることを特徴とする前記呈味増強剤であり、また、アリウム属植物がシャロット及び/又はオニオンであることを特徴とする前記呈味増強剤であり、また、アリウム属植物がシャロットであることを特徴とする前記呈味増強剤であり、詳しくは、アリウム属植物抽出物が、アリウム属植物から−20〜0℃でアルコール水溶液にて抽出されたものであることを特徴とする前記呈味増強剤であり、また、前記呈味増強剤を含有することを特徴とする香味料であり、また、前記香味料を含有することを特徴とする飲食物であり、また、前記呈味増強剤を添加することを特徴とする呈味増強方法である。
本発明の呈味増強剤により、塩味を増強させ、このことによりナトリウム含量を減少させたにもかかわらず、旨味、コク味などの呈味感を維持し、かつ、汎用性のある素材を提供することができる。
本発明で用いるスピラントールとは、キク科オランダセンニチ(Spilanthes acmella)、キバナオランダセンニチ(Spilanthes acmella var. oleracea)等に含まれる辛味成分である。スピラントールは前記植物から採取、精製することにより得られる他、化学的に合成することも可能である。本発明ではいずれの方法により得られたスピラントールであっても使用でき、また、純度が高いものである必要はない。他の成分の味やにおいが飲食品の香味に影響を与えない場合は、スピラントールを含有する植物の抽出物や精油等を精製することなく使用してもよい。安全性の観点からは食経験のある植物から得られる抽出物又は精油を使用することが好ましく、また、供給、価格等の実用性の観点から、スピラントール含量の多いオランダセンニチ又はキバナオランダセンニチの抽出物又は精油を使用するのが特に好ましい。
スピラントールは、例えば、スピラントール含量の高いオランダセンニチ又はキバナオランダセンニチの全草又は花頭から抽出又は蒸留により採取することができる。抽出による採取法を例示すると、オランダセンニチ又はキバナオランダセンニチの花頭を乾燥・粉砕した後、有機溶媒で抽出してスピラントールを含有する抽出液を得る。抽出に使用する有機溶媒は特に制限はなく、メタノール、エタノール、プロパノール、プロピレングリコール等のアルコール類、アセトン等のケトン類、酢酸エチル等のエステル類、ジエチルエーテル等のエーテル類、ヘキサン、ヘプタン等の炭化水素類を適宜単独で、又は混合して使用することができる。アルコール類のような極性有機溶媒が好ましく、安全性の観点から特にエタノールが好ましい。得られた抽出液から溶媒を留去し、スピラントール含有抽出物が得られる。
得られたスピラントール含有抽出物はそのまま飲食品の呈味増強剤として使用できるが、抽出物に含まれているスピラントール以外の成分が飲食品の香味に与える影響が問題となるような場合には、さらに蒸留等の精製方法によりスピラントール含量を高めて使用することが好ましい。精製方法としては分子蒸留、薄膜蒸留、各種クロマトグラフィー等を挙げることができ、これらの精製方法を単独で又は適宜組み合わせて用いることにより、よりスピラントール含量の高い飲食品の呈味増強剤を得ることができる。
本発明においてはスピラントールはアリウム属植物抽出物と組み合わせて用いられる。本発明で用いられるアリウム属植物とは、アリウム属に属する植物であれば特に限定されるものではなく、ガーリック、オニオン、シャロット、ネギ、ニラ、ワケギ、アサツキ、リーク及び行者ニンニク等が例示される。好ましくはガーリック(Alliumsativum L.)、オニオン(Allium capa L.)及びシャロット(Allium ascalonicum L.)が用いられ、さらに好ましくはシャロット(Allium ascalonicum L.)及び/又はオニオン(Allium capa L.)が用いられ、最も好ましくはシャロット(Allium ascalonicum L.)が用いられる。上記アリウム属植物は単独で、或いは2種以上を組み合わせて用いることもできる。これらの植物は生のまま細断されるか、或いは目的に応じて乾燥や加熱処理を経て抽出されることもあるが、好ましくは生のまま細断し、遅滞なく冷却し、抽出することが望ましい。
