JP4541500B2 - 筒内燃料噴射エンジンの燃料噴射制御装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、気筒内に燃料を噴射するための筒内噴射用インジェクタと吸気管内に燃料を噴射するための筒外噴射用インジェクタとを備えた筒内燃料噴射エンジンの燃料噴射制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、筒内燃料噴射エンジンにおいては、気筒内に燃料を噴射するための筒内噴射用インジェクタに加え、補助的に吸気管内に燃料を噴射するための筒外噴射用インジェクタを備えている。そして、燃料の霧化特性が悪化する冷態時に、筒内噴射用インジェクタと筒外噴射用インジェクタとを併用することで、エンジン始動性を向上する。
【0003】
例えば、特開2000−8916号公報には、機関始動時の噴射量を、主燃料噴射弁(筒内噴射用インジェクタ)と補助燃料噴射弁(筒外噴射用インジェクタ)とで分担させ、その分担率を機関冷却水温に応じて可変設定する技術が開示されている。また、特開平10−18884号公報には、エンジンの低温始動時、主燃料噴射弁(筒内噴射用インジェクタ)と補助燃料噴射弁(筒外噴射用インジェクタ)とを併用し、主燃料噴射弁の供給燃料量を、補助燃料噴射弁の供給燃料量に基づいて減量補正する技術が開示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、エンジン始動時には、筒内噴射用インジェクタへ燃料を供給する高圧燃料系の燃料圧力が高圧ポンプによる昇圧が不充分で規定の設定圧力に達しない場合が多い。この点、上述の先行技術では、いずれも高圧燃料系の圧力低下については考慮されておらず、エンジン始動時に筒内噴射用インジェクタと筒内噴射用インジェクタとで分担して燃料を供給すると、筒内噴射用インジェクタからは、クランキング直後の高圧燃料系の圧力が極めて低い状態で、微粒化が劣悪な燃料が噴射されてしまう。
【0005】
エンジン始動時の燃料の微粒化の不足は、ある一定の燃料の供給量を考えた場合に空気とのミキシングが効率良く行なわれなくなることを意味し、点火プラグ近傍の可燃混合気濃度が低下して点火不良すなわち始動不良に至る場合がある。これを補うため、燃料供給量を増大させると、潤滑オイルの燃料による希釈、局所的過濃混合気及び液滴の燃焼による煤(粒状物質)の発生等を招き、排気ガスエミッションが悪化(特に、HC及びCOが増加)する虞がある。
【0006】
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、エンジン始動時、気筒内への燃料噴射の微粒化状態を考慮して気筒内への燃料噴射量と吸気管内への燃料噴射量との分担率を適切に設定し、エンジン始動性の向上及び排気ガスエミッションの向上を図ることのできる筒内燃料噴射エンジンの燃料噴射制御装置を提供することを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、請求項1記載の発明は、気筒内に燃料を噴射するための筒内噴射用インジェクタと、吸気管内に燃料を噴射するための筒外噴射用インジェクタとを備え、エンジン始動時に、両インジェクタを併用して燃料を供給する筒内燃料噴射エンジンの燃料噴射制御装置において、エンジン始動時に要求される全要求燃料噴射量に対し、上記筒内噴射用インジェクタへ燃料を供給する高圧燃料系の燃料圧力が所定値以下の領域では、上記筒内噴射用インジェクタを停止させて上記筒外噴射用インジェクタに全要求燃料噴射量を分担させ、上記燃料圧力が上記所定値を超える領域においては、上記筒内噴射用インジェクタによる燃料噴射量と上記筒外噴射用インジェクタによる燃料噴射量とで分担する分担率を、上記高圧燃料系の燃料圧力を主パラメータとして可変設定する燃料分担率設定手段を備えたことを特徴とする。
【0008】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明において、上記燃料分担率設定手段は、上記高圧燃料系の燃料圧力が低い程、上記筒外噴射用インジェクタによる燃料噴射量の分担率を大きくすることを特徴とする。
【0009】
請求項3記載の発明は、請求項1記載の発明において、上記燃料分担率設定手段は、上記高圧燃料系の燃料圧力が上昇するに伴い、上記筒外噴射用インジェクタによる燃料噴射量の分担率を連続的に小さくすることを特徴とする。
【0010】
