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JP4351173B2 - 使い捨ておむつ - Google Patents

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本発明は、ファスニングテープを有する使い捨ておむつに関するものである。さらに詳しくは、本発明は、着脱が容易であり、良好なテープ機能を有する機械的ファスナーのフック材を設けたファスニングテープを有する使い捨ておむつに関するものである。
使い捨ておむつは、液透過性のトップシートと、液不透過性のバックシートと、これら両シートの間に配置された吸収体から基本的に形成されており、着用時に排泄された尿等の排泄物を液透過性のトップシートを介して吸収体に保持し、液不透過性のバックシートにより、排泄物がおむつの外に漏れ出すのを防ぐ構造になっており、その用途に応じて好適に使用できるように、展開型、パンツ型等、様々な形態のものが提案されており、乳幼児を始めとして成人失禁者まで広く使用されている。
展開型の使い捨ておむつは、一般に、後身頃の左右両側縁部にファスニングテープを配置し、前身頃のバックシート表面にファスニングテープを着脱可能に係合するためのフロントテープからなるターゲットゾーンを配置し、ファスニングテープをフロントテープに接合することにより、おむつを着用者に装着するようになっている。このような展開型の使い捨ておむつのファスニングテープは、通常左右に1個づつ、又は複数個づつ取付けられており、前者は新生児用、乳幼児用の使い捨ておむつに多く、後者は大人用の使い捨ておむつに多く見られる。
また、ファスニングテープとしては、不織布からなる基材シート面に機械的ファスナーのフック材を設けたものが広く用いられており、さらに、不織布としては、特定パターンを有するエンボスロールと平らな面を有するプレーンロールを組合せて加熱エンボス処理を施して繊維同士を部分的に接着したものが用いられており、例えば、一方の面がエンボス面であり、もう一方の面が平らなプレーン面である不織布からなる基材シートのプレーン面にフック材を配置した使い捨ておむつが開示されている(特許文献1)。
特開2004−215694号公報
しかしながら、基材シートのプレーン面にフック材を配置したファスニングテープの場合、エンボス面にフック材を配置した場合よりフック材と基材シートの接合は良好であるが、エンボス面に比較してプレーン面は基材シートである不織布の繊維間の接着力が弱いため、ファスニングテープを着脱する際にフック材を配置した部分で基材シートが層間剥離を生じ、フック材が剥がれてしまう場合がある。
さらに、ファスニングテープを摘む際にタブの内側がプレーン面になるため、力の加わる親指に対する摩擦抵抗が少なくなり、着脱し難くなる場合がある。
本発明は、上記従来の使い捨ておむつをさらに改良し、良好なファスニングテープ機能を有すると共に着脱操作が容易である、機械的ファスナーのフック材を設けたファスニングテープを有する使い捨ておむつを提供するものである。
上記従来の使い捨ておむつをさらに改良した本発明は、以下の各発明を包含する。
(1)液透過性のトップシートと、液不透過性のバックシートと、これら両シートの間に配置された吸収体とを有し、前身頃と、後身頃と、これら前後身頃の間に位置する股下部とからなり、後身頃の両側縁部に機械的ファスナーのフック材を設けたファスニングテープが配置され、前身頃に前記フック材と係合可能な部材からなるターゲットゾーンが配置された使い捨ておむつにおいて、
前記ファスニングテープは、その基材シートが熱可塑性樹脂を原料とした合成繊維により形成されている坪量が50〜120g/m 不織布からなり、一方の面がエンボス加工が施されているエンボス面であり、もう一方の面が平らなプレーン面であり、かつ、前記フック材が、そのファスニングテープの先端部側の端縁部とおむつ側の端縁部に施された一定幅のヒートシール処理によってファスニングテープの前記エンボス面に接合して設けられていることを特徴とする使い捨ておむつ。
)前記ファスニングテープは、基材シートのプレーン面に、フック材と係合可能な部材からなるターゲットゾーンが設けられていることを特徴とする(1)項に記載の使い捨ておむつ。
本発明の使い捨ておむつは、後身頃の両側縁部に機械的ファスナーのフック材を設けたファスニングテープを配置してなり、その基材シートが不織布で形成され、一方の面がエンボス加工が施されているエンボス面であり、もう一方の面が平らなプレーン面であり、かつ、フック材がエンボス面に設けられている。
