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JP4210913B2 - 電源装置、放電灯点灯装置および照明装置 - Google Patents

電源装置、放電灯点灯装置および照明装置 Download PDF

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JP4210913B2 JP2003097382A JP2003097382A JP4210913B2 JP 4210913 B2 JP4210913 B2 JP 4210913B2 JP 2003097382 A JP2003097382 A JP 2003097382A JP 2003097382 A JP2003097382 A JP 2003097382A JP 4210913 B2 JP4210913 B2 JP 4210913B2
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、放電灯を高周波点灯する放電灯点灯システムおよび照明装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、互いに直列接続された一対のスイッチング素子を交互にオンオフして高周波電力を発生させるインバータとして、特開平8‐236287号公報のものが提案されている。この従来技術は、トリガダイオードの温度による特性変化によってインバータが正常に動作できなくなることを防止するために、トリガダイオードを用いないで始動回路を構成したものである。
【0003】
【特許文献1】
特開平8‐236287号公報(0009〜13欄、図1)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
従来技術は、その図1における平滑コンデンサ4のマイナス電位側のスイッチング素子6に対しては、コンデンサ14が配設されゲート・ソース間に始動電圧を印加可能である。プラス電位側のスイッチング素子5には始動用のコンデンサが配設されておらず、前記マイナス電位側のスイッチング素子6が最初にオンした後、カレントトランス11が飽和することにより発生する電圧によりスイッチング素子6がオフされ、プラス電位側のスイッチング素子5がオンすると説明されている。
【0005】
しかしながら、従来技術のものは、始動前に前記コンデンサ14を充電するために共振コンデンサ7、蛍光ランプ8、インダクタンス素子10、カレントトランス11等(簡単化のために、以下負荷回路という。)に電流が流れている。このように、負荷回路のコンデンサが充電されていることにより、始動時に最初にスイッチング素子6がオンしても、このスイッチング素子6(すなわちカレントトランス11)に流れ込む電流値はそれほど大きくなく、したがってカレントトランス11の飽和時の逆起電圧の値およびエネルギーもそれほど大きくならないと予測されること。加えて、インバータの始動時は一般に不安定に状態になるためより確実な始動性が要求されることから、従来のものでは始動性が不安視されるものである。
【0006】
本発明は、トリガダイオードを用いないで始動回路を構成するとともに、始動時に一対のスイッチング素子を順次確実にオンして始動性をより向上させた電源装置、放電灯点灯装置および照明装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を達成するための手段】
請求項1に記載の電源装置は、直流電源装置と;互いに直列接続され交互に高周波でオンオフして直流電装置からの出力電圧をスイッチングする一対の電圧駆動形のスイッチング素子と;共振用誘導成分および共振用容量成分の直列的回路を含むとともに一対のスイッチング素子の一方に対して並列的に設けられ、一対のスイッチング素子によるスイッチング出力を受けて共振電圧を出力可能な荷回路と;それぞれのスイッチング素子に対応して設けられ、負荷回路からの帰還信号を対応するスイッチング素子に駆動信号として制御極に供給する帰還巻線と;直流電源装置に対して並列に接続されて直流電源装置からの出力電圧により充電される第1のコンデンサ、それぞれ帰還巻線に直列的に設けられ第1のコンデンサを充電源として自己の充電電荷を対応するスイッチング素子に印加可能な第2、第3のコンデンサを有する始動回路と;を具備し、始動回路は、第 1 のコンデンサの電荷および第3のコンデンサの間に接続された第 1 のコンデンサの電荷を第3のコンデンサに充電するため第 1 の抵抗と、第 1 のコンデンサの電荷および第2のコンデンサの間に接続された第 1 のコンデンサの電荷を第2のコンデンサに充電するためのダイオードと第2の抵抗とを有し、直流電源装置からの出力により第 1 のコンデンサが充電されると、まず第1の抵抗を介して第3のコンデンサが充電されて対応するスイッチング素子が導通し、前記第3のコンデンサに対応するスイッチ素子の導通により第 1 のコンデンサの電荷がダイオードと前記第2の抵抗とを介して第2のコンデンサが充電されて対応するスイッチ素子が導通することを特徴とする。