請求項4記載の発明は、請求項2記載の発明において、上記燃料分担率設定手段は、上記高圧燃料系の燃料圧力をエンジン回転数により予測し、エンジン回転数が低い程、上記筒外噴射用インジェクタによる燃料噴射量の分担率を大きくすることを特徴とする。
【0011】
請求項5記載の発明は、請求項3記載の発明において、上記燃料分担率設定手段は、上記高圧燃料系の燃料圧力をエンジン回転数により予測し、エンジン回転数の上昇に伴い、上記筒外噴射用インジェクタによる燃料噴射量の分担率を連続的に小さくすることを特徴とする。
【0012】
請求項6記載の発明は、請求項1記載の発明において、上記燃料分担率設定手段は、上記高圧燃料系の燃料圧力に加えて気筒内への燃料噴射における温度状態をパラメータとして用い、上記高圧燃料系の燃料圧力が低く且つ上記温度状態が低温側である程、上記筒外噴射用インジェクタによる燃料噴射量の分担率を大きくすることを特徴とする。
【0013】
すなわち、請求項1記載の発明は、エンジン始動時、全要求燃料噴射量に対し、筒内噴射用インジェクタへ燃料を供給する高圧燃料系の燃料圧力が所定値以下の領域では、筒内噴射用インジェクタによる燃料噴射を停止させて筒外噴射用インジェクタに全要求燃料噴射量を分担させ、燃料圧力が所定値を超える領域においては、全要求燃料噴射量に対する筒内噴射用インジェクタによる燃料噴射量と筒外噴射用インジェクタによる燃料噴射量との分担率を、高圧燃料系の燃料圧力を主パラメータとして可変設定し、設定した分担率に従って両インジェクタから燃料を供給することで、高圧燃料系の燃料圧力の上昇が不充分な状態で筒内噴射用インジェクタから微粒化が劣悪なままの燃料が噴射されることを防止してエンジン始動性を向上する。
【0014】
その際、請求項2記載の発明は、高圧燃料系の燃料圧力が低い程、筒外噴射用インジェクタによる燃料噴射量の分担率を大きくすることにより、微粒化の状態が良好な燃料を確実に供給し、エンジン始動性をより向上する。また、請求項3記載の発明は、高圧燃料系の燃料圧力が上昇するに伴い、筒外噴射用インジェクタによる燃料噴射量の分担率を連続的に小さくすることにより、燃料供給量のステップ的な変化を抑制し、エンジン安定性を向上すると共に排気ガスエミッションの悪化を防止する。
【0015】
高圧燃料系の燃料圧力は、エンジン回転数により予測することが可能であり、請求項4記載の発明は、エンジン回転数が低い程、筒外噴射用インジェクタによる燃料噴射量の分担率を大きくし、請求項5記載の発明は、エンジン回転数の上昇に伴い、筒外噴射用インジェクタによる燃料噴射量の分担率を連続的に小さくする。
【0016】
また、請求項6記載の発明は、高圧燃料系の燃料圧力に加えて気筒内への燃料噴射における温度状態をパラメータとして用い、高圧燃料系の燃料圧力が低く且つ温度状態が低温側である程、筒外噴射用インジェクタによる燃料噴射量の分担率を大きくすることにより、低温始動時の筒内噴射用インジェクタからの燃料噴射量を抑制して高圧燃料系の燃料圧力を迅速に上昇させ、筒内噴射用インジェクタからの噴射燃料の微粒化を短時間で実現する。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。図1〜図6は本発明の実施の一形態に係わり、図1はエンジン制御系の概略構成図、図2は燃料供給系の系統図、図3は燃料噴射制御ルーチンのフローチャート、図4は燃料圧力と噴霧粒径との関係を示す説明図、図5は分担率マップの説明図、図6は高圧燃料系の燃料圧力、筒内燃料噴射量、筒外燃料噴射量、及び分担率の変化を示すタイムチャートである。
【0018】
図1において、符号1は、気筒内に燃料を直接噴射して火花点火により混合気を燃焼させる筒内燃料噴射エンジンであり、図においては水平対向型4気筒ガソリンエンジンを示す。エンジン1のシリンダブロック1aの左右両バンクには、シリンダヘッド2がそれぞれ設けられ、各シリンダヘッド2の気筒毎に、吸気ポート3と排気ポート4とが形成されている。本形態のエンジン1は、各気筒毎に2個の吸気弁と2個の排気弁とを有する4バルブエンジンであり、2つの吸気ポート3のそれぞれに連通するインテークマニホルド5の一方の分岐管に、低・中負荷の運転領域で燃焼室内にスワール流を生成してエンジンの燃焼効率を向上させるためのスワール制御弁6が介装されている。
【0019】
また、インテークマニホルド5の各分岐管の上流側集合部であるエアチャンバ7にスロットル弁8が介装され、エアチャンバ7の上流側がスロットル弁8とスロットル弁8を駆動するスロットルアクチュエータ9とを備えた電子制御スロットルボディを介して吸気管10に連通されている。吸気管10の上流側には、エアクリーナを格納するエアボックス12が連通され、エアインテークチャンバ13を介して新気が取り入れられる。