このような構成のファスニングテープを有する本発明の使い捨ておむつは、フック材が繊維間の接着力が大きいエンボス面に設けられているため、ファスニングテープを着脱する際にフック材が剥がれてしまうことがなく、また、ファスニングテープを摘む際にタブの内側が凹凸を有するエンボス面になるため、力の加わる親指に対する摩擦抵抗が大きくなり、着脱し易くなっている。
また、本発明の場合、ファスニングテープの基材シートとフック材の接合は、フック材のファスニングテープの先端部側の端縁部とおむつ側の端縁部に一定幅のヒートシール処理を施して行うことにより、フック材と基材シートが強固に接合されているので、ファスニングテープが着脱時に破損することがない。
以下、図面を参照して、本発明の使い捨ておむつを詳細に説明するが、勿論、本発明はこれらによって何等制限されるものではない。
図1は、本発明の使い捨ておむつをトップシート側から見た場合の一部切り欠き展開平面図である。
図1において、使い捨ておむつ1は、液透過性のトップシート2と、液不透過性のバックシート3と、これら両シートの間に配置された吸収体4とを有し、前身頃5と、後身頃6と、前後身頃の間に位置する股下部7とからなり、後身頃6のサイドフラップ8の両側縁部には、不織布からなる基材シート11の端部領域に機械的ファスナーのフック材12を設けたファスニングテープ9が配置されており、前身頃5のバックシート3表面には、フック材12と係合可能な部材からなるターゲットゾーン10が配置されている。
また、股下部7の長手方向両側縁部には脚周り弾性部材13が配置され、後身頃6の長て方向端部領域にはウエスト周り弾性部材14が配置され、さらに、吸収体3の長手方向両側縁部近傍には立体ギャザー15が配置されている。
なお、図1では、ファスニングテープ9は、その一方がおむつ未使用時におけるおむつ本体上に折返された状態を示し、もう一方がおむつ使用時における伸ばされた状態を示している。また、図1では、一方の側縁部にファスニングテープを2個づつ配置した例を示したが、おむつの大きさに応じて1個づつ配置しても良く、あるいは3個以上配置しても良く、特に限定されるものではない。
図2は、本発明の使い捨ておむつにおいて使用されるファスニングテープを切断した状態を示す断面図である。
図2において、ファスニングテープ9は、基材シート11が不織布から形成され、一方の面がエンボス加工が施されたエンボス面16からなり、もう一方の面が平らなプレーン面17からなっており、基材シート11の一方の端部領域のエンボス面16に機械的ファスナーのフック材12が取付けられており、もう一方の端部領域がおむつ本体のサイドフラップ8を構成するトップシート2とバックシート3の間に挟持され、接着固定されている。
なお、図2では、ファスニングテープの基材シートをおむつ本体のトップシートとバックシートの間に挟持した状態で接着固定した例を示したが、トップシート表面に接着固定しても良く、あるいは、バックシート表面に接着固定しても良く、特に限定されるものではない。
また、基材シートのおむつ本体への接着固定の方法は、ホットメルト等の接着剤により行っても良く、ヒートシール処理、超音波処理等の熱融着処理により行っても良く、これらを組合せて行っても良い。
図3は、本発明の使い捨ておむつにおいて使用されるファスニングテープを切断した状態を示す断面図であり、図2とは異なる例を示している。なお、図3において、図2と同一部分には同じ符号が付してあり、重複する部分の説明は省略する。
図3において、ファスニングテープ9の基材シート11のプレーン面17には、フック材12と係合可能な部材からなるターゲットゾーン18が設けられている。
このように、基材シート11のフック材12を設けた面とは反対側の面にターゲットゾーン18を設けたファスニングテープ9を配置することにより、ファスニングテープを引張っておむつを着用者の身体に密着させる場合、引張る方向がファスニングテープ同士が重なる方向であっても、ファスニングテープ同士をしっかりと固定することができるため、いかなる体形の着用者に対しても良好にフィットさせることが可能であり、特に、後身頃の両側縁部に各々2個づつファスニングテープを配置した大人用の使い捨ておむつの場合、腰周り及び脚周りの両方を良好にフィットさせることが可能であり、大腿部裏側から側部にかけて隙間が生じることがないので、簡便におむつを脚周りにフィットさせることができ、脚周りからの漏れが防止され、介護者及び非介護者の負担を軽減することができる。
なお、図3では、基材シートにフック材と係合可能な部材からなるターゲットゾーンを設けた例を示したが、基材シートである不織布がフック材と係合可能な部材である場合には、基材シートをそのままターゲットゾーンとして用いることも可能である。
