JP4198853B2 - Hybrid actuator - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば高精度測定機器、半導体製造装置の除振に好適なハイブリッドアクチュエータに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、空気ばね、エアシリンダ、油圧シリンダ等の流体アクチュエータは周知である。これらの流体アクチュエータの場合、内圧と有効受圧面積で決定される支持荷重、或いは作動力を有する一方、供給される流体の圧力に制限がある。このため、この流体アクチュエータを高負荷に適用できるようにすれば、上記有効受圧面積を大きくするしかない。
例えば、特公平第7−76576号公報、特開平第3−219141号公報に振動を抑制するために空気ばねを用いた装置が開示されている。これらの空気ばねによる力を増大させるには空気ばねの数を増大させる必要がある。
【0003】
また、精密機器の微振動制御においては、アクティブ制御が盛んに利用されるようになってきており、このアクティブ制御に圧電素子や超磁歪素子などの固体素子やボイスコイルモータ(VCM)のようなリニアーモータを用いた研究や開発も既に多く行われている。そして、負荷に対して十分な支持力を発生しないこれらの固体素子およびリニアーモータ(以下、固体素子等という)を振動制御用アクチュエータとして用いる場合、上記固体素子等に対して弾性材を並列に用いることが一般に行われている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
精密加工の分野では、クリーンな環境の維持コストの上昇を低減させるために、精密加工に悪影響を及ぼすことなく設備の集約度を高めることが求められている。一方、機器の大型化、高速化の要求があり、機器に対する単位面積当りの支持能力および制御力の向上が益々必要となっている。即ち、如何にして、小さなスペースで大きな制御力を発生させ、周波数の広い範囲で振動制御能力を向上させるかが重要な課題になっている。
【0005】
特に、負荷に対して十分な支持力を発生しない固体素子等を用いたアクティブ制御装置の場合、このアクティブ制御装置にその支持装置が付帯するため、二重のスペースを必要とするという問題がある。
一般に、各種の機械および機器の占有スペースは縮小し、それらの構成部品の密度は高くなる傾向にある。このため、流体アクチュエータの数を増やして有効受圧面積を増大させることができないという問題がある。
上記制御用アクチュエータの場合、大きな外力が作用すると弾性材の劣化が早まり、弾性をなくしてゆき易いという問題がある。また、固体素子はアクチュエータとしてのストロークが小さく、大きな振幅外乱が作用すると追従できず、制御が行えないという問題があった。
【0006】
本発明は、斯る従来の問題をなくすことを課題としてなされたもので、小さいスペースで高負荷に適用することを可能とし、上述した固体素子等の欠点を補い、さらに高度な振動制御を可能とするハイブリッドアクチュエータを提供しようとするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、第1発明は、上部および下部が開口したシリンダーケースの内部にコアが配置され、上記シリンダーケースと上記コアとの間に、この両者の上下方向の相対移動を妨げることのない小シール部材が介設され、上記コアと上記シリンダーケースとの間に、この両者の上下方向の相対移動を妨げることのない、かつ上記小シール部材よりも大きい有効受圧面積を有する大シール部材が介設され、上記小シール部材と上記大シール部材との間に単一の小空間が形成され、上記小空間に加圧流体を供給し、この小空間内の流体を排出させる流体流路が接続された流体アクチュエータと、上下方向に伸縮可能に形成された振動アクチュエータと、少なくとも上下方向に弾性を有する弾性部材とを上下方向に結合して形成した。
【0008】
また、第2発明は、上部および下部が開口したシリンダーケースの内部にコアが配置され、上記シリンダーケースと上記コアとの間に、この両者の上下方向の相対移動を妨げることのない小シール部材が介設され、上記コアと上記シリンダーケースとの間に、この両者の上下方向の相対移動を妨げることのない、かつ上記小シール部材よりも大きい有効受圧面積を有する大シール部材が介設され、上記小シール部材と大シール部材とが交互に並び、上記小シール部材と上記大シール部材との間に上下に隣接する少なくとも三つの小空間が形成され、互いに連通させた下から奇数段の上記小空間に加圧流体を供給し、この小空間内の流体を排出させる流体流路が接続され、下から偶数段の上記小空間が大気に連通するように形成された流体アクチュエータと、上下方向に伸縮可能に形成された振動アクチュエータと、少なくとも上下方向に弾性を有する弾性部材とを上下方向に結合して形成した。
【0010】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施形態を図面にしたがって説明する。
図1は、第1発明の第1実施形態に係るハイブリッドアクチュエータ1Aを示し、このハイブリッドアクチュエータ1Aは大略、流体アクチュエータ11、振動アクチュエータ12およびこの両者の間に介設された弾性部材13とから形成されている。
