JP4380051B2 - 車両用空調装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両用空調装置に関するもので、特に、乗員の足元部と車両窓ガラスの両方に風を吹き出すフットデフロスタ吹出モードにおける吹出温度差の低減を図るものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種の車両用空調装置として、暖房用熱交換器をバイパスする冷風と暖房用熱交換器をバイパスする冷風との風量割合をエアミックスドアによって吹出温度を調整して、車室内へ空調空気を吹き出す。いわゆるエアミックスタイプの温度制御方式が多く採用されている。
【0003】
例えば、特開平9−11730号公報に記載されたものがあり、この公報記載のものにおいては、空調ユニット内冷房用熱交換器の下流側に暖房用熱交換器を設け、その下流側の上方に暖房用熱交換器をバイパスする冷風と暖房用熱交換器を通過する温風と混合される混合室を設け、冷房用熱交換器と暖房用熱交換器との間にエアミックスドアを配設している。
【0004】
そして、混合室の下流側の上方にデフロスタ吹出口に吹き出すためのデフロスタ開口部に通ずる上方吹出し通路の入口を設けるとともに、混合室の下流側で冷房用熱交換器の出口に対向する側にフット吹出口に吹き出すためのフット開口部に通ずる下方吹出し通路の入口を設け、上方吹出し通路の入口と下方吹出し通路の入口とを選択的に閉塞させる通路切り替えドアを配置している。
【0005】
そして、この通路切り替えドアの回動軸の近傍に少なくとも前記上方吹出し通路の入口を閉塞時に混合室の空気を少量だけ上方吹出し通路へ通過させるためのバイパス通路が形成させて、フット吹出口から温風を吹き出す際に、デフロスタ吹出口から吹き出される吹き出し温度がフット吹出口からの吹出温度に対して大きな温度差を生じることなく適度な温度差を有することを図っている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来装置では、通路切り替えドアが上方吹出し通路の入口と下方吹出し通路の入口とを同時に開口するフットデフロスタ吹出モードのときには、上方吹出し通路の入口は、暖房用熱交換器をバイパスする冷風の流れ方向に近接し、下方吹出し通路の入口は、暖房用熱交換器を通過する温風の流れ方向に近接しているので、特に、エアミックスドアの回動開度によって異なるが暖房用熱交換器をバイパスする冷風の風量によって混合室で冷風と温風が十分に混合される前に、上方吹出し通路の入口側へ、すなわちデフロスタ吹出口に通ずる側に冷風が下方吹出し通路の入口側へ、すなわちフット吹出口に通ずる側に温風が流れ込み易くなっている。
【0007】
従って、デフロスタ吹出口への冷風流入量がフット吹出口への冷風流入量に比して過大となり、この結果、フット吹出温度に比してデフロスタ吹出温度が低くなりすぎ、デフロスタ能力(窓ガラス曇り止め能力)の低下を引き起こすという問題がある。
【0008】
そこで、本発明の目的は、上記点に鑑み、フットデフロスタ吹出モードのときに、デフロスタ吹出口より吹き出される吹出温度が、フット吹出口より吹き出される吹出温度に対して等温程度に上昇させることが可能な車両用空調装置を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、以下の請求項に記載の技術的手段を採用する。
【0010】
すなわち、請求項1の発明では、空気通路を形成する空調ケース(11)と、空調ケース(11)内に設置され、空気を加熱する暖房用熱交換器(13)と、空調ケース(11)内に形成され、暖房用熱交換器(13)を通過して温風が流れる温風通路(19)と、空調ケース(11)内に形成され、暖房用熱交換器(13)をバイパスして冷風が流れる冷風バイパス通路(15)と、空調ケース(11)内に設置され、温風通路(19)を通過する温風と冷風バイパス通路(15)を通過する冷風との風量割合を調節するエアミックスドア(16)と、空調ケース(11)内に形成され、温風通路(19)を通過する温風と冷風バイパス通路(15)を通過する冷風とを混合する空気混合部(20)と、空気混合部(20)の下流側に形成され、車両の前面窓ガラスに空調空気を吹き出すデフロスタ吹出口に接続されるデフロスタ開口部(21)と、空気混合部(20)の下流側に形成され、車室内乗員の頭部に向けて空調空気を吹き出すフェイス吹出口に接続されるフェイス開口部(24)と、空気混合部(20)と、デフロスタ開口部(21)およびフェイス開口部(24)との間に設けられた空気通路(25)と、空気通路(25)内に配置され、デフロスタ開口部(21)またはフェイス開口部(24)のいずれかを選択的に閉塞するデフロスタフェイス切替ドア手段(22)と、空気混合部(20)の下流側に形成され、車室内乗員の足元に向けて空調空気を吹き出すフット吹出口に接続されるフット開口部(26)と、フット開口部(26)の上流側に配置され、空気通路の入口部(25a)またはフット開口部(26)のいずれかを選択的に閉塞するフット切替ドア手段(27)と、フット切替ドア手段(27)を回動させる回動軸(28)を備え、フット切替ドア手段(27)が空気通路の入口部(25a)およびフット開口部(26)の両方を同時に開口するフットデフロスタ吹出モードのときに、空気通路(25)には、回動軸(28)の近傍および空気通路(25)と隣接される位置に温風通路(19)から導かれた温風を空気通路(25)に通過させるための温風バイパス通路(29)を形成させて、空気混合部(20)からの混合空気と温風バイパス通路(29)からの温風とが混合させるように構成し、フット切替ドア手段(27)は、空気通路の入口部(25a)またはフット開口部(26)のいずれかを選択的に閉塞を行うとともに、温風バイパス通路(29)の開閉を行うフット切替ドアであることを特徴としている。
