JP4255698B2 - テニスシューズ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、テニスシューズに関する。詳細には、本発明は、テニスシューズの底面の改良に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
テニスのラリーでは、プレーヤーは、コートの中を激しく移動しつつストロークを行う。プレーヤーは、相手のストロークからボールの方向を予測し、目標地点に向かって移動する。移動は、足が地面をキックすることで行われる。目標地点に近づくと、プレーヤーはキックを停止してストロークの体勢を整える。この後は、プレーヤーの足は地面とスライドする。短い距離ではあるが、スライドによってプレーヤーの体は前進する。目標地点までの移動の大半はキックによってなされるが、移動の最終段階はスライドによってなされる。目標地点に到達したプレーヤーは、ストロークを行う。次にプレーヤーは体を反転させて地面をキックし、次の目標地点へと移動する。
【0003】
キックによる移動では、テニスシューズと地面とがスリップを起こさないことが好ましい。テニスシューズには、防滑性能が要求される。一方、スライドによる移動では、テニスシューズと地面とが適度にスリップすることが好ましい。テニスシューズには、スライド性能が要求される。特開平7−213304号公報には、底面の突起の平面形状が工夫されることにより防滑性能とスライド性能とが両立されたテニスシューズが開示されている。
【0004】
【特許文献1】
特開平7−213304号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記公報に開示されたテニスシューズであっても、防滑性能とスライド性能との両立は十分ではない。本発明は、防滑性能及びスライド性能に優れたテニスシューズで、特にテニスシューズの底面との摩擦係数が大きいテニスコートで使用されるテニスシューズの提供をその目的とするものである。
【0006】
本発明者は先の発明(特願2002−296980号)において、底面に並列された多数の筋山を備えており、この筋山の横断面形状が非対称であり、この底面の一方向における摩擦係数μaと逆方向における摩擦係数μbとの比(μa/μb)が0.3以上0.9以下であるテニスシューズを提案した。この先の出願では、主として砂入り人工芝テニスコートにおけるテニスシューズのプレー性能に着目した。本発明者は、シューズが使用されるテニスコートの性状によって、並列に多数の筋山を有するテニスシューズ底面の作用効果が異なる場合がある事実を見いだした。ハードコートで使用するテニスシューズは砂入り人工芝テニスコート用のものとは構成を異ならせなければ所望の機能が得られないことから本発明にいたった。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明に係るテニスシューズは、その底面に並列された多数の横筋山を備えている。この横筋山は、接地面、この接地面に連続する爪先側壁面及び踵側壁面を備えている。この爪先側壁面の傾斜角度θaは踵側壁面の傾斜角度θbよりも大である。ハードコート上で摩擦係数を測定したとき、この底面の爪先方向における摩擦係数μaと踵側方向における摩擦係数μbとの比(μa/μb)は、0.3以上0.9以下である。このテニスシューズは、爪先方向におけるスライド性能と、踵方向における防滑性能とに優れる。
【0008】
上記爪先側壁面の傾斜角度θaと踵側壁面の傾斜角度θbとの差(θa−θb)は、10°以上60°以下が好ましい。このテニスシューズは、爪先方向におけるスライド性能と、踵方向における防滑性能とに優れる。
【0009】
上記横筋山の好ましい高さは、1mm以上8mm以下である。
【0010】
好ましくは、テニスシューズは、長さ方向に延びる縦筋山をさらに備える。底面のうち長さ方向中心よりも爪先側であってかつ幅方向中心よりもアウトサイドの領域には主として横筋山が形成される。底面のうち長さ方向中心よりも爪先側であってかつ幅方向中心よりもインサイドの領域には主として縦筋山が形成される。このテニスシューズは、前進時のスライド性能並びに方向転換時の防滑性能に優れる。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、適宜図面が参照されつつ、好ましい実施形態に基づいて本発明が詳細に説明される。
【0012】
