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JP4374296B2 - 電気接続箱 - Google Patents

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本発明は、電気接続箱に関する。
従来より、自動車に搭載される電気接続箱においては内部に収容される基板の保護、或いはバスバー、端子等のショート対策を行うため種々の防水対策が講じられてきた(特許文献1)。
このものは回路基板5を収容するための枠体3の上面に、外部コネクタ接続用の取付部3cが一体的に設けられている。この取付部3cには上下に貫通する端子収容孔3dが設けられており、そこには、外部コネクタの備える端子と回路基板5を接続するための接続端子(バスバー)が収容されている。そのため、この端子収容孔3dを介して侵入した水分がバスバーを伝って電気接続箱内部の回路基板5を浸水させる虞があった。
そこで、取付部3cから回路基板5に至る経路上においてバスバーの外周に別部品を液密状に嵌着し、これにより、バスバーを伝う水分の経路を変えることで回路基板5を保護するようにしていた。
特開2003−348732公報
電気接続箱内には結露等による水分の侵入等もあるため、接続箱内部の水分を放置しておくと、電気接続箱の底側の面では水がたまってしまう。この場合に、電気接続箱の底面部分にコネクタが配されていると、そこで回路基板とコネクタとを接続する端子が短絡する虞があり、改良の余地があった。
本発明は上記のような事情に基づいてなされたものであって、内部の水滴を装置外に排水して、コネクタから引き出された端子間の短絡を防止することを目的とする。
上記の目的を達成するための手段として、請求項1の発明は、回路基板を収容するケーシングに下向きに開口する開口部が形成され、同開口部に対して、コネクタが、相手側コネクタを嵌合させる嵌合面を下に向けつつ当該開口部を閉止するように配置されるとともに、前記回路基板に接続された端子が前記コネクタハウジングの上面を上下に貫通して前記コネクタのフード部内に挿通している電気接続箱であって、前記コネクタは相手側コネクタを収容するフード部を複数個併設してなる構成であると共に、前記コネクタのコネクタハウジングの上面には、当該上面より上方に突出した形状をなすと共に前記端子を上下に貫通させる取り付け突部が設けられ、更に各フード部間に位置して前記ケーシングの外部に開放する排水溝が設けられ、前記コネクタは前記開口部の下方にあって、外壁面が前記ケーシングから露出した露出面となっており、前記排水溝は、前記コネクタハウジングの上面と前記露出面の両面に亘って形成され、かつ溝の向きは前記端子の並び方向と直交する向きに形成されているところに特徴を有する。
請求項の発明は、請求項に記載のものにおいて、前記回路基板は前記ケーシング内において縦向きに配置されているところに特徴を有する。
<請求項1の発明>
請求項1の発明によれば、コネクタハウジング上面の水滴は排水溝を通って外部に排出されるから、同部分に水滴が貯まることがない。従って、同部分における端子間の短絡が未然に防止される。また、水滴を隣り合うコネクタ間の隙間から排水することが可能となる。このような構成であれば、水滴がコネクタの嵌合部分に侵入することがない。
また、請求項1の発明によれば、溝経路が短かくて済むから排水が迅速に行われる。
<請求項の発明>
請求項の発明によれば、回路基板が横置きの場合に比べて水滴が電気接続箱の下部に集まり易くなるから、排水性が高まる。
本発明の一実施形態を図1ないし図7によって説明する。
図1に示す60は自動車に使用される電気接続箱であって、バッテリ等の電源と電気的負荷との間に介設され、電源から供給される電力を各電装品に分配・供給するとともに、これら電力供給の切り替え等の制御を行うものである。電気接続箱60は回路構成体10を放熱機能を有するケーシング20内に収容しており、エンジンルーム内において縦向きに配置される。
図2に示すように、回路構成体10は回路基板11と、回路基板11の上面に形成された回路パターン(図示せず)に実装される電子部品12と、回路基板11の下面に沿って配されて電源(図示せず)に接続される金属板材からなるバスバー(電力用導電路)13とから構成されている。尚、回路基板11とバスバー13とは、絶縁性を有する接着材(図示せず)を介して一体化されている。また、ここでいう接着材には接着剤及び接着シート等が含まれるものとする。
