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JP4492227B2 - 光伝送システム、該システムに用いられる励起光源停止装置及び励起光源停止方法 - Google Patents

光伝送システム、該システムに用いられる励起光源停止装置及び励起光源停止方法 Download PDF

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Description

この発明は、光伝送システム、該システムに用いられる励起光源停止装置及び励起光源停止方法に係り、たとえば、コネクタの着脱時や光ファイバが断線したときなどに放射される危険な高出力光に対して安全性を確保する場合に用いて好適な光伝送システム、該システムに用いられる励起光源停止装置及び励起光源停止方法に関する。
インターネットなどの普及により、近年、伝送が必要な情報量が大幅に増加している。このような場合に用いられる光伝送システムのうちの波長分割多重(Wavelength Devision Multiplexing、以下、「WDM」という)伝送システムは、波長の異なる光は互いに干渉しないという性質を利用し、複数のデータを波長の異なる複数の搬送用の信号光によって多重化して合波信号光を光ファイバ・ケーブルで伝送するものであり、各データを個別の光ファイバ・ケーブルを介して伝送する場合に比較して1本の光ファイバ・ケーブル上で伝送する情報量を飛躍的に増大させることができるものである。このWDM伝送システムの送信側と受信側との間の光ファイバ・ケーブルでは、合波信号光のレベルが減衰するので、増幅して補正する必要がある。この場合、従来では、Er(エルビウム)などの微量元素を利用した光ファイバ・アンプが使用されていたが、光信号を増幅できる波長帯域が限定され、伝送容量に限界があるため、近年では、ラマン増幅器が多く用いられるようになっている。このラマン増幅器は、ラマン散乱(物理現象)を利用し、励起光の約100nm長波長側の光信号を増幅する特性があり、殆どの波長帯域で光信号の増幅効果が得られる。
この種のWDM伝送システムは、従来では、たとえば図3に示すように、光送信器11,12,…,180と、光合波器2と、中継伝送路3と、光分波器4と、光受信器51,52,…,580とから構成されている。光送信器11,12,…,180は、入力電気信号i1,i2,…,i80をそれぞれ入力し、異なる波長の80チャネルの搬送用の信号光を入力電気信号i1,i2,…,i80でそれぞれ変調することにより、80チャネルの送信側信号光A1,A2,…,A80を生成する。光合波器2は、80チャネルの送信側信号光A1,A2,…,A80が1574〜1609nm程度の波長範囲に波長分割多重された1系統の合波信号光bを生成する。中継伝送路3は、合波信号光bを伝送する。光分波器4は、中継伝送路3を介して伝送された合波信号光bを各波長毎に分波して80チャネルの受信側信号光C1,C2,…,C80を生成する。光受信器51,52,…,580は、受信側信号光C1,C2,…,C80を受信して80チャネルの出力電気信号D1,D2,…,D80に復調する。
図4は、図3中の中継伝送路3の構成図である。
この中継伝送路3は、同図4に示すように、光増幅器11と、光ファイバ12と、分岐カプラ(CPL)13と、信号光除去フィルタ(SwPF)14と、励起光モニタ15と、光合分波器(WDM)16と、励起光源17と、制御部(CONT)18と、光増幅器19とから構成されている。光増幅器11は、合波信号光bを所定の利得で増幅する。光ファイバ12は、80km程度の分散シフトファイバで構成され、損失が20dB程度であり、光増幅器11で増幅された合波信号光bを伝送する。分岐カプラ13は、光ファイバ融着型光パッシブ部品であり,光ファイバ12からの励起光を光合分波器16及び信号光除去フィルタ14に対してそれぞれ95%及び5%の割合で励起光c及び分岐光dに分岐する。信号光除去フィルタ14は、マイクロオプティクス型光パッシブ部品であり、分岐光dから信号光を除去して励起光eを出力する。
