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JP4564454B2 - 塗布方法及び塗布装置及び塗布処理プログラム - Google Patents

塗布方法及び塗布装置及び塗布処理プログラム Download PDF

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Description

本発明は、長尺形のノズルを用いて被処理基板上に処理液の塗布膜を形成する塗布方法、塗布装置および塗布処理プログラムに関する。
LCD等のフラットパネルディスプレイ(FPD)の製造プロセスにおけるフォトリソグラフィー工程には、スリット状の吐出口を有する長尺形のレジストノズルを走査して被処理基板(ガラス基板等)上にレジスト液を塗布するスピンレスの塗布法がよく用いられている。
このようなスピンレス塗布法は、たとえば特許文献1に開示されるように、載置台またはステージ上に基板を水平に載置して、このステージ上の基板と長尺形レジストノズルの吐出口との間に数100μm以下の微小なギャップを設定し、基板上方でレジストノズルを走査方向(一般にノズル長手方向と直交する水平方向)に移動させながら基板上にレジスト液を帯状に吐出させて塗布する。長尺形レジストノズルを基板の一端から他端まで1回移動させるだけで、レジスト液を基板の外に落とさずに所望の膜厚でレジスト塗布膜を基板上に形成することができる。
特開平10−156255
従来のスピンレス塗布法は、レジスト塗布膜の膜厚制御に改善の余地があり、特に面内均一性が課題となっている。具体的には、塗布走査の終端部においてレジスト液供給源のポンプを止めてそのままレジストノズルを基板の外側または上方へ退避させるだけでは、レジストノズル内のレジスト液が基板上のレジスト液膜に繋がったまま吐き出されてから液切りが行われるため、塗布走査方向の基板後端部でレジスト塗布膜が盛り上がりやすいという問題がある。
一般に、基板上面(被処理面)の周縁部に所定幅のマージン領域が設定され、そのマージン領域の内側の製品領域にデバイスが形成される。したがって、レジスト塗布処理においては、製品領域がレジスト塗布膜の膜厚を保証しなければならない保証領域であり、保証領域の全域でレジスト塗布膜の膜厚が所定の許容範囲内に収まっていればよく、周辺のマージン領域内に許容範囲を超える盛り上がりが生じても、レジスト塗布膜の膜厚プロファイルが不良であることにはならない。
もっとも、マージン領域に塗布された周辺レジストはパーティクルの原因となるおそれがあるため、周辺露光機等を用いて後工程で除去するようにしている。しかし、レジストの膜厚が大きいとこれを十全に除去しきれないことがあり、この点で上記のような塗布走査終端部におけるレジスト塗布膜の盛り上がりが問題となる。
このような塗布走査終端部におけるレジスト塗布膜の盛り上がりを抑制するために、塗布走査の終了位置を基板上に設定してそこにレジストノズルをいったん停止させ、ノズル停止または静止状態の下でレジスト液供給源のポンプを逆転させることにより基板上からレジスト液を吸い取る、いわゆるサックバック法が従来から行われている。
ところが、従来技術の下でサックバック法を用いると、レジストノズルを介したレジスト液の吸い取りによるレジスト塗布膜の薄膜化がマージン領域内に止まらず膜厚保証領域にも及んで、膜厚保証領域内のレジスト膜厚が設定値または許容範囲以下に低下するおそれがあった。
本発明は、かかる従来技術の問題点に鑑みてなされたものであって、長尺形ノズルを用いるスピンレス塗布法において塗布走査終了部付近の膜厚制御性を改善して塗布品質を向上させる塗布方法、塗布装置および塗布処理プログラムを提供することを目的とする。
上記の目的を達成するために、本発明の第1の塗布方法は、被処理基板と長尺形ノズルの吐出口とを微小なギャップを隔ててほぼ水平に対向させ、前記基板に対して前記ノズルより処理液を供給しながら前記ノズルを相対的に水平方向で移動させる塗布走査を行って、前記基板上に前記処理液の塗布膜を形成する塗布方法であって、前記基板上に前記ノズルを相対的に停止させる走査終点位置を設定する工程と、前記塗布走査の終盤で、前記基板に対する前記ノズルの相対的な水平移動の速度を、第1の水平移動速度からそれよりも高い第2の水平移動速度までいったん上昇させ、次いで前記第2の水平移動速度から実質的に零に等しい第3の水平移動速度まで減少させて、前記ノズルを前記走査終点位置に着かせる工程と、前記塗布走査の終盤で、前記基板と前記ノズルとの間のギャップを、第1の距離間隔からそれよりも小さな第2の距離間隔まで減少させる工程と、前記塗布走査の終盤または終了後に、前記ノズルからの前記基板に対する処理液の供給を停止させる工程と、前記走査終点位置に着いた前記ノズルに前記基板上の処理液を所定量だけ吸い取らせる工程とを有する。
本発明の第1の塗布装置は、被処理基板をほぼ水平に支持するための基板支持部と、塗布走査中に前記基板の上面に微小なギャップを隔てて処理液を吐出するための長尺形のノズルと、塗布走査中に前記ノズルに前記処理液を圧送するための処理液供給源と、塗布走査中に前記ノズルを前記基板に対して相対的に水平方向で移動させるための走査部と、前記ノズルを前記基板に対して相対的に鉛直方向で移動させるための昇降部と、前記走査部を制御して、塗布走査の終盤で、前記基板に対する前記ノズルの相対的な水平移動の速度を、第1の水平移動速度からそれよりも高い第2の水平移動速度までいったん上昇させ、次いで前記第2の水平移動速度から実質的に零に等しい第3の水平移動速度まで所定の減速率で減少させて、前記ノズルを予め設定した走査終点位置に着かせ、前記昇降部を制御して、塗布走査の終盤で、前記基板と前記ノズルとの間のギャップを第1の距離間隔からそれよりも小さな第2の距離間隔まで減少させ、前記処理液供給源を制御して、塗布走査の終盤または終了後に、前記ノズルに対する前記処理液の圧送を停止させ、かつ前記走査終点位置に着いた前記ノズルを通じて前記基板上の処理液を所定量だけ吸い取らせる制御部とを有する。
本発明の第1の塗布処理プログラムは、被処理基板と長尺形ノズルの吐出口とを微小なギャップを隔ててほぼ水平に対向させ、前記基板に対して前記ノズルより処理液を供給しながら前記ノズルを相対的に水平方向で移動させる塗布走査を行って、前記基板上に前記処理液の塗布膜を形成するための塗布処理プログラムであって、前記基板上に前記ノズルを相対的に停止させる走査終点位置を設定するステップと、前記塗布走査の終盤で、前記基板に対する前記ノズルの相対的な水平移動の速度を、第1の水平移動速度からそれよりも高い第2の水平移動速度までいったん上昇させ、次いで前記第2の水平移動速度から実質的に零に等しい第3の水平移動速度まで減少させて、前記ノズルを前記走査終点位置に着かせるステップと、前記塗布走査の終盤で、前記基板と前記ノズルとの間のギャップを、第1の距離間隔からそれよりも小さな第2の距離間隔まで所定の垂直移動速度で減少させるステップと、前記塗布走査の終盤または終了後に、前記ノズルからの前記基板に対する処理液の供給を停止させるステップと、前記走査終点位置に着いた前記ノズルに前記基板上の処理液を所定量だけ吸い取らせるステップとを実行する。
上記第1の塗布方法、塗布装置および塗布処理プログラムにおいては、長尺形のノズルが微小なギャップを介して基板上に処理液を帯状に吐出しながら水平方向に相対的に移動することにより、走査方向において基板の前端側から後端側に向かって処理液の塗布膜が形成されていく。この塗布走査中、基板上に吐出された処理液がぬれ現象により走査方向においてノズルの背面下部に付着して高さ方向に広がり(盛り上がり)、ノズル長手方向に延びるメニスカスが形成される。そして、塗布走査の終盤に所定の走査位置またはタイミングで(好ましくは、基板の外周エッジから基板中心側に所定の距離だけオフセットした位置を通る境界よりも内側に塗布膜の膜厚を保証すべき領域を設定し、塗布走査の方向においてノズルが境界付近を通過するタイミングで)、走査速度を瞬間的に上昇(急加速)させることにより、それまでノズルの背面下部に付着または追従してきたメニスカスの処理液盛り上がり部をノズルから分離せしめて、走査方向においてノズルの後方に置き去りにする。そして、走査終了直後に基板上の走査終点位置でノズルに処理液の吸い取りつまりサックバックを行わせることにより塗布走査終端部の余分な処理液を取り除き、その際にサックバックの影響(吸い取り作用)を上記置き去りの処理液盛り上がり部でキャンセルすることによって、基板上の膜厚保証領域内の膜厚が許容範囲以下になるのを防止する。
本発明の第2の塗布方法は、被処理基板と長尺形ノズルの吐出口とを微小なギャップを隔ててほぼ水平に対向させ、前記基板に対して前記ノズルより処理液を供給しながら前記ノズルを水平方向に相対的に移動させる塗布走査を行って、前記基板上に前記処理液の塗布膜を形成する塗布方法であって、前記基板上に前記ノズルを相対的に停止させる走査終点位置を設定する工程と、前記塗布走査の終盤で、前記基板に対する前記ノズルの相対的な水平移動の速度を、第1の水平移動速度から実質的に零に等しい第2の水平移動速度まで減少させて、前記ノズルを前記走査終点位置に着かせる工程と、前記塗布走査の終盤で、前記基板と前記ノズルとの間のギャップを、前記ギャップを第1の距離間隔からそれよりも大きな第2の距離間隔までいったん増大させ、次いで前記第2の距離間隔から前記第1の距離間隔よりも小さな第3の距離間隔まで減少させる工程と、前記塗布走査の終盤または終了後に、前記ノズルからの前記基板に対する処理液の供給を停止させる工程と、前記走査終点位置に着いた前記ノズルに前記基板上の処理液を所定量だけ吸い取らせる工程とを有する。
