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JP4110603B2 - Failure determination device for heater control system used in gas concentration sensor - Google Patents

Failure determination device for heater control system used in gas concentration sensor Download PDF

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JP4110603B2
JP4110603B2 JP02360098A JP2360098A JP4110603B2 JP 4110603 B2 JP4110603 B2 JP 4110603B2 JP 02360098 A JP02360098 A JP 02360098A JP 2360098 A JP2360098 A JP 2360098A JP 4110603 B2 JP4110603 B2 JP 4110603B2
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  • Electrical Control Of Air Or Fuel Supplied To Internal-Combustion Engine (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ガス濃度センサに用いるヒータ制御系の故障判定装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
自動車への応用をはじめとするガス濃度検出装置において、ガス濃度センサを用いた同検出装置が提案されており、その一例として空燃比センサを用いた空燃比検出装置が知られている。
【0003】
つまり、近年の車載用エンジンでは、エンジンに吸入される混合気の空燃比(排ガス中の酸素濃度)を広域に且つリニアに検出するリニア式空燃比センサが適用されており、この種のセンサとして例えば限界電流式空燃比センサでは、空燃比(酸素濃度)を精度良く検出するためにセンサ素子の温度を所定の活性温度に維持する必要がある。そのため、通常はセンサにヒータを付設し、同ヒータの通電を所定のデューティ比信号にて制御している。
【0004】
また最近では、自動車の排出ガスに関するこの種のセンサについて、ヒータ制御系の機能を監視することが法的に規定されつつあり、この規定は今後さらに強化される傾向にある。こうした状況下において、特開平5−195843号公報の「酸素測定センサのヒータの機能能力を監視する方法及び装置」といった技術が提案されている。同公報の装置では、酸素測定センサのヒータに印加される電圧をヒータ通電時及び遮断時に測定し、その測定した電圧の差が所定範囲外となった時に故障信号を出力するように構成されていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上記従来の装置では、ヒータに印加される電圧値(電源電圧)に基づき故障の有無を判定することが主たる構成となっており、ヒータ制御系の故障箇所や故障モードを特定することに関しては未だ不十分であった。従って、故障発生後に修理工場等に持ち込まれた自動車は、故障原因が何でありどこを修理すればよいかを調査するために、制御回路の検査やハーネス検査(導線やコネクタの検査を含む)等の様々な調査が強いられることになる。そのため、保守や点検に煩雑な作業や多大な時間を要し、メンテナンス性が悪いという問題点があった。
【0006】
本発明は、上記問題に着目してなされたものであって、その目的とするところは、ヒータ制御系の故障発生時においてその旨を正確に判定すると共に、故障箇所を特定することができるガス濃度センサに用いるヒータ制御系の故障判定装置を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1に記載の発明ではその特徴として、ガス濃度センサに付設され、電源からの電力供給により通電されるヒータと、前記ヒータへの通電を所定の制御デューティ比にてオン・オフ制御するヒータ制御手段とを備えるヒータ制御系に適用される故障判定装置として、ヒータに並列に接続され、ヒータの両端電圧を所定の制御デューティ比によるオン・オフ制御に伴うヒータ通電時並びに非通電時に検出する電圧検出手段と、ヒータに直列に接続され、ヒータに流れる電流を同じく所定の制御デューティ比によるオン・オフ制御に伴うヒータ通電時並びに非通電時に検出する電流検出手段と、前記検出したヒータ通電時の電圧及び電流とヒータ非通電時の電圧及び電流とからなる4つの値を各々に所定のしきい値にて大小比較し、該比較した4つの値のうちいずれが正常時の値と異なるか、それら4つの値の組み合わせに応じて故障の有無を判定すると共に当該ヒータ制御系を構成する回路中の故障箇所を特定する故障判定手段とを備える。
【0008】
上記構成によれば、ヒータ通電時の電圧及び電流と、ヒータ非通電時の電圧及び電流とからなる4つの値を検出し、各々に所定のしきい値と比較判定することで、既存の装置では不十分であったヒータ制御系の故障箇所の特定が可能となる。つまり、ヒータ制御系の故障発生時においてその旨を正確に判定すると共に、故障箇所を細部にまで特定することができるようになる。かかる場合において、故障発生の旨が判定された際には、例えば故障警告灯(MIL:Malfunction indicator light )が点灯され、この警告に従い故障発生の車両が修理工場等に持ち込まれる。そして、上記故障箇所の特定結果を用いることにより、実際の修理までに要する故障箇所の特定作業が大幅に簡素化できるようになる。その結果、メンテナンス性や作業性が向上するという効果も得られる。
【0009】
因みに、上記の如く特定される故障情報は、電源の遮断後にもそのデータを保持するバックアップメモリ等に記憶され、修理工場等において随時ダイアグチェッカにて読み出される。
【0010】
また、上記請求項1の発明は、次の請求項2〜請求項5のように具体化される。すなわち、
・請求項2に記載の発明では、前記故障判定手段は、前記ヒータの電源側,グランド側電気経路と前記ヒータとを結ぶ電気経路が開放されるような故障を特定する。
・請求項3に記載の発明では、前記故障判定手段は、前記ヒータと前記電圧検出手段とを結ぶ電気経路が開放されるような故障を特定する。
・請求項4に記載の発明では、前記故障判定手段は、前記ヒータのグランド側の電気経路が短絡される故障(GNDショート)、すなわち半導体スイッチング素子のオン・オフにかかわらず、ヒータが通電されっ放しとなる故障を特定する。
・請求項5に記載の発明では、前記故障判定手段は、電源、ヒータ及びグランドを結ぶ電気経路を断続するための半導体スイッチング素子のオン・オフ切換えが不能となる故障、すなわち常時オンの故障或いは常時オフの故障を特定する。請求項2〜5の構成によれば、発生頻度が比較的高い故障、又は優先度が比較的高い故障についてその故障箇所を特定することが可能となる。
【0011】
故障形態の事例を図4の回路図を用いて簡単に説明すれば、
・上記請求項2では、図4のA,C,D,F,G各部の断線といった故障が検出できる。
・上記請求項3では、図4のB,E各部の断線といった故障が検出できる。
・上記請求項4では、図4のD,E,F各部の短絡といった故障が検出できる。
・上記請求項5では、トランジスタ26のオン故障又はオフ故障が検出できる。
【0012】
請求項6に記載の発明では、エンジン始動に伴う前記ヒータの通電当初において、ヒータの制御デューティ比を100%とする全通電手段と、前記全通電手段によるヒータ通電の開始前に、ヒータの両端電圧と電流値とを検出すると共に、その検出後、ヒータ通電を開始して両端電圧と電流値とを検出する初期値検出手段とを備え、前記故障判定手段は、前記初期値検出手段により検出された電圧及び電流の各値に応じて故障判定を実施する。
【0013】
つまり、エンジンの低温始動時には、ガス濃度センサ(例えば空燃比センサ)をいち早く活性化させるべくヒータの制御デューティ比が100%に設定され、当該ヒータが継続的に通電される(100%通電される)。この場合、100%通電が実施されていると、故障が発生していてもヒータ非通電時の電圧及び電流が検出できず、正確な故障判定が不可能になる。これに対し上記構成では、通電開始前にヒータ非通電時の電圧及び電流を検出しておくことで、ヒータ通電時の電圧及び電流と、ヒータ非通電時の電圧及び電流とからなる4つの値を検出することが可能となり、既述のような所望の故障判定が実施できる。
【0014】
請求項7に記載の発明では、前記初期値検出手段による電圧及び電流の各検出値に応じて故障発生の旨が判定された場合、ヒータの両端電圧と電流値とが検出可能な最小時間だけヒータ通電を遮断するよう制御デューティ比を設定する手段と、該設定された制御デューティ比にてヒータ通電を制御し、その状態でヒータ制御系の故障発生の旨が所定時間以上継続して判定されれば、最終的に故障発生であることを確定する手段とを備える。この場合、請求項6の発明に比べて、より正確な故障判定が可能になる。つまり、最初に故障発生の旨が判定された際に、その判定結果を仮の判定結果とし、その後、ヒータの両端電圧と電流値とが検出可能な最小時間だけヒータ通電を遮断することで、エンジン始動当初の一時的な故障判定時にも故障の誤判定を回避することができる。
【0015】
請求項8に記載の発明では、前記ヒータ制御手段による制御デューティ比を所定の下限ガード値若しくは上限ガード値にて制限するようにしている。この場合、ヒータの通電状態或いは非通電状態が継続されることがないため、ヒータ通電時の電圧及び電流と、ヒータ非通電時の電圧及び電流とからなる4つの値を常に検出することが可能となり、既述のような所望の故障判定を実施することができる。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、この発明を空燃比検出装置に具体化した一実施の形態を図面に従って説明する。なお、本実施の形態における空燃比検出装置は、自動車に搭載される電子制御ガソリン噴射エンジンに適用されるものであって、同エンジンの空燃比制御システムにおいては空燃比検出装置による検出結果に基づいてエンジンへの燃料噴射量を所望の空燃比に制御する。以下の記載では、ガス濃度センサとしての限界電流式空燃比センサについて、同センサに付設されたヒータの通電制御手順、並びにヒータ制御系の故障判定手順を詳細に説明すると共に、それらの処理を実現するための具体的構成について説明する。
【0017】
図1は、本実施の形態における空燃比検出装置の概要を示す構成図である。図1において、空燃比検出装置は限界電流式空燃比センサ(以下、A/Fセンサという)30を備えている。A/Fセンサ30は、エンジン10のエンジン本体11から延びる排気管12に取り付けられており、マイクロコンピュータ(以下、マイコンという)20から指令される電圧の印加に伴い、排気ガス中の酸素濃度に比例したリニアな空燃比検出信号(センサ電流信号)を出力する。マイコン20は、各種演算処理を実行するための周知のCPU20a,ROM20b,RAM20c、バックアップRAM20d等により構成され、所定の制御プログラムに従いヒータ制御回路25及びバイアス制御回路40を制御する。なお前記バックアップRAM20dは、マイコン20への電源遮断後にも内部の記憶情報を保持することのできるメモリとして構成されている。
【0018】
ここで、マイコン20から出力されるバイアス指令信号Vrは、D/A変換器21を介してバイアス制御回路40に入力される。その時々の空燃比(酸素濃度)に対応するA/Fセンサ30の出力は、バイアス制御回路40内の電流検出回路50にてセンサ電流として検出され、その検出値はA/D変換器23を介してマイコン20に入力される。マイコン20は、A/Fセンサ30のヒータ33を所定の制御デューティ比信号によりON・OFF制御する。そして、ヒータ33のON・OFFに伴うヒータ電圧及びヒータ電流は、後述するヒータ制御回路25にて検出され、その検出値はA/D変換器24を介してマイコン20に入力される。また、マイコン20には、故障発生の旨を自動車の搭乗者に知らしめるための故障警告灯42が接続されており、この警告灯42は、後述する故障判定処理の判定結果に応じて点灯又は消灯される。
【0019】
図2は、A/Fセンサ30の概略を示す断面図である。図2において、A/Fセンサ30は前記排気管12の内部に向けて突設されており、同センサ30は大別して、カバー31、センサ本体32及びヒータ33から構成されている。カバー31は断面コ字状をなし、その周壁にはカバー内外を連通する多数の小孔31aが形成されている。センサ素子部としてのセンサ本体32は、空燃比リーン領域における酸素濃度、若しくは空燃比リッチ領域における未燃ガス(CO,HC,H2 等)濃度に対応する限界電流を発生する。
【0020】
センサ本体32の構成について詳述する。センサ本体32において、断面コップ状に形成された固体電解質層34の外表面には、排気ガス側電極層36が固着され、内表面には大気側電極層37が固着されている。また、排気ガス側電極層36の外側には、プラズマ溶射法等により拡散抵抗層35が形成されている。固体電解質層34は、ZrO2 、HfO2 、ThO2 、Bi2 O3 等にCaO、MgO、Y2 O3 、Yb2 O3 等を安定剤として固溶させた酸素イオン伝導性酸化物焼結体からなり、拡散抵抗層35は、アルミナ、マグネシャ、ケイ石質、スピネル、ムライト等の耐熱性無機物質からなる。排気ガス側電極層36及び大気側電極層37は共に、白金等の触媒活性の高い貴金属からなりその表面には多孔質の化学メッキ等が施されている。なお、排気ガス側電極層36の面積及び厚さは、10〜100mm^2(平方ミリメートル)及び0.5〜2.0μm程度となっており、一方、大気側電極層37の面積及び厚さは、10mm^2(平方ミリメートル)以上及び0.5〜2.0μm程度となっている。
【0021】
ヒータ33は大気側電極層37内に収容されており、その発熱エネルギによりセンサ本体32(大気側電極層37、固体電極質層34、排気ガス側電極層36及び拡散抵抗層35)を加熱する。ヒータ33は、センサ本体32を活性化するに十分な発熱容量を有している。
【0022】
上記構成のA/Fセンサ30において、センサ本体32は理論空燃比点よりリーン領域では酸素濃度に応じた限界電流を発生する。この場合、酸素濃度に対応する限界電流は、排気ガス側電極層36の面積、拡散抵抗層35の厚さ、気孔率及び平均孔径により決定される。また、センサ本体32は酸素濃度を直線的特性にて検出し得るものであるが、このセンサ本体32を活性化するのに約600℃以上の高温が必要とされると共に、同センサ本体32の活性温度範囲が狭いため、エンジン10の排気ガスのみによる加熱では素子温を活性領域に制御できない。そのため、本実施の形態では、ヒータ33への供給電力をデューティ制御することにより、センサ本体32を活性温度域にまで加熱するようにしている。なお、理論空燃比よりもリッチ側の領域では、未燃ガスである一酸化炭素(CO)等の濃度が空燃比に対してほぼリニアに変化し、センサ本体32はCO等の濃度に応じた限界電流を発生する。
【0023】
センサ本体32の電圧−電流特性(V−I特性)について図3を用いて説明する。図3によれば、A/Fセンサ30の検出A/Fに比例するセンサ本体32の固体電解質層34への流入電流と、同固体電解質層34への印加電圧とがリニアな特性を有することが分かる。かかる場合、電圧軸Vに平行な直線部分がセンサ本体32の限界電流を特定する限界電流検出域であって、この限界電流(センサ電流)の増減はA/Fの増減(すなわち、リーン・リッチ)に対応している。つまり、A/Fがリーン側になるほど限界電流は増大し、A/Fがリッチ側になるほど限界電流は減少する。
【0024】
このV−I特性において電圧軸Vに平行な直線部分(限界電流検出域)よりも小さい電圧域は抵抗支配域となっており、その抵抗支配域における一次直線部分の傾きは、センサ本体32における固体電解質層34の内部抵抗(以下、これを素子インピーダンスZdcという)により特定される。この素子インピーダンスZdcは温度変化に伴い変化し、センサ本体32の温度が低下するとZdcの増大により上記傾きが小さくなる。
【0025】
図4は、ヒータ制御回路25の構成を示す回路図である。同図において、ヒータ33の一端は定格12ボルトのバッテリ電源+Bに接続され、他端は半導体スイッチング素子を構成するnチャネルMOSトランジスタ(以下、MOS26という)のドレインに接続されている。MOS26のゲートはドライバ27を介してマイコン20に接続され、ソースはヒータ電流検出用抵抗41を介して接地されている。要するに、マイコン20の制御デューティ比信号によりMOS26がON・OFF動作し、そのMOS26のON・OFF動作によりヒータ33の通電動作が制御されるようになっている。
【0026】
電圧検出手段としてのヒータ電圧検出回路28は、オペアンプ28aと抵抗28b〜28eとからなる差動増幅回路により構成されており、ヒータ33の両端電圧Vhを計測しその計測結果をA/D変換器24を介してマイコン20に出力する。なお、ヒータ両端電圧Vhは、ヒータ33のバッテリ側の電圧Vposと、GND側の電圧Vnegとの差に相当する(Vh=Vpos−Vneg)。ここで、抵抗28b及び抵抗28eはその抵抗値が等しく(この抵抗値をR1とする)、抵抗28c及び抵抗28dはその抵抗値が等しい(この抵抗値をR2とする)。