本発明におけるアリウム属植物の抽出温度は特に限定されることはないが、好ましくは抽出原料が凍結しない可及的低い温度で行われ、−20℃〜0℃が適当である。さらに好ましくは−15℃〜0℃、最も好ましくは−15℃〜−5℃である。アリウム属植物は、溶媒の存在下では−20℃程度では凍結しないが、抽出温度が−20℃より低く、植物中の細胞が凍結破壊される場合は収率は上がるものの好ましくない成分までも抽出されるためか香味的に劣る傾向にある。抽出温度が0℃を越えると植物中の酵素反応が活発になり香味をコントロールすることが困難となる傾向がある。
本発明のアリウム属植物の抽出で用いられるアルコール性溶媒は、分子内に一つ以上の水酸基をもち上記抽出温度で液体であれば特に限定されるものではなく、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノールなどの1価のアルコール、プロピレングリコール、グリセリンなどの多価アルコールが例示され、好ましくはメタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノールなどの1価のアルコールが用いられ、最も好ましくはエタノールが選択される。上記アルコール類は水溶液の形で使用することができ、好ましくは30〜95%水溶液、より好ましくは50〜90%の水溶液、最も好ましくは60〜85%の水溶液で用いられる。30%未満の場合は、低温で抽出した場合に溶媒が抽出中に凍ってしまう可能性があり、95%を越えた場合は抽出時間が長くなる傾向がある。
本発明におけるアリウム属植物の抽出時間は、任意に設定され特に限定されるものではないが、低温で抽出する場合は、好ましくは8〜96時間で行われ、さらに好ましくは24〜84時間、最も好ましくは48〜72時間で行われる。8時間未満であれば抽出効率が低くなる可能性があり、96時間以上抽出に費やすことは経済上好ましくない。
本発明の呈味増強剤を飲食物に直接添加する場合は、最終製品である飲食物中におけるスピラントール含量として1〜50000ppb、好ましくは5〜500ppbの添加量が適当であり、アリウム属植物抽出物の含量は、0.01〜500ppm、好ましくは1〜50ppmの添加量が適当である。スピラントールとアリウム属植物抽出物の比率には特に制限はなく、任意の割合で配合して使用することができる
本発明の呈味増強剤は、単独で飲食品に添加することもできるが、他の香料成分と任意に組み合わせて、飲食物用の香味料として使用することもできる。組み合わせる香料成分は特に制限はなく、例えばアセト酢酸エチル、アセトフェノン、アニスアルデヒド、α−アミルシンナムサルデヒド、アントラニル酸メチル、イオノン、イソオイゲノール、イソ吉草酸イソアミル、イソ吉草酸エチル、イソチオシアン酸アリル、イソチオシアン酸3−ブテニル、イソチオシアン酸4−ペンテニル、イソチオシアン酸ベンジル、イソチオシアン酸3−メチルチオプロピル、イソチオシアネート類、インドール及びその誘導体、γ−ウンデカラクトン、エステル類、エチルバニリン、エーテル類、オイゲノール、オクタノール、オクタナール、オクタン酸エチル、ギ酸イソアミル、ギ酸ゲラニル、ギ酸シトロネリル、ケイ皮酸、ケイ皮酸エチル、ケイ皮酸メチル、ケトン類、ゲラニオール、酢酸イソアミル、酢酸エチル、酢酸ゲラニル、酢酸シクロヘキシル、酢酸シトロネリル、酢酸シンナミル、酢酸テルピニル、酢酸フェネチル、酢酸ブチル、酢酸ベンジル、酢酸l−メンチル、酢酸リナリル、サリチル酸メチル、シクロヘキシルプロピオン酸アリル、シトラール、シトロネラール、シトロネロール、1,8−シネオール、脂肪酸類、脂肪族高級アルコール類、脂肪族高級アルデヒド類、脂肪族高級炭化水素類、シンナミルアルコール、シンナムアルデヒド、チオエーテル類、チオール類、デカナール、デカノール、デカン酸エチル、テルピネオール、リモネン、ピネン、ミルセン、タピノーレン、テルペン系炭化水素類、γ−ノナラクトン、バニリン、パラメチルアセトフェノン、ヒドロキシシトロネラール、ヒドロキシシトロネラールジメチルアセタール、ピペロナール、フェニル酢酸イソアミル、フェニル酢酸イソブチル、フェニル酢酸エチル、フェノールエーテル類、フェノール類、フルフラール及びその誘導体、プロピオン酸、プロピオン酸イソアミル、プロピオン酸エチル、プロピオン酸ベンジル、ヘキサン酸、ヘキサン酸アリル、ヘキサン酸エチル、ヘプタン酸エチル、l−ペリラアルデヒド、ベンジルアルコール、ベンズアルデヒド、芳香族アルコール類、芳香族アルデヒド類、d−ボルネオール、マルトール、N−メチルアントラニル酸メチル、メチルβ−ナフチルケトン、dl−メントール、l−メントール、酪酸、酪酸イソアミル、酪酸エチル、酪酸シクロヘキシル、酪酸ブチル、ラクトン類、リナロオール等の合成或いは天然由来の香料の他、オレンジ、レモン、ライム、グレープフルーツなどシトラス系精油類、アップル、バナナ、グレープ、メロン、ピーチ、パイナップル、ストロベリーなどフルーツ系の精油或いは回収フレーバー、ミルク、クリーム、バター、チーズ、ヨーグルトなど乳系の抽出香料、緑茶、紅茶、コーヒー、ココアなど嗜好品系の回収フレーバー、ペパーミント、スペアミントなどミント系の精油、アサノミ、アサフェチダ、アジョワン、アニス、アンゼリカ、ウイキョウ、ウコン、オレガノ、オールスパイス、オレンジノピール、カショウ、カッシア、カモミール、カラシナ、カルダモン、カレーリーフ、カンゾウ、キャラウェー、クチナシ、クミン、クレソン、クローブ、ケシノミ、ケーパー、コショウ、ゴマ、コリアンダー、サッサフラス、サフラン、サボリー、サルビア、サンショウ、シソ、シナモン、ジュニパーベリー、ショウガ、スターアニス、スペアミント、セイヨウワサビ、セロリー、ソーレル、タイム、タマリンド、タラゴン、チャイブ、ディル、トウガラシ、ナツメグ、ニガヨモギ、ニジェラ、ニンジン、バジル、パセリ、ハッカ、バニラ、パプリカ、ヒソップ、フェネグリーク、ペパーミント、ホースミント、ホースラディッシュ、マジョラム、ミョウガ、ラベンダー、リンデン、レモングラス、レモンバーム、ローズ、ローズマリー、ローレル、ワサビなどから得られる香辛料抽出物、アイスランドモス、アカヤジオウ、アケビ、アサ、アサフェチダ、アジアンタム、アジョワン、アズキ、アスパラサスリネアリス、アップルミント、アーティチョーク、アニス、アボカド、アマチャ、アマチャズル、アミガサユリ、アミリス、アーモンド、アリタソウ、アルカンナ、アルテミシア、アルニカ、アルファルファ、アロエ、アンゴスツラ、アンゴラウィード、アンズ、アンズタケ、アンゼリカ、アンバー、アンバーグリス、アンブレット、イカ、イカリソウ、イグサ、イースト、イタドリ、イチゴ、イチジク、イチョウ、イノコヅチ、イランイラン、イワオウギ、インペラトリア、インモルテル、ウィンターグリーン、ウォータークレス、ウコギ、ウコン、ウスバサイシン、ウッドラフ、ウニ、ウメ、ウーロンチャ、エゴマ、エノキダケ、エビ、エビスグサ、エリゲロン、エルダー、エレウテロコック、エレカンペン、エレミ、エンゴサク、エンジュ、エンダイブ、欧州アザミ、オウレン、オオバコ、オカゼリ、オキアミ、オーク、オークモス、オケラ、オスマンサス、オポポナックス、オミナエシ、オモダカ、オリガナム、オリス、オリバナム、オリーブ、オールスパイス、オレンジ、オレンジフラワー、カイ、カイニンソウ、カカオ、カキ、カサイ、カシューナッツ、カスカラ、カスカリラ、カストリウム、カタクリ、カツオブシ、カッシー、カッシャフィスチュラ、カテキュ、カニ、カーネーション、カノコソウ、カモミル、カヤプテ、カラシ、カラスウリ、カラスビシャク、ガラナ、カラムス、ガランガ、カーラント、カリッサ、カリン、カルダモン、ガルバナム、カレー、カワミドリ、カンゾウ、ガンビア、カンラン、キウィーフルーツ、キカイガラタケ、キキョウ、キク、キクラゲ、キササゲ、ギシギシ、キダチアロエ、キナ、キハダ、キバナオウギ、ギボウシ、ギムネマシルベスタ、キャットニップ、キャラウェイ、キャロップ、キュウリ、キラヤ、キンミズヒキ、グァバ、グァヤク、クコ、クサスギカズラ、クサボケ、クズ、クスノキ、クスノハガシワ、グーズベリー、クチナシ、クベバ、クマコケモモ、グミ、クミン、グラウンドアイビー、クララ、クラリセージ、クランベリー、クリ、クルミ、クリーム、グレインオブパラダイス、クレタディタニー、グレープフルーツ、クローバー、クローブ、クロモジ、クワ、クワッシャ、ケイパー、ゲットウ、ケード、ケブラコ、ゲルマンダー、ケンチュール、ケンポナシ、ゲンノショウコ、コウジ、コウダケ、コウチャ、コウホネ、コカ、コガネバナ、コクトウ、コクルイ、ココナッツ、ゴシュユ、コショウ、コスタス、コストマリー、コパイパ、コーヒー、コブシ、ゴボウ、ゴマ、コーラ、コリアンダー、コルツフート、ゴールデンロッド、コロンボ、コンサイ、コンズランゴ、コンフリー、サイプレス、魚、サクラ、サクランボ、ザクロ、サケカス、ササ、ササクサ、サーチ、サッサフラス、サフラン、サポジラ、サボテン、サラシナショウマ、サルサパリラ、サルシファイ、サルノコシカケ、サンザシ、サンシュユ、サンショウ、サンタハーブ、サンダラック、サンダルウッド、サンダルレッド、シイタケ、ジェネ、シソ、シダー、シトラス、シトロネラ、シヌス、シベット、シマルーバ、シメジ、シャクヤク、ジャスミン、ジャノヒゲ、ジャボランジ、シュクシャ、ジュニパーベリー、ショウガ、ショウユ、ショウユカス、ジョウリュウシュ、ショウロ、シロタモギタケ、ジンセン、シンナモン、酢、スイカ、スイセン、スギ、スターアニス、スターフルーツ、スチラックス、スッポン、スッポンタケ、ズドラベッツ、スネークルート、スパイクナード、スプルース、スペアミント、スベリヒユ、スローベリー、セイボリー、セキショウ、セージ、ゼドアリー、セネガ、ゼラニウム、セロリー、センキュウ、センタウリア、センゲン、セントジョーンズウォルト、センナ、ソース、ダイオウ、ダイズ、タイム、タケノコ、タコ、タデ、ダバナ、タマゴ、タマゴタケ、タマリンド、ダミアナ、タモギタケ、タラゴン、タラノキ、タンジー、タンジェリン、タンポポ、チェリモラ、チェリーローレル、チェリーワイルド、チガヤ、チコリ、チーズ、チチタケ、チャイブ、チャービル、チャンパカ、チュベローズ、チョウセンゴミシ、チラータ、ツクシ、ツケモノ、ツタ、ツバキ、ツユクサ、ツリガネニンジン、ツルドクダミ、ディアタング、ティスル、ディタニー、ディル、デーツ、テンダイウヤク、テンマ、トウガラシ、トウキ、ドウショクブツタンパクシツ、ドウショクブツユ、トウミツ、トウモロコシ、ドクダミ、トチュウ、ドッググラス、トマト、ドラゴンブラッド、ドリアン、トリュフ、トルーバルサム、トンカ、ナギナタコウジュ、ナシ、ナスターシャム、ナッツ、ナットウ、ナツメ、ナツメグ、ナデシコ、ナメコ、ナラタケ、ニアウリ、ニュウサンキンバイヨウエキ、ニンジン、ネズミモチ、ネットル、ネムノキ、ノットグラス、バイオレット、パイナップル、ハイビスカス、麦芽、ハコベ、バジル、ハス、ハスカップ、パースカップ、パセリ、バター、バターオイル、バターミルク、バーチ、ハチミツ、パチュリー、ハッカ、バックビーン、ハッコウシュ、ハッコウニュウ、ハッコウミエキ、パッションフルーツ、ハツタケ、バッファローベリー、ハトムギ、ハナスゲ、バナナ、バニラ、ハネーサックル、パパイヤ、バーベリー、ハマゴウ、ハマスゲ、ハマナス、ハマボウフウ、ハマメリス、バラ、パルマローザ、バンレイシ、ヒキオコシ、ヒシ、ピスタチオ、ヒソップ、ヒッコリー、ピーナッツ、ヒノキ、ヒバ、ピプシシワ、ヒメハギ、ヒヤシンス、ヒラタケ、ビワ、ビンロウ、フェイジョア、フェネグリーク、フェンネル、フジバカマ、フジモドキ、フスマ、フーゼルユ、プチグレイン、ブチュ、ブドウ、ブドウサケカス、フトモモ、ブナ、ブナハリタケ、ブラックキャラウェイ、ブラックベリー、プラム、ブリオニア、プリックリーアッシュ、プリムローズ、プルネラ、ブルーベリー、ブレッドフルーツ、ヘイ、ベイ、ヘーゼルナッツ、ベチバー、ベーテル、ベニバナ、ペニーロイヤル、ペパーミント、ヘビ、ペピーノ、ペプトン、ベルガモット、ベルガモットミント、ペルーバルサム、ベルベナ、ベロニカ、ベンゾイン、ボアドローズ、ホアハウンド、ホウ、ホウキタケ、ホウショウ、ボウフウ、ホエイ、ホオノキ、ホースミント、ホースラディッシュ、ボタン、ホップ、ポピー、ポプラ、ポポー、ホホバ、ホヤ、ボルドー、ボロニア、マイタケ、マグウォルト、マシュマロー、マジョラム、マスティック、マソイ、マタタビ、マチコ、マツ、マツオウジ、マッシュルーム、マツタケ、マツブサ、マツホド、マテチャ、マメ、マリーゴールド、マルバダイオウ、マルメロ、マレイン、マロー、マンゴー、マンゴスチン、ミカン、ミシマサイコ、ミソ、ミツマタ、ミツロウ、ミート、ミモザ、ミョウガ、ミルク、ミルテ、ミルフォイル、ミルラ、ミロバラン、ムギチャ、ムスク、ムラサキ、メスキート、メドウスィート、メハジキ、メープル、メリッサ、メリロット、メロン、モウセンゴケ、モニリアバイヨウエキ、モミノキ、モモ、モロヘイヤ、ヤクチ、ヤマモモ、ユーカリ、ユキノシタ、ユズ、ユッカ、ユリ、ヨウサイ、ヨロイグサ、ライオンズフート、ライチ、ライフエバーラスティングフラワー、ライム、ライラック、ラカンカ、ラカンショウ、ラズベリー、ラタニア、ラディッシュ、ラブダナム、ラベンダー、ラングウォルト、ラングモス、ランブータン、リキュール、リーク、リツェア、リナロエ、リュウガン、リョウフンソウ、リョクチャ、リンゴ、リンデン、リンドウ、ルー、ルリジサ、レセダ、レモン、レモングラス、レンギョウ、レンゲ、レンブ、ローズマリー、ロベージ、ローレル、ロンゴザ、ワサビ、ワタフジウツギ、ワームウッド、ワームシード、ワラビ、ワレモコウなどから得られる天然香料などが例示され、適宜選択して使用される。
以下に実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明は実施例の記載に限定されるものではない。
[製造例1](粗スピラントール)
オランダセンニチの花頭乾燥品10kg(約5mmに粉砕したもの)に99容量%エタノール100kgを加え75℃〜還流温度で5時間抽出した。抽出液を40℃まで冷却後、遠心分離装置により固液分離し、その抽出液を減圧下20kgまで濃縮した。濃縮液に活性炭0.2kg加え1時間攪拌後、珪藻土を加え加圧ろ過し活性炭を除去し、さらに減圧下で濃縮し0.43kgのオランダセンニチ濃縮物を得た。この濃縮物に蒸留水2kgを加え、酢酸エチル2kgで3回抽出した。抽出した酢酸エチル層をまとめ珪藻土を加え加圧ろ過後、減圧で濃縮することにより0.31kgのオランダセンニチ粗抽出物を得た。収率3.1%。スピラントール含量12.4%。上記オランダセンニチ粗抽出物100gを脂肪酸トリグリセライド100gと混合し、減圧薄膜蒸留装置を使用し、真空度:3〜5Pa、蒸発面温度:110〜150℃で蒸留し、留出液33.3gを得た。収率33%。スピラントール含量:38.0質量%。この留出液0.1gを50質量%のエタノール水溶液760gで希釈し、5℃まで冷却後、珪藻土を加えろ過を行いスピラントール濃度50ppm(w/w)の粗スピラントール溶液を調整した。
[製造例2](精製スピラントール)
オランダセンニチの花頭乾燥品300gを95容量%エタノール3200gで1時間還流抽出した。抽出液を冷却し固液分離した後、珪藻土を加えろ過した。濾液を減圧濃縮によりエタノールを留去後、水300gを加え、ヘキサン300mlで3回抽出した。抽出したヘキサン層を合わせ減圧濃縮によりヘキサンを留去し粗抽出物8.4gを得た。収率2.8%(スピラントール含量9.5%)。粗抽出物8.4gをシリカゲルカラムクロマトグラフィー(シリカゲル200g、Φ5cm)により分画(n−ヘキサン:酢酸エチル=8:2で溶出)し、スピラントール画分(Rf値=0.2〜0.3 n−ヘキサン:酢酸エチル=7:3)を分取し、溶剤を減圧下留去することにより、2.76gの粗スピラントール画分1を得た。続いてその粗スピラントール画分1を減圧下(0.1mmHg)でクーゲルロー蒸留装置を用いて単蒸留精製(180℃)し、0.98gの粗スピラントール画分2を得た。収率0.33%(スピラントール含量41.9%)。さらにその粗スピラントール画分2 0.98gをシリカゲルカラムクロマトグラフィー(シリカゲル200g、Φ5cm)により分画(n−ヘキサン:酢酸エチル=95:5〜90:10で溶出)し、スピラントール画分(Rf値=0.2:n−ヘキサン:酢酸エチル=7:3)を分取し、溶剤を減圧下留去することにより、精製スピラントール0.52gを得た。収率0.17%。スピラントール含量98質量%。スピラントールの構造はプロトン及びカーボン13NMRを測定し既知の文献データと比較することにより確認した。この精製スピラントール0.104gを50質量%のエタノール溶液2000gで希釈し、スピラントール濃度50ppm(w/w)の精製スピラントール溶液を調整した。
