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JP4277633B2 - チップ抵抗器の製造方法 - Google Patents

チップ抵抗器の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、特に微小のチップ抵抗器の製造方法に関するものである。
以下、従来のチップ抵抗器の製造方法について、図面を参照しながら説明する。
図10(a)〜(c)および図11(a)〜(d)は従来のチップ抵抗器の製造工程図を示したもので、この図10(a)〜(c)および図11(a)〜(d)に基づいて、その製造方法を以下に説明する。
まず、図10(a)に示すように、1次分割溝1と2次分割溝2をあらかじめ形成したアルミナ等の磁器からなるシート状の絶縁基板3を用意し、そしてこの絶縁基板3の上面に、前記1次分割溝1を跨ぐように複数の上面電極4をスクリーン印刷法で形成する。
次に、図10(b)に示すように、前記シート状の絶縁基板3の裏面に、1次分割溝1を跨ぐように複数の裏面電極5をスクリーン印刷法で形成する。
次に、図10(c)に示すように、複数の上面電極4に一部が重なるように前記絶縁基板3の上面に抵抗体6をスクリーン印刷法で形成するとともに、この抵抗体6における全抵抗値が所定の抵抗値の範囲内に入るようにレーザ等により抵抗体6にトリミング溝7を施す。
次に、図11(a)に示すように、少なくとも抵抗体6の全体を覆うように保護膜8をスクリーン印刷法で形成する。
次に、図11(a)に示す1次分割溝1の部分で分割することにより、図11(b)に示すような短冊状の基板3aを構成する。
次に、図11(b)に示すように、短冊状の基板3aの両端面に、上面電極4および裏面電極5と電気的に接続されるように端面電極9を塗着形成する。
次に、図11(b)に示す短冊状の基板3aにおける2次分割溝2の部分で分割することにより、図11(c)に示すような個片状の基板3bを構成する。
最後に、図11(d)に示すように、上面電極4、裏面電極5および端面電極9の表面にニッケルめっきを施した後、はんだめっきを施してめっき層10を形成することにより、従来のチップ抵抗器を製造していた。
なお、この出願の発明に関連する先行技術文献情報としては、例えば、特許文献1が知られている。
特開平7−86003号公報
上記した従来のチップ抵抗器は、絶縁基板3の上面に電極ペーストや抵抗ペーストをスクリーン印刷し、そして焼成することにより、上面電極4や抵抗体6を形成するとともに、絶縁基板3の裏面に電極ペーストをスクリーン印刷し、そして焼成することにより、裏面電極5を形成するようにしているが、絶縁基板3上に設けられた1次分割溝1と2次分割溝2の寸法ばらつきや印刷マスクの寸法ばらつき、スクリーン印刷を行う際の位置合わせ精度のばらつきなどにより、絶縁基板3における上面電極4や裏面電極5の位置がばらついたり、また、電極ペーストのにじみにより上面電極4や裏面電極5の形状寸法がばらつきやすいものであった。
ここで、上面電極4を構成する電極ペーストのにじみが発生した場合、この上面電極4に電気的に接続される抵抗体6の有効長さがばらつくことになり、これにより、抵抗体6の形成後の抵抗値ばらつきが発生する。上記電極ペーストのにじみの大きさはチップ抵抗器全体の形状寸法に関係なくほぼ一定(0.01mm程度)であるため、抵抗体6の有効長さが短い小型のチップ抵抗器ほど、上面電極4を構成する電極ペーストのにじみの影響は相対的に大きくなり、抵抗値ばらつきが非常に大きくなるものである。例えば、全長1mmのチップ抵抗器における抵抗体6の有効長さは標準で0.3mmであるため、0.01mmのにじみの影響は3.3%であるが、全長0.6mmのチップ抵抗器における抵抗体6の有効長さは0.2mmであるため、0.01mmのにじみの影響は5%という具合に大きくなる。抵抗値のばらつきは、レーザ等でトリミング溝7を形成することにより修正できるが、トリミング溝7が長くなって、抵抗体6の残り幅が狭くなるほどチップ抵抗器の耐電力性は悪化するため、通常はトリミング溝7を形成する前の初期の抵抗値に制限を加えることによって、トリミング溝7が長くなり過ぎるのを防止している。しかしながら、このトリミング溝7の形成において抵抗値の制限範囲から外れたものは、抵抗値不良として最終的に抵抗値検査によって取り除かれてしまうため、初期の抵抗値のばらつきが大きいものは、トリミング溝7が形成されずに抵抗値不良となるものが多く含まれることになり、歩留まりが悪化する。
また、裏面電極5を構成する電極ペーストのにじみや印刷の位置ずれが発生した場合、裏面電極5の寸法がばらつくことになり、これにより、チップ抵抗器をプリント基板に実装した時、電極間ショートや、マンハッタン現象(チップ立ち)が発生しやすくなるため、裏面電極5の寸法精度も非常に重要である。
本発明は上記従来の課題を解決するもので、上面電極や裏面電極を構成する電極ペーストのにじみや位置ずれの影響を解消することができるチップ抵抗器の製造方法を提供することを目的とするものである。
上記目的を達成するために、本発明は以下の構成を有するものである。