【0027】
電流検出手段としてのヒータ電流検出回路29は、オペアンプ29aと抵抗29b〜29eとからなる差動増幅回路により構成されており、ヒータ電流検出用抵抗41により検出されるヒータ電流Ihを電圧信号に変換しその結果をA/D変換器24を介してマイコン20に出力する。因みに、ヒータ電流検出用抵抗41の抵抗値は、ヒータ電流Ihに影響を与えないよう極めて小さい値に設定され、それによりヒータ33の昇温性能が損なわれないようになっている。
【0028】
そして、ヒータ通電時(MOS26のON動作時)及びヒータ非通電時(MOS26のOFF動作時)において、ヒータ制御系に何ら故障が発生していなければ、上記ヒータ制御回路25は以下の如くヒータ両端電圧及びヒータ電流を検出する。つまり、ヒータ通電時には、ヒータ両端に印加される電圧(以下、ヒータオン電圧Vonという)がヒータ33の電源電圧VBとほぼ等しい値(ハーネス等の抵抗成分の電圧降下分だけ低い値)となると共に、その際にヒータ33に流れる電流(以下、ヒータオン電流Ionという)が電源電圧VBをヒータ抵抗値Rhで割った値となる。具体的には、VB=12ボルトであれば、ヒータオン電圧Vonは、
Von=(R1/R2)・Vh
という数式から「約11ボルト」となる。また、Rh=2オームであれば、ヒータオン電流Ionは、
Ion=VB/Rh
という数式から「約5アンペア」となる。すなわち、ヒータ電圧検出回路28の出力(オペアンプ28aの出力電圧)が「約11ボルト」となると共に、ヒータ電流検出回路29の出力(オペアンプ29aの出力電圧)の電流換算値が「約5アンペア」となる。
【0029】
また、ヒータ非通電時には、ヒータ両端の電位差が無くなるため、その際にヒータ両端に印加される電圧(以下、ヒータオフ電圧Voffという)が「ほぼ0ボルト」となる。またこのとき、ヒータ電流検出用抵抗41の両端の電位差が無くなるためにヒータ33に流れる電流(以下、ヒータオフ電流Ioffという)が「0アンペア」となる。すなわち、ヒータ電圧検出回路28の出力(オペアンプ28aの出力電圧)が「ほぼ0ボルト」となると共に、ヒータ電流検出回路29の出力(オペアンプ29aの出力電圧)の電流換算値が「ほぼ0アンペア」となる。
【0030】
一方、ヒータ制御系において、ハーネス故障(導線の断線やコネクタの接触不良)等、何らかの故障が発生した場合には、上記したVon,Ion,Voff,Ioffが正常値とは異なる値となり、その値はヒータ制御系の構成上、いずれの箇所でどのような故障が発生したかに応じて相違する。そこで、本実施の形態では、故障発生箇所、及びその内容(以下、故障モードという)を以下の(1)〜(10)に区分して解析し、その解析結果を図15を参照しつつ個々に説明する。図15には、故障箇所及び故障モード毎に各々に対応するVon,Ion,Voff,Ioffの値が示されている。
【0031】
(1)図4のA部開放の場合
断線等による「A部開放」の故障時において、ヒータ通電時(MOS26のON動作時)には、ヒータ33の両端電位は共にGNDレベルでありヒータ両端の電位差は発生しない。従って、ヒータオン電圧Vonが「0ボルト」になる。またこのとき、バッテリ電源+B、ヒータ33及びGNDを結ぶ電気経路が遮断されるため、ヒータ33に電流が流れず、ヒータオン電流Ionが「0アンペア」になる。この場合、ヒータ制御系の正常時と比較すれば、Von,Ionが大きく相違することになる。
【0032】
因みに、オペアンプ28aの非反転入力端子が抵抗28eを介してGNDに接続されると共に、オペアンプ28aは抵抗28bにより負帰還をかけている。そのため、ヒータ非通電時(MOS26のOFF動作時)には、オペアンプ28aの反転入力端子がGNDレベルとなり、オペアンプ28aの出力電圧がGNDレベルである、「0ボルト」となる。すなわち、ヒータオフ電圧Voffが正常時と同様に「0ボルト」となる。また、ヒータオフ電流Ioffは、正常時と同様に「0アンペア」となる。
【0033】
(2)図4のB部開放の場合
断線等による「B部開放」の故障時において、ヒータ通電時(MOS26のON動作時)には、オペアンプ28aの非反転入力端子がGNDレベルとなり、ヒータオン電圧Vonは「0ボルト」となる。またこのとき、図4の回路図から明らかなようにB部が開放されてもヒータ電流は正常に流れるため、ヒータオン電流Ionは正常時と同じ値となる。なお、ヒータ非通電時(MOS26のOFF動作時)のヒータオフ電圧Voff,ヒータオフ電流Ioffは共に正常時と同様の値となる。つまり、Vonだけが正常値に対して大きく異なり、これにより故障判定が可能になると共に、前述のA部開放の故障との判別も可能となる。
【0034】
(3)図4のC部開放の場合
断線等による「C部開放」の故障時において、ヒータ通電時(MOS26のON動作時)には、オペアンプ28aの非反転入力端子がヒータ電源電圧VBの電位となると共に、その反転入力端子が0ボルトとなる。詳細には、
Von=(R1/R2)・VB
という数式からVon値が求められる。このとき、ヒータオン電圧Vonは、電源電圧VBの電位に相当する電圧値、すなわち「12ボルト」となる。ここで、このC部開放時には、バッテリ電源+B、ヒータ33及びGNDを結ぶ電気経路が遮断されており、MOS26がONされてもヒータ電流が流れない。そのため、ハーネス等の電圧降下がなく、ヒータオン電圧Vonが正常時よりも高い値となる。また、ヒータオン電流Ionは電気経路の遮断により「0アンペア」となる。
【0035】
一方、ヒータ非通電時(MOS26のOFF動作時)において、ヒータオフ電圧Voffは、電源電圧VBと抵抗分圧値(R1/(R1+R2))との積から求められる。つまり、
Voff={R1/(R1+R2)}・VB
という数式からヒータオフ電圧Voffが求められ、具体的には「9ボルト」程度の値となる。また、ヒータオフ電流Ioffは「0アンペア」となる。こうしたC部開放の故障の場合、Ion,Voffが正常値に対して大きく異なり、それにより故障判定可能となる。
【0036】
(4)図4のD部開放の場合
断線等による「D部開放」の故障時には、前述したC部開放の故障時と同様に、Von=12ボルト,Ion=0アンペア,Voff=9ボルト,Ioff=0アンペアとなる。因みに、ヒータ33自身が破損するといった故障が発生した場合にも同様の検出結果が得られる。
【0037】
(5)図4のE部開放の場合
断線等による「E部開放」の故障時において、ヒータ通電時(MOS26のON動作時)には、
Von={R1/(R1+R2)}・VB
という数式からヒータオン電圧Vonが求められる。具体的には、Vonが「9ボルト」程度の値となる。ここで、このE部開放時には、ヒータ33の通電が可能であるため、ヒータオン電流Ionは正常通りに検出される(Ion=5アンペア)。
【0038】
一方、ヒータ非通電時(MOS26のOFF動作時)において、ヒータオフ電圧Voffは、上記ヒータオン電圧Vonと同様に、
Voff={R1/(R1+R2)}・VB
という数式から求められ、具体的には「9ボルト」程度の値となる。また、ヒータオフ電流Ioffは「0アンペア」となる。こうしたE部開放の場合、Voffが正常値に対して大きく異なり、それにより故障判定が可能となる。
【0039】
(6)図4のF部開放の場合
断線等による「F部開放」の故障時には、バッテリ電源+B、ヒータ33、MOS26及びGNDといった電気経路が遮断される。そのため、ヒータ33の通電・非通電(MOS26のON・OFF)に関係無く、ヒータ電圧及び電流値がMOS26のOFF時の値と同等になる。つまり、Von=0ボルト,Ion=0アンペア,Voff=0ボルト,Ioff=0アンペアとなる。この場合、Von,Ionが正常値に対して大きく異なり、それにより故障発生の判定が可能となる。
【0040】
(7)図4のG部開放の場合
断線等による「G部開放」の故障時にも上記(6)のF部開放の場合と同様に、バッテリ電源+B、ヒータ33、MOS26及びGNDといった電気経路が遮断される。そのため、ヒータ33の通電・非通電(MOS26のON・OFF)に関係無く、ヒータ電圧及び電流値がMOS26のOFF時と同等になる。つまり、Von=0ボルト,Ion=0アンペア,Voff=0ボルト,Ioff=0アンペアとなる。この場合、Von,Ionが正常値に対して大きく異なり、それにより故障発生の判定が可能となる。
【0041】
(8)図4のD,E,F−GND間短絡の場合
この「D,E,F−GND間短絡」の故障時には、ヒータ33の通電・非通電(MOS26のON・OFF)に関係無く、ヒータ電圧がMOS26のON時の値とほぼ同等になる。但しかかる場合には、ハーネス等による抵抗分の電圧降下がなく、ヒータ両端に電源電圧VBと同じ電圧が印加されることになる。つまり、Von=12ボルト,Voff=12ボルトとなる。また、ヒータ電流検出用抵抗41の両端の電位差が無くなるため、Ion=0アンペア,Ioff=0アンペアとなる。この場合、Ion,Voffが正常値に対して大きく異なり、それにより故障判定可能となる。
【0042】
なお因みに、Ion,Voffが正常値に対して大きく異なることは、既述のC部又はD部開放の故障時と同じであるが、各々のVoffを比較すれば、これらC部又はD部開放の故障と、D,E,F−GND間短絡の故障とを区別することができる。これを以下に説明すれば、C部又はD部開放時には、電源電圧VBと抵抗分圧値(R1/(R1+R2))との積にてVoff値が求められる。これに対し、D,E,F−GND間短絡時には、オペアンプ28aの反転入力端子がGNDレベルとなり、オペアンプ28aの出力、すなわちVoff値が「R1/R2×VB」として求められる。従って、C部開放及びD部開放時のVoffよりD,E,F−GND間短絡時のVoffの方が高い電圧値となり、この両者のVoff値を判別するしきい値電圧を設定すれば、C部又はD部開放とD,E,F−GND間短絡とを区別することが可能となる。
【0043】
(9)MOS26の常時ONの場合
「MOS26の常時ON」の故障時には、ヒータ33の通電・非通電に関係無く、ヒータ電圧及び電流値がヒータ通電時の値と同等になる。つまり、Von=11ボルト,Ion=5アンペア,Voff=11ボルト,Ioff=5アンペアとなる。この場合、Voff,Ioffが正常値に対して大きく異なり、それにより故障発生の判定が可能となる。
【0044】
(10)MOS26の常時OFFの場合
「MOS26の常時OFF」の故障時には、ヒータ33の通電・非通電に関係無く、ヒータ電圧及び電流値がヒータ非通電時の値と同等になる。つまり、Von=0ボルト,Ion=0アンペア,Voff=0ボルト,Ioff=0アンペアとなる。この場合、Von,Ionが正常値に対して大きく異なり、それにより故障発生の判定が可能となる。
【0045】
次に、上記の如く構成される本実施の形態の装置について、その作用を説明する。
図5はヒータ制御ルーチンを、図6は図5のサブルーチンであるイニシャル処理ルーチンを、図7〜9はヒータ制御系の故障判定ルーチンを、それぞれに示すフローチャートであり、図5及び図7〜9の各ルーチンは、マイコン20内のCPU20aにより所定間隔(例えば、128msec周期)のタイマ割り込みにて起動される。但し、図7〜9のルーチンは図5のルーチンの直後に実行されるようになっている。
【0046】
図5のヒータ制御ルーチンにおいて、CPU20aは、先ずステップ101でイニシャルフラグXINTが「0」であるか否かを判別する。このイニシャルフラグXINTは、IGキーのON操作時に要するイニシャル処理が実施されたか否かを示すものであって、XINT=0はイニシャル処理が未実施であることを、XINT=1はイニシャル処理が実施済であることを、それぞれ表す。XINT=0である場合、CPU20aはステップ120に進み、図6に示すイニシャル処理を実施した後、本ルーチンを一旦終了する。
【0047】
ここで、図6のイニシャル処理ルーチンについて説明する。このイニシャル処理は、ヒータ33の通電制御が開始される前に、先ず以ってヒータオフ電圧Voff及びヒータオフ電流Ioffを検出し、その後、ヒータ33を通電(ON)させてヒータON時の電圧値及び電流値を検出するものである。詳細には、CPU20aは、先ずステップ121で前記ヒータ電圧検出回路28及びヒータ電流検出回路29の各々の出力値に基づいてヒータオフ電圧Voff及びヒータオフ電流Ioffを検出する。また、CPU20aは、ヒータ33を通電させ、その状態で所定時間だけ待機する(ステップ122,123)。この待機時間は、ヒータ通電後に電圧及び電流値が収束するのに要する時間であり、具体的には200μsec程度であればよい。
【0048】
所定時間の待機後、CPU20aはステップ124でヒータオン電圧Von及びヒータオン電流Ionを検出し、続くステップ125でイニシャルフラグXINTに「1」をセットする。さらにその後、CPU20aは、ステップ126で全通電フラグXZNに「1」をセットして図5のルーチンに戻る。ここで、全通電フラグXZNは、後述する全通電制御が実施されるか否かを示すものであって、XZN=1は全通電制御が実施されることを、XZN=0は全通電制御が実施されないことを、それぞれ表す。
【0049】
一方、上記イニシャル処理ルーチンでイニシャルフラグXINTがセットされると、それ以降は、図5のステップ101が毎回肯定判別される。そして、CPU20aは、ステップ102で故障発生フラグXFAILが「0」であるか否かを判別する。この故障発生フラグXFAILは、ヒータ制御系における故障の有無の判定結果を示すものであって、XFAIL=0はヒータ制御系の故障有りを、XFAIL=1はヒータ制御系の故障無しを、それぞれ表す。なお上記フラグXFAILは、後述する図7〜図9の故障判定ルーチンにて操作される。そして、故障発生フラグXFAILが「1」であれば、CPU20aはステップ102を否定判別してそのまま本ルーチンを終了する。つまり、ヒータ33の通電制御を実施しない。
【0050】
また、故障発生フラグXFAILが「0」であれば、CPU20aはステップ103に進み、素子インピーダンスZdcがセンサ本体32の半活性状態を判定するための所定の判定値(本実施の形態では、200オーム程度)以下であるか否かを判別する。なおここで、素子インピーダンスZdcは下記のように検出される。つまり、素子インピーダンスZdcの検出時には、図10に示すように、A/Fセンサ30の印加電圧を一時的に正方向及び負方向に変化させる。そして、この電圧変化時における正負いずれか一方の電圧変化量ΔVと電流変化量ΔIとから素子インピーダンスZdcを算出する(Zdc=ΔV/ΔI)。但し、この算出法は一例であって、正負両側の電圧及び電流の変化量に基づき素子インピーダンスZdcを検出したり、負の印加電圧Vneg(限界電流検出域にかからない電圧)を印加した時のセンサ電流Inegから素子インピーダンスZdcを検出したりしてもよい(Zdc=Vneg/Ineg)。
【0051】
例えばエンジン10の低温始動時等、素子温が低い場合にはZdc>200オームとなり、CPU20aはステップ104に進んで故障仮フラグXTEMが「1」であるか否かを判別する。ここで、故障仮フラグXTEMは、エンジン始動時においてヒータ制御系の故障発生の旨が一時的に仮判定されると「1」に操作されるものであり、その操作は後述する故障判定ルーチンにより実施される。
【0052】
そして、XTEM=0の場合、すなわちエンジン始動時に故障発生の旨が仮判定されていない場合、CPU20aはステップ105に進み、ヒータ33の「全通電制御」を実施する。この全通電制御では、ヒータ33への制御デューティ比信号が100%に維持され、センサ活性化の促進が優先的に実施されることになる。
【0053】
一方、XTEM=1の場合、すなわちエンジン始動時に故障発生の旨が仮判定されている場合、CPU20aはステップ106に進み、ヒータ33の「98%デューティ制御」を実施する。この98%デューティ制御では、故障発生の仮判定時においてヒータオフ電圧Voff及びヒータオフ電流Ioffが継続的に検出できるよう、Duty=2%程度のヒータOFF時間が設定されている。こうしてVoff,Ioffを検出することで、後述する故障判定ルーチンによる故障判定が実施可能となる。その後、CPU20aは、ステップ107で全通電フラグXZNに「1」をセットして本ルーチンを一旦終了する。
【0054】
ヒータ通電の開始後、ヒータ33の加熱作用により素子温が上昇し(或いは、当初から素子温が高く)、前記ステップ103が肯定判別されると、CPU20aはステップ108に進み、前記の全通電フラグXZNを「0」にクリアする。また、CPU20aは、続くステップ109で素子インピーダンスZdcがフィードバック(F/B)制御を開始するための所定の判定値(本実施の形態では、40オーム程度)以下であるか否かを判別する。ここで、ステップ109の判定値は、センサ本体32の活性状態を判定するものであって、目標インピーダンス(本実施の形態では、30オーム)に対して「+10オーム」程度の値として設定されている。
【0055】
A/Fセンサ30の活性化完了前であって、ステップ109が否定判別された場合、CPU20aはステップ110に進み、「電力制御」によりヒータ33の通電を制御する。このとき、図11のマップに示すように素子インピーダンスZdcに応じて電力指令値が決定され、その電力指令値に応じてヒータ通電のための制御デューティ比が算出される。
【0056】
一方、A/Fセンサ30の活性化が完了し、前記ステップ109が肯定判別された場合、CPU20aは、ステップ111で「素子インピーダンスF/B制御」を実施する。この素子インピーダンスF/B制御では、以下の手順にてヒータ通電のためのデューティ比Dutyが算出されるようになっている。なお本実施の形態では、その一例としてPID制御手順を用いることとする。
