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JP4281163B2 - 車両の後部開閉体構造 - Google Patents

車両の後部開閉体構造 Download PDF

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JP4281163B2
JP4281163B2 JP23340999A JP23340999A JP4281163B2 JP 4281163 B2 JP4281163 B2 JP 4281163B2 JP 23340999 A JP23340999 A JP 23340999A JP 23340999 A JP23340999 A JP 23340999A JP 4281163 B2 JP4281163 B2 JP 4281163B2
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    • B60VEHICLES IN GENERAL
    • B60JWINDOWS, WINDSCREENS, NON-FIXED ROOFS, DOORS, OR SIMILAR DEVICES FOR VEHICLES; REMOVABLE EXTERNAL PROTECTIVE COVERINGS SPECIALLY ADAPTED FOR VEHICLES
    • B60J5/00Doors
    • B60J5/10Doors arranged at the vehicle rear
    • B60J5/101Doors arranged at the vehicle rear for non-load transporting vehicles, i.e. family cars including vans
    • B60J5/106Doors arranged at the vehicle rear for non-load transporting vehicles, i.e. family cars including vans comprising door or part of door being moveable by a linkage system to open/close position

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  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Body Structure For Vehicles (AREA)
  • Superstructure Of Vehicle (AREA)
  • Vehicle Step Arrangements And Article Storage (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、車両後部に荷室を備えた車両の荷室を開閉するような車両の後部開閉体構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、上述例の車両の後部開閉体構造としては、例えば実開平6−68938号公報に記載の構造がある。
すなわち後部荷室を開閉するバックドアを車体の後部上方に開閉可能に支持させると共に、このバックドアの上半分に対応してリヤウインド配設用の開口を形成し、この開口に対してリヤウインドを開閉可能に取付けた車両の後部開閉体構造である。
【0003】
この従来構造によれば、バックドア全体を開閉すると大きい荷物の出入れを容易に行なうことができ、またリヤウインドのみを開閉すると手荷物などの小さい荷物の出入れができ、バックドア、リヤウインドの開閉操作性の向上および荷物の出入れ性の向上を図ることができる利点がある反面、次のような問題点があった。
【0004】
つまり、上述の従来構造においてはリヤウインドの開放時に車室内と車外とが連通されるので、車室内の冷暖房時に外気侵入等により冷暖房効果が損なわれると共に、セダンのような独立した荷室を有する構成ではないため、例えば汚い荷物等を後部荷室に搭載しにくい問題点があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
この発は、後部荷室を上部荷室と下部荷室との上下に分割し、上部荷室を開閉する上部荷室用ドアと下部荷室を開閉する下部荷室用ドアを設け、下部荷室用ドアは、上部荷室用ドアに対してヒンジ部材を介して開閉可能に支持されると共に、上部荷室用ドアに対してロック装置によってロックされるように構成され、上部荷室用ドアは、車体に対してヒンジ部材を介して開閉可能に支持されると共に、車体に対して他のロック装置によってロックされるように構成され、上部荷室用ドアと下部荷室用ドアが一体に開閉して上部荷室と下部荷室とを同時に開閉する形態と、独立して開閉して上部荷室と下部荷室を開閉する形態と、を選択的に操作するように上記ロック装置を作動させる操作機構を備えることにより、車室と区画された独立した荷室スペース(セダンのような荷室スペース)と、大型の荷物が出入れしやすい大きい荷室スペース(ハッチバックのような荷室スペース)と、を選択的に使用することができ、独立した荷室スペースの開閉時には冷暖房効果が損なわれることもなく、また独立した荷室スペースに例えば汚い荷物等を格納することもでき
さらに、上部荷室用のドアを車体に対してヒンジ部材により開閉可能に支持し、下部荷室用のドアを上部荷室用のドアに対してヒンジ部材により開閉可能に支持することで、上部荷室用のドアの開閉時には大きい荷室スペースに対して大型の荷物の出入れができ、下部荷室用のドアの開閉時には車室と区画された独立した荷室スペース(下部荷室)に対して荷物の出入れができる車両の後部開閉体構造の提供を目的とする。
【0007】
この発明の一実施態様は、上下の荷室間を分割する仕切り部材を設け、車体に対して移動可能に設けられた仕切り部材が上下の荷室を分割する形態と、上下の両荷室を連通させる形態とを選択的に取り得るように構成することで、仕切り部材による荷室の分割形態時には下部荷室を独立した荷室として使用することができ、仕切り部材による荷室の連通形態時には上下の荷室を1つの連通した荷室と成して、大型荷室を形成することができ、また小物を車室内から出入れすることもでき、使い勝手性の向上を図ることができる車両の後部開閉体構造の提供を目的とする。
【0008】
この発明の一実施態様は、上述の下部荷室用のドアが上下方向に平行移動して開閉されるように該下部荷室用のドアを上部荷室用のドアに対してリンク部材を介して取付けることで、車両後方のドア開閉用のスペース(空間)が小さくても該下部荷室用のドアを容易に開閉することができる車両の後部開閉体構造の提供を目的とする。
【0009】
この発明の一実施態様は、上述の下部荷室用のドアの上部を、上部荷室用のドアに対してヒンジ部材を介して開閉可能に支持することで、ドア開閉機構の簡略化を図ることができると共に、各ドアの開閉方向を同一と成してドア開閉操作性の向上を図ることができる車両の後部開閉体構造の提供を目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
この発明による車両の後部開閉体構造は、車両後部に荷室を備えた車両の荷室を開閉する車両の後部開閉体構造であって、上記荷室を上部荷室と下部荷室との上下に分割し、上部荷室を開閉する上部荷室用ドアと下部荷室を開閉する下部荷室用ドアを設け、下部荷室用ドアは、上部荷室用ドアに対してヒンジ部材を介して開閉可能に支持されると共に、上部荷室用ドアに対してロック装置によってロックされるように構成され、上部荷室用ドアは、車体に対してヒンジ部材を介して開閉可能に支持されると共に、車体に対して他のロック装置によってロックされるように構成され、上部荷室用ドアと下部荷室用ドアが一体に開閉して上部荷室と下部荷室とを同時に開閉する形態と、独立して開閉して上部荷室と下部荷室を開閉する形態と、を選択的に操作するように上記ロック装置を作動させる操作機構を備えたものである。
【0012】
この発明の一実施態様は、上記上部荷室と下部荷室との間を分割する仕切り部材を設け、該仕切り部材は車体に対して移動可能に設けられ、上記仕切り部材は上部荷室と下部荷室とを分割する形態と、上下の両荷室を連通させる形態とを選択し得るように構成したものである
