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JP4376198B2 - カーソル移動装置 - Google Patents

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Description

本発明は、カーソル移動装置に関する。
最近では、パーソナルコンピュータをはじめとしてAV機器などの電子機器では、例えば、音量、音質やステレオバランスなどの調整、放送の選局、映像の編集位置等をメニューとしてディスプレイに表示させ、表示させた項目や位置を指定し各種の設定/調整を行うことが一般的になっている。
このとき、ディスプレイには、矢印状のカーソルを表示させて、ユーザはこのカーソルを移動させて項目の選択や位置を指定するようになっている。または、メニューを反転表示させてカーソルの代わりとする場合もある。
このような、カーソルを移動させる装置としては、マウス、トラックポイント、ジョイスティック、タッチパッド、十字キー等がある。
ところで、カーソルを現在表示されている位置から別の目標位置へ移動させようとするときには、上記のカーソル移動装置では、1回の操作で目標位置まで移動させることができないので、複数回の操作を行わなければならない。
このため、カーソルの移動速度を可変にして、遠く離れた場所への移動時には速度を速め、目標位置へ近づいた時には速度を落として正確な位置に停止させる必要がある。
特許文献1の技術では、タッチパッド面上に2次元座標を定義し、パッド面の特定位置を座標の原点と定義し、位置指示手段によりパッド面の原点を指示した際のポインタの速度を0と定義し、位置指示手段により指示したパッド面上の2次元座標をポインタの速度ベクトル値として定義している。これにより、指などの位置指示手段を、パッド上に殆ど静止し、力の入れ具合によることなく、位置をわずかにずらすだけの安易な動作でポインタの移動方向、移動速度を制御することができる。
また、特許文献2の技術では、タッチパッドの周辺に、カーソルの移動速度を切替えることのできる切替え領域を設けることにより、近くまでもっていくために要求されるスピード感と、逆に目標位置に近づいたときに要求される正確な安定感とをもち、余計な操作工程を増やすことなく、自由自在にカーソルの移動速度を切替えられるようにした。
特開2001−282450号公報 特開2002−244809号公報
ところで、デジタルカメラ、PDA(Personal Digital Assistant)や携帯電話機のような携帯端末装置では、カーソル移動を制御する装置として、装置自体がコンパクトなためマウスやジョイスティックを使わずに、十字キー、タッチパッドやトラックポイント等を使っている。
しかしながら、上述したような距離の離れた所の目標に移動するためには、十字キーではボタンの押下−開放と長押しによって操作するため、操作が極めて煩わしいものになり、素早くカーソルを移動させるには不向きである。
また、タッチパッドでは、指の移動速度でカーソルの移動速度を制御できるが、指を操作させるには面積が狭いため、長い距離を移動させるには、何度も繰り返し同じ動作を行う必要がある。
また、指先の圧力でカーソル移動を制御するトラックポイントもあるが、振動の影響を受けやすい構造であるため、歩行中や、電車、自動車などで移動中など、振動がある状況では、うまくコントロールできないという欠点がある。
このため、上述したような問題点をコンパクトな装置である携帯端末装置で解決するためには、次のような要求を同時に実現する必要がある。
(1)設置される装置がコンパクトなために、カーソル移動装置の設置面積や体積を最小にする。
(2)ユーザの煩わしさを軽減するために、操作量を少なくする。
(3)携帯端末装置は携帯であるため手持ちで操作することが多くので、振動による影響が受けにくい構造となっている。
(4)カーソルの移動を目視だけでなく、感触や聴覚によっても認識できる。
上記の観点から、上述した従来の技術を検討する。
特許文献1は、携帯端末装置のようなコンパクトな装置に実装すると、各区画の面積が小さくなりすぎ、区画の境界が分からないため、ユーザが絶えず入力する区画を確認しながら入力操作しなければならない。