励起光モニタ15は、フォトダイオードで構成され、励起光eを検出する。励起光源17は、半導体レーザダイオードを含んで構成され、光ファイバ12に対して波長が1.48μm帯で1W程度の分布ラマン増幅用の励起光fを送出する。光合分波器16は、マイクロオプティクス型光パッシブ部品であり、励起光cと励起光fとを合分波して合波信号光gを出力する。光増幅器19は、合波信号光gを所定の利得で増幅する。制御部18は、励起光モニタ15で所定値の励起光eが検出されたときに励起光源17を瞬時に停止する。たとえば、保守作業などにより、光ファイバ12の中継用の図示しない光コネクタが外されると、送出レベル1W(=+30dBm)の励起光が同光コネクタから放射される。これは保守作業者にとって危険なため、励起光源17を瞬時に停止することが望ましい。光コネクタが外されると、その端面では反射減衰量14dBのフレネル反射が発生するため,約+16dBmの励起光が光ファイバ12中に戻る。このとき、励起光モニタ15で励起光eの減衰が検出されるため、制御部18によって励起光源17が瞬時に停止される。
上記のWDM伝送システムの他、従来、この種の技術としては、たとえば、次のような文献に記載されるものがあった。
特許文献1に記載された光伝送システムでは、励起光供給手段によりラマン増幅用の励起光が光ファイバに供給され、この光ファイバを伝搬する信号光がラマン増幅される。ラマン増幅された信号光のパワーが信号光パワー検出手段により検出され、この信号光パワーに基づいて、判定手段により、光ファイバへの励起光の供給を停止すべきか否かが判定される。そして、励起光の供給を停止すべきであると判定されたとき、停止手段により、光ファイバへの励起光の供給が停止される。このため、ラマン増幅用の励起光が外部に漏れることがなく、漏洩励起光による危険が低減される。
特許文献2に記載された光伝送システムでは、端局装置が、モニタ命令及びレスポンスキャリアからなるモニタ信号を送信する。これらのモニタ命令及びレスポンスキャリアは、互いに光波長が異なっている。また、光ファイバ伝送路を増幅媒体とした光増幅を行う中継装置は、レスポンスキャリアにレスポンス情報を重畳させてレスポンス信号を生成し、端局装置に送信する。これにより、中継装置の近傍で回線障害が発生した場合でも、モニタ制御を行うことができるので、信頼性が向上する。
特許文献3に記載された光伝送システムでは、光信号断検出手段により、光ファイバにおける光信号ロスが検出されると、励起光遮断手段により、励起光源による励起光が遮断されるので、ラマン分布増幅を用いた系においても、ファイバ断あるいはコネクタ着脱時に、自動的かつ速やかに励起光が遮断される。
特許文献4に記載された光通信用モジュールでは、送信側から信号光に監視光(ファイバ曲げ検出用光)が加えられて送信され、コネクタ着脱やファイバ断時に受信側で監視光が検出されなくなると、励起光源が停止される。この監視光の波長は、信号光の波長がCバンド(たとえば、1530〜1565nm)又はLバンド(たとえば、1565〜1625nm)であるのに対して、Uバンド(たとえば、1625〜1675nm)に設定されている。また、遮断機能が故障した場合でも、可視光線により保守者に光の漏れを認識させる。また、光ファイバの曲げに対しても敏感な遮断機能が実現する。このため、高出力の光ファイバ通信システムの安全性を保ち、無駄なエネルギの消費を抑えた運用が行われる。
特開2002−182253号公報(要約書、図1) 特開2003−032192号公報(要約書、図1) 特開2003−218796号公報(要約書、図1) 特開2003−264509号公報(第8頁、図2)
しかしながら、上記従来の次のような問題点があった。