図1は、本発明の一実施形態にかかるテニスシューズ1が示された側面図である。このテニスシューズ1は、アッパー3及びソール5を備えている。アッパー3の材質は、既知のテニスシューズのアッパーと同等である。ソール5の材質は、既知のテニスシューズのソールと同等である。一般的には、ソール5は架橋ゴム又は合成樹脂から構成される。
【0013】
図2は、図1のテニスシューズ1が示された底面図である。この図2には、ソール5が示されている。この図2において上側は爪先側であり、下側は踵側であり、右側はアウトサイドであり、左側はインサイドである。このソール5は、左足用である。右足用のソールは、図2に示された形状が反転された形状を呈する。
【0014】
ソール5は、ベース7と多数の横筋山9とを備えている。横筋山9はベース7と一体的に成形されており、ベース7から突出している。横筋山9は、幅方向(図2における左右方向)に延びている。多数の横筋山9が、所定間隔を隔てて平行に並んでいる。土踏まずに相当する領域には、横筋山9は存在していない。
【0015】
図3は図2のソール5の一部が示された下方からの斜視図であり、図4はその一部が示された拡大断面図である。これらの図において左側が爪先側であり、右側が踵側である。図3及び図4から明らかなように、横筋山9は、接地面11、爪先側壁面13及び踵側壁面15を備えている。接地面11は、テニスシューズ1が着用されたときに地面と接する面である。爪先側壁面13は接地面11に連続しており、接地面11よりも爪先側に位置している。踵側壁面15は接地面11に連続しており、接地面11よりも踵側に位置している。
【0016】
図4において両矢印θaで示されているのは、爪先側壁面13の傾斜角度である。傾斜角度θaは、爪先側壁面13が水平面G(地面)に対してなす角度である。図4において両矢印θbで示されているのは、踵側壁面15の傾斜角度である。傾斜角度θbは、踵側壁面15が水平面Gに対してなす角度である。傾斜角度θaは、傾斜角度θbよりも大きい。
【0017】
爪先側壁面13の傾斜は踵側壁面15に比べて立っている。この形状効果により横筋山9の剛性に方向性が生じる。この断面形状を有する筋山は、爪先側に変形しにくく、踵側に変形しやすくなっている。
【0018】
テニスシューズ1が、表面が平滑でテニスシューズ底面との摩擦係数が大きい地面に置かれた場合、爪先方向に引っ張られると、引っ張りの力は主として爪先側壁面13にかかる。横筋山9は爪先側には変形しにくいので、地面と底面との接触面積の増大が抑制され摩擦係数μaは小さい。プレーヤーがシューズをスライドさせる場合、そのスライド方向は爪先方向である。このテニスシューズ1は摩擦係数μaが小さいので、スライド性能に優れる。このテニスシューズ1を着用したプレーヤーは、移動からストロークへの移行を円滑に行いうる。スライドは、着地時の衝撃の緩和にも寄与する。上記の摩擦係数が大きい地面に相当するテニスコートはハードコート、カーペットコート、砂が充填されない人工芝コート等をいう。本発明のテニスシューズはこれらのテニスコート用、特にハードコート用として好適である。
【0019】
テニスシューズ1が上記の摩擦係数が大きい地面に置かれ、踵方向に引っ張られた場合、引っ張りの力は主として踵側壁面15にかかる。踵側壁面15の傾斜は緩いので、上記爪先側の場合とは逆に、地面と底面との接触面積が多くなり摩擦係数μbは大きい。プレーヤーが地面をキックして前進する場合、そのキックの方向は踵方向である。このテニスシューズ1は摩擦係数μbが大きいので、キックの際の防滑性能に優れる。
【0020】
スライド性能と防滑性能との両立の観点から、摩擦係数μaと摩擦係数μbとの比(μa/μb)は0.9以下が好ましく、0.7以下がより好ましい。比(μa/μb)が小さすぎると爪先方向への意図せぬスリップが生じやすいので、比(μa/μb)は0.3以上が好ましく、0.5以上がより好ましい。摩擦係数は、材質がポリウレタンである表面層を備えたハードコートの上で測定される。測定では、テニスシューズ1に600Nの鉛直荷重がかけられ、このテニスシューズ1が所定方向に50cm/sの速度で引っ張られるように水平方向の力がかけられる。この引っ張りの力がロードセルで検出され、この引っ張りの力が鉛直荷重で除されることにより摩擦係数が算出される。
【0021】
スライド性能と防滑性能との両立の観点から、差(θa−θb)は10°(degree)以上が好ましく、20°以上がより好ましい。差(θa−θb)が過大であると爪先方向への意図せぬスリップが生じやすいので、差(θa−θb)は60°以下が好ましく、50°以下がより好ましい。傾斜角度θaは、50°以上90°以下が好ましい。傾斜角度θbは、30°以上70°以下が好ましい。