流体アクチュエータ11は、上部および下部が開口し、支持部X上に配置されたシリンダーケース21およびこの内部に配置されたコア22を有している。このコア22は中空体であってもよい。
【0011】
シリンダーケース21の内周部には単一の環状突部23が横方向に張出しており、コア22の外周部には単一のディスク24が横方向に張出している。環状突部23とコア22との間には、この両者の上下方向の相対移動を妨げることなく小シール部材25が介設され、ディスク24とシリンダーケース21の内周部との間には大シール部材26が介設されている。
【0012】
そして、小シール部材25と大シール部材26との間に小空間27が形成され、この小空間27の大シール部材26の有効受圧面積が小シール部材25の有効受圧面積よりも大きくなるように形成されている。また、シリンダーケース21には、制御弁28が介設された流体流路29が接続されており、これにより小空間27に加圧流体を供給し、この小空間27内の流体を排出させるようになっている。
小シール部材25、大シール部材26は、例えば環状の薄板からなるダイヤフラム或はOリングで、その内側および外側の両係合部の上下方向の相対移動を妨げることなく上下の空間部を仕切る部材であればよい。なお、このOリングを用いる場合は、Oリングの内周側と外周側の内の一方はこれと係合する部材に形成された溝内に嵌挿され、他方の側はこれと係合する部材の表面上を摺動できるように配置される。
【0013】
振動アクチュエータ12は、印加される電圧により歪が生じる圧電素子、或は磁界の作用を受けて歪が生じる超磁歪素子等の固体素子を内蔵した固体素子アクチュエータの他に、ボイスコイルモータ(VCM)のようなリニアモータを含み、上下方向に歪が生じるように配置されている。また、この振動アクチュエータ12は、横方向の剪断力に対しては極めて剛性が小さく、その上下の面に係合する両部材間の横方向に微小な相対移動を妨げない特性を有している。
弾性部材13は、例えばエラストマやゴム、或はばね等からなり、上下方向における撓み量に比例した反力を生じ、一種類の材料から形成してもよく、複数の材料の組合せでもよい。また、複数の材料を用いる場合は、これらを積層して弾性部材13を形成してもよい。
【0014】
流体アクチュエータ11のコア22の上部には被駆動体Oが配置されており、この被駆動体Oには、その振動状態を検出する振動センサ31が取付けられている。この振動センサ31による振動状態を示す検出信号はバルブコントローラ32に入力され、このバルブコントローラ32から制御弁28を作動させるバルブドライバ33に制御信号が出力される。
制御弁28は、図示しない加圧流体供給源に連通する給気ポート、小空間27に連通する制御ポートおよび大気に連通する排気ポートを有する三方切換弁の一種で、上記加圧流体供給源から小空間27に導かれる加圧流体、例えば給気の流量と小空間27から排出される流体、例えば排気の流量を調節する。
【0015】
そして、制御弁28が上記給気の流量を最大にする第一の状態にある場合は、加圧流体源から小空間27に導かれた加圧流体の圧力によりディスク24は環状突部23から離れる方向に作動する。一方、制御弁28が上記排気の流量を最大にする第二の状態にある場合は、小空間27内の流体が流出してゆく結果、上述した圧力の作用はなくなり、ディスク24は第一の状態の場合とは逆方向に作動する。
なお、制御弁28を介して流体アクチュエータ11の制御に用いられる流体には、空気、窒素、二酸化炭素やヘリウム等の気体の他に、油がある。
【0016】
また、シリンダーケース21、環状突部23およびディスク24は小空間27内に加圧流体が導かれた際に、ディスク24が環状突部23から離れる方向に作動するのに十分な剛性を有する部材からなっている。
上述した振動センサ31からの検出信号はまた、アクチュエータコントローラ34にも入力され、ここからアクチュエータドライバ35に制御信号が送られ、このアクチュエータドライバ35により振動アクチュエータ12が上下方向に伸縮するように作動させられる。流体アクチュエータ11の作動に加えて振動アクチュエータ12の上下方向の伸縮により被駆動体Oに上向き或は下向きの力が作用する。
【0017】
このハイブリッドアクチュエータ1Aは、圧電素子等からなる振動アクチュエータ12をパッシブな特性を有する弾性部材13と直列に用いる技術を改良したものであって、振動アクチュエータ12、例えば駆動電圧に比例した変位を発生する固体素子アクチュエータと弾性部材13とを直列に配置し、固体素子アクチュエータと弾性部材13とを相互に作用させることにより、固体素子アクチュエータに印加する操作電圧の周波数が変化しても、電圧が一定であれば一定の力を生じる力発生要素として用いることができる。即ち、固体素子アクチュエータが変形し、この変形量に応じて弾性部材13に駆動力を生じさせる。原理的には弾性部材のばね定数が大きい方が大きな力を発生できることになる。しかし、このハイブリッドアクチュエータ1Aを除振機構に用いることを考えると高い周波数においてパッシブな除振性能が得られる方が有利である。このときの除振性能は弾性部材13が柔らかい方が大きくなる。よって弾性部材の選択は発生力とパッシブの除振性能との兼ね合いとなる。このハイブリッドアクチュエータ1Aは柔らかい支持機構を与えるのに有利であり、支持荷重の変動に対しても流体アクチュエータ11における流体圧の操作で簡単に対応することができる。
【0018】
