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JP4100125B2 - 系統連系インバータ装置 - Google Patents

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JP4100125B2 JP2002296214A JP2002296214A JP4100125B2 JP 4100125 B2 JP4100125 B2 JP 4100125B2 JP 2002296214 A JP2002296214 A JP 2002296214A JP 2002296214 A JP2002296214 A JP 2002296214A JP 4100125 B2 JP4100125 B2 JP 4100125B2
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、太陽電池または燃料電池などの直流電力を商用周波数の交流電力に変換して系統に電力注入する電力変換装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図12は、従来使用している系統連系インバータ装置の構成を示す接続図である。ここで直流電源1は太陽電池や燃料電池といった出力が直流の分散型電源で構成されている。直流電源1で発電した直流電力は第1インバータ2で高周波電力に変換された後、高周波トランス3で昇降圧され2次側へ電力伝達される。高周波トランス2次側に発生した高周波電力は整流手段4で単方向の脈流に変換された後、第2インバータ5で系統6に同期した商用交流電力に変換されて、系統に注入されるものである。ここで、第1インバータと第2インバータはともにそれぞれ4個のスイッチング素子でフルブリッジ接続されている。
【0003】
以下に動作を説明する。本実施例では第1インバータ2のスイッチング素子Qa〜Qdがオンオフを繰り返すことにより直流電圧がチョッピングされ、高周波トランス3の1次側に正負の矩形電圧を印加する。商用周期内で各スイッチング素子の導通比を変化させるパルス幅変調を行うことで、高周波トランス2次電圧の平均値は正弦波となっている。2次側に発生した電圧と系統電圧との差で発生する限流リアクトル5の電流はフィルタコンデンサ6で高周波成分が除去され、第2インバータ7の入力電流は商用2倍周波の脈流となっている。第2インバータ7は系統8の極性に同期して、Q1とQ4およびQ2とQ3が排他的にオンオフを繰り返すことで、第2インバータ入力電流は交流に変換され、系統8に電流注入される。
【0004】
【特許文献1】
特開2001−169567号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら上記従来の構成では、高周波電力を商用周波電力に変換する過程において、高周波電力を一度整流した後、周波数の異なる交流に再変換していることから電力変換器が複数必要となる。したがって各変換段において損失が発生するため効率が悪、さらに放熱のための冷却スペースが大きくなり機器の形状が大きくなるという課題を有していた。
【0006】
本発明は、高周波電力から商用周波数の電力への交流−交流変換を簡素な構成とすることで、低損失かつ小形・軽量が実現できる系統連系インバータを提供することを目的としたものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するために本発明の系統連系インバータ装置は、高周波電力を商用周波電力に変換するインバータに双方向半導体スイッチを用いて、従来必要としていた高周波電力の整流手段を削除可能とし、低損失かつ小形・軽量で安価な系統連系インバータを提供するものである。
【0008】
【発明の実施の形態】
請求項1に記載した発明は、高周波トランスと、直流電力を高周波電力に変換する前記高周波トランスの1次側に配置された第1インバータと、前記高周波電力を商用電力に変換する前記高周波トランスの2次側に配置された限流リアクトルと、複数のスイッチング素子がフルブリッジ構成された第2インバータとを有し、前記第2インバータのスイッチング素子を双方向スイッチで構成し、前記第2インバータの双方向スイッチを系統電圧の極性に応じてオンオフして前記高周波トランスの電力を交流に変換する系統連系インバータ装置とすることで、整流手段と直流から交流への変換を1つのインバータで実現する系統連系インバータ装置としている。
【0009】