【0008】
本発明および以下の各発明において、特に言及しない限り、各構成、用語は以下のように定義される。直流電源装置は、バッテリ、商用交流電圧を整流または整流平滑したもの、商用交流電源に整流回路および高力率低歪用の昇圧チョッパ回路を接続したもの、後述する高周波発生装置のスイッチング装置を共用して前記高力率低歪用の昇圧チョッパ回路と同様に入力電流の高力率低歪作用を行って平滑化直流電圧を得るもの等、を用いることができる。
【0009】
スイッチング素子は、電界効果トランジスタ等を使用できる。また、帰還巻線は負荷回路の共振用誘導成分を呈するインピーダンス装置に設けてもいし、別個に電流トランス、電圧トランスを設けてもよい。
【0010】
負荷回路は高周波の共振電圧を出力可能なものであり、実際に負荷に供給する場合にはこの共振電圧を直接または間接に供給するようにしてもよいし、あるいはさらに整流平滑手段を付加して直流電圧を供給するようにしてもよい。
【0011】
始動回路は、第1、2、3のコンデンサに対して必要に応じて充電抵抗を設けてもよい。また、同様に放電抵抗を設けてもよい。さらには、他の電位箇所との干渉を防止するために所要箇所にダイオードを設けてもよい。これらの部品をどの部分に、どのように設けるかは以下に述べる本発明の実施形態を知れば、適宜設計できる事項である。
【0012】
なお、本発明において、並列的または直列的とは、並列または直列である場合の他に、他の部品を介して並列または直列である場合を含むことを意味する。
【0013】
請求項1記載の発明によれば、一対のスイッチング素子それぞれに対応して制御極に駆動電圧を印加可能な第2または第3のコンデンサを配設している。したがって、始動時において、一対のスイッチング素子はそれぞれのオンタイミング時に、前記第2または第3のコンデンサから確実にオンできかつオン状態を維持できる電圧を印加される。このため、始動時に異常発振したり、始動失敗したりすることが解消ないしは減少される。
【0014】
請求項2の発明における電源装置は、請求項1記載の発明において、前記電圧駆動形のスイッチング素子は電界効果形トランジスタであり、前記帰還巻線および前記第2または第3のコンデンサの直列的回路は電界効果形トランジスタのゲート・ソース間に設けられていることを特徴とする。
【0015】
請求項2記載の発明は、各電界効果形トランジスタのゲート・ソース間に前記第2または第3のコンデンサの電圧を印加するので請求項1の発明と同様に、始動時に異常発振したり、始動失敗したりすることが解消ないしは減少される。
【0016】
請求項3に記載の放電灯点灯装置は、請求項1または2記載の電源装置と、電源装置の負荷回路に含まれ高周波の共振電圧により始動、点灯される放電灯と、を具備していることを特徴とする。
【0017】
請求項3記載の発明において、放電灯は共振用誘導成分を呈するインピーダンス素子または共振用容量成分を呈するインピーダンス素子に対して並列的に設けることができる。この場合、負荷回路は少なくとも放電灯が定常点灯に至る前は共振電圧を発生することを要するが、放電灯が定常点灯した後は放電灯の等価抵抗が加わることにより、共振条件が変化し共振しなくなったり、共振の尖鋭度が変化したりしてもよい。なお、放電灯は、共振用誘導成分または共振用容量成分を呈するインピーダンス素子さは別個に設けられてもよく、この場合も共振に関しては上記のとおりである。また、放電灯は、代表的にはけい光ランプであるが、電球、高輝度放電灯、希ガス放電灯等他の放電灯も許容する。
【0018】
請求項3記載の発明は、請求項1または2記載の発明と同様な作用を呈し、したがって、放電灯は確実に始動、点灯するようになる。
【0019】
請求項4の照明装置は、照明器具本体と、照明器具本体に支持された放電灯と、放電灯を点灯する請求項3記載の放電灯点灯装置と、を具備していることを特徴とする。
【0020】