すなわち、図3に示すWDM伝送システムでは、光コネクタが接続されていても、反射減衰量25dB程度の小さな反射が発生するため、約+5dBm以下の励起光が光ファイバ11中に戻っている場合には、励起光源16を停止しないように制御部17を設定する必要がある。ここで、たとえば光ファイバ11の断線(図4中の×)がラマン光源から10dB程度減衰した場所で発生すると、送出レベル1W(=+30dBm)の励起光が10dBの損失を受けて+20dBmの励起光が同光ファイバ11の断線が発生した部分から放射される。これは危険なため、励起光源16を瞬時に停止することが望ましい。光ファイバ11が断線すると、その端面では反射減衰量14dBのフレネル反射が発生するが、断線が発生した部分まで往復で20dBの損失を受けるため,約−4dBmの励起光がラマン光源に戻る。この−4dBmは約+5dBmより小さいので、ラマン光源(励起光源16)は停止しない。このように、従来のWDM伝送システムでは、光ファイバ11の断線などが、この断線した部分の端面で反射した励起光によって検出されるので、励起光源16が瞬時に停止されず、端面から危険な高出力光が放射されるという問題点がある。
また、特許文献1に記載された光伝送システムでは、ラマン増幅された信号光のパワーが信号光パワー検出手段により検出されるようになっているため、図3のWDM伝送システムとほぼ同様の問題点がある。また、特許文献2に記載された光伝送システムでは、互いに光波長が異なるモニタ命令及びレスポンスキャリアからなるモニタ信号を送信するようになっているため、システムの構成が煩雑になるという問題点がある。また、特許文献3に記載された光伝送システムでは、光信号断検出手段により、光ファイバにおける光信号ロスが検出されるようになっているため、図3のWDM伝送システムとほぼ同様の問題点がある。また、特許文献4に記載された光通信用モジュールでは、光ファイバの曲げに対して対策するものであり、この発明とは、主旨が異なっている。
上記課題を解決するために、請求項1記載の発明は、所定の波長に設定されたnチャネル(n;1以上の整数)の搬送用の信号光をnチャネルの入力電気信号でそれぞれ変調することにより、nチャネルの送信側信号光を生成する光送信器群と、前記各送信側信号光と異なる波長を有すると共に前記各入力電気信号の周波数よりも低い周波数の監視用電気信号で変調された監視用光を発生する1つ又は複数の監視用光送信器と、前記nチャネルの送信側信号光及び前記監視用光を合波して合波信号光を生成する光合波器とからなる送信側サブシステムと、前記合波信号光を分布ラマン増幅用励起光源から出力される励起光によるラマン増幅効果を用いて伝送する中継伝送路と、中継伝送路を介して伝送された前記合波信号光を前記各波長毎に分波してnチャネルの受信側信号光及び1チャネル又は複数チャネルの監視用光を生成する光分波器と、前記nチャネルの受信側信号光を受信してnチャネルの出力電気信号に復調する光受信器群と、前記1チャネル又は複数チャネルの監視用光を受信して1チャネル又は複数チャネルの監視用電気信号に復調する1つ又は複数の監視用光受信器とからなる受信側サブシステムとを備えてなる光伝送システムに係り、前記中継伝送路が、前記合波信号光を伝送する光ファイバと、分布ラマン増幅用の前記励起光を出力する前記励起光源と、該励起光源から出力される前記励起光を前記光ファイバに供給する光合分波器と、前記監視用光の伝送状態を常時監視し、該監視用光の伝送が停止したとき、前記励起光源からの前記励起光の出力を停止させる励起光源停止手段とを備え、かつ、該励起光源停止手段が、前記合波信号光に含まれる前記監視用光から、その一部を取り出す監視用光分岐手段と、該監視用光分岐手段から取り出された前記監視用光の一部を検出する監視用光検出部と、該監視用光検出部で前記監視用光の一部が検出されなくなったとき、前記励起光源を停止させる制御部とを備えてなることを特徴としている。
請求項記載の発明は、請求項1記載の光伝送システムに係り、前記監視用電気信号が、所定の周波数の低周波信号として設定されていることを特徴としている。