また、振動アクチュエータ12は当然、位置制御か振動制御に用いられることを前提にしている。この場合、ハイブリッドアクチュエータ1Aの剪断方向にも制御力が作用されると考えられるが、このハイブリッドアクチュエータ1Aに上述したように剪断方向の動きを許容するように構成することは、公知の方法で可能であり、これにより他の軸方向における力の干渉を避けるようにすることができる。
【0019】
図2は、第1発明の第2実施形態に係るハイブリッドアクチュエータ1Bを示し、上述したハイブリッドアクチュエータと共通する部分については、互いに同一番号を付して説明を省略する。
このハイブリッドアクチュエータ1Bでは、流体アクチュエータ11のコア22に代えてシリンダーケース21に弾性部材13および振動アクチュエータ12が直列に結合され、コア22に代えてシリンダーケース21の上端面が被駆動体Oに当接させられている。また、振動アクチュエータ12とコア22の双方が支持部X上に配置されている。この場合、弾性部材13および振動アクチュエータ12は環状とするのが好ましいが、この形状に限定されるものではない。
【0020】
図3は、第1発明の第3実施形態に係るハイブリッドアクチュエータ1Cを示し、上述したハイブリッドアクチュエータと共通する部分については、互いに同一番号を付して説明を省略する。
このハイブリッドアクチュエータ1Cでは、図1に示すハイブリッドアクチュエータ1Aにおける弾性部材13が、振動アクチュエータ12と被駆動体Oとの間にも介設されている。この弾性部材13は、流体アクチュエータ11および振動アクチュエータ12と直列に配設されている限り、その数は何等限定されるものではない。
【0021】
図4は、第2発明に係るハイブリッドアクチュエータ2を示し、上述したハイブリッドアクチュエータと共通する部分については、互いに同一番号を付して説明を省略する。
このハイブリッドアクチュエータ2では、シリンダーケース21の内周部に横方向に張出した複数、例えば二つの環状突部23が設けられるとともに、コア22の外周部に横方向に張出した二つ、即ち環状突部23と同数のディスク24が設けられている。上記同様、環状突部23とコア22との間には、小シール部材25が介設され、ディスク24とシリンダーケース21との間には、大シール部材26が介設されている。そして、コア22に形成された貫通孔41により互いに連通させた下から奇数段の小空間27、例えば第1段の小空間27に流体流路29が接続されている。また、この奇数段の小空間27の間に位置する小空間27はシリンダーケース21の側壁部に形成された貫通孔42により大気に連通している。
【0022】
なお、第2発明は、小空間27の数を限定するものではなく、図4に示すハイブリッドアクチュエータ2の小空間27よりも多くの小空間27を設けてもよい。この場合、下から奇数段の小空間27を互いに連通させ、これらの小空間27のいずれかの位置に流体流路29を接続するとともに、下から偶数段の小空間27を大気に連通させればよい。
そして、このように小空間27の数を増すことにより、流体アクチュエータ11は高負荷に耐え得るようになる。
【0023】
図5は、第3発明の第1実施形態に係るハイブリッドアクチュエータ3Aを示し、上述したハイブリッドアクチュエータと共通する部分については、互いに同一番号を付して説明を省略する。
このハイブリッドアクチュエータ3Aでは、シリンダーケース21の内周部に横方向に張出した複数、例えば二つの環状突部23が設けられるとともに、コア22の外周部に横方向に張出した単一のディスク24が設けられている。上記同様、環状突部23とコア22との間には、小シール部材25が介設され、ディスク24とシリンダーケース21との間には、大シール部材26が介設されている。そして、小シール部材25の両側に形成された各小空間27は、それぞれ別個に設けられた流体流路29A,29Bのそれぞれに連通している。流体流路29A,29Bの各々には制御弁28が設けられており、バルブコントローラ32により制御されるバルブドライバ33により別個に作動させられるようになっている。また、上記同様に、小シール部材25と大シール部材26との間に形成された小空間27の大シール部材26の有効受圧面積が小シール部材25の有効受圧面積よりも大きくなるように形成されている。
なお、図中、二つの※印は互いに連通していることを表している。
【0024】
図6は、第3発明の第2実施形態に係るハイブリッドアクチュエータ3Bを示し、上述したハイブリッドアクチュエータと共通する部分については、互いに同一番号を付して説明を省略する。
このハイブリッドアクチュエータ3Bでは、シリンダーケース21の内周部に横方向に張出した複数、例えば二つの環状突部23が設けられるとともに、コア22の外周部に横方向に張出した複数、例えば二つのディスク24が設けられている。上記同様、環状突部23とコア22との間には、小シール部材25が介設され、環状ディスク24とシリンダーケース21との間には、大シール部材26が介設されている。そして、小シール部材25と大シール部材26との間に小空間27が形成されている。また、下から奇数段の小空間27はコア22に形成された貫通孔41Aにより互いに連通し、下から偶数段の小空間27はシリンダーケース12に形成された貫通孔41Bにより互いに連通している。さらに、この奇数段の小空間27に連通する第1流体流路29Aが接続され、偶数段の小空間27に連通する第2流体流路29Bが接続されている。