【0022】
横筋山9の高さHは、1mm以上8mm以下が好ましい。高さHが上記範囲未満であると、防滑性能が不十分となることがある。この観点から、高さHは2mm以上がより好ましい。高さHが上記範囲を超えると、横筋山9の剛性が不足することがある。この観点から、高さHは6mm以下がより好ましい。
【0023】
ベース7と横筋山9との境界部の距離L1に対する接地面11の距離L2の比(L2/L1)は、0.2以上0.8以下が好ましい。比(L2/L1)が上記範囲未満であると、横筋山9の剛性が不足することがある。この観点から、比(L2/L1)は0.3以上がより好ましい。比(L2/L1)が上記範囲を超えると、接地圧が不足して防滑性能が不十分となることがある。この観点から、比(L2/L1)は0.6以下が特に好ましい。
【0024】
全ての接地面の合計面積の、底面の投影面積に対する比率は、15%以上70%以下が好ましい。比率が上記範囲未満であると、接地面が摩耗しやすい。この観点から、比率は25%以上がより好ましい。比率が上記範囲を超えると、接地圧が不足して防滑性能が不十分となることがある。この観点から、比率は60%以下がより好ましい。
【0025】
図5は、本発明の他の実施形態に係るテニスシューズのソール17の一部が示された断面図である。この図には、横筋山19とベース21とが示されている。この図において左側が爪先側であり、右側が踵側である。この横筋山19の断面形状は、非対称である。この横筋山19は、接地面23、爪先側壁面25及び踵側壁面27を備えている。踵側壁面27は、湾曲している。このソール17は、図2に示されたソール5と同様に、平行に配置された多数の横筋山19を備えている。
【0026】
図5において二点鎖線で示されているのは、踵側壁面27の接地面から1mmの高さの点Pにおける接線である。この点Pは、踵側に凸型に膨らんだ踵側壁面27の断面曲線上に位置する。この接線と水平線Gとのなす角度が、踵側壁面27の傾斜角度θbである。このソールにおいても、傾斜角度θbは、30°以上70°以下が好ましい。一方、爪先側壁面25傾斜角度θaは、50°以上90°以下が好ましい。スライド性能と防滑性能との両立の観点から、差(θa−θb)は10°以上が好ましく、20°以上がより好ましい。差(θa−θb)が過大であると爪先方向への意図せぬスリップが生じやすいので、差(θa−θb)は60°以下が好ましく、50°以下がより好ましい。
【0027】
このソール17においても、横筋山19の高さHは、1mm以上8mm以下が好ましい。このソール17においても、比(L2/L1)は、0.2以上0.8以下が好ましい。
【0028】
このソール17においても、スライド性能と防滑性能との両立の観点から、摩擦係数μaと摩擦係数μbとの比(μa/μb)は0.9以下が好ましく、0.7以下がより好ましい。比(μa/μb)が小さすぎると爪先方向への意図せぬスリップが生じやすいので、比(μa/μb)は0.3以上が好ましく、0.5以上がより好ましい。
【0029】
図6は、本発明のさらに他の実施形態に係るテニスシューズのソール29の一部が示された断面図である。この図には、横筋山31とベース33とが示されている。この図において左側が爪先側であり、右側が踵側である。この横筋山31の断面形状は、非対称である。この横筋山31は、接地面35、爪先側壁面37及び踵側壁面39を備えている。この接地面35は、湾曲している。接地面35は、図4に示された横筋山9の接地面11に比べて狭い。このソール29は、図2に示されたソール5と同様に、平行に配置された多数の横筋山31を備えている。
【0030】
このソール29においても、爪先側壁面37が水平面に対してなす傾斜角度θaは、50°以上90°以下が好ましい。一方、踵側壁面39が水平面に対してなす傾斜角度θbは、30°以上70°以下が好ましい。スライド性能と防滑性能との両立の観点から、差(θa−θb)は10°以上が好ましく、20°以上がより好ましい。差(θa−θb)が過大であると爪先方向への意図せぬスリップが生じやすいので、差(θa−θb)は60°以下が好ましく、50°以下がより好ましい。
【0031】
このソール29においても、横筋山31の高さHは、1mm以上8mm以下が好ましい。このソール29においても、比(L2/L1)は、0.2以上0.8以下が好ましい。
【0032】