本発明の第2の塗布装置は、被処理基板をほぼ水平に支持するための基板支持部と、塗布処理中に前記基板の上面に微小なギャップを隔てて処理液を吐出するための長尺形のノズルと、塗布処理中に前記ノズルに前記処理液を圧送するための処理液供給源と、塗布処理中に前記ノズルを前記基板に対して相対的に水平方向で移動させるための走査部と、前記ノズルを前記基板に対して相対的に鉛直方向で移動させるための昇降部と、前記走査部を制御して、塗布走査の終盤で、前記基板に対する前記ノズルの相対的な水平移動の速度を、第1の水平移動速度から実質的に零に等しい第2の水平移動速度まで減少させて、前記ノズルを予め設定した走査終点位置に着かせ、前記昇降部を制御して、塗布走査の終盤で、前記基板と前記ノズルとの間のギャップを第1の距離間隔からそれよりも大きな第2の距離間隔までいったん増大させ、次いで前記第2の距離間隔から前記第1の距離間隔よりも小さな第3の距離間隔まで減少させ、前記処理液供給源を制御して、塗布走査の終盤または終了後に、前記ノズルに対する前記処理液の圧送を停止させ、かつ前記走査終点位置に着いた前記ノズルを通じて前記基板上の処理液を所定量だけ吸い取らせる制御部とを有する。
また、本発明の第2の塗布処理プログラムは、被処理基板と長尺形ノズルの吐出口とを微小なギャップを隔ててほぼ水平に対向させ、前記基板に対して前記ノズルより処理液を供給しながら前記ノズルを水平方向に相対的に移動させる塗布走査を行って、前記基板上に前記処理液の塗布膜を形成するための塗布処理プログラムであって、前記基板上に前記ノズルを相対的に停止させる走査終点位置を設定するステップと、前記塗布走査の終盤で、前記基板に対する前記ノズルの相対的な水平移動の速度を、第1の水平移動速度から実質的に零に等しい第2の水平移動速度まで減少させて、前記ノズルを前記走査終点位置に着かせるステップと、前記塗布走査の終盤で、前記基板と前記ノズルとの間のギャップを、前記ギャップを第1の距離間隔からそれよりも大きな第2の距離間隔までいったん増大させ、次いで前記第2の距離間隔から前記第1の距離間隔よりも小さな第3の距離間隔まで減少させるステップと、前記塗布走査の終盤または終了後に、前記ノズルからの前記基板に対する処理液の供給を停止させるステップと、前記走査終点位置に着いた前記ノズルに前記基板上の処理液を所定量だけ吸い取らせるステップとを実行する。
上記第2の塗布方法、塗布装置および塗布処理プログラムにおいては、長尺形のノズルが微小なギャップを介して基板上に処理液を帯状に吐出しながら水平方向に相対的に移動することにより、走査方向において基板の前端側から後端側に向かって処理液の塗布膜が形成されていく。この塗布走査中、基板上に吐出された処理液がぬれ現象により走査方向においてノズルの背面下部に付着して高さ方向に広がり(盛り上がり)、ノズル長手方向に延びるメニスカスが形成される。そして、塗布走査の終盤に所定の走査位置またはタイミングで(好ましくは、基板の外周エッジから基板中心側に所定の距離だけオフセットした位置を通る境界よりも内側に塗布膜の膜厚を保証すべき領域を設定し、塗布走査の方向においてノズルが境界付近を通過するタイミングで)、塗布ギャップが瞬間的に増大することにより、処理液の側縁部が内側にくびれて膜厚もそのぶん高くなる。これによって、その直後にノズルと基板との間で走査速度の減速と塗布ギャップの縮小とを同時的に行っても、基板上の走査方向において製品領域と非製品領域との境界付近で塗布膜のサイド方向の広がりを防止ないし抑制することができる。そして、走査終了直後に基板上の走査終点位置でノズルに処理液の吸い取りつまりサックバックを行わせることにより塗布走査終端部の余分な処理液を取り除き、その際にサックバックの影響(吸い取り作用)を上記くびれ部でキャンセルすることによって、基板上の膜厚保証領域内の処理液の膜厚が許容範囲以下になるのを防止する。
本発明の第3の塗布方法は、被処理基板と長尺形ノズルの吐出口とを微小なギャップを隔ててほぼ水平に対向させ、前記基板に対して前記ノズルより処理液を供給しながら前記ノズルを水平方向に相対的に移動させる走査を行って、前記基板上に前記処理液の塗布膜を形成する塗布方法であって、前記基板上に前記ノズルを相対的に停止させる走査終点位置を設定する工程と、前記塗布走査の終盤で、前記基板に対する前記ノズルの相対的な水平移動の速度を、第1の水平移動速度からそれよりも高い第2の水平移動速度までいったん上昇させ、次いで前記第2の水平移動速度から実質的に零に等しい第3の水平移動速度まで減少させて、前記ノズルを前記走査終点位置に着かせる工程と、前記塗布走査の終盤で、前記基板と前記ノズルとの間のギャップを、第1の距離間隔からそれよりも大きな第2の距離間隔までいったん増大させ、次いで前記第2の距離間隔から前記第1の距離間隔よりも小さな第3の距離間隔まで減少させる工程と、前記塗布走査の終盤または終了後に、前記ノズルからの前記基板に対する処理液の供給を停止させる工程と、前記走査終点位置に着いた前記ノズルに前記基板上の処理液を所定量だけ吸い取らせる工程とを有する。
本発明の第3の塗布装置は、被処理基板をほぼ水平に支持するための基板支持部と、塗布走査中に前記基板の上面に微小なギャップを隔てて処理液を吐出するための長尺形のノズルと、塗布走査中に前記ノズルに前記処理液を圧送するための処理液供給源と、塗布走査中に前記ノズルを前記基板に対して相対的に水平方向で移動させるための走査部と、前記ノズルを前記基板に対して相対的に鉛直方向で移動させるための昇降部と、前記走査部を制御して、塗布走査の終盤で、前記基板に対する前記ノズルの相対的な水平移動の速度を、第1の水平移動速度からそれよりも高い第2の水平移動速度へいったん上昇させ、次いで前記第2の水平移動速度から実質的に零に等しい第3の水平移動速度まで減少させて、前記ノズルを予め設定した走査終点位置に着かせ、前記昇降部を制御して、塗布走査の終盤で、前記基板と前記ノズルとの間のギャップを第1の距離間隔からそれよりも大きな第2の距離間隔までいったん増大させ、次いで前記第2の距離間隔から前記第1の距離間隔よりも小さな第3の距離間隔まで減少させ、前記処理液供給源を制御して、塗布走査の終盤または終了後に、前記ノズルに対する前記処理液の圧送を停止させ、かつ前記走査終点位置に着いた前記ノズルを通じて前記基板上の処理液を所定量だけ吸い取らせる制御部とを有する。
また、本発明の第3の塗布処理プログラムは、被処理基板と長尺形ノズルの吐出口とを微小なギャップを隔ててほぼ水平に対向させ、前記基板に対して前記ノズルより処理液を供給しながら前記ノズルを水平方向に相対的に移動させる走査を行って、前記基板上に前記処理液の塗布膜を形成するための塗布処理プログラムであって、前記基板上に前記ノズルを相対的に停止させる走査終点位置を設定するステップと、前記塗布走査の終盤で、前記基板に対する前記ノズルの相対的な水平移動の速度を、第1の水平移動速度からそれよりも高い第2の水平移動速度までいったん上昇させ、次いで前記第2の水平移動速度から実質的に零に等しい第3の水平移動速度まで減少させて、前記ノズルを前記走査終点位置に着かせるステップと、前記塗布走査の終盤で、前記基板と前記ノズルとの間のギャップを、第1の距離間隔からそれよりも大きな第2の距離間隔までいったん増大させ、次いで前記第2の距離間隔から前記第1の距離間隔よりも小さな第3の距離間隔まで減少させるステップと、前記塗布走査の終盤または終了後に、前記ノズルからの前記基板に対する処理液の供給を停止させるステップと、前記走査終点位置に着いた前記ノズルに前記基板上の処理液を所定量だけ吸い取らせるステップとを実行する。
上記第3の塗布方法、塗布装置および塗布処理プログラムは、上記第1の塗布方法、塗布装置および塗布処理プログラムにおける走査速度の加減速による膜厚制御法と上記第2の塗布方法、塗布装置および塗布処理プログラムにおける塗布ギャップの増減による膜厚制御法とを併用するので、両者の相乗効果により基板上の製品領域内の膜厚均一性をより一層向上させることができる。
本発明の好適な一態様においては、塗布走査終端部における処理液の広がりと膜厚の安定性および再現性を高めるために、走査終点位置にノズルが着いた時から所定時間の経過後に処理液の吸い取りを開始する。
好適な一態様によれば、本発明の塗布装置において、基板支持部が、塗布領域内で基板を空中に浮かせるステージを有する。該塗布領域内では、ステージの上面に、気体を噴出する噴出口と気体を吸い込む吸引口とが多数混在して設けられる。ノズルは、水平搬送方向では塗布領域内の定位置に配置されてよい。走査部には、ステージ上で浮いた状態の基板を水平移動に対応する所定の搬送方向に搬送してノズルの直下を通過させる基板搬送部が備えられる。この基板搬送部は、基板の移動する方向と平行に延びるようにステージの片側または両側に配置されるガイドレールと、このガイドレールに沿って移動可能なスライダと、このスライダをガイドレールに沿って移動するように駆動する搬送駆動部と、スライダからステージの中心部に向かって延在し、基板の側縁部を着脱可能に保持する保持部とを有する。また、好適な一態様として、昇降部が、ノズルを一体に支持するノズル支持部と、ノズルを任意の第1の高さ位置から任意の第2の高さ位置へ昇降移動させるためにノズル支持部と結合する電動アクチエータと、ノズルの重力をキャンセルするために前記ノズル支持部と結合するエアシリンダとを有する。