【0025】
図5および図6に示すハイブリッドアクチュエータ3A,3Bについてさらに詳述すれば、流体流路29Aおよび流体流路29Bから供給される流体の圧力には静的圧力成分と動的圧力成分とが含まれている。流体流路29Aと流体流路29Bの動的圧力成分が逆位相の場合、流体流路29Aの流体の圧力に基づく力と流体流路29Bの流体の圧力に基づく力とが加算され、加算された力がコア22に作用する。これに対して、流体流路29Aと流体流路29Bの動的圧力成分が同位相の場合、流体流路29Aの流体の圧力に基づく力と流体流路29Bの流体の圧力に基づく力とが打消し合い、両者の差として残る力がコア22に作用する。したがって、流体流路29Aと流体流路29Bを用いた流体アクチュエータ11では、コア22を流体流路29Aと流体流路29Bのそれぞれの圧力に基づく力がバランスした位置に保つことができるのに加えて、流体流路29Aと流体流路29Bのそれぞれの静的圧力成分に基づく力を互いに打消させ、それぞれの動的圧力成分のみを被駆動体Oに作用させることができる。
なお、この流体アクチュエータ11についても必要な設置面積は一個の小空間27に対応する上述した単一の流体アクチュエータに要する設置面積と変わらない。
【0026】
図1に示すハイブリッドアクチュエータ1Aと同様に、上述した各実施形態のいずれにおいても、小空間27の大シール部材26の有効受圧面積が小シール部材25の有効受圧面積よりも大きくなるように形成されている。
ところで、図1〜6に示す各実施形態では、下から第1段の小空間27が上方の大シール部材26と下方の小シール部材25との間に形成された構造を有する流体アクチュエータ11を示したが、流体アクチュエータ11は下から第1段の小空間27を形成する大シール部材26が下方に位置し、小シール部材25が上方に位置する構造を有してもよい。即ち、環状突部23とディスク24との上下関係は図示する実施形態とは逆であってもよい。
【0027】
また、第2,第3発明において下から奇数段の小空間27のそれぞれ、或は偶数段の小空間27のそれぞれを連通させる手段は、コア22に形成された貫通孔或は溝、シリンダーケース21に形成された貫通孔或は溝のいずれでもよく、或は配管により小空間27の各々を連通させてもよく、これらを適宜組合せて小空間27の各々を連通させてもよい。
さらに、第3発明における流体アクチュエータ11では、小空間27の数を限定するものではなく、第1流体流路29Aに直接的或は間接的に連通する小空間27の数と、第2流体流路29Bに直接的或は間接的に連通する小空間27の数とを図示する実施形態のように必ずしも同一にする必要はない。
【0028】
この他、以下に列挙するように、第1発明に関する図2,3に示す構成は、即ち図1とは異なる構成は、第2,第3発明にも適用される。
(1) シリンダーケース21とコア22のいずれか一方を被駆動体Oに当接させればよい。
(2) シリンダーケース21とコア22の内の少なくとも一方が支持部Xにより保持されていればよい。
(3) 流体アクチュエータ11、振動12および弾性部材13は上下方向に結合されていればよく、それらの結合順序は何等限定されるものではない。
(4) 弾性部材13は一つである必要はなく、複数の弾性部材13が設けられてもよい。
(5) コア22に振動アクチュエータ12および弾性部材13を上下方向に結合してもよく、シリンダーケース21に振動アクチュエータ12および弾性部材13を上下方向に結合してもよい。
(6) 上述した各実施形態では振動センサ31からバルブコントローラ32およびアクチュエータコントローラ34に信号を入力しているが、制御弁28を作動させるための制御系と振動アクチュエータ12を作動させるための制御系を分離してもよい。例えば、振動センサ31からアクチュエータコントローラ34にのみ信号を入力し、振動センサ31とは別個に被駆動体Oの振動状態を検出するセンサを設けて、これによる検出信号をバルブコントローラ32に入力するようにしてもよい。
【0029】
この他、本明細書において、上下方向は、各ハイブリッドアクチュエータの構成を明確にするために定められてものであって、各ハイブリッドアクチュエータの配置方向とは無関係である。即ち、図示する各ハイブリッドアクチュエータは、横方向に配置されることもあり、上下逆にして配置されることもある。したがって、図示する支持部Xは各ハイブリッドアクチュエータの下方に位置する場合、側方に位置する場合、上方に位置する場合があり、上述したハイブリッドアクチュエータを傾斜させて使用することもできる。
なお、図3に示すハイブリッドアクチュエータ1Cを図示する状態とは上下を逆にして用いる場合には、即ち支持部Xが上方に位置し、この支持部Xに流体アクチュエータ11および振動アクチュエータ12が吊持された状態で用いる場合には、コア22に上向きの力を作用させるために、大シール部材26が上方に位置し、小シール部材25が下方に位置するようにディスク24および環条突部23は形成されねばならない。
【0030】
【発明の効果】