【0057】
つまり、先ずは次の式(1)〜(3)により比例項GP,積分項GI,微分項GDを算出する。
GP=KP・(Zdc−ZdcTG) ・・・(1)
GI=GIi-1 +KI・(Zdc−ZdcTG) ・・・(2)
GD=KD・(Zdc−Zdci-1 ) ・・・(3)
上式において、「KP」は比例定数、「KI」は積分定数、「KD」は分定数を表し、添字「i−1」は前回処理時の値を表す。
【0058】
そして、上記比例項GP,積分項GI,微分項GDを加算してヒータ通電のためのデューティ比Dutyを算出する(Duty=GP+GI+GD)。但し、こうしたヒータ制御手順は、上記のPID制御に限定されるものではなく、PI制御やP制御を実施するようにしてもよい。
【0059】
その後、CPU20aは、ステップ112で上記の素子インピーダンスF/B制御により設定されるデューティ比Dutyが所定の下限ガード値よりも大きいか否かを判別する。デューティ比Dutyの下限ガードは、高負荷運転時など、排気温が高くヒータ通電が不要な場合にもDutyを「0%」にしないように制限するものであり、具体的には下限ガード値を「1%」程度に設定しておけばよい。こうしてヒータ通電が不要な場合にも微小デューティにてヒータ通電を行なわせることで、如何なる運転状態下でもヒータオン電圧Von及びヒータオン電流Ionを検出することができ、後述の故障判定ルーチンによる故障判定が実施可能となる。
【0060】
そして、デューティ比Dutyが下限ガード値未満となる場合、CPU20aはステップ113でデューティ比Dutyを下限ガード値(1%)で制限した後、本ルーチンを終了する。また、デューティ比Dutyが下限ガード以上であれば、CPU20aはそのまま本ルーチンを終了する。
【0061】
次に、ヒータ制御系の故障判定処理について説明する。なお本実施の形態の故障判定処理では、ヒータオン電圧Von、ヒータオン電流Ion、ヒータオフ電圧Voff及びヒータオフ電流Ioffに基づき、前記図15に示されるヒータ制御系の各種故障を判別するものであるが、これらVon,Ion,Voff,Ioffは基本的にヒータ33の通電制御信号の「OFF→ON」の立ち上がり時に同期して検出される。但し、IGキーのON操作時だけは、前述のイニシャル処理に従いVon,Ion,Voff,Ioffが検出されるようになっている。
【0062】
図12は、ヒータ33の通電制御信号に対応するVon,Ion,Voff,Ioffの検出タイミングを説明するためのタイムチャートである。同図中のタイムアップカウンタは4msec周期でカウントアップされ、そのカウント値は「0」〜「32」の範囲内で推移する。このとき、タイムアップカウンタが「0」にクリアされるタイミングと、ヒータ33の通電制御信号の立ち上がりのタイミングとが同期している。そして、タイムアップカウンタのカウント値が「0」にクリアされる直前、すなわちカウント値=31(図中の▼のタイミング)でヒータオフ電圧Voff及びヒータオフ電流Ioffが検出され、カウント値が「0」にクリアされた直後、すなわちカウント値=1(図中の▽のタイミング)でヒータオン電圧Von及びヒータオン電流Ionが検出されるようになっている。Von,Ion,Voff,Ioffの検出値は、随時マイコン20内のRAM20cに記憶保持される。
【0063】
また、図中の「Vth」は、ヒータ33のオン電圧及びオフ電圧Von,Voffの適否を判定するためのしきい値電圧であり、「Ith」は、ヒータ33のオン電流及びオフ電流Ion,Ioffの適否を判定するためのしきい値電流である。これらしきい値Vth,Ithは予め設定されており、具体的には、Vth=5ボルト、Ith=1.5アンペアとする。
【0064】
以下、上記の如く検出されるVon,Ion,Voff,Ioffに応じた故障判定処理を図7〜図9のフローチャートを用いて説明する。さて、ヒータ制御系の故障判定ルーチンがスタートすると、CPU20aは、先ず図7のステップ201でイニシャルフラグXINTが「1」であるか否かを判別する。そして、XINT=1であることを条件に、CPU20aは、ステップ202でRAM20c内のVon,Ion,Voff,Ioffの最新値を読み込む。
【0065】
その後、CPU20aは、ステップ203で前記読み込んだVon,Ion,Voff,Ioffの値と所定のしきい値Vth,Ithとからヒータ制御系が正常であるか否かを判別する。ここで、同ステップでは、次の4条件が全て成立するか否かが判別される。すなわち、
・Von>Vth、
・Ion>Ith、
・Voff<Vth、
・Ioff<Ith、
が全て成立するか否かを判別する。この場合、ヒータ制御系が正常であれば、上記4条件が全て成立し(図15参照)、CPU20aはステップ203aで故障仮フラグXTEMを「0」にクリアした後、本ルーチンを終了する。
【0066】
一方、前記ステップ203の条件が不成立であれば、ヒータ制御系に何らかの故障が発生している可能性が高いとしてステップ204以降の処理を実施する。以下、順を追って説明する。CPU20aは、ステップ204で次の4条件が全て成立するか否かを判別する。すなわち、
・Von<Vth、
・Ion<Ith、
・Voff<Vth、
・Ioff<Ith、
が全て成立するか否かを判別する。この場合、前記図4のA部、F部又はG部開放、或いはMOS26の常時OFFといった故障が発生していれば、ステップ204が肯定判別される。つまり、前記図15に示すように、A部、F部又はG部開放、或いはMOS26の常時OFFといった故障発生時には、Voff,Ioffの値が正常値であるのに対し、Von,Ionの値が正常値よりも小さく、しきい値Vth,Ithを下回ることになる(Von=0ボルト,Ion=0アンペア)。ステップ204が肯定判別された場合、CPU20aは、ステップ205でその時の故障箇所及び故障モード(A部、F部又はG部開放、或いはMOS26の常時OFFの故障情報)をバックアップRAM20dに記憶させる。
【0067】
また、前記ステップ204の条件が不成立であれば、CPU20aはステップ206に進み、次の4条件が全て成立するか否かを判別する。すなわち、
・Von<Vth、
・Ion>Ith、
・Voff<Vth、
・Ioff<Ith、
が全て成立するか否かを判別する。この場合、前記図4のB部開放といった故障が発生していれば、ステップ206が肯定判別される。つまり、前記図15に示すように、B部開放といった故障発生時には、Ion,Voff,Ioffの値が正常値であるのに対し、Vonの値だけが正常値よりも小さく、しきい値Vthを下回ることになる(Von=0ボルト)。ステップ206が肯定判別された場合、CPU20aは、ステップ207でその時の故障箇所及びモード(B部開放の故障情報)をバックアップRAM20dに記憶させる。
【0068】
また、前記ステップ206の条件が不成立であれば、CPU20aは図8のステップ208に進み、次の4条件が全て成立するか否かを判別する。すなわち、・Von>Vth、
・Ion<Ith、
・Voff>Vth、
・Ioff<Ith、
が全て成立するか否かを判別する。この場合、前記図4のC部又はD部開放、或いはD,E,F−GND間短絡といった故障が発生していれば、ステップ208が肯定判別される。つまり、前記図15に示すように、C部又はD部開放、或いはD,E,F−GND間短絡といった故障発生時には、Von,Ioffの値が正常値であるのに対し(但し、Vonは12ボルトであり、ほぼ正常な値)、Ionの値が正常値よりも小さく、しきい値Ithを下回る(Ion=0アンペア)。また、Voffの値が正常値よりも大きく、しきい値Vthを上回る(Voff=9ボルト又は12ボルト)。
【0069】
またさらに、ステップ208が肯定判別された場合、CPU20aは、ステップ209でその時の故障がC部又はD部開放によるものか、或いはD,E,F−GND間短絡によるものかを区別する。詳しくは、C部又はD部開放、或いはD,E,F−GND間短絡といった故障の発生時には、いずれの場合にもVoffの値がしきい値Vth(=5ボルト)を越えるが、既述したようにC部又はD部開放時のVoffの値は、D,E,F−GND間短絡時のVoffの値よりも低い値となる。前者の場合のVoffは9ボルト程度であり、後者の場合のVoffは12ボルト程度である。そこで、これら両値の間に第2のしきい値電圧Vth2を設定し(Vth2=10.5ボルト程度)、このしきい値電圧Vth2とVoffとの大小比較を行う。
【0070】
つまり、CPU20aは、ステップ209でVoff<Vth2が成立するか否かを判別する。そして、Voff<Vth2であれば、CPU20aはステップ210に進み、C部又はD部開放による故障が発生しているとみなし、その旨の故障情報をバックアップRM20dに記憶させる。また、Voff≧Vth2であれば、CPU20aはステップ211に進み、D,E,F−GND間短絡による故障が発生しているとみなし、その旨の故障情報をバックアップRAM20dに記憶させる。
【0071】
一方、前記ステップ208の条件が不成立であれば、CPU20aはステップ212に進み、次の4条件が全て成立するか否かを判別する。すなわち、
・Von>Vth、
・Ion>Ith、
・Voff>Vth、
・Ioff<Ith、
が全て成立するか否かを判別する。この場合、前記図4のE部開放といった故障が発生していれば、ステップ212が肯定判別される。つまり、前記図15に示すように、E部開放といった故障発生時には、Von,Ion,Ioffの値が正常値であるのに対し(但し、Vonは9ボルトであり、ほぼ正常な値)、Voffの値だけが正常値よりも大きく、しきい値Vthを上回ることになる(Voff=9ボルト)。ステップ212が肯定判別された場合、CPU20aは、ステップ213でその時の故障箇所及びモード(E部開放の故障情報)をバックアップRAM20dに記憶させる。
【0072】
前記ステップ212の条件が不成立であれば、CPU20aはステップ214に進み、次の4条件が全て成立するか否かを判別する。すなわち、
・Von>Vth、
・Ion>Ith、
・Voff>Vth、
・Ioff>Ith、
が全て成立するか否かを判別する。この場合、前記図4のMOS26の常時ONといった故障が発生していれば、ステップ214が肯定判別される。つまり、前記図15に示すように、MOS26の常時ONといった故障発生時には、Von,Ionの値が正常値であるのに対し、Voff,Ioffの値が正常値よりも大きく、しきい値Vth,Ithを上回ることになる(Voff=11ボルト,Ioff=5アンペア)。ステップ214が肯定判別された場合、CPU20aは、ステップ215でその時の故障箇所及びモード(MOS26の常時ONの故障情報)をバックアップRAM20dに記憶させる。また、前記ステップ214の条件が不成立であれば、CPU20aはそのまま本ルーチンを終了する。
【0073】
上記一連の故障判定に従い故障発生の旨が判定された後(ステップ205,207,210,211,213,215の処理後)、CPU20aは図9のステップ216〜221の処理を実施する。詳細には、CPU20aは、ステップ216で全通電フラグXZNが「1」であるか否か、すなわち今現在、ヒータ33の全通電制御(又は、98%Duty制御)が実施されているか否かを判別する。XZN=0であり、ヒータ33の電力制御又は素子インピーダンスF/B制御が実施されている場合、CPU20aはステップ216を否定判別して直ちにステップ220に進む。CPU20aは、ステップ220で故障発生フラグXFAILに「1」をセットすると共に、続くステップ221で故障警告灯42を点灯した後、本ルーチンを終了する。故障警告灯42の点灯により、故障発生の旨が自動車の搭乗者に警告されることになる。
【0074】
一方、XZN=1であり、ヒータ33の全通電制御(又は98%Duty制御)が実施されている場合、CPU20aは前記ステップ216を肯定判別してステップ217に進み、故障仮フラグXTEMに「1」にセットする。その後、CPU20aは、ステップ218でカウンタCZNを「1」インクリメントし、続くステップ219でカウンタCZNが所定の判定値KC以上であるか否かを判別する。この判定値KCは、故障発生を確定させるために必要な時間であり、本実施の形態では「3秒」程度に相当するカウント値である。
【0075】
CZN<KCの場合、CPU20aはそのまま本ルーチンを終了する。また、CZN≧KCの場合、CPU20aはステップ220に進む。CPU20aは、ステップ220で故障発生フラグXFAILに「1」をセットすると共に、続くステップ221で故障警告灯42を点灯した後、本ルーチンを終了する。
【0076】
因みに上記図7〜図9の故障判定ルーチンにおいて、ヒータ33の通電開始当初に故障の旨が判定されず、且つ全通電制御が実施されている場合には、Voff,Ioffの検出が不可能となる。そのため、かかる場合には、全通電制御が終了され、電力制御又は素子インピーダンスF/B制御が開始されるまでは故障判定の処理が一時的に中断される(但し、全通電制御中であってもVoff,Ioffが検出できれば、故障判定の実施が可能となる)。
【0077】
なお、本実施の形態では、前記図5のヒータ制御ルーチンが請求項記載のヒータ制御手段に相当し、図7〜図9の故障判定ルーチンが故障判定手段に相当する。また、図5のステップ105の処理が全通電手段に相当し、同図5のステップ120及び図6の処理が初期値検出手段に相当する。
【0078】
図13及び図14は、エンジン10の低温始動時におけるヒータ通電の制御動作と、ヒータ電流の推移と、各種フラグの操作の様子とを示すタイムチャートであり、図13はヒータ制御系に何ら故障が発生していない場合を、図14は故障が発生している場合を示す。
【0079】
図13において、時間t1ではマイコン20に電源が投入され、時間t1〜t2の期間にてイニシャル処理が実施される(前記図6のフロー参照)。この場合、ヒータオフ電圧Voff,ヒータオフ電流Ioffが検出された後に、ヒータオン電圧Von,ヒータオン電流Ionが検出される。そして、この最初のVoff,Ioff,Von,Ionの各値を用いて故障判定が実施される(前記図7〜図9のフロー参照)。このヒータ通電の開始当初には、ヒータ抵抗が小さいためヒータ電流が比較的大きいが、暖機に伴いヒータ電流が正常な値(5アンペア)に収束していく。
【0080】
時間t2では、イニシャルフラグXINTに「1」がセットされると共に、全通電フラグXZNに「1」がセットされる。その後、時間t2〜t4の期間では、ヒータ33の全通電制御が実施される。すなわち、ヒータ通電の制御デューティ比Dutyが100%で維持される。この全通電制御に要する時間は、A/Fセンサ30の冷間状態の度合に応じて異なるが、最長で約7秒程度の時間である。そして、時間t4では全通電フラグXZNが「0」にクリアされ、それ以降、ヒータ33の電力制御及び素子インピーダンスF/B制御が実施される(前記図5のフロー参照)。
【0081】
また、同図13において、イニシャル処理で検出したVon,Ion,Voff,Ioffにより故障発生の旨が仮判定された場合には、図の破線で示すように時間t2で故障仮フラグXTEMに「1」がセットされ、デューティ比Dutyの2%をOFF時間とする、「98%Duty制御」が実施される(図5のステップ106)。かかる場合、この故障発生の判定が一時的なものであれば、図の時間t3で故障仮フラグXTEMが「0」にリセットされ(図7のステップ203a)、ヒータ通電が98%Duty制御から全通電制御に切り換えられる(図5のステップ105)。
【0082】
一方、図14では、通電開始当初から前記図15に示す各種故障のいずれかが発生している。この場合、時間t11〜t12のイニシャル処理で検出したVon,Ion,Voff,Ioffの各値を用いて故障判定が実施され、故障発生の旨が仮判定される。そして、時間t12では故障仮フラグXTEM等がセットされると共に、カウンタCZNのカウントアップが開始される(図9のステップ217,218)。
【0083】
時間t12以降、98%Duty制御の実施中に故障発生の旨が解消されないと、カウンタCZNの値が所定の判定値KCに達する時間t13で故障発生フラグXFAILに「1」がセットされる(図9のステップ220)。この際、故障箇所や故障モードといった故障情報がバックアップRAM20d内に記憶されると共に、故障警告灯42が点灯される。そして、それ以降のヒータ通電が停止される。
【0084】
上記の如く全通電制御が本来、実施される期間において98%Duty制御を実施し、強制的にヒータ非通電の動作を行わせるため、故障発生の仮判定時にVoff,Ioffの各値の検出が可能となる。従って、ヒータ制御系の故障が正確に把握でき、センサ過昇温といった不都合を招くこともない。
【0085】
なお、上述のように故障警告灯42が点灯されると、この警告に従い故障発生の車両が修理工場等に持ち込まれる。そして、バックアップRAM20d内に記憶されている故障情報をダイアグチェッカ等にて読み出せば、煩雑な作業を要することもなく故障箇所が容易に特定され、その時々の故障に応じた修理作業が行われる。
【0086】
以上詳述した本実施の形態によれば、以下に示す効果が得られる。