図4は、本発明の使い捨ておむつにおいて使用するファスニングテープの製造方法の1例を示す平面図である。
図4において、不織布からなる長尺の基材シート11’のエンボス加工が施されているエンボス面(図示せず)の長手方向中央領域に沿って長尺のフック材12’が配置され、さらに、長尺のフック材12’の両側縁部にヒートシール処理が施され、間欠的に配置された接合パターンを有する一定幅のヒートシール部19により長尺の基材シート11’に接合され、ファスニングテープ連続体9’が形成されている。次いで、ファスニングテープ連続体9’を、湾曲部が長尺のフック材12’の両側縁外側の基材シート11’上に位置するように規則的に蛇行する1本の連続する曲線状の切断線20に沿って切断し、さらに、切断線20の凸部(凹部)と基材シート11’の側縁部の間を切断線21に沿って切断して、フック材12のファスニングテープ9の先端側の端縁部と後端側(おむつ側)の端縁部に施された一定幅のヒートシール部19により前記フック材12と基材シート11とが接合されているファスニングテープ9が形成される。
なお、図4では、基材シートとフック材の接合をヒートシール処理により行う例を示したが、接着剤を組合せて行っても良い。
また、接合パターンも直線状である必要はなく、曲線状でもよく、あるいは円形でもよく、特に限定されるものではない。
図5は、本発明の使い捨ておむつにおいて使用するファスニングテープの製造方法の1例を示す平面図であり、図4とは異なる例を示している。なお、図5において、図4と同一部分には同じ符号が付してあり、重複する部分の説明は省略する。
図5において、長尺の基材シート11’と長尺のフック材12’は、フック材12’の両側縁部にヒートシール処理が施され、連続する接合パターンを有する一定幅のヒートシール部19により接合されている。
以下、本発明において使用される材料について説明するが、本発明は、これらによって何等制限されるものではない。
本発明において、ファスニングテープは、基材シートと、基材シートの一方の面の端部領域に機械的ファスナーのフック材を設けて形成されている。さらに、必要に応じて、フック材を設けた面とは反対側の面にフック材と係合可能な材料からなるターゲットゾーンを設けてもよい。
基材シートは、各種の不織布からなり、これらを単独で、あるいは数種類のものを積層して形成され、一方の面にエンボス加工が施されてエンボス面形成され、もう一方の面に平らなプレーン面が形成され、エンボス面にフック材が設けられている。
基材シートとしての不織布は、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、その他の熱可塑性樹脂を原料とした合成繊維により形成されるが、中でもポリプロピレンが有利に用いられる。また、その坪量は、50〜120g/mであることが好ましく、60〜100g/mであることがより好ましい。坪量が50g/m未満では不織布の強度が低下してしまい、一方、120g/mを超えて多くなると通常のエンボス処理では十分な繊維間接着力が得られなくなる。
また、フック材としては、係合部が鉤状、きのこ状、錨状等の各種の形状を有する、通常の使い捨ておむつに使用されているものをそのまま使用することができる。
さらに、ターゲットゾーンとしては、フック材と係合可能なループ材、不織布、織布等を使用することができ、これらの材料をそのまま用いても良く、他の材料、例えばフィルムと張り合せた積層構造のものを用いても良い。
また、ファスニングテープには、フック材を備えた部分の外側に、摘持部を有していることが好ましい。
本発明において、液透過性のトップシートとしては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、その他の熱可塑性樹脂を原料とした合成繊維等からなる不織布に親水化処理を施したものが用いられる。
本発明において、液不透過性のバックシートとしては、微孔を形成したポリエチレンシート、あるいは熱可塑性樹脂にフィラーを加えて延伸したシートのような透湿性のある液体不透過性のシートが用いられる。このようなシートを用いると、ムレが改善されるため快適な着用感が得られる。さらに、このようなシートの外側に不織布からなるカバーシートを張合わせた積層構造のシートを用いることもできる。