【0013】
この発明の一実施態様は、上記下部荷室用のドアは上下方向に平行移動して開閉されるように上記上部荷室用のドアに対してリンク部材を介して取付けられたものである
【0014】
この発明の一実施態様は、上記下部荷室用のドアの上部が上記上部荷室用のドアに対してヒンジ部材を介して開閉可能に支持されたものである
【0015】
【発明の作用及び効果】
この発明によれば、上部荷室用のドアと下部荷室用のドアとを一体に開閉すると、上部荷室と下部荷室とを同時に開閉することができる(一体開閉形態)。
これにより、大型の荷物が出入れしやすい大きい荷室スペース(ハッチバックのような荷室スペース)を確保することができる。
【0016】
また、独立して開閉して上部荷室と下部荷室を開閉すると、ドアに対応した荷室が独立して開閉される(独立開閉形態)。
これにより、車室と区画された独立した荷室スペース(セダンのような荷室スペース)を確保することができる。
【0017】
このように、車室と区画された独立した荷室スペースと、大型の荷物が出入れしやすい大きい荷室スペースとを選択的に使用することができ、また独立した荷室スペースの開閉時には冷暖房効果が損なわれることもなく、かつ独立した荷室スペースに対して例えば汚い荷物等を格納することもできる効果がある。
【0018】
さらに、上部荷室用のドアを車体に対してヒンジ部材により開閉可能に支持し、下部荷室用のドアを上部荷室用のドアに対してヒンジ部材により開閉可能に支持したので、上部荷室用のドアの開閉時には下部荷室用のドアも一体的に開閉されて、大きい荷室スペースに対して大型の荷物を出入れすることができ、下部荷室用のドアの開閉時には、車室と区画された独立の荷室スペース(下部荷室)に対して荷物の出入れができる効果がある。
【0019】
この発明の一実施態様によれば、車体に対して移動可能に設けられた仕切り部材で上部荷室と下部荷室とを分割すると(荷室の分割形態時)、下部荷室を車室内と独立した荷室として使用することができ、また仕切り部材で上部荷室と下部荷室とを連通させると(荷室の連通形態時)、上下の荷室を1つの連通した荷室と成して、大型荷室を形成することができる効果がある。
また小物を車室内から下部荷室に対して出入れすることも可能となり、使い勝手性の向上を図ることができる効果がある。
【0020】
この発明の一実施態様によれば、上述の下部荷室用のドアはリンク部材の作用により上下方向に平行移動して開閉されるので、車両の後方に存在するドア開閉用のスペース(空間)が小さい場合であっても、該下部荷室用のドアを容易に開閉することができる効果がある。
【0021】
この発明の一実施態様によれば、上述の下部荷室用のドアはその上部のヒンジ部材を支点として上部荷室用のドアに対して開閉されるので、リンク部材等の複雑なドア開閉機構を省略して、この開閉機構の簡略化を図ることができると共に、各ドアの開閉方向を同一と成して、ドア開閉操作性の向上を図ることができる効果がある。
【0022】
【実施例】
この発明の一実施例を以下図面に基づいて詳述する。
図面は車両の後部開閉体構造を示し、図1〜図4において、リヤフロア1の後部には凹状のシークレットボックス2を段下げ形成すると共に、このシークレットボックス2の後部には車幅方向に延びるリヤクロスメンバ3を設け、このリヤクロスメンバ3にリヤバンパ4を取付けている。
【0023】
上述のシークレットボックス2の開口部およびリヤフロア1上面を覆うフロアマット5を設ける一方、支点6を中心として傾動可能なリヤシートのシートバック7にはヘッドレスト8を取付けている。
【0024】
ルーフパネル9の後端部には車幅方向に延びるリヤヘッダ10を接合し、このリヤヘッダ10の上部を支点として開閉可能なメインドア(上部荷室用のドアで、所謂メインゲート)11を設けている。
【0025】
このメインドア11は背面視で日の字形状に構成され、上枠部12、中間枠部13、下枠部14および左右の枠部15,16を有すると共に、日の字形の上側開口部にはリヤウインドガラス17を取付け、日の字形の下側開口部にはその上端側を支点として開閉可能なサブドア(下部荷室用のドアで、所謂サブゲート)18を設けている。