本発明の塗布方法、塗布装置および塗布処理プログラムによれば、上記のような構成および作用により、長尺形ノズルを用いるスピンレス塗布法において塗布走査終了部付近の膜厚制御性を改善して塗布品質を向上させることができる。
以下、添付図を参照して本発明の好適な実施形態を説明する。
図1に、本発明の塗布方法、塗布装置および塗布処理プログラムの適用可能な構成例として塗布現像処理システムを示す。この塗布現像処理システムは、クリーンルーム内に設置され、たとえばLCD基板を被処理基板とし、LCD製造プロセスにおいてフォトリソグラフィー工程の中の洗浄、レジスト塗布、プリベーク、現像およびポストベークの各処理を行うものである。露光処理は、このシステムに隣接して設置される外部の露光装置(図示せず)で行われる。
この塗布現像処理システムは、大きく分けて、カセットステーション(C/S)10と、プロセスステーション(P/S)12と、インタフェース部(I/F)14とで構成される。
システムの一端部に設置されるカセットステーション(C/S)10は、複数の基板Gを収容するカセットCを所定数たとえば4個まで載置可能なカセットステージ16と、このカセットステージ16上の側方でかつカセットCの配列方向と平行に設けられた搬送路17と、この搬送路17上で移動自在でステージ16上のカセットCについて基板Gの出し入れを行う搬送機構20とを備えている。この搬送機構20は、基板Gを保持できる手段たとえば搬送アームを有し、X,Y,Z,θの4軸で動作可能であり、後述するプロセスステーション(P/S)12側の搬送装置38と基板Gの受け渡しを行えるようになっている。
プロセスステーション(P/S)12は、上記カセットステーション(C/S)10側から順に洗浄プロセス部22と、塗布プロセス部24と、現像プロセス部26とを基板中継部23、薬液供給ユニット25およびスペース27を介して(挟んで)横一列に設けている。
洗浄プロセス部22は、2つのスクラバ洗浄ユニット(SCR)28と、上下2段の紫外線照射/冷却ユニット(UV/COL)30と、加熱ユニット(HP)32と、冷却ユニット(COL)34とを含んでいる。
塗布プロセス部24は、スピンレス方式のレジスト塗布ユニット(CT)40と、減圧乾燥ユニット(VD)42と、上下2段型アドヒージョン/冷却ユニット(AD/COL)46と、上下2段型加熱/冷却ユニット(HP/COL)48と、加熱ユニット(HP)50とを含んでいる。
現像プロセス部26は、3つの現像ユニット(DEV)52と、2つの上下2段型加熱/冷却ユニット(HP/COL)53と、加熱ユニット(HP)55とを含んでいる。
各プロセス部22,24,26の中央部には長手方向に搬送路36,51,58が設けられ、搬送装置38,54,60がそれぞれ搬送路36,51,58に沿って移動して各プロセス部内の各ユニットにアクセスし、基板Gの搬入/搬出または搬送を行うようになっている。なお、このシステムでは、各プロセス部22,24,26において、搬送路36,51,58の一方の側に液処理系のユニット(SCR,CT,DEV等)が配置され、他方の側に熱処理系のユニット(HP,COL等)が配置されている。
システムの他端部に設置されるインタフェース部(I/F)14は、プロセスステーション12と隣接する側にイクステンション(基板受け渡し部)56およびバッファステージ57を設け、露光装置と隣接する側に搬送機構59を設けている。この搬送機構59は、Y方向に延在する搬送路19上で移動自在であり、バッファステージ57に対して基板Gの出し入れを行なうほか、イクステンション(基板受け渡し部)56や隣の露光装置と基板Gの受け渡しを行うようになっている。
図2に、この塗布現像処理システムにおける処理の手順を示す。先ず、カセットステーション(C/S)10において、搬送機構20が、カセットステージ16上の所定のカセットCの中から1つの基板Gを取り出し、プロセスステーション(P/S)12の洗浄プロセス部22の搬送装置38に渡す(ステップS1)。
洗浄プロセス部22において、基板Gは、先ず紫外線照射/冷却ユニット(UV/COL)30に順次搬入され、最初の紫外線照射ユニット(UV)では紫外線照射による乾式洗浄を施され、次の冷却ユニット(COL)では所定温度まで冷却される(ステップS2)。この紫外線洗浄では主として基板表面の有機物が除去される。
次に、基板Gはスクラバ洗浄ユニット(SCR)28の1つでスクラビング洗浄処理を受け、基板表面から粒子状の汚れが除去される(ステップS3)。スクラビング洗浄の後、基板Gは、加熱ユニット(HP)32で加熱による脱水処理を受け(ステップS4)、次いで冷却ユニット(COL)34で一定の基板温度まで冷却される(ステップS5)。これで洗浄プロセス部22における前処理が終了し、基板Gは、搬送装置38により基板受け渡し部23を介して塗布プロセス部24へ搬送される。
塗布プロセス部24において、基板Gは、先ずアドヒージョン/冷却ユニット(AD/COL)46に順次搬入され、最初のアドヒージョンユニット(AD)では疎水化処理(HMDS)を受け(ステップS6)、次の冷却ユニット(COL)で一定の基板温度まで冷却される(ステップS7)。
その後、基板Gは、レジスト塗布ユニット(CT)40でスピンレス法によりレジスト液を塗布され、次いで減圧乾燥ユニット(VD)42で減圧による乾燥処理を受ける(ステップS8)。
次に、基板Gは、加熱/冷却ユニット(HP/COL)48に順次搬入され、最初の加熱ユニット(HP)では塗布後のベーキング(プリベーク)が行われ(ステップS9)、次に冷却ユニット(COL)で一定の基板温度まで冷却される(ステップS10)。なお、この塗布後のベーキングに加熱ユニット(HP)50を用いることもできる。
上記塗布処理の後、基板Gは、塗布プロセス部24の搬送装置54と現像プロセス部26の搬送装置60とによってインタフェース部(I/F)14へ搬送され、そこから露光装置に渡される(ステップS11)。露光装置では基板G上のレジストに所定の回路パターンを露光される。そして、パターン露光を終えた基板Gは、露光装置からインタフェース部(I/F)14に戻される。インタフェース部(I/F)14の搬送機構59は、露光装置から受け取った基板Gをイクステンション56を介してプロセスステーション(P/S)12の現像プロセス部26に渡す(ステップS11)。
現像プロセス部26において、基板Gは、現像ユニット(DEV)52のいずれか1つで現像処理を受け(ステップS12)、次いで加熱/冷却ユニット(HP/COL)53の1つに順次搬入され、最初の加熱ユニット(HP)ではポストベーキングが行われ(ステップS13)、次に冷却ユニット(COL)で一定の基板温度まで冷却される(ステップS14)。このポストベーキングに加熱ユニット(HP)55を用いることもできる。
現像プロセス部26での一連の処理が済んだ基板Gは、プロセスステーション(P/S)24内の搬送装置60,54,38によりカセットステーション(C/S)10まで戻され、そこで搬送機構20によりいずれか1つのカセットCに収容される(ステップS1)。
この塗布現像処理システムにおいては、たとえば塗布プロセス部24のレジスト塗布ユニット(CT)40に本発明を適用することができる。以下、図3〜図30につき本発明をレジスト塗布ユニット(CT)40に適用した一実施形態を説明する。
図3に、この実施形態におけるレジスト塗布ユニット(CT)40および減圧乾燥ユニット(VD)42の全体構成を示す。
図3に示すように、支持台または支持フレーム70の上にレジスト塗布ユニット(CT)40と減圧乾燥ユニット(VD)42とがX方向に横一列に配置されている。塗布処理を受けるべき新たな基板Gは、搬送路51側の搬送装置54(図1)により矢印FAで示すようにレジスト塗布ユニット(CT)40に搬入される。レジスト塗布ユニット(CT)40で塗布処理の済んだ基板Gは、支持台70上のガイドレール72に案内されるX方向に移動可能な搬送アーム74により、矢印FBで示すように減圧乾燥ユニット(VD)42に転送される。減圧乾燥ユニット(VD)42で乾燥処理を終えた基板Gは、搬送路51側の搬送装置54(図1)により矢印FCで示すように引き取られる。
レジスト塗布ユニット(CT)40は、X方向に長く延びるステージ76を有し、このステージ76上で基板Gを同方向に平流しで搬送しながら、ステージ76の上方に配置された長尺形のレジストノズル78より基板G上にレジスト液を供給して、スピンレス法で基板上面(被処理面)に一定膜厚のレジスト塗布膜を形成するように構成されている。ユニット(CT)40内の各部の構成および作用は後に詳述する。
減圧乾燥ユニット(VD)42は、上面が開口しているトレーまたは底浅容器型の下部チャンバ80と、この下部チャンバ80の上面に気密に密着または嵌合可能に構成された蓋状の上部チャンバ(図示せず)とを有している。下部チャンバ80はほぼ四角形で、中心部には基板Gを水平に載置して支持するためのステージ82が配設され、底面の四隅には排気口83が設けられている。各排気口83は排気管(図示せず)を介して真空ポンプ(図示せず)に通じている。下部チャンバ80に上部チャンバを被せた状態で、両チャンバ内の密閉された処理空間を該真空ポンプにより所定の真空度まで減圧できるようになっている。
図4および図5に、本発明の一実施形態におけるレジスト塗布ユニット(CT)40内のより詳細な全体構成を示す。