請求項4記載の発明において照明器具本体は、屋内施設、屋外施設、住宅等の一般照明用、ОA機器用、表示用等どのようなものであってもよい。そして、取付け形においても、それぞれにおいて造営材等に対して直付け形、埋込み形等のいずれでもよい。また、放電灯点灯装置は照明器具本体内に設けても、本体外に設けてもよい。
【0021】
請求項4記載の発明は、請求項1または2と同様な作用を呈し、したがって、照明器具本体に支持された放電灯は、確実に始動、点灯する。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。まず、本発明の第1の実施形態について説明する。
【0023】
図1は、第1の実施形態を示す放電灯点灯装置の回路図である。1は直流電源装置であり、商用交流電源2から給電されるようになっており、整流装置3および平滑コンデンサ4を有している。一対のスイッチング素子5、6は電界効果トランジスタであり、前記平滑コンデンサ4の両端間に接続されている。
【0024】
7は負荷回路であって、可飽和形の電流トランス8、共振用誘導成分を呈するインダクタ9、直流カット用のコンデンサ10、放電灯11および共振容量成分を呈しかつフィラメント予熱用等を兼ねる共振用コンデンサ12の並列回路を直列に含んでいる。可飽和形の電流トランス8には、帰還巻線8aおよび8bが互いに逆極性の電圧を発生するように磁気結合されている。各期間巻線8aおよび8bはそれぞれスイッチング素子5、6のゲート・ソース間に設けられ、また、これら各帰還巻線8a、8bには第2、第3のコンデンサ13、14が直列接続されている。
【0025】
始動回路15は、まず、平滑コンデンサ4に対して並列接続された抵抗16および第1のコンデンサ17の直列回路を有している。そして、前記帰還巻線8aおよび第2のコンデンサ13の直列回路、前記帰還巻線8bおよび第3のコンデンサ14の直列回路を含んでいる。そして、前記第1のコンデンサ17の電荷を第3のコンデンサ14に充電するための第1の抵抗である抵抗18を、第1のコンデンサ17の電荷および第3のコンデンサ14の間に接続している。また、第1のコンデンサ17の電荷を第2のコンデンサ13に充電するためのダイオード19および第2の抵抗である抵抗20を、第1のコンデンサ17および第2のコンデンサ13の間に接続している。
【0026】
次に、作用を説明する。図示しない電源スイッチの投入等により、平滑コンデンサ4の電圧が高まり、これに伴って第1のコンデンサ17が充電されていき、その両端電圧も上昇する。この第1のコンデンサ17の電荷により、まず、第3のコンデンサ14が充電され、やがて、この第3のコンデンサ14の電圧を印加されてスイッチング素子6が導通する(このときの導通は完全オンではなく、バイポーラトランジスタにおけるA級動作的なものである。)。
【0027】
スイッチング素子6の導通により、第1のコンデンサ17の電荷は、ダイオード19、抵抗20、第2のコンデンサ13、帰還巻線8a、スイッチング素子6を介して第2のコンデンサ13を充電する。したがって、この第2のコンデンサ13の電圧が上昇し、やがてスイッチング素子5も導通する。このとき、第2のコンデンサ13および帰還巻線8aによる共振作用、この共振作用の可飽和電流トランス8を介しての他のスイッチング素子6への帰還等により、スイッチング素子5、6は交互にオンオフを繰返すようになる。
【0028】
スイッチング素子5、6の交互のオンオフにより、負荷回路7には、直流電源装置1から、スイッチング素子5‐電流トランス‐インダクタ9‐直流カットコンデンサ10‐共振用コンデンサ12‐直流電源装置1への電流と、インダクタ9から電流トランス8‐スイッチング素子6‐共振用コンデンサ12直流カットコンデンサ10‐インダクタ9への電流とが交互に流れ、共振作用により共振電圧を発生する。
【0029】
フィラメントを予熱され、かつ、共振電圧を印加されて放電灯11は始動、点灯する。点灯後は放電灯11の等価抵抗が負荷回路7の共振条件に加わることになる。
【0030】
本実施形態において、スイッチング素子5、6の始動時の作用は詳細には明らかではないが、第2または第3のコンデンサ13、14を各スイッチング素子5または6のゲート・ソース間に設けているため、スイッチング素子5または6のオンタイミング時に十分な駆動電圧を印加でき、その結果、確実な始動が可能になっていると考えられる。
【0031】
図2は本発明の第2の実施形態を示す回路図である。図1と同じまたは同様の部分には同じ符号を付し、説明を省略する。
【0032】