本発明の請求項に記載の発明は、シート状の基板の裏面にレジネートペーストをスクリーン印刷して焼成することにより裏面電極を形成する工程と、前記裏面電極の対向する辺をレーザにより除去するとともに、シート状の基板の裏面にレーザで位置認識マークを形成する工程と、前記シート状の基板の上面に前記位置認識マークを基準にしてレジネートペーストをスクリーン印刷して焼成することにより上面電極を形成する工程と、前記位置認識マークを基準にしてシート状の基板に1次分割溝を形成する工程と、前記上面電極間に抵抗体を形成する工程と、前記抵抗体を覆うようにシート状の基板の上面に保護膜を形成する工程と、前記1次分割溝に沿ってシート状の基板を分割することにより短冊状の基板を得る工程と、前記短冊状の基板の側面に上面電極と裏面電極を電気的に接続するように端面電極を形成する工程と、前記短冊状の基板を分割または切断することにより個片状の基板を得る工程と、前記上面電極の露出部分と端面電極および裏面電極を覆うめっき層を形成する工程とを備えたもので、この製造方法によれば、裏面電極の対向する辺をレーザによって除去する工程を備えているため、裏面電極ににじみが発生したとしても、このにじみはレーザにより確実に除去することができ、さらにシート状の基板の裏面にレーザで形成した位置認識マークを基準にして、上面電極と1次分割溝を形成するようにしているため、上面電極と裏面電極および1次分割溝の位置ずれも防止することができ、その結果、個片状の基板になった際に、裏面電極を個片状の基板に対して寸法精度良く形成することができるため、対向する裏面電極の寸法ばらつきによる電極間ショートやマンハッタン(チップ立ち)現象の抑制が図れる。また、前記裏面電極はレジネートペーストをスクリーン印刷して焼成することにより形成しているため、このレジネートペーストは焼成後の膜厚が1μm程度と薄く、レジネートペーストにより構成される裏面電極に発生したにじみをレーザにより除去する場合、通常の厚膜ペースト(膜厚5〜20μm程度)を除去する場合に比べてにじみの除去が容易に行えるものであり、また、このにじみを除去するのに必要なレーザの出力も小さくて済むため、設備や電気代等のコストの低減が図れるという作用効果が得られるものである。
本発明の請求項に記載の発明は、シート状の基板の裏面にレジネートペーストをスクリーン印刷して焼成することにより裏面電極を形成する工程と、前記裏面電極の対向する辺をレーザにより除去するとともに、シート状の基板の裏面にレーザで位置認識マークを形成する工程と、前記シート状の基板の上面に前記位置認識マークを基準にしてレジネートペーストをスクリーン印刷して焼成することにより上面電極を形成する工程と、前記上面電極間に抵抗体を形成する工程と、前記抵抗体を覆うようにシート状の基板の上面に保護膜を形成する工程と、前記位置認識マークを基準にしてシート状の基板を切断することにより短冊状の基板を得る工程と、前記短冊状の基板の側面に上面電極と裏面電極を電気的に接続するように端面電極を形成する工程と、前記短冊状の基板を分割または切断することにより個片状の基板を得る工程と、前記上面電極の露出部分と端面電極および裏面電極を覆うめっき層を形成する工程とを備えたもので、この製造方法によれば、裏面電極の対向する辺をレーザによって除去する工程を備えているため、裏面電極ににじみが発生したとしても、このにじみはレーザにより確実に除去することができ、さらにシート状の基板の裏面にレーザで形成した位置認識マークを基準にして、上面電極の形成と、短冊状の基板を得るための切断を行うようにしているため、上面電極と裏面電極および切断位置の位置ずれも防止することができ、その結果、個片状の基板になった際に、裏面電極を個片状の基板に対して寸法精度良く形成することができるため、対向する裏面電極の寸法ばらつきによる電極間ショートやマンハッタン(チップ立ち)現象の抑制が図れる。また、前記裏面電極をレジネートペーストをスクリーン印刷して焼成することにより形成しているため、このレジネートペーストは焼成後の膜厚が1μm程度と薄く、レジネートペーストにより構成される裏面電極に発生したにじみをレーザにより除去する場合、通常の厚膜ペースト(膜厚5〜20μm程度)を除去する場合に比べてにじみの除去が容易に行えるものであり、また、このにじみを除去するのに必要なレーザの出力も小さくて済むため、設備や電気代等のコストの低減が図れるという作用効果が得られるものである。
本発明の請求項に記載の発明は、特に、上面電極の対向する辺を位置認識マークを基準にしてレーザにより除去する工程を備えたもので、この製造方法によれば、請求項1または2に記載の製造方法により得られる効果に加えて、上面電極のにじみをレーザにより除去することができるため、上面電極間の寸法ばらつきを抑制でき、これにより、この上面電極に接続される抵抗体の有効長さが安定することになるため、抵抗値ばらつきを小さくすることができ、その結果、歩留まり向上が図れるという作用効果が得られるものである。
本発明の請求項に記載の発明は、特に、位置認識マークを形成する位置の周辺を上面電極または裏面電極と同じ材料で覆うようにしたもので、この製造方法によれば、上面電極または裏面電極材料を剥離することにより、シート状の基板上に位置認識マークを形成できるため、シート状の基板自体を加工する必要がなく、位置認識マークの形成が容易に行えるものであり、また、この位置認識マークの形成に必要なレーザの出力も小さくて済むため、設備や電気代等のコストの低減が図れる上、シート状の基板と上面電極または裏面電極の色相の差を利用することにより、位置認識も容易に高精度に行うことができるという作用効果が得られるものである。
本発明の請求項に記載の発明は、特に、位置認識マークをシート状の基板を貫通する貫通穴で形成したもので、この製造方法によれば、シート状の基板の上面と裏面の両面から反射光により位置認識マークを認識することができるため、例えば、シート状の基板の上面から形成した位置認識マークをシート状の基板の裏面から認識する際に必要な透過光による認識を行う必要がなく、その結果、位置認識が容易に行えるとともに、認識精度の向上も図れるという作用効果が得られるものである。