【0020】
更に、エンジン1の各気筒毎の各排気ポート4には、エキゾーストマニホルド14を介して排気管15が連通され、左右両バンクからの排気管15の合流部に三元触媒を有する触媒コンバータ16が介装されている。さらに、この触媒コンバータ16下流側にNOx吸蔵触媒を有する触媒コンバータ17が介装されてマフラ18に連通されている。
【0021】
一方、エンジン1のクランク室に連通するブローバイガス通路23がシリンダブロック1a側から延出され、中途で分岐されて一方がスロットル弁8上流の吸気管10に連通されると共に、他方がブローバイガス制御弁24を介してスロットル弁8下流に連通されている。更に、新気をクランクケース内に導入するための新気導入通路25がスロットル弁8上流の吸気管10から延出され、各バンクのシリンダヘッド2内へ連通されている。エアチャンバ7と排気ポート4とを連通する排気ガス還流(EGR)通路26の中途には、電子制御ユニット100からの制御信号によってEGR量を制御するための電子制御式EGR制御弁27が介装されている。
【0022】
次に、エンジン1の各気筒の燃焼室1bには、筒内噴射用インジェクタ28が臨まされ、更に、筒内噴射用インジェクタ28に対して補助的に使用する筒外噴射インジェクタとして、各バンク毎のインテークマニホルド5のスワール制御弁6上流に、筒外の吸気管内に燃料を噴射する筒外噴射用インジェクタ29が配設されている。筒内噴射用インジェクタ28及び筒外噴射用インジェクタ29への燃料を貯留する燃料タンク30には、インタンク式の燃料ポンプ31が備えられ、この燃料ポンプ31の吐出口から延出される燃料ライン32が燃料フィルタ33を経て二方に分岐され、一方が各バンク毎の筒外噴射用インジェクタ29に接続されると共に、他方が高圧燃料ポンプユニット35に接続されている。
【0023】
高圧燃料ポンプユニット35は、小型且つ軽量で、エンジン1の特性に応じた必要最小限のポンプ容量の仕様で構成され、エンジン1のカム軸を介して駆動される高圧燃料ポンプ、高圧燃料ポンプの吐出圧を筒内噴射用の高圧の噴射圧に調圧する高圧レギュレータ等が内蔵されている。高圧燃料ポンプユニット35からは、燃料タンク30への燃料リターンライン36と、各気筒の筒内噴射用インジェクタ28へ燃料を分配する各バンク毎の燃料分配管38へ連通する高圧ライン37とが延出されている。高圧ライン37には、ライン内エアパージのため、燃料圧力切換バルブアッセンブリ39が接続されており、この燃料圧力切換バルブアッセンブリ39に連通される圧力レギュレータ40の燃料リターンライン41が高圧燃料ポンプユニット35からの燃料リターンライン36と合流されて燃料タンク30に接続されている。
【0024】
詳細には、図2に示すように、低圧燃料系の主要部を構成する燃料ポンプ31は、燃料タンク30内のモータ駆動式フィードポンプ31a、該フィードポンプ31aの吸入側に接続される燃料フィルタ31b及び低圧レギュレータ31c、フィードポンプ31aの吐出側に接続されるダンパ31dを備えたユニットとして構成されている。そして、外部の燃料フィルタ33を介して高圧燃料ポンプユニット35と各バンクの筒外噴射用インジェクタ29とに燃料を供給する。
【0025】
また、高圧燃料系の主要部を構成する高圧燃料ポンプユニット35は、エンジン1によって駆動される高圧フィードポンプ35c、高圧フィードポンプ35cの吐出圧を調圧する高圧レギュレータ35dを主として構成されている。そして、高圧フィードポンプ35cの吸入側に、燃料フィルタ35a及び低圧ダンパ35bが介装されると共に、高圧フィードポンプ35cの吐出側に、高圧ダンパ35e、オリフィス35f、ワンウェイバルブ35gが介装されている。高圧フィードポンプ35cの吐出側は、ワンウェイバルブ35gを介して一方のバンクの燃料分配管38に接続されると共に、ワンウェイバルブ35gから燃料フィルタ35hを介して高圧レギュレータ35dに接続されており、この高圧レギュレータ35dのリターン通路がオリフィス35iを介して燃料タンク30に連通されている。尚、リターン通路には、ワンウェイバルブ35jを介して高圧フィードポンプ35cのドレイン通路が接続されている。
【0026】
また、エンジン駆動式の高圧フィードポンプ35cではエンジン始動のクランキング時に吐出圧(吐出流量)が確保できないことから、高圧フィードポンプ35cの吐出側と吸入側とをバイパスする通路にワンウエイバルブ35kが介装されている。すなわち、エンジン始動時、燃料タンク30内のモータ駆動式のフィードポンプ31aからの燃料圧力によってワンウェイバルブ35kが開弁し、高圧フィードポンプ35cをバイパスして燃料分配管38に燃料を供給する。