【0026】
また上述の各要素7,8,5,9,11,18で囲繞された後部荷室を形成し、この後部荷室を上部荷室19と下部荷室20との上下に分割している。
この実施例では上部荷室19と下部荷室20との間を分割する仕切り部材としてのパッケージトレイ21を設け、このパッケージトレイ21をシートバック7と連動して移動する構造または単なる着脱構造により車体に対して移動可能に構成している。
【0027】
ここで、上述のメインドア11とサブドア18は、図1〜図3に仮想線αで示す如く、両ドア11,18が一体に開閉して上部荷室19と下部荷室20とを同時に開閉する形態(一体開閉形態)と、図1〜図3に仮想線βで示す如く、サブドア18のみが独立して開閉して下部荷室20を開閉する形態(独立開閉形態)とを選択的に取り得るように構成している。
【0028】
また仕切り部材としてのパッケージトレイ21は図1に示す如く、上部荷室19と下部荷室20とを上下に分割する形態(荷室の分割形態)と、図2、図3に示す如く上下の両荷室19,20を互に連通させる形態(荷室の連通形態)とを選択的に取り得るように構成している。
【0029】
なお、図1〜図4において、22は後輪、23はリヤコンビランプ、24はリヤピラーである。
上述のパッケージトレイ21をシートバック7と連動して移動するように構成する場合には、図3、図5の構造を採用する。
【0030】
すなわち、図5に平面図で示すように左右のシートバック7,7の背部にヒンジ部材25,25を介して連結された平面視コの字状のトレイフレーム26を設け、このトレイフレーム26の開口部にフロント・トレイ27とリヤ・トレイ28とを配設し、トレイフレーム26の車幅方向に延びる主体部26aの背部とフロント・トレイ27の前部とヒンジ部材29,29で連結すると共に、フロント・トレイ27の後端部とリヤ・トレイ28の前端部とを複数の蝶番30…で連結する。
【0031】
ここで、上述のフロント・トレイ27およびリヤ・トレイ28の左右両側下面はトレイフレーム26側に設けられた受け部材(図示せず)にて受け止める。
またトレイフレーム26の左右の脚部26b,26bの後部外面には車幅方向外方へ突出するアーム31,31を介してガイドローラ32,32を回転自在に取付ける。
【0032】
一方、車体側には図3、図5に仮想線で示すように前低後高状に傾斜させた断面コの字状のガイドレール33,33を取付け、これら左右のガイドレール33,33のガイド溝を対向させると共に、これらの各ガイド溝の内部に上述のガイドローラ32,32を回転自在に配置する。
【0033】
このように構成すると、図1に示す状態から、まずリヤ・トレイ28をフロント・トレイ27上に折り畳んだ後に、シートバック7を図1の位置から図3に示すように前方へ傾倒させると、トレイフレーム26はそのガイドローラ32がガイドレール33で案内されつつシートバック7にて前方へ牽引されるので、シートバック7の前方傾倒完了時にはパッケージトレイ21は前倒されたシートバック7上面に位置して、フロアマット5と略フルフラット状態となり、シートバック7上面およびフロアマット5の上面の広いスペースを図3に示す如く大きい荷室スペースとして用いることができる。
【0034】
次に、図6〜図11を参照して車両の後部開閉体構造をさらに詳細に説明する。なお図6は図4のA−A線矢視断面図、図7は図4のB−B線矢視断面図、図8は図4のC−C線矢視断面図、図9は図4のD−D線矢視断面図、図10は図4のE−E線矢視断面図である。
【0035】
図7、図11に示すようにリヤヘッダ10の上部におけるルーフパネル9の後端段下げ部には、固定ブラケット34、可動ブラケット35、ヒンジピン36から成るヒンジ部材37を介してメインドア11の上枠部12下面を開閉可能に支持させている。
【0036】
図9、図11に示すように上述のメインドア11の左右の枠部15,16(但し、図面では左右の枠部15のみを示す)の下部外面にはストライカ38を固定し、このストライカ38と対応するボディ側には該ストライカ38をロックおよびアンロックする電磁式のロック装置39を取付けている。
【0037】