本発明の請求項に記載の発明は、シート状の基板の上面にレジネートペーストをスクリーン印刷して焼成することにより上面電極と位置認識マークを同時に形成する工程と、前記シート状の基板の裏面にレジネートペーストをスクリーン印刷して焼成することにより裏面電極を形成する工程と、前記裏面電極の対向する辺を前記位置認識マークを基準にしてレーザにより除去する工程と、前記位置認識マークを基準にしてシート状の基板に1次分割溝を形成する工程と、前記上面電極間に抵抗体を形成する工程と、前記抵抗体を覆うようにシート状の基板の上面に保護膜を形成する工程と、前記1次分割溝に沿ってシート状の基板を分割することにより短冊状の基板を得る工程と、前記短冊状の基板の側面に上面電極と裏面電極を電気的に接続するように端面電極を形成する工程と、前記短冊状の基板を分割または切断することにより個片状の基板を得る工程と、前記上面電極の露出部分と端面電極および裏面電極を覆うめっき層を形成する工程とを備えたもので、この製造方法によれば、裏面電極の対向する辺をレーザによって除去する工程を備えているため、裏面電極ににじみが発生したとしても、このにじみはレーザにより確実に除去することができ、さらにシート状の基板の表面に形成した位置認識マークを基準にして、裏面電極の除去と1次分割溝の形成を行うようにしているため、上面電極と裏面電極および1次分割溝の位置ずれも防止することができ、その結果、個片状の基板になった際に、裏面電極を個片状の基板に対して寸法精度良く形成することができるため、対向する裏面電極の寸法ばらつきによる電極間ショートやマンハッタン(チップ立ち)現象の抑制が図れるという作用効果が得られるものである。
本発明の請求項に記載の発明は、シート状の基板の上面にレジネートペーストをスクリーン印刷して焼成することにより上面電極と位置認識マークを同時に形成する工程と、前記シート状の基板の裏面にレジネートペーストをスクリーン印刷して焼成することにより裏面電極を形成する工程と、前記裏面電極の対向する辺を前記位置認識マークを基準にしてレーザにより除去する工程と、前記上面電極間に抵抗体を形成する工程と、前記抵抗体を覆うようにシート状の基板の上面に保護膜を形成する工程と、前記位置認識マークを基準にしてシート状の基板を切断することにより短冊状の基板を得る工程と、前記短冊状の基板の側面に上面電極と裏面電極を電気的に接続するように端面電極を形成する工程と、前記短冊状の基板を分割または切断することにより個片状の基板を得る工程と、前記上面電極の露出部分と端面電極および裏面電極を覆うめっき層を形成する工程とを備えたもので、この製造方法によれば、裏面電極の対向する辺をレーザによって除去する工程を備えているため、裏面電極ににじみが発生したとしても、このにじみはレーザにより確実に除去することができ、さらにシート状の基板の上面に形成した位置認識マークを基準にして、裏面電極の除去と短冊状の基板を得るための切断を行うようにしているため、上面電極と裏面電極および切断位置の位置ずれも防止することができ、その結果、個片状の基板になった際に、裏面電極を個片状の基板に対して寸法精度良く形成することができるため、対向する裏面電極の寸法ばらつきによる電極間ショートやマンハッタン(チップ立ち)現象の抑制が図れるという作用効果が得られるものである。
本発明のチップ抵抗器の製造方法は、シート状の基板の裏面にスクリーン印刷法により裏面電極を形成した後、裏面電極の対向する辺をレーザによって除去する工程を備えているため、シート状の基板の裏面に裏面電極をスクリーン印刷で形成したときに裏面電極ににじみが発生したとしても、この裏面電極のにじみはレーザにより確実に除去することができ、その結果、裏面電極のにじみや位置ずれによる裏面電極幅の寸法ばらつきを抑制することができるため、特に対向する裏面電極の寸法ばらつきによる電極間ショートやマンハッタン(チップ立ち)現象の抑制が図れるという優れた効果を奏するものである。
(実施の形態1)
図1(a)〜(d)および図2(a)〜(f)は本発明の実施の形態1におけるチップ抵抗器の製造方法を示す製造工程図である。
以下、本発明の実施の形態1におけるチップ抵抗器の製造方法について、図1(a)〜(d)および図2(a)〜(f)を参照しながら説明する。
まず、図1(a)に示すように、上面と裏面に1次分割溝11と2次分割溝12をあらかじめ形成したアルミナ等の磁器からなる絶縁性を有するシート状の基板13を用意する。そしてこのシート状の基板13の上面に、前記1次分割溝11を跨ぐように金を主成分とする金レジネートペーストをスクリーン印刷し、ピーク温度850℃の焼成プロファイルで焼成することにより、複数の上面電極14を形成する。この場合、複数の上面電極14は設計目標値より若干大きめに形成するが、複数の上面電極14をスクリーン印刷により形成した場合、複数の上面電極14の対向する辺ににじみ14aが発生するものである。
次に、図1(b)に示すように、複数の上面電極14の対向する辺をレーザにより除去する。このレーザによる除去により、複数の上面電極14の対向する辺に発生したにじみ14aは除去されるため、上面電極14は設計寸法通りの寸法となる。なお、このレーザによるにじみ14aの除去は、上面電極14が1次分割溝11により2分され、かつ1次分割溝11と2次分割溝12で囲まれた基板領域の中の対向する上面電極14の寸法がほぼ同じになるように、1次分割溝11または1次分割溝11を形成するときに同時に作成した基準マークを基準にして行うと良い。
次に、図1(c)に示すように、シート状の基板13の裏面に、1次分割溝11を跨ぐように金を主成分とする金レジネートペーストをスクリーン印刷し、ピーク温度850℃の焼成プロファイルで焼成することにより、裏面電極15を形成する。この場合、複数の裏面電極15は設計目標値より若干大きめに形成するが、複数の裏面電極15をスクリーン印刷により形成した場合、複数の裏面電極15の対向する辺ににじみ15aや位置ずれが発生するものである。
次に、図1(d)に示すように、複数の裏面電極15の対向する辺をレーザにより除去する。このレーザによる除去により、複数の裏面電極15の対向する辺に発生したにじみ15aは除去されるため、裏面電極15は設計寸法通りの寸法となる。なお、このレーザによるにじみ15aの除去は、裏面電極15が1次分割溝11により2分され、1次分割溝11と2次分割溝12で囲まれた基板領域の中の対向する裏面電極15の寸法がほぼ同じになるように、1次分割溝11または1次分割溝11を形成するときに同時に作成した基準マークを基準にしてレーザの照射位置の微調整を行うと良い。