請求項記載の発明は、所定の波長に設定されたnチャネル(n;1以上の整数)の搬送用の信号光をnチャネルの入力電気信号でそれぞれ変調することにより、nチャネルの送信側信号光を生成する光送信器群と、前記各送信側信号光と異なる波長を有すると共に前記各入力電気信号の周波数よりも低い周波数の監視用電気信号で変調された監視用光を発生する1つ又は複数の監視用光送信器と、前記nチャネルの送信側信号光及び前記監視用光を合波して合波信号光を生成する光合波器とからなる送信側サブシステムと、前記合波信号光を分布ラマン増幅用励起光源から出力される励起光によるラマン増幅効果を用いて伝送する中継伝送路と、中継伝送路を介して伝送された前記合波信号光を前記各波長毎に分波してnチャネルの受信側信号光及び1チャネル又は複数チャネルの監視用光を生成する光分波器と、前記nチャネルの受信側信号光を受信してnチャネルの出力電気信号に復調する光受信器群と、前記1チャネル又は複数チャネルの監視用光を受信して1チャネル又は複数チャネルの監視用電気信号に復調する1つ又は複数の監視用光受信器とからなる受信側サブシステムとを備えてなる光伝送システムに用いられ、前記中継伝送路に配設されて、前記監視用光の伝送状態を常時監視し、該監視用光の伝送が停止したとき、前記励起光源からの励起光の出力を停止させる励起光源停止装置に係り、前記合波信号光に含まれる前記監視用光から、その一部を取り出す監視用光分岐手段と、該監視用光分岐手段から取り出された前記監視用光の一部を検出する監視用光検出部と、該監視用光検出部で前記監視用光の一部が検出されなくなったとき、前記励起光源を停止させる制御部とを備えてなることを特徴としている。
請求項記載の発明は、請求項記載の励起光源停止装置に係り、前記中継伝送路が、前記合波信号光を伝送する光ファイバと、分布ラマン増幅用の前記励起光を出力する前記励起光源と、該励起光源から出力される前記励起光を前記光ファイバに供給する光合分波器と、前記励起光源停止手段とを備えてなることを特徴としている。
請求項記載の発明は、請求項記載の励起光源停止装置に係り、前記監視用電気信号が、所定の周波数の低周波信号として設定されていることを特徴としている。
請求項記載の発明は、所定の波長に設定されたnチャネル(n;1以上の整数)の搬送用の信号光をnチャネルの入力電気信号でそれぞれ変調することにより、nチャネルの送信側信号光を生成する光送信器群と、前記各送信側信号光と異なる波長を有すると共に前記各入力電気信号の周波数よりも低い周波数の監視用電気信号で変調された監視用光を発生する1つ又は複数の監視用光送信器と、前記nチャネルの送信側信号光及び前記監視用光を合波して合波信号光を生成する光合波器とからなる送信側サブシステムと、前記合波信号光を分布ラマン増幅用励起光源から出力される励起光によるラマン増幅効果を用いて伝送する中継伝送路と、中継伝送路を介して伝送された前記合波信号光を前記各波長毎に分波してnチャネルの受信側信号光及び1チャネル又は複数チャネルの監視用光を生成する光分波器と、前記nチャネルの受信側信号光を受信してnチャネルの出力電気信号に復調する光受信器群と、前記1チャネル又は複数チャネルの監視用光を受信して1チャネル又は複数チャネルの監視用電気信号に復調する1つ又は複数の監視用光受信器とからなる受信側サブシステムとを備えてなる光伝送システムに用いられ、前記中継伝送路において、前記監視用光の伝送状態を常時監視し、該監視用光の伝送が停止したとき、前記励起光源からの励起光の出力を停止させる励起光源停止方法に係り、監視用光分岐手段を用いて、前記合波信号光に含まれる前記監視用光から、その一部を取り出し、監視用光検出部に、前記監視用光分岐手段から取り出された前記監視用光の一部を検出させ、当該監視用光検出部で前記監視用光の一部が検出されなくなったとき、制御部に前記励起光源を停止させることを特徴としている。
請求項記載の発明は、請求項記載の励起光源停止方法に係り、前記監視用電気信号が、所定の周波数の低周波信号として設定されていることを特徴としている。
この発明の構成によれば、入力電気信号の周波数よりも低い周波数の監視用電気信号で変調された監視用光を発生する1つ又は複数の監視用光送信器を設け、励起光源停止手段により監視用光の伝送状態を常時監視し、該監視用光の伝送が停止したとき、分布ラマン増幅用励起光源からの励起光の発光を停止するようにしたので、比較的簡単な構成で安全性が確保される光伝送システムを実現できる。また、監視用周波数成分が各入力電気信号の周波数よりも低い低周波に設定されているので、同監視用周波数成分がフィルタにより高精度に取り出される。このため、励起光源を高精度で瞬時に停止することができ、コネクタの着脱時や光ファイバが断線したときなどに放射される危険な高出力光に対して安全性を確保できる。
