JP4437874B2 - 撮影用照明装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、在来の写真フィルムを用いるカメラ、ディジタルカメラ等と称される電子カメラ、およびビデオカメラ等による撮影に際し被写体に照明光を照射するための撮影用照明装置の改良に係り、特に、高感度フィルムを用いた撮影や電子カメラを用いた撮影に好適な撮影用照明装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、写真フィルム、いわゆる銀塩フィルムの感度が向上し、ISO感度800〜1600等の高感度フィルムが、一般消費者にも容易に入手し得るようになった。このため、銀塩フィルムを用いる在来のカメラ、いわゆる銀塩カメラ、によっても高感度フィルムによる高感度撮影が容易に行なえるようになった。さらにデジタルスチルカメラ等と称される電子カメラにおいてもCCD(電荷結合素子)撮像素子等のような撮像素子の感度が向上してきている。このため、被写体照明に従来の大光量ストロボやフラッドランプのような大光量がかならずしも必要でなくなってきた。
さらに、発光ダイオード(LED)の輝度の向上も目覚しく、しかも光の3原色である赤色、緑色および青色の各色の発光ダイオードが入手できるようになり、各種照明に利用されるようになってきた。
【0003】
このような発光ダイオードを、カメラ撮影用の照明の光源として採用した従来の技術の一例が、特開平11−133490号公報に示されている。
特開平11−133490号公報に示された構成においては、電源として、公称1.5Vの乾電池を2本用いる時には、これらを直列に接続してなる電池電源から電力を供給して発光ダイオードを発光させる。また、1.5Vの電池を1本しか使用しない場合には昇圧回路を用いて発光ダイオードを発光させるようにしている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特開平11−133490号公報には、単に、電池電源を昇圧して発光ダイオードの駆動発光に利用することが示されているに過ぎず、発光ダイオードを定電流駆動して発光させる技術は何ら開示されていない。
また、従来、発光ダイオードディスプレイ(LEDディスプレイ)装置等のように連続的に発光ダイオードを発光させる装置においては、発光ダイオードを定電流で駆動して連続発光させる技術は多数存在していた。しかしながら、短時間の発光時には、発光ダイオードの定電流駆動はほとんど行なわれていなかった。上述したように、発光ダイオードの輝度が向上し、フィルムや撮像素子の感度が上がったとはいえ、写真等の撮影の照明用に発光ダイオードを用いるためには、まだ相当数の発光ダイオードを同時駆動する必要があり、発光ダイオードの点灯期間中は発光ダイオードの最大定格一杯の電流を流し続けて、発光ダイオードを効率よく発光させる必要がある。
【0005】
しかしながら、電池電源等のように低い電圧の電源を利用可能とし且つ電源効率を向上させるために、昇圧回路等によってコンデンサに蓄えた電圧で発光ダイオードを発光させるようにすると、点灯直後は発光ダイオードに最大定格電流を流したとしても、コンデンサの放電による電圧降下に伴ってLEDに流れる電流は漸次減少してしまう。このため、発光ダイオードの発光輝度も低下して充分な発光量が得られなくなる。これに対して、電圧降下を少なくするためにコンデンサの容量を増やすと、コンデンサが大きくなったり、発光終了後もコンデンサの電圧は高く保たれているため、発光に寄与しない無駄な電荷が多く残ったりして、スペース、コスト、およびエネルギのいずれについても多くの無駄が発生する。
また、シャッタ作動中は、シャッタ羽根の開閉を行うため、大電流を消費するアクチュエータに通電する必要があり、照明用発光ダイオードに流す電流はできるだけ少なくしたい。
【0006】
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたもので、発光ダイオードによる発光をカメラによる撮影の照明に使用するにあたり、電源を昇圧してコンデンサに蓄える電荷の使用効率を向上させるため、コンデンサの充電電荷による発光ダイオードの駆動電流を定電流制御して、コンデンサの電圧が低下しても、発光ダイオードの最大定格一杯の電流を点灯期間中流しつづけることを可能とし、且つアクチュエータに通電してシャッタが開いている間は、昇圧回路の作動を停止するようにして、シャッタ作動中は電源から直接照明用発光ダイオードに流す電流はできるだけ少なくして、電源の負荷を分散することを可能とする撮影用照明装置を提供することを目的としている。
本発明の第1の目的は、特に、作動電圧が低い定電流回路を用いて発光ダイオードを駆動するようにして、コンデンサの電圧が低下しても、発光ダイオードが点灯している間は常に最大定格電流で発光させ、コンデンサに蓄えた電荷の使用効率を向上させることを可能とし、且つシャッタ作動中は昇圧回路の動作を停止してコンデンサだけから照明用発光ダイオードに電流を供給するようにして、電源の負荷を分散し、直流電源の電圧変動を少なくすることを可能とする撮影用照明装置を提供することにある。
【0007】
また、発光ダイオードを点灯するためには、最低でも発光ダイオードの順方向電圧以上の電圧が必要である。順方向電圧は青色、緑色、および白色発光ダイオードの場合、共に最大定格電流時に3.5V程度である。さらに定電流回路等の回路を併用する場合には、これらの回路が有効に作動するのに必要な電圧が加わるため、発光ダイオードの発光終了後、コンデンサには4V以上の電圧が残り、この電荷が無駄になってしまうことになる。
そこで、本発明の第2の目的は、特に、照明用発光ダイオードの点灯時は充電したコンデンサを電池等の直流電源に直列に接続し、電圧を上げて発光ダイオードに供給するようにして、コンデンサに残る電荷を減少させ、コンデンサに蓄えられる電荷の使用効率をさらに向上して、より小型で小容量のコンデンサを使用可能とする撮影用照明装置を提供することにある。
【0008】
本発明の第3の目的は、特に、照明用発光ダイオードの順方向電圧が発光色により異なるので、発光ダイオードの各発光色毎に個別の定電流回路を設けて、コンデンサの利用効率を向上させた撮影用照明装置を提供することにある。
本発明の第4の目的は、特に、低電圧で作動する定電流回路を提供し、且つ中央処理装置のディジタル−アナログ(D/A)コンバータ出力ポートを利用して定電流回路の簡素化を可能とする撮影用照明装置を提供することにある。
本発明の第5の目的は、特に、定電流回路を更に簡略化し得る撮影用照明装置を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載した本発明に係る撮影用照明装置は、上述した目的を達成するために、
1個以上の白色発光ダイオードと、各1個以上の赤色発光ダイオード、青色発光ダイオードおよび緑色発光ダイオードの三原色の発光ダイオードとのうちの少なくとも一方を使用して撮影視野の照明を行なう撮影用照明装置において、
直流電源と、
前記直流電源の電源電圧を昇圧する昇圧回路と、
前記昇圧回路の昇圧された出力によって充電され、充電電荷を前記各発光ダイオードに給電するためのコンデンサと、
前記発光ダイオードに直列に介挿され、前記発光ダイオードに供給される電流を定電流制御するとともに、制御入力に応動して該定電流動作の作動/不作動が制御される定電流回路と、
前記直流電源のプラス側と前記コンデンサの充電端子ではない側の端子との間をオン/オフする第1のトランジスタと、前記直流電源のマイナス側と前記コンデンサの充電端子ではない側の端子との間をオン/オフする第2のトランジスタとからなる直列接続手段と、
シャッタの開動作以前に、前記第1のトランジスタをオフ、前記第2のトランジスタをオンとして前記昇圧回路により前記コンデンサを充電させ、且つシャッタの開動作時には、前記コンデンサへの充電を停止させるとともに、前記第1のトランジスタをオン、前記第2のトランジスタをオフとして前記直流電源の電圧に前記コンデンサの蓄積電圧を加算した電圧を発生させ、前記定電流回路によりこの加算した電圧で各発光ダイオードを発光させる制御手段とを具備することを特徴としている。
【0010】
また、請求項2に記載した本発明に係る撮影用照明装置は、
前記第1のトランジスタが、pnpトランジスタであり、前記第2のトランジスタがnpnトランジスタであることを特徴としている。
【0011】
請求項3に記載した本発明に係る撮影用照明装置は、
前記定電流回路が、
前記定電流回路は、電流を定電流制御するとともに、制御入力に応動して定電流動作の作動/不作動が制御される定電流制御部を備え、
前記各発光ダイオードにそれぞれ抵抗が直列に挿入されるとともに、前記抵抗は各発光ダイオードの順方向電圧の相違を吸収するように各々設定されて、前記各発光ダイオードと前記各抵抗からなる回路の一端が前記定電流回路に接続されて、前記定電流制御部より前記各発光ダイオードをまとめて駆動することを特徴としている。