また、図8、図11に示すようにメインドア11の左右の枠部15,16とボディ側との間には、メインドア11に開閉補助力を付与するダンパ40,40を張架している。

上述のメインドア11に対するサブドア18の支持構造、および開閉構造は図9、図10に示すように構成している。
【0038】
上述のサブドア18はその周辺がヘミング接合されたアウタパネル41とインナパネル42とを有し、インナパネル42の下部前面にはリンク枢着用のブラケット43を接合固定する一方、メインドア11の枠部15には平面コ字状のヒンジブラケット44を接合固定している。
【0039】
而して、ヒンジブラケット44側のピン45とブラケット43の上部突片のピン46との間に第1リンク47を張架し、ヒンジブラケット44側のピン48とブラケット43の下部突片のピン49との間に第2リンク50を張架している。
【0040】
また、第1リンク47と第2リンク50の車幅方向の中間部において、第1リンク47とヒンジブラケット44との間には、サブドア18に開閉補助力を付与するダンパ51を張架して、これら各要素43〜51によりサブドア18を上下方向に平行移動して開閉させるためのリンク式ヒンジ機構52を構成している。なお、図9、図10にあってはリンク式ヒンジ機構52をその左側の構造についてのみ図示したが、右側の構造は左右対称に構成される。
【0041】
さらに図6に示すようにメインドア11の中間枠部13下面にはストライカ53を固定し、このストライカ53と対応するサブドア18のインナパネル42には該ストライカ53をロックおよびアンロックするロック装置5を取付けると共に、サブドア18のアウタパネル41にはロック装置54をアンロック作動させるためのアウタハンドル55を取付けている。
【0042】
図示実施例は上記の如く構成するものにして、以下作用を説明する。
図6に示すドア閉成状態から図9の電磁式のロック装置39を車内操作にてアンロックと成して、このロック装置39によるストライカ38のロックを解除した後に、ヒンジ部材37を開閉支点としてメインドア11およびサブドア18を一体的に上方へ回動操作すると、図11、図12に示すように、これら両ドア11,18を一体的に開放することができる。
【0043】
一方、図6に示すドア閉成状態からアウタハンドル55を操作して、ロック装置54によるストライカ53のロックを解除した後に、リンク式ヒンジ機構52を介してサブドア18を上方へ操作すると、2つのピン45,48を支点とする第1リンク47、第2リンク50の遊端側のピン46,49の移動軌跡により、サブドア18は上方へ平行移動して図13、図14に示すようにサブドア18のみを開放することができる。
【0044】
このように図1〜図14に示す実施例によれば、上部荷室19用のドア(メインドア11参照)と下部荷室20用のドア(サブドア18参照)とを一体に開閉すると、上部荷室19と下部荷室20とを図11、図12に示す如く同時に開閉することができる(一体開閉形態)。
これにより、大型の荷物が出入れしやすい大きい荷室スペース(ハッチバックのような荷室スペース)を確保することができる。
【0045】
また、サブドア18を独立して開閉して下部荷室20を開閉すると、図13、図14に示す如くサブドア18に対応した荷室20が独立して開閉される(独立開閉形態)。
これにより、車室と区画された独立した荷室スペース(セダンのような荷室スペース) (下部荷室20参照)を確保することができる。
【0046】
このように、車室と区画された独立した荷室スペースと、大型の荷物が出入れしやすい大きい荷室スペースとを選択的に使用することができ、また独立した荷室スペースの開閉時には冷暖房効果が損なわれることもなく、かつ独立した荷室スペースに対して例えば汚い荷物等を格納することもできる効果がある。
【0047】
加えて、上部荷室19用のドア(メインドア11参照)を車体に対してヒンジ部材37により開閉可能に支持し、下部荷室20用のドア(サブドア18参照)を上部荷室19用のドア(メインドア11参照)に対してヒンジ部材(リンク式ヒンジ機構52参照)により開閉可能に支持したので、上部荷室19用のドア(メインドア11参照)の開閉時には下部荷室20用のドア(サブドア18参照)も一体的に開閉されて、大きい荷室スペースに対して大型の荷物を出入れすることができ、下部荷室20用のドア(サブドア18参照)の開閉時には、車室と区画された独立の荷室スペース(下部荷室20)に対して荷物の出入れができる効果がある。
