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JP4277397B2 - 冷凍装置 - Google Patents

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JP4277397B2
JP4277397B2 JP34281899A JP34281899A JP4277397B2 JP 4277397 B2 JP4277397 B2 JP 4277397B2 JP 34281899 A JP34281899 A JP 34281899A JP 34281899 A JP34281899 A JP 34281899A JP 4277397 B2 JP4277397 B2 JP 4277397B2
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泰城 村上
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    • F25REFRIGERATION OR COOLING; COMBINED HEATING AND REFRIGERATION SYSTEMS; HEAT PUMP SYSTEMS; MANUFACTURE OR STORAGE OF ICE; LIQUEFACTION SOLIDIFICATION OF GASES
    • F25BREFRIGERATION MACHINES, PLANTS OR SYSTEMS; COMBINED HEATING AND REFRIGERATION SYSTEMS; HEAT PUMP SYSTEMS
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    • F25B2341/001Ejectors not being used as compression device
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    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F25REFRIGERATION OR COOLING; COMBINED HEATING AND REFRIGERATION SYSTEMS; HEAT PUMP SYSTEMS; MANUFACTURE OR STORAGE OF ICE; LIQUEFACTION SOLIDIFICATION OF GASES
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    • F25B2341/0013Ejector control arrangements

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  • Compression-Type Refrigeration Machines With Reversible Cycles (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、ビルや住宅の空調、食品の貯蔵や加工などのための冷凍冷蔵に用いる冷凍装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図14は、従来の冷凍装置の系統図である。図において、1は、冷凍装置であり、圧縮機2、凝縮器3、流量制御手段4、および蒸発器5が、配管6によって順次、接続されて構成されている。上記圧縮機2は、配管内を流れる媒体を圧縮し、吐出する。また、上記凝縮器3は、外気などと熱交換させることによって媒体を凝縮、即ち液化させるものである。上記流量制御手段4は、一般的に、配管6よりもさらに細い管径をもつ毛細管や、主として円錐形の弁体をもつ弁の開き度合いを変化させて流量を制御する膨張弁が用いられる。上記蒸発器5は、配管内の媒体を空気や水などと熱交換させて蒸気に変化させるものである。
【0003】
次に動作について説明する。図15は、従来装置において配管中を流れる媒体の状態変化を示す圧力−エンタルピー線図である。図中の点線1は、配管内を流れる媒体の飽和液線を示し、点線2は、飽和蒸気線を示す。媒体は、飽和液線の左側で液体状態に、飽和蒸気線の右側で蒸気に、また、飽和液線と飽和蒸気線の間では蒸気と液体が混ざった湿り蒸気になる。一方、図中の実線部分が媒体の状態変化を示す圧力−エンタルピー線図であり、実線▲2▼▲3▼は状態▲3▼を通る等エンタルピー線、実線▲2▼▲3▼’は状態▲3▼を通る等エントロピー線である。
【0004】