以上の説明より明らかなように、第1発明によれば、上部および下部が開口したシリンダーケースの内部にコアが配置され、上記シリンダーケースと上記コアとの間に、この両者の上下方向の相対移動を妨げることのない小シール部材が介設され、上記コアと上記シリンダーケースとの間に、この両者の上下方向の相対移動を妨げることのない、かつ上記小シール部材よりも大きい有効受圧面積を有する大シール部材が介設され、上記小シール部材と上記大シール部材との間に単一の小空間が形成され、上記小空間に加圧流体を供給し、この小空間内の流体を排出させる流体流路が接続された流体アクチュエータと、上下方向に伸縮可能に形成された振動アクチュエータと、少なくとも上下方向に弾性を有する弾性部材とを上下方向に結合して形成してある。
【0031】
また、第2発明によれば、上部および下部が開口したシリンダーケースの内部にコアが配置され、上記シリンダーケースと上記コアとの間に、この両者の上下方向の相対移動を妨げることのない小シール部材が介設され、上記コアと上記シリンダーケースとの間に、この両者の上下方向の相対移動を妨げることのない、かつ上記小シール部材よりも大きい有効受圧面積を有する大シール部材が介設され、上記小シール部材と大シール部材とが交互に並び、上記小シール部材と上記大シール部材との間に上下に隣接する少なくとも三つの小空間が形成され、互いに連通させた下から奇数段の上記小空間に加圧流体を供給し、この小空間内の流体を排出させる流体流路が接続され、下から偶数段の上記小空間が大気に連通するように形成された流体アクチュエータと、上下方向に伸縮可能に形成された振動アクチュエータと、少なくとも上下方向に弾性を有する弾性部材とを上下方向に結合して形成してある。
【0032】
このため、小さいスペースで高負荷に適用することが可能となり、全体として大きなストロークが得られ、大きな振幅外乱が作用しても、これに追従して駆動体を駆動することができ、長期間にわたり安定して性能を維持し、固体素子等の振動アクチュエータの欠点を補い,高度な振動制御が可能になるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 第1発明の第1実施形態に係るハイブリッドアクチュエータの全体構成を示す図である。
【図2】 第1発明の第2実施形態に係るハイブリッドアクチュエータの全体構成を示す図である。
【図3】 第1発明の第3実施形態に係るハイブリッドアクチュエータの全体構成を示す図である。
【図4】 第2発明に係るハイブリッドアクチュエータの全体構成を示す図である。
【図5】 第3発明の第1実施形態に係るハイブリッドアクチュエータの全体構成を示す図である。
【図6】 第3発明の第2実施形態に係るハイブリッドアクチュエータの全体構成を示す図である。
【符号の説明】
1A〜1C,2,3A,3B ハイブリッドアクチュエータ
11 流体アクチュエータ 12 振動アクチュエータ
13 弾性部材 21 シリンダーケース
22 コア 23 環状突部
24 ディスク 25 小シール部材
26 大シール部材 27 小空間
28 制御弁 29,29A,29B 流体流路
31 振動センサ 32 バルブコントローラ
33 バルブドライバ 34 アクチュエータコントローラ
35 アクチュエータドライバ 41,42,42A,42B 貫通孔
O 被駆動体 X 支持部[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a hybrid actuator suitable for vibration isolation of, for example, a high-precision measuring instrument and a semiconductor manufacturing apparatus.
[0002]
[Prior art]
Conventionally, fluid actuators such as air springs, air cylinders, and hydraulic cylinders are well known. These fluid actuators have a supporting load or an operating force determined by the internal pressure and the effective pressure receiving area, while there is a limit to the pressure of the supplied fluid. For this reason, if this fluid actuator can be applied to a high load, the effective pressure receiving area can only be increased.
For example, Japanese Patent Publication No. 7-76576 and Japanese Patent Application Laid-Open No. 3-219141 disclose an apparatus using an air spring to suppress vibration. In order to increase the force by these air springs, it is necessary to increase the number of air springs.
[0003]
