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JP4373586B2 - カプセル内視鏡の側視型対物光学系 - Google Patents

カプセル内視鏡の側視型対物光学系 Download PDF

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Description

【0001】
【技術分野】
本発明は、反射を利用した側視型対物光学系および内視鏡の側視型対物光学系に関する。
【0002】
【従来技術およびその問題点】
長い可撓管で外部機器と接続された従来の内視鏡に対し、被験者の苦痛の軽減等を目的に、外部機器と接続せずに利用できるカプセル内視鏡が提案されている。カプセル内視鏡はカプセル型の体内導入部を被験者が嚥下して用い、食道や小腸等の消化管内壁を観察対象としている。体腔内では、カプセル側面が管腔内壁面に接するから、側視型の観察光学系のほうが観察には有利であるが、従来提案されているカプセル内視鏡はほとんどが直視型である。そこで側視型のカプセル内視鏡も提案されている。
【0003】
通常の側視型内視鏡は体腔内での姿勢を体外から操作できるが、カプセル内視鏡は小型化を追求しているため体腔内での姿勢制御手段を持たないのが通常である。姿勢制御手段を有していれば、光学系の視野が狭くても姿勢操作によって広範囲を観察することができるが、姿勢制御手段を持たないカプセル内視鏡では、視野角の狭い光学系では盲点となる部分が広いため、実用的ではない。
【0004】
また姿勢を制御できる通常の内視鏡においても、光学系の視野が狭ければ内視鏡を細かく移動させなければならないので、視野が広いほうが詳細で正確な検査が可能であり、検査時間を短縮することができる。
【0005】
【発明の目的】
このような問題意識に基づき、本発明は広角な範囲の観察が可能で盲点の少ない側視型対物光学系を、小型の光学系によって実現することを目的とする。また本発明は、内視鏡の側視型対物光学系を、小型で視野の広い光学系によって実現することを目的とする。
【0010】
【発明の概要】
本発明のカプセル内視鏡の側視型対物光学系は、イメージセンサと;体腔内の被検部の像をイメージセンサ上に結像させる対物光学系と;イメージセンサによる像を無線送信する電気回路と;を、先端部材と筒状ケースを有する滑らかな外形形状の密閉カプセル内に収納したカプセル内視鏡であって、上記対物光学系は、正のパワーを有する結像光学系と;この結像光学系の前方に位置する光学部材と;を有し、上記光学部材は、結像光学系の斜め前方から光束を取り入れる、球面又は円筒面からなる入射面と;この入射面から入射した光束を前方に向けて反射する凹面からなる第一反射面と;結像光学系の光軸上に位置し、この第一反射面で反射した光束を結像光学系に向けて反射する凹面からなる第二反射面と;この第二反射面で反射した光束を結像光学系に向けて出射する出射面と;を有し、上記先端部材は、上記光学部材に接着されており、かつ、該先端部材の外面と、該光学部材の上記球面又は円筒面からなる入射面とが滑らかに連続する外形を有していることを特徴としている。
【0011】
上記のカプセル内視鏡の側視型対物光学系において、入射面は、正の面パワーを有していることが望ましい。
【0012】
上記のカプセル内視鏡の側視型対物光学系において、上記入射面が上記結像光学系の被写界深度内になるように、上記入射面、第一反射面、第二反射面および結像光学系の形状が設定されていると、入射面に接触している被写体を観察することができる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、図示実施形態に基づいて本発明を説明する。図1から図4は、本発明の側視型対物光学系を適用した第1の実施形態によるカプセル内視鏡の断面を示している。図1に示すように、本カプセル内視鏡は、前方から先端部材30、光学部材40、筒状ケース12の順に接着されて、滑らかな外形の密閉カプセル10が形成されている。先端部材30は、光学部材40の前方に隙間なく接着され、光学部材40から滑らかに連続する外形に形成されている。筒状ケース12は光学部材40の後方に隙間なく接着され、内部には回路部(電気回路)20が収納されている。回路部20の前面には、光学部材40の後方に位置して正のパワーを有する結像光学系45が固定されている。光学部材40はガラスまたはプラスチックからなる単一部材で形成されている。光学部材40の斜め前方には入射面41が形成されている。光学部材40の内部には、入射面41に向かい投光する光源21が、結像光学系45の光軸を挟んで入射面41の反対側に固定されている。この光源21には回路部20から電力を供給するリード線22が接続している。
【0014】
本カプセル内視鏡の対物光学系は、光学部材40と結像光学系45とから構成されている。光学部材40は、図1、図2および図4に示すように、入射面41、第一反射面42および第二反射面43の3面を備えている。入射面41は球面からなっている。第一反射面42および第二反射面43は凹面で形成された内面反射面からなっている。出射面46は、結像光学系45の光軸と垂直な平面として形成されている。結像光学系45は、光軸が筒状ケース12の中心軸に対して偏心していて、入射面41と光源21の中間部に位置するよう固定されている。
【0015】
回路部20は、観察像を外部へ送信するための電気部品(イメージセンサ23、イメージセンサ用電気部品24、送信アンテナ25、バッテリー26、送信アンプ27、電源スイッチ28)を備え、円筒状に形成されて筒状ケース12内の回路支持枠29に固定されている。後方が半球状に閉塞した筒状ケース12はその後端に、水密保持可能なOリング14を保持した貫通穴13が設けてあり、回路部20の後部に備えられた電源スイッチ28が、密閉カプセル10の外部から、この貫通穴13を介して操作可能に配置されている。カプセル内視鏡の使用時にはこの電源スイッチ28によって電源がオンオフされる。
【0016】
本カプセル内視鏡は、被験者が嚥下して体内管腔に導入される。管腔は通常つぶれた状態であるから、管腔内のカプセル内視鏡は、その長手方向が管腔の軸方向と一致した姿勢となり、管腔壁がカプセル表面、特に側面に密着する。つまり、光学部材40の表面に密着した管腔壁が本カプセル内視鏡における観察対象となるので、対物光学系は、入射面41が結像光学系45の被写界深度内になるように設定されている。
【0017】
光源21は直接観察範囲を照明しているので、反射による光量損失がなく明るい像を得ることができる。光源21により直接照明光を受けた観察範囲の像は、結像光学系45の斜め前方に備えられている入射面41から入射し、凹面からなる第一反射面42で前方へ向けて反射され、収束する。この反射光は凹面からなる第2内面反射面で結像光学系45へ向けて反射されてさらに収束し、出射面46から出射して結像光学系45に入射し、イメージセンサ23上に結像する。回路部20で行われる像の処理や信号の送受信については、本発明の要旨に関係がないのでここでは説明を省略する。
【0018】
第2の実施形態を図5から図8に示す。本実施形態の対物光学系は図5および図6に示すように、光軸に直交する中心軸を有する円筒面により入射面41を構成していて、入射面41を球面により構成した第1の実施形態と同様の作用効果を得ることができる。
【0019】
以上の実施形態は、本発明による側視型対物光学系を、カプセル内視鏡の対物光学系に適用したが、内視鏡一般、すなわち体内挿入部と体外に位置させる操作部とを有する内視鏡にも適用できることはもちろんである。さらには、対物光学系一般に適用することも可能である。
【0020】
【発明の効果】
以上のように、本発明の側視型対物光学系によれば、反射面の組み合わせにより、光学系の全長を短くすることができるので、小さな反射スペースで広角な観察が可能な小型の対物光学系が実現する。また本発明の対物光学系を内視鏡に適用すれば、内視鏡の軸方向に直交する周囲方向の広角にわたる観察が可能な小型の内視鏡を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による第1の実施形態を示すカプセル内視鏡全体の断面図である。
【図2】図1におけるII−II断面図である。
【図3】図1におけるIII−III断面図である。
【図4】図1におけるIV−IV断面図である。
【図5】本発明による第2の実施形態を示すカプセル内視鏡全体の断面図である。
【図6】図5におけるVI−VI断面図である。
【図7】図5におけるVII−VII断面図である。
【図8】図5におけるVIII−VIII断面図である。
【符号の説明】
10 密閉カプセル
12 筒状ケース
13 貫通穴
14 Oリング
20 回路部(電気回路)
21 光源
22 リード線
23 イメージセンサ
24 イメージセンサ用電気部品
25 送信アンテナ
26 バッテリー
27 送信アンプ
28 電源スイッチ
29 回路支持枠
30 先端部材
40 光学部材
41 入射面
42 第一反射面
43 第二反射面
45 結像光学系
46 出射面

