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JP4392873B2 - 合成樹脂製容器蓋 - Google Patents

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JP4392873B2
JP4392873B2 JP24951298A JP24951298A JP4392873B2 JP 4392873 B2 JP4392873 B2 JP 4392873B2 JP 24951298 A JP24951298 A JP 24951298A JP 24951298 A JP24951298 A JP 24951298A JP 4392873 B2 JP4392873 B2 JP 4392873B2
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、飲料用容器、殊に炭酸飲料用容器に適した合成樹脂製容器蓋に関する。
【0002】
【従来の技術】
飲料用容器として、ポリエチレンテレフタレートの如き合成樹脂或いはガラスから形成された容器が広く使用されている。かかる容器は略円筒形状の口頸部を含み、口頸部の外周面には雄螺条が形成されている。通常、雄螺条よりも上方に位置する口頸部の上端部は、実質上水平に延在する環状頂面、実質上鉛直に延在する円筒状外周面、及び実質上鉛直に延在する円筒状内周面を有する。環状頂面と円筒状内周面とは実質上直接的に、或いは断面図において若干の長さに渡って円弧状に延びる環状境界面を介して、相互に接続されている。一方、環状頂面と円筒状外周面との間には、断面図において実質上円弧状に相当な長さに渡って延びる環状境界面が存在する。
【0003】
上述した形態の容器の口頸部を密封するための容器蓋として、近時においては高密度ポリエチレン又はポリプロピレンの如き合成樹脂から形成された合成樹脂製容器蓋が実用に供されている。かような合成樹脂製容器蓋の典型例は、例えば特開昭58−73551号公報に開示されている如く、円形天面壁及びこの天面壁の周縁から垂下する円筒状スカート壁を具備する。スカート壁の内周面には雌螺条が形成されている。天面壁の内面の外周部には、下方に向かって半径方向内方に傾斜して延出する環状シール片、この環状シール片よりも半径方向内側に位置する環状当接片、及び当接片よりも半径方向内側にて下方に延出する環状位置付け片が形成されている。
【0004】
容器の口頸部に容器蓋を装着して口頸部を密封するためには、口頸部に容器蓋を被嵌して閉方向に回転せしめ、容器蓋の雌螺条を口頸部の雄螺条に螺合せしめる。この際には、容器蓋の環状位置付け片が口頸部の上端部における内周面に沿って下降せしめられ、これによって口頸部に対して容器蓋が位置合せされて口頸部の中心線に容器蓋の中心線が整合せしめられる。口頸部の雄螺条に容器蓋の雌螺条を所要回転トルクで螺合せしめると、容器蓋の環状シール片が口頸部の上端部における外周面に密接され、これによって口頸部が密封される。容器蓋の当接片は口頸部の実質上水平に延在する頂面に当接せしめられ、これによって口頸部に対する容器蓋の鉛直方向位置が規制される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
而して、上述した形態の従来の合成樹脂製容器蓋には、次のとおりの解決すべき問題が存在する。即ち、容器内に炭酸ガスを含有した炭酸飲料が収容される場合、周囲温度が例えば40度程度に上昇すると、容器内には相当大きなガス圧力(例えば6kg/cm2 程度のガス圧力)が生成され、かかるガス圧力によって容器蓋の天面壁が上方にドーム状に変形せしめられる所謂ドーム現象が発生する。一方、当業者には周知の如く、通常、炭酸飲料が充填され容器蓋が装着された容器はカートン(板紙製箱)内に収容される。そして、所要数の容器を収容したカートンは積重されて保管され搬送される。かかる保管及び搬送の際には、各容器の口頸部に装着された容器蓋の天面壁には相当な荷重(例えば10kg程度の荷重)が負荷される。本発明者等の実験によれば、容器蓋の天面壁に上記ドーム現象が生成されている状態において、容器蓋の天面壁に相当大きな積重荷重が負荷されると、容器蓋による口頸部の密封が毀損されてしまって容器内のガス圧力が漏出してしまう傾向がある。かような問題を解決するためには、容器蓋の天面壁の内面に、容器蓋本体とは別個に所要形状の密封ライナーを周知の型押成形法によって形成することが意図され得るが、かくすると容器蓋の製造コストが相当増大してしまう。