【0011】
請求項1の発明によれば次の効果がある。温度調節のためのエアミックスドア(16)と吹出モードの選択のためのフット切替ドア手段(27)とを備えて車室内へ空調空気を吹き出す車両用空調装置においては、一般的に、冷風側に近接して開口されたデフロスタ開口部(21)と温風側に近接して開口されたフット開口部(26)とでは、冷風バイパス回路(15)の開度が開き冷風量が増加することによって、デフロスタ開口部(21)側に冷風がフット開口部(26)側に温風が流れ易くなっている。従って、フット側の吹出温度に比してデフロスタ側の吹出温度が低くなりすぎてしまうことがある。そこで、回動軸(28)の近傍および空気通路(25)と隣接される位置に温風バイパス通路(29)を形成させて、デフロスタ開口部(21)に通ずる空気通路(25)に混合空気と温風バイパス通路(29)からの温風とを混合させるように構成することにより、デフロスタ吹出空気温度をフット吹出空気温度に近接またはそれ以上に上昇させることができ、デフロスタ能力を向上できる。また、暖房時にデフロスタ吹出温度の過度な温度低下(クールデフ)による不快感も解消でき、暖房フィーリングを向上できる。
また、フット切替ドア手段(27)は、空気通路の入口部(25a)またはフット開口部(26)のいずれかを選択的に閉塞を行うとともに、温風バイパス通路(29)の開閉を行うフット切替ドアであるから、フット切替ドア手段(27)を、例えば、回転軸(28)を挟んで一方で空気通路の入口部(25a)またはフット開口部(26)のいずれかを選択的に閉塞を行うとともに、他方で温風バイパス通路(29)の開閉を行うことができるバタフライ型のドアを形成することにより、温風バイパス通路(29)を開閉させる開閉手段を、別体品を設定せずにフットドアで兼用させることで製造コストの上昇が大幅に抑えることができる。また、バタフライ型のドアは、従来周知の片持ちタイプのドアに比べて回動させる駆動力が低減できるため駆動手段の動力の低減が図れる。
【0013】
請求項2の発明では、空気通路を形成する空調ケース(11)と、空調ケース(11)内に設置され、空気を加熱する暖房用熱交換器(13)と、空調ケース(11)内に形成され、暖房用熱交換器(13)を通過して温風が流れる温風通路(19)と、空調ケース(11)内に形成され、暖房用熱交換器(13)をバイパスして冷風が流れる冷風バイパス通路(15)と、空調ケース(11)内に設置され、温風通路(19)を通過する温風と冷風バイパス通路(15)を通過する冷風との風量割合を調節するエアミックスドア(16)と、空調ケース(11)内に形成され、温風通路(19)を通過する温風と冷風バイパス通路(15)を通過する冷風とを混合する空気混合部(20)と、空気混合部(20)の下流側に形成され、車両の前面窓ガラスに空調空気を吹き出すデフロスタ吹出口に接続されるデフロスタ開口部(21)と、空気混合部(20)の下流側に形成され、車室内乗員の頭部に向けて空調空気を吹き出すフェイス吹出口に接続されるフェイス開口部(24)と、空気混合部(20)と、デフロスタ開口部(21)およびフェイス開口部(24)との間に設けられた空気通路(25)と、空気通路(25)内に配置され、デフロスタ開口部(21)またはフェイス開口部(24)のいずれかを選択的に閉塞するデフロスタフェイス切替ドア手段(22)と、空気混合部(20)の下流側に形成され、車室内乗員の足元に向けて空調空気を吹き出すフット吹出口に接続されるフット開口部(26)と、フット開口部(26)の上流側に配置され、空気通路の入口部(25a)またはフット開口部(26)のいずれかを選択的に閉塞するフット切替ドア手段(27)と、フット切替ドア手段(27)を回動させる回動軸(28)を備え、フット切替ドア手段(27)が空気通路の入口部(25a)およびフット開口部(26)の両方を同時に開口するフットデフロスタ吹出モードのときに、空気通路(25)には、回動軸(28)の近傍および空気通路(25)と隣接される位置に温風通路(19)から導かれた温風を空気通路(25)に通過させるための温風バイパス通路(29)を形成させて、空気混合部(20)からの混合空気と温風バイパス通路(29)からの温風とが混合させるように構成し、温風バイパス通路(29)に導かれる温風は、温風通路(19)の取入れ部(19a)に暖房用熱交換器(13)をバイパスして冷風が流れる第2の冷風バイパス通路(15a)を形成させるとともに、取入れ部(19a)に冷風と温風との風量調節を行う第2のエアミックスドア(16a)を配設させて温度調節が可能なことを特徴としている。
【0014】