【0027】
更に、他方のバンクの燃料分配管38に接続される燃料圧力切換バルブアッセンブリ39は、燃料圧力切換ソレノイド弁39aの入力ポート側が燃料フィルタ39bを介して燃料分配管38に接続されると共に、燃料フィルタ39bの入口側にオリフィス39cを介してレゾネータ39dが接続される構成となっている。エンジン始動時等には、電子制御ユニット100によって燃料圧力切換ソレノイド弁39aが開弁され、高圧ライン37を圧力レギュレータ40を介して燃料タンク30へバイパスさせることで高圧ライン37の燃料圧力を下げて燃料流量を増大させ、高圧ライン37内のエア或いは蒸発ガスを迅速に排出する。
【0028】
一方、燃料タンク30内の蒸発ガスを放出するため、燃料タンク30の上部からは、図1中、破線で示すように、パージ通路42が延出され、万一の車両横転による燃料漏れを防止するためのロールオーババルブ43及び2方向弁44を経て活性炭等からなる吸着部を備えたキャニスタ45に連通されている。パージ通路42のキャニスタ45下流側は、キャニスタ45からの蒸発燃料のパージ量を制御するためのキャニスタパージ制御弁46を介してエアチャンバ7に連通されている。
【0029】
また、エンジン1のシリンダヘッド2の各気筒毎に、先端の放電電極を燃焼室に露呈する点火プラグ47が配設され、各気筒毎の点火プラグ47に、イグナイタを内蔵する点火コイル48が連設されている。また、各シリンダヘッド2内の各吸気カム軸を駆動するカムスプロケット内に、吸気カムプーリと吸気カム軸とを相対回動してクランク軸に対する吸気カム軸の回転位相を連続的に可変する周知の油圧駆動式可変バルブタイミングアクチュエータ49が備えられている。この可変バルブタイミングアクチュエータ49は、電子制御ユニット100からの駆動信号で作動するオイルフロー制御弁50を介した油圧によって駆動制御される。
【0030】
次に、運転状態を検出するためのセンサ類の配置について説明する。エアクリーナを格納するエアボックス12に吸気温センサ51が臨まされ、吸気管10のエアボックス12の直下流には、ホットワイヤ或いはホットフィルム等を用いた熱式の吸入空気量センサ52が介装されている。また、スロットルボディに内設されるスロットル弁8にスロットルセンサ53が連設されており、エンジン1を制御する上での運転者の出力要求としてアクセルペダル54の踏み込み量を検出するため、アクセルセンサ55がケーブルを介してアクセルペダル54に連設されている。
【0031】
また、一方のバンクの燃料分配管38に、高圧燃料系の燃料圧力を検出する燃料圧力センサ56が取り付けられ、三元触媒を有する触媒コンバータ16の上下流側に、それぞれ、全運転域で排気ガス中の空燃比を検出するための空燃比センサ57、排気温センサ58が配設されている。さらに、触媒コンバータ16の下流側に、NOx吸蔵触媒を有する触媒コンバータ17が介装され、この触媒コンバータ17の下流側に、NOx吸蔵触媒を通過した排気ガス中の酸素濃度を検出するためのO2センサ59が配設されている。
【0032】
一方、エンジン1のシリンダブロック1aにノックセンサ60が取付けられ、シリンダブロック1aの左右両バンクを連通する冷却水通路61には、冷却水温センサ62が臨まされている。また、エンジン1のクランク軸に軸着するクランクロータ63の外周にクランク角センサ64が対設され、クランク軸に対して1/2回転する吸気カムプーリの裏面に気筒判別センサ65が対設されている。さらに、吸気カム軸の後端に固設されたカムロータの外周に、バルブタイミング制御情報である吸気カム位置を検出するためのカム位置センサ66が対設されている。尚、本実施の形態においては、気筒判別センサ65は一方のバンクのみに設けられる。
【0033】
以上のエンジン1におけるセンサ・アクチュエータ類は、マイクロコンピュータ及び周辺回路からなる電子制御ユニット(ECU)100に接続されており、各センサ類からの信号をECU100で処理して各アクチュエータ類を駆動し、エンジン1を電子的に制御する。本形態のECU100は、エンジン1の始動・走行時のエンジン制御を行うメイン制御ユニット部100aと、運転者の出力要求としてのアクセル開度に係わるスロットル制御を行うETC制御ユニット部100bとから構成され、メイン制御ユニット部100aでは、燃料噴射制御を含む空燃比制御、点火時期制御、EGR制御、可変バルブタイミング制御等を実行し、ETC制御ユニット部100bでは、スロットルアクチュエータ9を介したスロットル弁8の電子制御を専用に実行する。