【0006】
本発明は上記事実に鑑みてなされたものであり、その主たる技術的課題は、製造コストを増大せしめることなく製造することができるにもかからわず、容器蓋の天面壁にドーム現象が生成されている状態において、容器蓋の天面壁に相当大きな積重荷重が負荷されても、容器蓋による口頸部の密封が充分確実に維持される、改良された合成樹脂製容器蓋を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は、鋭意研究及び実験の結果、驚くべきことに、口頸部の実質上水平に延びる頂面ではなくて断面図において円弧状に延びる環状境界面に当接する形態に環状当接片を変更すると、容器蓋の天面壁に上記ドーム現象が生成されている状態において、容器蓋の天面壁に相当大きな積重荷重が負荷されても、容器蓋による口頸部の密封を充分確実に維持することができることを見出した。容器蓋の環状当接片に上記のとおりの変更を加えることによって口頸部の密封を充分確実に維持することが可能になる理由については、必ずしも明確ではないが、本発明者等は次のとおりに推測している。一般に、天面壁にドーム現象が生成せめられると、口頸部の環状境界面よりも内側の領域にて天面壁が上方に変形される。換言すれば、口頸部の環状境界面を所謂支点として天面壁が中央に向かうほど大きく上方に膨出せしめられる。容器蓋の環状当接片が口頸部の環状境界面よりも内側である頂面に当接せしめられている場合、天面壁にドーム現象が生成されている状態で天面壁に積重荷重が負荷されると、天面壁が変形せしめられ、これに応じて環状当接片も変形乃至移動せしめられると共に天面壁の変形が環状シール片にも伝えられ、環状シール片も変形せしめられ、かくして口頸部の密封が毀損されてしまう。これに対して、容器蓋の環状当接片を口頸部の環状境界面、即ち天面壁の変形における所謂支点に当接せしめると、天面壁の変形によって環状当接片が変形乃至移動せしめられる傾向が相当抑制されると共に、天面壁の変形に起因して環状シール片が変形せしめられる傾向が相当抑制され、これによって口頸部の密封が維持される。
【0008】
即ち、本発明によれば、上記技術的課題を達成する合成樹脂製容器蓋として、口頸部の上端部には水平に延在する環状頂面、鉛直に延在する円筒状外周面及び前記頂面から前記外周面まで断面図において円弧状に延びる環状境界面が形成されている容器に適用される、円形天面壁及び該天面壁の周縁から垂下する円筒状スカート壁を具備する合成樹脂製容器蓋にして、
前記天面壁の内面の外周部には、下方に向かって半径方向内方に傾斜して延出し、前記口頸部における前記外周面に密接せしめられることによって半径方向外方に撓まされる環状シール片と、前記口頸部における前記環状頂面には当接せしめられることなく前記境界面に当接せしめられる環状当接片とが、一体に形成されている、
ことを特徴とする合成樹脂製容器蓋が提供される。
【0009】
好適実施形態においては、前記環状当接片は、下方に向かって膨出せしめられ、前記口頸部における前記境界面に当接せしめられることによって圧縮される膨出部から構成されている。下方乃至半径方向内方に突出し、前記口頸部における前記境界面に当接することによって上方に撓まされる突出部から前記環状当接片を構成することもできる。前記環状シール片の最小内径をD1、前記口頸部の前記外周面の外径をD2とすると、D2−D1=0.30乃至1.00mmであるのが好ましい。また、前記口頸部の上端部には実質上鉛直に延在する円筒状内周面が形成されており、前記天面壁の内面の外周部には、前記環状当接片よりも半径方向内側にて下方に延出する環状位置付け片が形成されており、該環状位置付け片の最大外径をD3、前記口頸部の前記内周面の内径をD4とすると、D4−D3=0.07乃至0.16mmであるのが好ましい。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に従って構成された合成樹脂製容器蓋の好適実施形態を図示している添付図面を参照して、更に詳細に説明する。