この実施形態のレジスト塗布ユニット(CT)40においては、ステージ76が、従来のように基板Gを固定保持する載置台として機能するのではなく、基板Gを空気圧の力で空中に浮かせるための基板浮上台として機能する。そして、ステージ76の両サイドに配置されている直進運動型の基板搬送部84が、ステージ76上で浮いている基板Gの両側縁部をそれぞれ着脱可能に保持してステージ長手方向(X方向)に基板Gを搬送するようになっている。
詳細には、ステージ76は、その長手方向(X方向)において5つの領域M1,M2,M3,M4,M5に分割されている(図5)。左端の領域M1は搬入領域であり、塗布処理を受けるべき新規の基板Gはこの領域M1内の所定位置に搬入される。この搬入領域M1には、搬送装置54(図1)の搬送アームから基板Gを受け取ってステージ76上にローディングするためにステージ下方の原位置とステージ上方の往動位置との間で昇降移動可能な複数本のリフトピン86が所定の間隔を置いて設けられている。これらのリフトピン86は、たとえばエアシリンダ(図示せず)を駆動源に用いる搬入用のリフトピン昇降部85(図13)によって昇降駆動される。
この搬入領域M1は浮上式の基板搬送が開始される領域でもあり、この領域内のステージ上面には基板Gを搬入用の浮上高さまたは浮上量Haで浮かせるために高圧または正圧の圧縮空気を噴き出す噴出口88が一定の密度で多数設けられている。ここで、搬入領域M1における基板Gの浮上量Haは、特に高い精度を必要とせず、たとえば250〜350μmの範囲内に保たれればよい。また、搬送方向(X方向)において、搬入領域M1のサイズは基板Gのサイズを上回っているのが好ましい。さらに搬入領域M1には、基板Gをステージ76上で位置合わせするためのアライメント部(図示せず)も設けられてよい。
ステージ76の中心部に設定された領域M3はレジスト液供給領域または塗布領域であり、基板Gはこの塗布領域M3を通過する際に上方のレジストノズル78からレジスト液Rの供給を受ける。塗布領域M3における基板浮上量Hbはノズル78の下端(吐出口)と基板上面(被処理面)との間の塗布ギャップS(たとえば240μm)を規定する。この塗布ギャップSはレジスト塗布膜の膜厚やレジスト消費量を左右する重要なパラメータであり、高い精度で一定に維持される必要がある。このことから、塗布領域M3のステージ上面には、たとえば図6に示すような配列または分布パターンで、基板Gを所望の浮上量Hbで浮かせるために高圧または正圧の圧縮空気を噴き出す噴出口88と負圧で空気を吸い込む吸引口90とを混在させて設けている。そして、基板Gの塗布領域M3内を通過している部分に対して、噴出口88から圧縮空気による垂直上向きの力を加えると同時に吸引口90より負圧吸引力による垂直下向きの力を加えて、相対抗する双方向の力のバランスを制御することで、塗布用の浮上量Hbを設定値HS(たとえば50μm)付近に維持するようにしている。搬送方向(X方向)における塗布領域M3のサイズは、レジストノズル78の直下に上記のような狭い塗布ギャップSを安定に形成できるほどの余裕があればよく、通常は基板Gのサイズよりも小さくてよく、たとえば1/3〜1/4程度でよい。
図6に示すように、塗布領域M3においては、基板搬送方向(X方向)に対して一定の傾斜した角度をなす直線C上に噴出口88と吸引口90とを交互に配し、隣接する各列の間で直線C上のピッチに適当なオフセットαを設けている。かかる配置パターンによれば、噴出口88および吸引口90の混在密度を均一にしてステージ上の基板浮上力を均一化できるだけでなく、基板Gが搬送方向(X方向)に移動する際に噴出口88および吸引口90と対向する時間の割合を基板各部で均一化することも可能であり、これによって基板G上に形成される塗布膜に噴出口88または吸引口90のトレースまたは転写跡が付くのを防止することができる。塗布領域M3の入口では、基板Gの先端部が搬送方向と直交する方向(Y方向)で均一な浮上力を安定に受けるように、同方向(直線J上)に配列する噴出口88および吸引口90の密度を高くするのが好ましい。また、塗布領域M3においても、ステージ76の両側縁部(直線K上)には、基板Gの両側縁部が垂れるのを防止するために、噴出口88のみを配置するのが好ましい。
再び図5において、搬入領域M1と塗布領域M3との間に設定された中間の領域M2は、搬送中に基板Gの浮上高さ位置を搬入領域M1における浮上量Haから塗布領域M3における浮上量Hbへ変化または遷移させるための遷移領域である。この遷移領域M2内でもステージ76の上面に噴出口88と吸引口90とを混在させて配置することができる。その場合は、吸引口90の密度を搬送方向に沿って次第に大きくし、これによって搬送中に基板Gの浮上量が漸次的にHaからHbに移るようにしてよい。あるいは、この遷移領域M2においては、吸引口90を含まずに噴出口88だけを設ける構成も可能である。
塗布領域M3の下流側隣の領域M4は、搬送中に基板Gの浮上量を塗布用の浮上量Hbから搬出用の浮上量Hc(たとえば250〜350μm)に変えるための遷移領域である。この遷移領域M4でも、ステージ76の上面に噴出口88と吸引口90とを混在させて配置してもよく、その場合は吸引口90の密度を搬送方向に沿って次第に小さくするのがよい。あるいは、吸引口90を含まずに噴出口88だけを設ける構成も可能である。また、図6に示すように、塗布領域M3と同様に遷移領域M4でも、基板G上に形成されたレジスト塗布膜に転写跡が付くのを防止するために、吸引口90(および噴出口88)を基板搬送方向(X方向)に対して一定の傾斜した角度をなす直線E上に配置し、隣接する各列間で配列ピッチに適当なオフセットβを設ける構成が好ましい。
ステージ76の下流端(右端)の領域M5は搬出領域である。レジスト塗布ユニット(CT)40で塗布処理を受けた基板Gは、この搬出領域M5内の所定位置または搬出位置から搬送アーム74(図3)によって下流側隣の減圧乾燥ユニット(VD)42(図3)へ搬出される。この搬出領域M5には、基板Gを搬出用の浮上量Hcで浮かせるための噴出口88がステージ上面に一定の密度で多数設けられているとともに、基板Gをステージ76上からアンローディングして搬送アーム74(図3)へ受け渡すためにステージ下方の原位置とステージ上方の往動位置との間で昇降移動可能な複数本のリフトピン92が所定の間隔を置いて設けられている。これらのリフトピン92は、たとえばエアシリンダ(図示せず)を駆動源に用いる搬出用のリフトピン昇降部91(図13)によって昇降駆動される。
レジストノズル78は、ステージ76上の基板Gを一端から他端までカバーできる長さで搬送方向と直交する水平方向(Y方向)に延びる長尺状のノズル本体の下端にスリット状の吐出口78aを有し、門形または逆さコ字形のノズル支持体130に昇降可能に取り付けられ、レジスト液供給機構170(図12、図13)からのレジスト液供給管94(図4)に接続されている。図4において、レジストノズル78を支持するための鉛直方向に延びる棒体136は、ノズル昇降機構75(図11、図13)の一部を構成している。
図4、図7および図8に示すように、基板搬送部84は、ステージ76の左右両サイドに平行に配置された一対のガイドレール96と、各ガイドレール96上に軸方向(X方向)に移動可能に取り付けられたスライダ98と、各ガイドレール96上でスライダ98を直進移動させる搬送駆動部100と、各スライダ98からステージ76の中心部に向かって延びて基板Gの左右両側縁部を着脱可能に保持する保持部102とをそれぞれ有している。
ここで、搬送駆動部100は、直進型の駆動機構たとえばリニアモータによって構成されている。また、保持部102は、基板Gの左右両側縁部の下面に真空吸着力で結合する吸着パッド104と、先端部で吸着パッド104を支持し、スライダ98側の基端部を支点として先端部の高さ位置を変えられるように弾性変形可能な板バネ型のパッド支持部106とをそれぞれ有している。吸着パッド104は一定のピッチで一列に配置され、パッド支持部106は各々の吸着パッド104を独立に支持している。これにより、個々の吸着パッド104およびパッド支持部106が独立した高さ位置で(異なる高さ位置でも)基板Gを安定に保持できるようになっている。
図7および図8に示すように、この実施形態におけるパッド支持部106は、スライダ98の内側面に昇降可能に取り付けられた板状のパッド昇降部材108に取り付けられている。スライダ98に搭載されているたとえばエアシリンダからなるパッドアクチエータ109(図13)が、パッド昇降部材108を基板Gの浮上高さ位置よりも低い原位置(退避位置)と基板Gの浮上高さ位置に対応する往動位置(結合位置)との間で昇降移動させるようになっている。
図9に示すように、各々の吸着パッド104は、たとえば合成ゴム製で直方体形状のパッド本体110の上面に複数個の吸引口112を設けている。これらの吸引口112はスリット状の長穴であるが、丸や矩形の小孔でもよい。吸着パッド104には、たとえば合成ゴムからなる帯状のバキューム管114が接続されている。これらのバキューム管114の管路116はパッド吸着制御部115(図13)の真空源にそれぞれ通じている。
保持部102においては、図4に示すように、片側一列の真空吸着パッド104およびパッド支持部106が1組毎に分離している分離型または完全独立型の構成が好ましい。しかし、図10に示すように、切欠き部118を設けた一枚の板バネで片側一列分のパッド支持部120を形成してその上に片側一列の真空吸着パッド104を配置する一体型の構成も可能である。