(a)本実施の形態では、ヒータ通電時の電圧及び電流Von,Ionと、ヒータ非通電時の電圧及び電流Voff,Ioffとからなる4つの値を各々に所定のしきい値Vth,Ithにて大小比較し、該比較した4つの値のうち、いずれが正常時の値と異なるかに応じて故障の有無を判定すると共に故障箇所を特定するようにした。上記構成によれば、既存の装置では不十分であったヒータ制御系の故障箇所の特定が可能となる。つまり、ヒータ制御系の故障発生時においてその旨を正確に判定すると共に、故障箇所を細部にまで特定することができるようになる。かかる場合において、上記故障箇所の特定結果を用いることにより、実際の修理までに要する故障箇所の特定作業が大幅に簡素化できるようになる。その結果、メンテナンス性や作業性が向上するという効果も得られる。
【0087】
(b)また本実施の形態では、前記図15に示されるような各種故障を発生箇所毎又はモード毎に特定することで、実機に対応する故障判定が実現できるようになる。
【0088】
(c)エンジン始動に伴うヒータ33の通電当初において、全通電制御の開始前に、ヒータオフ電圧Voffとヒータオフ電流Ioffとを検出すると共に、そのVoff,Ioffの検出後、ヒータ通電を開始してヒータオン電圧Vonとヒータオン電流Ionとを検出するようにした(前記図6のイニシャル処理)。そして、当該検出したVoff,Ioff,Von,Ionの各値に応じて故障判定を実施するようにした。この場合、ヒータ33の全通電制御が実施されていると(Duty=100%であると)、故障が発生していてもVoff,Ioffが検出できず正確な故障判定が不可能になるが、通電開始前にVoff,Ioffを検出しておくことで、Von,Ion,Voff,Ioffからなる4つの値を検出することが可能となる。その結果、既述のような所望の故障判定を実施することができる。
【0089】
(d)また、ヒータ通電の開始当初に故障発生の旨が判定された場合、Voff,Ioffが検出可能な最小時間だけヒータ通電を遮断するべく、「98%Duty制御」を実施し(前記図5のステップ106)、その状態でヒータ制御系の故障発生の旨が所定時間以上継続して判定されれば、最終的に故障発生であることを確定するようにした(前記図9のステップ216〜221)。この場合、エンジン始動当初の一時的な故障判定時にも故障の誤判定を回避することができ、より正確な故障判定が可能になる。
【0090】
(e)さらに、本実施の形態では、制御デューティ比Dutyを所定の下限ガード値(1%)にて制限するようにした(前記図5のステップ112,113)。この場合、例えばエンジン10の高負荷運転時など、排気温が高くヒータ通電が不要になる場合(Duty=0%になる場合)にも、ヒータオン電圧Von及びヒータオン電流Ionを確実に検出することができる。従って、Von,Ion,Voff,Ioffからなる4つの値を常に検出することが可能となり、既述のような所望の故障判定を実施することができる。
【0091】
(f)また、以上のようにヒータ制御系の故障が正確に把握できれば、A/Fセンサ30の正常なる活性状態が維持できる。その結果、精度の高い空燃比F/B制御が実施できるようになり、エミッションが低減されると共に、排ガス規制に関する法規制にも適切に対応できることとなる。
【0092】
なお、本発明の実施の形態は、上記以外に次の形態にて実現できる。
上記実施の形態では、ヒータ制御系の故障判定ルーチン(図7〜図9)において、
・Von>Vth、
・Ion<Ith、
・Voff>Vth、
・Ioff<Ith、
という4条件が成立する故障時に(前記図8のステップ208がYESとなる場合に)、Voffの値を第2のしきい値電圧Vth2と大小比較し、C部又はD部開放による故障と、D,E,F−GND間短絡による故障とを判別するようにしていたが(図8のステップ209〜211)、この構成を変更してもよい。例えばステップ209の処理を省略し、ステップ208が肯定判別された場合には、「C部又はD部開放、或いはD,E,F−GND間短絡」による故障が発生したと結論付けるようにしてもよい。
【0093】
また、故障判定する箇所又はモードを前述の実施の形態(図15参照)よりも減らし、CPU20aによる演算負荷の軽減を図るようにしてもよい。具体的には、故障の発生頻度や優先順位を考慮し、図4におけるE部開放、F部開放、G部開放及びMOS26の常時ON,常時OFFといった故障の全て若しくはその一部を故障判定の対象から外してもよい。要するに、図4におけるA部開放、B部開放、C部開放、D部開放及びD,E,F−GND間短絡といった故障を必須の故障判定の対象とする。この場合、発生頻度の高い故障、又は優先度の高い故障が適切に判定できるようになる。但し、故障の原因の大半が半導体スイッチング素子のON・OFF不能によるものであると解析される場合には、故障判定の対象を当該スイッチング素子のON・OFF故障に限定することも可能である。
【0094】
上記実施の形態では、エンジン10の低温始動当初においてヒータ33の全通電制御を実施していた。すなわち、ヒータ33を100%通電により加熱させるようにしていた。この構成を変更し、ヒータ33の制御デューティ比を例えば「98%」の上限ガード値にて制限するようにしてもよい。この場合、上述した図5のヒータ制御ルーチンのように、センサ活性前に「全通電制御」と「98%通電制御」とを区別して実施する必要がなくなる。こうした構成によれば、制御デューティ比の上限及び下限が「1%〜98%」の範囲内で制限されることとなり、Von,Ion,Voff,Ioffの各値が常に検出できるようになる。但し、上記上限及び下限ガードによるデューティ比の制限は、本発明において必須要件ではなく、適宜省略して具体化できる。
【0095】
また、上記実施の形態では、ヒータ通電の開始当初において故障発生を仮判定し、その状態が所定時間以上経過した際に故障発生を確定させるようにしていたが(前記図9のステップ216〜221)、こうした仮判定の処理をヒータ通電の開始当初以外にも適用してもよい。この場合、故障発生の旨の誤判定が防止できるようになる。また逆に、演算処理の簡素化のために、仮判定の処理を削除して具体化することも可能である。
【0096】
ヒータ制御回路25の構成を以下のように変更してもよい。
図16に示すヒータ制御回路25は、前記図4の一部を変更したものであり、具体的にはヒータ電流検出回路の構成を変更している。図16のヒータ電流検出回路45は、オペアンプ45aと、同オペアンプ45aの非反転入力端子に接続された抵抗45b,45c及び定電圧電源Vcc(5ボルト)と、反転入力端子に接続された抵抗45d,45eとからなる差動増幅回路により構成されている。そして、当該検出回路45は、ヒータ電流検出用抵抗41により検出されるヒータ電流Ihを電圧信号に変換しその結果をA/D変換器24を介してマイコン20に出力する。かかる構成では、前記図4の構成とは異なり、ヒータ電流Ihが大きくなるほどオペアンプ45aの出力が小さくなるような出力特性を有する。
【0097】
図17のヒータ制御回路は、電圧検出手段及び電流検出手段をA/D変換器24及びマイコン20にて構成するものである。同構成では、ヒータ33のバッテリ側電位が抵抗46a,46bを介してA/D変換器24の「CH1」に入力され、ヒータ33のGND側電位が抵抗46c,46dを介してA/D変換器24の「CH2」に入力される。また、ヒータ電流検出用抵抗41のヒータ側の電位がA/D変換器24の「CH3」に入力される。そして、マイコン20は、前記A/D変換器24のCH1,CH2,CH3に取り込まれた信号に基づいてヒータ33の両端電圧(Von,Voff)及びヒータ電流(Ion,Ioff)を検出する。
【0098】
またその他の形態として、前記図4、図16、図17を組み合わせてヒータ制御回路を構成したり、ヒータ電流ローサイド検出の構成や或いはヒータ電流ハイサイド検出の構成を適用したりすることも可能である。これらの回路構成は、エンジン毎の設計思想等に応じて適宜選択的に用いられる。
【0099】
ヒータ通電時の電圧及び電流の検出値(Von,Ion)を比較判定するためのしきい値と、ヒータ非通電時の電圧及び電流の検出値(Voff,Ioff)を比較判定するためのしきい値とを別個に設けるようにしてもよい。つまり、本実施の形態の構成では、ヒータ制御系の正常時には、Von=11ボルト,Ion=5アンペア,Voff=0ボルト,Ioff=0アンペア若しくはその付近の値となる。そこで例えば、
・ヒータ通電時のしきい値電圧(Vthon)を「9ボルト」程度に、
・ヒータ通電時のしきい値電流(Ithon)を「4アンペア」程度に、
・ヒータ非通電時のしきい値電圧(Vthoff)を「2ボルト」程度に、
・ヒータ非通電時のしきい値電流(Ithoff)を「1アンペア」程度に、
それぞれ設定する。そして、
・Von>Vthon、
・Ion>Ithon、
・Voff<Vthoff、
・Ioff<Ithoff、
の4条件が成立する場合にのみヒータ制御系が正常である旨を判定し、それ以外の場合には、上記4つの検出値(Von,Ion,Voff,Ioff)が上記4つのしきい値に対して如何なる大小関係にあるかに応じてヒータ制御系の故障箇所及びモードを図15を参照しつつ特定する。かかる構成によれば、より一層適確な故障判定が実施できるようになる。
【0100】
上記実施の形態では、コップ型のA/Fセンサに本発明を具体化したが、積層型のA/Fセンサに具体化してもよい。
上記実施の形態では、限界電流式空燃比センサ(A/Fセンサ)に本発明を具体化したが、他のガス濃度センサに具体化して実現することも可能である。例えば空燃比が理論空燃比(ストイキ)に対してリッチかリーンかで異なる電圧信号(起電力)を出力するO2 センサにて本発明を具体化してもよい。要は、活性化のためにヒータによる加熱が必要なガス濃度センサ、例えばNOx ,HC,CO等のガス濃度を検出するためのセンサであれば、本発明が適用できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】発明の実施の形態における空燃比検出装置の概要を示す構成図。
【図2】A/Fセンサの詳細な構成を示す断面図。
【図3】A/Fセンサの出力特性を説明するためのV−I特性図。
【図4】ヒータ制御回路の構成を示す回路図。
【図5】ヒータ制御ルーチンを示すフローチャート。
【図6】イニシャル処理ルーチンを示すフローチャート。
【図7】ヒータ制御系の故障判定ルーチンを示すフローチャート。
【図8】図7に続き、ヒータ制御系の故障判定ルーチンを示すフローチャート。
【図9】図7及び図8に続き、ヒータ制御系の故障判定ルーチンを示すフローチャート。
【図10】素子インピーダンスの検出法の一例を説明するための波形図。
【図11】電力制御時において、素子インピーダンスに応じた電力指令値を求めるためのマップ。
【図12】ヒータの通電制御信号に対応するヒータ両端電圧及びヒータ電流と、それら各値の検出タイミングを説明するためのタイムチャート。
【図13】エンジン始動時における制御動作を説明するためのタイムチャート。
【図14】エンジン始動時における制御動作を説明するためのタイムチャート。
【図15】各種故障の形態と、正常時及び故障発生時におけるヒータ電圧及びヒータ電流の各値とを説明するための図。
【図16】他の実施の形態において、ヒータ制御回路の構成を示す回路図。
【図17】他の実施の形態において、ヒータ制御回路の構成を示す回路図。
【符号の説明】
10…エンジン、12…排気管、20…マイコン(マイクロコンピュータ)、20a…ヒータ制御手段,故障判定手段,全通電手段,初期値検出手段を構成するCPU、20d…バックアップRAM、24…A/D変換器、26…半導体スイッチング素子としてのMOS(nチャネルMOSトランジスタ)、28…電圧検出手段を構成するヒータ電圧検出回路、29…電流検出手段を構成するヒータ電流検出回路、30…ガス濃度センサとしてのA/Fセンサ(限界電流式空燃比センサ)、33…ヒータ、41…電流検出手段を構成するヒータ電流検出用抵抗、42…故障警告灯、+B…バッテリ電源。
[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a failure determination device for a heater control system used in a gas concentration sensor.
[0002]
[Prior art]
In a gas concentration detection device including an application to an automobile, the same detection device using a gas concentration sensor has been proposed, and an air-fuel ratio detection device using an air-fuel ratio sensor is known as an example.
[0003]
That is, in recent vehicle-mounted engines, linear air-fuel ratio sensors that detect the air-fuel ratio (oxygen concentration in exhaust gas) of the air-fuel mixture sucked into the engine in a wide area and linearly are applied. For example, in the limit current type air-fuel ratio sensor, it is necessary to maintain the temperature of the sensor element at a predetermined activation temperature in order to accurately detect the air-fuel ratio (oxygen concentration). For this reason, a heater is usually attached to the sensor, and energization of the heater is controlled by a predetermined duty ratio signal.
[0004]
Recently, it has been legally prescribed to monitor the function of the heater control system for this type of sensor related to automobile exhaust gas, and this regulation tends to be further strengthened in the future. Under such circumstances, a technique such as “Method and apparatus for monitoring the functional capability of a heater of an oxygen measurement sensor” in Japanese Patent Laid-Open No. 5-195443 has been proposed. The apparatus disclosed in the publication is configured to measure the voltage applied to the heater of the oxygen measurement sensor when the heater is energized and when the heater is energized and to output a failure signal when the measured voltage difference is outside a predetermined range. It was.
[0005]
[Problems to be solved by the invention]
However, in the above-described conventional apparatus, it is mainly configured to determine the presence or absence of a failure based on the voltage value (power supply voltage) applied to the heater. Regarding the identification of the failure location and failure mode of the heater control system Was still inadequate. Therefore, automobiles brought into repair shops after the occurrence of a failure, such as inspection of control circuits and harness inspection (including inspection of conductors and connectors), etc. to investigate what is the cause of the failure and where it should be repaired Will be forced to investigate. For this reason, there is a problem that maintenance and inspection require complicated work and a lot of time, and the maintainability is poor.