【0048】
さらに、車体に対して移動可能に設けられた仕切り部材(パッケージトレイ21参照)で上部荷室19と下部荷室20とを分割すると(荷室の分割形態時)、下部荷室20を車室内と独立した荷室として使用することができ、また仕切り部材(パッケージトレイ21参照)で上部荷室19と下部荷室20とを図2、図3に示すように連通させると(荷室の連通形態時)、上下19,20の荷室を1つの連通した荷室と成して、大型荷室を形成することができる効果がある。
また図1に仮想線で示すようにリヤ・トレイ28を開閉すると、小物を車室内から下部荷室20に対して出入れすることも可能となり、使い勝手性の向上を図ることができる効果がある。
【0049】
しかも、上述の下部荷室20用のドア(サブドア18参照)はリンク部材(リンク式ヒンジ機構52参照)の作用により上下方向に平行移動して開閉されるので、車両の後方に存在するドア開閉用のスペース(空間)が小さい場合であっても、該下部荷室20用のドア(サブドア18参照)を容易に開閉することができる効果がある。
【0050】
図15は車両の後部開閉体構造の他の実施例を示し、この実施例では下部荷室20用のサブドア18の上部を、上部荷室19用のメインドア11における中間枠部13の背部に対してヒンジ部材56を介して開閉可能に支持させたものである。
【0051】
このように構成すると、上述の下部荷室20用のドア(サブドア18参照)はその上部のヒンジ部材56を支点として上部荷室19用のドア(メインドア11参照)に対して開閉されるので、リンク部材等の複雑なドア開閉機構を省略して、この開閉機構の簡略化を図ることができると共に、各ドア11,18の開閉方向を同一と成して、サブドア18の開閉操作性の向上を図ることができる効果がある。
【0052】
なお、その他の点については先の実施例の構成と同様であり、かつ略同様の作用、効果を奏するので、図15において前図と同一の部分には同一符号を付して、その詳しい説明を省略する。
【0053】
図16〜図30は車両の後部開閉体構造のさらに他の実施例を示す。なお、この実施例において先の実施例と同一または同等の部分には同一符号を付して、その詳しい説明を省略している。
【0054】
図16〜図30に示すこの実施例においては、車体に対して着脱可能に設けた車体側のラゲッジボード60(図16参照)と、メインドア11における中間枠部13に取付けられて車体に対して移動可能に構成されたドア側のラゲッジボード61とを設け、これらの両ラゲッジボード60,61(仕切り部材)により車両後部の荷室を上部荷室19と下部荷室20(いわゆるラゲッジルーム空間)との上下に分割している。なお、図23における62は両ラゲッジボード60,61間をシールするシールラバーで、このシールラバー62はドア側のラゲツジボード61の前端部下面に取付けられている。また図16における63はフロアである。
【0055】
図17はボディの部分斜視図で、このボディのヒンジ取付け部64にヒンジ部材37(図21参照)を介してメインドア11が開閉可能に取付けられる。
【0056】
図18はメインドア11の部分斜視図で、このメインドア11も先の実施例と同様に背面視で日の字形状に構成され、日の字形の上側開口部65にはリヤウインドガラス17が配置され、日の字形状の下側開口部66には図19に示すサブドア18が開閉可能に取付けられる。
【0057】
図20は車両を後方上部から見た状態で示す部分斜視図で、図20のF−F線矢視断面図を図21に示し、図20のG−G線矢視断面図を図22に示し、図20のH−H線矢視断面図を図23に示し、図20のJ−J線矢視断面図を図24に示し、図20のK−K線矢視断面図を図25に示し、図20のL−L線矢視断面図を図26に示し、図20のM−M線矢視断面図を図27に示す。
【0058】
図25に示すようにメインドア11の中間部13の左右両サイドにはリンク式ヒンジ機構67を介してサブドア18を開閉可能に取付けている。但し、図面では左側のリンク式ヒンジ機構67のみを示すが、右側のリンク式ヒンジ機構67は左右対称に構成されている。
