JP4103266B2 - 放電ランプ点灯装置および照明装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は放電ランプを高周波で点灯する複数の放電ランプを備えた放電ランプ点灯装置およびこれを用いた照明装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
放電ランプの点灯電源に対して放電ランプおよび限流用誘導性リアクタンスの直列回路を複数並列接続した多灯並列点灯回路方式は既知である。この回路方式の場合には、一部の放電ランプを間引いても残余の放電ランプは点灯する。
【0003】
しかし、多灯並列点灯回路方式は、個々の放電ランプごとに限流用誘導性リアクタンスを必要とするので、その分高価になる。
【0004】
これに対して、放電ランプの点灯電源に対して複数の放電ランプを直列接続して共通の限流用誘導性リアクタンスを介して点灯電源に接続する多灯直列点灯回路方式も既知である。この回路方式の場合には、一部の放電ランプを間引いて残余の放電ランプを点灯することができない。
【0005】
そこで、特開昭57−84598号公報には、多灯直列点灯回路方式において、一部の放電ランプを間引いて残余の放電ランプを点灯可能に改良した放電ランプ点灯装置が開示されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、多灯直列点灯回路方式の上記従来技術は、点灯回路にスイッチを設けて1灯間引き時に残余の放電ランプを点灯させる構成であるから、スイッチが必要であるとともに、間引き可能な放電ランプが一義的に決まってしまうという致命的問題がある。
【0007】
本発明は、多灯直列点灯回路方式でありながら任意所望の放電ランプをスイッチを必要としないで間引き、残余の放電ランプを点灯することが可能な放電ランプ点灯装置およびこれを用いた照明装置を提供することを主たる目的とする。
【0008】
また、本発明は、さらに間引き点灯時にランプ電流を所要値に、しかも自動的に調整可能な放電ランプ点灯装置およびこれを用いた照明装置を提供することを副次的な目的とする。
【0009】
【課題を達成するための手段】
請求項1の発明の放電ランプ点灯装置は、高周波発生手段と;高周波発生手段の高周波出力により付勢される直列接続された複数の放電ランプと;高周波発生手段および放電ランプの間に直列に介在する限流用誘導性リアクタンスと;各放電ランプに並列接続されている容量性リアクタンスであって高周波出力に対して限流用誘導性リアクタンスと共振して一部の放電ランプが間引かれている状態では間引かれた放電ランプに並列接続されている容量性リアクタンスが残余の放電ランプに対して直列接続して残余の放電ランプに並列接続されている容量性リアクタンスが限流用誘導性リアクタンスと直列共振して残余の放電ランプの両端間に始動するのに十分な電圧が現れるように作用する複数の容量性リアクタンスと;を具備していることを特徴としている。
【0010】
本発明および以下の各発明において、特に指定しない限り用語の定義および技術的意味は次による。
【0011】
<高周波発生手段について>
本発明において、「高周波」とは、点灯装置の小形化、軽量化およびまたはランプ効率向上を目的とする点から、本発明においては10KHz以上とする。しかし、好適にはスイッチング手段のスイッチング損失およびコストの観点から40KHz〜500KHzである。
【0012】
高周波発生手段は、高周波を発生するものであれば、どのような構成であってもよいが、インバータを用いるのが望ましい。
【0013】
インバータは、一石式インバータ、並列インバータ、ハーフブリッジインバータ、フルブリッジインバータまたは上記各インバータの変形などどのようなインバータであってもよい。
【0014】
また、インバータは、自励および他励のいずれの形式であってもよい。
【0015】
さらに、インバータから高周波出力を得るには、絶縁形の出力トランスを介してもよいし、直結形式であってもよい。なお、後者の場合には、直流カットコンデンサを放電ランプと直列に接続して直流成分が負荷回路に流れるのを阻止すればよい。
【0016】
さらにまた、入力電流の高力率化および高調波低歪化のために、非平滑化整流電源とインバータの入力端との間にチョッパなどのアクティブフィルタを介在させることができる。またはこれに代えて、インバータのスイッチング手段の高周波スイッチングを利用して平滑化直流電圧を得るように構成した複合化インバータを用いることもできる。
【0017】
さらにまた、高周波発生手段は、放電ランプを始動するに先だって、フィラメント電極を所要に予熱するために、所定期間高周波出力を絞って専らフィラメント予熱だけが行われるように制御することができる。
【0018】
さらにまた、高周波発生手段は、複数の放電ランプを良好に始動するために、始動期間中高周波出力を高めるとともに、全ての放電ランプが始動可能な合理的な始動時間を予め設定することができる。
【0019】
<複数の放電ランプについて>
複数の放電ランプは、一対の電極を備えて電極間で放電が行われるものであれば、特定の構成のものに限定されない。電極は、冷陰極、セラミックス電極およびフィラメント電極などであることを許容する。しかし、本発明は、フィラメント電極を備えた低圧放電ランプ、特に低圧のガスまたは水銀蒸気放電ランプの好適である。この種の放電ランプとしては、たとえば蛍光ランプ、殺菌ランプなどである。
【0020】
また、放電ランプは、その複数が限流用誘導性リアクタンスとともに直列接続されて高周波発生手段の出力端間に接続されるが、複数の放電ランプが全て一つの直列回路を形成しなければならないというものではなく、要すれば複数の放電ランプの直列回路を複数並列接続することが許容される。ただし、この場合、各直列回路に対してそれぞれ後述する限流用誘導性リアクタンスが直列に接続されていなければならない。
【0021】
さらにまた、複数の放電ランプを直列接続するに際して、各放電ランプは同一品種のものであることは好ましいことであるが、必須要件ではない。たとえば、環形蛍光ランプのFCL30形は定格ランプ電流が0.6Aで、FCL32形は同じく0.425Aであるが、これらを直列接続して、いずれかの定格ランプ電流またはそれらの平均値のランプ電流で点灯することができる。
【0022】
<限流用誘導性リアクタンスについて>
限流用誘導性リアクタンスは、これに直列接続した放電ランプに対してそれぞれの負特性を補償して一定のランプ電流を当該放電ランプに流すために用いられる。
【0023】