本発明において、吸収体としては、通常の使い捨ておむつのような吸収性物品に使用されるものであればいずれも使用することができる。すなわち、綿状パルプと高吸収性ポリマー(SAP)を併用したもの、さらに熱融着性繊維を加えたもの等を使用することができ、全体をティッシュのような親水性シートで包まれているものが好ましい。その他、親水性シートの片面にSAPの層を設けたもの、2枚の親水性シートの間にSAPを挟持したもの等のシート状の吸収体も使用することができる。また、吸収体の形状は、砂時計型であっても良く、あるいは矩形であっても良い。
本発明において、サイドフラップは、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、その他の熱可塑性樹脂を原料とした合成繊維からなる不織布により形成することができ、上記トップシート単独で、または、上記バックシートの両側縁から延出したカバーシート部分単独で形成しても良く、あるいは、上記トップシートとバックシートの吸収体の両側縁から外側へ延出する部分を積層して形成しても良い。さらに、バックシートの吸収体の両側縁から外側へ延出する部分に上記不織布を積層して形成することもできる。
本発明において、使い捨ておむつの前身頃に配置される、ファスニングテープを係合するためのターゲットゾーンとしては、フック材と係合可能なループ材、不織布、織布等を使用することができ、これらの材料をそのまま用いても良く、他の材料、例えばフィルムと張り合せた積層構造のものを用いても良い。
なお、バックシートとしてフィルムからなるシートの外側にフック材と係合可能な不織布からなるカバーシートを張合わせた積層構造のシートを用いた場合には、ターゲットゾーンを省略することもできる。
本発明の使い捨ておむつは、後身頃の両側縁部に機械的ファスナーのフック材を設けたファスニングテープを配置してなり、その基材シートが不織布で形成され、一方の面がエンボス加工が施されているエンボス面であり、もう一方の面が平らなプレーン面であり、かつ、フック材がエンボス面に設けられており、このような構成のファスニングテープを有する本発明の使い捨ておむつは、フック材が繊維間の接着力が大きいエンボス面に設けられているため、ファスニングテープを着脱する際にフック材が剥がれてしまうことがなく、また、ファスニングテープを摘む際にタブの内側が凹凸を有するエンボス面になるため、力の加わる親指に対する摩擦抵抗が大きくなり、着脱し易いものであり、乳幼児を始めとして成人失禁者用の使い捨ておむつとして有用である。
本発明の使い捨ておむつをトップシート側から見た場合の一部切り欠き展開 平面図である。 本発明の使い捨ておむつにおいて使用されるファスニングテープを切断した 状態を示す断面図である。 本発明の使い捨ておむつにおいて使用されるファスニングテープを切断した 状態の他の例を示す断面図である。 本発明の使い捨ておむつにおいて使用するファスニングテープの製造方法の 1例を示す平面図である。 本発明の使い捨ておむつにおいて使用するファスニングテープの製造方法の 他の例を示す平面図である。
符号の説明
1:使い捨ておむつ
2:液透過性のトップシート
3:液不透過性のバックシート
4:吸収体
5:前身頃
6:後身頃
7:股下部
8:サイドフラップ
9:ファスニングテープ
9’:ファスニングテープ連続体
10:ターゲットゾーン
11:基材シート
11’:長尺の基材シート
12:フック材
12’:長尺のフック材
13:脚周り弾性部材
14:ウエスト周り弾性部材
15:立体ギャザー
16:エンボス面
17:プレーン面
18:ターゲットゾーン
19:ヒートシール部
20:切断線
21:切断線

Claims (2)

  1. 液透過性のトップシートと、液不透過性のバックシートと、これら両シートの間に配置された吸収体とを有し、前身頃と、後身頃と、これら前後身頃の間に位置する股下部とからなり、後身頃の両側縁部に機械的ファスナーのフック材を設けたファスニングテープが配置され、前身頃に前記フック材と係合可能な部材からなるターゲットゾーンが配置された使い捨ておむつにおいて、
    前記ファスニングテープは、その基材シートが熱可塑性樹脂を原料とした合成繊維により形成されている坪量が50〜120g/m 不織布からなり、一方の面がエンボス加工が施されているエンボス面であり、もう一方の面が平らなプレーン面であり、かつ、前記フック材が、そのファスニングテープの先端部側の端縁部とおむつ側の端縁部に施された一定幅のヒートシール処理によってファスニングテープの前記エンボス面に接合して設けられていることを特徴とする使い捨ておむつ。
  2. 前記ファスニングテープは、基材シートのプレーン面に、フック材と係合可能な部材からなるターゲットゾーンが設けられていることを特徴とする請求項1記載の使い捨ておむつ。
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