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JP4035104B2 - 生ゴミ処理基材およびその製造方法 - Google Patents

生ゴミ処理基材およびその製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、微生物の働きにより生ゴミを発酵させて分解処理する際に用いられる生ゴミ処理基材に係り、特に、生ゴミを処理する際の悪臭の発生を抑えることが出来る、新規な生ゴミ処理基材に関するものである。
近年、一般家庭や飲食店等からでる生ゴミを好気性細菌等の微生物の有する有機物分解能を利用して水と炭酸ガス等に分解する生ゴミ処理装置が提案されている。このような生ゴミ処理装置は、一般的に、発酵槽,攪拌手段,換気手段等から構成されており、発酵槽中に、微生物を保持して繁殖させることができる生ゴミ処理基材(菌床)を入れておき、発生した生ゴミを順次発酵槽に投入し、発酵槽内で攪拌手段により生ゴミ処理基材と生ゴミを攪拌しつつ、換気手段により換気を行うことで、生ゴミ処理基材中の有機物分解能を有する微生物による生分解作用を機能させて、生ゴミを水と炭酸ガス等に分解するものである。
そこにおいて、このような生ゴミ処理装置に用いられる生ゴミ処理基材としては、製材工程における廃棄物としてのおが粉が一般的に用いられているが、このようなおが粉による生ゴミ処理基材では、使用により基材が生ゴミ中の水分を吸収して固形物を形成してしまい、それによって、基材の表面積が減少し、空隙が少なくなり、生ゴミ分解に特に有効な好気性微生物の繁殖が抑制されてしまうおそれがあった。また、好気性微生物の繁殖が抑制されることに起因して、悪臭が発生しやすくなるという問題もあった。
ここにおいて、本発明は、上述の如き事情を背景として為されたものであり、その解決課題とするところは、生ゴミを処理する際の悪臭を抑えることができる、新規な生ゴミ処理基材を提供することにある。
以下、このような課題を解決するために為された本発明の態様を記載する。なお、以下に記載の各態様において採用される構成要素は、可能な限り任意の組み合わせで採用可能である。また、本発明の態様乃至は技術的特徴は、以下に記載のものに限定されることなく、明細書全体および図面に記載されたもの、或いはそれらの記載から当業者が把握することができる発明思想に基づいて認識されるものであることが理解されるべきである。
本発明の第一の態様は、木質細片を含んで構成された生ゴミ処理基材において、前記木質細片を、木材を粉砕して得られた木材粉砕物と、樹皮を粉砕して得られた樹皮粉砕物を含んで構成し、該樹皮粉砕物の体積を該木質細片の全体積の1/3以上とすると共に、それら木材粉砕物および樹皮粉砕物をそれぞれ細長比が2〜20の細長形状とする一方、該木質細片の他に曝気処理した豚の糞尿を含んでいることを、特徴とする。
このような本態様に従う構造とされた生ゴミ処理基材においては、生ゴミ処理基材を構成する木質細片が、木材を粉砕することによって得られる木材粉砕物と、樹皮を粉砕することによって得られる樹皮粉砕物を含んで構成されており、しかも、それら木材粉砕物と樹皮粉砕物がそれぞれ細長比が2〜20の細長形状とされていることから、それら木材粉砕物と樹皮粉砕物の間に空隙が形成されやすくなる。
従って、本態様においては、微生物分解の前提となる好気的環境を容易に作り出すことが可能となり、それによって、微生物による生ゴミの分解が効率的に行われることとなり、その結果、生ゴミを発酵させて分解処理する際の悪臭の発生を抑えることが可能となる。
また、本態様の生ゴミ処理基材を曝気処理した豚の糞尿に含まれている微生物によって木質細片を発酵させてから生ゴミ処理に用いる場合には、曝気処理をした豚の糞尿による消臭効果が発揮されて、曝気処理をした豚の糞尿に含まれている微生物によって木質細片を発酵させる際の悪臭の発生を抑えることも可能となる。なお、曝気処理をした豚の糞尿による消臭効果は、豚の糞尿を曝気処理したことにより、豚の糞尿に含まれていた嫌気性の微生物が殆ど死滅する一方、好気性の微生物が残り、かかる好気性の微生物が作用することに起因するものと考えられる。