また、限流用誘導性リアクタンスは、所要値のインダクタンスであれば、チョークコイルおよび漏洩トランスなど具体的な構成については限定されない。限流用誘導性リアクタンスとして漏洩トランスを用いる場合に、当該トランスは高周波発生手段の出力トランスを兼ねていることを許容する。
【0024】
さらに、限流用誘導性リアクタンスは、前記したように放電ランプが複数の直列回路を並列接続する際には、各直列回路に対してそれぞれ接続されるので、複数用いられる。
【0025】
さらにまた、限流用誘導性リアクタンスは、インダクタンスのみでなく、要すれば容量性リアクタンスまたはおよび抵抗との複合回路であっても、全体として誘導性のリアクタンスが勝っている、すなわち誘導性リアクタンスであればよい。
【0026】
<複数の容量性リアクタンスについて>
複数の容量性リアクタンスは、各放電ランプに並列接続されている。そして、いずれかの放電ランプを間引いた際に、間引いた放電ランプに並列接続している容量性リアクタンスが残余の放電ランプと直列に接続される。
【0027】
また、容量性リアクタンスは、コンデンサのみでなく、全体として容量性リアクタンスであれば、誘導性リアクタンスなどを含んでいてもよい。
【0028】
さらに、容量性リアクタンスは、放電ランプがフィラメント電極を備えている場合、フィラメント電極の両端間に他の電流調整用インピーダンスを接続している場合など、すなわち要すればフィラメント電極を介して放電ランプに並列接続されていてもよい。この場合、放電ランプを間引くと、容量性リアクタンスは、電流調整用インピーダンスを直列に介して残余の放電ランプに直列に接続される。
【0029】
また、電流調整用インピーダンスが放電ランプに直列接続されている場合、容量性リアクタンスは、電流調整用インピーダンスを介して並列接続していてもよい。
【0030】
以上から理解できるように、残余の放電ランプのランプ電流を所望に調整するために、電流調整用インピーダンスを用いることができる。
したがって、電流調整用インピーダンスを残余の放電ランプのランプ電流を所望に調整するために、利用することができる。
【0031】
<本発明の作用について>
本発明において、複数の放電ランプが間引かれないで直列に接続した状態で始動する際には、各放電ランプにそれぞれ並列接続している容量性リアクタンスが高周波発生手段から発生した高周波に対して限流用誘導性リアクタンスと適度に直列共振するので、容量性リアクタンスの両端に始動するのに十分な電圧が現れる。これにより複数の放電ランプは始動して点灯する。
【0032】
なお、始動に際しては、予めフィラメント電極を予熱するために、高周波発生手段の出力を所定期間の間、前もって絞り、その間にフィラメント電極を予熱することができる。
【0033】
次に、いずれか一部の放電ランプを間引いた場合、放電ランプを間引いた部位においては、放電ランプと並列接続していた容量性リアクタンスが残余の放電ランプに対して直列接続する。このため、残余の放電ランプの電極間に並列接続している容量性リアクタンスに対して、間引いた放電ランプに並列接続している容量性リアクタンスを介して高周波が印加されるので、前者の容量性リアクタンスが限流用誘導しリアクタンスと適度に直列共振して、その両端電圧が高くなる。この共振電圧が残余の放電ランプに印加される結果、残余の放電ランプは始動する。
【0034】
以上の記述から、直列接続している複数の放電ランプは、そのうちの任意所望の放電ランプを間引いても、残余の放電ランプが良好に始動して点灯できることを理解できる。
【0035】
複数の放電ランプを直列接続するに際して、定格ランプ電流の異なる放電ランプを用いることができることについては前述したとおりであるが、定格ランプ電流が異なると、始動電圧も異なることが多い。このような場合には、放電ランプに並列接続する容量性リアクタンスの値を、放電ランプの始動電圧に見合う直列共振電圧が得られるようにそれぞれ選択すればよい。
【0036】
また、本発明においては、複数の放電ランプの個々に対して限流用誘導性リアクタンスを共通に作用させることができるので、回路部品が少なくなり、放電ランプ点灯装置を安価に提供することができる。しかも、既に述べたように、任意所望の放電ランプを間引いて点灯することができる。
【0037】
請求項2の発明の放電ランプ点灯装置は、請求項1記載の放電ランプ点灯装置において、放電ランプのランプ電圧を検出するランプ電圧検出手段と;ランプ電圧検出手段の検出出力が所定値を超えたときに高周波発生手段の出力を制御する制御手段と;を具備していることを特徴としている。
【0038】
複数の放電ランプの直列回路から一部の放電ランプを間引くと、一般に残余の放電ランプに流れるランプ電流が増加するとともに、放電ランプの直列回路の両端のランプ電圧が上昇する傾向にある。
【0039】
そこで、本発明においては、放電ランプのランプ電圧を検出して、その検出値が所定値を超えたときに高周波発生手段を制御して、その出力を低減することにより、残余の放電ランプに対するランプ電流を適正値にしようとするものである。
【0040】
また、本発明によると、放電ランプが寿命末期になった際にも、高周波発生手段を制御することにより、安全に保護動作を行わせることができる。すなわち、放電ランプが寿命末期になると、ランプ電圧が上昇するので、そのランプ電圧を検出して高周波発生手段の高周波出力を制御して、放電ランプが放電を維持できないか、減光するか、または間欠的に放電するようにする。
【0041】
なお、ランプ電圧の検出値が所定値を超えたか否かを判定するために、ランプ電圧検出手段と制御手段との間に判定手段を配設することができる。
【0042】
請求項3の発明の放電ランプ点灯装置は、請求項1または2記載の放電ランプ点灯装置において、高周波発生手段は、可飽和変流器を用いた自励発振形の一石式インバータであることを特徴としている。
【0043】
一石式インバータは、一つのスイッチング手段を用いて直流をオン、オフさせて交流に変換する回路形式のインバータであって、出力電圧を正弦波にするためには、スイッチングの基本周波数に共振するLC共振回路を備えている。
【0044】
また、高周波出力は、出力トランスを介するか、直流カットコンデンサを介して取り出すことができる。
【0045】
自励発振形は、高周波発生手段の自身の回路動作からスイッチング手段のドライブ信号を帰還的に得る回路方式である。
【0046】
本発明において、自励発振は、過飽和変流器を介して高周波出力を帰還してドライブ信号を得るように構成されている。過飽和変流器を用いる場合、2次巻線のインピーダンスを制御することにより、飽和時間を可変にして発振周波数を制御することができる。
【0047】