次に、図2(a)に示すように、複数の上面電極14に一部が重なるように、すなわち複数の上面電極14と電気的に接続されるように、スクリーン印刷工法により酸化ルテニウム系の複数の抵抗体16を前記シート状の基板13の上面に形成し、ピーク温度850℃の焼成プロファイルで焼成することにより、抵抗体16を安定な膜とする。そしてこの抵抗体16をスクリーン印刷により形成した場合、複数の抵抗体16における上面電極14と接続されていない辺ににじみ16aが発生するものである。
次に、図2(b)に示すように、複数の抵抗体16における上面電極14と接続されている辺と上面電極14と接続されていない辺をそれぞれレーザにより除去する。このレーザによる除去により、複数の抵抗体16における上面電極14と接続されていない辺に発生したにじみ16aは除去される。またこの抵抗体16には、図2(b)に示すように、複数の上面電極14間の抵抗体16の抵抗値を一定の値に調整するために、レーザトリミング工法によりトリミングを行い、トリミング溝17を形成する。
次に、図2(c)に示すように、少なくとも複数の抵抗体16の全体を覆うように、スクリーン印刷工法により樹脂を主成分とする保護膜18を形成し、ピーク温度200℃の硬化プロファイルで硬化することにより、保護膜18を安定な膜とする。
次に、図2(c)に示す1次分割溝11の部分で分割することにより、図2(d)に示すような短冊状の基板13aを構成するとともに、短冊状の基板13aの両端面に、上面電極14および裏面電極15と電気的に接続されるように端面電極19を塗着形成する。
次に、図2(d)に示す短冊状の基板13aにおける2次分割溝12の部分で分割することにより、図2(e)に示すような個片状の基板13bを構成する。
最後に、図2(f)に示すように、上面電極14および端面電極19の表面にニッケルめっきを施した後、はんだめっきまたはスズめっきを施すことにより、めっき層20を形成して、図3に示すようなチップ抵抗器を製造する。
なお、図3に示すチップ抵抗器の断面図において、端面電極19は、短冊状の基板13aの両端面に、上面電極14および裏面電極15と電気的に接続されるように塗着形成されるものである。まためっき層20は、上面電極14の表面、端面電極19の表面および裏面電極15の表面にニッケルめっきを施した後、はんだめっきまたはスズめっきを施すことにより形成されるものである。
上記本発明の実施の形態1においては、シート状の基板13の上面に厚膜印刷であるスクリーン印刷工法により上面電極14を形成した後、上面電極14の対向する辺をレーザにより除去する工程を備えているため、シート状の基板13の上面に厚膜印刷であるスクリーン印刷工法により上面電極14を形成した場合に上面電極14ににじみ14aが発生したとしても、この上面電極14のにじみ14aはレーザにより確実に除去されることになり、これにより、にじみ14aによる上面電極14間の寸法ばらつきを抑制することができるため、この上面電極14に接続される抵抗体16の有効長さは安定することになり、その結果、抵抗値分布が小さくなるため、歩留まりを向上させることができるという効果を有するものである。また、1次分割溝11を基準にしてレーザによるにじみ14aの除去を行うことにより、抵抗体16の有効部分(上面電極14との重なり部分を除いた部分)が個片状の基板13bの中心に位置するようにすることができる。
また、上記本発明の実施の形態1における上面電極14および裏面電極15は、金を主成分とする金レジネートペーストをスクリーン印刷して焼成することにより形成しているもので、この金レジネートペーストは焼成後の膜厚が1μm程度であるという具合に薄いため、金レジネートペーストにより構成される上面電極14に発生したにじみ14aをレーザにより除去する場合、通常の厚膜ペースト(膜厚5〜20μm程度)を除去する場合に比べてにじみ14aの除去が容易に行えるものであり、また、このにじみ14aを除去するのに必要なレーザの出力も小さくて済むため、設備や電気代等のコストの低減が図れるという効果を有するものである。
そしてまた、上記本発明の実施の形態1においては、シート状の基板13の裏面に厚膜印刷であるスクリーン印刷工法により裏面電極15を形成した後、裏面電極15の対向する辺をレーザにより除去する工程を備えているため、シート状の基板13の裏面に厚膜印刷であるスクリーン印刷工法により裏面電極15を形成した場合に裏面電極15ににじみ15aが発生したとしても、この裏面電極15のにじみ15aはレーザにより確実に除去されることになり、これにより、にじみ15aによる裏面電極15の幅の寸法ばらつきを抑制することができる。さらにレーザによるにじみ15aの除去を1次分割溝11を基準にして行うことにより、個片状基板における対向する裏面電極の寸法をほぼ同一とすることができるため、寸法精度をさらによくすることができる。その結果、チップ抵抗器をプリント基板に実装した時に電極間ショートが発生したり、マンハッタン現象(チップ立ち)が発生するのを抑制することができるという効果を有するものである。
さらに、上記本発明の実施の形態1においては、上面電極14と電気的に接続されるようにシート状の基板13の上面に厚膜印刷であるスクリーン印刷工法により抵抗体16を形成した後、この抵抗体16における上面電極14と接続されていない辺をレーザにより除去する工程を備えているため、シート状の基板13の上面に厚膜印刷であるスクリーン印刷工法により抵抗体16を形成した場合に、抵抗体16の幅方向、すなわち上面電極14と接続されていない辺ににじみ16bが発生したとしても、この抵抗体16の幅方向のにじみ16bはレーザにより確実に除去されることになり、これにより、にじみ16bによる抵抗体16の幅方向の寸法ばらつきを抑制することができるため、抵抗値ばらつきの低減を図ることができる。また、にじみ16aによって抵抗体16の幅が広がり、シート状の基板13を分割した時に基板の側面に抵抗体16が露出することがあるが、にじみ16aを除去することによって抵抗体16が基板側面に露出することもなくなるため、抵抗体16へのめっき付着ということもなくなり、その結果、信頼性の向上も図れるという効果を有するものである。