Further, in the fine vibration control of precision instruments, active control has been actively used. For this active control, a solid element such as a piezoelectric element or a giant magnetostrictive element, a voice coil motor (VCM), etc. Many researches and developments using linear motors have already been conducted. When these solid elements and linear motors (hereinafter referred to as solid elements or the like) that do not generate a sufficient supporting force against the load are used as vibration control actuators, an elastic material is used in parallel with the solid elements or the like. It is generally done.
[0004]
[Problems to be solved by the invention]
In the field of precision machining, in order to reduce an increase in the cost of maintaining a clean environment, it is required to increase the concentration of equipment without adversely affecting precision machining. On the other hand, there is a demand for increasing the size and speed of equipment, and it is necessary to improve the support capacity and control power per unit area for the equipment. That is, how to generate a large control force in a small space and improve the vibration control capability in a wide frequency range is an important issue.
[0005]
In particular, in the case of an active control device using a solid element or the like that does not generate a sufficient supporting force for a load, there is a problem that a double space is required because the supporting device is attached to the active control device. .
In general, the space occupied by various machines and devices is reduced, and the density of their components tends to increase. For this reason, there is a problem that the effective pressure receiving area cannot be increased by increasing the number of fluid actuators.
In the case of the control actuator, there is a problem that when a large external force is applied, the elastic material is rapidly deteriorated, and the elasticity is easily lost. In addition, the solid element has a problem that the stroke as an actuator is small, and it cannot follow when a large amplitude disturbance acts, and cannot be controlled.
[0006]
The present invention has been made in order to eliminate such a conventional problem, and can be applied to a high load in a small space, can compensate for the above-described drawbacks of the solid state device, and can perform more advanced vibration control. To provide a hybrid actuator.