このソール29においても、スライド性能と防滑性能との両立の観点から、摩擦係数μaと摩擦係数μbとの比(μa/μb)は0.9以下が好ましく、0.7以下がより好ましい。比(μa/μb)が小さすぎると爪先方向への意図せぬスリップが生じやすいので、比(μa/μb)は0.3以上が好ましく、0.5以上がより好ましい。
【0033】
図7は、本発明のさらに他の実施形態に係るテニスシューズのソール41が示された底面図である。この図7において上側は爪先側であり、下側は踵側であり、右側はアウトサイドであり、左側はインサイドである。このソール41は、左足用である。右足用のソールは、図7に示された形状が反転された形状を呈する。
【0034】
ソール41は、ベース43と、多数の横筋山45と、多数の縦筋山47とを備えている。横筋山45及び縦筋山47はベース43と一体的に成形されており、ベース43から突出している。横筋山45は、幅方向(図7における左右方向)に延びている。縦筋山47は、長さ方向(図7における上下方向)に延びている。横筋山45の断面形状及び寸法は、図4に示された横筋山9の断面形状と同等である。
【0035】
図8は、図7のソール41の一部が示された拡大断面図である。この図8には、縦筋山47が示されている。この図8において左側がインサイドであり、右側がアウトサイドである。図8から明らかなように、縦筋山47は接地面49、インサイド壁面51及びアウトサイド壁面53を備えている。インサイド壁面51の水平方向に対する傾斜角度θcは、アウトサイド壁面53の水平方向に対する傾斜角度θdよりも立っている。
【0036】
図7に示されている一点鎖線CL1は、長さ方向中心線である。一点鎖線CL2は、幅方向中心線である。底面のうち中心線CL1よりも上方であって中心線CL2よりも右側は、長さ方向中心よりも爪先側であってかつ幅方向中心よりもアウトサイドの領域である。この領域には、主として横筋山45が形成されている。具体的には、この領域に含まれる全ての筋山45、47の接地面積に占める横筋山45の接地面積は、50%以上、特には70%以上である。この領域は、プレーヤーが地面をキックして前進するとき、及び前進しつつテニスシューズをスライドさせるときに大きな荷重がかかり筋山45、47が変形する領域である。この領域に主として横筋山45が形成されることにより、スライド性能と防滑性能とが両立される。
【0037】
底面のうち中心線CL1よりも上方であって中心線CL2よりも左側は、長さ方向中心よりも爪先側であってかつ幅方向中心よりもインサイドの領域である。この領域には、主として縦筋山47が形成されている。具体的には、この領域に含まれる全ての筋山45、47の接地面積に占める縦筋山47の接地面積は、50%以上、特には70%以上である。この領域は、プレーヤーが方向転換するときに大きな荷重がかかる領域である。この領域に主として縦筋山47が形成されることにより、方向転換時の防滑性能が高められる。この防滑性能の向上には、主としてアウトサイド壁面53が寄与する。アウトサイド壁面53の傾斜が緩やかであることに起因して、荷重がかかると縦筋山47ではアウトサイド壁面53側に接地面49の面積が増大する。面積が増大した接地面49により、接地の摩擦力が高められる。この大きな摩擦力は、防滑性能の向上に寄与する。
【0038】
インサイド壁面51が水平面に対してなす傾斜角度θcは、50°以上90°以下が好ましい。一方、アウトサイド壁面53が水平面に対してなす傾斜角度θdは、30°以上70°以下が好ましい。防滑性能の観点から、差(θc−θd)は10°以上が好ましく、20°以上がより好ましい。差(θc−θd)は60°以下が好ましく、50°以下がより好ましい。
【0039】
縦筋山47の高さHは、1mm以上8mm以下が好ましい。ベース43と縦筋山47との境界部の距離L3に対する接地面49の距離L4の比(L4/L3)は、0.2以上0.8以下が好ましい。
【0040】
このソール41においても、スライド性能と防滑性能との両立の観点から、摩擦係数μaと摩擦係数μbとの比(μa/μb)は0.9以下が好ましく、0.7以下がより好ましい。比(μa/μb)が小さすぎると爪先方向への意図せぬスリップが生じやすいので、比(μa/μb)は0.3以上が好ましく、0.5以上がより好ましい。
【0041】
このソール41においても、全ての接地面の合計面積の、底面の投影面積に対する比率は、15%以上70%以下が好ましい。比率が上記範囲未満であると、接地面が摩耗しやすい。この観点から、比率は25%以上がより好ましい。比率が上記範囲を超えると、防滑性能が不十分となることがある。この観点から、比率は60%以下がより好ましい。
【0042】
【実施例】
