JP4581273B2 - Start-up control device for internal combustion engine - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は内燃機関の低温時起動性を改善する起動制御装置に関し、特に、吸気弁の閉時期を可変制御し得る可変動弁手段と、内燃機関の圧縮比(公称圧縮比ε)を可変制御する圧縮比制御手段と、を備えたガソリン機関の低温時の起動性向上技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
本出願人は、先に、吸気弁のリフト・作動角を連続的に拡大,縮小制御可能な可変動弁機構を提案しており(例えば特開平11−107725号公報、特開平11−324625号公報等参照)、さらに、リフトの中心角の位相を遅進させる機構と組み合わせて、リフト特性の大幅な自由度を得るようにした可変動弁機構を提案している。
【0003】
またレシプロ式内燃機関の可変圧縮比機構として、例えば、特開2000−73804号に開示されているように、複リンク式のピストン−クランク機構を利用したものが近年提案されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
−40℃といった極低温時には、シリンダ内に流入する吸入空気の温度が低いだけでなく、ピストンやシリンダなどの燃焼室を構成する構造体の温度も低いために、圧縮時の最高温度は大幅に低下する。これに加えて、燃料の気化、霧化も不十分となるため、混合気の形成も悪化する。さらに、このような低温時には、一般に車載のバッテリの能力が低下しており、また、オイルの粘度も高いため、スタータモータによるクランキングの回転がなかなか上昇しない。これも、速やかな起動を阻害する要因になっている。
【0005】
このような極低温時の起動性悪化に対しては、燃料の霧化を促進する吸気制御弁や、ディーゼル機関で利用されているグロープラグのように筒内の温度を高めるために何らかのエネルギーを直接筒内に加える手段や、吸気ポートにヒータを装着して吸気温度を高める手段、などが既に実用化されているが、基本的には、圧縮上死点における点火時の混合気温度をいかに上昇させるかが重要なポイントとなる。
【0006】
そして、この混合気温度の上昇のためには、圧縮比、特に実圧縮比を高めることが本質的に必要である。
【0007】
本発明は、内燃機関の幾何学的な圧縮比つまり公称圧縮比εを可変制御する圧縮比制御手段と、実圧縮比を左右する吸気弁の閉時期に影響する可変動弁手段との制御の組み合わせによって、起動性とりわけ低温時の起動性を高めることを目的とする。
【0008】
請求項1に係る内燃機関の起動制御装置は、ガソリン機関である内燃機関の吸気弁の閉時期を可変制御する可変動弁手段と、負荷の上昇に伴って公称圧縮比が低下するようにピストン位置の変更によって内燃機関の公称圧縮比を可変制御する圧縮比制御手段と、を有する内燃機関において、機関起動時に、上記圧縮比制御手段により公称圧縮比をアイドリング時相当の高圧縮比に維持したまま、上記可変動弁機構によりクランキングの初期は吸気弁閉時期を下死点から離れた時期に設定し、クランキング開始後に吸気弁閉時期を下死点に近づけることを特徴としている。
【0009】
例えばアイドルや部分負荷域では吸気弁閉時期を下死点よりも早めることでポンプ損失を低減することができるが、内燃機関の公称圧縮比が一定であれば、吸気弁閉時期を下死点よりも早めることで、実圧縮比が低下してしまう。そこで、この発明では、吸気弁閉時期による実圧縮比の変動をも考慮して、クランキング中の実圧縮比が起動性の上で最適となるように、可変動弁手段と圧縮比制御手段とを制御する。
【0011】
すなわち、公称圧縮比εが高いと、スタータモータによるクランキングの回転数が低くなりやすい。クランキング回転数が低いと、混合気に点火しても初爆には至らないため、初期には、クランキング回転数の上昇が優先される。
【0014】
クランキングの初期に吸気弁閉時期を下死点から遅角側もしくは進角側へ離して設定すれば、圧縮比(公称圧縮比ε)を高めてあっても、実圧縮比は低下し、クランキング中のコンプレッションを低下させる所謂デコンプ作用が得られる。そのため、クランキング回転数が上昇する。そして、クランキング開始後に吸気弁閉時期を下死点に近づければ、実圧縮比が上昇し、混合気温度の上昇が図れる。
【0015】
請求項3の発明においては、上記圧縮比制御手段は、複リンク式ピストン−クランク機構からなり、クランクシャフトの回転に対するピストンの往復運動が、単振動運動に近いストローク特性となるように構成されている。このように単振動運動に近いストローク特性とすれば、騒音振動の点で有利となるのは勿論であるが、特に、上死点付近のピストン速度が、一般的な単リンク式ピストン−クランク機構に比べて、20%程度緩やかとなる。これは、特に、冷機時のような燃焼速度が遅い条件下において、初期の火炎核が生成され、かつ成長していく上で、時間余裕が大きく与えられることになり、燃焼を安定させる上で効果がある。
【0016】
請求項4に係る発明においては、上記可変動弁手段は、吸気弁のリフト・作動角を同時にかつ連続的に拡大,縮小制御可能なリフト・作動角可変機構を備え、機関冷間起動時に、上記吸気弁のリフト・作動角が、アイドリング時相当の小さなリフト・作動角に制御される。