[0007]
[Means for Solving the Problems]
In order to solve the above-mentioned problem, the first invention is arranged such that a core is disposed inside a cylinder case having an open top and a bottom, and prevents relative movement in the vertical direction between the cylinder case and the core. A small sealing member that does not interfere, and does not hinder the relative movement of the two in the vertical direction between the core and the cylinder case, and has a larger effective pressure receiving area than the small sealing member. A fluid in which a seal member is interposed, a single small space is formed between the small seal member and the large seal member, a pressurized fluid is supplied to the small space, and a fluid in the small space is discharged A fluid actuator connected to the flow path, a vibration actuator formed so as to be extendable in the vertical direction, and an elastic member having elasticity in at least the vertical direction are combined in the vertical direction.
[0008]
Further, the second invention is a small seal member in which a core is disposed inside a cylinder case having an opening at the top and bottom, and does not hinder the relative movement in the vertical direction between the cylinder case and the core. A large seal member is interposed between the core and the cylinder case so as not to disturb the relative movement of the two in the vertical direction and has a larger effective pressure receiving area than the small seal member. The small seal members and the large seal members are alternately arranged, and at least three small spaces adjacent to each other in the vertical direction are formed between the small seal members and the large seal members. A fluid flow path is connected so that pressurized fluid is supplied to the small space and fluid is discharged from the small space, and the even number of small spaces communicate with the atmosphere from below. And Yueta, a vibration actuator which is telescopically formed in the vertical direction, was formed by combining an elastic member having elasticity at least in the vertical direction in the vertical direction.
[0010]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
Next, embodiments of the present invention will be described with reference to the drawings.
FIG. 1 shows a hybrid actuator 1A according to a first embodiment of the first invention. This hybrid actuator 1A is generally formed of a fluid actuator 11, a
The fluid actuator 11 is open at the top and bottom, and has a
[0011]
A single
[0012]
A
The
[0013]
The
The
[0014]
A driven body O is disposed above the
The
[0015]
When the
The fluid used for controlling the fluid actuator 11 via the
[0016]
The
The detection signal from the
[0017]
This hybrid actuator 1A is an improvement of a technique in which a
[0018]
The
[0019]
FIG. 2 shows a hybrid actuator 1B according to a second embodiment of the first invention. The parts common to the hybrid actuator described above are denoted by the same reference numerals and description thereof is omitted.
In this hybrid actuator 1B, the
[0020]
FIG. 3 shows a hybrid actuator 1C according to a third embodiment of the first invention. The parts common to the hybrid actuator described above are denoted by the same reference numerals and description thereof is omitted.
In this
[0021]
FIG. 4 shows the
In this
[0022]
In addition, the 2nd invention does not limit the number of the
And by increasing the number of the
[0023]
FIG. 5 shows the
In this
In the figure, two * marks indicate communication with each other.
[0024]
FIG. 6 shows a
In this
[0025]
The
The required installation area for the fluid actuator 11 is the same as the installation area required for the single fluid actuator described above corresponding to one
[0026]
As in the hybrid actuator 1A shown in FIG. 1, in any of the above-described embodiments, the effective pressure receiving area of the
By the way, in each embodiment shown in FIGS. 1-6, the fluid actuator 11 which has the structure where the
[0027]
In the second and third inventions, the means for communicating each of the odd-numbered
Further, in the fluid actuator 11 in the third invention, the number of the
[0028]
In addition, as will be enumerated below, the configurations shown in FIGS. 2 and 3 relating to the first invention, that is, the configurations different from those in FIG. 1 are also applied to the second and third inventions.
(1) Any one of the
(2) It is sufficient that at least one of the
(3) The fluid actuator 11, the
(4) The
(5) The
(6) In each of the embodiments described above, signals are input from the
[0029]
In addition, in the present specification, the vertical direction is determined in order to clarify the configuration of each hybrid actuator, and is independent of the arrangement direction of each hybrid actuator. That is, the illustrated hybrid actuators may be arranged in the lateral direction or may be arranged upside down. Accordingly, the illustrated support portion X may be positioned below each hybrid actuator, may be positioned on the side, or may be positioned on the upper side, and the above-described hybrid actuator can be used with an inclination.