請求項2に記載した発明は、電解コンデンサと双方向スイッチを直列接続した回生電力処理手段を有し、前記回生電力処理手段は、高周波トランスと、第2インバータとに並列配置して、前記第2インバータが自立運転時に低力率負荷が接続されたときのみ前記回生電力処理手段内の双方向スイッチをオンする請求項1に記載の系統連系インバータ装置とすることで、低力率負荷の電力回生を実現することができる系統連系インバータ装置としている。
【0010】
【実施例】
(実施例1)
以下、本発明の第1の実施例について図面を参照しながら説明する。図1は本実施例の構成を示すブロック図である。本実施例の系統連系インバータ装置は、太陽電池や燃料電池といった分散型電源である直流電源11と、直流電力を高周波電力に変換するインバータ12と、高周波電力の電圧を変換する高周波トランスと、限流リアクトルと、双方向スイッチ16がフルブリッジ構成された第2インバータ15とで構成され、第2インバータの出力は系統に連系されて同期正弦波電流を注入している。
【0011】
以上の様に構成された系統連系インバータ装置について、図2の波形図を参照して動作を説明する。高周波トランス2次側に発生する矩形波状の高周波電圧と系統電圧との差によって、限流リアクトル14には遅れ位相の電流が流れる。
【0012】
一方、第2インバータ15の双方向スイッチ16は系統電圧の極性に応じてオンオフしており、例えば系統電圧が正のとき、限流リアクトル電流が図示してある方向に対して正の期間においては、限流リアクトル電流はQ1とQ4を通過する。ここで負の期間はQ2とQ3によって電流が阻止されるため、第2インバータ15を通過する電流は図示の通り高周波の脈流となる。限流リアクトル電流の高周波成分は交流フィルタコンデンサ17で除去されて、系統18には出力電流として系統18に同期した商用周波成分が注入される。
【0013】
以上のように本実施例によれば、双方向スイッチで構成されたインバータを使用することで、高周波電力を直接商用周波の電力に直接変換が可能となるため、複数の変換段を必要としない低損失且つ小形・軽量の系統連系ンバータ装置を実現することができる。
【0014】
(実施例2)
以下、本発明の第2の実施例について図面を参照しながら説明する。図3は本実施例の構成を示すブロック図である。図3において図1の回路構成と異なるのは、高周波トランス2次側に位置していた限流リアクトルの代わりに第2インバータ15出力に交流リアクトル20を配置した点である。上記以外の構成要素は第1の実施例と同等であり、説明を省略する。
【0015】
以上の様に構成された系統連系インバータ装置について、図4の波形図を参照して動作を説明する。高周波トランス2次側に発生する矩形波状の高周波電圧と系統電圧との差によって、交流リアクトル20には遅れ位相の電流が流れる。ここで、第2インバータ15は高周波スイッチングを行う。具体的には交流リアクトル電流が図示している方向に対して正の時はQ1とQ4がオン、Q2とQ3がオフし、逆に交流リアクトル電流が負の時はQ1とQ4がオフ、Q2とQ3がオンする。したがって、交流リアクトル電流は正負に振幅を有する高周波電流となる。
【0016】
なお、交流リアクトル20を通過する高周波電流の成分は、交流フィルタコンデンサ17で除去されて、系統18には出力電流として系統18に同期した商用周波成分が注入される。
【0017】
以上のように本実施例によれば、第2インバータが高周波でスイッチングすることで、電流平滑用の交流リアクトルに流れる電流の極性に関わらず、常時エネルギを取り出すことのできる高効率の系統連系インバータ装置を実現することができる。
【0018】
(実施例3)
以下、本発明の第3の実施例について図5を参照しながら説明する。図5は本実施例の構成を示す波形図である。構成要素は図3と同等であり、説明を省略する。
【0019】
以上のように構成された系統連系インバータ装置について図5の波形図を参照して動作を説明する。第1インバータ12の動作で高周波トランス13の2次側に発生する高周波電圧は、誘導性を有する交流リアクトルが負荷であるため、交流リアクトル20を流れる電流は第1インバータ12の駆動信号に対して遅れ位相となる。そこで商用周期の間、第1インバータ12の駆動信号に対して一定の位相遅れを維持して第2インバータ15を高周波動作すると、概ね交流リアクトル電流のゼロ近傍でスイッチングすることになり、第2インバータ15を構成する双方向スイッチ16のスイッチング損失を軽減することになる。
【0020】