請求項2の発明によれば次の効果がある。温度調節のためのエアミックスドア(16)と吹出モードの選択のためのフット切替ドア手段(27)とを備えて車室内へ空調空気を吹き出す車両用空調装置においては、一般的に、冷風側に近接して開口されたデフロスタ開口部(21)と温風側に近接して開口されたフット開口部(26)とでは、冷風バイパス回路(15)の開度が開き冷風量が増加することによって、デフロスタ開口部(21)側に冷風がフット開口部(26)側に温風が流れ易くなっている。従って、フット側の吹出温度に比してデフロスタ側の吹出温度が低くなりすぎてしまうことがある。そこで、回動軸(28)の近傍および空気通路(25)と隣接される位置に温風バイパス通路(29)を形成させて、デフロスタ開口部(21)に通ずる空気通路(25)に混合空気と温風バイパス通路(29)からの温風とを混合させるように構成することにより、デフロスタ吹出空気温度をフット吹出空気温度に近接またはそれ以上に上昇させることができ、デフロスタ能力を向上できる。また、暖房時にデフロスタ吹出温度の過度な温度低下(クールデフ)による不快感も解消でき、暖房フィーリングを向上できる。
また、フット切替ドア手段(27)が空気通路の入口部(25a)およびフット開口部(26)の両方を同時に開口するとともに、デフロスタフェイス切替ドア手段(22)がフェイス開口部(24)を閉塞するバイレベル吹出モードのときには、冷風バイパス回路(15)からの冷風量によって、乗員の頭部に吹き出すフェイス吹出空気温度がフット吹出空気温度以上に上昇したときには乗員に不快感を与える。そこで、本発明は、温風通路(19)の取入れ部(19a)に冷風が流れる第2の冷風バイパス通路(15a)を形成させるとともに、取入れ部(19a)に冷風と温風との風量調節を行う第2のエアミックスドア(16a)を配設させることにより、温度調節された温風を取り入れることができるため、空気通路(25)での冷風と温風の混合が精度良く行うことができる。従って、バイレベル吹出モードとフットデフロスタ吹出モードによってフット吹出空気温度に対して異なった吹出空気温度を得ることができるので緻密な温度調節が可能である。
【0016】
請求項3の発明では、温風バイパス通路(29)に導かれる温風は、温風通路(19)の取入れ部(19a)に、取入れ部(19a)を開閉する温風切替ドア手段(27a)が設けられて空気通路(25)に流入させることを特徴としている。
【0017】
請求項3の発明によれば、温風通路(19)の取入れ部(19a)に温風切替ドア手段(31)が設けて、取入れ部(19a)を開閉させることで温風バイパス通路(29)を介して空気通路(25)に流入させることにより、吹出モードに応じて取入れ部(19a)を開口することができ、かつデフロスタ吹出空気温度をフット吹出温度以上にも温度上昇させることができる。
【0018】
また、例えば、デフロスタ吹出空気温度を乗員の好みに応じて温度制御させたいときには温風切替ドア手段(31)の開度を可変させるように開閉制御を行うと良い。ただし、本発明では、上記の請求項2と比較して温風切替ドア手段(31)を別体で構成するため、リンク機構などの部品点数が必要となる。
【0019】
請求項4の発明では、フット切替ドア手段(27)は、空気通路の入口部(25a)またはフット開口部(26)のいずれかを閉塞させた吹出モードのときに、温風バイパス通路(29)も閉塞され、空気通路(25)へ温風を流入させないことを特徴としている。
【0020】
請求項4の発明によれば、他の吹出モードのうちで、空気通路の入口部(25a)を閉塞するフット吹出モード、フット開口部(26)を閉塞するフェイス吹出モードのときに温風を流入させないことにより、乗員が選択した吹出モード以外の吹出口からの吹き出しは、快適性を損なうことになるため閉塞されることが望ましい。
【0023】
なお、上記各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態記載の具体的手段との対応関係を示すものである。
【0024】
【発明の実施の形態】
(第1の実施形態)
以下、本発明の第1の実施形態を図1ないし図3に基づいて説明する。本実施形態の車両用空調装置の通風系は、図示しない内外気切替ユニットと、空調ユニット10との2つの部分に分かれている。内外気切替ユニットは車室内の計器盤下方部のうち、中央部から助手席側へオフセットして配置されており、これに対し、空調ユニット10は車室内の計器盤下方部のうち、車両左右方向の略中央部に配置されている。
【0025】
内外気切替ユニットは、周知のごとく内気(車室内空気)と外気(車室外空気)を切替導入するもので、空調ユニット10内に配設された送風機14の吸込口側に接続されるように構成されている。この送風機14は周知の遠心多翼ファン(シロッコファン)を電動モータで駆動するものである。
【0026】
また、空調ユニット10は、1つの共通の空調ケース11内に蒸発器(冷房用熱交換器)12とヒータコア(暖房用熱交換器)13を両方とも一体的に内蔵するタイプのものである。空調ケース11はポリプロピレンのような、ある程度の弾性を有し、強度的にも優れた樹脂の成形品からなる。
【0027】
また、空調ケース11は具体的には複数の分割ケースからなり、この複数の分割ケースは、上記熱交換器12、13、後述の制御ドア等の機器を収納した後に、金属バネクリップ、ネジ等の締結手段により一体に結合されて空調ユニット10を構成する。
【0028】