コネクタの着脱時や光ファイバが断線した場合などに、励起光源を停止させることにより、危険な高出力光が放射されることを防止して安全性が確保された光伝送システムを提供する。
図1は、この発明の一実施例である光伝送システムの構成を示すブロック図である。
この例の光伝送システムは、同図に示すように、WDM伝送システムであり、光送信器211,212,…,2180と、監視用光送信器2181と、光合波器22と、中継伝送路23と、光分波器24と、光受信器251,252,…,2580と、監視用光受信器2581とから構成されている。光送信器211,212,…,2180は、入力電気信号i1,i2,…,i80をそれぞれ入力し、異なる波長の80チャネルの搬送用の信号光を入力電気信号i1,i2,…,i80でそれぞれ変調することにより、80チャネルの送信側信号光A1,A2,…,A80を生成する。監視用光送信器2181は、送信側信号光A1,A2,…,A80と異なる波長を有すると共に入力電気信号i1,i2,…,i80の周波数よりも低い周波数の監視用電気信号i81で変調された監視用光A81を発生する。特に、この実施例では、監視用電気信号i81の周波数は、所定の周波数(たとえば、8MHz程度)の低周波信号(以下、「トーン周波数」という)として設定されている。なお、ここでは、「トーン周波数」とは、単に、入力電気信号i1,i2,…,i80の周波数よりも低い低周波という意味である。
光合波器22は、送信側信号光A1,A2,…,A80及び監視用光A81が1574〜1609nm程度の波長範囲に波長分割多重された1系統の合波信号光Bを生成する。中継伝送路23は、合波信号光Bを伝送し、特に、この実施例では、同合波信号光Bを分布ラマン増幅用励起光源からの励起光によるラマン増幅効果を用いて伝送すると共に、監視用光A81の伝送状態を常時監視し、同監視用光A81の伝送が停止したとき、分布ラマン増幅用励起光源からの励起光の発光を停止する。光分波器24は、中継伝送路23を介して伝送された合波信号光Bを各波長毎に分波して80チャネルの受信側信号光C1,C2,…,C80及び監視用光C81を生成する。光受信器251,252,…,2580は、受信側信号光C1,C2,…,C80を受信して80チャネルの出力電気信号D1,D2,…,D80に復調する。監視用光受信器2581は、監視用光C81を受信して監視用電気信号D81に復調する。
図2は、図1中の中継伝送路23の構成図である。
この中継伝送路23は、同図2に示すように、光増幅器31と、光ファイバ32と、分岐カプラ(CPL)33と、信号光通過フィルタ(BPF)34と、信号光モニタ35と、光合分波器(WDM)36と、励起光源37と、制御部(CONT)38と、光増幅器39と、トーン検出器(TONE DET)40とから構成されている。光増幅器31は、合波信号光Bを所定の利得で増幅する。光ファイバ32は、80km程度の分散シフトファイバで構成され、損失が20dB程度であり、光増幅器31で増幅された合波信号光Bを伝送する。分岐カプラ33は、光ファイバ融着型光パッシブ部品であり、光ファイバ32で伝送される合波信号光Bの一部を分岐光dとして取り出し、特に、この実施例では、光ファイバ32からの励起光を光合分波器36及び信号光通過フィルタ34に対してそれぞれ95%及び5%の割合で励起光c及び分岐光dに分岐する。信号光通過フィルタ34は、マイクロオプティクス型光パッシブ部品であり、分岐光dから、励起光、雑音光、及び80チャネルの送信側信号光A1,A2,…,A80を除去し、監視用光A81の監視用周波数成分hのみを取り出す。
信号光モニタ35は、フォトダイオードで構成され、信号光通過フィルタ34から取り出された監視用周波数成分hを監視用電気信号jに変換する。トーン検出器40は、監視用電気信号jから監視用周波数成分hが検出されるとき、検出信号kを生成する。励起光源37は、半導体レーザダイオードを含んで構成され、たとえば波長が1.48μm帯で1W程度の分布ラマン増幅用励起光fを励起する。