以上のように本実施例によれば、第1インバータを構成する半導体スイッチの駆動信号と、第2インバータを構成する双方向半導体スイッチの駆動信号とが、一定の位相差で維持されることで、簡素な構成でゼロ電流スイッチングと動作周波数の一定化が同時に実現できる系統連系インバータ装置を提供することができる。
【0021】
(実施例4)
以下、本発明の第4の実施例について図6を参照しながら説明する。図6は本実施例の構成を示すブロック図である。図6において図3の回路構成と異なるのは、高周波トランス13の2次側にゼロ電流検知手段40を配置し、この出力を用いてゼロ電流スイッチング制御手段41で第2インバータ15を制御するようにした点である。上記以外の構成要素は第2の実施例と同等であり、説明を省略する。
【0022】
以上のように構成された系統連系インバータ装置について図7の波形図を参照して動作を説明する。高周波トランス13の出力電圧は第1インバータ12のパルス幅変調(PWM)動作により正弦波変調されているため、商用周期のピーク付近では高周波トランス2次電圧が図示してある方向に対して正の期間が長い。
【0023】
逆に谷間付近では、高周波トランス2次電圧は図示してある方向に対して負の期間が長くなる。したがって、交流リアクトル電流がゼロを通過する位相は商用周期中、大幅に変化する。そこで高周波トランス13の2次側に配置されたゼロ電流検知手段40は、商用周期で変化する交流リアクトル電流のゼロ電流タイミングを検知して、この出力を基にゼロ電流スイッチング手段41が第2インバータ15を構成する双方向スイッチ16を高周波でスイッチングする。
【0024】
以上のように本実施例によれば、高周波トランスの2次側電流のゼロ電流を検出するゼロ電流検知手段40を有して、第2インバータの駆動信号をゼロ電流検出手段の出力に同期して出力することで、双方向スイッチのスイッチング損失を原理的にゼロにすることができるため、低損失化が可能な系統連系インバータ装置を提供することができる。
【0025】
(実施例5)
以下、本発明の第5の実施例について図8を参照しながら説明する。図8は本実施例の構成を示す波形図である。構成要素は図6と同等であり、説明を省略する。
【0026】
以上のように構成された系統連系インバータ装置について図8の波形図を参照して動作を説明する。交流リアクトル電流の動作周波数は第1インバータ12の動作周波数で決定される。第2インバータ15の動作は交流リアクトル20のゼロ電流のタイミングで行われるため、各インバータのデッドタイムの影響などで結果的に周波数が変化する場合がある。その時は第2インバータ15の動作周波数をゼロ電流スイッチングに対して優先させることで、第1インバータ12と第2インバータ15間の動作周波数の差をなくして、2つのインバータ間の干渉音を防止する。
【0027】
以上のように本実施例によれば、第2インバータと第1インバータの動作周波数を一致させることで、2つのインバータが同時に動作した際の干渉音による騒音発生を回避することのできる系統連系インバータ装置を実現することができる。
【0028】
(実施例6)
以下、本発明の第6の実施例について図9を参照しながら説明する。図9は本実施例の構成を示すブロック図である。図9において図3の回路構成と異なるのは、高周波トランス13と第2インバータ15との間に限流リアクトル14とフィルタコンデンサ60をローパスフィルタ構成として挿入した点である。上記以外の構成要素は第3の実施例と同等であり、説明を省略する。
【0029】
以上のように構成された系統連系インバータ装置について図10を参照して動作を説明する。高周波トランス2次側に発生する矩形波状の高周波電圧と系統電圧との差によって、限流リアクトル14には遅れ位相の電流が流れる。限流リアクトル電流の高周波成分はフィルタコンデンサ60で除去され、第2インバータ15に入力する電流は商用周波の正弦波となる。ここで、第2インバータ15の双方向スイッチ16は系統電圧の極性に応じてオンオフしており、例えば系統電圧が正のとき、第2インバータ入力電流が図示してある方向に対して正の期間においては、Q1とQ4がオンして、Q2とQ3がオフする。
【0030】
また、系統電圧が負の期間はQ2とQ3がオンし、Q1とQ4がオフすることで、系統18には出力電流として系統18に同期した商用周波成分が注入される。
【0031】
以上のように本実施例によれば、高周波トランスと第2インバータの間に、限流リアクトルとフィルタコンデンサをローパスフィルタ構成で挿入し、第2インバータを商用周波数でスイッチングすることで、第2インバータの損失からスイッチング損失が削減できるため、小形・軽量で安価な系統連系インバータ装置を提供することができる。