図15において、▲1▼は、圧縮機から吐出された媒体の状態を示すもので、圧縮された媒体は高温高圧の蒸気となっている。蒸気となった媒体が凝縮器を通ると外気と熱交換して凝縮し、高温高圧の液体▲2▼に変化する。次いで、液体となった媒体は、流量制御手段4で断熱膨張して低温低圧の湿り蒸気▲3▼になる。さらに、蒸発器5を通って空気や水と熱交換して蒸発し、低温低圧の蒸気▲4▼に変化する。低温低圧の蒸気▲4▼となった媒体は再び圧縮機2に送られて高温高圧の蒸気▲1▼となる冷凍サイクルが繰り返される。
【0005】
ところで、理想的な状態変化である等エントロピー変化による減圧を実現できる場合、凝縮器で高温高圧の液体▲2▼に変化した媒体は、エントロピーが増大することなく低温低圧の湿り蒸気▲3▼'に変化する。この場合、装置の冷却能力は状態▲4▼と状態▲3▼’におけるエンタルピー差であり、上記▲3▼▲4▼の等エンタルピー変化における冷却能力よりも大きくなる。
【0006】
しかしながら、上記流量制御手段4は、上述したように、一般に、細い管径をもつ毛細管や弁の開閉度調整で制御する膨張弁などが用いられている。毛細管を利用した制御では、高温高圧の液体となった媒体は毛細管を流れる際の圧力損失によって減圧し、液体の一部が毛細管の途中から蒸発しながら増速し、大きな圧損を生じて低温低圧の湿り蒸気に変化する。このように高速で流れる際の圧損は不可逆変化をともなうため、媒体が持つエネルギーの一部▲3▼▲3▼’を失う上記▲2▼▲3▼のような等エンタルピー変化になる。また、膨張弁を用いた冷凍装置の場合も弁を通過する際に生じる衝撃波によって媒体が持つエネルギーの一部▲3▼▲3▼’を失う等エンタルピー変化▲2▼▲3▼となり、媒体の蒸発によって得られる冷却能力は、やはり、状態▲4▼と状態▲3▼におけるエンタルピー差である。
【0007】
また、例えば、空気調和・衛生工学会論文集No.70、1998に記載される冷凍装置が検討されている。これは上記圧縮機、凝縮器および蒸発器が設置された従来の冷凍装置に、新たに速度上昇ノズル、低圧室、混合室および圧力回復させるディフューザからなるエジェクタおよび気液分離器を備えたものである。凝縮器から出た高温高圧の蒸気となった媒体は、上記エジェクタと気液分離器の働きによって、圧力回復するとともに、理想的な等エントロピー変化になり、大きな冷却能力で運転できる。しかしながら、この従来装置では、結局、気液分離器や新たな機器を装備する装置構成になって、大型化したり、コストが高くなったり、高精度な流量制御が必要となるなどの問題があった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
従来の冷凍装置では、凝縮器から流出する高温高圧の冷媒がバルブなどで流量制御される際に圧力損失を起こしたり、衝撃波の発生によって減圧されたりするために、本来、蒸発器で得られる冷却能力が低下し、冷凍装置全体の冷却効率を極めて悪くしている問題があった。また、この改善のために、従来、気液分離器などが使用されていたが、これではコストが高くなったり、高精度な流量制御が必要になり問題があった。
【0009】
この発明は、これら従来の問題点を解消するためのもので、高コストで高精度な媒体制御機器を用いることなく媒体の圧力損失を低減し、廉価で、かつ容易に高効率な冷却サイクルで運転できる冷凍装置を提供するものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明において、第1の構成による冷凍装置は、圧縮、凝縮器、蒸発器、これらを順次接続するメイン流路、上記凝縮器から流出する媒体メイン流路から分岐するバイパス流路、上記バイパス流路に設けられ、上記バイパス流路の媒体を減圧する減圧手段、上記凝縮器と前記蒸発器との間に設置され、上記バイパス流路の媒体を引き込む駆動手段上記バイパス流路の媒体とメイン流路の媒体を合流させる合流手段と合流した媒体を昇圧させる昇圧手段とを有する媒体制御手段、および上記バイパス流路に設置された第2の蒸発器を備えたものである。
【0011】
本発明の第2の構成による冷凍装置は、上記第2の蒸発器は、上記減圧手段の下流に配置され、上記バイパス流路を流れる媒体は、上記減圧手段、第2の蒸発器と順に流れた後に上記駆動手段に引き込まれるものである。
【0012】
本発明の第3の構成による冷凍装置は、上記第2の蒸発器は、上記メイン流路の蒸発器で冷却された水または空気と上記バイパス流路の媒体とを熱交換するものである。
【0013】
本発明の第4の構成による冷凍装置は、上記駆動手段は、上記メイン流路の媒体を加速するノズルと上記バイパス流路の媒体を引き込む低圧室とを有し、上記昇圧手段は、ディフューザで構成されるものである。
【0014】
本発明の第5の構成による冷凍装置は、上記媒体制御手段は、先細末広ノズルで構成されるものである。
【0015】
本発明の第6の構成による冷却装置は、上記媒体制御手段は、隘路を持つオリフィスで構成されるものである。
【0016】
本発明の第7の構成による冷凍装置は、上記媒体制御手段は、弁体、弁座および上記弁体を駆動して上記弁体と上記弁座との隙間の面積を調整することにより媒体の流量を制御する弁駆動装置を有するものである。
【0018】
【発明の実施の形態】
実施の形態1.