【0034】
メイン制御ユニット部100aには、筒内噴射用インジェクタ28を駆動するための専用のインジェクタ駆動ユニット101が接続されており、インジェクタ駆動ユニット101への電源をON,OFFするためのインジェクタドライバリレー102のリレーコイル、燃料ポンプ31への電源をON,OFFするための燃料ポンプリレー103のリレーコイルが接続され、イグニッションリレー104のリレー接点を介してイグニッション電源が供給される。
【0035】
また、メイン制御ユニット部100aに接続されるセンサ類としては、前述の各センサ、すなわち、吸気温センサ51、吸入空気量センサ52、アクセルセンサ55、燃料圧力センサ56、空燃比センサ57、排気温センサ58、O2センサ59、ノックセンサ60、冷却水温センサ62、クランク角センサ64、気筒判別センサ65、カム位置センサ66、及び、マスターバッグ圧力センサ67等がある。更に、メイン制御ユニット部100aに接続されるアクチュエータ類としては、前述の各アクチュエータ類、すなわち、スワール制御弁6、EGR制御弁27、筒外噴射用インジェクタ29、燃料圧力切換ソレノイド弁39a、キャニスタパージ制御弁46、点火コイル48に内蔵されるイグナイタ、可変バルブタイミングアクチュエータ49を油圧駆動するためのオイルフロー制御弁50等がある。但し、筒内噴射用インジェクタ28は、専用のインジェクタ駆動ユニット101に接続され、メイン制御ユニット部100aからインジェクタ駆動ユニット101への制御指令によって駆動制御される。
【0036】
一方、ETC制御ユニット部100bには、ETC電源をON,OFFするため、ETC電源リレー105のリレーコイル及びリレー接点が接続されると共に、スロットルアクチュエータ9、スロットルセンサ53が接続されている。ETC制御ユニット部100bは、メイン制御ユニット部100aからの制御指令に応じたスロットル開度となるよう、スロットルセンサ53からの信号に基づいてスロットルアクチュエータ9を駆動する。
【0037】
ECU100では、各種センサ・スイッチ類からの信号を処理して得られる運転状態に基づいて各種制御量を演算し、制御量に対応する駆動信号を各種アクチュエータ類に出力して運転状態に応じた燃焼形態での空燃比が常に適正な空燃比となるよう制御する。例えば、運転者の出力要求としてのアクセル開度とエンジン回転数とからエンジンの目標トルクを算出し、この目標トルクを実現するに最適な吸入空気量と燃料噴射量とを設定し、筒内噴射用インジェクタ28へ対応する駆動信号を出力すると共に、スロットルアクチュエータ9を介してスロットル弁8の開度を制御する。
【0038】
この場合、燃料噴射制御においては、燃料の霧化特性が悪化するエンジン始動時、筒内噴射用インジェクタ28による気筒内への燃料噴射に加えて筒外噴射用インジェクタ29による吸気管内への補助的な燃料噴射を併用し、始動性の向上を図っているが、筒内噴射用インジェクタ28の燃料噴射量と筒外噴射用インジェクタ29の燃料噴射量との分担率をエンジンの冷却水温等に基づいて一義的に設定すると、高圧燃料系の燃料圧力が低い状態で筒内噴射用インジェクタ28から微粒化の劣悪な燃料が噴射されてしまい、始動性の悪化、排気エミッションの悪化を招く虞がある。
【0039】
このため、ECU100では、エンジン始動時に要求される全要求燃料噴射量に対し、筒内噴射用インジェクタ28による燃料噴射量と筒外噴射用インジェクタ29による燃料噴射量とで分担する分担率を、高圧燃料系の燃料圧力を主パラメータとして可変設定することで、最終的に燃焼室内に微粒化の良好化な燃料を供給し、エンジン始動性及び排気ガスエミッションを向上する。すなわち、ECU100は、本発明に係る燃料分担率設定手段の機能を有し、具体的には、図3に示すルーチンにより、その機能を実現する。
【0040】
以下、ECU100による燃料噴射制御について、図3のフローチャートを用いて説明する。図3の燃料噴射制御ルーチンは、システムに電源が投入されてイニシャライズ(バックアップメモリのデータを除くフラグや変数値のクリア)された後、所定周期毎に実行されるルーチンである。
【0041】
この燃料噴射制御ルーチンでは、先ず、ステップS1で、エンジン1がクランキングされてから完爆回転数(例えば、500〜600rpm)に達するまでの始動時制御を実行中であるか否かを調べる。その結果、既にエンジンが完爆しており、始動時制御が終了している場合には、ステップS1からステップS10へ分岐し、筒内噴射用インジェクタ28のみを用いた筒内噴射の通常制御を実行してルーチンを抜ける。