【0011】
図1を参照して説明すると、本発明に従って構成された全体を番号2で示す容器蓋2は、高密度ポリエチレン又はポリプロピレンの如き比較的硬質の合成樹脂であるのが好ましい合成樹脂から全体が一体に形成されている。かかる容器蓋2は、円形天面壁4及びこの天面壁4の周縁から垂下する略円筒状のスカート壁6を具備している。スカート壁6には周方向に延びる破断可能ライン8が形成されており、スカート壁6は破断可能ライン8よりも上方の主部10と破断可能ライン8よりも下方のタンパーエビデント裾部12とに区画されている。スカート壁6の内周面には下方を向いた環状肩面14が形成されており、そしてかかる環状肩面14から下方に延びる突条16が周方向に適宜の間隔をおいて複数個形成されている。上記破断可能ライン8は、突条16の軸線方向中間部において、スカート壁6の外周面から切断刃(図示していない)を作用せしめ、突条16の少なくとも一部を残留せしめてスカート壁6を切断することによって形成される。突条16の各々の切断されることなく残留せしめられた部分が所謂橋絡部18を構成し、タンパーエビデント裾部12は橋絡部18を介してスカート壁6の主部10に接続されている。
【0012】
スカート壁6の主部10の外周面には、その下端部近傍に、下方に向かって外径が漸次増大する円錐台形状部20が形成されている。タンパーエビデント裾部12の外周面も、下方に向かって外径が漸次増大する円錐台形状にせしめられている。主部10の外周面における円錐台形状部20の上方に位置する部分には、そこに掛けられる指の滑りを防止するための凹凸形状22が形成されている。スカート壁6の主部10の内周面には雌螺条24が形成されている。かかる雌螺条24には、周方向に適宜の間隔をおいて軸線方向に延びる切欠26が形成されている。かかる切欠26は容器の口頸部が開封される際の所謂通気路を構成する。
【0013】
タンパーエビデント裾部12の内周面には係止手段28が形成されている。図示の実施形態における係止手段28は、周方向に連続して延在している環状突出片30から構成されている。この環状突出片30は、タンパーエビデント裾部12の内周面に接続されている基縁から半径方向内方に向かって上方に傾斜して突出せしめられている。この環状突出片30には、その先端から基縁近傍まで延びるスリット32が周方向に間隔をおいて形成されている。所望ならば、環状突出片30に代えて、例えばフラップ片、弧状突条或いはラチェット爪(ラチェット爪の場合には、後述する容器の口頸部における被係止手段は環状あご部ではなくて対応するラチェット爪から構成される)等の他の適宜の形態の突出片、突条或いは突起等から係止手段を構成することもできる。
【0014】
図1と共に図2を参照して説明を続けると、天面壁4の内面の外周部には、環状シール片34、環状当接片36及び環状位置付け片38が形成されている。図示の実施形態における環状シール片34は、天面壁4の内面から下方に向かって半径方向内方に傾斜して延出している。更に詳述すると、環状シール片34は、下方に向かって半径方向内方に略20度程度でよい傾斜角αをなして延びている外周面40と、外周面40と実質上平行に延びている上部内周面42と、上部内周面42に続いて実質上鉛直に下方に延びる中間部内周面43と、中間部内周面43に続いて下方に向かって半径方向外方に延びる下部内周面44と、略水平に延びる先端面46とを有する。環状当接片36は、半径方向に見て環状シール片34の直ぐ内側に位置せしめられており、天面壁4の内面から下方に向かって凸状に膨出せしめられている膨出部から形成されている。環状位置付け片38は当接片36から半径方向内方に所要距離離間せしめて配置されており、天面壁4の内面から実質上鉛直に下方に延出せしめられている。この環状位置付け片38は実質上鉛直に延びる上部外周48と、下方に向かって半径方向内方に傾斜して延びる下部外周面50と、実質上水平に延びる先端面52と、実質上鉛直に延びる内周面54とを有する。