そうして、本発明においては、過飽和変流器を用いた自励発振形の一石式インバータを高周波発生手段として用いることにより、回路構成が簡単になり、安価な放電ランプ点灯装置を得ることができる。
【0048】
また、一石式インバータは、LC共振回路により出力電圧波形を正弦波にするとともに、高い共振電圧を得ることができるので、直列点灯であっても所要の始動電圧を容易に得られる。
【0049】
さらに、一石式インバータは、ソフトスイッチングが行われるので、ノイズ発生が少ない。
【0050】
請求項4の発明の放電ランプ点灯装置は、請求項1ないし3のいずれか一記載の放電ランプ点灯装置において、一部の放電ランプを取り外したときに主として残余の放電ランプと直列に接続されてランプ電流を調整するランプ電流調整用インピーダンスを具備していることを特徴としている。
【0051】
本発明は、一部の放電ランプを間引いた際に残余の放電ランプに流れるランプ電流を調整するための請求項2とは異なる構成を規定している。
【0052】
複数の放電ランプの直列回路から一部の放電ランプを間引くと、一般に残余の放電ランプに流れるランプ電流が増加するとともに、放電ランプの直列回路の両端のランプ電圧が上昇する傾向にあることは請求項2の説明において述べたとおりであるが、放電ランプを主として間引いたときに残余の放電ランプに直列にランプ電流調整用インピーダンスを接続することにより、ランプ電流の増加を所要値に抑制することができる。
【0053】
「主として間引いたときに」とは、一部の放電ランプを間引いたときにのみを意味するだけでなく、放電ランプを間引かないときにも放電ランプに対して接続されているが、このようなときには放電ランプに対する影響が少なく、一部の放電ランプが間引かれたときに、明かなランプ電流調整作用を発揮する場合をも含む。
【0054】
直列接続される複数の放電ランプが異なる定格ランプ電流のときには、間引かれて残った放電ランプの定格ランプ電流が流れるようにランプ電流調整用インピーダンスを選択することができる。
【0055】
ランプ電流調整用インピーダンスの接続の態様としては、以下に示す構成がある。
【0056】
(1)放電ランプに並列接続される容量性リアクタンスを介して放電ランプに並列接続されるように接続する。(請求項5参照)
(2)放電ランプのフィラメント電極に並列接続する。(請求項6参照)
(3)放電ランプに直列接続されるとともに、容量性リアクタンスが放電ランプおよびランプ電流調整用インピーダンスの直列回路に対して並列接続される。
【0057】
請求項5の発明の放電ランプ点灯装置は、請求項1ないし4のいずれか一記載の放電ランプ点灯装置において、ランプ電流調整用インピーダンスは、容量性リアクタンスを介して放電ランプに並列接続されていることを特徴としている。
【0058】
本発明は、ランプ電流調整用インピーダンスの接続位置を容量性リアクタンスを介して放電ランプに並列接続される位置に規定している。
【0059】
本発明は、複数の放電ランプが同一定格である場合に好適である。なぜなら、ランプ電流調整用インピーダンスは、いずれの放電ランプに対しても共通に直列に接続されるからである。しかし、要すれば、定格ランプ電流が異なる放電ランプを直列接続する態様において、本発明を適用することを許容する。
【0060】
請求項6の発明の放電ランプ点灯装置は、請求項1ないし4のいずれか一記載の放電ランプ点灯装置において、放電ランプは、一対の電極がフィラメント電極であり;ランプ電流調整用インピーダンスは、少なくとも一部の放電ランプの一方のフィラメント電極に並列接続されていることを特徴としている。
【0061】
ランプ電流調整用インピーダンスは、その両端が接続されているフィラメント電極を備えている放電ランプが間引かれた際に、残余の放電ランプに容量性インピーダンスとともに、直列接続される。したがって、放電ランプごとにランプ電流を調整することが可能になる。
【0062】
また、ランプ電流調整用インピーダンスは、放電ランプのフィラメント電極と並列に接続されるので、当該フィラメント電極に流れるフィラメント加熱電流を調整する作用も奏する。
【0063】
さらに、ランプ電流調整用インピーダンスは、一部の放電ランプの一方または両方の
フィラメント電極に並列接続されているのであってもよい。
【0064】
請求項7の発明の照明装置は、照明装置本体と;照明装置本体に支持された請求項1ないし6のいずれか一記載の放電ランプ点灯装置と;を具備していることを特徴としている。
【0065】
本発明の照明装置は、放電ランプの発光を何らかの目的で利用する全ての装置を含む広い概念である。各種照明器具、画像表示装置、殺菌灯装置、光触媒応用装置などを含む。
【0066】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
【0067】
図1は、本発明の放電ランプ点灯装置の第1の実施形態を示す回路図である。
【0068】
図において、ASは低周波交流電源、abは交流入力端子、RDCは整流化直流電源、SMは平滑化手段、HFIは高周波発生手段、c、dは高周波出力端、L1は限流用誘導性リアクタンス、DL1、DL2は放電ランプ、C1、C2は容量性リアクタンスである。
【0069】
低周波交流電源ASは、商用100V交流電源である。
【0070】
交流入力端子a、bは、低周波交流電源を入力して作動する放電ランプ点灯装置としての入力端子である。
【0071】
整流化直流電源RDCは、全波整流回路からなり、低周波交流電源ASからの低周波交流電圧を整流して非平滑の整流化直流電圧を得る。
【0072】
なお、低周波交流電源ASと整流化直流電源RDCとの間にはノイズフィルタが介在しているが、この種放電ランプ点灯装置の慣用手段であるので、図示を省略している。
【0073】
平滑化手段SMは、平滑コンデンサや部分平滑回路、チョッパ回路などのアクティブフィルタが用いられる。
【0074】
高周波発生手段HFIは、高周波インバータからなる。
【0075】
高周波出力端c、dは、高周波発生手段の出力端である。
【0076】
限流用誘導性リアクタンスL1は、チョークコイルからなり、一端が高周波発生手段HFIの高周波出力端cに接続している。
【0077】
放電ランプDL1、DL2は、2灯直列接続されて限流用誘導性リアクタンスL1を直列に介して高周波出力端c、d間に接続されている。
【0078】
容量性リアクタンスC1、C2は、それぞれコンデンサからなり、一方の容量性リアクタンスC1は一方の放電ランプDL1に並列接続し、他方の容量性リアクタンスC2は他方の放電ランプDL2に並列接続している。
【0079】