以下、本発明に係る冷凍装置の実施の形態1について説明する。図1は、実施の形態1による冷凍装置の系統図を示したものである。図において、1は本発明による冷凍装置であり、2は通常、配管内を流れる媒体を圧縮し、吐出する圧縮機、3は外気などと熱交換させることによって蒸気状態にある媒体を凝縮して液化させる凝縮器、5は空気や水などと熱交換させて媒体を蒸気に変化させる蒸発器であり、配管6によって順次、接続されて構成されている。また、図に示すように、上記凝縮器3と上記蒸発器5の間には、本発明による媒体制御装置500が配管6で接続されて設置されている。上記媒体制御装置500は、上記凝縮器3から流出する媒体の流量、圧力、温度または状態を制御するためのもので、この装置500には上記凝縮器3から吐出する媒体のメイン流路301から分岐するバイパス流路302が設置されている。上記バイパス流路302にはこのバイパス流路302を流れる媒体を減圧する減圧手段303、およびこのバイパス流路302の媒体を駆動する駆動手段201が設置されている。また、上記メイン流路301には、上記バイパス流路302を流れる媒体と上記メイン流路301を流れる媒体とを合流させる合流手段202、合流後のメイン流路の媒体を昇圧させる昇圧手段203が設置された媒体制御手段200、および上記メイン流路301を流れる媒体を冷却させる冷却手段304が設けられている。
【0019】
次に、本実施の形態による冷凍装置の動作について説明する。図2は、本発明の冷凍装置による動作を示す圧力−エンタルピー線図である。図2に示すように圧縮機2で圧縮された媒体は高温高圧の蒸気▲1▼となり、次いで凝縮器3において空気と熱交換して凝縮し、圧力を保った状態で液体▲2▼に変化する。この液化した媒体▲2▼は、メイン流路301、およびメイン流路301と分岐したバイパス流路302に分かれて流れる。バイパス流路302を流れる一部の媒体▲2▼は、減圧手段303を通る際に断熱膨張し、減圧されて低温低圧の湿り蒸気▲3▼’に変化し、その後、冷却手段304において、メイン流路301を通り媒体制御手段200から流出する媒体と熱交換し、加熱されて過熱蒸気▲4▼’に変化する。上記冷却手段304を通ったバイパス流路の媒体は、バイパス流路に設けた駆動手段201に駆動され、媒体制御手段200内に引込まれて状態▲5▼’になる。一方、凝縮器3からメイン流路301側へ流れる残りの媒体▲2▼は、媒体制御手段200へ供給され、この中で増速しながら等エントロピー変化に近い状態で減圧されて湿り蒸気状態▲5▼に変化する。このメイン流路を流れる媒体▲5▼は、合流手段202において、前述のバイパス流路から媒体制御手段200内に引込まれたバイパス流路の媒体▲5▼’と合流して状態▲6▼になり、さらに、昇圧手段203において、等エントロピー変化に近い状態で昇圧されて状態▲7▼に変化する。圧力回復した媒体は、その後、冷却手段304でバイパス流路を流れる媒体と熱交換し、冷却されて状態▲3▼となり、蒸発器5において、空気や水などと熱交換し、低温低圧の蒸気状態▲4▼に変化した後、再び圧縮機2に送られる。このようにして上記の冷却サイクルが繰り返される。
【0020】
以上説明したように、本発明の実施の形態1によれば、媒体制御装置500を設けたことにより、メイン流路を流れる媒体が状態▲3▼から状態▲4▼のように圧損の少ないほぼ理想的なエネルギー変換をする冷却サイクルを容易に実現できる。したがって、装置の冷却能力が向上し、エネルギー損失の少ない高効率な運転が可能となる。
【0021】
実施の形態2.