【0012】
請求項4に記載した本発明に係る撮影用照明装置は、前記定電流回路が、前記各色の発光ダイオードにそれぞれ直列に介挿され、前記各発光ダイオードに供給される電流を定電流制御するとともに、制御入力に応動して該定電流動作の作動/不作動が制御される複数の定電流制御部を備え、前記各発光ダイオードを各色毎に前記各定電流制御部により個別に定電流駆動することを特徴としている。
請求項5に記載した本発明に係る撮影用照明装置は、出力信号をディジタル−アナログ変換して出力するディジタル−アナログコンバータ出力ポートを備えた中央処理装置を具備し、且つ前記定電流回路の各定電流制御部を介して、前記各定電流制御部の電流値を前記中央処理部のディジタル−アナログコンバータ出力ポートの出力電圧によって設定するように構成したことを特徴としている。
請求項6に記載した本発明に係る撮影用照明装置は、周囲温度を検出する温度検出手段をさらに具備し、前記中央処理装置が、前記温度検出手段の検出結果に応じて前記ディジタル−アナログコンバータ出力ポートの出力電圧を制御するようにしたことを特徴としている。
【0013】
【作用】
すなわち、本発明の請求項1による撮影用照明装置は、1個以上の白色発光ダイオードと、各1個以上の赤色発光ダイオード、青色発光ダイオードおよび緑色発光ダイオードの三原色の発光ダイオードとのうちの少なくとも一方またはこれらを組合せて使用して撮影視野の照明を行なう撮影用照明装置において、直流電源の電源電圧を昇圧回路により昇圧し、該昇圧回路の出力によって充電電荷を前記各発光ダイオードに給電するためのコンデンサを充電し、前記発光ダイオードに直列に、制御入力に応動して作動/不作動が制御される定電流回路を介挿して、前記発光ダイオードに供給される電流を定電流制御し、
前記直流電源のプラス側と前記コンデンサの充電端子ではない側の端子との間をオン/オフする第1のトランジスタと、前記直流電源のマイナス側と前記コンデンサの充電端子ではない側の端子との間をオン/オフする第2のトランジスタとからなる直列接続手段を設け、
制御手段が、シャッタの開動作以前には、前記第1のトランジスタをオフ、前記第2のトランジスタをオンとして前記昇圧回路により前記コンデンサを充電させ、且つシャッタの開動作時には、前記コンデンサへの充電を停止させるとともに、前記第1のトランジスタをオン、前記第2のトランジスタをオフとして前記直流電源の電圧に前記コンデンサの蓄積電圧を加算した電圧を発生させ、前記定電流回路によりこの加算した電圧で各発光ダイオードを発光させることを特徴としている。
【0014】
このような構成により、発光ダイオードによる発光をカメラによる撮影の照明に使用するにあたり、電源を昇圧してコンデンサに蓄える電荷の使用効率を向上させるため、コンデンサの充電電荷による発光ダイオードの駆動電流を定電流制御して、コンデンサの電圧が低下しても、発光ダイオードの最大定格一杯の電流を点灯期間中流しつづけることを可能とし、且つアクチュエータに通電してシャッタが開いている間は、昇圧回路の作動を停止するようにして、シャッタ作動中は電源から直接照明用発光ダイオードに流す電流はできるだけ少なくして、電源の負荷を分散することを可能とし、特に、作動電圧が低い定電流回路を用いて発光ダイオードを駆動するようにして、コンデンサの電圧が低下しても、発光ダイオードが点灯している間は常に最大定格電流で発光させ、コンデンサに蓄えた電荷の使用効率を向上させることを可能とし、且つシャッタ作動中は昇圧回路の動作を停止してコンデンサだけから照明用発光ダイオードに電流を供給するようにして、電源の負荷を分散し、直流電源の電圧変動を少なくすることが可能となる。
【0015】
また、本発明の請求項2による撮影用照明装置は、前記第1のトランジスタはpnpトランジスタであり、前記第2のトランジスタはnpnトランジスタであることを特徴としている。
このような構成により、特に、上記請求項1に係る発明による効果を、簡素な構成で、達成している。
【0016】
本発明の請求項3による撮影用照明装置は、前記定電流回路が、電流を定電流制御するとともに、制御入力に応動して該定電流動作の作動/不作動が制御される定電流制御部を備え、
前記各発光ダイオードにそれぞれ抵抗が直列に挿入されるとともに、前記抵抗は各発光ダイオードの順方向電圧の相違を吸収するように各々設定されて、前記各発光ダイオードと前記各抵抗からなる回路の一端が前記定電流回路に接続されて、前記定電流制御部より前記各発光ダイオードをまとめて駆動する。
このような構成により、各発光ダイオードを流れる電流値を、それぞれの抵抗の値で調整が可能となり、発光ダイオードの放電によりメインコンデンサの蓄積電荷の放電により、メインコンデンサの端子電圧は、徐々に低下するが、定電流流回路によって、各発光ダイオードに流れる電流は、最大定格近くの電流に維持される効果がある。
【0017】
本発明の請求項4による撮影用照明装置は、前記定電流回路が、前記各色の発光ダイオードにそれぞれ直列に介挿され、前記各発光ダイオードに供給される電流を定電流制御するとともに、制御入力に応動して該定電流動作の作動/不作動が制御される複数の定電流制御部を備え、前記各発光ダイオードを各色毎に前記各定電流制御部により個別に定電流駆動する。
このような構成により、特に、照明用発光ダイオードの順方向電圧が発光色により異なるので、発光ダイオードの各発光色毎に個別の定電流回路を設けて、コンデンサの利用効率を向上させることができる。
本発明の請求項5による撮影用照明装置は、出力信号をディジタル−アナログ変換して出力するディジタル−アナログコンバータ出力ポートを備えた中央処理装置を具備し、且つ前記定電流回路の各定電流制御部を介して、前記各定電流制御部の電流値を前記中央処理部のディジタル−アナログコンバータ出力ポートの出力電圧によって設定するように構成している。
【0018】
このような構成により、特に、低電圧で作動する定電流回路を提供し、且つ中央処理装置のディジタル−アナログ(D/A)コンバータ出力ポートを利用して定電流回路を簡素化することが可能となる。
本発明の請求項6による撮影用照明装置は、周囲温度を検出する温度検出手段をさらに具備し、前記中央処理装置が、前記温度検出手段の検出結果に応じて前記ディジタル−アナログコンバータ出力ポートの出力電圧を制御する。
このような構成により、特に、定電流回路を更に正確に制御することができる。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態に基づき、図面を参照して本発明の撮影用照明装置を詳細に説明する。
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る撮影用照明装置の概略構成を示しており、図2は、そのタイミングチャートを示している。図1に示す撮影用照明装置は、例えば在来の銀塩カメラに組み込まれているものとする。
図1に示す撮影用照明装置は、電池電源BP1、昇圧回路DD1、メインコンデンサC11、中央処理装置(CPU)CP1、第1段レリーズRL1、第2段レリーズRL2、発光ダイオード(LED)LD1および定電流回路CC1を具備している。
電池電源BP1は、直流電源であり、例えば、公称1.5Vの乾電池2個の直列接続、または公称3Vのリチウム電池1個等のように、電池を用いて公称3Vの電源電圧を得るように構成している。昇圧回路DD1は、この場合DC−DCコンバータ(直流−直流コンバータ)として構成されている。昇圧回路DD1の電源入力端Vinには、電源電池BP1のプラス側が接続されている。昇圧回路DD1の制御端CEは、中央処理装置CP1の制御出力ポートDDCに接続されている。
【0020】
該昇圧回路DD1は、制御端CEに接続されている中央処理装置CP1の制御出力ポートDDCからの制御信号に応答し、該制御信号がオンとなると昇圧動作を行い、昇圧出力端Voutから昇圧された電圧を出力する。中央処理装置CP1の制御出力ポートDDCからの制御信号がオフとなると、該昇圧回路DD1は動作を停止して、昇圧出力端Voutの出力を停止する。昇圧回路DD1の昇圧出力端Voutには、メインコンデンサC1の一端が接続されている。メインコンデンサC1の他端は、電池電源BP1のマイナス側に接続されている。
また、メインコンデンサC1の前記一端、すなわち図示A点には、写真撮影等の照明用として発光ダイオードLD1のアノードが接続され、該発光ダイオードLD1のカソードは、定電流回路CC1の端子LDinに接続されている。定電流回路CC1の端子Vssは、電池電源BP1のマイナス側に接続されている。定電流回路CC1の制御端子CNTは、中央処理装置CP1の制御出力ポートLDCに接続されている。該定電流回路CC1は、中央処理装置CP1の制御出力ポートLDCから制御端子CNTに与えられる制御信号に応答してオン/オフ制御され、オン状態で、端子LDin−Vss間を通過する電流を定電流制御し、オフ状態では、端子LDin−Vss間の電流を遮断する。
【0021】