なお、上記本発明の実施の形態1においては、1次分割溝11と2次分割溝12をシート状の基板13の上面および裏面のそれぞれに形成したものについて説明したが、これに限定されるものではなく、1次分割溝11と2次分割溝12はシート状の基板13の上面と裏面のいずれか一方のみに形成しても良いものである。
また、上記本発明の実施の形態1においては、上面電極14、裏面電極15を不連続なパターンで形成する場合について説明したが、1次分割溝11と直交する方向に連続したパターンで形成し、そして1次分割溝11間をレーザで除去するようにしても良く、この場合も、上記本発明の実施の形態1と同様の作用効果が得られるものである。
(実施の形態2)
図4(a)〜(d)、図5(a)〜(d)および図6(a)〜(c)は本発明の実施の形態2におけるチップ抵抗器の製造方法を示す製造工程図である。
以下、本発明の実施の形態2におけるチップ抵抗器の製造方法について、図4(a)〜(d)、図5(a)〜(d)および図6(a)〜(c)を参照しながら説明する。
まず、図4(a)に示すように、分割溝を持たないアルミナ等の磁器からなる絶縁性を有するシート状の基板21を用意する。そしてこのシート状の基板21の裏面に、金を主成分とする金レジネートペーストをスクリーン印刷し、ピーク温度850℃の焼成プロファイルで焼成することにより、複数の裏面電極22と位置認識マークの下地23を形成する。この場合、複数の裏面電極22は設計目標値より若干大きめに形成するが、複数の裏面電極22をスクリーン印刷により形成した場合、複数の裏面電極22の対向する辺ににじみ22aが発生するものである。なお、下地23は、シート状の基板21の中の製品とならない部分に設ける。
次に、図4(b)に示すように、複数の裏面電極22の対向する辺をレーザにより除去し、さらに下地23をレーザにより部分的に除去することによって十字状の位置認識マーク24を形成する。このレーザによる対向する辺の除去により、複数の裏面電極22の対向する辺に発生したにじみ22aは除去されるため、裏面電極22は設計寸法通りの寸法となる。また、位置認識マーク24を用いて位置認識するためには、シート状の基板21上に最低2ヶ所位置認識マーク24を設ける必要があるが、より高精度の認識を行うためには、この位置認識マーク24は3ヶ所以上設けることが望ましいとともに、シート状の基板21の外枠に近い部分に設けることが望ましい。本発明の実施の形態2においては、シート状の基板21の四隅に近い部分である4ヶ所に、位置認識マーク24を設けている。
次に、図4(c)に示すように、シート状の基板21の裏面に形成した位置認識マーク24を基準にして位置を微調整しながら、シート状の基板21の上面に金を主成分とする金レジネートペーストをスクリーン印刷し、ピーク温度850℃の焼成プロファイルで焼成することにより、上面電極25を形成する。このとき、上面電極25は裏面電極22とシート状の基板21を挟んでほぼ対向する位置に配置される。この場合、複数の上面電極25は設計目標値より若干大きめに形成するが、複数の上面電極25をスクリーン印刷により形成した場合、複数の上面電極25の対向する辺ににじみ25aや位置ずれが発生するものである。
次に、図4(d)に示すように、シート状の基板21の裏面に形成した位置認識マーク24を透過光により認識し、位置を微調整しながら、複数の上面電極25の対向する辺をレーザにより除去する。このレーザによる除去により、複数の上面電極25の対向する辺に発生したにじみ25aは除去され、裏面電極22と上面電極25がシート状の基板21を挟んで対向するような位置に調整される。
次に、図5(a)に示すように、複数の上面電極25に一部が重なるように、すなわち複数の上面電極25と電気的に接続されるように、スクリーン印刷工法により酸化ステニウム系の複数の抵抗体26を前記シート状の基板21の上面に形成し、ピーク温度850℃の焼成プロファイルで焼成することにより、抵抗体26を安定な膜とする。そしてこの抵抗体26をスクリーン印刷により形成した場合、複数の抵抗体26における上面電極25と接続されていない辺ににじみ26aが発生するものである。
次に、図5(b)に示すように、複数の抵抗体26における上面電極25と接続されていない辺にレーザを照射して、にじみ26aを除去する。
次に、図5(c)に示すように、シート状の基板21の裏面に形成した位置認識マーク24を透過光により認識し、位置を微調整をしながら、レーザによりシート状の基板21の上面に1次分割溝27と2次分割溝28を形成し、さらに複数の上面電極25間の抵抗体26の抵抗値を一定の値に調整するために、レーザトリミング工法によりトリミングを行い、トリミング溝29を形成する。この1次分割溝27は、抵抗体26の有効部分、すなわち上面電極25と重なっていない部分の抵抗体26が、複数の1次分割溝27間のほぼ中央になるように位置調整される。2次分割溝28は、抵抗体26が、2次分割溝28間のほぼ中央になるようにする。この1次分割溝27と2次分割溝28の形成は、トリミング溝29の形成後に行っても良いが、1次分割溝27や2次分割溝28を形成するときに基板21が高温となって抵抗値が変動する場合があるため、トリミング溝29を形成する前に行う方がよく、位置認識マーク24の形成後や上面電極25の形成後に行っても良い。
次に、図5(d)に示すように、少なくとも複数の抵抗体26の全体を覆うように、スクリーン印刷工法により樹脂を主成分とする保護膜30を形成し、ピーク温度200℃の硬化プロファイルで硬化することにより、保護膜30を安定な膜とする。
次に、図5(d)に示す1次分割溝27の部分でシート状の基板21を分割し、そしてその分割によって現れた端面に樹脂電極を塗布し、かつ硬化させることによって端面電極31を形成し、図6(a)に示すような短冊状の基板21aを構成する。なお、この端面電極31は、上面電極25および裏面電極22と電気的に導通するように、その一部が短冊状の基板21aの上面と裏面に回り込むようにする。
次に、図6(a)に示す短冊状の基板21aにおける2次分割溝28の部分で分割することにより、図6(b)に示すような個片状の基板21bを構成する。