光合分波器36は、マイクロオプティクス型光パッシブ部品で構成され、励起光源37から励起された分布ラマン増幅用励起光fを光ファイバ32に供給すると共に、励起光c。を通過させて励起光gとして出力する。光増幅器39は、励起光gを所定の利得で増幅して光分波器24へ送出する。制御部38は、トーン検出器40で検出信号kが生成されなくなったとき、制御信号mによって励起光源37を瞬時に停止させる。
たとえば、ラマン光源から10dB程度減衰した場所で光ファイバ32の断線が発生すると、送出レベル1W(=+30dBm)の励起光が10dBの損失を受けて+20dBmの励起光が光ファイバ32の断線が発生した部分から放射される。これは危険なため、励起光源37を瞬時に停止することが望ましい。光ファイバ32の断線が発生すると、合波信号光Bが伝搬されないため、瞬時にトーン検出器40でトーン周波数での変調成分が検出されなくなり、制御部38が励起光源37を瞬時に停止させる。上記分岐カプラ33、信号光通過フィルタ34、信号光モニタ35、制御部38、及びトーン検出器40で、励起光源停止装置が構成されている。
次に、この例のWDM伝送システムに用いられる励起光源停止方法の処理内容について説明する。
この励起光源停止方法では、監視用光C81の伝送が常時監視され、同監視用光C81の伝送が停止したとき、分布ラマン増幅用の励起光源37からの励起光fの発光が停止される。すなわち、入力電気信号i1,i2,…,i80は、それぞれ光送信器211,212,…,2180に入力され、異なる波長の80チャネルの搬送用の信号光が同入力電気信号i1,i2,…,i80でそれぞれ変調されることにより、80チャネルの送信側信号光A1,A2,…,A80が生成される。また、監視用電気信号i81は、監視用光送信器2181に入力され、同監視用光送信器2181から監視用電気信号i81で変調された監視用光A81が出力される。送信側信号光A1,A2,…,A80及び監視用光A81は、光合波器22で波長分割多重され、同光合波器22から合波信号光Bが出力される。
合波信号光Bは、光増幅器31で増幅され、光ファイバ32で伝送される。この伝送される合波信号光Bは、分岐カプラ33で励起光c及び分岐光dに分岐される。励起光cは光合分波器36を経て励起光gとして出力され、同励起光gは光増幅器39で増幅されて光分波器24へ送出される。光分波器24では、光増幅器39で増幅された励起光gが各波長毎に分波されて80チャネルの受信側信号光C1,C2,…,C80及び監視用光C81が生成される。受信側信号光C1,C2,…,C80は、光受信器251,252,…,2580で受信されて80チャネルの出力電気信号D1,D2,…,D80に復調される。監視用光C81は、監視用光受信器2581で受信されて監視用電気信号D81に復調される。
一方、分岐光dは信号光通過フィルタ34に入力され、励起光、雑音光、及び送信側信号光A1,A2,…,A80が除去され、同信号光通過フィルタ34から監視用光A81の監視用周波数成分hのみが取り出される。監視用周波数成分hは、信号光モニタ35で監視用電気信号jに変換される。監視用電気信号jはトーン検出器40に送出され、同トーン検出器40から検出信号kが出力される。ここで、たとえば光ファイバ32の断線が発生したとき、合波信号光Bが伝搬されないため、トーン検出器40で検出信号kが生成されなくなり、制御部38から制御信号mが出力されて励起光源37が瞬時に停止される。
以上のように、この実施例では、トーン検出器40で監視用周波数成分hの検出信号kが生成されなくなったとき、制御部38から出力される制御信号mによって励起光源37が瞬時に停止されるので、比較的簡単な構成で安全性が確保される。また、信号光通過フィルタ34により、分岐光dから、励起光、雑音光、及び送信側信号光A1,A2,…,A80が除去され、かつ監視用周波数成分hが入力電気信号i1,i2,…,i80の周波数よりも低い低周波に設定されているので、同監視用周波数成分hが高精度に取り出される。このため、励起光源37が高精度で瞬時に停止され、コネクタの着脱時や光ファイバ32が断線したときなどに放射される危険な高出力光に対して安全性が確保される。
以上、この発明の実施例を図面により詳述してきたが、具体的な構成は同実施例に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変更などがあっても、この発明に含まれる。