【0042】
一方、ステップS1において、エンジン1が始動時制御中である場合には、ステップS2へ進んで、冷却水温センサ62からの信号に基づくエンジンの冷却水温(エンジン水温)Tを読込み、ステップS3で、エンジン水温Tに基づいて始動時の全要求燃料噴射量Gfを設定する。全要求燃料噴射量Gfは、筒内噴射用インジェクタ28により気筒内に直接噴射される燃料噴射量(筒内燃料噴射量)Giと、筒外噴射用インジェクタ29により吸気管内に噴射される燃料噴射量(筒外燃料噴射量)Goとの合計燃料噴射量である。
【0043】
次いで、ステップS4へ進み、燃料分配管38に取付けられた燃料圧力センサ56からの信号に基づく高圧燃料系の燃料圧力Pを読込む。この燃料圧力Pは、燃料分配管38内の圧力脈動に対して所定区間で平均化処理等を施した圧力値である。尚、高圧燃料系の燃料圧力Pは、燃料圧力センサ56を用いることなく、高圧フィードポンプ35cの回転数を等価に表すエンジン回転数や要求燃料噴射量等のエンジン運転状態から予測するようにしても良い。
【0044】
続くステップS5では、高圧燃料系の燃料圧力Pに基づいて分担率マップを参照し、全要求燃料噴射量Gfに対する筒内噴射用インジェクタ28による筒内燃料噴射量Giの割合すなわち分担率KRを補間計算等により設定する。分担率マップは、エンジン始動時の筒内噴射用インジェクタ28からの噴射燃料の微粒化の程度を高圧燃料系の燃料圧力に基づいて予測し、良好な微粒化を得ることのできる筒内燃料噴射量Giを設定するためのものであり、予めシミュレーション或いは実験等により求めた最適値を全要求燃料噴射量Gfに対する筒内燃料噴射量Giの割合としてデータマップ化し、ECU100内のメモリに固定データとして記憶しておく。
【0045】
すなわち、筒内噴射用インジェクタ28は、高圧の燃料圧力を前提としているため、エンジン始動時等の高圧フィードポンプ35cによる昇圧が不充分な場合、図4に示すように、噴霧粒径が粗くなり、微粒化状態が悪化する傾向にある。エンジン始動時の燃料の微粒化の不足は、ある一定の燃料の供給量を考えた場合に空気とのミキシングが効率良く行なわれなくなることを意味し、点火プラグ近傍の可燃混合気濃度が低下して点火不良すなわち始動不良に至る場合がある。これを補うため、燃料供給量を増大させると、潤滑オイルの燃料による希釈、局所的過濃混合気及び液滴の燃焼による煤(粒状物質)の発生等を招き、排気ガスエミッションが悪化(特に、HC及びCOが増加)する虞がある。
【0046】
一方、筒外噴射用インジェクタ29は、低圧の燃料圧力(高圧フィードポンプ35cへの供給燃料圧力)を前提としており、吸気管内に燃料を噴射するため、噴射された燃料が燃焼室内に到達するまでに空気とのミキシングや燃料の気化のための時間的余裕が比較的大きく、高圧燃料系の燃料圧力が低下している状況下では、筒内噴射用インジェクタ28に対して燃料の微粒化の点で有利である。従って、高圧燃料系の燃料圧力が低下するエンジン始動時、分担率KRにより燃料微粒化の程度を予測し、微粒化の悪化が予想される状況では全要求燃料噴射量Gfに対して筒内噴射用インジェクタ28による筒内燃料噴射量Giを相対的に減らし、その不足分を筒外噴射用インジェクタ29による吸気管内への筒外燃料噴射量Goで補うことにより、最終的にエンジン始動に必要な燃料量と微粒化のレベルとを確保し、エンジン始動性を向上させる。
【0047】
図5(a)に示すように、分担率マップは、高圧燃料系の燃料圧力Pが低い程、筒内噴射用インジェクタ28による筒内燃料噴射量Giの分担率が小さくなる特性を有し、この筒内燃料噴射量Giの分担率が小さくなるに従って筒外噴射用インジェクタ29による筒外燃料噴射量Goの分担率が大きくなる。すなわち、高圧燃料系の燃料圧力Pが低い程、筒内噴射用インジェクタ28から噴射される燃料量を減少させて燃料の微粒化の悪化による影響を防止すると共に、筒外噴射用インジェクタ29から微粒化の良好な燃料を供給する。尚、前述したように、高圧燃料系の燃料圧力Pをエンジン回転数或いは要求燃料噴射量等で予測する場合には、例えば、エンジン回転数が低い程、筒内噴射用インジェクタ28による筒内燃料噴射量Giの分担率を小さくすることで、筒外噴射用インジェクタ29による筒外燃料噴射量Goの分担率を大きくする。
【0048】