【0015】
図2には、容器蓋2が適用される容器の口頸部の一部も二点鎖線で図示されている。ポリエチレンテレフタレートの如き適宜の合成樹脂或いはガラスから形成することができる容器は略円筒形状の口頸部56を備えている。この口頸部56の外周面には雄螺条58とこの雄螺条58の下方に位置する環状係止あご部60(図3)が形成されている。雄螺条58よりも上方に位置する上端部は、実質上水平に延在する環状頂面62、実質上鉛直に延在する円筒状外周面64、環状頂面62から円筒状外周面64まで断面図において実質上円弧状に延びる環状境界面66、実質上鉛直に延在する円筒状内周面68、円筒状内周面68と環状頂面62との間を若干の長さに渡って断面図において円弧状に延びている環状境界面70によって規定されている。
【0016】
図2を参照することによって理解されるとおり、容器蓋2における環状シール片34の最小内径D1は、容器の口頸部56における上端部の外径D2よりも幾分小さく設定されており、D2−D1=0.30乃至1.00mm程度であるのが好適である。D2−D1が過剰に小さいと環状シール片34による口頸部56のシールが不完全になる傾向があり、D2−D1が過剰に大きいと口頸部56に容器蓋を装着する装着操作が困難になる傾向がある。また、環状位置付け片38の最大外径D3は、容器の口頸部56における上端部の内径D4よりも若干小さく設定されており、D4−D3=0.07乃至0.16mm程度であるのが好ましい。D4−D3が過剰に小さいと容器の口頸部に容器蓋を装着する際に環状位置付け片38を口頸部56内に位置せしめるのが相当困難になる傾向があり、D4−D3が過剰に大きいと環状位置付け片38による口頸部56と容器蓋2との整合作用が有効に機能しなくなる傾向がある。
【0017】
図3は、容器の口頸部56に容器蓋2を所要とおりに装着した状態を図示している。図1及び図2共に図3を参照して説明を続けると、容器の口頸部56に容器蓋2を装着して口頸部56を密封する際には、口頸部56に容器蓋2を被嵌して閉方向、即ち図3において上方から見て時計方向に回転せしめ、口頸部56の雄螺条58に容器蓋2の雌螺条24を螺合せしめる。この際には、容器蓋2の環状位置付け片38が口頸部56の内周面に沿って下降せしめられ、口頸部56に対して容器蓋2が整合、更に詳しくは口頸部56の中心軸線に対して容器蓋2の中心軸線が整合せしめられる。所要トルクで容器蓋2を閉方向に回転せしめて図3に図示する状態まで雄螺条58に雌螺条24を螺合せしめると、容器蓋2の環状シール片34は口頸部56の上端部の外周面64に密接せしめられて半径方向外方に幾分撓まされ、これによって口頸部56が密封される。また、容器蓋2の環状当接片36は、口頸部56の上端部の環状境界面66に当接せしめられて幾分圧縮される。容器蓋2のタンパーエビデント裾部12に形成されている係止手段28は半径方向外方に弾性的に変形して口頸部56の環状あご部60を通過し、次いで弾性的に復元して環状あご部60の下面に係止せしめられる。
【0018】
容器の口頸部56に容器蓋2を装着して口頸部56を密封した状態において、周囲温度が上昇して容器内に相当大きいガス圧力が生成されると、図3に二点鎖線で示す如く、容器蓋2の天面壁4にドーム現象が発生、即ち天面壁4が、口頸部56の上端部の環状境界面66に当接せしめられている環状当接片36の部位を所謂支点として、中央に向かうほど大きく上方に膨出してドーム状に変形せしめられる。然るに、後述する実施例及び比較例についての記載から理解される如く、環状当接片36は口頸部56の上端部における環状頂面62ではなくて環状境界面66に当接せしめられる故に、容器蓋2の天面壁4にドーム現象が発生した状態で天面壁4の外面に相当大きな積重荷重が作用しても、口頸部56の密封は毀損されることなく維持される。
【0019】