上記のように、ステージ76の上面に形成された多数の噴出口88およびそれらに浮上力発生用の圧縮空気を供給する圧縮空気供給機構146(図11)、さらにはステージ76の塗布領域M3内に噴出口88と混在して形成された多数の吸引口90およびそれらに真空の圧力を供給するバキューム供給機構148(図11)により、搬入領域M1や搬出領域M5では基板Gを搬入出や高速搬送に適した浮上量で浮かせ、塗布領域M3では基板Gを安定かつ正確なレジスト塗布走査に適した設定浮上量HSで浮かせるためのステージ基板浮上部145(図13)が構成されている。
図11に、ノズル昇降機構75、圧縮空気供給機構146およびバキューム供給機構148の構成を示す。ノズル昇降機構75は、塗布領域M3の上を搬送方向(X方向)と直交する水平方向(Y方向)に跨ぐように架設された門形支持体130と、この門形支持体130に取り付けられた鉛直直線運動機構132と、この鉛直直線運動機構132の移動体(昇降体)である角柱状の水平支持部材134とレジストノズル78とを結合するジョイント棒136とを有する。ここで、直線運動機構132の駆動部は、電動モータ138、ボールネジ140、ガイド部材142およびエアシリンダ144を有している。電動モータ138の回転力がボールネジ機構(140,142,134)によって鉛直方向の直線運動に変換され、昇降体の水平支持部材134と一体にノズル78が鉛直方向に昇降移動する。電動モータ138の回転量および回転停止位置によってレジストノズル78の昇降移動量および高さ位置を任意に制御できるようになっている。エアシリンダ144は、後述する塗布走査の終了直前でレジストノズル78を上昇移動させる際にレジストノズル78および水平支持部材134の重力をキャンセルするためのものであり、そのピストンロッド144aを水平支持部134の両端部に下から押し当てて高速上昇をアシストする。なお、ジョイント棒136を省いてレジストノズル78を水平支持部材134に直接結合する構成も可能である。
圧縮空気供給機構146は、ステージ76上面で分割された複数のエリア別に噴出口88に接続された正圧マニホールド150と、それら正圧マニホールド150にたとえば工場用力の圧縮空気供給源152からの圧縮空気を送り込む圧縮空気供給管154と、この圧縮空気供給管154の途中に設けられるレギュレータ156とを有している。バキューム供給機構148は、ステージ76上面で分割された複数のエリア別に吸引口90に接続された負圧マニホールド158、それらの負圧マニホールド158にたとえば工場用力の真空源160からのバキュームを送り込むバキューム管162と、このバキューム管162の途中に設けられる絞り弁164とを有している。
図12に、レジスト液供給機構170の構成を示す。このレジスト液供給機構170は、レジスト液Rを貯留するボトル172より吸入管174を介して少なくとも塗布処理1回分(基板1枚分)のレジスト液Rをレジストポンプ176に予め充填しておき、塗布処理時にレジストポンプ176よりレジスト液Rを吐出管またはレジスト液供給管94を介してレジストノズル78に所定の圧力で圧送し、レジストノズル78から基板G上にレジスト液Rを所定の流量で吐出するようになっている。
ボトル172は密閉されており、ボトル内の液面に向けてガス管178より圧送ガスたとえばN2ガスが一定の圧力で供給されるようになっている。ガス管178には、たとえばエアオペレートバルブからなる開閉弁180が設けられている。
吸入管174の途中には、フィルタ182、脱気モジュール184および開閉弁186が設けられている。フィルタ182はボトル172から送られてくるレジスト液R中の異物(ごみ類)を除去し、脱気モジュール184はレジスト液中の気泡を除去する。開閉弁186は、たとえばエアオペレートバルブからなり、吸入管174におけるレジスト液Rの流れをオン(全開導通)またはオフ(遮断)する。
レジスト液供給管94の途中には、開閉弁188が設けられている。フィルタやサックバックバルブは設けられていない。この開閉弁188は、たとえばエアオペレートバルブからなり、レジスト液供給管94におけるレジスト液Rの流れをオン(全開導通)またはオフ(遮断)する。
レジストポンプ176は、たとえばシリンジポンプからなり、ポンプ室を有するポンプ本体190と、ポンプ室の容積を任意に変えるためのピストン192と、このピストン192を往復運動させるためのポンプ駆動部194とを有している。
図13に、この実施形態のレジスト塗布ユニット(CT)40における制御系の主要な構成を示す。コントローラ200は、マイクロコンピュータからなり、ユニット内の各部、特にレジスト液供給機構170、ノズル昇降機構75、ステージ基板浮上部145、基板搬送部84(搬送駆動部100、パッド吸着制御部115、パッドアクチエータ109)、搬入用リフトピン昇降部85、搬出用リフトピン昇降部91等の個々の動作と全体の動作(シーケンス)を制御する。
次に、この実施形態のレジスト塗布ユニット(CT)40における塗布処理動作を説明する。
コントローラ200は、たとえば光ディスク等の記憶媒体に格納されている塗布処理プログラムを主メモリに取り込んで実行し、プログラムされた一連の塗布処理動作を制御する。
搬送装置54(図1)より未処理の新たな基板Gがステージ76の搬入領域M1に搬入されると、リフトピン86が往動位置で該基板Gを受け取る。搬送装置54が退出した後、リフトピン86が下降して基板Gを搬送用の高さ位置つまり浮上位置Ha(図5)まで降ろす。次いで、アライメント部(図示せず)が作動し、浮上状態の基板Gに四方から押圧部材(図示せず)を押し付けて、基板Gをステージ76上で位置合わせする。アライメント動作が完了すると、その直後に基板搬送部84においてパッドアクチエータ109が作動し、吸着パッド104を原位置(退避位置)から往動位置(結合位置)へ上昇(UP)させる。吸着パッド104は、その前からバキュームがオンしており、浮上状態の基板Gの側縁部に接触するや否や真空吸着力で結合する。吸着パッド104が基板Gの側縁部に結合した直後に、アライメント部は押圧部材を所定位置へ退避させる。
次に、基板搬送部84は、保持部102で基板Gの側縁部を保持したままスライダ98を搬送始点位置から搬送方向(X方向)へ比較的高速の一定速度で直進移動させる。こうして基板Gがステージ76上を浮いた状態で搬送方向(X方向)へ直進移動し、基板Gの前端部がレジストノズル78の直下付近の設定位置に着いたところで、基板搬送部84が第1段階の基板搬送を停止する。この時、ノズル昇降機構75は、レジストノズル78を上方の退避位置で待機させている。
基板Gが止まると、ノズル昇降機構75が作動して、レジストノズル78を垂直下方に降ろし、ノズルの吐出口と基板Gとの距離間隔または塗布ギャップを初期値(たとえば60μm)に合わせる。次いで、レジスト液供給機構170がレジストノズル78より基板Gの上面に向けてレジスト液の吐出を開始させると同時に基板搬送部84も第2段階の基板搬送を開始し、一方でノズル昇降機構75がレジストノズル78を塗布ギャップが設定値SA(たとえば240μm)になるまで(たとえば0.1秒の間に)上昇させ、その後はそのまま基板Gを水平移動させる。この第2段階つまり塗布時の基板搬送には、比較的低速の第1の速度VA(たとえば50mm/s)が選ばれる。
こうして、塗布領域M3内において、基板Gが水平姿勢で搬送方向(X方向)に一定速度VAで移動するのと同時に、長尺形のレジストノズル78が直下の基板Gに向けてレジスト液Rを一定のポンプ圧力PAで帯状に吐出することにより、図14に示すように基板Gの前端側から後端側に向かってレジスト液の塗布膜RMが形成されていく。この塗布走査中、基板G上に吐出されたレジスト液Rがぬれ現象によりレジストノズル78の片側の下部側面78bに付着して高さ方向に広がり(盛り上がり)、ノズル長手方向(Y方向)に延びるメニスカスRQが形成される。
この実施形態では、塗布走査の終盤から終了直後にかけて、走査速度(基板搬送速度)、塗布ギャップおよびレジストポンプ178の圧力が、コントローラ200の制御の下で図15に示すような時間特性でそれぞれ変化する。より詳細には、レジストノズル78が基板G上に設定された所定の通過点X1を相対的に通過した時点t1から、コントローラ200の制御の下で基板搬送部84が走査速度(基板搬送速度)をそれまでの第1の速度VA(50mm/s)からそれよりも一段高い第2の速度VB(たとえば70mm/s)まで所定の加速度(たとえば200mm/s2)でいったん上昇させる。そうすると、図16に示すように、レジストノズル78の下部側面78bにそれまで付着または追従してきたメニスカスのレジスト液盛り上がり部RQが、走査速度の一瞬の上昇(急加速)によってレジストノズル78から分離し、そのままレジストノズル78から遠ざかる。
ここで、走査速度の急上昇または加速が開始される通過点X1は、レジスト液の特性(粘性等)、塗布条件(膜厚、標準走査速度等)、塗布仕様(マージンサイズ等)に応じて適宜選定されてよいが、通常は基板Gの上面(被処理面)を内側の製品領域(膜厚保証領域)ESと外側のマージン領域(膜厚非保証領域)EMとに二分する境界(以下、「保証領域境界」と称する。)LX付近に設定されてよい。
上記のような急加速により走査速度が所定の時点t2で第2の速度VBまで上昇すると、次に基板搬送部84はその第2の速度つまりピーク値VBから零またはその付近の値をとる第3の速度VCまで走査速度を所定の減速率(たとえば−140mm/s2)で減少させる。一方、この走査速度の減少(減速)と連動して、コントローラ200の制御の下でノズル昇降機構75が所定の時点t3からレジストノズル78を鉛直方向(Z方向)に所定距離(たとえば140μm)だけ所定の移動速度(たとえば280μm/s)で降下させ、塗布ギャップをそれまでの距離間隔SA(240μm)からそれよりも小さな距離間隔SC(100μm)まで狭める。