更に、噴射燃料の微粒化の程度は、筒内への燃料噴射における温度状態にも依存することから、より緻密な制御を行なうためには、高圧燃料系の燃料圧力Pに加えて筒内への燃料噴射における温度状態をパラメータとして用いることが望ましい。筒内への燃料噴射における温度状態は、燃料温度や噴射雰囲気の温度で代表することができ、噴射雰囲気の温度としては、エンジン水温や潤滑オイル温度によって示されるエンジン温度、或いは吸入空気温度を採用することができる。
【0049】
図5(b)は、筒内への燃料噴射における温度状態としてエンジン水温Tを採用し、高圧燃料系の燃料圧力Pとエンジン水温Tとに基づいて作成した分担率マップの特性を示す例であり、エンジン水温Tが低い程、噴射燃料の微粒化が悪化することから、同じ燃料圧力Pに対し、エンジン水温Tが低くなる程、分担率KRを小さくして筒内噴射用インジェクタ28による筒内燃料噴射量Giを減少させて燃料の微粒化の悪化による影響を防止し、筒外噴射用インジェクタ29による筒外燃料噴射量Goを増加させて微粒化の良好な燃料を補う。
【0050】
そして、以上の分担率KRを設定した後は、ステップS5からステップS6へ進み、先に設定した全要求燃料噴射量Gfに分担率KRを乗算して筒内噴射用インジェクタ28による筒内燃料噴射量Giを求める(Gi←Gf×KR)。次に、ステップS7で、筒内噴射用インジェクタ28の噴射時間を定める燃料噴射パルス幅Tiiを設定し、噴射タイマにセットする。筒内噴射用インジェクタ28に対する燃料噴射パルス幅Tiiは、例えば、筒内燃料噴射量Giを、周知のように高圧燃料系の燃料圧力、筒内噴射用インジェクタ28のインジェクタ特性及びバッテリ電圧に依存する無効噴射時間等により補正して設定することができる。
【0051】
その後、ステップS8へ進み、全要求燃料噴射量Gfに、筒外噴射用インジェクタ29による筒外燃料噴射量Goの分担率すなわちマップ設定の分担率KRの補数(1−KR)を乗算し、筒外噴射用インジェクタ29による筒外燃料噴射量Goを求める(Go←Gf×(1−KR))。そして、ステップS9で、筒外噴射用インジェクタ29の噴射時間を定める燃料噴射パルス幅Tioを設定し、噴射タイマにセットしてルーチンを抜ける。筒外噴射用インジェクタ29に対する燃料噴射パルス幅Tioは、例えば、筒外燃料噴射量Goを、筒外噴射用インジェクタ29のインジェクタ特性及びバッテリ電圧に依存する無効噴射時間等により補正して設定することができる。
【0052】
例えば、図4に示すように、筒内噴射用インジェクタ28による噴射燃料の噴霧粒径が筒外噴射用インジェクタ29による噴射燃料の噴霧粒径に対して明らかに悪化する燃料圧力P0以下の範囲において、分担率マップの設定値をKR=0.0に設定した場合、図6(a)に示すように、エンジンクランキング開始後、高圧燃料系の燃料圧力がP0に達するまでの間、全要求燃料噴射量Gfの全量が筒外噴射用インジェクタ29からの筒外燃料噴射量Goに割り当てられる。すなわち、従来のように、図6(b)に示すように、クランキング直後から筒内噴射用インジェクタ28と筒外噴射用インジェクタ29とで分担して燃料を噴射する場合、図6(b)の斜線で示す領域では、高圧燃料系の燃料圧力が低いため、筒内噴射用インジェクタ28からの噴霧燃料の微粒化が劣悪な状態で燃料が供給されることになるが、本形態による制御では、高圧燃料系の燃料圧力がP0以下の領域では筒内噴射用インジェクタ28による燃料噴射を停止し、相対的に燃料微粒化が良好な筒外噴射用インジェクタ29から吸気管内に燃料を噴射することで、エンジン始動性を向上させる。
【0053】
その後、時間の経過と共にエンジン回転数が上昇し、このエンジン回転数の上昇に伴って高圧フィードポンプ35cの回転数が上昇して高圧燃料系の燃料圧力が上昇すると、通常制御での設定圧力に達するまでの間、分配率マップによって設定される分担率KRが燃料圧力の上昇に伴って連続的に大きくなる。その結果、筒外噴射用インジェクタ29からの筒外燃料噴射量Goが徐々に減少する一方、筒内噴射用インジェクタ28からの筒内燃料噴射量Giが徐々に増加し、最終的に分担率KR=1.0となったとき、要求燃料噴射量Gfの全量が筒内噴射用インジェクタ28からの筒内燃料噴射量Giとなる。すなわち、筒外噴射用インジェクタ29による吸気管内への燃料噴射から筒内噴射用インジェクタ28による筒内への燃料噴射へ徐々に切換えることにより、燃料供給量のステップ的な変化を抑制し、エンジン安定性を向上すると共に排気ガスエミッションの悪化を防止することができる。
【0054】