また、特許文献2は、カーソルの移動速度を切り替えるために、一旦、指を切り替え用の領域に移動させ、移動方向を示す左または右のボタンをタッチしてから、指を元に戻して目標に向けて動かす動作を行わなければならず、操作量が多くなる。また、カーソルの移動状態は目視できるが、指の感触によって遅速を感じるものでない。
本発明は、上述のような実情を考慮してなされたものであって、カーソル移動を操作者の意図に応じて容易に操作できる、携帯端末装置に実装可能なカーソル移動装置を提供することを目的とする。
上記の課題を解決するために、本発明は次のような構成をとる。
本発明のカーソル移動装置は、パッド上での位置を感知して、カーソルを操作するタッチパッド型のカーソル移動装置であって、前記パッドには、カーソル停止およびカーソルの存在位置での選択または実行を行う停止指示領域と、カーソルの移動速度および移動方向を一義的に指示する複数の区分領域からなり、該区分領域には、接触したときに移動指示速度の相違が認識可能な前記停止指示領域からの距離に応じた物理的形状が施されたカーソルの移動指示領域を有し、前記パッド面上の接触位置に対応する区分領域を逐次検出する位置検出手段と、前記パッド上の前記区分領域の位置と対応して当該区分領域における移動指示速度および移動指示方向を記憶する領域プロパティ記憶手段と、前記位置検出手段で検出された区分領域に基づき前記領域プロパティ記憶手段を参照して、移動指示速度と移動指示方向を取得し、該移動指示速度と該移動指示方向を外部機器へ出力する出力手段と、を備えている。
さらに、本発明のカーソル移動装置は、前記物理的形状が以下のようになっている。
(1)前記パッド全体を接触したときの壁面の角度の変化によって最深部からの距離を認識可能なすり鉢状とし、該すり鉢状の最深部には、前記停止指示領域を設け、該すり鉢状の壁面には、同じ移動指示速度を有する区分領域が前記停止指示領域から等距離で、且つ、壁面の角度が同じになるように配置される。
(2)同じ移動指示速度を有する区分領域が前記停止指示領域から等距離で、且つ、同じ摩擦量となるような表面処理がなされる。
(3)同じ移動指示速度を有する区分領域が前記停止指示領域から等距離で、且つ、同じ量あるいは同じ大きさの突起物が配置される。
本発明によれば、カーソル移動の速度を段階的に選択すること、装置上の選択位置が触覚で認識できること、操作する指の移動量を少なくすることを同時に実現することができるので、カーソル移動を操作者の意図に応じて容易に操作することができる。
以下、図面を参照して本発明の好適な実施形態について説明する。
<実施形態1>
まず、タッチパッドの構成について説明する。
図1は、カーソルを4方向(上下左右)に移動させるためのタッチパッドである。
このタッチパッドには、カーソルの動きを停止させる停止位置ボタンSを中心に、上下左右の方向に中心から離れるに従ってカーソルの移動速度が速くなる選択箇所認識機能を配置している。ただし、停止位置ボタンSに触れている場合や、タッチパッドに触れていない場合には、カーソルの移動は停止するものとする。
このように、カーソルの停止位置を中心にして、中心から遠ざかるほど速度を速めるように配置すると、目標位置が近づくにしたがって移動速度を落とし、見つかると選択行為を行うという動作に合致した自然な動作である。
例えば、図1では、カーソルを右方向に移動させるには、R1〜R3で示した領域のいずれかを指でタッチすることによって方向を指定することができる。他の方向も同様に各方向の領域をタッチすることにより選択することができる。
また、上述のように各方向は3つの領域R1〜R3に分かれており、各領域は中心の停止位置Sから順に、カーソルの移動速度が段階的に変るように設定してある。
図1では、移動速度の可変段階を3段階にし、領域R1は「速度1」、領域R2は「速度2」、領域R3は「速度3」の各速度に対応している。
これらのいずれかの領域をタッチすることによって、カーソルの移動速度を変えることができる。
これらの移動速度、移動速度の変化度合いの段階数、領域の大きさ(広さ)等は、必要に応じて設定変更可能である。
即ち、カーソルの移動方向は4方向と限ったものではなく、例えば、図2(A)に示すように、上下方向のみの場合や、図2(B)のように左右方向のみの場合のように配置してもよい。
さらに、方向の定義も変更可能である。例えば、図2(B)のような2方向の場合、領域L1〜L3を上方向とし、領域R1〜R3を下方向とするように、意味づけを変更することも可能である。
また、停止位置ボタンSで短く叩く動作を行うと、カーソルの存在位置での選択行為(マウスにおけるシングルクリックに相当する)を意味する。また、2回続けて短く叩く動作を行うと、カーソルの存在位置での実行行為(マウスにおけるダブルクリックに相当する)を意味する。
これまでに説明してきたタッチパッドは、図1に示したような4方向の領域を十字形で表していた。
しかし、タッチパッドの形状は、これに限定されるものではなく、例えば、図3に示したように、矩形や円形のタッチパッド全体の中から、上述した十字形の領域(図3の斜線の部分)を使うようにしてもよい。
このとき、移動速度の違いを示す領域を図3(A)や(C)のように十字形の中だけに取るようにしてもよい。また、移動速度の違いを示す領域をタッチパッド全体に取り、その中から図3(B)や(D)のような十字形を使用するようにしてもよい。
さらに、図3(E)のように、移動速度の違いを示す領域をタッチパッド全体に取り、方向性を持たずに移動速度の変化だけがわかるようにしてもよい。
また、図3(F)のように、移動方向を回転角θとし、移動速度の変化がわかるようにしてもよい。
次に、本発明のカーソル移動装置に利用するタッチパッドは、指で触っただけで、指がどの方向のどの移動速度の領域にあるかを分かるようにしてある。
例えば、図4に示したように、各領域上に、指先で認識できる小さな突起物を、中心位置から離れるにしたがって、突起物の数を増やすか、あるいは、突起物の大きさを大きくする。これらの突起物の量は、各方向の同じ移動速度には同量の突起物あるいは同じ大きさの突起物を配置する。
これにより、操作者は、指先で感じる突起物の量の変化によって中心からの位置を認識することができ、これに対応付けられたカーソルの移動速度を変えることができる。
また、図4の突起物の代わりに、各領域上を摩擦量の異なる表面処理するようにしてもよい。例えば、図5に示すように、停止位置ボタンSから離れるにしたがって、「最も滑らかな表面部」、「ややざらついた表面部」および「最もざらついた表面部」を持つように、摩擦量の異なる表面処理を行う。図5のタッチパッドでは、同じ移動速度を表す領域を同心円で区切るようにしているが、もちろん、上述のような十字形の領域にのみ表面処理を施したものであってもかまわない。また、円形ではなく矩形としてもよい。
また、図6に示すように、各方向の領域の形を停止位置ボタンSから遠ざかるほど幅が狭くなる三角形あるいは台形(図6(A))となる溝(図6(B))としてもよい。このような溝の幅の間隔変化を指で感じることによって中心からの距離を認識するようにしてもよい。
また、図7に示すように、タッチパッド全体を、停止位置ボタンSの中央を一番深く、中央から遠ざかるほど浅くなるすり鉢状(図7(B))の形状にし、その壁面の角度の変化を指で感じることによって中心からの距離を認識するようにしてもよい。
また、図8に示すように、タッチパッド全体を階段状(図8(B))とし、停止位置ボタンSの中央を一番下の段、中央から遠ざかるほど上の段となるようにし、段差を指で感じることによって中心からの距離を認識するようにしてもよい。
次に、図9を用いて、上述したタッチパッドを組み込んだ機器のカーソル操作について説明する。この説明では、機器を大量の音楽タイトルが記録されたジュークボックスとする。
機器に記録されている音楽タイトルは、表示装置にリスト表示され、選択対象となるタイトルにカーソル(この場合には反転表示でカーソルを表示する)が表示される。
操作者は、表示装置に表示されたタイトルのリストを上下方向にスクロールすることによって所望のタイトルを探し、その所望のタイトルに対してカーソルがくるようにして選曲する。
このようにリスト表示をスクロールさせるには、タッチパッドの上方向(U1〜U3)あるいは下方向(D1〜D3)の移動速度を示す適度の位置に指を持って行き、カーソルが所望のタイトルに来たときに停止位置ボタンSを押すことによって、タイトルが選択される。
次に、本発明のカーソル移動装置を組み込んだ機器の構成について説明する。
図10は、本発明のカーソル移動装置を組み込んだ機器の構成を示すブロック図であり、同図において、この機器10にはカーソル移動装置100と表示装置20とが接続している。