容器の口頸部56を開封する際には、容器蓋2を開方向、即ち図3において上方から見て反時計方向に回転せしめる。かくすると、タンパーエビデント裾部12は、その内周面に形成されている係止手段28が口頸部56の外周面に形成さている環状あご部60の下面に係止せしめられている故に、上昇が阻止されるが、容器蓋2のその他の部分は回転よって雄螺条58と雌螺条24との螺合が解除されるのに応じて上昇せしめられる。従って、スカート壁6に形成されている破断可能ライン8、更に詳しくはその橋絡部18に相当な応力が生成されて橋絡部18が破断され、タンパーエビデント裾部12がスカート壁6の主部10から分離される。次いで、容器蓋2の、タンパーエビデント裾部12以外の部分は回転と共に上方に自由に移動せしめられ、口頸部56から離脱せしめられる。容器蓋2の、タンパーエビデント裾部12以外の部分が所要距離上方に移動せしめられると、当接片36が口頸部56の上端部の環状境界面66から離隔せしめられ、そしてまた環状シール片34が口頸部56の上端部の外周面64から離隔せしめられ、かくして口頸部56の密封が解除される。
【0020】
図示の実施形態においては、容器の口頸部56を開封する際には、容器蓋2のスカート壁6に形成されている破断可能ライン8における全ての橋絡部18が破断され、タンパーエビデント裾部12がスカート壁6の主部10から完全に分離され、タンパーエビデント裾部12は口頸部56から離脱されることなく口頸部56に残留せしめられる。所望ならば、破断可能ライン8における橋絡部18のうちの少なくとも1個を破断されることなく維持される強橋絡部にせしめると共に、タンパーエビデント裾部12に軸線方向に延びる破断可能ライン(図示していない)を形成し、口頸部56を開封する際には軸線方向方向に延びる破断可能ラインが破断されてタンパーエビデント裾部12が無端環状から有端帯状に展開され、破断されることなく維持されている強橋絡部を介してスカート壁6の主部10に接続され続けるタンパーエビデント裾部12も口頸部56から離脱されるようになすこともできる。
【0022】
は、本発明に従って構成された容器蓋の他の実施形態を図示している。図に図示する実施形態においては、環状当接片36は天面壁4の内面の外周縁部から下方乃至半径方向内方に突出する突出片から構成されており、環状シール片34の外周面40と略平衡に延びる上部内周面72と、実質上鉛直に延びる下部内周面74と半径方向内方に向かって水平に対して10度程度でよい若干の傾斜角度をなして半径方向内方に向かって下方に傾斜して延びる下面76とを有する。かような環状当接片36は、図に二点鎖線で示す如く、口頸部56の上端部の環状境界面66に当接せしめられて上方に撓まされる。図に図示する実施形態の、その他の構成は図1乃至図3に図示する実施形態と実質上同一である。
【0023】
後述する実施例及び比較例についての記載から理解される如く、図4に図示する実施形態においても、環状当接片36は口頸部56の上端部における環状頂面62ではなくて環状境界面66に当接せしめられる故に、容器蓋2の天面壁4にドーム現象が発生した状態で天面壁4の外面に相当大きな積重荷重が作用しても、口頸部56の密封は毀損されることなく維持される。
【0024】
次に、本発明の容器蓋の実施例を比較例と共に説明する。
【0025】
実施例1
ポリプロピレンを圧縮成形することによって図1乃至図3に図示するとおりの形態の容器蓋を10個製造した。容器蓋の主要部寸法は次のとおりであった(図1及び図2を参照されたい)。
容器蓋の全高さH・・・・・・・・・・・・・・20.16mm
スカート壁上端部の内径D5・・・・・・・・・27.80mm
環状シール片の軸線方向長さL1・・・・・・・ 1.20mm
環状シール片の基部厚さT1・・・・・・・・・ 0.80mm
環状当接片の水平方向膨出量L2・・・・・・・ 0.40mm
環状当接片の軸線方向膨出量L3・・・・・・・ 0.40mm
環状シール片の最小内径D1・・・・・・・・・24.30mm
容器の口頸部の外周面の外径D2・・・・・・・24.94mm
環状位置付け片の最大外径D3・・・・・・・・21.70mm
容器の口頸部の内周面の内径D4・・・・・・・21.74mm