中央処理装置CP1は、端子Vdd、Vss、DDC、LDC、RL1およびRL2を有している。端子Vddは、電池電源BP1のプラス側に接続され、端子Vssは、電池電源BP1のマイナス側に接続されて、電源の供給を受けている。端子DDCは、既に述べたように昇圧回路DD1の制御端CEに昇圧回路DD1の動作を制御する制御信号を供給している。端子LDCは、既に述べたように定電流回路CC1の制御端子CNTに定電流回路CC1の動作を制御する制御信号を供給している。中央処理装置CP1の端子RL1は、第1段レリーズRL1を介して電池電源BP1のマイナス側に接続され、端子RL2は、第2段レリーズRL2を介して電池電源BP1のマイナス側に接続されている。第1段レリーズRL1および第2段レリーズRL2は、2段動作式のレリーズスイッチの各段のスイッチである。
【0022】
次に、図2に示すタイミングチャートを参照して、図1に示した撮影用照明装置の動作を説明する。
レリーズスイッチの第1段目、すなわち第1段レリーズRL1、がオンとなると中央処理装置CP1は、DDC端子をオン、例えば“L”、にして昇圧回路DD1を作動状態とし、昇圧出力によるメインコンデンサC1への充電を開始させる。
レリーズスイッチの第2段目、第2段レリーズRL2、がオンとなると昇圧回路DD1の作動が停止して、メインコンデンサC1への充電も停止する。この状態で、図示していないシャッタアクチュエータへの通電が行われシャッタが開く。
シャッタがほぼ開放になると、中央処理装置CP1は、端子LDCから端子CNTへの制御信号により定電流回路CC1を作動させ、照明用発光ダイオードLD1に所定の定電流を流して、発光ダイオードLD1を発光させる。
【0023】
この発光に伴う放電により、メインコンデンサC1の端子電圧は、徐々に低下するが、定電流回路CC1によって発光ダイオードLD1に流れる電流は最大定格近傍の電流値に維持される。
所定のシャッタ秒時が経過してシャッタアクチュエータの通電がオフとなり、シャッタが閉じ始めた頃、中央処理装置CP1は、定電流回路CC1を不作動として、発光ダイオードLD1に流す電流を停止させ、発光ダイオードLD1を消灯させる。
発光ダイオードの輝度が向上し、フィルムや撮像素子の感度が上がったとはいえ、照明用に発光ダイオードを用いる場合には、相当数の発光ダイオードが必要であり、発光ダイオード点灯期間中は発光ダイオードの最大定格に充分に近い電流を流し続け、発光ダイオードを効率よく発光させる必要がある。しかしながら、単に、コンデンサに蓄えた電圧で発光ダイオードを発光させるようにすると、点灯直後は発光ダイオードに最大定格電流を流していても、コンデンサの電圧降下に伴い発光ダイオードに流れる電流は漸次減少してしまい、発光輝度も低下して充分な発光量が得られなくなる。また、電圧降下を少なくするためにコンデンサの容量を増やすと、コンデンサが大きくなったり、発光終了後もコンデンサの電圧が高く保たれるため、発光に寄与しない無駄な電荷が多く残り、スペース、コストおよびエネルギの全てについて多くの無駄が発生する。
【0024】
そのため、この第1の実施の形態においては、作動電圧がなるべく低い定電流回路を用いて発光ダイオードを駆動するようにし、コンデンサの電圧が低下しても、発光ダイオードが点灯している間は常に最大定格電流で発光させるようにしている。
一方、シャッタ作動中はシャッタ羽根の開閉を行うため、大電流を消費するアクチュエータに通電する必要があり、照明用発光ダイオードに流す電流はできるだけ少なくしたい。このため、この第1の実施の形態では、照明用発光ダイオードに流す電流は大容量のコンデンサに蓄え、アクチュエータに通電してシャッタが開いている間は、昇圧回路の作動を停止して、照明用発光ダイオードにはコンデンサだけから電流を供給するようにしている。
図1においては、メインコンデンサC1に接続される照明用発光ダイオードLD1は1つだけ描かれているが、実際には、複数の発光ダイオードが直列または並列に接続されていてもよく、白色発光ダイオードまたは、赤色発光ダイオード、青色発光ダイオードおよび緑色発光ダイオードの三原色の発光ダイオードが適宜の数接続されていてもよい。
【0025】
図3は、本発明の第2の実施の形態に係る撮影用照明装置の概略構成を示しており、図4は、そのタイミングチャートを示している。
図3に示す撮影用照明装置も、例えば在来の銀塩カメラに組み込まれているものとする。
図3に示す撮影用照明装置は、電池電源BP2、第1のトランジスタQ11、第2のトランジスタQ12、第3のトランジスタQ13、第4のトランジスタQ14、昇圧回路DD2、メインコンデンサC2、電源スイッチPSW2、中央処理装置CP2、第1段レリーズRL11、第2段レリーズRL12、白色発光ダイオード(白色LED)LW2、赤色発光ダイオード(赤色LED)LR2、青色発光ダイオード(青色LED)LB2、緑色発光ダイオード(緑色LED)LG2および抵抗R11〜R20を具備している。
電池電源BP2は、直流電源であり、例えば、公称1.5Vの乾電池2個の直列接続、または公称3Vのリチウム電池1個等のように、電池を用いて公称3Vの電源電圧を得るように構成している。
【0026】
昇圧回路DD2は、例えばDC−DCコンバータ(直流−直流コンバータ)として構成されている。昇圧回路DD2の電源入力端Vinには、電源スイッチPSW2を介して、電源電池BP2のプラス側が接続されている。昇圧回路DD2の制御端CEは、中央処理装置CP2の制御出力ポートDDCに接続されている。該昇圧回路DD2は、制御端CEに接続されている中央処理装置CP2の制御出力ポートDDCからの制御信号に応答し、該制御信号がオンとなると昇圧動作を行い、昇圧出力端Voutから昇圧された電圧を出力する。中央処理装置CP2の制御出力ポートDDCからの制御信号がオフとなると、該昇圧回路DD2は動作を停止して、昇圧出力端Voutの出力を停止する。昇圧回路DD2の昇圧出力端Voutには、メインコンデンサC2の一端が接続されている。
メインコンデンサC2の他端は、第1のトランジスタQ11のコレクタに接続されると同時に、第2のトランジスタQ12のコレクタにも接続されている。第1のトランジスタQ11は、この場合pnpトランジスタである。第1のトランジスタQ11は、ベースを制御端子とし、エミッタ−コレクタ間を被制御路としている。第2のトランジスタQ12は、この場合npnトランジスタである。
【0027】
第2のトランジスタQ12は、ベースを制御端子とし、コレクタ−エミッタ間を被制御路としている。これら第1のトランジスタQ11の被制御路であるエミッタ−コレクタ間と、第2のトランジスタQ12の被制御路であるコレクタ−エミッタ間とを互いに直列接続として、電池電源BP2のプラス側に接続された電源スイッチPSW2と電池電源BP2のマイナス側との間に接続している。すなわち、メインコンデンサC2の前記他端は、第1のトランジスタQ11がオンである場合には、電源スイッチPSW2を介して電源BP2のプラス側に、また、第2のトランジスタQ12がオンである場合には、電池電源BP2のマイナス側、つまりグラウンド電位(GND)に接続されるようになっている。
また、メインコンデンサC2の前記一端、すなわち図示A点には、写真撮影等の照明用として1個以上の白色発光ダイオードLW2、または赤色発光ダイオードLR2、青色発光ダイオードLB2および緑色発光ダイオードLG2の三原色の発光ダイオードの各アノードがそれぞれ抵抗R17、または抵抗R18、R19およびR20を介して接続されている。発光ダイオードLW2、LR2、LB2およびLG2の各カソードは、第3のトランジスタQ13のコレクタに共通に接続されている。
【0028】
第3のトランジスタQ13は、この場合npnトランジスタである。第3のトランジスタQ13は、ベースを制御端子とし、コレクタ−エミッタを被制御路としている。第3のトランジスタQ13のエミッタには第4のトランジスタQ14のベースが接続されている。第4のトランジスタQ14も、この場合npnトランジスタである。第4のトランジスタQ14のコレクタは、第3のトランジスタQ13のベースに接続されており、第4のトランジスタQ14のエミッタは電池電源のマイナス側に接続されている。第3のトランジスタQ13と第4のトランジスタQ14は、第3のトランジスタQ13のベースに与えられる制御信号に応答して、第3のトランジスタQ13のコレクタ−エミッタ間を流れる電流を定電流制御する。なお、第3のトランジスタQ13と第4のトランジスタQ14は、第3のトランジスタQ13のベースに与えられる制御信号によって、第3のトランジスタQ13をオフとし、コレクタ−エミッタ間を遮断することもできる。これら第3のトランジスタQ13と第4のトランジスタQ14は、シャッタが開いている間だけオンとなり、撮影照明用発光ダイオードにシャッタが開いている間だけ定電流で通電するようにしている。
【0029】