【0032】
(実施例7)
以下、本発明の第7の実施例について図面を参照しながら説明する。図11は本実施例の構成を示すブロック図である。図11において図1の回路構成と異なるのは、第2インバータと系統との間に継電器を配置して、独立出力を可能にしたことと、限流リアクトルと第2インバータとの間に双方向スイッチと電解コンデンサを直列に接続した回生電力処理手段を配置した点である。上記以外の構成要素は第1の実施例と同等であり、説明を省略する。
【0033】
以上のように構成された系統連系インバータ装置について図を参照して動作を説明する。系統18が停電した時、系統連系インバータ装置は系統から切り離されて正弦波電圧出力の自立運転動作を行う。仮にモータ負荷などの低力率負荷が急に接続された場合、瞬時に回生電力処理手段70の構成要素である双方向スイッチをオンして、第2インバータ15の入力段に低インピーダンスの電解コンデンサを挿入して、商用周期の中で電力回生を行う。また、回生電力が発生しない抵抗負荷が接続されている場合、双方向スイッチはオフする。
【0034】
以上のように本実施例によれば、電解コンデンサと双方向スイッチを直列接続した回生電力処理手段を高周波トランスと、第2インバータとの間で並列配置し、自立運転時に誘導性や容量性の低力率負荷が接続された場合、瞬時に双方向スイッチを投入することで、利便性の良い系統連系インバータ装置を提供することができる。
【0035】
【発明の効果】
以上のように発明は、高周波絶縁タイプのインバータにおいて、高周波トランス出力の高周波電力を商用周波電力に変換するインバータに双方向半導体スイッチを用いることで、従来不可欠であった高周波電力の整流手段を削除が可能となり、大幅な低損失かつ小形・軽量で安価な系統連系インバータを提供することができるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1の実施例である系統連系インバータ装置の構成を示すブロック図
【図2】 本発明の第1の実施例である系統連系インバータ装置の各部動作を示す波形図
【図3】 本発明の第2の実施例である系統連系インバータ装置の構成を示すブロック図
【図4】 本発明の第2の実施例である系統連系インバータ装置の各部動作を示す波形図
【図5】 本発明の第3の実施例である系統連系インバータ装置の各部動作を示す波形図
【図6】 本発明の第4の実施例である系統連系インバータ装置の構成を示すブロック図
【図7】 本発明の第4の実施例である系統連系インバータ装置の各部動作を示す波形図
【図8】 本発明の第5の実施例である系統連系インバータ装置の各部動作を示す波形図
【図9】 本発明の第6の実施例である系統連系インバータ装置の構成を示すブロック図
【図10】 本発明の第6の実施例である系統連系インバータ装置の各部動作を示す波形図
【図11】 本発明の第7の実施例である系統連系インバータ装置の構成を示すブロック図
【図12】 従来の系統連系インバータ装置の構成を示すブロック図
【符号の説明】
11 直流電源
12 第1インバータ
13 高周波トランス
14 限流リアクトル
15 第2インバータ
16 双方向スイッチ
17 交流フィルタコンデンサ
18 系統
20 交流リアクトル
40ゼロ電流検知手段
41ゼロ電流スイッチング手段
60フィルタコンデンサ
70 回生電力処理手段

Claims (2)

  1. 高周波トランスと、直流電力を高周波電力に変換する前記高周波トランスの1次側に配置された第1インバータと、前記高周波電力を商用電力に変換する前記高周波トランスの2次側に配置された限流リアクトルと、複数のスイッチング素子がフルブリッジ構成された第2インバータとを有し、前記第2インバータのスイッチング素子を双方向スイッチで構成し、前記第2インバータの双方向スイッチを系統電圧の極性に応じてオンオフして前記周波トランスの電力を交流に変換する系統連系インバータ装置。
  2. 電解コンデンサと双方向スイッチを直列接続した回生電力処理手段を有し、前記回生電力処理手段は、高周波トランスと、第2インバータとに並列配置して、前記第2インバータが自立運転時に低力率負荷が接続されたときのみ前記回生電力処理手段内の双方向スイッチをオンする請求項1に記載の系統連系インバータ装置。
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