[0006]
The present invention has been made paying attention to the above-mentioned problem, and the object of the present invention is to accurately determine that when a failure occurs in the heater control system and to identify the failure location. It is providing the failure determination apparatus of the heater control system used for a density sensor.
[0007]
[Means for Solving the Problems]
In order to achieve the above object, the invention according to claim 1 has the following characteristics: Applied to a heater control system provided with a heater attached to a gas concentration sensor and energized by power supply from a power source, and heater control means for on / off controlling energization of the heater at a predetermined control duty ratio As a failure determination device, Connected in parallel to the heater, the voltage across the heater Accompanying on / off control with a predetermined control duty ratio Voltage detection means that detects when the heater is energized and de-energized, and the current flowing through the heater connected in series to the heater Similarly with on / off control with a predetermined control duty ratio Current detection means for detecting when the heater is energized and not energized, and the detected voltage and current when the heater is energized And hi The four values consisting of the voltage and current at the time of non-energization are compared with each other at a predetermined threshold value. Small Is the deviation different from the normal value? , A combination of these four values And determine whether there is a failure according to In the circuit constituting the heater control system Failure determination means for specifying a failure location.
[0008]
According to the above configuration, by detecting four values consisting of the voltage and current when the heater is energized and the voltage and current when the heater is not energized, and comparing each with a predetermined threshold value, This makes it possible to identify the failure point of the heater control system, which was insufficient. That is, when a failure occurs in the heater control system, this is accurately determined, and the failure location can be specified in detail. In such a case, when it is determined that a failure has occurred, for example, a failure warning light (MIL: Malfunction indicator light) is turned on, and the vehicle in which the failure has occurred is brought to a repair shop or the like in accordance with this warning. Then, by using the above-described failure location identification result, the failure location identification work required until actual repair can be greatly simplified. As a result, the effect of improving maintainability and workability can be obtained.
[0009]
Incidentally, the failure information specified as described above is stored in a backup memory or the like that retains the data even after the power is turned off, and is read out by a diagnostic checker at any time in a repair shop or the like.
[0010]
The invention of claim 1 is embodied as the following claims 2 to 5. That is,
In the invention described in claim 2, the failure determination means specifies a failure that opens an electrical path connecting the power source side, ground side electrical path of the heater and the heater.
-In invention of Claim 3, the said failure determination means specifies the failure that the electrical path which connects the said heater and the said voltage detection means is open | released.
In the invention according to claim 4, the failure determination means is configured such that the heater is energized regardless of a failure (GND short) in which an electrical path on the ground side of the heater is short-circuited, that is, whether the semiconductor switching element is on or off. Identify faults that will be left alone.
In the invention according to claim 5, the failure determination means is a failure that makes it impossible to switch on / off the semiconductor switching element for intermittently connecting an electric path connecting the power source, the heater, and the ground, that is, a normally-on failure or Identify faults that are always off. According to the structure of Claims 2-5, it becomes possible to specify the failure location about the failure with a comparatively high occurrence frequency, or a failure with a comparatively high priority.
[0011]
If the example of the failure form is briefly explained using the circuit diagram of FIG.
In claim 2, the failure such as disconnection of each part of A, C, D, F, and G in FIG. 4 can be detected.
In the third aspect of the present invention, it is possible to detect a failure such as disconnection of each part B and E in FIG.
In claim 4, a failure such as a short circuit in each part of D, E, and F in FIG. 4 can be detected.
In the fifth aspect of the invention, an on failure or an off failure of the transistor 26 can be detected.
[0012]
According to the sixth aspect of the present invention, at the beginning of energization of the heater at the start of the engine, all energization means for setting the control duty ratio of the heater to 100% and before the start of heater energization by the all energization means, An initial value detecting means for detecting a voltage and a current value and, after the detection, starting energization of the heater to detect both-end voltage and current value; and the failure determining means is detected by the initial value detecting means Failure determination is performed according to each value of the measured voltage and current.
[0013]
That is, when the engine is started at a low temperature, the control duty ratio of the heater is set to 100% so that a gas concentration sensor (for example, an air-fuel ratio sensor) is activated quickly, and the heater is continuously energized (100% energized). ). In this case, if 100% energization is performed, the voltage and current when the heater is not energized cannot be detected even if a failure occurs, and accurate failure determination becomes impossible. On the other hand, in the above configuration, by detecting the voltage and current when the heater is not energized before starting energization, the four values consisting of the voltage and current when the heater is energized and the voltage and current when the heater is not energized are detected. Can be detected, and the desired failure determination as described above can be performed.
[0014]
In the seventh aspect of the invention, when it is determined that a failure has occurred according to the detected values of the voltage and current by the initial value detecting means, the voltage across the heater and the current value can be detected only for the minimum time. The means for setting the control duty ratio to cut off the heater energization, and the heater energization is controlled with the set control duty ratio, and in this state, it is determined continuously that a failure has occurred in the heater control system for a predetermined time or more. A means for finally determining that a failure has occurred. In this case, a more accurate failure determination can be made as compared with the invention of claim 6. In other words, when it is determined that a failure has occurred for the first time, the determination result is used as a temporary determination result, and then the heater energization is cut off for a minimum time during which the both-end voltage and current value of the heater can be detected. It is possible to avoid erroneous determination of failure even at the time of temporary failure determination at the beginning of engine startup.
[0015]
In the invention according to claim 8, the control duty ratio by the heater control means is limited by a predetermined lower guard value or upper guard value. In this case, since the heater energization state or non-energization state is not continued, it is possible to always detect four values consisting of the voltage and current when the heater is energized and the voltage and current when the heater is de-energized. Thus, the desired failure determination as described above can be performed.
[0016]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
Hereinafter, an embodiment in which the present invention is embodied in an air-fuel ratio detection apparatus will be described with reference to the drawings. The air-fuel ratio detection apparatus in the present embodiment is applied to an electronically controlled gasoline injection engine mounted on an automobile. In the air-fuel ratio control system of the engine, the air-fuel ratio detection system is based on the detection result by the air-fuel ratio detection apparatus. Then, the fuel injection amount to the engine is controlled to a desired air-fuel ratio. In the following description, with regard to the limit current type air-fuel ratio sensor as a gas concentration sensor, the heater energization control procedure attached to the sensor and the failure determination procedure of the heater control system will be described in detail and the processing will be realized. A specific configuration for doing this will be described.
[0017]
FIG. 1 is a configuration diagram showing an outline of an air-fuel ratio detection apparatus according to the present embodiment. In FIG. 1, the air-fuel ratio detection device includes a limiting current air-fuel ratio sensor (hereinafter referred to as an A / F sensor) 30. The A / F sensor 30 is attached to an exhaust pipe 12 extending from the engine body 11 of the engine 10, and the oxygen concentration in the exhaust gas is adjusted with the application of a voltage commanded from a microcomputer (hereinafter referred to as a microcomputer) 20. A proportional linear air-fuel ratio detection signal (sensor current signal) is output. The microcomputer 20 includes a well-known CPU 20a, ROM 20b, RAM 20c, backup RAM 20d, and the like for executing various arithmetic processes, and controls the heater control circuit 25 and the bias control circuit 40 according to a predetermined control program. The backup RAM 20d is configured as a memory capable of holding stored information even after the power supply to the microcomputer 20 is cut off.
[0018]
Here, the bias command signal Vr output from the microcomputer 20 is input to the bias control circuit 40 via the D / A converter 21. The output of the A / F sensor 30 corresponding to the air / fuel ratio (oxygen concentration) at that time is detected as a sensor current by the current detection circuit 50 in the bias control circuit 40, and the detected value is sent to the A / D converter 23. Via the microcomputer 20. The microcomputer 20 performs ON / OFF control of the heater 33 of the A / F sensor 30 by a predetermined control duty ratio signal. A heater voltage and a heater current associated with ON / OFF of the heater 33 are detected by a heater control circuit 25 described later, and the detected values are input to the microcomputer 20 via the A / D converter 24. Further, the microcomputer 20 is connected with a failure warning light 42 for notifying the passenger of the vehicle that a failure has occurred. The warning light 42 is turned on or off according to a determination result of a failure determination process described later. Turns off.
[0019]
FIG. 2 is a cross-sectional view showing an outline of the A / F sensor 30. In FIG. 2, the A / F sensor 30 protrudes toward the inside of the exhaust pipe 12, and the sensor 30 is roughly divided into a cover 31, a sensor body 32, and a heater 33. The cover 31 has a U-shaped cross section, and a plurality of small holes 31a communicating with the inside and outside of the cover are formed on the peripheral wall. The sensor main body 32 as the sensor element unit generates a limit current corresponding to the oxygen concentration in the air-fuel ratio lean region or the unburned gas (CO, HC, H2 etc.) concentration in the air-fuel ratio rich region.
[0020]
The configuration of the sensor body 32 will be described in detail. In the sensor body 32, an exhaust gas side electrode layer 36 is fixed to the outer surface of the solid electrolyte layer 34 formed in a cup shape in cross section, and an atmosphere side electrode layer 37 is fixed to the inner surface. A diffusion resistance layer 35 is formed outside the exhaust gas side electrode layer 36 by plasma spraying or the like. The solid electrolyte layer 34 is made of an oxygen ion conductive oxide sintered body in which CaO, MgO, Y2 O3, Yb2 O3 or the like is dissolved as a stabilizer in ZrO2, HfO2, ThO2, Bi2 O3 or the like as a stabilizer. Consists of heat-resistant inorganic materials such as alumina, magnesia, siliceous, spinel, mullite. Both the exhaust gas side electrode layer 36 and the atmosphere side electrode layer 37 are made of a noble metal with high catalytic activity such as platinum, and the surface thereof is subjected to porous chemical plating or the like. The area and thickness of the exhaust gas side electrode layer 36 are about 10 to 100 mm 2 (square millimeter) and about 0.5 to 2.0 μm, while the area and thickness of the atmosphere side electrode layer 37 are. Is 10 mm ^ 2 (square millimeter) or more and about 0.5 to 2.0 μm.
[0021]
The heater 33 is accommodated in the atmosphere-side electrode layer 37 and heats the sensor body 32 (the atmosphere-side electrode layer 37, the solid electrode layer 34, the exhaust gas-side electrode layer 36, and the diffusion resistance layer 35) by the heat generation energy. . The heater 33 has a heat generation capacity sufficient to activate the sensor body 32.
[0022]
In the A / F sensor 30 configured as described above, the sensor main body 32 generates a limit current corresponding to the oxygen concentration in the lean region from the theoretical air-fuel ratio point. In this case, the limit current corresponding to the oxygen concentration is determined by the area of the exhaust gas side electrode layer 36, the thickness of the diffusion resistance layer 35, the porosity, and the average pore diameter. The sensor main body 32 can detect the oxygen concentration with a linear characteristic, and a high temperature of about 600 ° C. or higher is required to activate the sensor main body 32. Since the active temperature range is narrow, the element temperature cannot be controlled in the active region by heating only with the exhaust gas of the engine 10. For this reason, in the present embodiment, the sensor main body 32 is heated to the active temperature range by duty-controlling the power supplied to the heater 33. Note that in the region on the richer side than the stoichiometric air-fuel ratio, the concentration of unburned gas such as carbon monoxide (CO) changes almost linearly with respect to the air-fuel ratio, and the sensor body 32 corresponds to the concentration of CO or the like. Generate limit current.
[0023]
The voltage-current characteristic (VI characteristic) of the sensor body 32 will be described with reference to FIG. According to FIG. 3, the inflow current to the solid electrolyte layer 34 of the sensor main body 32 proportional to the detection A / F of the A / F sensor 30 and the applied voltage to the solid electrolyte layer 34 have linear characteristics. I understand. In such a case, the straight line portion parallel to the voltage axis V is a limit current detection area for specifying the limit current of the sensor body 32, and the increase / decrease of the limit current (sensor current) is the increase / decrease of A / F (that is, lean / rich). ). That is, the limit current increases as A / F becomes leaner, and the limit current decreases as A / F becomes richer.
[0024]
In this V-I characteristic, a voltage region smaller than a straight line portion (limit current detection region) parallel to the voltage axis V is a resistance dominant region, and the slope of the primary linear portion in the resistance dominant region is It is specified by the internal resistance of the solid electrolyte layer 34 (hereinafter referred to as element impedance Zdc). This element impedance Zdc changes with changes in temperature, and when the temperature of the sensor body 32 decreases, the inclination decreases due to an increase in Zdc.
[0025]
FIG. 4 is a circuit diagram showing a configuration of the heater control circuit 25. In the figure, one end of the heater 33 is connected to a battery power supply + B having a rated voltage of 12 volts, and the other end is connected to the drain of an n-channel MOS transistor (hereinafter referred to as MOS 26) constituting a semiconductor switching element. The gate of the MOS 26 is connected to the microcomputer 20 via a driver 27, and the source is grounded via a heater current detection resistor 41. In short, the MOS 26 is turned ON / OFF by the control duty ratio signal of the microcomputer 20, and the energization operation of the heater 33 is controlled by the ON / OFF operation of the MOS 26.
[0026]
The heater voltage detection circuit 28 as voltage detection means is constituted by a differential amplifier circuit composed of an operational amplifier 28a and resistors 28b to 28e, measures the voltage Vh across the heater 33, and outputs the measurement result to an A / D converter. 24 to the microcomputer 20. The heater end-to-end voltage Vh corresponds to the difference between the battery-side voltage Vpos of the heater 33 and the GND-side voltage Vneg (Vh = Vpos−Vneg). Here, the resistance values of the resistors 28b and 28e are equal (this resistance value is R1), and the resistance values of the resistors 28c and 28d are equal (this resistance value is R2).
[0027]
The heater current detection circuit 29 as current detection means is constituted by a differential amplifier circuit composed of an operational amplifier 29a and resistors 29b to 29e, and converts the heater current Ih detected by the heater current detection resistor 41 into a voltage signal. The result is output to the microcomputer 20 via the A / D converter 24. Incidentally, the resistance value of the heater current detection resistor 41 is set to a very small value so as not to affect the heater current Ih, so that the temperature rise performance of the heater 33 is not impaired.
[0028]
If no failure has occurred in the heater control system when the heater is energized (when the MOS 26 is turned on) and when the heater is not energized (when the MOS 26 is turned off), the heater control circuit 25 is configured as follows. Detect voltage and heater current. That is, when the heater is energized, the voltage applied to both ends of the heater (hereinafter referred to as the heater-on voltage Von) becomes a value substantially equal to the power supply voltage VB of the heater 33 (a value lower by the voltage drop of the resistance component such as the harness). At this time, the current flowing through the heater 33 (hereinafter referred to as heater-on current Ion) is a value obtained by dividing the power supply voltage VB by the heater resistance value Rh. Specifically, if VB = 12 volts, the heater on voltage Von is
Von = (R1 / R2) · Vh
From the above formula, it becomes “about 11 volts”. If Rh = 2 ohms, the heater-on current Ion is
Ion = VB / Rh
It becomes "about 5 amps" from the mathematical formula. That is, the output of the heater voltage detection circuit 28 (output voltage of the operational amplifier 28a) becomes “about 11 volts” and the current conversion value of the output of the heater current detection circuit 29 (output voltage of the operational amplifier 29a) becomes “about 5 amperes”. It becomes.
[0029]
In addition, when the heater is not energized, the potential difference between both ends of the heater disappears, so that the voltage applied to both ends of the heater (hereinafter referred to as heater off voltage Voff) becomes “almost 0 volts”. At this time, since there is no potential difference between both ends of the heater current detection resistor 41, the current flowing through the heater 33 (hereinafter referred to as heater off current Ioff) becomes “0 ampere”. That is, the output of the heater voltage detection circuit 28 (output voltage of the operational amplifier 28a) becomes “almost 0 volt” and the current conversion value of the output of the heater current detection circuit 29 (output voltage of the operational amplifier 29a) becomes “almost 0 amperes”. It becomes.