【0017】
また請求項5に係る発明においては、上記可変動弁手段は、吸気弁のリフト中心角の位相を遅進させる位相可変機構を備え、上記のクランキング開始後に、上記吸気弁閉時期が下死点前の位置から下死点に近付くように上記リフト中心角が遅角する。
【0018】
この請求項5の発明をさらに限定した請求項6の発明においては、上記可変動弁手段は、吸気弁のリフト・作動角を同時にかつ連続的に拡大,縮小制御可能なリフト・作動角可変機構と、上記位相可変機構と、の双方を備え、上記リフト・作動角に対応して、該リフト・作動角が小さい条件では上記リフト中心角の遅角を増大させるようにしたことを特徴としている。
【0019】
すなわち、リフト・作動角を小さくしつつリフト中心角を遅角することで、吸気弁閉時期は下死点近傍に近づき、実圧縮比が上昇する。また同時に、吸気弁開時期が上死点よりも遅れるようになり、吸入行程前半で負圧が発達した後に、吸気弁が小リフトで開き始める。そのため、音速で筒内に吸気が流入し、燃料および空気が高速で流れるので、混合気形成に極めて有利であり、霧化、気化が促進される。またこのような流速エネルギは最終的には熱エネルギに変換されるため、吸気温度を上昇させる効果がある。従って、幾何学的な圧縮比εを同時に高めておくことで、圧縮上死点の混合気温度は十分な温度に上昇し、初爆に至る。
【0020】
上記圧縮比制御手段は、例えば請求項7のように、上記ピストンにピストンピンを介して連結された第1リンクと、この第1リンクに揺動可能に連結されるとともにクランクシャフトのクランクピン部に回転可能に連結された第2リンクと、上記第2リンクに揺動可能に連結されるとともに機関本体に揺動可能に支持された第3リンクと、を含んで構成される。このような複リンク式ピストン−クランク機構においては、各リンクや支点のアライメントを適切に設定することにより、上述したような単振動運動に近いストローク特性を容易に得ることができる。
【0021】
そして、この構成では、例えば請求項8のように、上記第3リンクの機関本体に対する支点位置を機関運転条件に応じて変化させることで圧縮比の可変制御を行うことができる。すなわち、第3リンクの支点位置の変化に伴って、ピストン上死点でのピストン位置が変化し、公称圧縮比εが変化する。
【0022】
上記リフト・作動角可変機構は、例えば請求項9のように、駆動軸により回転駆動される偏心カムと、この偏心カムの外周に相対回転可能に嵌合したリンクアームと,上記駆動軸と平行に設けられ、かつ偏心カム部を備えた回動可能な制御軸と、この制御軸の偏心カム部に回転可能に装着され、かつ上記リンクアームにより揺動されるロッカアームと、上記駆動軸に回転可能に支持されるとともに、上記ロッカアームにリンクを介して連結され、該ロッカアームに伴って揺動することにより吸気弁のタペットを押圧する揺動カムと、を備えており、上記制御軸の偏心カム部の回動位置を変化させることにより吸気弁のリフト・作動角が同時に増減変化するように構成される。
【0023】
また上記位相可変機構は、例えば請求項10のように、チェーンまたはタイミングベルトを介して上記クランクシャフトにより回転駆動されるカムスプロケットと、このカムスプロケットにより回転駆動されるカムシャフトと、上記カムスプロケットと上記カムシャフトとの位相を変化させる機構と、を含んで構成される。
【0024】
特に、バッテリ能力が低下する極低温時においても、クランキング回転数を十分に上昇させることができ、確実に起動させることができる。
【0025】
特に請求項2〜4によれば、バッテリ能力が低下する極低温時においても、クランキング回転数を十分に上昇させることができ、一層確実に起動させることができる。
【0026】
さらに、請求項3のように圧縮比制御手段を構成する複リンク式ピストン−クランク機構が単振動運動に近いストローク特性となるようにすれば、上死点付近のピストン速度が、一般的な単リンク式ピストン−クランク機構に比べて緩やかとなることから、燃焼速度が遅い冷機時に、初期の火炎核の成長が十分に可能となり、燃焼を安定させることができる。
【0027】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の好ましい実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
【0028】
図1は、この発明に係る内燃機関の起動制御装置の一実施例を示している。この起動制御装置は、吸気弁閉時期を可変制御するための可変動弁機構101と、内燃機関の公称圧縮比εを可変制御する圧縮比可変機構102と、を備えている。
【0029】
図2は、上記可変動弁機構101の構成を示す構成説明図であり、この可変動弁機構は、吸気弁12のリフト・作動角を変化させるリフト・作動角可変機構1と、そのリフトの中心角の位相(クランクシャフトに対する位相)を進角もしくは遅角させる位相可変機構2と、が組み合わされて構成されている。
【0030】
まず、図3の動作説明図を併せて、リフト・作動角可変機構1を説明する。なお、このリフト・作動角可変機構1は、本出願人が先に提案したものであるが、例えば特開平11−107725号公報等によって公知となっているので、その概要のみを説明する。
【0031】