第1のトランジスタQ11のベースは、抵抗R11の一端に接続され、抵抗R11の他端は、該第1のトランジスタQ11のエミッタに接続されている。また、前記抵抗R11の他端は、電源スイッチPSW2を介して電池電源BP2のプラス側に接続されている。さらに、第1のトランジスタQ11のベースは、抵抗R12の一端に接続され、該抵抗R12の他端は、中央処理装置(CPU)CP2の端子Q1Bに接続されている。第2のトランジスタQ12のベースは、抵抗R13の一端に接続され、該抵抗R13の他端は、中央処理装置CP2の端子Q2Bに接続されている。また、第2のトランジスタQ12のベースは、抵抗R14の一端に接続され、該抵抗R14の他端は、第2のトランジスタQ12のエミッタ、すなわち電池電源BP2のマイナス側、に接続されている。第3のトランジスタQ13のベースは、抵抗R15の一端に接続され、該抵抗R15の他端は、中央処理装置CP2の端子Q3Bに接続されている。また、第3のトランジスタQ13のエミッタ、すなわち第4のトランジスタQ14のベース、は、抵抗R16の一端に接続され、該抵抗R16の他端は、第4のトランジスタQ14のエミッタ、すなわち電池電源BP2のマイナス側、に接続されている。
【0030】
中央処理装置CP2は、端子Vdd、Vss、DDC、Q1B、Q2B、Q3B、RL1およびRL2を有している。端子Vddは、電池電源BP2のプラス側に接続され、端子Vssは、電池電源BP2のマイナス側に接続されて、電源の供給を受けている。端子DDCは、既に述べたように昇圧回路DD2の制御端CEに昇圧回路DD2の動作を制御する制御信号を供給している。端子Q1Bは、第1のトランジスタQ11のベースに、該第1のトランジスタQ11を制御駆動するための制御信号を供給している。端子Q2Bは、第2のトランジスタQ12のベースに、該第2のトランジスタQ12を制御駆動するための制御信号を供給している。端子Q3Bは、第3のトランジスタQ13のベースに、該第3のトランジスタQ13および第4のトランジスタQ14からなる定電流回路を制御駆動するための制御信号を供給している。中央処理装置CP2の端子RL1は、第1段レリーズRL11を介して電池電源BP2のマイナス側に接続され、端子RL2は、第2段レリーズRL12を介して電池電源BP2のマイナス側に接続されている。第1段レリーズRL11および第2段レリーズRL12は、2段動作式のレリーズスイッチの各段のスイッチである。
【0031】
次に、図4に示すタイミングチャートを参照して、図3に示した撮影用照明装置の動作を説明する。
電源スイッチPSW2がオンとなるか、またはレリーズスイッチの第1段目がオンとなると、中央処理装置CP2は、DDC端子をオン、例えば“L”、にして昇圧回路DD2を作動状態にするとともに、Q2B端子を“H”にして第2のトランジスタQ12をオンとしてメインコンデンサC2の充電を開始する。レリーズスイッチの第2段目RL12がオンとなり、図示していないシャッタアクチュエータへの通電が行われると昇圧回路DD2の作動が停止して、メインコンデンサC2への充電も停止する。
シャッタが開きほぼ開放になると中央処理装置CP2は第1のトランジスタQ11をオン、第2のトランジスタQ12をオフとしてメインコンデンサC2を電池に直列に接続するとともに、第3および第4のトランジスタQ13およびQ14と抵抗R16とで構成された定電流回路を作動状態にして、照明用発光ダイオードLW2、LR2、LB2およびLG2に電流を流して、これら発光ダイオードLW2、LR2、LB2およびLG2を発光させる。
【0032】
発光ダイオードLW2、LR2、LB2およびLG2に流す電流値は、抵抗R16の値で調整することができる。
発光ダイオードLW2、LR2、LB2およびLG2の発光に伴うメインコンデンサC2の蓄積電荷の放電により、メインコンデンサC2の端子電圧は徐々に低下するが、定電流回路によって発光ダイオードLW2、LR2、LB2およびLG2に流れる電流は最大定格近くの電流に維持される。
所定のシャッタ秒時が経過してシャッタアクチュエータの通電がオフとなり、シャッタが閉じ始めた頃、中央処理装置CP2は、定電流回路を不作動として、発光ダイオードLW2、LR2、LB2およびLG2に流す電流を停止させ、発光ダイオードLW2、LR2、LB2およびLG2を消灯させる。各発光ダイオードLW2、LR2、LB2およびLG2に直列に接続されている抵抗R17、R18、R19およびR20は、各発光ダイオードLW2、LR2、LB2およびLG2の順方向電圧の相違を吸収するためのものである。
【0033】
この第2の実施の形態は、先に述べた第1の実施の形態におけるメインコンデンサに蓄えた電荷の使用効率をさらに上げて、より小型で小容量のコンデンサが使えるようにするものである。
すなわち、発光ダイオードを点灯するためには、最低でも発光ダイオードの順方向電圧以上の電圧が必要である。順方向電圧は、白色、青色および緑色発光ダイオードは共に最大定格電流時に3.5V程度である。さらに定電流回路が有効に作動するのに必要な電圧が加わるため、発光ダイオードの発光終了後はコンデンサに4V以上の電圧が残り、この電荷が無駄になってしまう。
この第2の実施の形態においては、この無駄を少なくするため、発光ダイオードの点灯時は充電したコンデンサを電源である電池に直列に接続し、電圧を上げて発光ダイオードに供給するようにした。その結果、発光ダイオード点灯後にコンデンサに残る電圧は前述した4V以上から、電源電圧(例えば約3V)を引いた電圧となり、コンデンサに残る電荷は大幅に減少するので、その分コンデンサの容量を小さくすることが可能となり、スペースおよびコストの点で有利である。
【0034】
なお、図3においては、昇圧回路DD2の昇圧出力端Voutに接続されたA点と第3のトランジスタQ13のコレクタとの間に、白色発光ダイオードLW2、赤色発光ダイオードLR2、青色発光ダイオードLB2および緑色発光ダイオードLG2(それぞれ抵抗R17、R18、R19およびR20が直列に介挿されている)が各1個ずつ接続されるものとして示されているが、実際には、撮影の照明用として全て白色発光ダイオードLW2を用いるならば、赤色発光ダイオードLR2、青色発光ダイオードLB2および緑色発光ダイオードLB2の組み合わせによる三原色発光ダイオードは不要である。逆に三原色の発光ダイオードだけを使用するなら、白色発光ダイオードLW2は不要である。もちろん、図3に示されるように白色発光ダイオードLW2と三原色の発光ダイオードLR2、LB2およびLG2の組みとを混在させて使用してもかまわない。
また、図3においては、各発光ダイオードLW2、LR2、LB2およびLG2が、各1個ずつ設けられているが、各発光ダイオードLW2、LR2、LB2およびLG2とも複数個ずつ使用しても良いし、三原色発光ダイオードLR2、LB2およびLG2の各色毎に発光ダイオード単体の発光量が異なる場合は、各色毎に使用個数を変えて、光量のバランスを整えるようにしても構わない。
【0035】
また、図4においては、メインコンデンサC2の充電開始時期が電源スイッチPSW2がオンのとき、充電停止がシャッタアクチュエータがオンのときとなっているが、それぞれ、レリーズスイッチの第1段目(RL11)がオンとなった時点と、レリーズスイッチの2段目(RL2)がオンとなった時点としても構わない。
図5は、本発明の第3の実施の形態に係る撮影用照明装置の概略構成を示しており、図6は、そのタイミングチャートを示している。
図5に示す撮影用照明装置も、例えば在来の銀塩カメラに組み込まれているものとする。
図5に示す撮影用照明装置は、図3における昇圧回路DD2を省略し、代わりにダイオードSDを設け、中央処理装置CP2に若干変更して中央処理装置CP2′としたものである。
【0036】
したがって、図5に示す撮影用照明装置は、電池電源BP2、第1のトランジスタQ11、第2のトランジスタQ12、第3のトランジスタQ13、第4のトランジスタQ14、ダイオードSD、メインコンデンサC2、電源スイッチPSW2、中央処理装置CP2′、第1段レリーズRL11、第2段レリーズRL12、白色発光ダイオードLW2、赤色発光ダイオードLR2、青色発光ダイオードLB2、緑色発光ダイオードLG2および抵抗R11〜R20を具備している。図5において、電池電源BP2、第1のトランジスタQ11、第2のトランジスタQ12、第3のトランジスタQ13、第4のトランジスタQ14、メインコンデンサC2、電源スイッチPSW2、第1段レリーズRL11、第2段レリーズRL12、白色発光ダイオードLW2、赤色発光ダイオードLR2、青色発光ダイオードLB2、緑色発光ダイオードLG2および抵抗R11〜R20は、図3と同様であるので詳細な説明は省略する。
【0037】
ダイオードSDのアノードには、電源スイッチPSW2を介して、電源電池BP2のプラス側が接続されている。ダイオードSDのカソードには、メインコンデンサC2の一端が接続されている。