特に、本態様においては、細長比が2〜20の細長形状とされた木材粉砕物および樹皮粉砕物を含んで木質細片が構成されていることから、適度に空気を取り込んだ木質細片を実現することが可能となり、それによって、悪臭の発生を抑えて、微生物による生ゴミの分解処理を効果的に行うことが可能となる。
すなわち、細長比が2より小さいと木質細片が空気を取り込み難くなる、即ち、木質細片に空隙が形成され難くなってしまい、それによって、悪臭が発生しやすくなると共に、生ゴミの分解処理能力が低下するという問題がある。一方、細長比が20より大きくなると、木質細片が空気を多く取り込む、即ち、木質細片に対して必要以上に空隙が形成されるようになってしまい、それによって、生ゴミの分解処理能力が低下してしまうという問題がある。また、曝気処理をした豚の糞尿に含まれる微生物によって木質細片を発酵させる場合、発酵が遅くなってしまう問題がある。更にまた、木質細片の取り扱いが困難になってしまうという問題もある。
なお、本態様における細長比とは、細長形状とされた木材粉砕物や樹皮粉砕物の長さ寸法を幅寸法で割った値をいうものとする。そこにおいて、長さ寸法は、木材粉砕物や樹皮粉砕物の最大長さの値をいうものとし、また、幅寸法は、木材粉砕物や樹皮粉砕物の最大幅の値をいうものとする。
また、本態様の木材粉砕物および樹皮粉砕物の大きさは、それぞれ、幅寸法が好ましくは1mm〜5mm、より好ましくは2〜3mmとされていると共に、長さ寸法が好ましくは5mm〜40mm、より好ましくは10mm〜30mmとされている。そして、本態様においては、このような大きさを確保しつつ、細長比が2〜20となるように設定された木材粉砕物および樹皮粉砕物が好適に採用されることとなる。
更にまた、本態様においては、木質細片の他に曝気処理した豚の糞尿が含まれていることから、木質細片、特に、木材粉砕物や樹皮粉砕物に付着している微生物に加えて、曝気処理した豚の糞尿に含まれている微生物を生ゴミの分解処理に利用することが可能となり、それによって、生ゴミの分解処理を効率的に行うことが可能となる。
また、本態様の生ゴミ処理基材は、曝気処理をした豚の糞尿に含まれている微生物によって木質細片を発酵させてから、生ゴミ処理に用いることが望ましく、それによって、生ゴミを処理する際の異臭を一層抑えることが可能となる。更に、発酵させた生ゴミ処理基材は、屋内で熟成保管することが望ましい。
そこにおいて、本態様における「曝気処理した豚の糞尿」とは、豚舎から集められた豚の糞尿を曝気槽に入れて、曝気処理したものである。また、本態様における「豚の糞尿」とは、豚舎の床を流下せしめられて集められる液状の流下物であって、尿を主体とするが多少の糞も混じったものである。なお、曝気処理は、複数回に亘って行っても良い。また、曝気処理は、素掘の曝気槽で行うことが望ましく、それによって、豚の糞尿の臭いを土着菌の作用により抑えることが可能となり、また、豚の糞尿に含まれる有用な微生物を有効利用することが可能となる。また、本態様における豚の糞尿は、抗生物質を与えずに飼育している豚の糞尿が望ましい。
なお、本態様における木材粉砕物とは、建設工事や道路工事などで生じた伐採樹林等、或いは、樹皮を剥皮処理した原木や製材屑を必要に応じて切削し、粉砕することによって有利に得られる。また、本態様における樹皮粉砕物とは、原木から剥皮処理した樹皮を粉砕することによって有利に得られる。そこにおいて、剥皮処理していない原木を切削して得られたものを粉砕することによって木材粉砕物と樹皮粉砕物を同時に得るようにしても良い。また、剥皮処理をしていない原木は、生木であっても良い。更にまた、樹皮を剥皮処理した原木や製材屑を必要に応じて切削したものを粉砕する際に、樹皮も粉砕することで木材粉砕物と樹皮粉砕物を同時に得るようにしても良い。