図17に、塗布走査の終了間際にレジストノズル78と基板Gとの間で走査速度が減少しながら塗布ギャップも減少していく様子を示す。図示のように、直前にレジストノズル78の下部側面78bから分離したレジスト液盛り上がり部RQは、盛り上がり状態を保ったまま走査方向(−X方向)においてレジストノズル78の後方に置いてきぼりにされる。
こうしてレジストノズル78が基板G上の予め設定された走査終点位置Xeに着いてそこでいったん停止すると(図18)、これと同時または相前後してコントローラ200の制御の下でレジスト液供給機構170がレジストポンプ178の吐出動作を終了させる(図15)。そして、ポンプ圧力が大気圧付近の基準待機圧力Psまで下がった後もしばらくそのままの休止状態を保つ。この間にレジストノズル78の吐出口78aから周囲へ、特に塗布走査と直交する水平方向(Y方向)の周囲へレジスト液Rが広がって基板後端部の隅角部にも十全に行き亘る。
そして、ポンプ圧力が基準待機圧力Psまで下がった時点t5から所定時間Tsの経過後に、レジスト液供給機構170がレジストポンプ178に吸引動作を行わせる。つまり、図12の構成例においてはピストン192を一定ストロークだけ復動させる。このポンプ吸引動作によってレジストノズル78が基板G上のレジスト液Rを吸い取ることにより、走査終点位置Xeから基板Gの内側に向ってレジスト塗布膜RMの膜厚が減少していく。レジスト液供給機構170は、ポンプ圧力を所定の吸引圧力PBまで下げると、直ぐに基準待機圧力Psに戻す。こうして、塗布走査の終了直後に走査終点位置Xeにて基板G上から一定量のレジスト液Rがレジストノズル78に吸い取られる。
この実施形態においては、上記のように塗布走査の過程で保証領域境界LX付近に盛り上がり部RQが形成され、上記のような走査終了直後の吸い取り(サックバック)の際に盛り上がり部RQのレジスト液が走査終点位置Xe側へ引き寄せられることにより、図19に示すように、保証領域境界LX付近(特に保証領域ES内)のレジスト塗布膜RMの膜厚は設定値または許容範囲内に調整または保持される。
上記のようにして走査終点位置Xeでサックバックが行われた後に、コントローラ200の制御の下で、ノズル昇降機構75がレジストノズル78を上方へ移動(退避)させ、これと同時に基板搬送部84が搬出領域M5に向けて基板搬送を再開する。この最終段の基板搬送は塗布走査のときよりも大きな搬送速度で行われる。そして、基板Gが搬出領域M5内の搬送終点位置に着くと、基板搬送部84は第3段階の基板搬送を停止する。この直後に、吸着パッド104に対するバキュームの供給が止められ、吸着パッド104は往動位置(結合位置)から原位置(退避位置)へ下りて、基板Gの両側端部から分離する。代わって、リフトピン92が基板Gをアンローディングするためにステージ下方の原位置からステージ上方の往動位置へ上昇する。
しかる後、搬出領域M5に搬出機つまり搬送アーム74がアクセスし、リフトピン92から基板Gを受け取ってステージ76の外へ搬出する。基板搬送部84は、基板Gをリフトピン92に渡したなら直ちに搬入領域M1へ高速度で引き返す。搬出領域M5で上記のように処理済の基板Gが搬出される頃に、搬入領域M1では次に塗布処理を受けるべき新たな基板Gについて搬入、アライメントないし搬送開始が行われる。
上記のように、この実施形態においては、塗布走査の終盤で、それまでレジストノズル78の片側(走査方向において背面側)の下部側面78bに付着または追従してきたメニスカスのレジスト液盛り上がり部RQを、走査速度(基板搬送速度)の瞬間的な上昇(急加速)によりレジストノズル78から分離せしめて、走査方向においてレジストノズル78の後方に、好ましくは保証領域境界LX付近に置き去りにする。そして、走査終了直後に基板G上の走査終点位置Xeでレジストノズル78にサックバックを行わせることにより塗布走査終端部の余分なレジスト液を取り除き、その際にサックバックの影響(吸い取り作用)を上記置き去りのレジスト液盛り上がり部RQでキャンセルすることによって、保証領域Es内のレジスト膜厚が設定値また許容範囲以下になるのを防止することができる。
図20〜図22に、塗布走査の終盤で上記のように走査速度(基板搬送速度)を瞬間的に上昇(急加速)させる工程を省いた場合の作用を比較例として示す。この場合は、図20および図21に示すように、レジストノズル78の下部側面78bにメニスカスのレジスト液盛り上がり部RQが付着したまま走査終点位置Xeまで移動し、保証領域境界LX付近のレジスト塗布液に盛り上がり部は形成されない。そして、レジストノズル78を走査終点位置Xeに停止させてサックバックを行うと、保証領域境界LX付近のレジスト塗布液も走査終点位置Xe側へ引き寄せられる結果、図22に示すように、保証領域Es内のレジスト塗布膜RMの膜厚が設定値以下に薄くなってしまう。
上記した実施形態における塗布処理法(図15)は、塗布走査の終盤にレジスト塗布膜の膜厚を走査方向(−X方向)で制御するものであった。しかしながら、サックバック法を用いる場合は、走査方向と直交する水平方向(Y方向)において別の角度からの膜厚制御が必要になることがある。すなわち、サックバック法においては、上記のように塗布走査の終了間際にレジストノズル78と基板Gとの間で走査速度と塗布ギャップとが減少するため、図28に示すように、走査方向の保証領域境界LX付近からレジスト塗布膜RMがサイド方向(Y方向)に基板エッジ付近まで広範囲に広がる。このようなレジスト塗布膜RMのサイド方向の広がりによって、同方向の保証領域境界LYに近い保証領域Es内のレジスト膜厚が薄くなり、レジストの種類によってはサックバック開始前から、あるいはサックバック終了後に設定値または設定範囲以下に薄くなる場合がある。このような場合は、上記実施形態における走査方向の膜厚制御だけでは対応しきれないことがある。
本発明は、この問題に対処するために、走査方向と直交する水平方向またはサイド方向(Y方向)において有効な膜厚制御を提供する。この実施形態においては、塗布走査の終盤に、走査速度(基板搬送速度)、塗布ギャップおよびレジストポンプ178の圧力を、コントローラ200の制御の下で図23に示すような時間特性でそれぞれ変化させる。この特性の中で図15の制御と異なるのは塗布ギャップの時間特性である。すなわち、塗布走査の終盤に、コントローラ200の制御の下でノズル昇降機構75によりレジストノズル78に昇降動作を行わせることにより、塗布ギャップをそれまでの第1の距離間隔SA(たとえば240μm)からそれよりも大きな第2の距離間隔SB(たとえば300μm)まで所定の垂直移動速度(たとえば600μm/s)でいったん増大させ、それからサックバック用の最小距離間隔SC(たとえば100μm)まで所定の垂直移動速度(たとえば400μm/s)で減少させる。
上記のような塗布ギャップの第1の距離間隔SAから第2の距離間隔SBへの増大が開始される通過点も、レジスト液の特性(粘性等)、塗布条件(膜厚、走査速度等)、塗布仕様(マージンサイズ等)に応じて適宜選定されてよく、通常は走査方向における保証領域境界LXの付近に設定されてよい。
図24〜図27に、上記のような時間特性(図23)で各部を制御した場合の作用を示す。先ず、塗布走査の終盤に、保証領域境界LX付近で、走査速度(基板搬送速度)の瞬間的な上昇(急加速)と相俟って、塗布ギャップが瞬間的に増大することにより、図24に示すようにレジストノズル78の下部側面78bからメニスカスのレジスト液盛り上がり部RQが一層隆起した状態で分離するとともに、図25および図26に示すようにレジスト塗布液RMの側縁部(Y方向の端部)が内側に寄せられ(くびれ)、そのぶん膜厚も高くなる。これによって、その直後にレジストノズル78と基板Gとの間で走査速度の減速と塗布ギャップの縮小とが同時的に行われても、図27に示すように走査方向の保証領域境界LX付近でレジスト塗布膜RMのサイド方向(Y方向)の広がりを防止ないし抑制することができる。もっとも、塗布走査終端部で膜厚を安定させるためにサックバック開始前に一定時間(Ts)の間を置くため、図27に示すように走査終点位置Xe付近のレジスト塗布膜がサイド方向において基板エッジまで延びるが、保証領域境界LXからは遠い場所であり、広がる液量もさほどではない。
比較例(図28)と対比すると理解されるように、この実施形態(図27)においては、走査方向の保証領域境界LX付近でレジスト塗布膜RMのサイド縁部が内側にくびれることにより、そのぶんサイド方向(Y方向)の保証領域境界LY近くで保証領域Es内のレジスト膜厚が増大する。その結果、走査終点位置Xeでサックバックを行った際に、保証領域Es内のレジスト膜厚がサイド方向(Y方向)の端部で許容範囲以下に薄くなるのを防止することができる。
図29に、基板Gの後端部においてサイド方向(Y方向)の保証領域境界LYより少し内側の保証領域Es内を走査方向(X方向)に通る直線Xs上の膜厚プロファイルを実施例(図29)と比較例(図28)とで対比して示す。図29に示すように、走査方向においてレジスト塗布膜RMの膜厚は走査終点位置Xeに向って指数関数的に減少し、比較例(図28)ではマージン領域EMのみならず保証領域Es内でも設定値Dsより薄くなるが、実施例(図27)では保証領域Es内で設定値Dsを保持することができる。