第1のトランジスタQ11のベースは、抵抗R12の一端に接続され、該抵抗R12の他端は、中央処理装置(CPU)CP2′の端子Q1Bに接続されている。第2のトランジスタQ12のベースは、抵抗R13の一端に接続され、該抵抗R13の他端は、中央処理装置CP2′の端子Q2Bに接続されている。第3のトランジスタQ13のベースは、抵抗R15の一端に接続され、該抵抗R15の他端は、メインコンデンサC2と第1のトランジスタQ11のコレクタ(および第2のトランジスタQ12のコレクタ)との接続点に接続されている。
中央処理装置CP2′は、端子Vdd、Vss、Q1B、Q2B、RL1およびRL2を有している。端子Vddは、電池電源BP2のプラス側に接続され、端子Vssは、電池電源BP2のマイナス側に接続されて、電源の供給を受けている。端子Q1Bは、抵抗R12を介して第1のトランジスタQ11のベースに、該第1のトランジスタQ11を制御駆動するための制御信号を供給している。端子Q2Bは、抵抗R13を介して第2のトランジスタQ12のベースに、該第2のトランジスタQ12を制御駆動するための制御信号を供給している。中央処理装置CP2′の端子RL1は、第1段レリーズRL11を介して電池電源BP2のマイナス側に接続され、端子RL2は、第2段レリーズRL12を介して電池電源BP2のマイナス側に接続されている。
【0038】
次に、図6に示すタイミングチャートを参照して、図5に示した撮影用照明装置の動作を説明する。
電源スイッチPSW2がオンとなると、トランジスタQ12がオンとなり、メインコンデンサC2は電池電源BP2からダイオードSDを介して充電される。レリーズスイッチの第2段目、すなわち第2段レリーズRL12がオンとなり、図示しないシャッタアクチュエータへの通電が行われると、トランジスタQ12がオフとされ、メインコンデンサC2の充電が停止されるとともに、シャッタが開き始める。
シャッタが開きほぼ開放になると中央処理装置CP2′は、トランジスタQ11をオンとして、メインコンデンサC2を電池電源BP2に直列に接続する。トランジスタQ11がオンとなると、トランジスタQ13、Q14および抵抗R16で構成された定電流回路が作動状態になり、照明用発光ダイオードLW2、LR2、LB2およびLG2に電流を流し、発光ダイオードLW2、LR2、LB2およびLG2を発光させる。
【0039】
メインコンデンサC2の電圧は徐々に低下するが、定電流回路によって発光ダイオードLW2、LR2、LB2およびLG2に流れる電流は最大定格近くの電流に保たれる。所定のシャッタ秒時が経過してシャッタアクチュエータの通電がオフとなり、シャッタが閉じ始めた頃、中央処理装置CP2′は、トランジスタQ11をオフにする。そうすると、定電流回路も不作動となり、発光ダイオードLW2、LR2、LB2およびLG2に流す電流が停止され、発光ダイオードLW2、LR2、LB2およびLG2が消灯される。
この第3の実施の形態では、上述した第2の実施の形態における昇圧回路DD2を省略し、メインコンデンサC2の充電を電源電池BP2から直接行うことにより、スペースおよびコストを共に削減することができる。電池電源の電圧が約3Vであれば、この電圧でコンデンサを充電し、充電したコンデンサを電池に直列に接続することで6Vの電圧を得ることができる。このような電源により、照明用発光ダイオードLW2、LR2、LB2およびLG2を発光させることで、回路の大幅な簡素化を実現することができ、部品コストおよびスペースが共に削減される。
【0040】
なお、図5においても、図3と同様、照明用LEDとして白色、青色、緑色および赤色の発光ダイオードが各1個づつ記載されているが、実際には、複数個の発光ダイオードが直列あるいは並列に接続されていても構わないし、白色発光ダイオードだけが接続されていてもよく、または赤色、青色および緑色の三原色の発光ダイオードだけが接続されていてもよい。
また、図6においては、メインコンデンサC2の充電開始時期が電源スイッチPSW2がオン、その停止がシャッタアクチュエータがオンの時となっているが、それぞれ第1段レリーズRL11がオンとなった時点、または第2段レリーズRL12がオンとなった時点でもよい。
図7は、本発明の第4の実施の形態に係る撮影用照明装置の概略構成を示している。図7に示す撮影用照明装置は、図3に示す撮影用照明装置の構成から、白色発光ダイオードを省き、赤色、青色および緑色発光ダイオードにそれぞれ個別に定電流回路を設けたものである。
【0041】
図7に示す撮影用照明装置は、電池電源BP3、第1のトランジスタQ21、第2のトランジスタQ22、第3のトランジスタQ23、第4のトランジスタQ24、第5のトランジスタQ25、第6のトランジスタQ26、第7のトランジスタQ27、第8のトランジスタQ28、昇圧回路DD3、メインコンデンサC3、電源スイッチPSW3、中央処理装置CP3、第1段レリーズRL21、第2段レリーズRL22、赤色発光ダイオードLR3、青色発光ダイオードLB3、緑色発光ダイオードLG3および抵抗R21〜R30を具備している。
電池電源BP3は、直流電源であり、電池を用いて公称3Vの電源電圧を得るように構成している。昇圧回路DD3は、例えばDC−DCコンバータとして構成されている。昇圧回路DD3の電源入力端Vinには、電源スイッチPSW3を介して、電源電池BP3のプラス側が接続されている。昇圧回路DD3の制御端CEは、中央処理装置CP3の制御出力ポートDDCに接続されている。該昇圧回路DD3は、制御端CEに接続されている中央処理装置CP3の制御出力ポートDDCからの制御信号に応答し、該制御信号がオンとなると昇圧動作を行い、昇圧出力端Voutから昇圧された電圧を出力する。
【0042】
中央処理装置CP3の制御出力ポートDDCからの制御信号がオフとなると、該昇圧回路DD3は、動作を停止して、昇圧出力端Voutの出力を停止する。昇圧回路DD3の昇圧出力端Voutには、メインコンデンサC3の一端が接続されている。
メインコンデンサC3の他端は第1のトランジスタQ21のコレクタに接続されると同時に、第2のトランジスタQ22のコレクタにも接続されている。第1のトランジスタQ21は、この場合pnpトランジスタである。第1のトランジスタQ21は、ベースを制御端子とし、エミッタ−コレクタ間を被制御路としている。第2のトランジスタQ22は、この場合npnトランジスタである。第2のトランジスタQ22は、ベースを制御端子とし、コレクタ−エミッタ間を被制御路としている。これらトランジスタQ21の被制御路であるエミッタ−コレクタ間と、トランジスタQ22の被制御路であるコレクタ−エミッタ間とを互いに直列接続として、電池電源BP3のプラス側に接続された電源スイッチPSW3と電池電源BP3のマイナス側との間に接続している。すなわち、メインコンデンサC3の前記他端は、第1のトランジスタQ21がオンである場合には、電源スイッチPSW3を介して電源BP3のプラス側に、また、第2のトランジスタQ22がオンである場合は電池電源BP3のマイナス側、つまりグラウンド電位(GND)に接続されるようになっている。
【0043】
また、メインコンデンサC3の前記一端、すなわち図示A点には、写真撮影等の照明用として赤色発光ダイオードLR3、青色発光ダイオードLB3および緑色発光ダイオードLG3の三原色の発光ダイオードの各アノードがそれぞれ接続されている。
赤色発光ダイオードLR3のカソードは、第3のトランジスタQ23のコレクタに接続されている。第3のトランジスタQ23は、この場合npnトランジスタである。第3のトランジスタQ23は、ベースを制御端子とし、コレクタ−エミッタを被制御路としている。第3のトランジスタQ23のエミッタには第4のトランジスタQ24のベースが接続されている。第4のトランジスタQ24も、この場合npnトランジスタである。第4のトランジスタQ24のコレクタは、第3のトランジスタQ23のベースに接続されており、第4のトランジスタQ24のエミッタは電池電源のマイナス側に接続されている。第3のトランジスタQ23と第4のトランジスタQ24は、第3のトランジスタQ23のベースに与えられる制御信号に応答して、第3のトランジスタQ23のコレクタ−エミッタ間を流れる電流を定電流制御する。
【0044】
なお、第3のトランジスタQ23と第4のトランジスタQ24は、第3のトランジスタQ23のベースに与えられる制御信号によって、第3のトランジスタQ23をオフとし、コレクタ−エミッタ間を遮断することもできる。これら第3のトランジスタQ23と第4のトランジスタQ24は、シャッタが開いている間だけオンとなり、赤色発光ダイオードLR3にシャッタが開いている間だけ定電流で通電するようにしている。
青色発光ダイオードLB3のカソードは、第5のトランジスタQ25のコレクタに接続されている。第5のトランジスタQ25は、この場合npnトランジスタである。第5のトランジスタQ25は、ベースを制御端子とし、コレクタ−エミッタを被制御路としている。第5のトランジスタQ25のエミッタには第6のトランジスタQ26のベースが接続されている。第6のトランジスタQ26も、この場合npnトランジスタである。第6のトランジスタQ26のコレクタは、第5のトランジスタQ25のベースに接続されており、第6のトランジスタQ26のエミッタは電池電源のマイナス側に接続されている。第5のトランジスタQ25と第6のトランジスタQ26は、第5のトランジスタQ25のベースに与えられる制御信号に応答して、第5のトランジスタQ25のコレクタ−エミッタ間を流れる電流を定電流制御する。