【0059】
このリンク式ヒンジ機構67は図25、図29に示す如く構成している。
【0060】
すなわち、メインドア11側にヒンジブラケット68を接合固定する一方、サブドア18側にもヒンジブラケット69を接合固定している。而して、メインドア11側のヒンジブラケット68にはサブドア18開閉時の支となるピン70,71,72を設け、前部のピン70とサブドア18側のヒンジブラケット69における前部のピン73との間には第1リンク74を張架している。
【0061】
また中間部のピン71とサブドア18側のヒンジブラケット69における中間部のピン75との間には第2リンク76を張架している。
さらに後部のピン72とサブドア18側のヒンジブラケット69における後部のピン77との間には、サブドア18に開閉補助力を付与するダンパ51を張架している。
【0062】
図示実施例は上記の如く構成するものにして、以下作用を説明する。
図16に示すドア閉成状態から図26の電磁式のロック装置39を車内操作にてアンロックと成して、このロック装置39によるストライカ38のロックを解除した後に、ヒンジ部材37(図21参照)を開閉支点としてメインドア11およびサブドア18を一体的に上方へ回動操作すると、図28に示すように、これら両ドア11,18を一体的に開放することができる。
【0063】
一方、図16に示すドア閉成状態から図27のロック装置54によるストライカ53のロックを解除した後に、リンク式ヒンジ機構67を介してサブドア18を上方へ操作すると、2つのピン70,71を支点とする第1リンク74、第2リンク76の遊端側のピン73,75の移動軌跡により、サブドア18は一旦上方へ移動した後図29、図30に示すようにサブドア18のみを前方へ開放することができる。
【0064】
このように図16〜図30に示す実施例によれば、上部荷室19用のドア(メインドア11参照)と下部荷室20用のドア(サブドア18参照)とを一体に開閉すると、上部荷室19と下部荷室20とを同時に開閉することができる(一体開閉形態)。
これにより、大型の荷物が出入れしやすい大きい荷室スペース(ハッチバックのような荷室スペース)を確保することができる。
【0065】
また、サブドア18のみを独立して開閉して下部荷室20を開閉すると、サブドア18に対応した荷室20が独立して開閉される(独立開閉形態)。
これにより、車室と区画された独立した荷室スペース(セダンのような荷室スペース)を確保することができる。
【0066】
このように、車室と区画された独立した荷室スペース(下部荷室20参照)と、大型の荷物が出入れしやすい大きい荷室スペースとを選択的に使用することができ、また独立した荷室スペースの開閉時には冷暖房効果が損なわれることもなく、かつ独立した荷室スペースに対して例えば汚い荷物等を格納することもできる効果がある。
【0067】
さらに、上部荷室19用のドア(メインドア11参照)を車体に対してヒンジ部材37により開閉可能に支持し、下部荷室20用のドア(サブドア18参照)を上部荷室19用のドア(メインドア11参照)に対してヒンジ部材(リンク式ヒンジ機構67参照)により開閉可能に支持したので、上部荷室19用のドア(メインドア11参照)の開閉時には下部荷室20用のドア(サブドア18参照)も一体的に開閉されて、大きい荷室スペースに対して大型の荷物を出入れすることができ、下部荷室20用のドア(サブドア18参照)の開閉時には、車室と区画された独立の荷室スペース(下部荷室20)に対して荷物の出入れができる効果がある。
【0068】
しかも、車体に対して移動可能に設けられた仕切り部材(ラゲッジボード60,61参照)で上部荷室19と下部荷室20とを分割すると(荷室の分割形態時)、下部荷室20を車室内と独立した荷室として使用することができ、また仕切り部材(ラゲッジボード60,61参照)で上部荷室19と下部荷室20とを連通させると(荷室の連通形態時)、上下19,20の荷室を1つの連通した荷室と成して、大型荷室を形成することができる効果がある。
【0069】
この発明の構成と、上述の実施例との対応において、