リフト・作動角可変機構1は、シリンダヘッド51上部の図示せぬカムブラケットに回転自在に支持された中空状の駆動軸13と、この駆動軸13に、圧入等により固定された偏心カム15と、上記駆動軸13の上方位置に同じカムブラケットによって回転自在に支持されるとともに駆動軸13と平行に配置された制御軸16と、この制御軸16の偏心カム部17に揺動自在に支持されたロッカアーム18と、各吸気弁12の上端部に配置されたタペット19に当接する揺動カム20と、を備えている。上記偏心カム15とロッカアーム18とはリンクアーム25によって連係されており、ロッカアーム18と揺動カム20とは、リンク部材26によって連係されている。
【0032】
上記駆動軸13は、後述するように、タイミングチェーンないしはタイミングベルトを介して機関のクランクシャフトによって駆動されるものである。
【0033】
上記偏心カム15は、円形外周面を有し、該外周面の中心が駆動軸13の軸心から所定量だけオフセットしているとともに、この外周面に、リンクアーム25の環状部25aが回転可能に嵌合している。
【0034】
上記ロッカアーム18は、略中央部が上記偏心カム部17によって支持されており、その一端部に、上記リンクアーム25の延長部25bが連係しているとともに、他端部に、上記リンク部材26の上端部が連係している。上記偏心カム部17は、制御軸16の軸心から偏心しており、従って、制御軸16の角度位置に応じてロッカアーム18の揺動中心は変化する。
【0035】
上記揺動カム20は、駆動軸13の外周に嵌合して回転自在に支持されており、側方へ延びた端部20aに、上記リンク部材26の下端部が連係している。この揺動カム20の下面には、駆動軸13と同心状の円弧をなす基円面24aと、該基円面24aから上記端部20aへと所定の曲線を描いて延びるカム面24bと、が連続して形成されており、これらの基円面24aならびにカム面24bが、揺動カム20の揺動位置に応じてタペット19の上面に当接するようになっている。
【0036】
すなわち、上記基円面24aはベースサークル区間として、リフト量が0となる区間であり、図3に示すように、揺動カム20が揺動してカム面24bがタペット19に接触すると、徐々にリフトしていくことになる。なお、ベースサークル区間とリフト区間との間には若干のランプ区間が設けられている。
【0037】
上記制御軸16は、図1,2に示すように、一端部に設けられたリフト・作動角制御用油圧アクチュエータ31によって所定角度範囲内で回転するように構成されている。このリフト・作動角制御用油圧アクチュエータ31への油圧供給は、エンジンコントロールユニット33からの制御信号に基づき、第1油圧制御部32によって制御されている。
【0038】
このリフト・作動角可変機構1の作用を説明すると、駆動軸13が回転すると、偏心カム15のカム作用によってリンクアーム25が上下動し、これに伴ってロッカアーム18が揺動する。このロッカアーム18の揺動は、リンク部材26を介して揺動カム20へ伝達され、該揺動カム20が揺動する。この揺動カム20のカム作用によって、タペット19が押圧され、吸気弁12がリフトする。
【0039】
ここで、リフト・作動角制御用油圧アクチュエータ31を介して制御軸16の角度が変化すると、ロッカアーム18の初期位置が変化し、ひいては揺動カム20の初期揺動位置が変化する。
【0040】
例えば偏心カム部17が図3(A)のように上方へ位置しているとすると、ロッカアーム18は全体として上方へ位置し、揺動カム20の端部20aが相対的に上方へ引き上げられた状態となる。つまり、揺動カム20の初期位置は、そのカム面24bがタペット19から離れる方向に傾く。従って、駆動軸13の回転に伴って揺動カム20が揺動した際に、基円面24aが長くタペット19に接触し続け、カム面24bがタペット19に接触する期間は短い。従って、リフト量が全体として小さくなり、かつその開時期から閉時期までの角度範囲つまり作動角も縮小する。
【0041】
逆に、偏心カム部17が図3(B)のように下方へ位置しているとすると、ロッカアーム18は全体として下方へ位置し、揺動カム20の端部20aが相対的に下方へ押し下げられた状態となる。つまり、揺動カム20の初期位置は、そのカム面24bがタペット19に近付く方向に傾く。従って、駆動軸13の回転に伴って揺動カム20が揺動した際に、タペット19と接触する部位が基円面24aからカム面24bへと直ちに移行する。従って、リフト量が全体として大きくなり、かつその作動角も拡大する。
【0042】
上記の偏心カム部17の初期位置は連続的に変化させ得るので、これに伴って、バルブリフト特性は、図4に示すように、連続的に変化する。つまり、リフトならびに作動角を、両者同時に、連続的に拡大,縮小させることができる。なお、この実施例では、リフト・作動角の大小変化に伴い、吸気弁12の開時期と閉時期とがほぼ対称に変化する。
【0043】
次に、位相可変機構2は、図2に示すように、上記駆動軸13の前端部に設けられたスプロケット35と、このスプロケット35と上記駆動軸13とを、所定の角度範囲内において相対的に回転させる位相制御用油圧アクチュエータ36と、から構成されている。上記スプロケット35は、図示せぬタイミングチェーンもしくはタイミングベルトを介して、クランクシャフトに連動している。上記位相制御用油圧アクチュエータ36への油圧供給は、エンジンコントロールユニット33からの制御信号に基づき、第2油圧制御部37によって制御されている。