なお、空調ユニット10は、車室内の計器盤下方部の略中央部に、車両の前後、左右および上下方向に対して、図1に示す形態で配置され、そして、空調ケース11の、最も車両前方側の部位に送風機14の吸込口が形成されている。この吸込口には、前述の内外気切替ユニットから導入される空調空気が流入する。この吸込口は助手席前方の部位に配置される内外気切替ユニットの空気出口部に接続するために、空調ケース11のうち、助手席側の側面に開口している。
【0029】
空調ケース11内において送風機14の直後の部位に蒸発器12が配置されている。この蒸発器12は車両前後方向には薄型の形態で空調ケース11内通路を横断するように上下方向に配置されている。従って、蒸発器12の車両上下方向に延びる前面に空気入口14からの送風空気が流入する。この蒸発器12は周知のごとく冷凍サイクルの冷媒の蒸発潜熱を空調空気から吸熱して、空調空気を冷却するものである。
【0030】
そして、蒸発器12の空気流れ下流側(車両後方側)に、所定の間隔を開けてヒータコア13が配置されている。このヒータコア13は空調ケース11内の下方側において、車両後方側に傾斜して配置されている。このヒータコア13は、蒸発器12を通過した冷風を再加熱するものであって、その内部に高温の温水(エンジン冷却水)が流れ、この温水を熱源として空気を加熱するものである。
【0031】
空調ケース11内の空調空気の通路において、ヒータコア13の上方部位には、このヒータコア13をバイパスして空気(冷風)が流れる冷風バイパス通路15が形成されている。また、ヒータコア13と蒸発器12との間の部位には、ヒータコア13で加熱される温風と、冷風バイパス通路15を通ってヒータコア13をバイパスする冷風との混合割合を調整する平板状のエアミックスドア16が配置されている。
【0032】
ここで、このエアミックスドア16は、水平方向に配置された回動軸17と一体結合されており、この回動軸17とともに車両上下方向に回転可能になっている。このエアミックスドア16は上記混合割合の調整により車室内への吹出空気温度を調整する温度調整手段をなす。回動軸17は、空調ケース11に回動自在に支持され、かつ回動軸17の一端部は空調ケース11の外部に突出して、図示しないリンク機構に結合されて、空調装置の温度制御機構(サーボモータのようなアクチュエータ等)により回動駆動されるようになっている。
【0033】
そして、空調ケース11内において、ヒータコア13の空気下流側(車両後方側の部位)には、ヒータコア13との間に所定間隔を開けて上下方向に延びる壁面18が空調ケース11に一体成形されている。この壁面18によりヒータコア13の直後から上方に向かう温風通路19が形成されている。空調ケース11内において、冷風バイパス通路15および温風通路19の空気下流側(上方側)には、冷風と温風の混合を行う空気混合部20が形成されている。
【0034】
空調ケース11の上方部において、車両前方側の部位にはデフロスタ開口部21が冷風バイパス通路15および空気混合部20の車両前方向の上方側に開口して車両後方側に少し傾斜して形成されている。このデフロスタ開口部21は空気混合部20から温度制御された空調空気が流入するものであって、図示しないデフロスタダクトを介してデフロスタ吹出口に接続され、このデフロスタ吹出口から、車両前面窓ガラスの内面に向けて風を吹き出す。
【0035】
また、デフロスタ開口部21は平板状のデフロスタ・フェイスドア22により開閉される。このデフロスタ・フェイスドア22は、空気混合部20とデフロスタ開口部21との間に形成された空気通路25内に設置され、空調ケース11の上面部近傍でデフロスタ開口部21の上端部に隣接して水平方向に配置された回転軸23により回動自在に支持されている。なお、このデフロスタ・フェイスドア22は、デフロスタ開口部21またはフェイス開口部24(後述する)のいずれかを閉塞するように回動させる。
【0036】
次に、空調ケース11の上方部において、デフロスタ開口部21および上記回転軸23に隣接し、かつデフロスタ開口部21よりも車両後方側(乗員寄り)の部位に車両前方側に少し傾斜させてフェイス開口部24が形成されており、このフェイス開口部24には空気混合部20から温度制御された空調空気が空気通路25を通して流入する。また、このフェイス開口部24は図示しないフェイスダクトを介して、計器盤左右方向中央部の上方側に配置されているフェイス吹出口に接続され、この吹出口から車室内中央部の乗員頭部に向けて風を吹き出す。なお、このフェイス開口部24は、デフロスタ・フェイスドア22により開閉される。
【0037】
次に、空調ケース11内で、デフロスタ・フェイスドア22の動作範囲より車両後方側の下方側の部位にフット開口部26が開口している。このフット開口部26には空気混合部20から温度制御された空調空気が流入する。そして、フット開口部26の空気下流側にフット用通路26aが形成され、このフット用通路26aの途中部位に前席用フット通路が開口している。この前席用フット通路からの空調空気は図示しない前席用フットダクト、前席用フット吹出口を経て前席の乗員足元に吹き出す。また、フット用通路26aの末端部には、図示しない後席用フットダクト、後席用フット吹出口を接続し、この後席用フット吹出口を経て後席の乗員足元に風を吹き出す。
【0038】