When the hybrid actuator 1C shown in FIG. 3 is used upside down from the illustrated state, that is, the support portion X is located above, and the fluid actuator 11 and the
[0030]
【The invention's effect】
As is clear from the above description, according to the first invention, the core is disposed inside the cylinder case with the upper and lower portions opened, and the relative relationship between the cylinder case and the core in the vertical direction therebetween. A small seal member that does not hinder movement is interposed, and an effective pressure receiving area that is larger than the small seal member and that does not hinder relative movement in the vertical direction between the core and the cylinder case. A large seal member is interposed, a single small space is formed between the small seal member and the large seal member, a pressurized fluid is supplied to the small space, and the fluid in the small space is A fluid actuator to which a fluid flow path to be discharged is connected, a vibration actuator formed to be extendable in the vertical direction, and an elastic member having elasticity in at least the vertical direction are coupled in the vertical direction. It is formed.
[0031]
According to the second aspect of the invention, the core is disposed inside the cylinder case with the upper and lower portions opened, and the small relative length between the cylinder case and the core does not hinder the relative movement of the two in the vertical direction. A large seal member is interposed between the core and the cylinder case, and has a larger effective pressure-receiving area than the small seal member. The small seal member and the large seal member are alternately arranged, and at least three small spaces adjacent to each other in the vertical direction are formed between the small seal member and the large seal member. A fluid flow path is formed so that pressurized fluid is supplied to the small space in the stage and the fluid flow path for discharging the fluid in the small space is connected, and the small space in the even numbered stage communicates with the atmosphere from below. An actuator, a vibration actuator which is telescopically formed in the vertical direction, are formed by combining an elastic member having elasticity at least in the vertical direction in the vertical direction.
[0032]
For this reason, it becomes possible to apply to a high load in a small space, and a large stroke can be obtained as a whole, and even if a large amplitude disturbance acts, the drive body can be driven following this, over a long period of time. It has the effect of maintaining stable performance, compensating for the drawbacks of vibration actuators such as solid elements, and enabling advanced vibration control.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a diagram showing an overall configuration of a hybrid actuator according to a first embodiment of the first invention.
FIG. 2 is a diagram showing an overall configuration of a hybrid actuator according to a second embodiment of the first invention.
FIG. 3 is a diagram showing an overall configuration of a hybrid actuator according to a third embodiment of the first invention.
FIG. 4 is a diagram showing an overall configuration of a hybrid actuator according to a second invention.
FIG. 5 is a diagram showing an overall configuration of a hybrid actuator according to a first embodiment of the third invention.
FIG. 6 is a diagram showing an overall configuration of a hybrid actuator according to a second embodiment of the third invention.
[Explanation of symbols]
1A to 1C, 2, 3A, 3B Hybrid actuator 11
Claims (2)
上下方向に伸縮可能に形成された振動アクチュエータと、
少なくとも上下方向に弾性を有する弾性部材と
を上下方向に結合して形成したことを特徴とするハイブリッドアクチュエータ。A core is disposed inside a cylinder case having an opening at the top and bottom, and a small seal member is interposed between the cylinder case and the core so as not to prevent the relative movement of the two in the vertical direction. A large seal member is interposed between the small seal member and the cylinder case so as not to interfere with the relative movement of the two in the vertical direction and has an effective pressure receiving area larger than that of the small seal member. A fluid actuator in which a single small space is formed between the large seal member, a fluid flow path for supplying pressurized fluid to the small space and discharging the fluid in the small space;
A vibration actuator formed to be extendable in the vertical direction;
A hybrid actuator comprising: an elastic member having elasticity in at least the vertical direction;
上下方向に伸縮可能に形成された振動アクチュエータと、
少なくとも上下方向に弾性を有する弾性部材と
を上下方向に結合して形成したことを特徴とするハイブリッドアクチュエータ。A core is disposed inside a cylinder case having an opening at the top and bottom, and a small seal member is interposed between the cylinder case and the core so as not to prevent the relative movement of the two in the vertical direction. And a large seal member having an effective pressure receiving area larger than that of the small seal member is interposed between the small seal member and the cylinder case. Seal members are alternately arranged, and at least three small spaces adjacent to each other in the vertical direction are formed between the small seal members and the large seal members. A fluid actuator that is connected to a fluid flow path that discharges the fluid in the small space, and that the even-numbered small space communicates with the atmosphere from below,
A vibration actuator formed to be extendable in the vertical direction;
A hybrid actuator comprising: an elastic member having elasticity in at least the vertical direction;
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