次に、回路動作について説明する。
【0080】
交流入力端子a、bを低周波交流電源ASに接続すると、整流化直流電源RDCに非平滑化直流電圧が得られ、平滑化手段SMで平滑化されて高周波発生手段HFIの入力端に供給される。
【0081】
高周波発生手段HFIは、平滑化直流電圧の印加により起動して、高周波出力端c.d間に高周波出力が現れる。
【0082】
限流用誘導性リアクタンスL1および容量性リアクタンスC1、C2は、適度の直列共振を起こす。その結果、容量性リアクタンスC1、C2の端子電圧が高くなる。
【0083】
容量性リアクタンスC1、C2の端子電圧が高くなると、放電ランプDL1、DL2は始動が促進され、いずれか一方が始動して点灯する。そして、次に他方の放電ランプも始動して点灯する。
【0084】
そうして、放電ランプDL1、DL2が点灯すると、容量性リアクタンスC1、C2は放電ランプDL1、DL2によって実質的に短絡された状態になっている。
【0085】
次に、いずれかの放電ランプたとえばDL1が間引かれている場合には、間引かれた放電ランプDL1に並列接続する容量性リアクタンスC1が容量性リアクタンスC2に直列接続するから、容量性リアクタンスC2の両端に共振による高い電圧が印加されるので、放電ランプDL2は間引いてない場合と同様に始動し、点灯する。
【0086】
放電ランプDL2が間引かれている場合には、同様に容量性リアクタンスC1の両端に共振による高い電圧が印加されるので、放電ランプDL1は同様に始動し、点灯する。
【0087】
図2は、本発明の放電ランプ点灯装置の第2の実施形態を示す回路図である。
【0088】
図において、図1と同一部分については同一符号を付して説明は省略する。また、VlDはランプ電圧検出手段、DCは判定手段、CCは制御手段である。
【0089】
本実施形態は、一部の放電ランプの間引いた際に残余の放電ランプに流れる電流を適正化するとともに、放電ランプが寿命末期になった際に安全を図るように構成している点で異なる。
【0090】
すなわち、ランプ電圧検出手段VlDは、一対の放電ランプDL1、DL2の直列回路の両端間の電圧を検出する位置に接続され、検出出力を判定手段DCに制御入力する。
【0091】
判定手段DCは、ランプ電圧検出手段VlDの出力が予め設定した値を超えたときに出力を生じて、それを判定して制御手段CCに制御入力する。
【0092】
制御手段CCは、判定手段DCからの出力が送出されたときに高周波発生手段HFIのドライブ回路を制御して高周波出力を絞る。
【0093】
したがって、放電ランプDL1、DL2の一部たとえばDL1が間引かれると、ランプ電圧検出手段VlDの検出出力が増加する。
【0094】
判定手段DCにおいては、検出出力が予め設定したレベルを超えるので、判定出力を生じる。
【0095】
制御手段CCにおいては、判定出力の制御入力により、高周波発生手段HFIを制御して高周波出力を絞る。
【0096】
その結果、残余の放電ランプDL2は単独で、しかも適切なランプ電流で点灯する。
【0097】
一方、いずれかの放電ランプが寿命末期になると、そのランプ電圧が増大するので、ランプ電圧検出手段VlDの出力が増加し、判定手段DCおよび制御手段CCが上記と同様に作動して高周波発生手段HFIのい出力を絞り、安全に保護する。
【0098】
図3は、本発明の放電ランプ点灯装置の第3の実施形態を示す回路図である。
【0099】
図において、図1と同一部分については同一符号を付して説明は省略する。
【0100】
本実施形態は、限流用誘導性リアクタンスL1、複数の放電ランプDL1、DL2の直列回路を複数並列接続している点で異なる。
【0101】
本実施形態においても、回路動作は基本的に同様である。すなわち、それぞれの直列回路の中で間引き点灯が可能である。
【0102】
図4は、本発明の放電ランプ点灯装置の第4の実施形態を示す回路図である。
【0103】
図において、図1と同一部分については同一符号を付して説明は省略する。
【0104】
本実施形態は、放電ランプDL1、DL2がそれぞれフィラメント電極F11、F12およびF21、F22を備えているとともに、限流用誘導性リアクタンスL1にフィラメント加熱巻線wx、wy、wzを磁気結合している点で異なる。
【0105】
すなわち、放電ランプDL1、DL2のフィラメント電極F12およびF21は並列接続され、これらにフィラメント加熱巻線wzが並列接続している。
【0106】
また、放電ランプDL1のフィラメント電極F11には、フィラメント巻線wxが接続している。
【0107】
これに対して、放電ランプDL2のフィラメント電極F22には、フィラメント加熱巻線wyが接続している。
【0108】
一方、容量性リアクタンスC1は、放電ランプDL1のフィラメント電極F11、F12の一端間に接続している。
【0109】
また、容量性リアクタンスC2は、放電ランプDL2のフィラメント電極F21、F22の一端間に接続している。
【0110】
そうして、各放電ランプDL1、DL2のフィラメント電極E11、E12、E21、E22は、フィラメント巻線wx、wy、wzにより加熱される。
【0111】
図5は、本発明の放電ランプ点灯装置の第5の実施形態を示す回路図である。
【0112】
図において、図4と同一部分については同一符号を付して説明は省略する。
【0113】
本実施形態は、容量性リアクタンスC1、C2がともにランプ電流調整用インピーダンスZ1を直列に介してフィラメント電極F12、F21の一端に接続している点で異なる。
【0114】
すなわち、いずれかの放電ランプDL1またはDL2が間引かれると、残余の放電ランプに対してランプ電流調整用インピーダンスZ1が直列に接続される。このため、残余の放電ランプには容量性リアクタンスに加えてランプ電流調整用インピーダンスZ1が直列接続されるので、ランプ電流の増加が抑制される。
【0115】
上記作用は、いずれの放電ランプDL1またはDL2のいずれが間引かれても同様である。
【0116】
図6は、本発明の放電ランプ点灯装置の第6の実施形態を示す回路図である。
【0117】
図において、図5と同一部分については同一符号を付して説明は省略する。
【0118】
本実施形態は、各放電ランプDL1、DL2と直列にランプ電流調整用インピーダンスZ2、Z3を接続している点で異なる。
【0119】
すなわち、ランプ電流調整用インピーダンスZ2は、放電ランプDL1のフィラメント電極F11と限流用誘導性リアクタンスL1との間に直列接続されている。
【0120】
また、ランプ電流調整用インピーダンスZ3は、放電ランプDL2のフィラメント電極F22と高周波出力端dとの間に直列接続されている。