[製造例3]
特開2002−186448号公報に記載の方法により、シャロットを−12℃で76%(v/v)エタノール水溶液を用いて抽出し、抽出液から溶媒を除去したシャロットエキス(固形物含量24%)を得た。
[実施例1]
製造例2の精製スピラントール中に製造例3のシャロットエキスを0.4質量%添加し、本発明の呈味増強剤を調製した。
[試験例1]酵母エキス水溶液に対する効果
製造例1〜3の素材及び実施例1の呈味増強剤を用いて、酵母エキス水溶液に対する呈味増強効果を調べた。なお、以下の試験例において官能評価の採点基準は表1に記載したものを用いた。
Figure 0004508932
0.1質量%の酵母エキス水溶液に、製造例1の粗スピラントール溶液、製造例2の精製スピラントール溶液をそれぞれスピラントール含量として200ppbとなるように0.4質量%添加したもの、製造例3のシャロットエキスを水溶液中に10ppm添加したもの、及び実施例1の呈味増強剤をスピラントール含量として100ppb、シャロットエキス含量として8ppmとなるように0.2質量%添加したものを調製した。これらの溶液について、無添加品をコントロールとして習熟した10名のパネルにより官能評価を行い、その結果を表2に示した。なお表2中の評価の点数は、表1の採点基準で採点(1〜7点)した各パネルの平均点である。
Figure 0004508932
表2から明らかなように、酵母エキス水溶液にスピラントールを添加することにより呈味が増強されたが、シャロットエキスを併用することで、効果は相乗的に高まった。
[実施例2]うどんつゆ
処方1のうどんつゆに、実施例1の呈味増強剤をスピラントール含量として100ppb、シャロットエキス含量を8ppmとなるように0.2質量%添加して本発明のうどんつゆを調製した、比較例として、製造例2の精製スピラントール溶液をスピラントール含量が200ppbとなるように0.4質量%添加したもの(比較例1)、製造例3のシャロットエキスを10ppm添加したもの(比較例2)を併せて調製した。これらのつゆについて、無添加品をコントロールとして習熟した10名のパネルにより官能評価を行い、その結果を表3に示した。なお表3中の評価の点数は、表1の基準で採点(1〜7点)した平均点である。
(処方1)
品名 配合量(g)
水 915.0
食塩 2.0
砂糖 2.0
みりん 20.0
うすくち醤油 60.0
カツオブシ香料(小川香料社製) 1.0
MSG 1.0
合計 1000.0
Figure 0004508932
表3から明らかなように、うどんつゆにスピラントールを添加することにより、呈味、塩味が増強された。またスピラントールはシャロットエキスよりも少ない添加量で同等な呈味増強効果を示し、シャロットエキスを併用することで、呈味、旨味の増強効果は相乗的に高まった。
[実施例3]
製造例2の精製スピラントール中に製造例3のシャロットエキスを0.8質量%添加し、本発明の呈味増強剤を調製した。
[実施例4]浅漬けの素(希釈品)
市販品の浅漬けの素(希釈品)に、実施例3の呈味増強剤をスピラントール含量として100ppb、シャロットエキス含量として16ppmとなるように0.2質量%添加し、本発明の浅漬けの素(希釈品)を調製した。比較例として、製造例2の精製スピラントール溶液をスピラントール含量が200ppbとなるように0.4質量%添加したもの(比較例3)、製造例3のシャロットエキスを20ppm添加したもの(比較例4)を併せて調製した。これらの浅漬けの素(希釈品)ついて、無添加品をコントロールとして習熟した10名のパネルにより官能評価を行い、その結果を表4に示した。なお表4中の評価の点数は、表1の基準で採点(1〜7点)した平均点である。
Figure 0004508932