Claims (3)

  1. イメージセンサと;体腔内の被検部の像をイメージセンサ上に結像させる対物光学系と;イメージセンサによる像を無線送信する電気回路と;を、先端部材と筒状ケースを有する滑らかな外形形状の密閉カプセル内に収納したカプセル内視鏡であって、
    上記対物光学系は、
    正のパワーを有する結像光学系と;この結像光学系の前方に位置する光学部材と;を有し、
    上記光学部材は、結像光学系の斜め前方から光束を取り入れる、球面又は円筒面からなる入射面と;この入射面から入射した光束を前方に向けて反射する凹面からなる第一反射面と;結像光学系の光軸上に位置し、この第一反射面で反射した光束を結像光学系に向けて反射する凹面からなる第二反射面と;この第二反射面で反射した光束を結像光学系に向けて出射する出射面と;を有し、
    上記先端部材は、上記光学部材に接着されており、かつ、該先端部材の外面と、該光学部材の上記球面又は円筒面からなる入射面とが滑らかに連続する外形を有していることを特徴とするカプセル内視鏡の側視型対物光学系。
  2. 請求項1記載のカプセル内視鏡の側視型対物光学系において、入射面は、正の面パワーを有しているカプセル内視鏡の側視型対物光学系。
  3. 請求項1または2記載のカプセル内視鏡の側視型対物光学系において、上記入射面が上記結像光学系の被写界深度内になるように、上記入射面、第一反射面、第二反射面および結像光学系の形状が設定されているカプセル内視鏡の側視型対物光学系。
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