そして、本発明の第二の態様は、木質細片を含んで構成された生ゴミ処理基材において、前記木質細片を、木材を粉砕して得られた木材粉砕物と、樹皮を粉砕して得られた樹皮粉砕物を含み、且つ該木材粉砕物として生木を粉砕して得られた生木粉砕物を発酵させたものを含んで構成し、それら木材粉砕物および樹皮粉砕物をそれぞれ細長比が2〜20の細長形状とする一方、該木質細片の他に曝気処理した豚の糞尿を含んでいることを、特徴とする。このような本態様に従えば、生木粉砕物を発酵させたものを含んでいない生ゴミ処理基材を用いて生ゴミを処理した場合に比して、悪臭の発生を一層抑えることが可能となる。なお、生木は、針葉樹であっても良いし、広葉樹であっても良い。また、生木粉砕物の発酵は、生木粉砕物に微生物を添加し、かかる添加した微生物を利用して行っても良いが、生木に付着している微生物を利用して行っても良い。また、生木を粉砕機によって粉砕することで、生木粉砕物を得る場合には、粉砕機で粉砕した際の熱を利用して、生木粉砕物の発酵を促進させることが可能となる。更に、本態様の生木は、乾燥しきっていなければ、その形状等は特に限定されるものではなく、例えば、剥皮処理がされていない原木の状態であっても良いし、剥皮処理された原木の状態であっても良いし、樹皮だけの状態であっても良い。更にまた、生木の粉砕は、木材の粉砕や樹皮の粉砕と同時に行っても良い。
また、本発明においては、前記樹皮粉砕物が針葉樹の樹皮を粉砕したものを含んでいる態様が、好適に採用され得る。このような本態様に従えば、生ゴミを分解処理する際の異臭や生ゴミ処理の前に生ゴミ処理基材自体を発酵させる場合の異臭を有利に抑えることが可能となる。
なお、針葉樹としては、杉や桧等があるが、杉の樹皮を用いることが望ましく、それによって、生ゴミを分解処理する際の異臭や生ゴミ処理の前に生ゴミ処理基材自体を発酵させる場合の異臭を一層有利に抑えることが可能となる。
また、本発明においては、前記樹皮粉砕物が広葉樹の樹皮を粉砕したものを含んでいる態様が、好適に採用され得る。このような本態様に従う生ゴミ処理基材においては、生ゴミを分解処理した後の堆肥化を速やかにすることが可能となる。
なお、本態様と上述の樹皮粉砕物が針葉樹の樹皮を粉砕したものを含んでいる態様を組合わせて採用する場合には、針葉樹の樹皮を粉砕した樹皮粉砕物と広葉樹の樹皮を粉砕した樹皮粉砕物の割合は略同じ程度であることが望ましい。
本発明の第の態様は、前記第二の態様に係る生ゴミ処理基材において、前記樹皮粉砕物の体積が前記木質細片の全体積の1/3以上とされていることを、特徴とする。このような本態様に従えば、生ゴミを分解処理する際の異臭や生ゴミ処理の前に生ゴミ処理基材自体を発酵させる場合の異臭を一層有利に抑えることが可能となる。
本発明の第の態様は、前記一乃至第の何れかの態様に係る生ゴミ処理機材において、発酵状態又は略発酵状態の豚糞を含んでいることを、特徴とする。このような本態様に従えば、生ゴミを分解処理した後の生ゴミ処理基材を直ちに堆肥として利用することが可能となる。
すなわち、従来のおが粉のみからなる生ゴミ処理基材では、生ゴミを分解処理した直後では、堆肥として用いることができず、一定の期間発酵させる等の準備期間が必要であったが、本態様に従えば、豚糞がもつ栄養分を利用することで、生ゴミを分解処理した直後であっても、堆肥として用いることが可能となる。
また、本態様においては、豚糞のもつ栄養分によって、生ゴミを処理する際の生ゴミの発酵や生ゴミ処理に用いる前の生ゴミ処理基材自体の発酵が促進される。更にまた、豚糞を加えることによって発酵温度を高くすることが可能となり、それによって、例えば、冬場においても発酵を有利に促進させることが可能となる。なお、豚糞を加えることで発酵温度が高くなるのは、豚糞を加えることで生ゴミ処理基材に高温発酵型の菌が付加され、かかる高温発酵型の菌による発酵が行われていることに起因するものと考えられる。そこにおいて、本態様では、豚糞の量は、季節の温度変化によって変更するようにしても良く、この場合、冬場よりも夏場のほうが豚糞の量を少なくして良い。また、豚糞を加えることで高くなった発酵温度を利用して、生ゴミ処理に関係のない細菌や有害な細菌、異臭を発生させる原因となるような細菌等を殺すことが容易になる。
なお、本態様における発酵状態の豚糞とは、発酵が完了し乾燥した状態のものをいう。また、本態様における略発酵状態の豚糞とは、八割程度発酵が進んでいるが、乾燥しきっていない状態のものをいう。