最後に、図6(c)に示すように、上面電極25の露出部分と端面電極31および裏面電極22の表面にニッケルめっきを施し、その後、はんだめっきまたはスズめっきを施すことにより、めっき層32を形成して、チップ抵抗器を製造する。
上記した本発明の実施の形態2におけるチップ抵抗器の製造方法においては、本発明の実施の形態1における効果に加えて、裏面電極22のにじみ22aをレーザで除去したときに同時に形成した位置認識マーク24を基準にして、上面電極25のにじみ25aの除去と、1次分割溝27の形成を行うようにしているため、上面電極25と1次分割溝27の位置関係を精度良く合わせることができ、その結果、裏面電極22の寸法を高精度に形成することができるため、電極間ショートやマンハッタン現象を抑制することができるものである。また、基板21の両面に1次分割溝27を形成しなくても上面電極25と裏面電極22の位置合わせを行うことができるため、両面に1次分割溝27を形成する場合と比べてコストを削減できるという効果を有するものである。
さらに、裏面電極22と同じ材料、すなわち金レジネートペーストで金色の下地23を形成しているため、レーザで下地23の一部を除去してアルミナからなる白色のシート状の基板21を露出させるだけで位置認識マーク24を容易に形成することができ、その結果、下地23がなくて基板21自体に直接加工する場合に比べて、必要となるレーザの出力が小さくて済むため、設備や電気代等のコストの低減が図れるとともに、基板21と下地23の色相の差を利用することにより、位置認識も容易に高精度に行うことができるという効果が得られるものである。
なお、上記本発明の実施の形態2においては、シート状の基板21の裏面に位置認識マーク24を形成したものについて説明したが、シート状の基板21の上面に形成しても良く、この場合、位置認識マーク24の下地23を上面電極25と同じ材料で形成し、そしてこのシート状の基板21の上面に形成した位置認識マーク24を基準にして、裏面電極22の形成やレーザによるにじみ22aの除去、1次分割溝27の形成を基準にして行うようにすれば、上記本発明の実施の形態2と同様の作用効果が得られるものである。
また、上記本発明の実施の形態2においては、シート状の基板21の裏面に形成した下地23をレーザで部分的に除去することによって十字状の位置認識マーク24を形成したものについて説明したが、この位置認識マーク24は十字以外の形状でも良く、例えば円形や鍵型などでも良い。また、位置認識マーク24の下地23がなくて、位置認識マーク24をシート状の基板21に直接加工して形成した場合でも、上記本発明の実施の形態2と同様の作用効果が得られるものである。
そしてまた、上記本発明の実施の形態2においては、シート状の基板21の裏面に形成した下地23をレーザで部分的に除去することによって十字状の位置認識マーク24を形成したものについて説明したが、裏面電極22または上面電極25を印刷する際に同時に印刷パターンで位置認識マーク24を形成しても良く、この場合においても、上記本発明の実施の形態2と同様の作用効果が得られるものである。
さらに、上記本発明の実施の形態2においては、1次分割溝27や2次分割溝28をシート状の基板21の上面に形成したものについて説明したが、この1次分割溝27や2次分割溝28はシート状の基板21の裏面あるいはシート状の基板21の上面と裏面の両面に形成しても良いものである。
(実施の形態3)
図7(a)〜(d)、図8(a)〜(d)および図9(a)〜(d)は本発明の実施の形態3におけるチップ抵抗器の製造方法を示す製造工程図である。
以下、本発明の実施の形態3におけるチップ抵抗器の製造方法について、図7(a)〜(d)、図8(a)〜(d)および図9(a)〜(d)を参照しながら説明する。
まず、図7(a)に示すように、分割溝を持たないアルミナ等の磁器からなる絶縁性を有するシート状の基板33を用意する。そしてこのシート状の基板33の上面に、金を主成分とする金レジネートペーストをスクリーン印刷し、ピーク温度850℃の焼成プロファイルで焼成することにより、複数の上面電極34を形成する。この場合、複数の上面電極34は設計目標値より若干大きめに形成するが、複数の上面電極34をスクリーン印刷により形成した場合、複数の上面電極34の対向する辺ににじみ34aが発生するものである。
次に、図7(b)に示すように、複数の上面電極34の対向する辺をレーザにより除去し、さらにレーザにより、シート状の基板33の四隅近傍の4ヶ所に、シート状の基板33を貫通する位置認識マーク35を形成する。このレーザによる対向する辺の除去により、複数の上面電極34の対向する辺に発生したにじみ34aは除去されるため、上面電極34は設計寸法通りの寸法となる。
次に、図7(c)に示すように、シート状の基板33を貫通するように形成した位置認識マーク35により位置を微調整しながら、シート状の基板33の裏面に金を主成分とする金レジネートペーストをスクリーン印刷し、ピーク温度850℃の焼成プロファイルで焼成することにより、裏面電極36を形成する。この場合、複数の裏面電極36は設計目標値より若干大きめに形成するが、複数の裏面電極36をスクリーン印刷により形成した場合、複数の裏面電極36の対向する辺ににじみ36aや位置ずれが発生するものである。
次に、図7(d)に示すように、シート状の基板33を貫通するように形成した位置認識マーク35により位置を微調整しながら、複数の裏面電極36の対向する辺をレーザにより除去する。このレーザによる除去により、複数の裏面電極36の対向する辺に発生したにじみ36aは除去され、裏面電極36と上面電極34が基板33を挟んで対向するような位置に調整される。
次に、図8(a)に示すように、複数の上面電極34に一部が重なるように、すなわち複数の上面電極34と電気的に接続されるように、スクリーン印刷工法により酸化ルテニウム系の複数の抵抗体37を前記シート状の基板33の上面に形成し、ピーク温度850℃の焼成プロファイルで焼成することにより、抵抗体37を安定な膜とする。そしてこの抵抗体37をスクリーン印刷により形成した場合、複数の抵抗体37における上面電極34と接続されていない辺ににじみ37aが発生するものである。