表4から明らかなように、浅漬けの素にスピラントールを添加することにより、呈味、塩味、酸味が増強された。またシャロットエキスを併用することで、呈味、塩味、旨味の増強効果は相乗的に高まった。
[実施例5]青ジソドレッシング
処方2の青ジソドレッシングに、実施例3の呈味増強剤をスピラントール含量として100ppb、シャロットエキス含量として16ppmとなるように0.2質量%添加し、本発明の青ジソドレッシングを調製した。比較例として、製造例2の精製スピラントール溶液をスピラントール含量が200ppbとなるように0.4質量%添加したもの(比較例5)、製造例3のシャロットエキスを20ppm添加したもの(比較例6)を併せて調製した。これらの青ジソドレッシングついて、無添加品をコントロールとして習熟した10名のパネルにより官能評価を行い、その結果を表5に示した。なお表5中の評価の点数は、表1の基準で採点(1〜7点)した平均点である。
(処方2)
品名 配合量(g)
食酢 200.0
果糖ぶどう糖液糖 150.0
醤油 120.0
酒 20.0
水 600.0
シソ香料(小川香料社製) 1.0
合計 1000.0
Figure 0004508932
表5から明らかなように、ドレッシングにスピラントールを添加することにより、呈味、塩味、酸味が増強された。またスピラントールはシャロットエキスよりも少ない添加量で同等な呈味増強効果を示し、シャロットエキスを併用することで、呈味、旨味の増強効果が相乗的に高まった。
[実施例6]
製造例2の精製スピラントール中に製造例3のシャロットエキスを1.5質量%添加し、本発明の呈味増強剤を調製した。
[実施例7]イタリアンドレッシング
市販品のイタリアンドレッシングに、実施例6の呈味増強剤をスピラントール含量として100ppb、シャロットエキスを30ppmとなるように0.2質量%添加し本発明のイタリアンドレッシングを調製した。比較例として、製造例2の精製スピラントール溶液をスピラントール含量が200ppbとなるように0.4質量%添加したもの(比較例7)、シャロットエキスを32ppm添加したもの(比較例8)を併せて調製した。これらのイタリアンドレッシングについて、無添加品をコントロールとして習熟した10名のパネルにより官能評価を行い、その結果を表6に示した。なお表6中の評価の点数は、表1の基準で採点(1〜7点)した平均点である。
Figure 0004508932
表6から明らかなように、ドレッシングにスピラントールを添加することにより、呈味、塩味、酸味が増強された。またスピラントールはシャロットエキスよりも少ない添加量で同等な呈味増強効果を示し、シャロットエキスを併用することで、旨味の増強効果は相乗的に高まった。
[実施例8]コンソメスープ
処方3のコンソメスープに、実施例6の呈味増強剤をスピラントール含量として100ppb、シャロットエキスを30ppmとなるように0.2質量%添加し本発明のコンソメスープを調製した。比較例として、製造例2の精製スピラントール溶液をスピラントール含量が200ppbとなるように0.4質量%添加したもの(比較例9)、シャロットエキスを32ppm添加したもの(比較例10)を併せて調製した。これらのコンソメスープについて、無添加品をコントロールとして習熟した10名のパネルにより官能評価を行い、その結果を表7に示した。なお表7中の評価の点数は、表1の基準で採点(1〜7点)した平均点である。
(処方3)
品名 配合量(g)
マルトース 1.000
コンソメ オイル 0.250
食塩 5.000
MSG 0.250
粉糖 1.250
乳糖 0.300
セロリ末 0.125
ペッパー末 0.075
チキンパウダー 3.750
オニオンエキスパウダー 2.500
食塩 2.000
水 983.500
合計 1000.000
Figure 0004508932
表7から明らかなように、コンソメスープにスピラントールを添加することにより、呈味、塩味が増強された。またシャロットエキスを併用することで、呈味、塩味、旨味の増強効果は相乗的に高まった。
[実施例9]ラーメンスープ