【0121】
容量性リアクタンスC1は、ランプ電流調整用インピーダンスZ2および放電ランプDL1に対して並列接続されている。
【0122】
同様に容量性リアクタンスC2は、放電ランプDL2およびランプ電流調整用インピーダンスZ3に対して並列接続されている。
【0123】
そうして、放電ランプDL1、DL2がともに間引かれないでいるときには、ランプ電流調整用インピーダンスZ2およびZ3が放電ランプDL1、DL2に対して直列に挿入されている。
【0124】
これに対して、放電ランプDL1が間引かれると、ランプ電流調整用インピーダンスZ3が放電ランプDL2に直列接続される。同様に放電ランプDL2が間引かれると、ランプ電流調整用インピーダンスZ2が放電ランプDL1に直列接続される。すなわち、ランプ電流調整用インピーダンスZ2は、放電ランプDL2を間引いたときに放電ランプDL1のランプ電流を調整する。同様にランプ電流調整用インピーダンスZ3は、放電ランプDL2のランプ電流を調整する。
【0125】
図7は、本発明の放電ランプ点灯装置の第7の実施形態を示す回路図である。
【0126】
図において、図6と同一部分については同一符号を付して説明は省略する。
【0127】
本実施形態は、各放電ランプDL1、DL2と直列にランプ電流調整用インピーダンスZ4が接続されているとともに、放電ランプDL1のフィラメント電極F11に並列にランプ電流調整用インピーダンスZ5が接続されている。また、同様に放電ランプDL2のフィラメント電極F22に並列にランプ電流調整用インピーダンスZ6が接続している。
【0128】
容量性リアクタンスC1は、放電ランプDL1のフィラメント電極F11およびF12の間に接続されている。
【0129】
また、限流用誘導性リアクタンスL1には、一対のフィラメント巻線wx、wyが磁気結合される。フィラメント巻線wxは、フィラメント電極E12に接続されている。同様に、フィラメント巻線wyは、フィラメント電極E21に接続されている。
【0130】
これに対して、容量性リアクタンスC2は、ランプ電流調整用インピーダンスZ4および放電ランプDL2の直列部分に対して並列接続されている。
【0131】
そうして、放電ランプDL1、DL2が間引かれていないときには、フィラメント電極E11、E22は、フィラメント電極E11、容量性リアクタンスC1、C2およびフィラメント電極E22の経路で形成されるフィラメント加熱回路を流れる電流により加熱される。また、フィラメント電極E12、E21は、フィラメント巻線wx、wyによって加熱される。そして、放電ランプDL1、DL2の点灯中、ランプ電流はランプ電流調整用インピーダンスZ4のみを直列に介して流れる。
【0132】
これに対して、放電ランプDL1が間引かれると、放電ランプDL2のフィラメント電極E21はフィラメント巻線wyにより加熱されるが、フィラメント電極E22は電流調整用インピーダンスZ5、容量性リアクタンスC1、C2およびフィラメント電極E22の経路で形成されるフィラメント加熱回路を流れる電流により加熱される。そして、放電ランプDL2の点灯中、ランプ電流ランプは、電流調整用インピーダンスZ5、容量性リアクタンスC1およびランプ電流調整用インピーダンスZ4を介して流れる。したがって、ランプ電流調整用インピーダンスZ5は、放電ランプDL2のランプ電流を調整するように設定すればよい。
【0133】
一方、放電ランプDL2が間引かれると、放電ランプDL1のランプ電流は、放電ランプDL1、容量性リアクタンスC2およびランプ電流調整用インピーダンスZ6を介して流れる。したがって、ランプ電流調整用インピーダンスZ6は、放電ランプDL1のランプ電流を調整するように設定すればよい。
【0134】
なお、ランプ電流調整用インピーダンスZ4は、放電ランプDL1およびDL2の直列点灯時のランプ電流を調整するように設定する。
【0135】
図8は、本発明の放電ランプ点灯装置の第8の実施形態を示す回路図である。
【0136】
図において、図7と同一部分については同一符号を付して説明は省略する。
【0137】
本実施形態は、各放電ランプDL1、DL2に並列接続する容量性リアクタンスC1、C2を利用してフィラメント加熱回路を構成するとともに、ランプ電流調整用インピーダンスZ4に代えてZ7およびZ8を接続している点で異なる。
【0138】
すなわち、フィラメント電極F11、容量性リアクタンスC1およびフィラメント電極F12を直列接続して、放電ランプDL1のフィラメント加熱回路FHC1を形成している。
【0139】
また、フィラメント電極F21、容量性リアクタンスC2およびフィラメント電極F22を直列接続して、放電ランプDL2のフィラメント加熱回路FHC2を形成している。
【0140】
これに対して、ランプ電流調整用インピーダンスZ7をフィラメント電極F12に並列している。
【0141】
また、ランプ電流調整用インピーダンスZ8をフィラメント電極F21に並列している。
【0142】
そうして、放電ランプDL1、DL2が直列接続している状態において、フィラメント予熱時には、ランプ電流調整用インピーダンスZ5、Z6、Z7およびZ8は作用しないので、フィラメント加熱電流は、容量性リアクタンスC1、C2により決定する。
【0143】
また、点灯時において、ランプ電流調整用インピーダンスZ5、Z6、Z7およびZ8は作用しないので、このときのランプ電流は、限流誘導性リアクタンスLにより決定する。なお、高周波発生手段HFIの出力電圧の影響は無視している。
【0144】
次に、放電ランプDL1が間引かれていると、フィラメント予熱時の予熱電流は、ランプ電流調整用インピーダンスZ5およびZ7に、容量性リアクタンスC1およびC2により決定する。
【0145】
また、点灯時において、ランプ電流は、ランプ電流調整用インピーダンスZ5およびZ7と、容量性リアクタンスC1とで決定される。
【0146】
同様に、放電ランプDL2が間引かれていると、予熱電流は、容量性リアクタンスC1およびC2と、ランプ電流調整用インピーダンスZ8およびZ6とで決定される。また、点灯時のランプ電流は、ランプ電流調整用インピーダンスZ8およびZ6と、容量性リアクタンスC2とで決定される。
【0147】
なお、以上の説明において、ランプ電流調整用インピーダンスZ5およびZ6のフィラメント加熱電流の分流作用については、省略しているが、実際はそのインピーダンスとフィラメント電極の抵抗との値に応じて分流作用を奏する。
【0148】
図9は、本発明の放電ランプ点灯装置の第9の実施形態を示す回路図である。
【0149】
図10は、同じくランプ電圧検出手段を示す回路図である。
【0150】
図11は、同じく判定手段を示す回路図である。
【0151】
図12は、同じく制御手段を示す回路図である。
【0152】
図13は、同じく平滑化手段を示す回路図である。
【0153】
各図において、図2と同一部分については同一符号を付して説明は省略する。
【0154】
本実施形態は、図2に示す実施態様をさらに実際的にした回路の一例を示すものである。
【0155】
すなわち、高周波発生手段HFIを一石式インバータによって構成するとともに、ランプ電圧検出手段VlDと制御手段CCとの間に判定手段DCを介在させ、
平滑化手段SMを部分平滑回路により構成している。以下、主な相違点を中心に説明する。
【0156】
<高周波発生手段HFIについて>
高周波発生手段HFIは、図9に示すように、インダクタL2、スイッチング手段Q1、ダイオードD1、コンデンサC3、共振コンデンサC4、過飽和変流器SCTおよびゲートドライブ回路GDCを備えている。
【0157】
インダクタL2は、スイッチング手段Q1に直列接続して平滑化手段SMの出力端間に接続されている。
【0158】
スイッチング手段Q1は、バイポーラ形トランジスタからなる。
【0159】
ダイオードD1は、スイッチング手段Q1のコレクタ・エミッタ間に逆並列に接続している。
【0160】
コンデンサC3は、スイッチング手段Q1のコレクタ・エミッタ間に並列接続している。
【0161】
共振コンデンサC4は、インダクタL2およびスイッチング手段Q1の直列回路に並列接続し、インダクタL2と共振回路を形成している。
【0162】
過飽和変流器CTは、1次巻線pの一端が高周波出力端dに接続し、他端がインダクタL2およびスイッチング手段Q1の接続点に接続している。
【0163】
ゲートドライブ回路GDCは、過飽和変流器CTの2次巻線s、コンデンサC5、C6およびMOSFETQ2を備えている。
【0164】
2次巻線sは、その一端がスイッチング手段Q1のベースに接続している。
【0165】
コンデンサC5は、その一端が2次巻線sの他端に接続し、他端がスイッチング手段Q1のエミッタに接続している。
【0166】
コンデンサC6は、その一端が2次巻線sの他端に接続している。
【0167】
MOSFETQ2は、そのドレインがコンデンサC6の他端に接続し、ソースがスイッチング手段Q1のエミッタに接続している。また、MOSFETQ2のゲート・ソース間に抵抗器R11およびコンデンサC12
の直列回路を接続している。
【0168】
<ランプ電圧検出手段VlDについて>
ランプ電圧検出手段VlDは、図10に示すように、放電ランプDL2および限流用誘導リアクタンスL1の接続点と、スイッチング手段Q1のエミッタとの間に接続され、倍電圧整流回路を主体として構成されている。
【0169】
すなわち、抵抗器R1、R2、コンデンサC7、C8、ダイオードD2、D3およびD4を備えている。抵抗器R1、コンデンサC7およびダイオードD2の直列回路が放電ランプDL2および限流用誘導リアクタンスL1の接続点と、スイッチング手段Q1のエミッタとの間に接続されている。
【0170】
ダイオードD2の両端にダイオードD3およびコンデンサC8の直列回路が接続されている。ダイオードD2とD3とは逆並列な極性である。
【0171】
コンデンサC8に並列に抵抗器R2が接続されている。
【0172】
そうして、抵抗器R2の両端間にランプ電圧の検出出力が得られ、判定手段DCに制御入力する。
【0173】
また、検出出力は、ダイオードD4を介して制御手段CCに制御入力するように構成されている。
【0174】
<判定手段DCについて>
判定手段DCは、図11に示すように、抵抗器R3、R4、R5、ツェナーダイオードZD1、コンデンサC9、ダイオードD5およびバイポーラトランジスタQ3を備えている。
【0175】
抵抗器R3、ツェナーダイオードZD1、抵抗器R4およびR5は直列回路を形成していて、抵抗器R3の図において上側の一端が平滑化手段SMの正極に接続し、抵抗器R5の図において下側の一端が負極に接続している。
【0176】
抵抗器R5に並列にコンデンサC9を接続し、さらにバイポーラトランジスタQ3のベース・エミッタを接続する。
【0177】
バイポーラトランジスタQ3のコレクタが判定出力端を構成していて、ドライブ回路のMOSFETQ2のゲートに接続している。
【0178】
ツェナーダイオードZD1および抵抗器R3の接続点をダイオードD5を介してランプ電圧検出手段VlDの出力端に接続している。
【0179】
<制御手段CCについて>
制御手段CCは、バイポーラトランジスタQ4、抵抗器R6、R7、R8、R9、13、分圧抵抗器R10、コンデンサC10、C11、ダイオードD6およびツェナーダイオードZD2、ZD3を備えている。
【0180】
抵抗器R6およびツェナーダイオードZD2、ZD3は、直列回路を形成し、抵抗器R6の図において左端が平滑化手段SMの正極に接続し、ツェナーダイオードZD3の陽極が平滑化手段SMの負極に接続している。
【0181】
ツェナーダイオードZD2、ZD3に並列に、抵抗器13、バイポーラトランジスタQ4、分圧抵抗器R10、抵抗器R7およびダイオードD6の直列回路と、抵抗器R8と、コンデンサC10とを並列接続している。
【0182】
抵抗器R9およびコンデンサC11の並列回路をバイポーラトランジスタQ4のベースと平滑化手段SMの負極との間に接続している。
【0183】
<その他の構成について>
(1)NFは、ノイズフィルタで、低周波交流電源ASおよび整流化直流電源RDCの間に介在している。
【0184】
(2)コンデンサC12は、高周波出力から直流成分を除去する直流カットコンデンサである。
【0185】
(3)放電ランプDL1は、FCL30形環形蛍光ランプである。これに対して、放電ランプDL2は、FCL32形環形蛍光ランプである。
【0186】
(4)容量性リアクタンスC1は6800pF、C2は6200pFである。
【0187】
(5)限流用誘導性リアクタンスL1は、ランプ電流が放電ランプDL2の定格ランプ電流0.425Aになるような値に設定した。
【0188】
(6)ランプ電圧検出手段VlDの抵抗器R1およびコンデンサC7の接続点と、制御手段CCの制御入力端との間がダイオードD7を介して接続されることにより、低周波交流電源電圧の変動に対して負帰還制御を行って高周波発生手段HFIの出力変動を低減している。
【0189】
<回路動作について>
回路動作は、主としてランプ電圧検出手段VlD、判定手段DCおよび制御手段CCに関する動作を中心として以下説明する。
【0190】