かかる容器蓋について、次のとおりの耐積重荷重試験を遂行した。図2及び図3に図示するとおりの口頸部を有するポリエチレンテレフタレート製の容器に炭酸水を満たし、しかる後に容器蓋を口頸部に装着して口頸部を密封した。次いで、容器を40℃で48時間余熱した。この時点において容器蓋の天面壁を観察したところ、図3に二点鎖線で図示する如くのドーム現象が生成されていた。次いで、40℃の水槽に容器を浸漬せしめ、容器蓋の天面壁上面全体に、1秒間に2.3kgの速度で積重荷重を45.5kgまで負荷し、容器内から炭酸ガスが漏出したか否か、換言すれば密封が毀損されたか否かを検査した。その結果は下記表1に記載するとおりであった。
【0027】
実施例2
容器蓋の形態が図に図示するとおりであり、
環状当接片の水平方向突出量L6・・・・・・・ 0.30mm
環状当接片の軸線方向突出量L7・・・・・・・ 0.50mm
であった点を除けば実施例1と同一の容器蓋を10個製造した。
そしてかかる容器蓋について実施例1と同様な耐積重荷重試験を遂行した。その結果は下記表1に記載するとおりであった。
【0028】
比較例1
容器蓋の形態が図に図示するとおりであり、口頸部の上端部の環状境界面ではなくて水平に延在する環状頂面に当接せしめられる環状当接片の寸法が、
環状当接片の幅L8・・・・・・・・・・・・・ 0.70mm
環状当接片の突出量L9・・・・・・・・・・・ 0.20mm
であった点を除けば実施例1と同一の容器蓋を10個製造した。
そしてかかる容器蓋について実施例1と同様な耐積重荷重試験を遂行した。その結果は下記表1に記載するとおりであった。
【0029】
【表1】
Figure 0004392873
【0030】
【発明の効果】
本発明の容器蓋においては、密封ライナーを別個に成形する等によって製造コストを増大せしめることなく、容器蓋の天面壁にドーム現象が生成されている状態において、容器蓋の天面壁に相当大きな積重荷重が負荷されても、容器蓋による口頸部の密封が充分確実に維持される。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に従って構成された容器蓋の好適実施形態を、一部を断面図で一部を側面図で示す図。
【図2】 図1の容器蓋の一部を拡大して示す拡大部分断面図。
【図3】 図1の容器蓋を容器の口頸部に装着した状態を示す部分断面図。
【図4】 本発明に従って構成された容器蓋の更に他の好適実施形態の一部を拡大して示す部分拡大断面図。
【図5】 比較例1において製造した容器蓋の一部を拡大して示す部分拡大断面図。

Claims (5)

  1. 口頸部の上端部には水平に延在する環状頂面、鉛直に延在する円筒状外周面及び前記頂面から前記外周面まで断面図において円弧状に延びる環状境界面が形成されている容器に適用される、円形天面壁及び該天面壁の周縁から垂下する円筒状スカート壁を具備する合成樹脂製容器蓋にして、
    前記天面壁の内面の外周部には、下方に向かって半径方向内方に傾斜して延出し、前記口頸部における前記外周面に密接せしめられることによって半径方向外方に撓まされる環状シール片と、前記口頸部における前記環状頂面には当接せしめられることなく前記境界面に当接せしめられる環状当接片とが、一体に形成されている、
    ことを特徴とする合成樹脂製容器蓋。
  2. 前記環状当接片は、下方に向かって膨出せしめられ、前記口頸部における前記境界面に当接せしめられることによって圧縮される膨出部から構成されている、請求項1記載の合成樹脂製容器蓋。
  3. 前記環状当接片は、下方乃至半径方向内方に突出し、前記口頸部における前記境界面に当接することによって上方に撓まされる突出部から構成されている、請求項1記載の合成樹脂製容器蓋。
  4. 前記環状シール片の最小内径をD1、前記口頸部の前記外周面の外径をD2とすると、D2−D1=0.30乃至1.00mmである、請求項1からまでのいずれかに記載の合成樹脂製容器蓋。
  5. 前記口頸部の上端部には鉛直に延在する円筒状内周面が形成されており、前記天面壁の内面の外周部には、前記環状当接片よりも半径方向内側にて下方に延出する環状位置付け片が形成されており、該環状位置付け片の最大外径をD3、前記口頸部の前記内周面の内径をD4とすると、D4−D3=0.07乃至0.16mmである、請求項1からまでのいずれかに記載の合成樹脂製容器蓋。
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