次に、図8(b)に示すように、複数の抵抗体37における上面電極34と接続されていない辺にレーザを照射して、にじみ34aを除去するとともに、複数の上面電極34間の抵抗体37の抵抗値を一定の値に調整するために、レーザトリミング工法によりトリミングを行い、トリミング溝38を形成する。
次に、図8(c)に示すように、少なくとも複数の抵抗体37の全体を覆うように、スクリーン印刷工法により樹脂を主成分とする保護膜39を形成し、ピーク温度200℃の硬化プロファイルで硬化することにより、保護膜39を安定な膜とする。
次に、図8(d)に示すように、シート状の基板33を貫通するように形成した位置認識マーク35により位置を微調整しながら、シート状の基板33にダイシング工法によってシート状の基板33を厚み方向に貫通する第1のスリット40を形成する。このとき、第1のスリット40はシート状の基板33の幅よりも短く形成して、シート状の基板33の両端部に第1のスリット40を形成しない部分を残すことにより、シート状の基板33を複数の短冊状の基板33aの集合体とする。この場合、第1のスリット40は裏面電極36と上面電極34をほぼ2等分する位置に設ける。長さが0.6mmの角チップ抵抗器の場合、第1のスリット40の幅は0.1mmであり、かつ第1のスリット40のピッチは0.7mmである。
次に、図9(a)に示すように、第1のスリット40と同じピッチ(すなわち0.7mm)に、第1のスリット40よりも幅が広い貫通溝を有するメタルマスク41をシート状の基板33の上面に、第1のスリット40とメタルマスク41の溝が重なるように貼り合わせ、シート状の基板33の上面側からNiCrなどの金属材料をスパッタリングして、シート状の基板33の上面の一部と第1のスリット40の内側面に金属薄膜よりなる端面電極42を形成する。
次に、図9(b)に示すように、シート状の基板33に、第1のスリット40と直交する方向に、抵抗体37を切断しないような位置に第2のスリット43を形成して、図9(c)に示すような個片状の基板33bに分割する。
最後に、図9(d)に示すように、上面電極34の露出部分と金属薄膜よりなる端面電極42および裏面電極36の表面にニッケルめっきを施し、その後、はんだめっきまたはスズめっきを施すことにより、めっき層44を形成して、チップ抵抗器を製造する。
上記した本発明の実施の形態3におけるチップ抵抗器の製造方法においては、本発明の実施の形態1および実施の形態2における効果に加えて、個片状の基板33bの長手方向の寸法がダイシング工法によって形成される第1のスリット40の間隔によって決まるため、1次分割溝による分割の場合のような分割バリが発生することはなく、その結果、寸法が安定するとともに、同じ位置認識マーク35を基準にして、裏面電極36の対向する辺に発生したにじみ36aの除去と、第1のスリット40の形状を行うようにしているため、第1のスリット40を裏面電極36の中央に精度良く形成することができ、その結果、個片状の基板33bにおける裏面電極寸法を高精度に形成することができるため、電極間ショートやマンハッタン現象を抑制することができるという効果が得られるものである。
また、上記本発明の実施の形態3においては、シート状の基板33を貫通するように形成した位置認識マーク35によって位置認識を行うようにしているため、透過光を用いて位置認識を行う場合に比べて遥かに容易にシート状の基板33の上面および裏面の両面で反射光による位置認識ができ、その結果、裏面電極36の寸法精度の向上が図れるという効果が得られるものである。
なお、上記本発明の実施の形態3においては、シート状の基板33の上面側からスパッタリングして金属薄膜よりなる端面電極42を形成したものについて示したが、シート状の基板33の裏面側にメタルマスク41を貼って、シート状の基板33の裏面側からスパッタリングして金属薄膜よりなる端面電極42を形成しても良いものである。
また、上記本発明の実施の形態3においては、先に上面電極34の対向する辺に発生したにじみ34aをレーザにより除去し、その後、レーザによりシート状の基板33の上面側からシート状の基板33を貫通する位置認識マーク35を形成したものについて説明したが、先にシート状の基板33の裏面側からシート状の基板33を貫通する位置認識マーク35をレーザにより形成し、その後、この位置認識マーク35を基準にして、レーザにより上面電極34の対向する辺に発生したにじみ34aを除去するようにした場合でも、上記本発明の実施の形態3と同様の効果が得られるものである。
そしてまた、上記本発明の実施の形態3においては、第1のスリット40でシート状の基板33を複数の短冊状の基板33aの集合体にする場合について説明したが、シート状の基板33を完全に切断して短冊状の基板33aを構成し、そしてこの短冊状の基板33aに端面電極を塗布などによって形成しても良いものである。しかし、この場合は、短冊状の基板33aの集合体を用いた方が、一度の位置認識でシート状の基板33を個片状の基板33bに切断するために必要な位置認識を行うことができ、また複数の短冊状の基板33aに対して同時に第2のスリット43を形成することにより、非常に量産性よく製造できるため、第1のスリット40で完全にシート状の基板33を切断しない方が望ましいものである。
本発明にかかるチップ抵抗器の製造方法は、シート状の基板の裏面に裏面電極をスクリーン印刷で形成したときに裏面電極ににじみが発生したとしても、この裏面電極のにじみをレーザにより除去することができるため、裏面電極のにじみや位置ずれによる裏面電極幅の寸法ばらつきも抑制されて、対向する裏面電極の寸法ばらつきによる電極間ショートやマンハッタン(チップ立ち)現象の抑制が図れるという効果を有するもので、特に微小のチップ抵抗器に適用することにより有用となるものである。