ケーシング20は合成樹脂製の枠体21、熱伝導率の高い金属製(例えば、アルミニウム合金)の放熱板22並びにカバー55から構成されている。枠体21は、回路基板11の外形に沿った形状であって、全周に亘って切れ目無く連続して回路基板11を包囲するようになっている。放熱板22は、枠体21の外形と概ね同じ形状とされ、枠体21に対してその下面側から組み付けられるようになっている。また、枠体21内にはゲル状のポッティング剤が図7に示す一点鎖線Lの高さまで投入され、これにより回路基板11の表面を被覆することで回路基板11の保護(防水)を図っている。
回路基板11の上縁部には図7に示すように、ヒューズボックス51が組み付けられるとともに、このヒューズボックス51には、上部コネクタハウジング52が組み付けられる。詳細には図示していないが、この上部コネクタハウジング52には電気的負荷につながるコネクタが接続されるようになっている。
カバー55は枠体21の開口面(図2における上面)を閉止可能な大きさに形成されており、枠体21に対して図示上方より組み付けられる。
カバー55の一縁部はその全幅に亘って回路基板11の反対方向(図2の上方)に膨出されている。この膨出部56は図2において手前側(取り付け状態においては下方)に開口しており、そこには、次述する下部コネクタ30が同開口56Aを閉止するようにして配される。尚、この開口56Aが本発明の開口部に相当する。
下部コネクタ30を構成する下部コネクタハウジング31は横長な箱形をなすとともに、一対の隔壁31Aによって3つのフード部32に仕切られており、各フード部32にはそれぞれ相手側コネクタ57(図4参照)が組み付けられるようになっている。下部コネクタハウジング31の左右両側面には側方に張り出すようにして取り付け縁31Bが形成されている。一方、枠体21における取り付け縁31Bの対向部にはねじ孔を有する座部21Cが設けられている。また、下部コネクタハウジング31の側面壁(図7における右側の壁)36からは円筒形をなしその先端部分にはねじ孔が形成された固着部35が回路基板11側に向けて突設されている。
そのため、取り付け縁31Bを座部21Cに対してねじ締めするとともに(図3参照)、回路基板11を固着部35に対してねじ締めすることで(図7参照)、下部コネクタハウジング31を回路基板11並びに枠体21に対して固定することが出来るようになっている。また、放熱板22の下部には凹部22Aが形成されているが、これは下部コネクタハウジング固定用のねじを逃がすためのものである。
各フード部32の上面37には、図7に示すように図示上方へ突出する取り付け突部38、39が2列形成されている。この取り付け突部38、39は各フード部32の幅方向に沿って形成されており(図5参照)、そこには上面37を貫通するようにして複数本の端子33が圧入されている。
端子33の先端部分はケーシング20の内で回路基板11側に向けて約90度屈曲されている。端子33の屈曲端は回路基板11に設けられた挿通孔14に挿通された後、回路基板11に対して半田付けにより接続されるようになっている。
また、下部コネクタハウジング31には相手側となる相手側コネクタ57が図1における下方から組み付けられるから、挿抜方向(図7における上下方向に)に力が加わる。そこで、これら挿抜方向への力に抗するようにカバー55によって下部コネクタハウジング31を支持するようにしている。より具体的には、カバー55の下端部には内向きに突出する凸部56Bが設けられる一方、取り付け突部38、39のうちカバー55寄りに位置する取り付け突部39の上端部に突片が設けられ、コネクタ上面37との間に凹部39Aが形成されている。これら凸部56Bと凹部39Aとは互いに凹凸嵌合するようになっており、抜き方向(図7における下方向)への力に抗するようになっている。また、カバー55はその下端部を下部コネクタハウジング31の上面37に対して沿わせるように配置されている。これにより挿入方向(図7に関する上方向)に関する支持を図るようになっている。
ところで、この下部コネクタハウジング31の外壁面には、上面37並びに露出面40の両面に亘って排水溝41が二本並んで形成されている。図5に示すように各排水溝41は下部コネクタハウジング31の上面37の基端部分(回路基板11と向かい合う部分)を始端として真っ直ぐ外向き(図5における上下方向であって、端子33の並び方向と直交する向き)にのびている。そして、露出面40に至った後、排水溝41は下部コネクタハウジング31の嵌合面(相手側コネクタ57との嵌合面であって、取り付け時には下側に位置する面)31Cに向かって真っ直ぐのび、その終端は同嵌合面31Cに達している。
これら各排水溝41は幅方向においては丁度フード部32間に位置している(図1参照)。このような配置とすることで、電気接続箱60内の水分は隣接する相手側コネクタ57間の隙間(図4に示すD寸法部分)からケーシング20外に排水されることになる。また、排水溝41の溝幅並びに深さについては、電気接続箱60内の水滴が同排水溝41を通って円滑に排水されるような寸法設定とされている。