【0045】
なお、第5のトランジスタQ25と第6のトランジスタQ26は、第5のトランジスタQ25のベースに与えられる制御信号によって、第5のトランジスタQ25をオフとし、コレクタ−エミッタ間を遮断することもできる。これら第5のトランジスタQ25と第6のトランジスタQ26は、シャッタが開いている間だけオンとなり、青色発光ダイオードLB3にシャッタが開いている間だけ定電流で通電するようにしている。
緑色発光ダイオードLG3のカソードは、第7のトランジスタQ27のコレクタに接続されている。第7のトランジスタQ27は、この場合npnトランジスタである。第7のトランジスタQ27は、ベースを制御端子とし、コレクタ−エミッタを被制御路としている。第7のトランジスタQ27のエミッタには第8のトランジスタQ28のベースが接続されている。第8のトランジスタQ28も、この場合npnトランジスタである。第8のトランジスタQ28のコレクタは、第7のトランジスタQ27のベースに接続されており、第8のトランジスタQ28のエミッタは電池電源のマイナス側に接続されている。第7のトランジスタQ27と第8のトランジスタQ28は、第7のトランジスタQ27のベースに与えられる制御信号に応答して、第7のトランジスタQ27のコレクタ−エミッタ間を流れる電流を定電流制御する。
【0046】
なお、第7のトランジスタQ27と第8のトランジスタQ28は、第7のトランジスタQ27のベースに与えられる制御信号によって、第7のトランジスタQ27をオフとし、コレクタ−エミッタ間を遮断することもできる。これら第7のトランジスタQ27と第8のトランジスタQ28は、シャッタが開いている間だけオンとなり、緑色発光ダイオードLG3にシャッタが開いている間だけ定電流で通電するようにしている。
第1のトランジスタQ21のベースは、抵抗R21の一端に接続され、抵抗R21の他端は、該第1のトランジスタQ21のエミッタに接続されている。また、前記抵抗R21の他端は、電源スイッチPSW3を介して電池電源BP3のプラス側に接続されている。さらに、第1のトランジスタQ21のベースは、抵抗R22の一端に接続され、該抵抗R22の他端は、中央処理装置(CPU)CP3の端子Q1Bに接続されている。第2のトランジスタQ22のベースは、抵抗R23の一端に接続され、該抵抗R23の他端は、中央処理装置CP3の端子Q2Bに接続されている。また、第2のトランジスタQ22のベースは、抵抗R24の一端に接続され、該抵抗R24の他端は、第2のトランジスタQ22のエミッタ、すなわち電池電源BP3のマイナス側、に接続されている。
【0047】
第3のトランジスタQ23のベースは、抵抗R25の一端に接続され、該抵抗R25の他端は、中央処理装置CP3の端子LDCに接続されている。また、第3のトランジスタQ23のエミッタ、すなわち第4のトランジスタQ24のベースは、抵抗R26の一端に接続され、該抵抗R26の他端は、第4のトランジスタQ24のエミッタ、すなわち電池電源BP3のマイナス側、に接続されている。第5のトランジスタQ25のベースは、抵抗R27の一端に接続され、該抵抗R27の他端は、中央処理装置CP3の端子LDCに接続されている。また、第5のトランジスタQ25のエミッタ、すなわち第6のトランジスタQ26のベースは、抵抗R28の一端に接続され、該抵抗R28の他端は、第6のトランジスタQ26のエミッタ、すなわち電池電源BP3のマイナス側、に接続されている。第7のトランジスタQ27のベースは、抵抗R29の一端に接続され、該抵抗R29の他端は、中央処理装置CP3の端子LDCに接続されている。また、第7のトランジスタQ27のエミッタ、すなわち第8のトランジスタQ28のベースは、抵抗R30の一端に接続され、該抵抗R30の他端は、第8トランジスタQ28のエミッタ、すなわち電池電源BP3のマイナス側、に接続されている。
【0048】
中央処理装置CP3は、端子Vdd、Vss、DDC、Q1B、Q2B、LDC、RL1およびRL2を有している。端子Vddは、電池電源BP3のプラス側に接続され、端子Vssは、電池電源BP2のマイナス側に接続されて、電源の供給を受けている。端子DDCは、既に述べたように昇圧回路DD3の制御端CEに昇圧回路DD3の動作を制御する制御信号を供給している。端子Q1Bは、第1のトランジスタQ21のベースに、該第1のトランジスタQ21を制御駆動するための制御信号を供給している。端子Q2Bは、第2のトランジスタQ22のベースに、該第2のトランジスタQ22を制御駆動するための制御信号を供給している。端子LDCは、抵抗R25、R27およびR29を介して第3、第5および第7のトランジスタQ23、Q25およびQ27のベースに、該第3、第5および第7のトランジスタQ23、Q25およびQ27と、それぞれ第4、第6および第8のトランジスタQ24、Q26およびQ28とからなる定電流回路を制御駆動するための制御信号を供給している。中央処理装置CP3の端子RL1は、第1段レリーズRL21を介して電池電源BP3のマイナス側に接続され、端子RL2は、第2段レリーズRL22を介して電池電源BP3のマイナス側に接続されている。第1段レリーズRL21および第2段レリーズRL22は、2段動作式のレリーズスイッチの各段のスイッチである。
【0049】
図7に示す構成は、図3に示した回路における各色毎の発光ダイオードLR3、LB3およびLG3にそれぞれ定電流回路を設けたものである。発光ダイオードLR3、LB3およびLG3の発光時には、中央処理装置CP3は、端子LDCを、例えば“H”として、各発光ダイオードLR3、LB3およびLG3に個々に設けられている定電流回路を作動させる。このようにすることにより、各色の発光ダイオードLR3、LB3およびLG3のそれぞれに流す電流を個別に精度よく設定することができ、さらに図3で設けていた順方向電圧補正用の抵抗(R17〜R20)が不要となり、その分だけメインコンデンサC3の電圧をより低い電圧まで利用することができ、コンデンサの利用効率が向上する。
すなわち、照明用発光ダイオードの順方向電圧は発光色により、少しずつ異なっており、一つの定電流回路で駆動すると、発光色毎に電流調整用の抵抗を設ける必要がある。また、定電流回路自体も制御すべき電流値が大きくなるほど作動に必要な電圧が高くなり、コンデンサに無駄な電荷が多く残ることになる。そのため、発光ダイオードLR3、LB3およびLG3の各色毎に個別の定電流回路を設けることによって、コンデンサの利用効率を向上させることができる。
【0050】
図8は、本発明の第5の実施の形態に係る撮影用照明装置の概略構成を示している。
図8に示す撮影用照明装置は、電池電源BP4、第1のトランジスタQ31、第2のトランジスタQ32、第3のトランジスタQ33、第4のトランジスタQ34、第5のトランジスタQ35、昇圧回路DD4、メインコンデンサC4、中央処理装置CP4、赤色発光ダイオードLR4、青色発光ダイオードLB4、緑色発光ダイオードLG4、演算増幅器A31〜A33および抵抗R31〜R37を具備している。
図8における電池電源BP4、第1のトランジスタQ31、第2のトランジスタQ32、昇圧回路DD4、メインコンデンサC4、赤色発光ダイオードLR4、青色発光ダイオードLB4、緑色発光ダイオードLG4、および抵抗R31〜R34は、図7における電池電源BP3、第1のトランジスタQ21、第2のトランジスタQ22、昇圧回路DD3、メインコンデンサC3、赤色発光ダイオードLR3、青色発光ダイオードLB3、緑色発光ダイオードLG3、および抵抗R21〜R24とほぼ同様である。
【0051】
第3のトランジスタQ33、第4のトランジスタQ34、第5のトランジスタQ35、演算増幅器A31〜A33および抵抗R35〜R37は、赤色発光ダイオードLR4、青色発光ダイオードLB4および緑色発光ダイオードLG4に対する定電流回路を構成している。また、中央処理装置CP4は、図7の中央処理装置CP3とほぼ同様であるが、第3のトランジスタQ33、第4のトランジスタQ34、第5のトランジスタQ35、演算増幅器A31〜A33および抵抗R35〜R37からなる定電流回路による赤色発光ダイオードLR4、青色発光ダイオードLB4および緑色発光ダイオードLG4への供給電流を制御する機能を有している。
【0052】
第3のトランジスタQ33は、この場合pnpトランジスタであり、エミッタが昇圧回路DD4の出力端Voutに接続され、コレクタが赤色発光ダイオードLR4のアノードに接続され、そしてベースには、演算増幅器A31の出力が接続されている。赤色発光ダイオードLR4のカソードは、抵抗R35を介して電池電源BP4のマイナス側に接続されている。演算増幅器A31の非反転入力は、赤色発光ダイオードLR4のカソードと抵抗R35の接続点に接続され、演算増幅器A31の反転入力は、中央処理装置CP4のディジタル−アナログコンバータ出力ポートDAC1に接続されている。