また、このフット開口部26の開閉は、平板状のバタフライ型に形成されたフットドア27によって開閉され、このフットドア27の第1のドア部材27a側の動作範囲の対向する側に、空気通路25に通ずる空気通路の入口部25aが形成されている。このフットドア27の第1のドア部材27a側はフット開口部26または空気通路の入口部25aのいずれかを閉塞するように回動させるものであり、空気混合部20と空気通路25との間に配置され、フット開口部26および空気通路の入口部25aの上端部の近傍に水平方向に配置された回転軸28により回動自在に支持されている。
【0039】
次に、本発明の要部について説明する。上記、回動軸28の近傍および空気通路25と隣接される位置に温風バイパス通路29が形成されている。この温風バイパス通路29は、空気通路25に通ずる面に第1の開口部29aを有するとともに、温風通路19の上方側に形成された取入れ部19aと、フット用通路内26aに形成された温風ダクト30および第2の開口部30aを介して連通するように一体成形で形成されている。これにより、ヒータコア13を通過させた温風の一部を取入れ部19aから取り入れ第1の開口部29aから空気通路25側へ温風を流入させる温風通路である。
【0040】
ここで、第1の開口部29aおよび第2の開口部30aの開閉は、上述したフェイスドア27の第2のドア部材27b側の回動によって開閉を行うようになっている。具体的には、空気通路の入口部25aが閉塞されたときに、第2の開口部30aが閉塞され、フット開口部26が閉塞されたときに、第1の開口部29aが閉塞されるように一体で構成されたバタフライ型のドアである。
【0041】
従って、本発明のフェイスドア27は、空気通路の入口部25aまたはフット開口部26のいずれかを選択的に閉塞を行うとともに、温風バイパス通路29の第2の開口部30aまたは第1の開口部29aのいずれかを選択的に閉塞を行うものである。なお、第2のドア部材27bの幅寸法は取り入れる温風量に基づいて決めるものであり、第1のドア部材27aと幅寸法を同じにする必要はない。従って、温風バイパス通路29、温風ダクト30、第1、第2の開口部29a、30aおよび取入れ部19aなどの幅寸法(または、温風通路面積)は、取り入れる温風量に応じて自在に設定しても良い。
【0042】
なお、デフロスタ・フェイスドア22およびフェイスドア27は、吹出モード切替用の制御ドア手段であって、図示しないリンク機構に連結されて、吹出モード切替機構(サーボモータなどのアクチュエータ)により連動操作されるようになっている。それぞれの制御ドアの回動軸23、28の一端部は空調ケース11の側面の外部に突出している。
【0043】
しかも、デフロスタ・フェイスドア22およびフェイスドア27は、各回動軸23、28と一体に結合された樹脂または金属製のドア基板を有し、この基板の表裏両面にウレタンフォームなどの弾性シール材を貼着した構造である。
【0044】
次に、上記構成において本実施形態の作動を説明する。車両用空調装置は、周知のように、空調操作パネルに設けられた各種操作部材からの操作信号および空調制御用の各種センサーからのセンサ信号が入力される電子制御装置(図示せず)を備えており、この制御装置の出力信号により各制御ドア16、22、27の回動位置が制御される。
【0045】
また、車室内への吹出空気温度の調整は、蒸発器12で冷却されて直接冷風バイパス通路15側に流れる冷風と、ヒータコア13で加熱される温風との風量割合をエアミックスドア16にて調整して行われる。そして、冷風と温風は、空気混合部20で混合されたのち、吹出モードに応じて車室内の所定の部位に吹き出される。
【0046】
図1はフットデフロスタ吹出モードの状態を示しており、フェイス開口部24は、デフロスタ・フェイスドア22にて閉塞され、フェイスドア27が空気通路の入口部25aおよびフェイス開口部26の両方を同時に開口させてデフロスタ開口部21とフット開口部26はともに開放されている。そして、温度調整領域では、エアミックスドア16が冷風バイパス通路15を適宜量開放し、蒸発器12から冷風バイパス通路15側に流れる冷風とヒータコア13を通過する温風とが、空気混合部20で混合され、こうして所望の温度に調整された空調空気は、デフロスタ開口部21を通して前面窓ガラスに向けて吹き出されるとともに、フット開口部26を通して乗員の足元側に吹き出される。
【0047】
ところが、本実施形態では、温風バイパス通路29側の第1の開口部29aおよび第2の開口部30aも開放されているため、空気通路25では、空気混合部20で混合された空調空気にヒータコア13を通過した温風の一部が流入されることにより、前面窓ガラスに向けて吹き出す吹出空気温度が高められるものである。
【0048】
ここで、フットドア27は、前面窓ガラス側への吹出空気量と乗員足元側への吹出空気量との比が50:50になるように操作される。本実施状態では、図1に示すように、フットドア27の動作範囲のほぼ中間となる略半開位置に操作されることにより、上記の吹出空気量比50:50が達成される。
【0049】
そして、この略半開位置に置かれたフットドア27は、第1のドア部材27a側の先端部が空気混合部20に入り込んでいるため、冷風バイパス通路15の開度が開き冷風量が多くなってくると、冷風と温風が充分に混合される前に空気通路25側に冷風が流れ込み易くなり、前面窓ガラス側への吹出空気温度がフット吹出空気温度よりも低めとなりやすい。ところが、第1の開口部29aから温風が流入されるので前面窓ガラス側への吹出空気温度を高めることができる。従って、フットデフロスタ吹出モードにおいて、デフロスタ吹出空気温度がフット吹出空気温度に比較して極端に低くなるという現象を回避して、デフロスタ能力および暖房フィーリングの向上を図ることができる。