この場合、極低温時のエンジン始動において、燃料の気化が著しく低下し、多大な燃料供給量を必要とする状況下では、筒内噴射用インジェクタ28のみによる燃料供給が困難となる場合がある。このような問題が予測される場合、高圧燃料系の燃料圧力とエンジン水温とに基づく分担率マップを用い、筒内噴射用インジェクタ28のみによる燃料供給が困難となる燃料圧力範囲及びエンジン水温範囲では、全要求燃料噴射量Gfの全量を筒外噴射用インジェクタ29からの筒外燃料噴射量Goとすることにより、容易に対処することができる。
【0055】
更に、上述のような極低温下では、筒内噴射用インジェクタ28からの燃料噴射量不足に至らないまでも、高圧フィードポンプ35cの吐出能力に対して筒内噴射用インジェクタ28の燃料噴射量が過大となることから、高圧燃料系の圧力上昇に遅延が発生する場合がある。このような場合においても、燃焼への寄与度が低い低燃料圧力時の筒内噴射用インジェクタ28からの燃料噴射量を抑制することにより、高圧燃料系の燃料圧力を迅速に上昇させて筒内噴射用インジェクタ28からの噴射燃料の微粒化を短時間で実現することができ、燃焼への寄与度が低い無駄燃料を抑制して、潤滑オイルの燃料による希釈、局所的過濃混合気及び液滴の燃焼による煤(粒状物質)の発生等を未然に防止し、排気ガスエミッションの向上を図ることができる。
【0056】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、エンジン始動時、気筒内への燃料噴射の微粒化状態を考慮して気筒内への燃料噴射量と吸気管内への燃料噴射量との分担率を適切に設定し、エンジン始動性の向上及び排気ガスエミッションの向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】エンジン制御系の概略構成図
【図2】燃料供給系の系統図
【図3】燃料噴射制御ルーチンのフローチャート
【図4】燃料圧力と噴霧粒径との関係を示す説明図
【図5】分担率マップの説明図
【図6】高圧燃料系の燃料圧力、筒内燃料噴射量、筒外燃料噴射量、及び分担率の変化を示すタイムチャート
【符号の説明】
1 筒内燃料噴射エンジン
28 筒内噴射用インジェクタ
29 筒外噴射用インジェクタ
100 電子制御装置(燃料分担率設定手段)
P 高圧燃料系の燃料圧力
KR 分担率
Claims (6)
- 気筒内に燃料を噴射するための筒内噴射用インジェクタと、吸気管内に燃料を噴射するための筒外噴射用インジェクタとを備え、エンジン始動時に、両インジェクタを併用して燃料を供給する筒内燃料噴射エンジンの燃料噴射制御装置において、
エンジン始動時に要求される全要求燃料噴射量に対し、上記筒内噴射用インジェクタへ燃料を供給する高圧燃料系の燃料圧力が所定値以下の領域では、上記筒内噴射用インジェクタを停止させて上記筒外噴射用インジェクタに全要求燃料噴射量を分担させ、上記燃料圧力が上記所定値を超える領域においては、上記筒内噴射用インジェクタによる燃料噴射量と上記筒外噴射用インジェクタによる燃料噴射量とで分担する分担率を、上記高圧燃料系の燃料圧力を主パラメータとして可変設定する燃料分担率設定手段を備えたことを特徴とする筒内燃料噴射エンジンの燃料噴射制御装置。 - 上記燃料分担率設定手段は、上記高圧燃料系の燃料圧力が低い程、上記筒外噴射用インジェクタによる燃料噴射量の分担率を大きくすることを特徴とする請求項1記載の筒内燃料噴射エンジンの燃料噴射制御装置。
- 上記燃料分担率設定手段は、上記高圧燃料系の燃料圧力が上昇するに伴い、上記筒外噴射用インジェクタによる燃料噴射量の分担率を連続的に小さくすることを特徴とする請求項1記載の筒内燃料噴射エンジンの燃料噴射制御装置。
- 上記燃料分担率設定手段は、上記高圧燃料系の燃料圧力をエンジン回転数により予測し、エンジン回転数が低い程、上記筒外噴射用インジェクタによる燃料噴射量の分担率を大きくすることを特徴とする請求項2記載の筒内燃料噴射エンジンの燃料噴射制御装置。
- 上記燃料分担率設定手段は、上記高圧燃料系の燃料圧力をエンジン回転数により予測し、エンジン回転数の上昇に伴い、上記筒外噴射用インジェクタによる燃料噴射量の分担率を連続的に小さくすることを特徴とする請求項3記載の筒内燃料噴射エンジンの燃料噴射制御装置。
- 上記燃料分担率設定手段は、上記高圧燃料系の燃料圧力に加えて気筒内への燃料噴射における温度状態をパラメータとして用い、上記高圧燃料系の燃料圧力が低く且つ上記温度状態が低温側である程、上記筒外噴射用インジェクタによる燃料噴射量の分担率を大きくすることを特徴とする請求項1記載の筒内燃料噴射エンジンの燃料噴射制御装置。
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