以下、実施例によって本発明の効果が明らかにされるが、この実施例の記載に基づいて本発明が限定的に解釈されるべきはない。
【0043】
[実施例1]
スチレン−ブタジエン共重合体を基材とするゴム組成物を成形型に投入し、ゴムに架橋反応を起こさせて、ソール(アウトソール)を得た。このソールの底面のパターンは、図2に示されている。このソールには、多数の横筋山が形成されている。この横筋山の傾斜角度θaは90°であり、傾斜角度θbは30°であり、高さHは3mmであり、(L2/L1)は0.25である。このソールに、エチレン酢酸ビニル共重合体からなるミッドソールと、綿からなるアッパーを取り付けて、実施例1のテニスシューズを得た。
【0044】
[実施例2から3及び比較例1から2]
成形型を変更して下記の表1に示される形状の横筋山を備えたソールを成形した他は実施例1と同様にして、実施例2から3及び比較例1から2のテニスシューズを得た。
【0045】
[実施例4]
成形型を変更して下記の表1に示される形状の横筋山及び縦筋山を備えたソールを成形した他は実施例1と同様にして、実施例4のテニスシューズを得た。このソールのパターンは、図7に示されている。
【0046】
[実用テスト]
プレーヤーにテニスシューズを着用され、ハードコートにてテニスのラリーを行わせた。そして、方向転換の容易さ、スタート時の防滑性能、スライド性能及び脚の疲労感を「1」から「5」の5段階で評価させた。最も評価の高いものを「5」とした。10名のプレーヤーの評価の平均値が、下記の表1に示されている。
【0047】
【表1】
【0048】
表1に示されるように、各実施例のアウトソールは、全ての項目において良好な評価結果となっている。この結果から、本発明の優位性は明らかである。
【0049】
【発明の効果】
以上説明されたように、本発明のテニスシューズは、防滑性能及びスライド性能の両方に優れている。このテニスシューズは、プレーヤーの競技成績の向上に寄与しうる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の一実施形態にかかるテニスシューズが示された側面図である。
【図2】図2は、図1のテニスシューズが示された底面図である。
【図3】図3は、図2のソールの一部が示された下方からの斜視図である。
【図4】図4は、図2のソールの一部が示された拡大断面図である。
【図5】図5は、本発明の他の実施形態に係るテニスシューズのソールの一部が示された断面図である。
【図6】図6は、本発明のさらに他の実施形態に係るテニスシューズのソールの一部が示された断面図である。
【図7】図7は、本発明のさらに他の実施形態に係るテニスシューズのソールが示された底面図である。
【図8】図8は、図7のソールの一部が示された拡大断面図である。
【符号の説明】
1・・・テニスシューズ
3・・・アッパー
5、17、29、41・・・ソール
7、21、33、43・・・ベース
9、19、31、45・・・横筋山
11、23、35、49・・・接地面
13、25、37・・・爪先側壁面
15、27、39・・・踵側壁面
47・・・縦筋山
51・・・インサイド壁面
53・・・アウトサイド壁面
Claims (5)
- その底面に並列された多数の横筋山を備えており、この横筋山が、接地面、この接地面に連続する爪先側壁面及び踵側壁面を備えており、爪先側壁面の傾斜角度θaが踵側壁面の傾斜角度θbよりも大であり、ハードコート上で摩擦係数を測定したとき、この底面の爪先方向における摩擦係数μaと踵側方向における摩擦係数μbとの比(μa/μb)が0.3以上0.9以下であるテニスシューズ。
- 上記爪先側壁面の傾斜角度θaと踵側壁面の傾斜角度θbとの差(θa−θb)が10°以上60°以下である請求項1に記載のテニスシューズ。
- 上記横筋山の高さが1mm以上8mm以下である請求項1又は2に記載のテニスシューズ。
- 長さ方向に延びる縦筋山をさらに備えており、底面のうち長さ方向中心よりも爪先側であってかつ幅方向中心よりもアウトサイドの領域には主として横筋山が形成されており、底面のうち長さ方向中心よりも爪先側であってかつ幅方向中心よりもインサイドの領域には主として縦筋山が形成されている請求項1から3のいずれか1項に記載のテニスシューズ。
- 上記底面と上記横筋山との境界部の距離に対する上記接地面の距離の比が、0.25以上0.75以下である請求項1から4のいずれか 1 項に記載のテニスシューズ。
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