ランプ電圧検出手段VlDは、放電ランプDL1、DL2の両端に現れるランプ電圧を正負の各半サイクルにわたって検出し、それらの平均値が検出出力として抵抗器R2の両端間に現れる。そして、放電ランプDL1、DL2が間引かれないで、かつ正常であるときには、ランプ電圧検出手段VlDの出力が小さい。
【0191】
一方、判定手段DCは、抵抗器R3およびツェナーダイオードZD1の接続点の電位よりランプ電圧検出手段Vldの出力端の電位が低いときには、ダイオードD5がオンしているから、ツェナーダイオードZD1がブレイクダウンしないため、判定出力はなく、バイポーラトランジスタQ3がオフ状態にある。
【0192】
制御手段CCは、バイポーラトランジスタQ4がA級動作の増幅器として作動する。そして、分圧抵抗器R10の分圧出力端が制御手段CCの制御出力端である。さらに、制御手段CCの制御出力端は、ゲートドライブ回路GDCのMOSFETQ2のゲートに抵抗器R12を介して接続している。
【0193】
また、バイポーラトランジスタQ4のベースには、ダイオードD7を介して電源電圧変動が負帰還されるので、バイポーラトランジスタQ4を介して電源電圧変動に対して高周波発生手段HFIの出力は変動が少なくなるように制御される。
【0194】
さらに、加えてダイオードD4を介して高周波出力が負帰還されるので、始動時に過剰な高電圧が印加されるときには出力を下げて保護動作を行う。
【0195】
さらにまた、判定手段DCの制御出力端が制御手段CCの制御出力端に接続して、判定手段DCに制御出力が生じたときに、ゲートドライブ回路GDCのMOSFETQ2を制御する。
【0196】
次に、低周波交流電源ASを投入すると、抵抗器R6およびコンデンサC10がタイマを形成しているので、コンデンサC10の電位が充電により高くなるまで、バイポーラトランジスタQ4の導通度が小さいので、分圧抵抗器R10の分圧出力電圧が低い。このため、MOSFETQ2のゲート電圧も低いので、過飽和変流器SCTの飽和時間が早くなって、発振周波数が高くなり、高周波発生手段HFIの出力は小さく絞られる。この時間に放電ランプDL1、DL2のフィラメント電極の予熱が行われる。なお、図9においては、放電ランプDL1、DL2のフィラメント電極の図示を省略している。
【0197】
コンデンサC10の電圧が上昇すると、ツェナーダイオードZD2、ZD3によりクランプされて一定電圧がバイポーラトランジスタQ4に印加されるようになり、これと同時に予熱時間が終了し、バイポーラトランジスタQ4の導通度が高くなって高周波発生手段HFIの高周波出力が大きくなって放電ランプDL1、DL2が始動する。
【0198】
ところで、放電ランプの一部たとえばDL1が間引かれていると、ランプ電圧検出手段VlDの出力電圧が高くなり、判定手段CCのツェナーダイオードZD1がブレイクダウンするので、バイポーラトランジスタQ3がオンする。これにより、制御手段CCの分圧抵抗器R10の分圧出力端の電圧が低くなるから、ゲートドライブ回路GDCのMOSFETQ2のゲート電圧が低くなり、これに伴って過飽和変流器SCTの飽和時間が短くなり、高周波発生手段HFIの出力が絞られる。残余の放電ランプDL2のランプ電流が適正値に維持される。
【0199】
また、放電ランプDL1、DL2のいずれかが寿命末期になると、ランプ電圧検出手段VlDの制御出力が増加するので、高周波発生手段HFIの高周波出力を絞って保護することができる。
【0200】
<平滑化手段SMについて>
平滑化手段は、図13に示すように、インダクタL3および電解コンデンサC13の直列回路をインダクタL2およびスイッチング手段Q1の直列回路と並列に接続してなる。
【0201】
なお、コンデンサC14、ダイオードD8および抵抗器R12のより構成されている回路は、スイッチング手段Q1に加わる高電圧を電解コンデンサC13と供働してクランプするスナッバ回路である。
【0202】
そうして、インダクタL3および電解コンデンサC13の定数を適切に選ぶと、イッチング手段Q1の高周波スイッチングに伴って低周波交流電源電圧の半サイクルの谷間で振幅が大きくて、反対にピークで振幅が小さい高周波振動電圧が発生して低周波交流電源電圧に重畳する。
【0203】
この高周波振動電圧は、スイッチング手段Q1の高周波スイッチングにより、共振回路を形成しているインダクタL2および共振コンデンサC4の閉回路内に自由振動が発生し、そのとき共振コンデンサC4の両端電圧にインダクタL3および平滑コンデンサC13の直列回路が共振することにより生じる。このため、スイッチング手段Q1に対して逆方向に共振電流がダイオードD1を流れ、次に極性が反転して順方向にスイッチング手段Q1を共振電流が流れる際に、その一部が整流化直流電源RDCのダイオードD15ないしD18のうちD15およびD16から直接流入し、さらにその一部が電解コンデンサC13を高周波電流として充電する。
【0204】
電解コンデンサC13は、その結果上記高周波振動電圧の平均値で充電が行われ、平滑化された直流電圧が得られるとともに、高周波発生手段HFIに対して直流電源を供給する。
【0205】
図14は、本発明の照明装置の一実施形態としてのコードペンダント形照明器具を示す断面図である。
【0206】
図において、1は照明器具本体、2A,2Bは放電ランプとしての蛍光ランプである。
【0207】
照明器具本体1は、器具ケース1a、ペンダントコード1b、引掛シーリングキャップ1cおよびセード1dを備えている。
【0208】
器具ケース1aは、下面が膨出してその外面が反射面に形成され、内部にインバータを含む点灯回路1a1、コネクタ1a2、スイッチユニット1a3および常夜灯1a4を収納している。
【0209】
また、器具ケース1aは、外部周縁にランプホルダ1a5を備えている。上面にコード吊下・収納装置1a6が配設されている。
【0210】
ペンダントコード1bは、下端部が器具ケース1aのコード吊下・収納装置1a6内に引き込まれて、コネクタ1a2に接続されている。また、ペンダントコード1bの上端は、引掛シーリングキャップ1cに接続されている。そして、ペンダントコード1bおよび引掛シーリングキャップ1cを介して照明器具は天井から吊り下げられて使用される。
【0211】
照明器具の吊下長さは、ペンダントコード1bの余剰部をコード吊下・収納装置1a6内に収納することにより、所望の吊下高さに設定することができる。
【0212】
引掛シーリングキャップ1cは、天井に予め配設され、かつ電源に接続された引掛シーリングボディにワンタッチで着脱されて照明器具を機械的および電気的に接続することができる。
【0213】