機器10は、カーソル移動装置100からカーソルの移動方向θと移動速度vを、時間間隔tで取り込み、現在のカーソル位置(x,y)から移動先のカーソル位置(X,Y)を次の式で計算する。
X=x+v・t・cosθ
Y=y+v・t・sinθ
ここで、カーソル移動装置から送られてくる移動方向や移動速度は、角度や速度の単位系を持ったものでなくても良く、それらの単位系に変換可能なものであればよい。
機器10では、この計算式で得たカーソル位置(X,Y)を、表示装置20に表示するウインドウの幅に合わせるように変換して、表示リスト等とともに表示装置20へ表示する。
次に、カーソル移動装置100の詳細な構成について説明する。図10によると、カーソル移動装置100は、タッチパッド110、位置検出部120、制御部130、移動方向・速度取得部140、領域プロパティ記憶部150、出力部160とから構成されている。
タッチパッド110は、図1乃至図9に例示されているいずれかの構成を持ったタッチパッドである。
位置検出部120は、タッチパッド110の、感圧、静電誘導、電磁誘導などの方式で検出された指の接触位置の座標(x,y)を検出して、その座標位置を制御部130へ移動イベントとして送る。また、タッチパッド110に付属した停止位置ボタンにタッチした場合には、接触位置の座標が(0,0)の移動イベントとして制御部130へ送り、シングルクリックあるいはダブルクリックされると、シングルクリックイベントあるいはダブルクリックイベントとして制御部130へ送る。
制御部130は、受け取ったイベントがクリックイベントの時には、この受け取ったクリックイベントを出力部160へ送る。
また、制御部130が移動イベントの時には、座標位置(x,y)を移動方向・速度取得部140へ送る。
領域プロパティ記憶部150には、各領域ごとに、領域の範囲、移動方向、移動速度が記憶されている。この領域プロパティ記憶部150は、固定的に上記の情報を記憶させておいてもよいし、機器10等を介して新たな情報を書き込んでもよい。
前述した移動方向の意味づけを変更する場合には、この領域プロパティ記憶部150の移動方向の値を変更すればよい。
移動方向・速度取得部140は、受け取った座標位置(x,y)が領域プロパティ記憶部150のいずれの領域の範囲に属するかを判定し、見つけた領域に対応する移動方向と移動速度を取り出して、移動イベントとして出力部160へ送る。
出力部160は、制御部130または移動方向・速度取得部140から受け取ったイベント情報を、3つ組み(イベントの種類、移動方向、移動速度)として、予め決められた一定間隔で機器10に送出する。
以上のように本実施形態を構成することにより、指の位置を触覚的に認識でき、カーソル移動の速度を段階的に選択して、操作する指の移動量を少なくし、さらに、タッチパッドを用いるようにしたので、振動の影響を受けにくい構造となっている。
<実施形態2>
上述の実施形態1では、タッチパッド自体に加工することによって、指の位置を認識するようにしていた。本実施形態2では、タッチパッドとは別体の装置により指がタッチパッドのどの位置にあるかを認識する方法について説明する。
実施形態2としては、例えば、機器全体またはタッチパッドが振動する機構を組み込み、指の接触位置の中心位置からの距離によってその振動量を増減させ、振動量の変化によって中心位置からの距離を認知できるようにしてもよい(図11)。
また、レベルメータを配置し、カーソルの移動速度の段階に合わせて表示するようにし、定量的に視認できるようにしてもよい(図12)。
また、発信音を出す仕組みを組み込み、指の接触位置の中心位置からの距離によって、発信音の音階、音量や発信間隔を変化させることによって、その音の変化によって中心位置からの距離を認知できるようにしてもよい(図13)。
図14は、本実施形態2のカーソル移動装置100の構成を示すブロック図であり、図10と同じものは同じ符号を付して説明を省略する。
図14において、カーソル移動装置100は、タッチパッド110、位置検出部120、制御部130、移動方向・速度取得部140、領域プロパティ記憶部150、出力部160、レベルメータ出力部170、表示装置175、音出力部180、発信音発生装置185、振動出力部190、振動装置195とから構成されている。