また、下部コネクタハウジング31と枠体21との対向面間には、図3に示すように空隙21Bが形成されている。
次に、本実施形態の作用及び効果を説明する。
結露等に起因して電気接続箱60内には水滴が侵入することがあるが、この場合に侵入した水滴はポッティング剤の表面を通って電気接続箱60の下部に伝ってゆく経路(図7における矢印aで示す経路)或いは、カバー55の内面を伝ってゆく経路(図7における矢印bで示す経路)のいずれかの経路をとる。このうち、回路基板11の表面を伝う水滴はやがて下部コネクタハウジング31のうち枠体21との合わせ部分(側面壁36)に達する。すると、水滴は側面壁36と枠体21との対向面間に形成される空隙21Bを通って電気接続箱60の下方に排水される。
一方、カバー55の内面を伝った場合には、やがて、下部コネクタハウジング31の上面37に達する。その後、水滴は上面37に沿って拡がるが、そこには排水溝41が形成されているため、水滴は排水溝41に達すると同溝41に沿って流れてゆき、やがて、電気接続箱60の下方に排水される。
このように本実施形態によれば、電気接続箱60の内部の水滴は回路基板11を伝う経路並びにカバー55の内面を伝う経路のいずれの経路をとった場合であっても装置外に排水されるから、電気接続箱60の内部(特に、下部コネクタハウジング31の上面37)に水滴が留まることがない。従って、端子33間の短絡が未然に防止される。
また、排水溝41は端子33の並び方向と直交する向きに真っ直ぐにのびている。このような溝経路であれば、溝の全長が短かくて済むから排水が迅速に行われる。加えて、各排水溝41は幅方向においては丁度フード部32間に、位置している。このような配置とすることで、相手側コネクタ57間の隙間(図4に示すD寸法部分)から水滴を排水することが出来るから、排水された水滴が両コネクタ30、57の嵌合部分に侵入し難くなる。
更に、各端子33は上面37に形成される取り付け突部38、39を貫通されており、各端子33の露出位置が取り付け突部38、39の高さ分だけ上面37より高くなっている。このような構成であれば、一度に多量の水滴が侵入して上面37に水滴が貯まったとしても、それが取り付け突部38、39の高さ範囲内であれば端子33の短絡を回避することが出来る。
<他の実施形態>
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれ、さらに、下記以外にも要旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施することができる。
(1)本実施形態では、電気接続箱60をエンジンルーム内において縦置きに配置するものを例示したが、設置方向に関して特に制約はなく、例えば横置きに使用されるものにも適用可能である。
本発明の一実施形態に係る電気接続箱の斜視図 電気接続箱の分解斜視図 カバーを外した状態を示す斜視図 カバーを外した状態の正面図 排水溝を示す斜視図 電気接続箱の下面図 電気接続箱の断面図
符号の説明
20…ケーシング
31…下部コネクタハウジング
33…端子
37…上面
41…排水溝
55…カバー
60…電気接続箱

Claims (2)

  1. 回路基板を収容するケーシングに下向きに開口する開口部が形成され、同開口部に対して、コネクタが、相手側コネクタを嵌合させる嵌合面を下に向けつつ当該開口部を閉止するように配置されるとともに、前記回路基板に接続された端子が前記コネクタハウジングの上面を上下に貫通して前記コネクタのフード部内に挿通している電気接続箱であって、
    前記コネクタは相手側コネクタを収容するフード部を複数個併設してなる構成であると共に、
    前記コネクタのコネクタハウジングの上面には、当該上面より上方に突出した形状をなすと共に前記端子を上下に貫通させる取り付け突部が設けられ、更に各フード部間に位置して前記ケーシングの外部に開放する排水溝が設けられ
    前記コネクタは前記開口部の下方にあって、外壁面が前記ケーシングから露出した露出面となっており、
    前記排水溝は、前記コネクタハウジングの上面と前記露出面の両面に亘って形成され、かつ溝の向きは前記端子の並び方向と直交する向きに形成されていることを特徴とする電気接続箱。
  2. 前記回路基板は前記ケーシング内において縦向きに配置されていることを特徴とする請求項1に記載の電気接続箱。
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