この位相制御用油圧アクチュエータ36への油圧制御によって、スプロケット35と駆動軸13とが相対的に回転し、図5に示すように、リフト中心角が遅進する。つまり、リフト特性の曲線自体は変わらずに、全体が進角もしくは遅角する。また、この変化も、連続的に得ることができる。位相可変機構2としては、油圧式のものに限られず、電磁式アクチュエータを利用したものなど、種々の構成が可能である。
【0044】
なお、リフト・作動角可変機構1ならびに位相可変機構2の制御としては、実際のリフト・作動角あるいは位相を検出するセンサを設けて、クローズドループ制御するようにしても良く、あるいは運転条件に応じて単にオープンループ制御するようにしても良い。
【0045】
図6は、可変圧縮比機構102の構成を示す図である。
【0046】
クランクシャフト51は、複数のジャーナル部52とクランクピン部53とを備えており、シリンダブロック50の主軸受に、ジャーナル部52が回転自在に支持されている。上記クランクピン部53は、ジャーナル部52から所定量偏心しており、ここに第2リンクとなるロアリンク54が回転自在に連結されている。
【0047】
上記ロアリンク54は、左右の2部材に分割可能に構成されているとともに、略中央の連結孔に上記クランクピン部53が嵌合している。
【0048】
第1リンクとなるアッパリンク55は、下端側が連結ピン56によりロアリンク54の一端に回動可能に連結され、上端側がピストンピン57によりピストン58に回動可能に連結されている。上記ピストン58は、燃焼圧力を受け、シリンダブロック50のシリンダ59内を往復動する。なお、上記シリンダ59の上部に、上記吸気弁12および図示せぬ排気弁が配置されている。
【0049】
第3リンクとなるコントロールリンク60は、上端側が連結ピン61によりロアリンク54の他端に回動可能に連結され、下端側が制御軸62を介して機関本体の一部となるシリンダブロック50の下部に回動可能に連結されている。詳しくは、制御軸62は、回転可能に機関本体に支持されているとともに、その回転中心から偏心している偏心カム部62aを有し、この偏心カム部62aに上記コントロールリンク60下端部が回転可能に嵌合している。
【0050】
上記制御軸62は、エンジンコントロールユニット33(図1参照)からの制御信号に基づき、電動モータを用いた圧縮比制御アクチュエータ63によって回動位置が制御される。
【0051】
上記のような複リンク式ピストン−クランク機構を用いた可変圧縮比機構102においては、上記制御軸62が圧縮比制御アクチュエータ63によって回動されると、偏心カム部62aの中心位置、特に、機関本体に対する相対位置が変化する。これにより、コントロールリンク60の下端の揺動支持位置が変化する。
そして、上記コントロールリンク60の揺動支持位置が変化すると、ピストン58の行程が変化し、図8のように、ピストン上死点(TDC)におけるピストン58の位置が高くなったり低くなったりする。これにより、機関圧縮比を変えることが可能となる。図8は、高圧縮比状態と低圧縮比状態とを代表的に示しているが、これらの間で圧縮比を連続的に変化させることができる。
【0052】
また、上記の複リンク式可変圧縮比機構102においては、リンクディメンジョンを適切に選定することにより、図7に示すような単振動に近いピストンストローク特性が得られる。この単振動に近いストローク特性は振動騒音の上でも有利ではあるが、特に、上死点付近のピストン速度が、一般的な単リンク式ピストン−クランク機構に比べて、20%前後緩やかとなる。これは、前述したように、特に冷機時のような燃焼速度が遅い条件下で、初期の火炎核の生成、成長の上で有利となる。
【0053】
上記可変圧縮比機構102による圧縮比の制御特性を図9に示す。なお、この圧縮比は、ピストン58のストロークによる燃焼室の容積変化のみで決まる幾何学的な圧縮比εである。可変動弁機構101と組み合わせた本発明では、最終的な実圧縮比は、吸気弁閉時期の制御によって左右される。つまり、吸気弁12が閉じた時点から実質的な圧縮が開始するため、公称圧縮比εが高くても、吸気弁閉時期が下死点よりも早くなると実圧縮比は低下することになる。
【0054】
図10は、代表的な運転条件下での可変動弁機構101による吸気弁閉時期の制御を示す。なお、それぞれに対応する点(あるいは領域)を図9に付記してある。図示するように、▲1▼アイドリングおよび▲2▼部分負荷域(R/L域)では、小作動角とするとともにリフト中心角Φを進角させる。従って、吸気弁閉時期も下死点より相当早い特性となる。これにより、大幅なポンプ損失の低減が図れる。
ここで、もし公称圧縮比εが通常のレベルであると、実圧縮比が低下して燃焼が悪化するため、図9に示すように、このような低負荷領域では圧縮比εを高めている。
【0055】
▲3▼加速領域では吸気充填効率を高める必要から、吸気弁閉時期が下死点に近づくように可変動弁機構101を制御する。そのため、ノック発生を事前に防止する上からも、圧縮比εを低下させることが必要となる。▲4▼▲5▼全開出力時は、充填効率を最大とするために、作動角を十分に拡大し、吸気弁開時期を上死点近傍とするとともに、吸気弁閉時期を下死点近傍とする。従って実圧縮比が高くなる傾向となるので、可変圧縮比機構102による圧縮比εはさらに低下させる。特にノッキングの厳しい▲4▼低速全負荷域では、通常のレベルの圧縮比εに近づけることが必要となる。▲5▼高速全負荷域では、作動角をさらに拡大するとともに、中心角を遅角し、閉時期が下死点よりもさらに遅れたものとすることになるが、この高速時は、ノッキング発生の要因となる過酸化物等の化学反応が進行する前に燃焼が終わるため、圧縮比εは低速より高めることが可能である。なお、これにより膨張比も高くなるため、排気温度が低下し、排気系に設けられた触媒の劣化を防止できる点でも有利となる。