次に、本発明の実施の形態2による冷凍装置について説明する。本発明は図1に示した系統図において、メイン流路を流れる媒体を冷却させる冷却手段304として、バイパス流路の媒体と熱交換を行う熱交換器を用いた冷凍装置である。このように冷却手段として熱交換器を設置したことにより、上記実施の形態1と同様に、ほぼ理想的なエネルギー変換をする冷却サイクルを容易に実現できる。
【0022】
実施の形態3.
次に、本発明の実施の形態3による冷凍装置について説明する。図3は、本発明の実施の形態3による装置の系統図である。図3において、32はメイン流路の媒体を冷却するための熱交換器であり、駆動手段、合流手段および昇圧手段を設置した媒体制御手段200の設置位置よりも上流側に設置されている。また、31はバイパス流路を流れる媒体の減圧手段としての流量調整バルブであり、バイパス配管30によって上記熱交換器32および媒体制御手段200に順次、接続されている。
【0023】
次に、本実施の形態による冷凍装置の動作について説明する。図4は、本発明の冷凍装置による動作を示す圧力−エンタルピー線図である。図4に示すように圧縮機2で圧縮された媒体は高温高圧の蒸気▲1▼となり、凝縮器3で空気と熱交換して凝縮し、高温高圧の液体▲2▼’に変化する。この液化した媒体▲2▼’は、メイン流路301、およびメイン流路301と分岐したバイパス流路302に分かれて流れる。バイパス流路302を流れる一部の媒体▲2▼’は、減圧手段である流量調整バルブ31において断熱膨張し、減圧されて低温低圧の湿り蒸気状態▲3▼’に変化した後、熱交換器32においてメイン流路301を流れる媒体と熱交換し、加熱されて過熱蒸気状態▲4▼’に変化する。上記熱交換器32を通ったバイパス流路の媒体は、媒体制御手段200内に引込まれて状態▲5▼’になる。一方、凝縮器3からメイン流路301側へ流れる残りの媒体▲2▼’は、上記熱交換器32で冷却されて状態▲2▼になる。その後、媒体制御手段200へ供給され、この中で等エントロピー変化に近い状態で減圧されて湿り蒸気状態▲5▼に変化する。このメイン流路を流れる媒体▲5▼は、バイパス流路から媒体制御手段200内に引込まれたバイパス流路の媒体▲5▼’と合流して状態▲6▼になり、さらに、等エントロピー変化に近い状態で昇圧されて状態▲3▼に変化する。その後、媒体は蒸発器5において、空気や水などと熱交換し、低温低圧の蒸気状態▲4▼に変化した後、再び圧縮機2に送られて高温高圧の蒸気▲1▼となり、上記の冷却サイクルが繰り返される。
【0024】
このように冷却手段を、駆動手段、合流手段および昇圧手段よりも上流側に設置した場合においても、バイパス流路の媒体の圧力、すなわち温度をメイン流路の媒体の温度よりも低くでき、熱交換器32の設置によって媒体の過冷却度を大きくできるために、やはり、エネルギー損失の少ない冷却能力の高い高効率な運転が可能となる。
【0025】
実施の形態4.