【0050】
なお、本実施形態では、デフロスタ・フェイスドア24がデフロスタ開口部21を閉塞させる(図1の破線で示すドアの位置)バイレベル吹出モードのときにおいても、上述したフットデフロスタ吹出モードとほぼ同様に乗員頭部側への吹出空気量と乗員足元側への吹出空気量との比が50:50になるように操作される。
【0051】
そして、第1の開口部29aから温風が空気通路25側に流入されるので、乗員頭部側への吹出空気温度を高めることができるが、フェイス吹出空気温度をフット吹出空気温度以上に高めると、逆に快適性が阻害されるため、温風バイパス通路29から吹き出す温風量をフェイス吹出空気温度がフット吹出空気温度程度になるように上述した温風通路面積を調整できるようにしておくと良い。
【0052】
次に、フットドア27が空気通路の入口部25a側を閉塞させたフット吹出モードのときには、図2に示すように、フット開口部26が全開に開放されていて、蒸発器12から冷風バイパス通路15側に流れる冷風とヒータコア13を通過する温風とが、空気混合部20で混合され、こうして所望の温度に調整された空調空気は、フット開口部26を通して乗員の足元側に吹き出される。
【0053】
ここで、温風バイパス通路29側では、フットドア27の第2のドア部材27bによって、第2の開口部30aが閉塞されているので空気通路25側へ温風が流入しない。
【0054】
次に、フットドア27がフット開口部26側を閉塞させるとともに、デフロスタ・フェイスドアがデフロスタ開口部を閉塞させるフェイス吹出モードのときには、図3に示すように、フェイス開口部24が全開に開放されていて、蒸発器12から冷風バイパス通路15側に流れる冷風とヒータコア13を通過する温風とが、空気混合部20で混合され、こうして所望の温度に調整された空調空気は、フット開口部26を通して乗員の頭部側に吹き出される。
【0055】
ここでも、温風バイパス通路29側では、フットドア27の第2のドア部材27bによって、第1の開口部29aが閉塞されているので空気通路25側へ温風が流入しない。
【0056】
なお、デフロスタ・フェイスドア24がフェイス開口部24を閉塞させる(図3の破線で示すドアの位置)デフロスタ吹出モードのときにおいては、デフロスタ開口部21が全開に開放されて前面窓ガラスに吹き出されるものであり、この時にも、温風バイパス通路29側では、フットドア27の第2のドア部材27bによって、第1の開口部29aが閉塞されているので空気通路25側へ温風が流入しない。
【0057】
以上の第1実施形態による車両用空調装置によれば、吹出モード切替用の制御ドア手段をデフロスタ・フェイスドア22およびフットドア27の2個を用い、このうちのフットドア27を、空気通路の入口部25aとフット開口部26とを開閉を行うとともに、温風バイパス通路29に形成された第1の開口部29aおよび第2の開口部30aの開閉を行うようにバタフライ型で形成させ、かつ、このフットドア27の回動軸28の近傍および空気通路25に隣接される位置に温風通路19から取り入れた温風の一部を温風ダクト30を介して導く温風バイパス通路29を形成させて、フットデフロスタ吹出モードのときに、
デフロスタ開口部21に通ずる空気通路25側に温風バイパス通路29から温風を流入させるように構成することにより、デフロスタ吹出空気温度をフット吹出空気温度に近接またはそれ以上に上昇させることができ、デフロスタ能力を向上できる。また、暖房時にデフロスタ吹出温度の過度な温度低下(クールデフ)による不快感も解消でき、暖房フィーリングを向上できる。
【0058】
また、フットドア27を、バタフライ型のドアを形成させることにより、温風バイパス通路29側を開閉させる開閉ドア手段を別体品で設定せずにフットドア27によって兼用させることでリンク機構などの駆動部品が不要となり製造コストの上昇が大幅に抑えることができる。
【0059】
また、バタフライ型のドアは、従来周知の片持ちタイプのドアに比べて回動させる駆動力が低減できるため駆動手段の動力の低減が図れる。
【0060】
また、他の吹出モードのうちで、空気通路の入口部25aを閉塞するフット吹出モードおよびフット開口部26を閉塞するフェイス吹出モードのときに温風を流入させないことにより、乗員が選択した吹出モード以外の吹出口からの吹き出しは、快適性を損なうことになるため閉塞されることが望ましい。
【0061】
(第2の実施形態)
以上の第1の実施形態では、フットドア27をバタフライ型のドアで形成させて、温風バイパス通路29に形成された第1の開口部29aおよび第2の開口部30aの開閉を行い空気通路25側へ温風を流入させる説明をしたが、これに限らず、別体の温風切替ドアを用いても良い。図4に示すように、温風通路19の上方側に形成された取入れ部19aを開閉させるように温風切替ドア31を配設させて、吹出モードがフットデフロスタ吹出モードのときのみ、取入れ部19aを開いて温風の一部を温風ダクト30に流入させることで温風バイパス回路29に温風が導かれ第1の開口部29aから空気通路25に流入させる。
【0062】