蛍光ランプ2Aは、FCL30形であり、2Bは、FCL32形である。
【0214】
これらの蛍光ランプ2A、2Bは、ランプホルダ1a5に支持されるとともに、図示しないランプソケットを口金ピンに装着される。
【0215】
セード1dは、透光性合成樹脂からなり、笠形をなし、上端がコード吊下・収納装置1a6の周囲において係止して器具ケース1aに支持されている。そして、蛍光ランプ2A,2Bによる発熱で温度上昇したセード1dの内部の空気が通気孔1d1を通じて照明器具外に排出されることにより、室内空気の熱対流によって冷却されるように構成されている。
【0216】
【発明の効果】
請求項1ないし6の各発明によれば、複数の放電ランプを直列接続し、限流用誘導性リアクタンスを介して高周波発生手段の高周波出力端に接続し、各放電ランプに並列接続されて高周波出力に対して限流用誘導性リアクタンスと共振し得る複数の容量性リアクタンスを具備し、かつ一部の放電ランプが間引かれている状態では間引かれた放電ランプに並列接続されている容量性リアクタンスが残余の放電ランプに対して直列接続して残余の放電ランプに並列接続されている容量性リアクタンスが限流用誘導性リアクタンスと直列共振して残余の放電ランプの両端間に始動するのに十分な電圧が現れるように作用することにより、任意所望の一部の放電ランプを間引いて点灯することが可能な放電ランプ点灯装置を提供することができる。
【0217】
請求項2の発明によれば、加えて放電ランプのランプ電圧検出手段とランプ電圧検出手段の検出出力が所定値を超えたときに高周波発生手段の出力を制御する制御手段bを備えていることにより、放電ランプを間引いたときにランプ電流を調整する放電ランプ点灯装置を提供することができる。
【0218】
請求項3の発明によれば、加えて高周波発生手段が過飽和変流器を用いた自励発振形の一石式インバータであることにより、回路構成が簡単で安価であるとともに、LC共振回路により高い正弦波の高周波出力を得る放電ランプ点灯装置を提供することができる。
【0219】
請求項4の発明によれば、加えて一部の放電ランプを間引いたときに主として残余の放電ランプと直列に接続されてランプ電流を調整するランプ電流調整用インピ−ダンスを具備していることにより、残余の放電ランプのランプ電流を調整した放電ランプ点灯装置を提供することができる。
【0220】
請求項5の発明によれば、加えてランプ電流調整用インピーダンスが容量性リアクタンスを介して放電ランプに並列接続されることにより、複数の放電ランプが同一定格の場合に好適な放電ランプ点灯装置を提供することができる。
【0221】
請求項6の発明によれば、加えてランプ電流調整用インピーダンスが放電ランプのフィラメント電極に並列接続されていることにより、残余の放電ランプごとにランプ電流を調整可能な放電ランプ点灯装置を提供することができる。
【0222】
請求項7の発明によれば、請求項1ないし6の発明の効果を有する照明装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の放電ランプ点灯装置の第1の実施形態を示す回路図
【図2】本発明の放電ランプ点灯装置の第2の実施形態を示す回路図
【図3】本発明の放電ランプ点灯装置の第3の実施形態を示す回路図
【図4】本発明の放電ランプ点灯装置の第4の実施形態を示す回路図
【図5】本発明の放電ランプ点灯装置の第5の実施形態を示す回路図
【図6】本発明の放電ランプ点灯装置の第6の実施形態を示す回路図
【図7】本発明の放電ランプ点灯装置の第7の実施形態を示す回路図
【図8】本発明の放電ランプ点灯装置の第8の実施形態を示す回路図
【図9】本発明の放電ランプ点灯装置の第9の実施形態を示す回路図
【図10】同じくランプ電圧検出手段を示す回路図
【図11】同じく判定手段を示す回路図
【図12】同じく制御手段を示す回路図
【図13】同じく平滑化手段を示す回路図
【図14】本発明の照明装置の一実施形態としてのコードペンダント形照明器具を示す断面図
【符号の説明】
AS…低周波交流電源
a…交流入力端子
b…交流入力端子
RDC…整流化直流電源
SM…平滑化手段
HFI…高周波発生手段
c…高周波出力端
d…高周波出力端
L1…限流用誘導性リアクタンス
DL1…放電ランプ
DL2…放電ランプ
C1…容量性リアクタンス
C2…容量性リアクタンス
Claims (7)
- 高周波発生手段と;
高周波発生手段の高周波出力により付勢される直列接続された複数の放電ランプと;
高周波発生手段および放電ランプの間に直列に介在する限流用誘導性リアクタンスと;
各放電ランプに並列接続されている容量性リアクタンスであって高周波出力に対して限流用誘導性リアクタンスと共振して一部の放電ランプが間引かれている状態では間引かれた放電ランプに並列接続されている容量性リアクタンスが残余の放電ランプに対して直列接続して残余の放電ランプに並列接続されている容量性リアクタンスが限流用誘導性リアクタンスと直列共振して残余の放電ランプの両端間に始動するのに十分な電圧が現れるように作用する複数の容量性リアクタンスと;
を具備していることを特徴とする放電ランプ点灯装置。 - 放電ランプのランプ電圧を検出するランプ電圧検出手段と;
ランプ電圧検出手段の検出出力が所定値を超えたときに高周波発生手段の出力を制御する制御手段と;
を具備していることを特徴とする請求項1記載の放電ランプ点灯装置。 - 高周波発生手段は、可飽和変流器を用いた自励発振形の一石式インバータであることを特徴とする請求項1または2記載の放電ランプ点灯装置。
- 一部の放電ランプを取り外したときに主として残余の放電ランプと直列に接続されてランプ電流を調整するランプ電流調整用インピーダンスを具備していることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか一記載の放電ランプ点灯装置。
- ランプ電流調整用インピーダンスは、容量性リアクタンスを介して放電ランプに並列接続されていることを特徴とする請求項1ないし4のいずれか一記載の放電ランプ点灯装置。
- 放電ランプは、一対の電極がフィラメント電極であり;
ランプ電流調整用インピーダンスは、少なくとも一部の放電ランプの一方のフィラメント電極に並列接続されていることを特徴とする請求項1ないし4のいずれか一記載の放電ランプ点灯装置。 - 照明装置本体と;
照明装置本体に支持された請求項1ないし6のいずれか一記載の放電ランプ点灯装置と;
を具備していることを特徴とする照明装置。
Priority Applications (1)
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