【0056】
このように、本実施例では、吸気弁12の作動角とリフト中心角、ならびに圧縮比が、予め用意された制御マップに基づいて制御される。なお、図1に示したように、本実施例では、ノッキング発生を検出するノッキングセンサ71がシリンダブロック50等に設けられており、このノッキングによっても圧縮比ε等が修正されるようになっている。また、72は点火進角制御装置である。
【0057】
次に、起動時の制御について説明する。
【0058】
図11のタイムチャートは、冷機状態において、スタータモータによるクランキング開始から初爆を経て機関が自立運転に移行するまでの状況を示している。
本実施例では、圧縮比εは機関停止直前の状態を維持するようになっており、通常は、一旦アイドリング運転となってからキーOFFとなるのが一般的であるから、この例では高い圧縮比の設定となっている。同様に吸気弁12の作動角もアイドリング時の設定であり、最小作動角に近い状態に保たれている。吸気弁閉時期(IVC)は、クランキング開始時は下死点前に進角されており、実圧縮比は最高値よりは相当低下している。このため、クランキング開始時に、過大なコンプレッションが避けられる所謂デコンプ効果が得られ、所定回転数まで速やかにクランキング回転数が上昇する。クランキング回転数が低すぎると燃料噴射をして点火しても初爆にはいたらないため、このように、実圧縮比よりもクランキング回転数を上昇させる方が優先される。
【0059】
クランキング回転数が所定以上の値になったところで、吸気弁12のリフト中心角φが遅角される。これに伴い、吸気弁閉時期は下死点近傍に近づき、実圧縮比が上昇する。また同時に吸気弁開時期(IVO)は上死点よりも遅れることになるが、これにより、吸入行程前半で負圧が発達し、吸気弁12が小リフトで開き始めると、筒内に音速で燃料や空気が吸入されるので、混合気形成に極めて有利となり、燃料の霧化や気化が促進される。しかも、このような流速エネルギは最終的には熱エネルギーに変換されるため、吸気温度を上昇させる効果もある。
【0060】
幾何学的な圧縮比εはもともと高いため、実圧縮比の上昇によって、圧縮上死点の混合気温度は十分な温度に上昇し、初爆に至る。なお、初爆後も安定した燃焼維持のためには、このような高圧縮比状態を維持するのが好ましい。
【0061】
次に、図12のタイムチャートは、アイドリング以外など、圧縮比εが高くない条件で急に機関を停止させ、翌朝まで放置した後に、冷機始動を迎えたような場合の起動時の制御を示している。この場合の初期の条件は様々であるが、基本的な制御の考え方は、前述した例と同じである。この図示例では、キーON時に低圧縮比となっているので、クランキング初期には、低圧縮比の状態のままとし、クランキング回転数の上昇を促進する。そして、クランキング回転数が所定値以上になったところで、高圧縮比状態に移行する。同時に、リフト中心角Φを遅角させ、吸気弁閉時期を下死点に近づける。これにより、前述した例と同様に、良好な起動が可能となる。なお、この図12の例でリフト中心角Φの遅角量が少ないのは、吸気弁作動角EAが図11の例より大きくなっているため、吸気弁閉時期を下死点に近づける上で必要な遅角量が少ないためである。
【0062】
図13は、上述した起動時の制御の流れを示すフローチャートである。まず、イグニッションキーがON(ステップ1)となったときに、冷却水温が所定温度以上(ステップ2)であれば、別の暖機時の制御(ステップ3)へ進む。冷機状態であれば、ステップ4へ進んで、冷機時における圧縮比ε、作動角EA、リフト中心角Φの各制御マップを読み込む。そして、ステップ5でそのときの実際の圧縮比εの状態を判別し、高圧縮比状態であれば、ステップ6以降へ進んで、図11に相当する制御を実行する。また、低圧縮比状態であれば、ステップ11以降へ進んで、図12に相当する制御を実行する。
【0063】
すなわち、高圧縮比状態の場合は、クランキング回転数が所定回転数に達する(ステップ6)まで待ってから、作動角EAが目標値となるように、リフト・作動角可変機構1を制御する(ステップ7,8)。同時に、リフト中心角Φが目標値となるように、位相可変機構2を制御する(ステップ9,10)。
【0064】
低圧縮比状態の場合は、やはりクランキング回転数が所定回転数に達する(ステップ11)まで待ってから、作動角EAが目標値となるように、リフト・作動角可変機構1を制御する(ステップ12,13)とともに、リフト中心角Φが目標値となるように、位相可変機構2を制御する(ステップ14,15)。さらに同時に、圧縮比εの制御を開始し、圧縮比εが目標値となるように、圧縮比機構102を制御する(ステップ16,17)。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に係る起動制御装置のシステム全体を示す構成説明図。
【図2】この実施例における可変動弁機構を示す斜視図。
【図3】リフト・作動角可変機構の動作説明図。