[0030]
On the other hand, in the heater control system, when any failure occurs, such as a harness failure (conductor disconnection or connector contact failure), Von, Ion, Voff, Ioff described above becomes a value different from the normal value. Is different depending on what kind of failure has occurred at which location due to the configuration of the heater control system. Therefore, in the present embodiment, the failure occurrence location and the content (hereinafter referred to as failure mode) are analyzed by dividing into the following (1) to (10), and the analysis results are individually shown with reference to FIG. Explained. FIG. 15 shows values of Von, Ion, Voff, and Ioff corresponding to each failure location and failure mode.
[0031]
(1) Opening of part A in Fig. 4
When the heater is energized (when the MOS 26 is turned on) at the time of failure of “A part open” due to disconnection or the like, the potentials at both ends of the heater 33 are both at the GND level, and no potential difference between the both ends of the heater occurs. Accordingly, the heater-on voltage Von is “0 volts”. At this time, since the electric path connecting the battery power source + B, the heater 33 and GND is cut off, no current flows through the heater 33 and the heater on-current Ion becomes “0 ampere”. In this case, Von and Ion are greatly different from those when the heater control system is normal.
[0032]
Incidentally, the non-inverting input terminal of the operational amplifier 28a is connected to the GND through the resistor 28e, and the operational amplifier 28a applies negative feedback by the resistor 28b. Therefore, when the heater is not energized (when the MOS 26 is turned off), the inverting input terminal of the operational amplifier 28a is at the GND level, and the output voltage of the operational amplifier 28a is "0 volts", which is the GND level. That is, the heater off voltage Voff becomes “0 volt” as in the normal state. Further, the heater-off current Ioff is “0 amperes” as in the normal state.
[0033]
(2) In the case of B part opening of FIG.
At the time of failure of “B part open” due to disconnection or the like, when the heater is energized (when the MOS 26 is turned on), the non-inverting input terminal of the operational amplifier 28a becomes the GND level, and the heater on voltage Von becomes “0 volt”. At this time, as apparent from the circuit diagram of FIG. 4, the heater current normally flows even when the portion B is opened, so the heater on-current Ion has the same value as in the normal state. Note that the heater off voltage Voff and the heater off current Ioff when the heater is not energized (when the MOS 26 is turned off) both have the same values as when normal. In other words, only Von is greatly different from the normal value. This makes it possible to determine a failure and to determine that the above-mentioned failure of the A section is open.
[0034]
(3) In the case of part C opening in FIG.
At the time of failure of “C section open” due to disconnection or the like, when the heater is energized (when the MOS 26 is ON), the non-inverting input terminal of the operational amplifier 28a becomes the potential of the heater power supply voltage VB and the inverting input terminal is 0. It becomes a bolt. In detail,
Von = (R1 / R2) · VB
The Von value is obtained from the mathematical expression. At this time, the heater-on voltage Von is a voltage value corresponding to the potential of the power supply voltage VB, that is, “12 volts”. Here, when the part C is opened, the electric path connecting the battery power source + B, the heater 33 and GND is cut off, and no heater current flows even if the MOS 26 is turned on. For this reason, there is no voltage drop in the harness or the like, and the heater-on voltage Von is higher than normal. Further, the heater-on current Ion becomes “0 ampere” due to the interruption of the electric path.
[0035]
On the other hand, when the heater is not energized (when the MOS 26 is turned off), the heater off voltage Voff is obtained from the product of the power supply voltage VB and the resistance divided value (R1 / (R1 + R2)). That means
Voff = {R1 / (R1 + R2)} · VB
The heater-off voltage Voff is obtained from the above formula, specifically, a value of about “9 volts”. The heater off current Ioff is “0 amperes”. In the case of such a failure of the C section opening, Ion and Voff are greatly different from the normal values, thereby making it possible to determine the failure.
[0036]
(4) In the case of D part opening of FIG.
At the time of failure of “D part open” due to disconnection or the like, Von = 12 volts, Ion = 0 ampere, Voff = 9 volts, Ioff = 0 ampere as in the case of the failure of the C part open. Incidentally, the same detection result can be obtained when a failure such as the heater 33 itself being damaged occurs.
[0037]
(5) In the case of E part opening of FIG.
At the time of failure of “E part open” due to disconnection etc., when the heater is energized (when MOS 26 is on),
Von = {R1 / (R1 + R2)} · VB
The heater-on voltage Von is obtained from the above formula. Specifically, Von has a value of about “9 volts”. Here, since the heater 33 can be energized when the E portion is opened, the heater-on current Ion is detected as normal (Ion = 5 amperes).
[0038]
On the other hand, when the heater is not energized (when the MOS 26 is turned off), the heater off voltage Voff is similar to the heater on voltage Von.
Voff = {R1 / (R1 + R2)} · VB
Specifically, it is a value of about “9 volts”. The heater off current Ioff is “0 amperes”. In the case of such an E portion opening, Voff is greatly different from the normal value, and thus it is possible to determine a failure.
[0039]
(6) In the case of F part opening of FIG.
At the time of failure of “F section open” due to disconnection or the like, the electric paths such as the battery power source + B, the heater 33, the MOS 26, and the GND are cut off. Therefore, regardless of whether the heater 33 is energized or not (MOS 26 is turned on / off), the heater voltage and current value are equal to the values when the MOS 26 is turned off. That is, Von = 0 volt, Ion = 0 ampere, Voff = 0 volt, and Ioff = 0 ampere. In this case, Von and Ion are greatly different from the normal value, thereby making it possible to determine whether a failure has occurred.
[0040]
(7) In case of G part opening in FIG.
Even in the case of failure of “G part open” due to disconnection or the like, the electric path such as the battery power source + B, the heater 33, the MOS 26, and GND is cut off as in the case of the F part open in (6) above. Therefore, regardless of whether the heater 33 is energized or not (MOS 26 is turned on / off), the heater voltage and current value are the same as when the MOS 26 is turned off. That is, Von = 0 volt, Ion = 0 ampere, Voff = 0 volt, and Ioff = 0 ampere. In this case, Von and Ion are greatly different from the normal value, thereby making it possible to determine whether a failure has occurred.
[0041]
(8) In case of D, E, F-GND short circuit in Fig. 4
At the time of this “D, E, F-GND short circuit” failure, the heater voltage is almost equal to the value when the MOS 26 is ON, regardless of whether the heater 33 is energized or not (MOS 26 is ON / OFF). However, in such a case, there is no voltage drop due to resistance due to the harness or the like, and the same voltage as the power supply voltage VB is applied to both ends of the heater. That is, Von = 12 volts and Voff = 12 volts. Further, since there is no potential difference between both ends of the heater current detection resistor 41, Ion = 0 ampere and Ioff = 0 ampere. In this case, Ion and Voff are greatly different from the normal values, thereby making it possible to determine a failure.
[0042]
Incidentally, the fact that Ion and Voff differ greatly from the normal value is the same as the above-described failure of C part or D part open, but if each Voff is compared, these C part or D part open And D, E, F-GND short circuit faults. This will be described below. When the C part or D part is opened, the Voff value is obtained by the product of the power supply voltage VB and the resistance voltage dividing value (R1 / (R1 + R2)). On the other hand, when D, E, F-GND are short-circuited, the inverting input terminal of the operational amplifier 28a becomes the GND level, and the output of the operational amplifier 28a, that is, the Voff value is obtained as “R1 / R2 × VB”. Therefore, Voff at the time of short circuit between D, E, F and GND is higher than Voff at the time of opening C part and D part, and if a threshold voltage for determining the Voff value of both is set, It becomes possible to distinguish between the C part or D part open and the D, E, F-GND short circuit.
[0043]
(9) When MOS26 is always ON
When the “MOS 26 is always ON” failure, the heater voltage and current value are equal to the values when the heater is energized, regardless of whether the heater 33 is energized or not. That is, Von = 11 volts, Ion = 5 amps, Voff = 11 volts, Ioff = 5 amps. In this case, Voff and Ioff are greatly different from the normal values, thereby making it possible to determine the occurrence of a failure.
[0044]
(10) When MOS26 is always OFF
When the “MOS 26 is always OFF” failure, the heater voltage and current value are equal to the values when the heater 33 is not energized, regardless of whether the heater 33 is energized or de-energized. That is, Von = 0 volt, Ion = 0 ampere, Voff = 0 volt, and Ioff = 0 ampere. In this case, Von and Ion are greatly different from the normal value, thereby making it possible to determine whether a failure has occurred.
[0045]
Next, the operation of the apparatus of the present embodiment configured as described above will be described.
FIG. 5 is a flowchart showing a heater control routine, FIG. 6 is an initial processing routine which is a subroutine of FIG. 5, and FIGS. 7 to 9 are flowcharts showing failure determination routines of the heater control system. Each of these routines is started by a timer interrupt at a predetermined interval (for example, 128 msec cycle) by the CPU 20a in the microcomputer 20. However, the routines of FIGS. 7 to 9 are executed immediately after the routine of FIG.
[0046]
In the heater control routine of FIG. 5, the CPU 20a first determines in step 101 whether or not the initial flag XINT is “0”. This initial flag XINT indicates whether or not the initial processing required when the IG key is turned on has been performed. XINT = 0 indicates that the initial processing has not been performed, and XINT = 1 indicates that the initial processing has been performed. It represents that it is finished. If XINT = 0, the CPU 20a proceeds to step 120, performs the initial processing shown in FIG. 6, and then ends this routine once.
[0047]
Here, the initial processing routine of FIG. 6 will be described. In this initial process, before the energization control of the heater 33 is started, the heater off voltage Voff and the heater off current Ioff are first detected, and then the heater 33 is energized (ON) to determine the voltage value when the heater is on. The current value is detected. Specifically, the CPU 20 a first detects the heater off voltage Voff and the heater off current Ioff based on the output values of the heater voltage detection circuit 28 and the heater current detection circuit 29 in step 121. Further, the CPU 20a energizes the heater 33 and waits for a predetermined time in that state (steps 122 and 123). This standby time is the time required for the voltage and current value to converge after the heater is energized, and specifically, it may be about 200 μsec.
[0048]
After waiting for a predetermined time, the CPU 20a detects the heater-on voltage Von and the heater-on current Ion in step 124, and in step 125, sets the initial flag XINT to “1”. Thereafter, the CPU 20a sets “1” to the all energization flag XZN in step 126 and returns to the routine of FIG. Here, the all energization flag XZN indicates whether or not all energization control, which will be described later, is performed. XZN = 1 indicates that all energization control is performed, and XZN = 0 indicates that all energization control is performed. Represents not being implemented.
[0049]
On the other hand, when the initial flag XINT is set in the initial process routine, step 101 in FIG. 5 is positively determined every time thereafter. In step 102, the CPU 20a determines whether the failure occurrence flag XFAIL is “0”. This failure occurrence flag XFAIL indicates a determination result of the presence or absence of a failure in the heater control system, where XFAIL = 0 indicates that there is a failure in the heater control system, and XFAIL = 1 indicates that there is no failure in the heater control system. . The flag XFAIL is operated in a failure determination routine shown in FIGS. If the failure occurrence flag XFAIL is “1”, the CPU 20a makes a negative determination in step 102 and ends the present routine as it is. That is, the energization control of the heater 33 is not performed.
[0050]
If the failure occurrence flag XFAIL is “0”, the CPU 20a proceeds to step 103, where the element impedance Zdc is a predetermined determination value for determining the semi-active state of the sensor main body 32 (in this embodiment, 200 ohms). It is determined whether or not the degree is less than or equal to. Here, the element impedance Zdc is detected as follows. That is, when detecting the element impedance Zdc, as shown in FIG. 10, the applied voltage of the A / F sensor 30 is temporarily changed in the positive direction and the negative direction. Then, the element impedance Zdc is calculated from either the positive or negative voltage change amount ΔV and the current change amount ΔI during the voltage change (Zdc = ΔV / ΔI). However, this calculation method is an example, and the sensor when the element impedance Zdc is detected based on the amount of change in voltage and current on both sides of the positive and negative, or when the negative applied voltage Vneg (voltage that does not fall within the limit current detection range) is applied. The element impedance Zdc may be detected from the current Ineg (Zdc = Vneg / Ineg).
[0051]
For example, when the element temperature is low, such as when the engine 10 is cold started, Zdc> 200 ohms, and the CPU 20a proceeds to step 104 to determine whether or not the failure temporary flag XTEM is “1”. Here, the temporary failure flag XTEM is operated to “1” when the occurrence of a failure in the heater control system is temporarily determined at the time of engine start, and this operation is performed by a failure determination routine described later. To be implemented.
[0052]
If XTEM = 0, that is, if it is not temporarily determined that a failure has occurred when the engine is started, the CPU 20a proceeds to step 105 and performs “all energization control” of the heater 33. In this full energization control, the control duty ratio signal to the heater 33 is maintained at 100%, and sensor activation is preferentially implemented.
[0053]
On the other hand, if XTEM = 1, that is, if it is temporarily determined that a failure has occurred when the engine is started, the CPU 20a proceeds to step 106 and performs “98% duty control” of the heater 33. In the 98% duty control, the heater OFF time of about Duty = 2% is set so that the heater off voltage Voff and the heater off current Ioff can be continuously detected at the time of provisional determination of failure occurrence. By detecting Voff and Ioff in this manner, failure determination by a failure determination routine described later can be performed. Thereafter, the CPU 20a sets “1” to the all energization flag XZN in step 107 and once ends this routine.
[0054]
After the heater energization is started, the element temperature rises due to the heating action of the heater 33 (or the element temperature is high from the beginning), and when the step 103 is positively determined, the CPU 20a proceeds to step 108, and the all energization flag is Clear XZN to “0”. In step 109, the CPU 20a determines whether or not the element impedance Zdc is equal to or less than a predetermined determination value (in the present embodiment, about 40 ohms) for starting feedback (F / B) control. Here, the determination value of step 109 is used to determine the active state of the sensor body 32, and is set as a value of about “+10 ohms” with respect to the target impedance (in this embodiment, 30 ohms). Yes.
[0055]
When the activation of the A / F sensor 30 is not completed and the determination at Step 109 is negative, the CPU 20a proceeds to Step 110 and controls the energization of the heater 33 by “power control”. At this time, as shown in the map of FIG. 11, a power command value is determined according to the element impedance Zdc, and a control duty ratio for energizing the heater is calculated according to the power command value.
[0056]
On the other hand, when the activation of the A / F sensor 30 is completed and the determination at Step 109 is affirmative, the CPU 20 a performs “element impedance F / B control” at Step 111. In this element impedance F / B control, the duty ratio Duty for heater energization is calculated in the following procedure. In the present embodiment, a PID control procedure is used as an example.
[0057]
That is, first, the proportional term GP, the integral term GI, and the differential term GD are calculated by the following equations (1) to (3).
GP = KP · (Zdc−ZdcTG) (1)
GI = GIi-1 + KI. (Zdc-ZdcTG) (2)
GD = KD. (Zdc-Zdci-1) (3)
In the above equation, “KP” is a proportional constant, “KI” is an integral constant, and “KD” is Fine The subscript “i−1” represents a value at the time of the previous process.
[0058]
Then, the duty ratio Duty for energizing the heater is calculated by adding the proportional term GP, the integral term GI, and the differential term GD (Duty = GP + GI + GD). However, such a heater control procedure is not limited to the PID control described above, and PI control or P control may be performed.
[0059]
Thereafter, in step 112, the CPU 20a determines whether or not the duty ratio Duty set by the element impedance F / B control is larger than a predetermined lower limit guard value. The lower limit guard of the duty ratio Duty limits the duty not to be “0%” even when the exhaust gas temperature is high and heater energization is unnecessary, such as during high load operation. It may be set to about “1%”. Thus, even when the heater energization is unnecessary, the heater energization is performed with a small duty so that the heater on voltage Von and the heater on current Ion can be detected under any operating condition, and the failure determination by the failure determination routine described later is performed. It becomes possible.
[0060]
If the duty ratio Duty is less than the lower limit guard value, the CPU 20a limits the duty ratio Duty with the lower limit guard value (1%) in Step 113, and then ends this routine. On the other hand, if the duty ratio Duty is equal to or greater than the lower limit guard, the CPU 20a ends this routine as it is.