次に、本発明の実施の形態4について説明する。図5は、本発明の実施の形態4による冷凍装置を示す系統図である。図において、18は冷却手段としてバイパス流路に設置した熱交換器であり、駆動手段、合流手段および昇圧手段であるエジェクタ10の下流側に設置されている。17は流量調整バルブ、16はバイパス配管である。また、エジェクタ10は前述の媒体制御手段200と同様の機能を持つエジェクタであり、ケーシング11内にメイン流路の媒体の流速を加速させるノズル12、バイパス流路の媒体を駆動して引き込む低圧室13、メイン流路の媒体とバイパス流路の媒体を合流させる合流室14およびメイン流路の媒体を昇圧させるディフューザ15から構成されている。
【0026】
このように熱交換器18を駆動手段、合流手段および昇圧手段の設置位置よりも下流側のバイパス流路に設置して、媒体制御手段である上記エジェクタから流出するメイン流路の媒体を効率よく冷却することにより、理想的な等エントロピー変化の状態に制御できる。そのため、やはり冷却能力の高い高効率な運転が可能となる。
【0027】
実施の形態5.
次に、本発明の実施の形態5による冷凍装置について説明する。図6に本発明の冷却装置の系統図を示した。図において、36はバイパス流路に設置された第2の蒸発器であり、蒸発器5で冷却された水または空気とバイパス流路から流出する媒体と熱交換して気化させるものである。このようにバイパス流路に第2の蒸発器を設置し、熱交換を行って媒体を気化させた後にメイン流路の媒体と合流させるようにしたことにより、やはり媒体をエネルギー損失の少ない理想的な状態に制御できる。そのため、冷却効率の高い運転が可能となる。
【0028】
実施の形態6.
図7、図8および図9は、本発明の実施の形態6による冷凍装置の媒体制御手段部の拡大図である。図7に示した装置は、媒体制御手段200に、バイパス流路からの媒体を合流させるための合流口305を備えた先細末広ノズルが使用され、メイン流路301に設置したものである。図8は、媒体制御手段200として、内部を流れる媒体の流路を絞る隘路を持つオリフィスを使用し、バイパス流路からの媒体を合流させるための合流口305を備えたものである。また、図9は、媒体制御手段200に、膨張弁を使用したものであり、41はケーシング、42は弁体、43は弁座、44は上記弁体42を駆動する弁駆動装置、45はメイン流路からの媒体を膨張弁に流入させる流入管、50はメイン流路の媒体を膨張弁から流出させるテーパーを付けた流出管、305はバイパス流路からの媒体を合流させるための合流口である。上記膨張弁は、弁体42と弁座43の隙間の面積を弁駆動装置44で調整することにより媒体の流量を制御している。
【0029】
このようにバイパス流路の媒体を駆動させる駆動手段と、バイパス流路の媒体とメイン流路の媒体を合流させる合流手段とが、少なくとも媒体が流れる流路の断面積を小さくするするよう絞り込まれた隘路およびバイパスからの媒体の合流口を備えた構造体にすることにより、媒体のエネルギー損失が少ない理想的な状態制御ができ、効率的な運転ができる。
【0030】
実施の形態7.
図10は、本発明の実施の形態7による冷凍装置の系統図である。図10において、100は媒体の温度を測定する温度測定器、101は媒体の圧力を測定する圧力測定器で、冷却手段304と媒体制御装置200の間のメイン流路301に設置されている。また、102は飽和温度算出手段、103は過冷却度算出手段であり、算出された過冷却度に応じてバイパス流路に設けた減圧手段303に信号を送ってバイパス流路の媒体の流量を制御している。図11は、本発明の実施の形態7による同様な冷凍装置の系統図であり、温度測定器100および圧力測定器101により測定された媒体の温度と圧力から飽和温度算出手段102および過冷却度算出手段103により求められる過冷却度に応じて膨張弁の弁駆動装置44に信号を送ってメイン流路の媒体の流量を制御している。
【0031】
上記実施の形態7のように構成することによって、やはり、媒体をエネルギー損失の少ない理想的な状態に制御できる。上記実施例では、過冷却度を算出して制御する場合について説明したが、上記温度測定器および圧力測定器を蒸発器と圧縮機の間に設置し、圧縮機に入る前の媒体の過熱度を算出して減圧手段または媒体制御手段を制御してもよい。また、熱交換器から媒体制御手段に至るバイパス配管内の媒体の温度、圧力を測定して過熱度を算出し、その過熱度に応じて減圧手段または媒体制御手段を制御してもよい。さらに、上記制御パラメータの信号を圧縮機に送って制御しても同様の効果が得られる。
【0032】
実施の形態8.