従って、吹出モードに応じて温風切替ドア31を回動制御して取入れ部19aを開口することができるため、例えば、季節の中間期などによく使用されるバイレベル吹出モードのときには、温風切替ドア31を閉じるように設定させると、第1の実施形態において、バイレベル吹出モードのときに、フェイス吹出空気温度がフット吹出空気温度以上としない制約が不要となる。これにより、フットデフロスタ吹出モードのときに、デフロスタ吹出空気温度をフット吹出空気温度以上にも温度上昇させることができ、さらにデフロスタ能力を向上できる。
【0063】
また、例えば、デフロスタ吹出空気温度を乗員の好みに応じて温度制御させたいときには温風切替ドア31の開度を可変させて風量制御できるように開閉制御させると良い。
【0064】
なお、本実施形態のフェイスドア32は、デフロスタ・フェイスドア22と同じ片持ち型のドアで良い。
【0065】
(第3の実施形態)
以上の実施形態では、温風バイパス通路29に、温風通路19から温風の一部を取り入れて空気通路25に温風を流入させる説明をしたが、これに限らず、図5に示すように、温風通路19の取入れ部19aに蒸発器12を通過した冷風の一部を例えば、冷風バイパス通路15に対向する車両下方側の第2の取入れ部15bから取り入れた冷風ダクト15aを形成させるとともに、取入れ部19aを開閉させる第2のエアミックスドア16aを配設させて、吹出モードに応じて温風通路19から取り入れた温風と冷風ダクト15aから導かれた冷風との風量割合を調節して温風バイパス通路29に流入させても良い。
【0066】
これにより、フットデフロスタ吹出モードのときに、フット吹出空気温度よりも高いデフロスタ吹出空気温度が得られるとともに、バイレベル吹出モードにおいては、フェイス吹出空気温度をフット吹出空気温度程度に抑えることが可能となる。なお、本実施形態では、フェイスドア27をバタフライ型のドアと組み合わせたが第2の実施形態で述べた片持ちタイプのフェイスドア31を用いても良い。ただし、この時には、吹出モードに応じて第2のエアミックスドア16aによって開閉制御を行うことでも良い。
【0067】
(他の実施形態)
上記実施形態では、各制御ドアの操作をリンク機構を介してサーボモータなどのアクチュエータにより駆動する説明をしたが、空調操作パネルに設けられた温度制御レバー、吹出モード切替レバー等の手動操作部材に加えられる手動操作力にて、操作ケーブル等を介して上記各制御ドアを操作するようにしても良い。
【0068】
なお、上記実施形態では、各制御ドア16、16a、22、27、31は、いずれも単体の状態では同一構造であり、各回動軸17、23、28と一体に結合された樹脂または金属製のドア基板を有し、この基板の表裏両面にウレタンフォームなどの弾性シール材を貼着した構造であると説明したが、これに限らず、前記弾性シール材を貼着しない構造のドア基板でも良い。
【0069】
さらに、吹出モード切替手段の駆動をコントロールレバーを用いて吹出モード切替レバーを使用者がマニアル操作するようにしているが、吹出モード切替手段を自動制御するオートエアコン搭載の空気調和装置にも適用できるものである。
【0070】
また、空調ユニット10内に蒸発器(冷房用熱交換器)12を配設しないタイプの空調装置およびリヒート方式の車両用空調装置にも同様に本発明が適用できることはもちろんである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態における車両用空調装置の空調ユニットの全体構成を示す縦断面図である。
【図2】図1の他の吹出モードにおける作動状態(フット吹出モード)を示す縦断面図である。
【図3】図1の他の吹出モードにおける作動状態(フェイス吹出モード)を示す縦断面図である。
【図4】本発明の第2の実施形態における車両用空調装置の空調ユニットの全体構成を示す縦断面図である。
【図5】本発明の第3の実施形態における車両用空調装置の空調ユニットの全体構成を示す縦断面図である。
【符号の説明】
11…空調ケース
13…ヒータコア(暖房用熱交換器)
15…冷風バイパス通路
15a…第2の冷風バイパス通路
16…エアミックスドア
16a…第2のエアミックスドア
19…温風通路
19a…取入れ部
20…空気混合部
21…デフロスタ開口部
22…デフロスタ・フェイスドア(デフロスタフェイス切替ドア手段)
24…フェイス開口部
25…空気通路
25a…空気通路の入口部
26…フット開口部
27…フットドア(フット切替ドア手段)
28…回動軸
29…温風バイパス通路
31…温風切替ドア(温風切替ドア手段)
Claims (4)
- 空気通路を形成する空調ケース(11)と、
前記空調ケース(11)内に設置され、空気を加熱する暖房用熱交換器(13)と、
前記空調ケース(11)内に形成され、前記暖房用熱交換器(13)を通過して温風が流れる温風通路(19)と、
前記空調ケース(11)内に形成され、前記暖房用熱交換器(13)をバイパスして冷風が流れる冷風バイパス通路(15)と、
前記空調ケース(11)内に設置され、前記温風通路(19)を通過する温風と前記冷風バイパス通路(15)を通過する冷風との風量割合を調節するエアミックスドア(16)と、
前記空調ケース(11)内に形成され、前記温風通路(19)を通過する温風と前記冷風バイパス通路(15)を通過する冷風とを混合する空気混合部(20)と、