たとえば、図1では、監視用光送信器2181は、1つ設けられているが、複数設けても良い。この場合、監視用光送信器2181の数に対応して、監視用光受信器2581、信号光通過フィルタ(BPF)34、信号光モニタ35、及びトーン検出器40も複数設ける必要がある。これにより、さらに確実に励起光源37を瞬時に停止できる。また、監視用電気信号の周波数は、8MHzに限らず、入力電気信号i1,i2,…,i80の周波数よりも低ければ、任意の周波数で良い。また、上記実施例では、80チャネルの入力電気信号i1,i2,…,i80が光送信器211,212,…,2180に入力されるようになっているが、1チャネル以上の任意のチャネル数に設定しても良い。
この発明は、分布ラマン増幅用励起光源からの励起光によるラマン増幅効果を用いて信号光を伝送する光伝送システム全般に適用できる。
この発明の一実施例である光伝送システムの構成を示すブロック図である。 図1中の中継伝送路23の構成図である。 従来のWDM伝送システムの構成を示すブロック図である。 図3中の中継伝送路3の構成図である。
符号の説明
211,212,…,2180 光送信器
2181 監視用光送信器
22 光合波器
23 中継伝送路
24 光分波器
251,252,…,2580 光受信器
2581 監視用光受信器
31,39 光増幅器
32 光ファイバ
33 分岐カプラ(励起光源停止装置の一部、監視用光分手段の一部)
34 信号光通過フィルタ(励起光源停止装置の一部、監視用光分手段の一部)
35 信号光モニタ(監視用光検出部の一部、励起光源停止装置の一部)
36 光合分波器(WDM)
37 励起光源
38 制御部(励起光源停止装置の一部)
40 トーン検出器(監視用光検出部の一部、励起光源停止装置の一部)

Claims (7)

  1. 所定の波長に設定されたnチャネル(n;1以上の整数)の搬送用の信号光をnチャネルの入力電気信号でそれぞれ変調することにより、nチャネルの送信側信号光を生成する光送信器群と、前記各送信側信号光と異なる波長を有すると共に前記各入力電気信号の周波数よりも低い周波数の監視用電気信号で変調された監視用光を発生する1つ又は複数の監視用光送信器と、前記nチャネルの送信側信号光及び前記監視用光を合波して合波信号光を生成する光合波器とからなる送信側サブシステムと
    前記合波信号光を分布ラマン増幅用励起光源から出力される励起光によるラマン増幅効果を用いて伝送する中継伝送路と、
    中継伝送路を介して伝送された前記合波信号光を前記各波長毎に分波してnチャネルの受信側信号光及び1チャネル又は複数チャネルの監視用光を生成する光分波器と、前記nチャネルの受信側信号光を受信してnチャネルの出力電気信号に復調する光受信器群と、前記1チャネル又は複数チャネルの監視用光を受信して1チャネル又は複数チャネルの監視用電気信号に復調する1つ又は複数の監視用光受信器とからなる受信側サブシステムとを備えてなる光伝送システムであって、
    前記中継伝送路は、
    前記合波信号光を伝送する光ファイバと、
    分布ラマン増幅用の前記励起光を出力する前記励起光源と、
    該励起光源から出力される前記励起光を前記光ファイバに供給する光合分波器と、
    前記監視用光の伝送状態を常時監視し、該監視用光の伝送が停止したとき、前記励起光源からの前記励起光の出力を停止させる励起光源停止手段とを備え、かつ、
    該励起光源停止手段は、
    前記合波信号光に含まれる前記監視用光から、その一部を取り出す監視用光分岐手段と、
    該監視用光分岐手段から取り出された前記監視用光の一部を検出する監視用光検出部と、
    該監視用光検出部で前記監視用光の一部が検出されなくなったとき、前記励起光源を停止させる制御部とを備えてなることを特徴とする光伝送システム。
  2. 前記監視用電気信号は、
    所定の周波数の低周波信号として設定されていることを特徴とする請求項記載の光伝送システム。