処方4のラーメンスープに、実施例6の呈味増強剤をスピラントール含量として100ppb、シャロットエキスを30ppmとなるように0.2質量%添加し本発明のラーメンスープを調製した。比較例として、製造例2の精製スピラントール溶液をスピラントール含量が200ppbとなるように0.4質量%添加したもの(比較例11)、シャロットエキスを32ppm添加したもの(比較例12)を併せて調製した。これらのラーメンスープについて、無添加品をコントロールとして習熟した10名のパネルにより官能評価を行い、その結果を表8に示した。なお表8中の評価の点数は、表1の基準で採点(1〜7点)した平均点である。
(処方4)
品名 配合量(g)
粉末醤油 10.0
食塩 25.0
砂糖 8.0
調味料(アミノ酸等) 5.7
デキストリン 32.2
チキンエキスパウダー 8.0
ポークエキスパウダー 2.0
蛋白加水分解物 3.0
香辛料抽出物 3.1
ホタテエキスパウダー 3.0
合計 100.0
上記粉末20gをお湯500gに溶解する。
Figure 0004508932
表8から明らかなように、ラーメンスープにスピラントールを添加することにより、呈味、塩味が増強された。またスピラントールはシャロットエキスよりも少ない添加量で同等又はそれ以上の呈味増強効果を示し、シャロットエキスを併用することで、呈味、塩味、旨味の増強効果は相乗的に高まった。
[実施例10]豚汁
処方5の豚汁に、実施例6の呈味増強剤をスピラントール含量として100ppb、シャロットエキスを30ppmとなるように0.2質量%添加し本発明の豚汁を調製した。比較例として、製造例2の精製スピラントール溶液をスピラントール含量が200ppbとなるように0.4質量%添加したもの(比較例13)、シャロットエキスを32ppm添加したもの(比較例14)を併せて調製した。これらの豚汁について、無添加品をコントロールとして習熟した10名のパネルにより官能評価を行い、その結果を表9に示した。なお表9中の評価の点数は、表1の基準で採点(1〜7点)した平均点である。
(処方5)
品名 配合量(g)
水 450.0
味噌 105.0
豚肉 150.0
豆腐 120.0
大根 105.0
ごぼう 75.0
人参 60.0
里いも 75.0
長葱 30.0
カツオブシエキス 4.0
コンブエキス 1.0
合計 1175.0
Figure 0004508932
表9から明らかなように、豚汁にスピラントールを添加することにより、呈味、塩味が増強された。またスピラントールはシャロットエキスよりも少ない添加量で同等な呈味増強効果を示し、シャロットエキスを併用することで、呈味、塩味、旨味の増強効果は相乗的に高まった。
本発明の呈味増強剤により、塩味を増強させ、このことによりナトリウム含量を減少させたにもかかわらず、旨味、コク味などの呈味感を維持し、かつ、汎用性のある素材を提供することができる。

Claims (9)

  1. スピラントールと、シャロット抽出物を含有することを特徴とする呈味増強剤。
  2. スピラントールが、オランダセンニチ又はキバナオランダセンニチ由来の抽出物であることを特徴とする請求項に記載の呈味増強剤。
  3. シャロット抽出物が、シャロットから−20〜0℃でアルコール水溶液にて抽出されたものであることを特徴とする請求項1又は2のいずれかの項に記載の呈味増強剤。
  4. 呈味が、塩味及び旨味であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかの項に記載の呈味増強剤。
  5. 請求項1〜4のいずれかの項に記載の呈味増強剤を含有することを特徴とする香味料。
  6. 請求項に記載の香味料を含有することを特徴とする飲食物。
  7. 請求項1〜4のいずれかの項に記載の呈味増強剤を添加することを特徴とする呈味増強方法。
  8. 飲食物に対するスピラントールの添加量が5〜500ppb、シャロット抽出物の添加量が1〜50ppmであることを特徴とする請求項7に記載の呈味増強方法。
  9. 呈味が、塩味及び旨味であることを特徴とする請求項7又は8のいずれかの項に記載の呈味増強方法。




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