図12に実施の形態8による冷凍装置の系統図を示す。図12に示した冷凍装置1は、圧縮機2、凝縮器3、蒸発器5およびこれらを順次接続する配管6を備え、上記凝縮器3と上記蒸発器5が流路切換弁400によって動作切換えされるものであり、上記凝縮器3と上記蒸発器5の間に設けられる流路に、実施の形態1で説明した上記バイパス流路、上記減圧手段、上記駆動手段、上記合流手段および上記昇圧手段からなる媒体制御装置500を設置したものである。
【0033】
次に実施の形態8による冷凍装置の動作について説明する。図12に示したように、圧縮機2で圧縮されて高温高圧の蒸気となった媒体は、一方の流路切換弁400を通って凝縮器3に流入し、ここで凝縮されて液体に変化する。上記凝縮器3から吐出した媒体は、もう一方の流路切換弁400を通って、上記凝縮器3と上記蒸発器5の間の流路に設置した媒体制御装置500に流入する。上記媒体制御装置500に流入した媒体は、その中で前述したようにエネルギー損失の少ない状態に制御されて低温低圧の湿り蒸気状態に変化し、蒸発器5に送られて蒸発器5の中で外気や水と熱交換して低温低圧の蒸気に変化する。その後、流路切換弁400を通って再び圧縮機2に送られ、同じサイクルが繰り返される。上記凝縮器3が室外に、蒸発器5が室内に設置されて、冷房運転が行われる場合、以上説明したように、媒体は上記蒸発器5で室内の空気を効率的に冷却できる。一方、上記装置で暖房運転を行う場合には、流路切換弁400によって流路を切換え、圧縮機2から流出する媒体を蒸発器5へ流入させ、上記蒸発器5から流出する媒体を、もう一方の流路切換弁400を切換えて媒体制御装置500へ流れるようにし、さらに、上記媒体制御装置500から出る媒体を、上記媒体制御装置500の下流側に設置した流路切換弁400を切換えて凝縮器3へ送り込むことによって、効率的な暖房運転ができる。上記装置によれば、流路切換弁を切換えるだけで配管内を流れる媒体の流れの方向を全く変えることなく冷暖房運転が可能となる。
【0034】
図13は、実施の形態8による装置の系統図で、流路切換弁400として四方バルブを用いている。図において、(a)は冷房運転、(b)は暖房運転の場合を示している。この図13に示した装置は、上記四方バルブの切換えによって、上述した図12に示した装置の場合と同様に動作して、やはり容易に効率的な運転ができる。
【0035】
以上説明したように、本発明の構成によれば、エネルギー損失の少ない効率的な運転ができるとともに、高価な付帯設備、切換の補修が不要で、一装置、一システムに蒸発器、凝縮器一対で機能させられるため、小型、軽量、安価で、かつ冷房、暖房の切換可能な冷凍装置を実現できる。なお、上述の例では、凝縮器3および蒸発器5が一つづつ設置された場合について説明したが、それぞれが複数台、室外、室内に設置されている場合も、同様な効果がある。
【0036】
【発明の効果】
本発明における冷凍装置は、上記のような構成にしたことにより、いずれの場合においても、高価で高精度な機器を使用することなく、従来、問題となっていた凝縮器から流出する媒体の圧力損失を低減させ、冷却能力、冷却効率を向上させることができる。
したがって、本発明の構成によれば、容易に冷却効率が高いうえに冷却能力の大きなサイクル運転が可能となり、小型、軽量、かつ安価で高性能な冷凍装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態1および2を示す例で、冷凍装置の系統図。
【図2】 本発明の冷凍装置による動作を示す圧力-エンタルピー線図
【図3】 本発明の実施の形態3を示す例で、冷凍装置の系統図
【図4】 本発明の冷凍装置による動作を示す圧力-エンタルピー線図
【図5】 本発明の実施の形態4を示す例で、冷凍装置の系統図
【図6】 本発明の実施の形態5を示す例で、冷凍装置の系統図