第4のトランジスタQ34は、この場合pnpトランジスタであり、エミッタが昇圧回路DD4の出力端Voutに接続され、コレクタが青色発光ダイオードLB4のアノードに接続され、そしてベースには、演算増幅器A32の出力が接続されている。青色発光ダイオードLB4のカソードは、抵抗R36を介して電池電源BP4のマイナス側に接続されている。演算増幅器A32の非反転入力は、青色発光ダイオードLB4のカソードと抵抗R36の接続点に接続され、演算増幅器A32の反転入力は、中央処理装置CP4のディジタル−アナログコンバータ出力ポートDAC2に接続されている。
【0053】
第5のトランジスタQ35は、この場合pnpトランジスタであり、エミッタが昇圧回路DD4の出力端Voutに接続され、コレクタが緑色発光ダイオードLG4のアノードに接続され、そしてベースには、演算増幅器A33の出力が接続されている。緑色発光ダイオードLB4のカソードは、抵抗R37を介して電池電源BP4のマイナス側に接続されている。演算増幅器A33の非反転入力は、緑色発光ダイオードLG4のカソードと抵抗R37の接続点に接続され、演算増幅器A33の反転入力は、中央処理装置CP4のディジタル−アナログコンバータ出力ポートDAC3に接続されている。
図8の撮影用照明装置においては、赤色発光ダイオードLR4、青色発光ダイオードLB4および緑色発光ダイオードLG4のそれぞれに流す電流値を、中央処理装置DD4のディジタル−アナログコンバータ出力ポートDAC1〜DAC3から出力する電圧によって設定することができるようにしている。
【0054】
また、赤色発光ダイオードLR4、青色発光ダイオードLB4および緑色発光ダイオードLG4に流れる電流値は、それぞれ中央処理装置CP4のディジタル−アナログコンバータ出力ポートDAC1〜DAC3の出力電圧と抵抗R35〜R37で決定されるため、これら抵抗R35〜R37の抵抗値を低くすることによって、定電流を設定するための電圧を低くすることができ、そのため、メインコンデンサC1の利用効率を一層向上させることができる。
図9は、本発明の第6の実施の形態に係る撮影用照明装置の概略構成を示している。
図9に示す撮影用照明装置は、電池電源BP4、第1のトランジスタQ31、第2のトランジスタQ32、第3のトランジスタQ33′、第4のトランジスタQ34′、第5のトランジスタQ35′、昇圧回路DD4、メインコンデンサC4、中央処理装置CP4′、赤色発光ダイオードLR4′、青色発光ダイオードLB4′、緑色発光ダイオードLG4′、抵抗R31〜R34、および抵抗R35′〜R37′を具備している。
【0055】
図9における電池電源BP4、第1のトランジスタQ31、第2のトランジスタQ32、昇圧回路DD4、メインコンデンサC4、および抵抗R31〜R34は、図8における電池電源BP4、第1のトランジスタQ31、第2のトランジスタQ32、昇圧回路DD4、メインコンデンサC4、および抵抗R31〜R34と同様である。
図9において、第3のトランジスタQ33′、第4のトランジスタQ34′および第5のトランジスタQ35′は、いずれもnpnトランジスタであり、それぞれ定電流回路を構成する。第3のトランジスタQ33′のコレクタは、赤色発光ダイオードLR4′のカソードに接続され、赤色発光ダイオードLR4′のアノードは昇圧回路DD4の昇圧出力端Voutに接続されている。第3のトランジスタQ33′のエミッタは抵抗R35′を介して電池電源BP4のマイナス側に接続されている。第3のトランジスタQ33のベースは、中央処理装置CP4′のディジタル−アナログコンバータ出力ポートDAC1に接続されている。第4のトランジスタQ34′のコレクタは、青色発光ダイオードLB4′のカソードに接続され、青色発光ダイオードLB4′のアノードは昇圧回路DD4の昇圧出力端Voutに接続されている。
【0056】
第4のトランジスタQ34′のエミッタは抵抗R36′を介して電池電源BP4のマイナス側に接続されている。第4のトランジスタQ34のベースは、中央処理装置CP4′のディジタル−アナログコンバータ出力ポートDAC2に接続されている。第5のトランジスタQ35′のコレクタは、緑色発光ダイオードLG4′のカソードに接続され、緑色発光ダイオードLG4′のアノードは昇圧回路DD4の昇圧出力端に接続されている。第5のトランジスタQ35′のエミッタは抵抗R37′を介して電池電源BP4のマイナス側に接続されている。第5のトランジスタQ35のベースは、中央処理装置CP4′のディジタル−アナログコンバータ出力ポートDAC3に接続されている。中央処理装置CP4′には、図8の中央処理装置CP4にさらにアナログ−ディジタルコンバータ入力ポートADCを設けている。
図9に示す撮影用照明装置は、図8の回路をさらに簡単にしたもので、定電流回路を、第3のトランジスタQ33′と抵抗R35′、第4のトランジスタQ34′と抵抗R36′、および第5のトランジスタQ35′と抵抗R37′で構成し、中央処理装置CP4′のディジタル−アナログコンバータ出力ポートDAC1、DAC2およびDAC3から出力される電圧でそれぞれ電流が決定される。
【0057】
しかしながら、トランジスタのベース・エミッタ間の電圧は、温度で大きく変化するため、周囲温度によって定電流回路の電流が大きく変化してしまう。そのため、中央処理装置CP4′のディジタル−アナログコンバータ出力ポートDAC1、DAC2およびDAC3から電圧を出力する前に、中央処理装置CP4′は、第2のトランジスタQ32のベース−エミッタ間の電圧を、アナログ−ディジタルコンバータ入力ポートADCを介して測定し、この測定値から周囲温度を換算し、その結果に基づいてディジタル−アナログコンバータ出力ポートDAC1、DAC2およびDAC3から出力させる電圧を調整する。
すなわち、中央処理装置のディジタル−アナログコンバータ出力ポートから直接トランジスタのベース電圧を供給するとともに、周囲温度によってトランジスタのベース電圧を変化させて、発光ダイオードの最大定格電流に近い電流値に制御するようにしている。
【0058】
上述したように、従来は、コンデンサに充電した電荷で、撮影照明用の発光ダイオードを発光させると、発光後時間経過と共にコンデンサの電圧が低下し、それに伴い発光ダイオードに流れる電流も減少して、充分な発光量が得られなくなる。また、コンデンサには、発光終了後に発光ダイオードの順方向電圧である3.5Vほどの電圧が残ってしまい、この電荷が無駄となって、電源の利用効率を落としていた。そこで、本発明では、作動電圧の低い定電流回路を用いて、発光ダイオードを発光させることによって、発光期間中は最大定格に近い電流を流し続けられるようにし、さらに、コンデンサを電源の電池に直列に接続することで、発光ダイオードの発光終了後に残るコンデンサの電荷を大幅に少なくすることができ、電源の使用効率を向上させることができる。
【0059】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明によれば、発光ダイオードによる発光をカメラによる撮影の照明に使用するにあたり、電源を昇圧してコンデンサに蓄える電荷の使用効率を向上させるため、コンデンサの充電電荷による発光ダイオードの駆動電流を定電流制御して、コンデンサの電圧が低下しても、発光ダイオードの最大定格一杯の電流を点灯期間中流しつづけることを可能とし、且つアクチュエータに通電してシャッタが開いている間は、昇圧回路の作動を停止するようにして、シャッタ作動中は電源から直接照明用発光ダイオードに流す電流はできるだけ少なくして、電源の負荷を分散することを可能とする撮影用照明装置を提供することができる。
【0060】
すなわち、本発明の請求項1の撮影用照明装置によれば、1個以上の白色発光ダイオードと、各1個以上の赤色発光ダイオード、青色発光ダイオードおよび緑色発光ダイオードの三原色の発光ダイオードとのうちの少なくとも一方を使用して撮影視野の照明を行なう撮影用照明装置において、
直流電源と、
前記直流電源の電源電圧を昇圧する昇圧回路と、
前記昇圧回路の昇圧された出力によって充電され、充電電荷を前記各発光ダイオードに給電するためのコンデンサと、
前記発光ダイオードに直列に介挿され、前記発光ダイオードに供給される電流を定電流制御するとともに、制御入力に応動して該定電流動作の作動/不作動が制御される定電流回路と、
前記直流電源のプラス側と前記コンデンサの充電端子ではない側の端子との間をオン/オフする第1のトランジスタと、前記直流電源のマイナス側と前記コンデンサの充電端子ではない側の端子との間をオン/オフする第2のトランジスタとからなる直列接続手段と、