【図4】リフト・作動角可変機構によるリフト・作動角の特性変化を示す特性図。
【図5】位相可変機構によるバルブリフト特性の位相変化を示す特性図。
【図6】この実施例における可変圧縮比機構を示す正面図。
【図7】この可変圧縮比機構となる複リンク式ピストン−クランク機構のピストンストローク特性を示す特性図。
【図8】可変圧縮比機構の動作説明図。
【図9】圧縮比制御特性を示す特性図。
【図10】代表的な運転条件でのバルブリフト特性を示す特性図。
【図11】高圧縮比状態からの冷機起動時の各部の動作を示すタイムチャート。
【図12】低圧縮比状態からの冷機起動時の各部の動作を示すタイムチャート。
【図13】起動時の制御の流れを示すフローチャート。
【符号の説明】
101…可変動弁機構
102…可変圧縮比機構
1…リフト・作動角可変機構
2…位相可変機構[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a start control device for improving startability at low temperatures of an internal combustion engine, and in particular, variable valve means capable of variably controlling the closing timing of an intake valve, and variably controlling a compression ratio (nominal compression ratio ε) of the internal combustion engine. The invention relates to a technology for improving startability at a low temperature of a gasoline engine provided with a compression ratio control means.
[0002]
[Prior art]
The present applicant has previously proposed a variable valve mechanism capable of continuously increasing and reducing the lift and operating angle of the intake valve (for example, JP-A-11-107725, JP-A-11-324625). In addition, a variable valve mechanism has been proposed in which a significant degree of freedom in lift characteristics is obtained in combination with a mechanism that retards the phase of the center angle of the lift.
[0003]
As a variable compression ratio mechanism of a reciprocating internal combustion engine, a mechanism using a multi-link type piston-crank mechanism has been proposed in recent years, as disclosed in, for example, Japanese Patent Application Laid-Open No. 2000-73804.
[0004]
[Problems to be solved by the invention]
At extremely low temperatures such as -40 ° C, not only is the temperature of the intake air flowing into the cylinder low, but the temperature of the structure that constitutes the combustion chamber such as the piston and cylinder is also low. descend. In addition to this, fuel vaporization and atomization become insufficient, and the formation of the air-fuel mixture also deteriorates. Further, at such a low temperature, the capacity of the battery mounted on the vehicle is generally reduced, and the viscosity of the oil is high, so that the cranking rotation by the starter motor does not readily increase. This is also a factor that hinders quick start-up.