  3. 所定の波長に設定されたnチャネル(n;1以上の整数)の搬送用の信号光をnチャネルの入力電気信号でそれぞれ変調することにより、nチャネルの送信側信号光を生成する光送信器群と、前記各送信側信号光と異なる波長を有すると共に前記各入力電気信号の周波数よりも低い周波数の監視用電気信号で変調された監視用光を発生する1つ又は複数の監視用光送信器と、前記nチャネルの送信側信号光及び前記監視用光を合波して合波信号光を生成する光合波器とからなる送信側サブシステムと
    前記合波信号光を分布ラマン増幅用励起光源から出力される励起光によるラマン増幅効果を用いて伝送する中継伝送路と、
    中継伝送路を介して伝送された前記合波信号光を前記各波長毎に分波してnチャネルの受信側信号光及び1チャネル又は複数チャネルの監視用光を生成する光分波器と、前記nチャネルの受信側信号光を受信してnチャネルの出力電気信号に復調する光受信器群と、前記1チャネル又は複数チャネルの監視用光を受信して1チャネル又は複数チャネルの監視用電気信号に復調する1つ又は複数の監視用光受信器とからなる受信側サブシステムとを備えてなる光伝送システムに用いられ、
    前記中継伝送路に配設されて、前記監視用光の伝送状態を常時監視し、該監視用光の伝送が停止したとき、前記励起光源からの励起光の出力を停止させる励起光源停止装置であって、
    前記合波信号光に含まれる前記監視用光から、その一部を取り出す監視用光分岐手段と、
    該監視用光分岐手段から取り出された前記監視用光の一部を検出する監視用光検出部と、
    該監視用光検出部で前記監視用光の一部が検出されなくなったとき、前記励起光源を停止させる制御部とを備えてなることを特徴とする励起光源停止装置
  4. 前記中継伝送路は、
    前記合波信号光を伝送する光ファイバと、
    分布ラマン増幅用の前記励起光を出力する前記励起光源と、
    該励起光源から出力される前記励起光を前記光ファイバに供給する光合分波器と、
    前記励起光源停止手段とを備えてなることを特徴とする請求項記載の励起光源停止装置。
  5. 前記監視用電気信号は、
    所定の周波数の低周波信号として設定されていることを特徴とする請求項記載の励起光源停止装置。
  6. 所定の波長に設定されたnチャネル(n;1以上の整数)の搬送用の信号光をnチャネルの入力電気信号でそれぞれ変調することにより、nチャネルの送信側信号光を生成する光送信器群と、前記各送信側信号光と異なる波長を有すると共に前記各入力電気信号の周波数よりも低い周波数の監視用電気信号で変調された監視用光を発生する1つ又は複数の監視用光送信器と、前記nチャネルの送信側信号光及び前記監視用光を合波して合波信号光を生成する光合波器とからなる送信側サブシステムと
    前記合波信号光を分布ラマン増幅用励起光源から出力される励起光によるラマン増幅効果を用いて伝送する中継伝送路と、
    中継伝送路を介して伝送された前記合波信号光を前記各波長毎に分波してnチャネルの受信側信号光及び1チャネル又は複数チャネルの監視用光を生成する光分波器と、前記nチャネルの受信側信号光を受信してnチャネルの出力電気信号に復調する光受信器群と、前記1チャネル又は複数チャネルの監視用光を受信して1チャネル又は複数チャネルの監視用電気信号に復調する1つ又は複数の監視用光受信器とからなる受信側サブシステムとを備えてなる光伝送システムに用いられ、
    前記中継伝送路において、前記監視用光の伝送状態を常時監視し、該監視用光の伝送が停止したとき、前記励起光源からの励起光の出力を停止させる励起光源停止方法であって、
    監視用光分岐手段を用いて、前記合波信号光に含まれる前記監視用光から、その一部を取り出し、監視用光検出部に、前記監視用光分岐手段から取り出された前記監視用光の一部を検出させ、当該監視用光検出部で前記監視用光の一部が検出されなくなったとき、制御部に前記励起光源を停止させることを特徴とする励起光源停止方法
  7. 前記監視用電気信号は、
    所定の周波数の低周波信号として設定されていることを特徴とする請求項記載の励起光源停止方法。
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