このうち、レベルメータ出力部170、音出力部180と振動出力部190とは、すべて同時に備えていなくても良く、いずれか1つ以上の組み合わせであればよい。
レベルメータ出力部170は、移動方向・速度取得部140から移動方向と移動速度を受け取って、移動速度を少なくとも移動速度の段階以上のレベルに分けて、レベルメータを表示装置175に表示する。この表示装置175は、カーソルの移動が見える表示装置20の近くに設置する。
音出力部180は、移動方向・速度取得部140から移動方向と移動速度を受け取って、移動速度を少なくとも移動速度の段階以上の音階に分けて、発信音発生装置185(例えば、スピーカー)に出力したり、または、移動速度を少なくとも移動速度の段階以上の音量区分に分けて、区分にあわせた音量で所定の音を発信音発生装置185に出力したり、また、移動速度を少なくとも移動速度の段階以上の発信音の長さに区分し、その長さに応じた所定の音を発信音発生装置185に出力する。
また、これらの音階、音量や発信間隔を組み合わせた音を出力するようにしてもよい。
振動出力部190は、移動方向・速度取得部140から移動方向と移動速度を受け取って、移動速度を少なくとも移動速度の段階以上の振動区分に分けて、区分にあわせた振動数で振動装置195を振動させ、機器全体またはタッチパッドを振動させる。
<実施形態3>
本実施形態3では、タッチパッドと一体化した装置により指がタッチパッドのどの位置にあるかを認識する方法について説明する。
実施形態3としては、例えば、4方向のタッチパッド上に、中心位置からの距離に応じた強さの電気的刺激を発生させる電極を配置し、指が接触したときに、その位置によって電気的刺激の強さが変化することにより、中心位置からの距離を認知できるようにしてもよい(図15)。
また、タッチパッド上に中心位置からの距離に応じた温度を発生する発熱装置を配置し、指が接触したときに、その位置によって温度が変化することにより、中心位置からの距離を認知するようにしてもよい(図16)。また、この発熱装置は、タッチパッド上の中心位置から一番外側だけに配置するようにしてもよい。
<実施形態4>
上記の実施形態1乃至3は、カーソル移動装置を機器に組み込むようにしているが、カーソル移動装置と機器とを別体とし、カーソル移動装置からの出力を短距離無線(例えば、ブルートゥース、赤外線等)で機器へ送信し、受信したカーソルの移動方向や移動速度に合わせて機器に接続された表示装置のカーソルを移動させるようにしてもよい。
<本発明のカーソル移動装置の応用>
本発明のカーソル移動装置は、次に挙げるような機能を持つ機器に適用することができる。
(1)音楽や映像のように時間軸を持つデータの早送り、早戻し、スロー再生、スロー逆再生の速度の制御に適用できる。
(2)電子書籍のページめくりの速度、携帯電話のアドレス帳や電子辞書の項目リストの選択操作に適用できる。
(3)ゲーム機およびゲームソフトにおいて、その仮想空間の移動やキャラクターの移動操作に適用できる。
(4)画像や地図等を一部表示したときの、表示領域の移動操作や表示倍率の変更速度等に適用できる。
(5)音量調整、火力調整、照明調整、空調の温度や風向きの調整、調理器具の温度設定、チューナーの周波数調整、時刻設定や調整、自動車などのパワーウィンドウの開閉操作の速度等の各種調整に適用できる。
(6)コンピュータに接続することにより、キーボードの「上」「下」「左」「右」の矢印キーを使って操作するカーソル移動操作のカーソル移動速度や、スクロール操作におけるスクロール速度の制御に適用もできる。
<実施形態5>
本発明は、上述した実施形態のみに限定されたものではない。上述した実施形態を構成する各機能(制御部、移動方向・速度取得部、出力部、レベルメータ出力部、音出力部、振動出力部)をそれぞれプログラム化して、予め記録媒体に書き込んでおき、この記録媒体に記録されたこれらのプログラムを実行することによって、本発明の目的が達成されることは言うまでもない。この場合、記録媒体から読み出されたプログラム自体が上述した実施形態の機能を実現することになり、そのプログラムおよびそのプログラムを記録した記録媒体も本発明を構成することになる。