[0005]
For such deterioration in starting performance at extremely low temperatures, some energy is used to increase the temperature inside the cylinder, such as an intake control valve that promotes atomization of fuel and a glow plug used in diesel engines. The means to add directly to the cylinder and the means to increase the intake air temperature by attaching a heater to the intake port have already been put into practical use. The key point is to raise it.
[0006]
In order to increase the mixture temperature, it is essential to increase the compression ratio, particularly the actual compression ratio.
[0007]
The present invention provides control of compression ratio control means that variably controls the geometric compression ratio of the internal combustion engine, that is, the nominal compression ratio ε, and variable valve means that affects the closing timing of the intake valve that affects the actual compression ratio. The object is to improve the startability, particularly at low temperatures, by combining them.
[0008]
Activation control apparatus for an internal combustion engine according to
[0009]
For example, in idle and partial load ranges, pump loss can be reduced by making the intake valve closing timing earlier than the bottom dead center, but if the nominal compression ratio of the internal combustion engine is constant, the intake valve closing timing is set to the bottom dead center. If it is made earlier, the actual compression ratio will decrease. Therefore, in the present invention, the variable valve means and the compression ratio control means are set so that the actual compression ratio during cranking is optimal in terms of startability, taking into account the fluctuation of the actual compression ratio due to the intake valve closing timing. And control.
[0011]
That is, when the nominal compression ratio ε is high, the number of cranking rotations by the starter motor tends to be low. If the cranking speed is low, the first explosion will not occur even if the air-fuel mixture is ignited. Therefore, in the initial stage, an increase in the cranking speed is prioritized .
[0014]
If the intake valve closing timing is set away from the bottom dead center to the retard side or advance side at the initial stage of cranking , the actual compression ratio will decrease even if the compression ratio (nominal compression ratio ε) is increased. A so-called decompression action that reduces the compression during cranking is obtained. As a result , the cranking speed increases. Then, when brought closer to the intake valve closing timing after the cranking start to the bottom dead center, the actual compression ratio is increased, increase in gas mixture temperature Ru Hakare.
[0015]
According to a third aspect of the present invention, the compression ratio control means comprises a multi-link piston-crank mechanism, and is configured such that the reciprocating motion of the piston with respect to the rotation of the crankshaft has a stroke characteristic close to a single vibration motion. Yes. The stroke characteristics close to the single vibration motion are advantageous in terms of noise and vibration. In particular, the piston speed near the top dead center is a general single link piston-crank mechanism. Compared to, it will be 20% slower. This is because, in particular, under conditions where the combustion speed is slow, such as when cold, the initial flame kernel is generated and grows, so that a large time margin is given to stabilize the combustion. effective.
[0016]
In the invention according to
[0017]
In the invention according to
[0018]
In the invention of claim 6 further restricting the invention of
[0019]
That is, by reducing the lift center angle while reducing the lift / operation angle, the intake valve closing timing approaches the bottom dead center, and the actual compression ratio increases. At the same time, the intake valve opening timing comes later than the top dead center, and after the negative pressure develops in the first half of the intake stroke, the intake valve starts to open with a small lift. Therefore, the intake air flows into the cylinder at the speed of sound, and the fuel and air flow at a high speed, which is extremely advantageous for air-fuel mixture formation, and atomization and vaporization are promoted. Further, since such flow velocity energy is finally converted into heat energy, there is an effect of increasing the intake air temperature. Therefore, by simultaneously increasing the geometric compression ratio ε, the mixture temperature at the compression top dead center rises to a sufficient temperature, leading to the first explosion.
[0020]
The compression ratio control means, for example as in
[0021]
Then, this structure, for example as in
[0022]
The lift operating angle variable mechanism, for example, as according to
[0023]
Also the phase variable mechanism, for example, as according to
[0024]
In particular, even in the extremely low temperature of the battery capacity is reduced, it is possible to sufficiently increase the cranking rotation speed, it is possible to reliably start.
[0025]
In particular, according to the second to fourth aspects, the cranking rotation speed can be sufficiently increased even at an extremely low temperature when the battery capacity is lowered, and the start-up can be started more reliably.
[0026]
Further, if the multi-link type piston-crank mechanism constituting the compression ratio control means has a stroke characteristic close to a single vibration motion as in
[0027]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
Hereinafter, preferred embodiments of the present invention will be described in detail with reference to the drawings.