上記のように、本実施形態においては、塗布ギャップの増減による膜厚制御法を走査速度の加減速による膜厚制御法と併用することで両者の相乗効果により膜厚均一性をより一層向上させることができる。もっとも、アプリケーションに応じて、図30に示すような塗布ギャップの増減による膜厚制御法だけを用いることも可能である。なお、図15、図23および図30において各パラメータが変化するタイミングおよび相互のタイミング関係は一例であり、上記のようにレジスト液の種類や塗布条件、塗布仕様等に応じて種々の変形・変更が可能である。たとえば、図23の特性では走査速度と塗布ギャップをそれぞれ増減変化させるタイミングを一致させているが、両者のタイミングを適宜ずらすことも可能である。
以上本発明を好適な実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、その技術思想の範囲内で種々の変形が可能である。たとえば、本発明は上記実施形態のような浮上搬送方式のスピンレス塗布法に限定されるものではない。載置型のステージ上に基板を水平に固定載置して、基板上方で長尺形レジストノズルをノズル長手方向と直交する水平方向に移動させながら基板上にレジスト液を帯状に吐出させて塗布する方式のスピンレス塗布法にも本発明を適用することができる。
上記した実施形態はLCD製造の塗布現像処理システムにおけるレジスト塗布装置に係るものであったが、本発明は被処理基板上に処理液を塗布する任意の塗布法に適用可能である。したがって、本発明における処理液としては、レジスト液以外にも、たとえば層間絶縁材料、誘電体材料、配線材料等の塗布液も可能であり、現像液やリンス液等も可能である。本発明における被処理基板はLCD基板に限らず、他のフラットパネルディスプレイ用基板、半導体ウエハ、CD基板、フォトマスク、プリント基板等も可能である。
本発明の適用可能な塗布現像処理システムの構成を示す平面図である。 実施形態の塗布現像処理システムにおける処理の手順を示すフローチャートである。 実施形態の塗布現像処理システムにおけるレジスト塗布ユニットおよび減圧乾燥ユニットの全体構成を示す略平面図である。 実施形態におけるレジスト塗布ユニットの全体構成を示す斜視図である。 実施形態におけるレジスト塗布ユニットの全体構成を示す略正面図である。 上記レジスト塗布ユニット内のステージ塗布領域における噴出口と吸入口の配列パターンの一例を示す平面図である。 上記レジスト塗布ユニットにおける基板搬送部の構成を示す一部断面略側面図である。 上記レジスト塗布ユニットにおける基板搬送部の保持部の構成を示す拡大断面図である。 上記レジスト塗布ユニットにおける基板搬送部のパッド部の構成を示す斜視図である。 上記レジスト塗布ユニットにおける基板搬送部の保持部の一変形例を示す斜視図である。 上記レジスト塗布ユニットにおけるノズル昇降機構、圧縮空気供給機構およびバキューム供給機構の構成を示す図である。 上記レジスト塗布ユニットにおけるレジスト液供給機構の構成を示す図である。 上記レジスト塗布ユニットにおける制御系の主要な構成を示すブロック図である。 実施形態における塗布走査の一段階を示す側面図である。 実施形態における塗布走査終盤の主要なパラメータの時間特性(第1の実施例)を示すタイミング図である。 実施形態における塗布走査終盤の一段階の作用を示す一部断面側面図である。 実施形態における塗布走査終盤の一段階の作用を示す一部断面側面図である。 実施形態における塗布走査終了時の状態を示す一部断面側面図である。 実施形態においてサックバック終了時のレジスト塗布膜の状態を示す一部断面側面図である。 比較例における塗布走査終了間際の一段階の作用を示す一部断面側面図である。 比較例における塗布走査終了時の状態を示す一部断面側面図である。 比較例においてサックバック終了時のレジスト塗布膜の状態を示す一部断面側面図である。 実施形態における塗布走査終盤の主要なパラメータの時間特性(第2の実施例)を示すタイミング図である。 実施形態における塗布走査終盤の一段階の作用を示す一部断面側面図である。 実施形態における塗布走査終盤の一段階の作用を示す部分拡大断面図である。 実施形態における塗布走査終了間際の一段階の作用を示す部分拡大平面図である。 実施形態における塗布走査終了間際の状態を示す部分拡大平面図である。 比較例における塗布走査終了間際の状態を示す部分拡大平面図である。 基板上の塗布走査終端部におけるレジスト塗布膜の膜厚プロファイルを実施例と比較例とで対比して示す図である。 実施形態における塗布走査終盤の主要なパラメータの時間特性(第3の実施例)を示すタイミング図である。
符号の説明
40 レジスト塗布ユニット(CT)
75 ノズル昇降機構
76 ステージ
78 レジストノズル
84 基板搬送部
88 噴出口
90 吸引口
100 搬送駆動部
102 保持部
104 吸着パッド
122 位置センサ
138 電動モータ
144 エアシリンダ
146 圧縮空気供給機構
148 バキューム供給機構
170 レジスト液供給機構
176 レジストポンプ
200 コントローラ
1 搬入領域
3 塗布領域
5 搬出領域

Claims (18)

  1. 被処理基板と長尺形ノズルの吐出口とを微小なギャップを隔ててほぼ水平に対向させ、前記基板に対して前記ノズルより処理液を供給しながら前記ノズルを相対的に水平方向で移動させる塗布走査を行って、前記基板上に前記処理液の塗布膜を形成する塗布方法であって、
    前記基板上に前記ノズルを相対的に停止させる走査終点位置を設定する工程と、
    前記塗布走査の終盤で、前記基板に対する前記ノズルの相対的な水平移動の速度を、第1の水平移動速度からそれよりも高い第2の水平移動速度までいったん上昇させ、次いで前記第2の水平移動速度から実質的に零に等しい第3の水平移動速度まで減少させて、前記ノズルを前記走査終点位置に着かせる工程と、
    前記塗布走査の終盤で、前記基板と前記ノズルとの間のギャップを、第1の距離間隔からそれよりも小さな第2の距離間隔まで減少させる工程と、
    前記塗布走査の終盤または終了後に、前記ノズルからの前記基板に対する処理液の供給を停止させる工程と、
    前記走査終点位置に着いた前記ノズルに前記基板上の処理液を所定量だけ吸い取らせる工程と
    を有する塗布方法。
  2. 被処理基板と長尺形ノズルの吐出口とを微小なギャップを隔ててほぼ水平に対向させ、前記基板に対して前記ノズルより処理液を供給しながら前記ノズルを水平方向に相対的に移動させる塗布走査を行って、前記基板上に前記処理液の塗布膜を形成する塗布方法であって、
    前記基板上に前記ノズルを相対的に停止させる走査終点位置を設定する工程と、
    前記塗布走査の終盤で、前記基板に対する前記ノズルの相対的な水平移動の速度を、第1の水平移動速度から実質的に零に等しい第2の水平移動速度まで減少させて、前記ノズルを前記走査終点位置に着かせる工程と、
    前記塗布走査の終盤で、前記基板と前記ノズルとの間のギャップを、前記ギャップを第1の距離間隔からそれよりも大きな第2の距離間隔までいったん増大させ、次いで前記第2の距離間隔から前記第1の距離間隔よりも小さな第3の距離間隔まで減少させる工程と、
    前記塗布走査の終盤または終了後に、前記ノズルからの前記基板に対する処理液の供給を停止させる工程と、
    前記走査終点位置に着いた前記ノズルに前記基板上の処理液を所定量だけ吸い取らせる工程と
    を有する塗布方法。
  3. 前記基板の外周エッジから基板中心側に所定の距離だけオフセットした位置を通る境界よりも内側に前記塗布膜の膜厚を保証すべき領域を設定し、前記塗布走査の方向において前記ノズルが前記境界付近を通過するタイミングで、前記ギャップの増大を開始する請求項2に記載の塗布方法。
  4. 被処理基板と長尺形ノズルの吐出口とを微小なギャップを隔ててほぼ水平に対向させ、前記基板に対して前記ノズルより処理液を供給しながら前記ノズルを水平方向に相対的に移動させる走査を行って、前記基板上に前記処理液の塗布膜を形成する塗布方法であって、
    前記基板上に前記ノズルを相対的に停止させる走査終点位置を設定する工程と、
    前記塗布走査の終盤で、前記基板に対する前記ノズルの相対的な水平移動の速度を、第1の水平移動速度からそれよりも高い第2の水平移動速度までいったん上昇させ、次いで前記第2の水平移動速度から実質的に零に等しい第3の水平移動速度まで減少させて、前記ノズルを前記走査終点位置に着かせる工程と、
    前記塗布走査の終盤で、前記基板と前記ノズルとの間のギャップを、第1の距離間隔からそれよりも大きな第2の距離間隔までいったん増大させ、次いで前記第2の距離間隔から前記第1の距離間隔よりも小さな第3の距離間隔まで減少させる工程と、
    前記塗布走査の終盤または終了後に、前記ノズルからの前記基板に対する処理液の供給を停止させる工程と、
    前記走査終点位置に着いた前記ノズルに前記基板上の処理液を所定量だけ吸い取らせる工程と
    を有する塗布方法。
  5. 前記基板の外周エッジから基板中心側に所定の距離だけオフセットした位置を通る境界よりも内側に前記塗布膜の膜厚を保証すべき領域を設定し、前記塗布走査の方向において前記ノズルが前記境界付近を通過するタイミングで、前記水平移動速度の加速を開始する請求項1または請求項4に記載の塗布方法。
  6. 前記塗布走査の方向において前記ノズルが前記境界付近を通過するタイミングで、前記ギャップの増大を開始する請求項5に記載の塗布方法。