[0061]
Next, the failure determination process of the heater control system will be described. In the failure determination process of the present embodiment, various failures in the heater control system shown in FIG. 15 are determined based on the heater on voltage Von, the heater on current Ion, the heater off voltage Voff, and the heater off current Ioff. Von, Ion, Voff, and Ioff are basically detected in synchronization with the rise of “OFF → ON” of the energization control signal of the heater 33. However, only when the IG key is turned ON, Von, Ion, Voff, and Ioff are detected according to the above-described initial processing.
[0062]
FIG. 12 is a time chart for explaining detection timings of Von, Ion, Voff, and Ioff corresponding to the energization control signal of the heater 33. The time-up counter in the figure is counted up at a cycle of 4 msec, and the count value changes within the range of “0” to “32”. At this time, the timing at which the time-up counter is cleared to “0” and the rising timing of the energization control signal of the heater 33 are synchronized. The heater off voltage Voff and the heater off current Ioff are detected immediately before the count value of the time-up counter is cleared to “0”, that is, the count value = 31 (the timing of ▼ in the figure), and the count value is set to “0”. The heater on voltage Von and the heater on current Ion are detected immediately after being cleared, that is, at a count value = 1 (timing of ▽ in the figure). The detected values of Von, Ion, Voff, and Ioff are stored and held in the RAM 20c in the microcomputer 20 as needed.
[0063]
Further, “Vth” in the figure is a threshold voltage for determining the suitability of the on-voltage and off-voltage Von, Voff of the heater 33, and “Ith” is the on-current and off-current Ion, This is a threshold current for determining the suitability of Ioff. These threshold values Vth and Ith are set in advance. Specifically, Vth = 5 volts and Ith = 1.5 amperes.
[0064]
Hereinafter, failure determination processing corresponding to Von, Ion, Voff, and Ioff detected as described above will be described with reference to the flowcharts of FIGS. When the failure determination routine of the heater control system starts, the CPU 20a first determines whether or not the initial flag XINT is “1” in step 201 of FIG. Then, on the condition that XINT = 1, the CPU 20a reads the latest values of Von, Ion, Voff, and Ioff in the RAM 20c in step 202.
[0065]
Thereafter, the CPU 20a determines whether or not the heater control system is normal from the values of Von, Ion, Voff, and Ioff read in step 203 and predetermined threshold values Vth and Ith. Here, in this step, it is determined whether or not all of the following four conditions are satisfied. That is,
・ Von> Vth,
・ Ion> Ith,
・ Voff <Vth,
・ Ioff <Ith,
It is determined whether or not all are satisfied. In this case, if the heater control system is normal, all the above four conditions are satisfied (see FIG. 15), and the CPU 20a clears the temporary failure flag XTEM to “0” in step 203a, and then ends this routine.
[0066]
On the other hand, if the condition of step 203 is not satisfied, the processing after step 204 is executed assuming that there is a high possibility that some failure has occurred in the heater control system. In the following, description will be given in order. In step 204, the CPU 20a determines whether or not all of the following four conditions are satisfied. That is,
・ Von <Vth,
・ Ion <Ith,
・ Voff <Vth,
・ Ioff <Ith,
It is determined whether or not all are satisfied. In this case, if a failure such as the A part, the F part or the G part in FIG. That is, as shown in FIG. 15, when a failure occurs such as A part, F part or G part open, or MOS 26 is always OFF, Voff and Ioff values are normal values, whereas Von and Ion values are normal values. It is smaller than the normal value and falls below the threshold values Vth and Ith (Von = 0 volts, Ion = 0 amperes). If the determination in step 204 is affirmative, the CPU 20a stores in step 205 the failure location and failure mode (failure information indicating that the A portion, F portion or G portion is open, or the MOS 26 is normally OFF) in the backup RAM 20d.
[0067]
If the condition of step 204 is not satisfied, the CPU 20a proceeds to step 206 and determines whether or not all of the following four conditions are satisfied. That is,
・ Von <Vth,
・ Ion> Ith,
・ Voff <Vth,
・ Ioff <Ith,
It is determined whether or not all are satisfied. In this case, if a failure such as part B opening in FIG. 4 has occurred, an affirmative determination is made in step 206. That is, as shown in FIG. 15, when a failure occurs such as part B opening, the values of Ion, Voff, and Ioff are normal values, whereas only the value of Von is smaller than the normal value, and the threshold value Vth is set. (Von = 0 volts). If the determination in step 206 is affirmative, the CPU 20a causes the backup RAM 20d to store the failure location and mode (failure information for opening part B) at that time in step 207.
[0068]
On the other hand, if the condition in step 206 is not satisfied, the CPU 20a proceeds to step 208 in FIG. 8, and determines whether or not all the following four conditions are satisfied. That is, Von> Vth,
・ Ion <Ith,
・ Voff> Vth,
・ Ioff <Ith,
It is determined whether or not all are satisfied. In this case, if a failure such as the opening of the part C or D in FIG. 4 or a short circuit between D, E, F and GND has occurred, an affirmative determination is made in step 208. That is, as shown in FIG. 15, when a failure occurs such as C part or D part open or D, E, F-GND short circuit, Von and Ioff values are normal values (however, Von is 12 volts, which is a substantially normal value), the value of Ion is smaller than the normal value and falls below the threshold value Ith (Ion = 0 amperes). Further, the value of Voff is larger than the normal value and exceeds the threshold value Vth (Voff = 9 volts or 12 volts).
[0069]
Further, when the determination in step 208 is affirmative, in step 209, the CPU 20a distinguishes whether the failure at that time is due to opening of the C part or D part or due to a short circuit between D, E, and F-GND. Specifically, when a failure such as C part or D part open or D, E, F-GND short-circuit occurs, the value of Voff exceeds the threshold value Vth (= 5 volts) in any case. Thus, the value of Voff when the C part or the D part is open is lower than the value of Voff when D, E, F-GND is short-circuited. The Voff in the former case is about 9 volts, and the Voff in the latter case is about 12 volts. Therefore, a second threshold voltage Vth2 is set between these two values (Vth2 = 10.5 volts or so), and the threshold voltage Vth2 is compared with Voff.
[0070]
That is, the CPU 20a determines whether or not Voff <Vth2 is established in step 209. If Voff <Vth2, the CPU 20a proceeds to step 210, assumes that a failure has occurred due to the opening of the C or D portion, and stores failure information to that effect in the backup RM 20d. If Voff ≧ Vth2, the CPU 20a proceeds to step 211, regards that a failure has occurred due to a short circuit between D, E, and F-GND, and stores failure information to that effect in the backup RAM 20d.
[0071]
On the other hand, if the condition of step 208 is not satisfied, the CPU 20a proceeds to step 212 and determines whether or not all of the following four conditions are satisfied. That is,
・ Von> Vth,
・ Ion> Ith,
・ Voff> Vth,
・ Ioff <Ith,
It is determined whether or not all are satisfied. In this case, if a failure such as the opening of the E portion in FIG. 4 has occurred, an affirmative determination is made in step 212. That is, as shown in FIG. 15, Von, Ion, and Ioff values are normal values when a failure such as an E portion opening occurs (however, Von is 9 volts, which is a substantially normal value). Only the value of is larger than the normal value and exceeds the threshold value Vth (Voff = 9 volts). If the determination in step 212 is affirmative, in step 213, the CPU 20a stores the failure location and mode (failure information for opening the E section) at that time in the backup RAM 20d.
[0072]
If the condition of step 212 is not satisfied, the CPU 20a proceeds to step 214 and determines whether or not all of the following four conditions are satisfied. That is,
・ Von> Vth,
・ Ion> Ith,
・ Voff> Vth,
・ Ioff> Ith,
It is determined whether or not all are satisfied. In this case, if there is a failure such as the MOS 26 of FIG. That is, as shown in FIG. 15, when a failure occurs such that the MOS 26 is always ON, the values of Von and Ion are normal values, whereas the values of Voff and Ioff are larger than the normal values and the threshold values Vth, It will exceed Ith (Voff = 11 volts, Ioff = 5 amps). If the determination in step 214 is affirmative, the CPU 20a stores the failure location and mode (failure information in which the MOS 26 is always ON) in the backup RAM 20d in step 215. If the condition in step 214 is not satisfied, the CPU 20a ends the routine as it is.
[0073]
After it is determined that a failure has occurred according to the series of failure determinations (after the processing of steps 205, 207, 210, 211, 213, and 215), the CPU 20a performs the processing of steps 216 to 221 in FIG. Specifically, the CPU 20a determines whether or not the all energization flag XZN is “1” in step 216, that is, whether or not the all energization control (or 98% duty control) of the heater 33 is currently being performed. Determine. If XZN = 0 and the power control or element impedance F / B control of the heater 33 is being performed, the CPU 20a makes a negative determination in step 216 and immediately proceeds to step 220. The CPU 20a sets “1” to the failure occurrence flag XFAIL at step 220 and turns on the failure warning lamp 42 at the subsequent step 221, and then ends this routine. When the failure warning lamp 42 is turned on, a vehicle passenger is warned that a failure has occurred.
[0074]
On the other hand, if XZN = 1 and full energization control (or 98% duty control) of the heater 33 is being performed, the CPU 20a makes an affirmative determination in step 216 and proceeds to step 217 to set “1” in the temporary failure flag XTEM. Set to "". Thereafter, the CPU 20a increments the counter CZN by “1” in Step 218, and determines whether or not the counter CZN is equal to or greater than a predetermined determination value KC in subsequent Step 219. This determination value KC is a time required to determine the occurrence of a failure, and is a count value corresponding to about “3 seconds” in the present embodiment.
[0075]
When CZN <KC, the CPU 20a ends this routine as it is. If CZN ≧ KC, the CPU 20a proceeds to step 220. The CPU 20a sets “1” to the failure occurrence flag XFAIL at step 220 and turns on the failure warning lamp 42 at the subsequent step 221, and then ends this routine.
[0076]
Incidentally, in the failure determination routines of FIGS. 7 to 9 described above, if the failure of the heater 33 is not determined at the beginning of energization and all the energization control is performed, it is impossible to detect Voff and Ioff. Become. Therefore, in such a case, the process for determining the failure is temporarily suspended until the all-energization control is terminated and the power control or the element impedance F / B control is started. If Voff and Ioff can be detected, the failure determination can be performed).
[0077]
In the present embodiment, the heater control routine of FIG. 5 corresponds to the heater control means described in the claims, and the failure determination routines of FIGS. 7 to 9 correspond to the failure determination means. Further, the process of step 105 in FIG. 5 corresponds to all energization means, and the process of step 120 and FIG. 6 in FIG. 5 corresponds to initial value detection means.
[0078]
13 and 14 are time charts showing the heater energization control operation at the time of starting the engine 10 at a low temperature, the transition of the heater current, and the state of operation of various flags. FIG. 13 shows any failure in the heater control system. FIG. 14 shows a case where a failure has occurred.
[0079]
In FIG. 13, at time t1, the microcomputer 20 is powered on, and initial processing is performed during the period of time t1 to t2 (see the flow in FIG. 6). In this case, after the heater off voltage Voff and the heater off current Ioff are detected, the heater on voltage Von and the heater on current Ion are detected. And failure determination is implemented using each value of this first Voff, Ioff, Von, and Ion (refer the flow of the said FIGS. 7-9). At the beginning of energization of the heater, the heater current is relatively large because the heater resistance is small, but the heater current converges to a normal value (5 amperes) with warming up.
[0080]
At time t2, “1” is set to the initial flag XINT, and “1” is set to the all energization flag XZN. Thereafter, in the period of time t2 to t4, all energization control of the heater 33 is performed. That is, the control duty ratio Duty of heater energization is maintained at 100%. The time required for the full energization control varies depending on the degree of the cold state of the A / F sensor 30, but is about 7 seconds at the longest. At time t4, the all energization flag XZN is cleared to “0”, and thereafter, the power control and element impedance F / B control of the heater 33 are performed (see the flow of FIG. 5).
[0081]
In FIG. 13, when it is temporarily determined that a failure has occurred based on Von, Ion, Voff, and Ioff detected in the initial process, “1” is set in the failure temporary flag XTEM at time t2, as indicated by a broken line in the figure. ”Is set, and“ 98% Duty control ”is performed with 2% of the duty ratio Duty as the OFF time (step 106 in FIG. 5). In such a case, if the determination of the occurrence of the failure is temporary, the failure temporary flag XTEM is reset to “0” at time t3 in FIG. 7 (step 203a in FIG. 7), and the heater energization is completely changed from the 98% duty control. Switch to energization control (step 105 in FIG. 5).
[0082]
On the other hand, in FIG. 14, any of the various failures shown in FIG. 15 has occurred since the beginning of energization. In this case, failure determination is performed using each value of Von, Ion, Voff, and Ioff detected by the initial process at times t11 to t12, and a provisional determination is made that a failure has occurred. At time t12, the failure temporary flag XTEM and the like are set, and the counter CZN starts counting up (steps 217 and 218 in FIG. 9).
[0083]
After the time t12, if the failure occurrence is not resolved during the execution of the 98% duty control, the failure occurrence flag XFAIL is set to “1” at the time t13 when the value of the counter CZN reaches the predetermined determination value KC (FIG. 9 step 220). At this time, failure information such as failure location and failure mode is stored in the backup RAM 20d, and the failure warning lamp 42 is turned on. Then, energization of the heater after that is stopped.
[0084]
As described above, 98% duty control is performed during the period in which all energization control is originally performed, and the heater non-energization operation is forcibly performed. Therefore, each value of Voff and Ioff is detected at the time of temporary determination of the occurrence of a failure. It becomes possible. Therefore, the failure of the heater control system can be accurately grasped, and there is no inconvenience such as excessive temperature rise of the sensor.
[0085]
When the failure warning lamp 42 is turned on as described above, the vehicle in which the failure has occurred is brought into a repair shop or the like according to this warning. If the failure information stored in the backup RAM 20d is read by a diagnostic checker or the like, the trouble location can be easily identified without requiring complicated work, and repair work corresponding to the trouble at that time is performed. .
[0086]
According to the embodiment described in detail above, the following effects can be obtained.
(A) In the present embodiment, four values consisting of a voltage and currents Von and Ion when the heater is energized and a voltage and currents Voff and Ioff when the heater is not energized are set to predetermined threshold values Vth and Ith, respectively. Then, the presence / absence of a failure is determined according to which of the compared four values is different from the normal value, and the failure location is specified. According to the above configuration, it is possible to identify a failure point of the heater control system, which is insufficient with the existing apparatus. That is, when a failure occurs in the heater control system, this is accurately determined, and the failure location can be specified in detail. In such a case, the use of the above-described failure location identification result makes it possible to greatly simplify the failure location identification work required until actual repair. As a result, the effect of improving maintainability and workability can be obtained.
[0087]
(B) In the present embodiment, the failure determination corresponding to the actual machine can be realized by specifying various failures as shown in FIG. 15 for each occurrence location or for each mode.
[0088]
(C) At the beginning of energization of the heater 33 accompanying the engine start, the heater off voltage Voff and the heater off current Ioff are detected before the start of all energization control. The voltage Von and the heater on-current Ion are detected (the initial process in FIG. 6). Then, failure determination is performed according to the detected values of Voff, Ioff, Von, and Ion. In this case, if full energization control of the heater 33 is performed (Duty = 100%), even if a failure occurs, Voff and Ioff cannot be detected and an accurate failure determination becomes impossible. By detecting Voff and Ioff before the start of energization, it becomes possible to detect four values consisting of Von, Ion, Voff, and Ioff. As a result, the desired failure determination as described above can be performed.
[0089]
(D) When it is determined that a failure has occurred at the beginning of heater energization, “98% duty control” is performed to cut off the heater energization for the minimum time that Voff and Ioff can be detected (see FIG. Step 106 in FIG. 5) If it is determined that the failure of the heater control system has continued for a predetermined time or longer in this state, it is finally determined that the failure has occurred (Step 216 in FIG. 9). ~ 221). In this case, erroneous determination of a failure can be avoided even at the time of a temporary failure determination at the start of the engine, and a more accurate failure determination becomes possible.