なお、上述した実施形態の機能を実現するプログラムは、ディスク系(例えば、磁気ディスク、光ディスク等)、カード系(例えば、メモリカード、光カード等)、半導体メモリ系(例えば、ROM、不揮発性メモリ等)、テープ系(例えば、磁気テープ、カセットテープ等)等のいずれの形態の記録媒体で提供されてもよい。あるいは、ネットワークを介して記憶装置に格納されたプログラムをサーバコンピュータから直接供給を受けるようにしてもよい。この場合、このサーバコンピュータの記憶装置も本発明の記録媒体に含まれる。
このように、上述した実施形態の機能をプログラム化して流通させることによって、コストの低廉化、および可搬性や汎用性を向上させることができる。
本発明のカーソル移動装置で使われるタッチパッド(4方向)の構成を説明する図である。 2方向のタッチパッドの構成を説明する図である。 タッチパッドの一部を本発明のタッチパッドとして利用するときの構成を説明する図である。 突起物を埋め込んだタッチパッドの構成を説明する図である。 表面処理を施したタッチパッドの構成を説明する図である。 三角形や台形からなる溝をもったタッチパッドの構成を説明する図である。 すり鉢状のタッチパッドの構成を説明する図である。 階段状のタッチパッドの構成を説明する図である。 本発明のカーソル移動装置を搭載した機器の構成を説明する図である。 本発明のカーソル移動装置の機能構成を説明する図である。 振動装置により移動速度を体感できる構成を説明する図である。 レベルメータにより移動速度を体感できる目視可能な構成を説明する図である。 発信音発生装置により移動速度を体感できる構成を説明する図である。 本発明のカーソル移動装置の他の機能構成を説明する図である。 電極をタッチパッドに埋め込んだ構成を説明する図である。 発熱装置をタッチパッドに埋め込んだ構成を説明する図である。
符号の説明
10…機器、20…表示装置、100…カーソル移動装置、110…タッチパッド、120…位置検出部、130…制御部、140…移動方向・速度取得部、150…領域プロパティ記憶部、160…出力部、170…レベルメータ出力部、175…表示装置、180…音出力部、185…発信音発生装置、190…振動出力部、195…振動装置、D1〜D3…カーソルの移動方向が下方で、移動速度の段階を示す領域、L1〜L3…カーソルの移動方向が左方で、移動速度の段階を示す領域、R1〜R3…カーソルの移動方向が右方で、移動速度の段階を示す領域、U1〜U3…カーソルの移動方向が上方で、移動速度の段階を示す領域、S…停止位置ボタン。

Claims (4)

  1. パッド上での位置を感知して、カーソルを操作するタッチパッド型のカーソル移動装置であって、前記パッドには、カーソル停止およびカーソルの存在位置での選択または実行を行う停止指示領域と、カーソルの移動速度および移動方向を一義的に指示する複数の区分領域からなり、該区分領域には、接触したときに移動指示速度の相違が認識可能な前記停止指示領域からの距離に応じた物理的形状が施されたカーソルの移動指示領域を有し、前記パッド面上の接触位置に対応する区分領域を逐次検出する位置検出手段と、前記パッド上の前記区分領域の位置と対応して当該区分領域における移動指示速度および移動指示方向を記憶する領域プロパティ記憶手段と、前記位置検出手段で検出された区分領域に基づき前記領域プロパティ記憶手段を参照して、移動指示速度と移動指示方向を取得し、該移動指示速度と該移動指示方向を外部機器へ出力する出力手段と、を備えることを特徴とするカーソル移動装置。
  2. 請求項1に記載のカーソル移動装置において、前記パッド全体を接触したときの壁面の角度の変化によって最深部からの距離を認識可能なすり鉢状とし、該すり鉢状の最深部には、前記停止指示領域を設け、該すり鉢状の壁面には、同じ移動指示速度を有する区分領域が前記停止指示領域から等距離で、且つ、壁面の角度が同じになるように配置されることを特徴とするカーソル移動装置。
  3. 請求項1に記載のカーソル移動装置において、同じ移動指示速度を有する区分領域が前記停止指示領域から等距離で、且つ、同じ摩擦量となるような表面処理がなされることを特徴とするカーソル移動装置。
  4. 請求項1に記載のカーソル移動装置において、同じ移動指示速度を有する区分領域が前記停止指示領域から等距離で、且つ、同じ量あるいは同じ大きさの突起物が配置されることを特徴とするカーソル移動装置。
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