前記空気混合部(20)の下流側に形成され、車両の前面窓ガラスに空調空気を吹き出すデフロスタ吹出口に接続されるデフロスタ開口部(21)と、
前記空気混合部(20)の下流側に形成され、車室内乗員の頭部に向けて空調空気を吹き出すフェイス吹出口に接続されるフェイス開口部(24)と、
前記空気混合部(20)と、前記デフロスタ開口部(21)および前記フェイス開口部(24)との間に設けられた空気通路(25)と、
前記空気通路(25)内に配置され、前記デフロスタ開口部(21)または前記フェイス開口部(24)のいずれかを選択的に閉塞するデフロスタフェイス切替ドア手段(22)と、
前記空気混合部(20)の下流側に形成され、車室内乗員の足元に向けて空調空気を吹き出すフット吹出口に接続されるフット開口部(26)と、
前記フット開口部(26)の上流側に配置され、前記空気通路の入口部(25a)または前記フット開口部(26)のいずれかを選択的に閉塞するフット切替ドア手段(27)と、
前記フット切替ドア手段(27)を回動させる回動軸(28)を備え、
前記フット切替ドア手段(27)が前記空気通路の入口部(25a)および前記フット開口部(26)の両方を同時に開口するフットデフロスタ吹出モードのときに、
前記空気通路(25)には、前記回動軸(28)の近傍および前記空気通路(25)と隣接される位置に前記温風通路(19)から導かれた温風を前記空気通路(25)に通過させるための温風バイパス通路(29)を形成させて、前記空気混合部(20)からの混合空気と前記温風バイパス通路(29)からの温風とが混合させるように構成し、
前記フット切替ドア手段(27)は、前記空気通路の入口部(25a)または前記フット開口部(26)のいずれかを選択的に閉塞を行うとともに、前記温風バイパス通路(29)の開閉を行うフット切替ドアであることを特徴とする車両用空調装置。 - 空気通路を形成する空調ケース(11)と、
前記空調ケース(11)内に設置され、空気を加熱する暖房用熱交換器(13)と、
前記空調ケース(11)内に形成され、前記暖房用熱交換器(13)を通過して温風が流れる温風通路(19)と、
前記空調ケース(11)内に形成され、前記暖房用熱交換器(13)をバイパスして冷風が流れる冷風バイパス通路(15)と、
前記空調ケース(11)内に設置され、前記温風通路(19)を通過する温風と前記冷風バイパス通路(15)を通過する冷風との風量割合を調節するエアミックスドア(16)と、
前記空調ケース(11)内に形成され、前記温風通路(19)を通過する温風と前記冷風バイパス通路(15)を通過する冷風とを混合する空気混合部(20)と、
前記空気混合部(20)の下流側に形成され、車両の前面窓ガラスに空調空気を吹き出すデフロスタ吹出口に接続されるデフロスタ開口部(21)と、
前記空気混合部(20)の下流側に形成され、車室内乗員の頭部に向けて空調空気を吹き出すフェイス吹出口に接続されるフェイス開口部(24)と、
前記空気混合部(20)と、前記デフロスタ開口部(21)および前記フェイス開口部(24)との間に設けられた空気通路(25)と、
前記空気通路(25)内に配置され、前記デフロスタ開口部(21)または前記フェイス開口部(24)のいずれかを選択的に閉塞するデフロスタフェイス切替ドア手段(22)と、
前記空気混合部(20)の下流側に形成され、車室内乗員の足元に向けて空調空気を吹き出すフット吹出口に接続されるフット開口部(26)と、
前記フット開口部(26)の上流側に配置され、前記空気通路の入口部(25a)または前記フット開口部(26)のいずれかを選択的に閉塞するフット切替ドア手段(27)と、
前記フット切替ドア手段(27)を回動させる回動軸(28)を備え、
前記フット切替ドア手段(27)が前記空気通路の入口部(25a)および前記フット開口部(26)の両方を同時に開口するフットデフロスタ吹出モードのときに、
前記空気通路(25)には、前記回動軸(28)の近傍および前記空気通路(25)と隣接される位置に前記温風通路(19)から導かれた温風を前記空気通路(25)に通過させるための温風バイパス通路(29)を形成させて、前記空気混合部(20)からの混合空気と前記温風バイパス通路(29)からの温風とが混合させるように構成し、
前記温風バイパス通路(29)に導かれる温風は、前記温風通路(19)の取入れ部(19a)に前記暖房用熱交換器(13)をバイパスして冷風が流れる第2の冷風バイパス通路(15a)を形成させるとともに、前記取入れ部(19a)に冷風と温風との風量調節を行う第2のエアミックスドア(16a)を配設させて温度調節が可能なことを特徴とする車両用空調装置。 - 前記温風バイパス通路(29)に導かれる温風は、前記温風通路(19)の取入れ部(19a)に、前記取入れ部(19a)を開閉する温風切替ドア手段(31)が設けられて前記空気通路(25)に流入させることを特徴とする請求項2に記載の車両用空調装置。
- 前記フット切替ドア手段(27)は、前記空気通路の入口部(25a)または前記フット開口部(26)のいずれかを閉塞させた吹出モードのときに、前記温風バイパス通路(29)も閉塞され、前記空気通路(25)へ温風を流入させないことを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の車両用空調装置。
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