シャッタの開動作以前に、前記第1のトランジスタをオフ、前記第2のトランジスタをオンとして前記昇圧回路により前記コンデンサを充電させ、且つシャッタの開動作時には、前記コンデンサへの充電を停止させるとともに、前記第1のトランジスタをオン、前記第2のトランジスタをオフとして前記直流電源の電圧に前記コンデンサの蓄積電圧を加算した電圧を発生させ、前記定電流回路によりこの加算した電圧で各発光ダイオードを発光させる制御手段とを具備することにより、特に、作動電圧が低い定電流回路を用いて発光ダイオードを駆動するようにして、コンデンサの電圧が低下しても、発光ダイオードが点灯している間は常に最大定格電流で発光させ、コンデンサに蓄えた電荷の使用効率を向上させることを可能とし、且つシャッタ作動中は昇圧回路の動作を停止してコンデンサだけから照明用発光ダイオードに電流を供給するようにして、電源の負荷を分散し、直流電源の電圧変動を少なくすることが可能となると共に、コンデンサに残る電荷を減少させ、コンデンサに蓄えられる電荷の使用効率をさらに向上して、より小型で小容量のコンデンサを使用可能とする。
【0061】
また、本発明の請求項2の撮影用照明装置によれば、前記第1のトランジスタはpnpトランジスタであり、前記第2のトランジスタはnpnトランジスタであることにより、簡素な構成であり乍ら、請求項1に係る発明の効果を奏することができる。
【0062】
本発明の請求項3の撮影用照明装置によれば、前記定電流回路は、電流を定電流制御するとともに、制御入力に応動して定電流動作の作動/不作動が制御される定電流制御部を備え、
前記各発光ダイオードにそれぞれ抵抗が直列に挿入されるとともに、前記抵抗は各発光ダイオードの順方向電圧の相違を吸収するように各々設定されて、前記各発光ダイオードと前記各抵抗からなる回路の一端が前記定電流回路に接続されて、前記定電流制御部より前記各発光ダイオードをまとめて駆動することにより、
各発光ダイオードを流れる電流値を、それぞれの抵抗の値で調整が可能となり、照明用発光ダイオードの順方向電圧が異なっていても、発光ダイオードの各発光色毎に、対応させることができ、
また、発光ダイオードの放電によりメインコンデンサの蓄積電荷の放電により、メインコンデンサの端子電圧は徐々に低下するが、定電流回路によって、各発光ダイオードに流れる電流は、最大定格近くの電流に維持される効果がある。
【0063】
本発明の請求項4の撮影用照明装置によれば、前記定電流回路が、前記各色の発光ダイオードにそれぞれ直列に介挿され、前記各発光ダイオードに供給される電流を定電流制御するとともに、制御入力に応動して該定電流動作の作動/不作動が制御される複数の定電流制御部を備え、前記各発光ダイオードを各色毎に前記各定電流制御部により個別に定電流駆動することにより、特に、照明用発光ダイオードの順方向電圧が発光色により異なるので、発光ダイオードの各発光色毎に個別の定電流回路を設けて、コンデンサの利用効率を向上させることができる。
本発明の請求項5の撮影用照明装置によれば、出力信号をディジタル−アナログ変換して出力するディジタル−アナログコンバータ出力ポートを備えた中央処理装置を具備し、且つ前記定電流回路の各定電流制御部を介して、前記各定電流制御部の電流値を前記中央処理部のディジタル−アナログコンバータ出力ポートの出力電圧によって設定することにより、特に、低電圧で作動する定電流回路を提供し、且つ中央処理装置のディジタル−アナログ(D/A)コンバータ出力ポートを利用して定電流回路を簡素化することが可能となる。
本発明の請求項6の撮影用照明装置によれば、周囲温度を検出する温度検出手段をさらに具備し、前記中央処理装置が、前記温度検出手段の検出結果に応じて前記ディジタル−アナログコンバータ出力ポートの出力電圧を制御することにより、特に、定電流回路を更に簡略化することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る撮影用照明装置の要部の構成を示す回路構成図である。
【図2】図1の撮影用照明装置の動作を説明するためのタイミングチャートである。
【図3】本発明の第2の実施の形態に係る撮影用照明装置の要部の構成を示す回路構成図である。
【図4】図3の撮影用照明装置の動作を説明するためのタイミングチャートである。
【図5】本発明の第3の実施の形態に係る撮影用照明装置の要部の構成を示す回路構成図である。
【図6】図5の撮影用照明装置の動作を説明するためのタイミングチャートである。
【図7】本発明の第4の実施の形態に係る撮影用照明装置の要部の構成を示す回路構成図である。
【図8】本発明の第5の実施の形態に係る撮影用照明装置の要部の構成を示す回路構成図である。
【図9】本発明の第6の実施の形態に係る撮影用照明装置の要部の構成を示す回路構成図である。
【符号の説明】
BP1,BP2,BP3,BP4 電池電源
DD1,DD2,DD3,DD4 昇圧回路
PSW2,PSW3 電源スイッチ
RL1,RL11,RL21 第1段レリーズ
RL2,RL12,RL22 第2段レリーズ
CP1,CP2,CP2′,CP3,CP3′,CP4,CP4′ 中央処理装置(CPU)
LD1 発光ダイオード
LW2 白色発光ダイオード(LED)
LR2,LR3,LR4,LR4′ 赤色発光ダイオード(LED)
LB2,LB3,LB4,LB4′ 青色発光ダイオード(LED)
LG2,LG3,LG4,LG4′ 緑色発光ダイオード(LED)
Q11,Q12,Q13,Q14,Q21,Q22,Q23,Q24,Q25,Q26,Q27,Q28,Q31,Q32,Q33,Q33′,Q34,Q34′,Q35,Q35′ トランジスタ
SD ダイオード
C1,C2,C3,C4 メインコンデンサ
R11〜R37,R35′〜R37′ 抵抗
Claims (6)
- 1個以上の白色発光ダイオードと、各1個以上の赤色発光ダイオード、青色発光ダイオードおよび緑色発光ダイオードの三原色の発光ダイオードとのうちの少なくとも一方を使用して撮影視野の照明を行なう撮影用照明装置において、
直流電源と、
前記直流電源の電源電圧を昇圧する昇圧回路と、
前記昇圧回路の昇圧された出力によって充電され、充電電荷を前記各発光ダイオードに給電するためのコンデンサと、
前記発光ダイオードに直列に介挿され、前記発光ダイオードに供給される電流を定電流制御するとともに、制御入力に応動して該定電流動作の作動/不作動が制御される定電流回路と、
前記直流電源のプラス側と前記コンデンサの充電端子ではない側の端子との間をオン/オフする第1のトランジスタと、前記直流電源のマイナス側と前記コンデンサの充電端子ではない側の端子との間をオン/オフする第2のトランジスタとからなる直列接続手段と、
シャッタの開動作以前に、前記第1のトランジスタをオフ、前記第2のトランジスタをオンとして前記昇圧回路により前記コンデンサを充電させ、且つシャッタの開動作時には、前記コンデンサへの充電を停止させるとともに、前記第1のトランジスタをオン、前記第2のトランジスタをオフとして前記直流電源の電圧に前記コンデンサの蓄積電圧を加算した電圧を発生させ、前記定電流回路によりこの加算した電圧で各発光ダイオードを発光させる制御手段とを具備することを特徴とする撮影用照明装置。 - 前記第1のトランジスタはpnpトランジスタであり、前記第2のトランジスタはnpnトランジスタであることを特徴とする請求項1に記載の撮影用照明装置。
- 前記定電流回路は、電流を定電流制御するとともに、制御入力に応動して定電流動作の作動/不作動が制御される定電流制御部を備え、
前記各発光ダイオードにそれぞれ抵抗が直列に挿入されるとともに、前記抵抗は各発光ダイオードの順方向電圧の相違を吸収するように各々設定されて、前記各発光ダイオードと前記各抵抗からなる回路の一端が前記定電流回路に接続されて、前記定電流制御部より前記各発光ダイオードをまとめて駆動することを特徴とするに請求項1または請求項2に記載の撮影用照明装置。 - 前記定電流回路は、前記各色の発光ダイオードにそれぞれ直列に介挿され、前記各発光ダイオードに供給される電流を定電流制御するとともに、制御入力に応動して該定電流動作の作動/不作動が制御される複数の定電流制御部を備え、
前記各発光ダイオードを各色毎に前記各定電流制御部により個別に定電流駆動することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の撮影用照明装置。 - 出力信号をディジタル−アナログ変換して出力するディジタル−アナログコンバータ出力ポートを備えた中央処理装置を具備し、且つ前記定電流回路の各定電流制御部を介して、前記各定電流制御部の電流値を前記中央処理部のディジタル−アナログコンバータ出力ポートの出力電圧によって設定するように構成したことを特徴とする請求項4に記載の撮影用照明装置。
- 周囲温度を検出する温度検出手段をさらに具備し、前記中央処理装置は、前記温度検出手段の検出結果に応じて前記ディジタル−アナログコンバータ出力ポートの出力電圧を制御するようにしたことを特徴とする請求項5に記載の撮影用照明装置。
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