(a)〜(d)本発明の実施の形態1におけるチップ抵抗器の製造方法を示す製造工程図 (a)〜(f)同チップ抵抗器の製造方法を示す製造工程図 チップ抵抗器の断面図 (a)〜(d)本発明の実施の形態2におけるチップ抵抗器の製造方法を示す製造工程図 (a)〜(d)同チップ抵抗器の製造方法を示す製造工程図 (a)〜(c)同チップ抵抗器の製造方法を示す製造工程図 (a)〜(d)本発明の実施の形態3におけるチップ抵抗器の製造方法を示す製造工程図 (a)〜(d)同チップ抵抗器の製造方法を示す製造工程図 (a)〜(d)同チップ抵抗器の製造方法を示す製造工程図 (a)〜(c)従来のチップ抵抗器の製造方法を示す製造工程図 (a)〜(d)同チップ抵抗器の製造方法を示す製造工程図
符号の説明
11 1次分割溝
12 2次分割溝
13 シート状の基板
13a 短冊状の基板
13b 個片状の基板
14 上面電極
14a にじみ
15 裏面電極
15a にじみ
16 抵抗体
16a にじみ
18 保護膜
19 端面電極
21 シート状の基板
21a 短冊状の基板
21b 個片状の基板
22 裏面電極
22a にじみ
24 位置認識マーク
25 上面電極
25a にじみ
26 抵抗体
26a にじみ
27 1次分割溝
28 2次分割溝
30 保護膜
31 端面電極
33 シート状の基板
33a 短冊状の基板
33b 個片状の基板
34 上面電極
34a にじみ
35 位置認識マーク
36 裏面電極
36a にじみ
37 抵抗体
37a にじみ
39 保護膜
40 第1のスリット
42 端面電極
43 第2のスリット

Claims (7)

  1. シート状の基板の裏面にレジネートペーストをスクリーン印刷して焼成することにより裏面電極を形成する工程と、前記裏面電極の対向する辺をレーザにより除去するとともに、シート状の基板の裏面にレーザで位置認識マークを形成する工程と、前記シート状の基板の上面に前記位置認識マークを基準にしてレジネートペーストをスクリーン印刷して焼成することにより上面電極を形成する工程と、前記位置認識マークを基準にしてシート状の基板に1次分割溝を形成する工程と、前記上面電極間に抵抗体を形成する工程と、前記抵抗体を覆うようにシート状の基板の上面に保護膜を形成する工程と、前記1次分割溝に沿ってシート状の基板を分割することにより短冊状の基板を得る工程と、前記短冊状の基板の側面に上面電極と裏面電極を電気的に接続するように端面電極を形成する工程と、前記短冊状の基板を分割または切断することにより個片状の基板を得る工程と、前記上面電極の露出部分と端面電極および裏面電極を覆うめっき層を形成する工程とを備えたチップ抵抗器の製造方法。
  2. シート状の基板の裏面にレジネートペーストをスクリーン印刷して焼成することにより裏面電極を形成する工程と、前記裏面電極の対向する辺をレーザにより除去するとともに、シート状の基板の裏面にレーザで位置認識マークを形成する工程と、前記シート状の基板の上面に前記位置認識マークを基準にしてレジネートペーストをスクリーン印刷して焼成することにより上面電極を形成する工程と、前記上面電極間に抵抗体を形成する工程と、前記抵抗体を覆うようにシート状の基板の上面に保護膜を形成する工程と、前記位置認識マークを基準にしてシート状の基板を切断することにより短冊状の基板を得る工程と、前記短冊状の基板の側面に上面電極と裏面電極を電気的に接続するように端面電極を形成する工程と、前記短冊状の基板を分割または切断することにより個片状の基板を得る工程と、前記上面電極の露出部分と端面電極および裏面電極を覆うめっき層を形成する工程とを備えたチップ抵抗器の製造方法。
  3. 上面電極の対向する辺を位置認識マークを基準にしてレーザにより除去する工程を備えた請求項または記載のチップ抵抗器の製造方法。
  4. 位置認識マークを形成する位置の周辺を上面電極または裏面電極と同じ材料で覆うようにした請求項1〜3のいずれかに記載のチップ抵抗器の製造方法。
  5. 位置認識マークをシート状の基板を貫通する貫通穴で形成した請求項1〜4のいずれかに記載のチップ抵抗器の製造方法。
  6. シート状の基板の上面にレジネートペーストをスクリーン印刷して焼成することにより上面電極と位置認識マークを同時に形成する工程と、前記シート状の基板の裏面にレジネートペーストをスクリーン印刷して焼成することにより裏面電極を形成する工程と、前記裏面電極の対向する辺を前記位置認識マークを基準にしてレーザにより除去する工程と、前記位置認識マークを基準にしてシート状の基板に1次分割溝を形成する工程と、前記上面電極間に抵抗体を形成する工程と、前記抵抗体を覆うようにシート状の基板の上面に保護膜を形成する工程と、前記1次分割溝に沿ってシート状の基板を分割することにより短冊状の基板を得る工程と、前記短冊状の基板の側面に上面電極と裏面電極を電気的に接続するように端面電極を形成する工程と、前記短冊状の基板を分割または切断することにより個片状の基板を得る工程と、前記上面電極の露出部分と端面電極および裏面電極を覆うめっき層を形成する工程とを備えたチップ抵抗器の製造方法。
  7. シート状の基板の上面にレジネートペーストをスクリーン印刷して焼成することにより上面電極と位置認識マークを同時に形成する工程と、前記シート状の基板の裏面にレジネートペーストをスクリーン印刷して焼成することにより裏面電極を形成する工程と、前記裏面電極の対向する辺を前記位置認識マークを基準にしてレーザにより除去する工程と、前記上面電極間に抵抗体を形成する工程と、前記抵抗体を覆うようにシート状の基板の上面に保護膜を形成する工程と、前記位置認識マークを基準にしてシート状の基板を切断することにより短冊状の基板を得る工程と、前記短冊状の基板の側面に上面電極と裏面電極を電気的に接続するように端面電極を形成する工程と、前記短冊状の基板を分割または切断することにより個片状の基板を得る工程と、前記上面電極の露出部分と端面電極および裏面電極を覆うめっき層を形成する工程とを備えたチップ抵抗器の製造方法。
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