この発明の上部荷室用のドアは、実施例のメインドア11に対応し、
以下同様に、
下部荷室用のドアはサブドア18に対応し、
下部荷室用のドアを開閉するためのヒンジ部材は、リンク式ヒンジ機構52,67、ヒンジ部材56に対応し、
仕切り部材は、パッケージトレイ21、ラゲッジボード60,61に対応し、
リンク部材は、リンク式ヒンジ機構52に対応するも、
この発明は、上述の実施例の構成のみに限定されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の車両の後部開閉体構造を示す概略側面図。
【図2】 上部荷室と下部荷室とを連通させた概略側面図。
【図3】 シートバックおよびフロアマット上に広い荷室スペースを形成した状態の概略側面図。
【図4】 車両の部分斜視図。
【図5】 仕切り部材の平面図。
【図6】 図4のA−A線矢視断面図。
【図7】 図4のB−B線矢視断面図。
【図8】 図4のC−C線矢視断面図。
【図9】 図4のD−D線矢視断面図。
【図10】 図4E−E線矢視断面図。
【図11】 両ドアを一体的に開放した状態の斜視図。
【図12】 両ドアを一体的に開放した状態の断面図。
【図13】 サブドアのみを開放した状態の断面図。
【図14】 サブドアのみを開放した状態の断面図。
【図15】 本発明の車両の後部開閉体構造の他の実施例を示す断面図。
【図16】 本発明の車両の後部開閉体構造のさらに他の実施例を示す断面図。
【図17】 ボディの部分斜視図。
【図18】 メインドアの部分斜視図。
【図19】 サブドアの部分斜視図。
【図20】 車両の部分斜視図。
【図21】 図20のF−F線矢視断面図。
【図22】 図20のG−G線矢視断面図。
【図23】 図20のH−H線矢視断面図。
【図24】 図20のJ−J線矢視断面図。
【図25】 図20のK−K線矢視断面図。
【図26】 図20のL−L線矢視断面図。
【図27】 図20のM−M線矢視断面図。
【図28】 両ドアを一体的に開放した状態の断面図。
【図29】 サブドアのみを開放した状態の断面図。
【図30】 サブドアのみを開放した状態の断面図。
【符号の説明】
11…メインドア
18…サブドア
19…上部荷室
20…下部荷室
21…パッケージトレイ(仕切り部材)
37…ヒンジ部材
39,54…ロック装置
52,67…リンク式ヒンジ機構
55…アウタハンドル(操作機構)
56…ヒンジ部材
60,61…ラゲッジボード(仕切り部材)

Claims (4)

  1. 車両後部に荷室を備えた車両の荷室を開閉する車両の後部開閉体構造であって、
    上記荷室上部荷室と下部荷室との上下に分割
    上部荷室を開閉する上部荷室用ドアと下部荷室を開閉する下部荷室用ドアを設け、
    下部荷室用ドアは、上部荷室用ドアに対してヒンジ部材を介して開閉可能に支持されると共に、上部荷室用ドアに対してロック装置によってロックされるように構成され、
    上部荷室用ドアは、車体に対してヒンジ部材を介して開閉可能に支持されると共に、車体に対して他のロック装置によってロックされるように構成され、
    上部荷室ドアと下部荷室ドア一体に開閉して上部荷室と下部荷室とを同時に開閉する形態と、独立して開閉して上部荷室と下部荷室を開閉する形態とを選択操作するように上記ロック装置を作動させる操作機構を備えた
    車両の後部開閉体構造。
  2. 上記上部荷室と下部荷室との間を分割する仕切り部材を設け、
    該仕切り部材は車体に対して移動可能に設けられ、
    上記仕切り部材は上部荷室と下部荷室とを分割する形態と、
    上下の両荷室を連通させる形態とを選択し得るように構成した
    請求項1記載の車両の後部開閉体構造。
  3. 上記下部荷室用のドアは上下方向に平行移動して開閉されるように上記上部荷室用のドアに対してリンク部材を介して取付けられた
    請求項記載の車両の後部開閉体構造。
  4. 上記下部荷室用のドアの上部が上記上部荷室用のドアに対してヒンジ部材を介して開閉可能に支持された
    請求項記載の車両の後部開閉体構造。
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