【図7】 本発明の実施の形態6を示す例で、媒体制御手段部分の拡大図。
【図8】 本発明の実施の形態6を示す例で、媒体制御手段部分の拡大図。
【図9】 本発明の実施の形態6を示す例で、媒体制御手段部分の拡大図。
【図10】 本発明の実施の形態7を示す例で、冷凍装置の系統図。
【図11】 本発明の実施の形態7を示す例で、冷凍装置の系統図。
【図12】 本発明の実施の形態8を示す例で、冷凍装置の系統図。
【図13】 本発明の実施の形態8を示す例で、冷凍装置の系統図。
【図14】 従来の冷凍装置を示す系統図。
【図15】 従来の冷凍装置の動作を示す圧力-エンタルピー線図。
【符号の説明】
1. 冷凍装置、 2. 圧縮機、3. 凝縮器
4. 流量制御手段、5. 蒸発器、6. 配管
7. 気液分離機、10. エジェクタ、11. ケーシング
12. ノズル、13. 低圧室、14. 合流室
15. ディフューザ、16. バイパス配管、
17. 流量調整バルブ、18. 熱交換器、33. 過冷却測定手段
36. 第2の蒸発器、41. ケーシング、42. 弁体、
43. 弁座、 44. 弁駆動装置、45. 流入管、
50. テーパ付流出管、 100. 温度測定装置、
101. 圧力測定装置、 102. 飽和温度算出手段、
103. 過冷却度算出手段、 200. 媒体制御手段、
201. 駆動手段、202. 合流手段、 203. 昇圧手段、
301. メイン流路、 302. バイパス流路、
303. 減圧手段、 304. 冷却手段、 305. 合流口、
400.流路切換弁、 500. 媒体制御装置

Claims (7)

  1. 圧縮、凝縮器、蒸発器、これらを順次接続するメイン流路、
    上記凝縮器から流出する媒体メイン流路から分岐するバイパス流路
    上記バイパス流路に設けられ、上記バイパス流路の媒体を減圧する減圧手段
    上記凝縮器と上記蒸発器との間に設置され、上記メイン流路の媒体を加速し上記バイパス流路の媒体を引き込む駆動手段上記バイパス流路の媒体とメイン流路の媒体を合流させる合流手段と合流した媒体を昇圧させる昇圧手段とを有する媒体制御手段、
    および上記バイパス流路に設置された第2の蒸発器を備えたことを特徴とする冷凍装置。
  2. 上記第2の蒸発器は、上記減圧手段の下流に配置され、
    上記バイパス流路を流れる媒体は、上記減圧手段、第2の蒸発器と順に流れた後に上記駆動手段に引き込まれることを特徴とする請求項1に記載の冷凍装置。
  3. 上記第2の蒸発器は、上記メイン流路の蒸発器で冷却された水または空気と上記バイパス流路の媒体とを熱交換することを特徴とする請求項1または2に記載の冷凍装置。
  4. 上記駆動手段は、上記メイン流路の媒体を加速するノズルと上記バイパス流路の媒体を引き込む低圧室とを有し、
    上記昇圧手段は、ディフューザであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の冷凍装置。
  5. 上記媒体制御手段は、先細末広ノズルであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の冷凍装置。
  6. 上記媒体制御手段は、隘路を持つオリフィスであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の冷凍装置。
  7. 上記媒体制御手段は、弁体、弁座および上記弁体を駆動して上記弁体と上記弁座との隙間の面積を調整することにより媒体の流量を制御する弁駆動装置を有することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の冷凍装置。
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