[0028]
FIG. 1 shows an embodiment of a start control device for an internal combustion engine according to the present invention. This activation control device includes a
[0029]
FIG. 2 is an explanatory diagram showing the configuration of the
[0030]
First, the lift / operating angle
[0031]
The lift / operating angle
[0032]
As will be described later, the
[0033]
The
[0034]
The
[0035]
The rocking
[0036]
That is, the
[0037]
As shown in FIGS. 1 and 2, the
[0038]
The operation of the variable lift /
[0039]
Here, when the angle of the
[0040]
For example, if the
[0041]
Conversely, if the
[0042]
Since the initial position of the
[0043]
Next, as shown in FIG. 2, the phase
By this hydraulic control to the phase control
[0044]
The lift / working
[0045]
FIG. 6 is a diagram illustrating a configuration of the variable
[0046]
The
[0047]
The
[0048]
The
[0049]
The control link 60 serving as the third link is pivotally connected at its upper end side to the other end of the
[0050]
The rotational position of the
[0051]
In the variable
When the swing support position of the control link 60 changes, the stroke of the
[0052]
Further, in the above-described multi-link variable
[0053]
FIG. 9 shows the control characteristics of the compression ratio by the variable
[0054]
FIG. 10 shows control of the intake valve closing timing by the
Here, if the nominal compression ratio ε is at a normal level, the actual compression ratio is reduced and combustion is worsened. Therefore, as shown in FIG. 9, the compression ratio ε is increased in such a low load region. .
[0055]
(3) Since it is necessary to increase the intake charging efficiency in the acceleration region, the
[0056]
Thus, in the present embodiment, the operating angle and lift center angle of the
[0057]
Next, control at startup will be described.
[0058]
The time chart of FIG. 11 shows the situation from the start of cranking by the starter motor until the engine shifts to a self-sustained operation after the first explosion in the cold state.
In this embodiment, the compression ratio ε is maintained at a state immediately before the engine is stopped. Normally, the idling operation is first performed and then the key is turned off. The ratio is set. Similarly, the operating angle of the
[0059]
When the cranking rotational speed reaches a value greater than or equal to a predetermined value, the lift center angle φ of the
[0060]
Since the geometric compression ratio ε is originally high, the mixture temperature at the compression top dead center rises to a sufficient temperature due to the increase in the actual compression ratio, leading to the first explosion. In order to maintain stable combustion even after the first explosion, it is preferable to maintain such a high compression ratio state.
[0061]
Next, the time chart of FIG. 12 shows the control at the time of start-up when the engine is suddenly stopped under conditions where the compression ratio ε is not high, such as other than idling, and left to stand until the next morning, and then the cold engine is started. ing. There are various initial conditions in this case, but the basic concept of control is the same as the example described above. In this illustrated example, since the compression ratio is low when the key is ON, the low compression ratio is maintained at the initial stage of cranking, and the increase in the cranking rotation speed is promoted. Then, when the cranking rotational speed becomes equal to or higher than a predetermined value, the state shifts to the high compression ratio state. At the same time, the lift center angle Φ is retarded and the intake valve closing timing is brought close to the bottom dead center. As a result, similar to the above-described example, it is possible to start up well. In the example of FIG. 12, the amount of retardation of the lift center angle Φ is small because the intake valve operating angle EA is larger than that of the example of FIG. 11, so that the intake valve closing timing is brought close to the bottom dead center. This is because the required amount of retardation is small.
[0062]
FIG. 13 is a flowchart showing a flow of control at the time of startup described above. First, when the ignition key is turned on (step 1) and the cooling water temperature is equal to or higher than the predetermined temperature (step 2), the process proceeds to another warm-up control (step 3). If it is in the cold state, the process proceeds to step 4 to read the control maps of the compression ratio ε, the operating angle EA, and the lift center angle Φ in the cold state. Then, in
[0063]
That is, in the high compression ratio state, the lift / working
[0064]
In the case of the low compression ratio state, after waiting until the cranking rotational speed reaches the predetermined rotational speed (step 11), the lift / operating angle
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is an explanatory diagram showing the entire system of an activation control apparatus according to the present invention.
FIG. 2 is a perspective view showing a variable valve mechanism in this embodiment.
FIG. 3 is an operation explanatory diagram of a lift / operating angle variable mechanism.
FIG. 4 is a characteristic diagram showing changes in lift / operating angle characteristics by a lift / operating angle variable mechanism;
FIG. 5 is a characteristic diagram showing a phase change of a valve lift characteristic by a phase variable mechanism.
FIG. 6 is a front view showing a variable compression ratio mechanism in this embodiment.
FIG. 7 is a characteristic diagram showing piston stroke characteristics of a multi-link type piston-crank mechanism serving as a variable compression ratio mechanism.
FIG. 8 is an operation explanatory diagram of a variable compression ratio mechanism.
FIG. 9 is a characteristic diagram showing compression ratio control characteristics.
FIG. 10 is a characteristic diagram showing valve lift characteristics under typical operating conditions.
FIG. 11 is a time chart showing the operation of each part at the time of cold start from a high compression ratio state.
FIG. 12 is a time chart showing the operation of each part at the time of cold start from a low compression ratio state.
FIG. 13 is a flowchart showing a flow of control at startup.
[Explanation of symbols]
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