[0090]
(E) Further, in the present embodiment, the control duty ratio Duty is limited to a predetermined lower limit guard value (1%) (steps 112 and 113 in FIG. 5). In this case, the heater on voltage Von and the heater on current Ion can be reliably detected even when the exhaust gas temperature is high and heater energization is not necessary (when Duty = 0%), for example, when the engine 10 is in a high load operation. it can. Therefore, it becomes possible to always detect the four values consisting of Von, Ion, Voff, and Ioff, and to perform the desired failure determination as described above.
[0091]
(F) Moreover, if the failure of the heater control system can be accurately grasped as described above, a normal active state of the A / F sensor 30 can be maintained. As a result, highly accurate air-fuel ratio F / B control can be performed, emissions can be reduced, and legal regulations relating to exhaust gas regulations can be appropriately handled.
[0092]
The embodiment of the present invention can be realized in the following form in addition to the above.
In the above embodiment, in the heater control system failure determination routine (FIGS. 7 to 9),
・ Von> Vth,
・ Ion <Ith,
・ Voff> Vth,
・ Ioff <Ith,
When the failure that satisfies the above four conditions is satisfied (when step 208 of FIG. 8 is YES), the value of Voff is compared with the second threshold voltage Vth2, and the failure due to the opening of the C part or the D part, Although the failure due to the short circuit between D, E, and F-GND has been determined (steps 209 to 211 in FIG. 8), this configuration may be changed. For example, if the process of step 209 is omitted and step 208 is affirmed, it is concluded that a failure has occurred due to "C or D part open or D, E, F-GND short circuit". Also good.
[0093]
Further, the number or mode of failure determination may be reduced as compared with the above-described embodiment (see FIG. 15), and the calculation load by the CPU 20a may be reduced. Specifically, in consideration of the occurrence frequency and priority order of failures, all or a part of failures such as E portion opening, F portion opening, G portion opening and MOS 26 always ON and always OFF in FIG. It may be excluded from the target. In short, failures such as A portion opening, B portion opening, C portion opening, D portion opening and D, E, F-GND short circuit in FIG. In this case, a failure with a high occurrence frequency or a failure with a high priority can be appropriately determined. However, when it is analyzed that most of the causes of the failure are due to the inability to turn on / off the semiconductor switching element, it is also possible to limit the failure determination target to the ON / OFF failure of the switching element.
[0094]
In the above-described embodiment, full energization control of the heater 33 is performed at the beginning of the engine 10 at a low temperature. That is, the heater 33 is heated by 100% energization. By changing this configuration, the control duty ratio of the heater 33 may be limited by an upper limit guard value of, for example, “98%”. In this case, unlike the heater control routine of FIG. 5 described above, it is not necessary to distinguish between “full energization control” and “98% energization control” before the sensor activation. According to such a configuration, the upper limit and the lower limit of the control duty ratio are limited within the range of “1% to 98%”, and each value of Von, Ion, Voff, and Ioff can always be detected. However, the limitation of the duty ratio by the upper limit and the lower limit guard is not an essential requirement in the present invention, and can be embodied by being omitted as appropriate.
[0095]
In the above embodiment, the occurrence of failure is provisionally determined at the beginning of heater energization, and the occurrence of failure is confirmed when the state has exceeded a predetermined time (steps 216 to 221 in FIG. 9). ), Such provisional determination processing may be applied to other than the beginning of heater energization. In this case, an erroneous determination that a failure has occurred can be prevented. Conversely, in order to simplify the arithmetic processing, the provisional determination processing may be deleted and embodied.
[0096]
The configuration of the heater control circuit 25 may be changed as follows.
A heater control circuit 25 shown in FIG. 16 is obtained by changing a part of FIG. 4. Specifically, the configuration of the heater current detection circuit is changed. The heater current detection circuit 45 of FIG. 16 includes an operational amplifier 45a, resistors 45b and 45c connected to the non-inverting input terminal of the operational amplifier 45a, a constant voltage power supply Vcc (5 volts), and a resistor 45d connected to the inverting input terminal. , 45e, a differential amplifier circuit. The detection circuit 45 converts the heater current Ih detected by the heater current detection resistor 41 into a voltage signal and outputs the result to the microcomputer 20 via the A / D converter 24. Unlike the configuration shown in FIG. 4, this configuration has an output characteristic that the output of the operational amplifier 45a decreases as the heater current Ih increases.
[0097]
In the heater control circuit of FIG. 17, the voltage detection means and the current detection means are configured by the A / D converter 24 and the microcomputer 20. In this configuration, the battery side potential of the heater 33 is input to “CH1” of the A / D converter 24 via the resistors 46a and 46b, and the GND side potential of the heater 33 is A / D converted via the resistors 46c and 46d. Is input to “CH 2” of the device 24. Further, the heater-side potential of the heater current detection resistor 41 is input to “CH 3” of the A / D converter 24. Then, the microcomputer 20 detects both-end voltages (Von, Voff) and heater currents (Ion, Ioff) of the heater 33 based on signals taken into CH1, CH2, and CH3 of the A / D converter 24.
[0098]
As another form, it is possible to configure the heater control circuit by combining FIGS. 4, 16, and 17, or to apply the heater current low-side detection configuration or the heater current high-side detection configuration. is there. These circuit configurations are selectively used as appropriate according to the design concept of each engine.
[0099]
A threshold for comparing and determining the detected values (Von, Ion) of the voltage and current when the heater is energized and a threshold for comparing and determining the detected values (Voff, Ioff) of the voltage and current when the heater is not energized The value may be provided separately. That is, in the configuration of the present embodiment, when the heater control system is normal, Von = 11 volts, Ion = 5 amperes, Voff = 0 volts, Ioff = 0 amperes or a value in the vicinity thereof. So, for example,
・ The threshold voltage (Vthon) when the heater is energized is about 9 volts.
・ The threshold current (Ithon) when the heater is energized is set to about “4 amps”.
・ When the heater is not energized, the threshold voltage (Vthoff) is set to about "2 volts"
-The threshold current (Ithoff) when the heater is not energized is set to about "1 ampere".
Set each. And
・ Von> Vthon,
・ Ion> Ithon,
・ Voff <Vthoff,
・ Ioff <Ithoff,
Only when these four conditions are satisfied, it is determined that the heater control system is normal. Otherwise, the four detection values (Von, Ion, Voff, Ioff) are set to the four threshold values. On the other hand, the failure location and mode of the heater control system are specified with reference to FIG. 15 according to the magnitude relationship. According to such a configuration, it becomes possible to perform failure determination more accurately.
[0100]
In the above embodiment, the present invention is embodied in a cup-type A / F sensor, but may be embodied in a laminated A / F sensor.
In the above-described embodiment, the present invention is embodied in the limiting current type air-fuel ratio sensor (A / F sensor). However, the present invention can be embodied in other gas concentration sensors. For example, the present invention may be embodied by an O2 sensor that outputs a voltage signal (electromotive force) that differs depending on whether the air-fuel ratio is rich or lean with respect to the stoichiometric air-fuel ratio (stoichiometric). In short, the present invention can be applied to any gas concentration sensor that needs to be heated by a heater for activation, such as a sensor for detecting the gas concentration of NOx, HC, CO, or the like.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a configuration diagram showing an outline of an air-fuel ratio detection apparatus in an embodiment of the invention.
FIG. 2 is a cross-sectional view showing a detailed configuration of an A / F sensor.
FIG. 3 is a VI characteristic diagram for explaining output characteristics of an A / F sensor.
FIG. 4 is a circuit diagram showing a configuration of a heater control circuit.
FIG. 5 is a flowchart showing a heater control routine.
FIG. 6 is a flowchart showing an initial processing routine.
FIG. 7 is a flowchart showing a failure determination routine of the heater control system.
FIG. 8 is a flowchart showing a failure determination routine of the heater control system, following FIG. 7;
FIG. 9 is a flowchart showing a failure determination routine of the heater control system, following FIGS. 7 and 8;
FIG. 10 is a waveform diagram for explaining an example of a detection method of element impedance.
FIG. 11 is a map for obtaining a power command value corresponding to the element impedance during power control.
FIG. 12 is a time chart for explaining heater end-to-end voltage and heater current corresponding to a heater energization control signal, and detection timing of each value.
FIG. 13 is a time chart for explaining a control operation at the time of engine start.
FIG. 14 is a time chart for explaining a control operation at the time of engine start.
FIGS. 15A and 15B are diagrams for explaining various failure modes and heater voltage and heater current values when normal and when a failure occurs; FIGS.
FIG. 16 is a circuit diagram showing a configuration of a heater control circuit in another embodiment.
FIG. 17 is a circuit diagram showing a configuration of a heater control circuit in another embodiment.
[Explanation of symbols]
DESCRIPTION OF SYMBOLS 10 ... Engine, 12 ... Exhaust pipe, 20 ... Microcomputer (microcomputer), 20a ... Heater control means, failure determination means, all energization means, CPU which comprises initial value detection means, 20d ... Backup RAM, 24 ... A / D Converter, 26 ... MOS (n-channel MOS transistor) as semiconductor switching element, 28 ... Heater voltage detection circuit constituting voltage detection means, 29 ... Heater current detection circuit constituting current detection means, 30 ... Gas concentration sensor A / F sensor (limit current type air-fuel ratio sensor), 33... Heater, 41... Heater current detection resistor constituting current detection means, 42.

Claims (8)

ガス濃度センサに付設され、電源からの電力供給により通電されるヒータと、
前記ヒータへの通電を所定の制御デューティ比にてオン・オフ制御するヒータ制御手段とを備えるヒータ制御系に適用され、
前記ヒータに並列に接続され、ヒータの両端電圧を前記所定の制御デューティ比によるオン・オフ制御に伴うヒータ通電時並びに非通電時に検出する電圧検出手段と、
前記ヒータに直列に接続され、ヒータに流れる電流を同じく前記所定の制御デューティ比によるオン・オフ制御に伴うヒータ通電時並びに非通電時に検出する電流検出手段と、
前記検出したヒータ通電時の電圧及び電流とヒータ非通電時の電圧及び電流とからなる4つの値を各々に所定のしきい値にて大小比較し、該比較した4つの値のうちいずれが正常時の値と異なるか、それら4つの値の組み合わせに応じて故障の有無を判定すると共に当該ヒータ制御系を構成する回路中の故障箇所を特定する故障判定手段と
を備えることを特徴とするガス濃度センサに用いるヒータ制御系の故障判定装置。
A heater attached to the gas concentration sensor and energized by power supply from a power source;
Applied to a heater control system comprising heater control means for on / off control of energization of the heater at a predetermined control duty ratio;
Voltage detection means connected in parallel to the heater and detecting the voltage at both ends of the heater at the time of heater energization and non-energization accompanying on / off control by the predetermined control duty ratio ;
Current detection means connected in series to the heater and detecting the current flowing through the heater when the heater is energized and de-energized with the on / off control according to the predetermined control duty ratio ;
The then compares with the detected heater current when the voltage and current and Heater-energized when the voltage and current and four values each in a predetermined threshold value consisting of four that the comparison value sac lichen Or a failure determination means for determining whether or not there is a failure according to a combination of these four values, and for identifying a failure location in a circuit constituting the heater control system. A failure determination device for a heater control system used for a gas concentration sensor.
前記故障判定手段は、前記ヒータの電源側,グランド側電気経路と前記ヒータとを結ぶ電気経路が開放されるような故障を特定するものである請求項1に記載のガス濃度センサに用いるヒータ制御系の故障判定装置。2. The heater control used in the gas concentration sensor according to claim 1, wherein the failure determination unit is configured to identify a failure in which an electrical path connecting the power source side, ground side electrical path of the heater and the heater is opened. System failure determination device. 前記故障判定手段は、前記ヒータと前記電圧検出手段とを結ぶ電気経路が開放されるような故障を特定するものである請求項1に記載のガス濃度センサに用いるヒータ制御系の故障判定装置。2. The failure determination device for a heater control system used for a gas concentration sensor according to claim 1, wherein the failure determination unit identifies a failure that opens an electrical path connecting the heater and the voltage detection unit. 前記ヒータ制御手段のデューティ信号により、前記ヒータとグランド側との間の電気経路を断続する半導体スイッチング素子を設け、
前記故障判定手段は、前記ヒータのグランド側の電気経路が短絡される故障を特定するものである請求項1に記載のガス濃度センサに用いるヒータ制御系の故障判定装置。
A semiconductor switching element for interrupting an electrical path between the heater and the ground side is provided by a duty signal of the heater control means,
The failure determination device for a heater control system used for a gas concentration sensor according to claim 1, wherein the failure determination means specifies a failure in which an electrical path on the ground side of the heater is short-circuited.
前記ヒータ制御手段のデューティ信号により、前記電源、ヒータ及びグランドを結ぶ電気経路を断続する半導体スイッチング素子を設け、
前記故障判定手段は、前記半導体スイッチング素子のオン・オフ切換えが不能となる故障を特定するものである請求項1に記載のガス濃度センサに用いるヒータ制御系の故障判定装置。
In accordance with a duty signal of the heater control means, a semiconductor switching element is provided for intermittently connecting an electric path connecting the power source, the heater and the ground,
2. The failure determination device for a heater control system used for a gas concentration sensor according to claim 1, wherein the failure determination unit specifies a failure that makes it impossible to switch on and off the semiconductor switching element.
前記ガス濃度センサをエンジン排気管に配設し、ガス濃度センサの測定結果からガス濃度を検出するガス濃度検出システムに適用されるものであって、
エンジン始動に伴う前記ヒータの通電当初において、ヒータの制御デューティ比を100%とする全通電手段と、
前記全通電手段によるヒータ通電の開始前に、ヒータの両端電圧と電流値とを検出すると共に、その検出後、ヒータ通電を開始して両端電圧と電流値とを検出する初期値検出手段とを備え、
前記故障判定手段は、前記初期値検出手段により検出された電圧及び電流の各値に応じて故障判定を実施する請求項1〜請求項5のいずれかに記載のガス濃度センサに用いるヒータ制御系の故障判定装置。
The gas concentration sensor is disposed in an engine exhaust pipe, and is applied to a gas concentration detection system that detects a gas concentration from a measurement result of the gas concentration sensor,
All energization means for setting the control duty ratio of the heater to 100% at the beginning of energization of the heater as the engine starts;
Before starting the heater energization by all the energization means, the both end voltage and current value of the heater are detected, and after the detection, the heater energization is started to detect the both end voltage and current value. Prepared,
The heater control system used in the gas concentration sensor according to any one of claims 1 to 5, wherein the failure determination unit performs failure determination according to each value of voltage and current detected by the initial value detection unit. Failure determination device.
請求項6に記載のヒータ制御系の故障判定装置において、
前記初期値検出手段による電圧及び電流の各検出値に応じて故障発生の旨が判定された場合、ヒータの両端電圧と電流値とが検出可能な最小時間だけヒータ通電を遮断するよう制御デューティ比を設定する手段と、
該設定された制御デューティ比にてヒータ通電を制御し、その状態でヒータ制御系の故障発生の旨が所定時間以上継続して判定されれば、最終的に故障発生であることを確定する手段と
を備えるガス濃度センサに用いるヒータ制御系の故障判定装置。
The failure determination device for a heater control system according to claim 6,
When it is determined that a failure has occurred according to each detected value of voltage and current by the initial value detecting means, the control duty ratio is set so that the heater energization is cut off for a minimum time that the voltage and current value of the heater can be detected. A means of setting
Means for controlling the heater energization with the set control duty ratio, and finally determining that a failure has occurred if it is determined in that state that a failure has occurred in the heater control system for a predetermined time or longer. A failure determination device for a heater control system used in a gas concentration sensor.
前記ヒータ制御手段による制御デューティ比を所定の下限ガード値若しくは上限ガード値にて制限するようにした請求項1〜請求項7のいずれかに記載のガス濃度センサに用いるヒータ制御系の故障判定装置。The failure determination device for a heater control system used in a gas concentration sensor according to any one of claims 1 to 7, wherein a control duty ratio by the heater control means is limited by a predetermined lower limit guard value or upper limit guard value. .
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