  7. 前記走査終点位置に前記ノズルが着いた時から所定時間の経過後に前記処理液の吸い取りを開始する請求項1〜6のいずれか一項に記載の塗布方法。
  8. 被処理基板をほぼ水平に支持するための基板支持部と、
    塗布走査中に前記基板の上面に微小なギャップを隔てて処理液を吐出するための長尺形のノズルと、
    塗布走査中に前記ノズルに前記処理液を圧送するための処理液供給源と、
    塗布走査中に前記ノズルを前記基板に対して相対的に水平方向で移動させるための走査部と、
    前記ノズルを前記基板に対して相対的に鉛直方向で移動させるための昇降部と、
    前記走査部を制御して、塗布走査の終盤で、前記基板に対する前記ノズルの相対的な水平移動の速度を、第1の水平移動速度からそれよりも高い第2の水平移動速度までいったん上昇させ、次いで前記第2の水平移動速度から実質的に零に等しい第3の水平移動速度まで所定の減速率で減少させて、前記ノズルを予め設定した走査終点位置に着かせ、前記昇降部を制御して、塗布走査の終盤で、前記基板と前記ノズルとの間のギャップを第1の距離間隔からそれよりも小さな第2の距離間隔まで減少させ、前記処理液供給源を制御して、塗布走査の終盤または終了後に、前記ノズルに対する前記処理液の圧送を停止させ、かつ前記走査終点位置に着いた前記ノズルを通じて前記基板上の処理液を所定量だけ吸い取らせる制御部と
    を有する塗布装置。
  9. 被処理基板をほぼ水平に支持するための基板支持部と、
    塗布処理中に前記基板の上面に微小なギャップを隔てて処理液を吐出するための長尺形のノズルと、
    塗布処理中に前記ノズルに前記処理液を圧送するための処理液供給源と、
    塗布処理中に前記ノズルを前記基板に対して相対的に水平方向で移動させるための走査部と、
    前記ノズルを前記基板に対して相対的に鉛直方向で移動させるための昇降部と、
    前記走査部を制御して、塗布走査の終盤で、前記基板に対する前記ノズルの相対的な水平移動の速度を、第1の水平移動速度から実質的に零に等しい第2の水平移動速度まで減少させて、前記ノズルを予め設定した走査終点位置に着かせ、前記昇降部を制御して、塗布走査の終盤で、前記基板と前記ノズルとの間のギャップを第1の距離間隔からそれよりも大きな第2の距離間隔までいったん増大させ、次いで前記第2の距離間隔から前記第1の距離間隔よりも小さな第3の距離間隔まで減少させ、前記処理液供給源を制御して、塗布走査の終盤または終了後に、前記ノズルに対する前記処理液の圧送を停止させ、かつ前記走査終点位置に着いた前記ノズルを通じて前記基板上の処理液を所定量だけ吸い取らせる制御部と
    を有する塗布装置。
  10. 被処理基板をほぼ水平に支持するための基板支持部と、
    塗布走査中に前記基板の上面に微小なギャップを隔てて処理液を吐出するための長尺形のノズルと、
    塗布走査中に前記ノズルに前記処理液を圧送するための処理液供給源と、
    塗布走査中に前記ノズルを前記基板に対して相対的に水平方向で移動させるための走査部と、
    前記ノズルを前記基板に対して相対的に鉛直方向で移動させるための昇降部と、
    前記走査部を制御して、塗布走査の終盤で、前記基板に対する前記ノズルの相対的な水平移動の速度を、第1の水平移動速度からそれよりも高い第2の水平移動速度へいったん上昇させ、次いで前記第2の水平移動速度から実質的に零に等しい第3の水平移動速度まで減少させて、前記ノズルを予め設定した走査終点位置に着かせ、前記昇降部を制御して、塗布走査の終盤で、前記基板と前記ノズルとの間のギャップを第1の距離間隔からそれよりも大きな第2の距離間隔までいったん増大させ、次いで前記第2の距離間隔から前記第1の距離間隔よりも小さな第3の距離間隔まで減少させ、前記処理液供給源を制御して、塗布走査の終盤または終了後に、前記ノズルに対する前記処理液の圧送を停止させ、かつ前記走査終点位置に着いた前記ノズルを通じて前記基板上の処理液を所定量だけ吸い取らせる制御部と
    を有する塗布装置。
  11. 前記基板支持部が、前記塗布領域内で前記基板を空中に浮かせるステージを有する請求項8〜10のいずれか一項に記載の塗布装置。
  12. 前記塗布領域内で、前記ステージの上面に、気体を噴出する噴出口と気体を吸い込む吸引口とが多数混在して設けられている請求項11に記載の塗布装置。
  13. 前記ノズルが、前記塗布領域内の水平方向で固定された所定位置に配置され、
    前記走査部が、前記ステージ上で浮いた状態の前記基板を前記水平移動に対応する所定の搬送方向に搬送して前記ノズルの直下を通過させる基板搬送部を有する請求項11または請求項12に記載の塗布装置。
  14. 前記基板搬送部が、
    前記基板の移動する方向と平行に延びるように前記ステージの片側または両側に配置されるガイドレールと、
    前記ガイドレールに沿って移動可能なスライダと、
    前記スライダを前記ガイドレールに沿って移動するように駆動する搬送駆動部と、
    前記スライダから前記ステージの中心部に向かって延在し、前記基板の側縁部を着脱可能に保持する保持部と
    を有する請求項13に記載の塗布装置。
  15. 前記昇降部が、
    前記ノズルを一体に支持するノズル支持部と、
    前記ノズルを任意の第1の高さ位置から任意の第2の高さ位置へ昇降移動させるために前記ノズル支持部と結合する電動アクチエータと、
    前記ノズルの重力をキャンセルするために前記ノズル支持部と結合するエアシリンダと
    を有する請求項11〜14のいずれか一項に記載の塗布装置。
  16. 被処理基板と長尺形ノズルの吐出口とを微小なギャップを隔ててほぼ水平に対向させ、前記基板に対して前記ノズルより処理液を供給しながら前記ノズルを相対的に水平方向で移動させる塗布走査を行って、前記基板上に前記処理液の塗布膜を形成するための塗布処理プログラムであって、
    前記基板上に前記ノズルを相対的に停止させる走査終点位置を設定するステップと、
    前記塗布走査の終盤で、前記基板に対する前記ノズルの相対的な水平移動の速度を、第1の水平移動速度からそれよりも高い第2の水平移動速度までいったん上昇させ、次いで前記第2の水平移動速度から実質的に零に等しい第3の水平移動速度まで減少させて、前記ノズルを前記走査終点位置に着かせるステップと、
    前記塗布走査の終盤で、前記基板と前記ノズルとの間のギャップを、第1の距離間隔からそれよりも小さな第2の距離間隔まで所定の垂直移動速度で減少させるステップと、
    前記塗布走査の終盤または終了後に、前記ノズルからの前記基板に対する処理液の供給を停止させるステップと、
    前記走査終点位置に着いた前記ノズルに前記基板上の処理液を所定量だけ吸い取らせるステップと
    を実行する塗布処理プログラム。
  17. 被処理基板と長尺形ノズルの吐出口とを微小なギャップを隔ててほぼ水平に対向させ、前記基板に対して前記ノズルより処理液を供給しながら前記ノズルを水平方向に相対的に移動させる塗布走査を行って、前記基板上に前記処理液の塗布膜を形成するための塗布処理プログラムであって、
    前記基板上に前記ノズルを相対的に停止させる走査終点位置を設定するステップと、
    前記塗布走査の終盤で、前記基板に対する前記ノズルの相対的な水平移動の速度を、第1の水平移動速度から実質的に零に等しい第2の水平移動速度まで減少させて、前記ノズルを前記走査終点位置に着かせるステップと、
    前記塗布走査の終盤で、前記基板と前記ノズルとの間のギャップを、前記ギャップを第1の距離間隔からそれよりも大きな第2の距離間隔までいったん増大させ、次いで前記第2の距離間隔から前記第1の距離間隔よりも小さな第3の距離間隔まで減少させるステップと、
    前記塗布走査の終盤または終了後に、前記ノズルからの前記基板に対する処理液の供給を停止させるステップと、
    前記走査終点位置に着いた前記ノズルに前記基板上の処理液を所定量だけ吸い取らせるステップと
    を実行する塗布処理プログラム。
  18. 被処理基板と長尺形ノズルの吐出口とを微小なギャップを隔ててほぼ水平に対向させ、前記基板に対して前記ノズルより処理液を供給しながら前記ノズルを水平方向に相対的に移動させる走査を行って、前記基板上に前記処理液の塗布膜を形成するための塗布処理プログラムであって、
    前記基板上に前記ノズルを相対的に停止させる走査終点位置を設定するステップと、
    前記塗布走査の終盤で、前記基板に対する前記ノズルの相対的な水平移動の速度を、第1の水平移動速度からそれよりも高い第2の水平移動速度までいったん上昇させ、次いで前記第2の水平移動速度から実質的に零に等しい第3の水平移動速度まで減少させて、前記ノズルを前記走査終点位置に着かせるステップと、
    前記塗布走査の終盤で、前記基板と前記ノズルとの間のギャップを、第1の距離間隔からそれよりも大きな第2の距離間隔までいったん増大させ、次いで前記第2の距離間隔から前記第1の距離間隔よりも小さな第3の距離間隔まで減少させるステップと、
    前記塗布走査の終盤または終了後に、前記ノズルからの前記基板に対する処理液の供給を停止させるステップと、
    前記走査終点位置に着いた前記ノズルに前記基板上の処理液を所定量だけ吸い取らせるステップと
    を実行する塗布処理プログラム。



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