本実施形態において、第2のコンデンサ13の充電用として、第4のコンデンサ21をダイオード19のカソードとスイッチング素子5のソースとの間に設けるとともに、第2のコンデンサ13の放電用の抵抗をスイッチング素子5のゲート・ソース間に設けたものである。
【0033】
本実施形態の作用は容易に理解されるので、説明は省略する。
【0034】
なお、本発明においては、上記の各実施形態を組合わせたり、または任意の部分を置き換えたりして変形することも可能である。
【0035】
図3は、本発明の照明装置に係る実施形態を示す簡略化した斜視図である。なお、図1と同一部分には同一符号を付して説明は省略する。図3に示す照明装置本体60は、天井等に直付けされる直付照明器具を構成するものである。照明装置本体60は、下面の両端に一対のランプソケット61、61を備え、これらランプソケット61、61間に放電灯11が装着されている。また、放電灯11に光学的に対向し、放電灯11からの放射光を反射させる反射面62aが形成された反射体62が照明装置本体60に取付けられている。また、照明装置本体60は、反射面62aの背面側に放電灯点灯装置63を配設している。
【0036】
【発明の効果】
請求項1および2に記載の発明によれば、電源装置としての始動時にスイッチング素子に十分な駆動電圧を供給して、始動失敗や異常発振を極力低減した電源装置を提供できる。
【0037】
請求項3記載の発明によれば、上記発明と同様な効果を奏する放電灯点灯装置を提供できる。
【0038】
請求項4記載の発明によれば、上記発明と同様な効果を奏する照明装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態を示す回路図。
【図2】本発明の第2の実施形態を示す回路図。
【図3】本発明の照明装置に係る実施形態を簡略化して示す斜視。
【符号の説明】
1…直流電源装置、5、6…スイッチング素子、8a、8b…帰還巻線、17…第1のコンデンサ、13…第2のコンデンサ、14…第3のコンデンサ。

Claims (4)

  1. 直流電源装置と;
    互いに直列接続され交互に高周波でオンオフして直流電装置からの出力電圧をスイッチングする一対の電圧駆動形のスイッチング素子と;
    共振用誘導成分および共振用容量成分の直列的回路を含むとともに一対のスイッチング素子の一方に対して並列的に設けられ、一対のスイッチング素子によるスイッチング出力を受けて共振電圧を出力可能な荷回路と;
    それぞれのスイッチング素子に対応して設けられ、負荷回路からの帰還信号を対応するスイッチング素子に駆動信号として制御極に供給する帰還巻線と;
    直流電源装置に対して並列に接続されて直流電源装置からの出力電圧により充電される第1のコンデンサ、それぞれ帰還巻線に直列的に設けられ第1のコンデンサを充電源として自己の充電電荷を対応するスイッチング素子に印加可能な第2、第3のコンデンサを有する始動回路と;
    を具備し
    始動回路は、第 1 のコンデンサの電荷および第3のコンデンサの間に接続された第 1 のコンデンサの電荷を第3のコンデンサに充電するため第 1 の抵抗と、第 1 のコンデンサの電荷および第2のコンデンサの間に接続された第 1 のコンデンサの電荷を第2のコンデンサに充電するためのダイオードと第2の抵抗とを有し、
    直流電源装置からの出力により第 1 のコンデンサが充電されると、まず第1の抵抗を介して第3のコンデンサが充電されて対応するスイッチング素子が導通し、前記第3のコンデンサに対応するスイッチ素子の導通により第 1 のコンデンサの電荷がダイオードと前記第2の抵抗とを介して第2のコンデンサが充電されて対応するスイッチ素子が導通することを特徴とする電源装置。
  2. 前記電圧駆動形のスイッチング素子は電界効果形トランジスタであり、前記帰還巻線および前記第2または第3のコンデンサの直列的回路は電界効果形トランジスタのゲート・ソース間に設けられていることを特徴とする請求項1記載の電源装置。
  3. 請求項1または2記載の電源装置と;
    電源装置の負荷回路に含まれ、高周波の共振電圧により始動、点灯される放電灯と;
    を具備していることを特徴とする放電灯点灯装置。
  4. 照明器具本体と;
    照明器具本体に支持された放電灯と;
    放電灯を点灯する請求項3記載の放電灯点灯装置と;
    を具備していることを特徴とする照明装置。
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