更にまた、本態様においては、発酵状態の豚糞よりも略発酵状態の豚糞のほうが発酵熱をより高くすることが可能となる。これにより、発酵熱を利用した殺菌が一層容易に行われることとなる。
また、本態様は、特に、前記樹皮粉砕物が針葉樹の樹皮を粉砕したものを含む態様と組合わせて採用することが望ましく、それによって、例えば、略発酵状態の豚糞を用いた場合であっても、悪臭の発生を抑えることが可能となる。この場合、樹皮粉砕物は、杉の皮を粉砕したものが特に望ましい。
本発明の第の態様は、前記第一乃至第の何れかの態様に係る生ゴミ処理基材において、米糠を含んでいることを、特徴とする。このような本態様に従う生ゴミ処理基材においては、米糠のもつ栄養分によって生ゴミを処理する際の生ゴミの発酵や生ゴミ処理に用いられる前の生ゴミ処理基材自体の発酵が促進される。
また、本発明は、前記第二又は第三の態様に係る生ゴミ処理基材の製造方法であって、生木を含む木材を粉砕して生木粉砕物を含む木材粉砕物を得る木材粉砕工程と、樹皮を粉砕して樹皮粉砕物を得る樹皮粉砕工程と、それら木材粉砕工程および樹皮粉砕工程によって得られた前記木材粉砕物および前記樹皮粉砕物の細長比を調整する細長比調整工程と、豚の糞尿を曝気処理する曝気処理工程と、前記曝気処理工程によって得られた豚の糞尿と前記細長比調整工程によって細長比が調整された前記木材粉砕物および前記樹皮粉砕物を含んで構成された木質細片を混練する混練工程と、前記混練工程によって得られた混練物を発酵させる混練物発酵工程とを、有することを、特徴とする。
このような本態様に従えば、木材粉砕工程によって得られた木材粉砕物と、樹皮粉砕工程によって得られた樹皮粉砕物とを、細長比調整工程において、その細長比を調整するようにしていることから、目的とする木材粉砕物および樹皮粉砕物を有利に得ることが可能となる。
また、本態様に従えば、曝気処理工程によって得られた豚の糞尿と、細長比調整工程によって得られた細長比が調整された木材粉砕物および樹皮粉砕物を含んで構成された木質細片とを、混練工程によって混練し、かかる混練工程によって得られた混練物を混練物発酵工程によって発酵させるようにしたことから、混練物の発酵時において悪臭の発生を抑えることが可能となる。
さらに、樹皮粉砕物に針葉樹の樹皮、特に、杉の皮が含まれている場合には、混練工程および混練物発酵工程における異臭の発生を抑えることが可能となる。
なお、本態様における細長比調整工程は、例えば、木材粉砕工程によって得られた木材粉砕物や樹皮粉砕工程によって得られた樹皮粉砕物を篩にかけること等によって有利に実現される。また、本態様における木材粉砕工程は、例えば、木材を粉砕機によって粉砕することで有利に実現される。更に、本態様における樹皮粉砕工程は、例えば、樹皮を粉砕機によって粉砕することで有利に実現される。更にまた、本態様における木材粉砕工程と樹皮粉砕工程は、それぞれ、一回だけ行っても良いし、或いは、複数回行っても良い。更に、本態様における木材粉砕工程および樹皮粉砕工程は、別々に行っても良いし、同時に行っても良い。更にまた、細長比調整工程が行われる回数も1回に限定されるものではない。また、混練工程は、例えば、羽根等の攪拌手段を利用して所定時間攪拌することで有利に実現される。更に、混練物発酵工程は、例えば、混練工程によって得られた混練物を屋内において換気した状態で所定の高さに積み上げておくことで有利に実現される。なお、積み上げた混練物に対して切り返しを行うようにしても良い。
また、前記第の態様に係る生ゴミ処理基材を製造する場合には、これらの工程に加えて、豚糞発酵工程を別途設け、かかる豚糞発酵工程によって得られた発酵状態又は略発酵状態の豚糞を混練工程において他の材料と一緒に混練し、混練工程によって得られた混練物を混練物発酵工程で発酵させるようにすることが望ましい。これにより、目的とする生ゴミ処理基材を有利に得ることが可能となる。
特に、この場合には、混練物に発酵状態又は略発酵状態の豚糞が混ざっていることから、混練物が混練工程において高温とならず、混練物発酵工程から高温になる。
さらに、この場合においては、発酵状態又は略発酵状態の豚糞が混練されていることから、発酵熱を高温にすることが可能となり、かかる発酵熱を利用して生ゴミ処理に不要な微生物を殺すことが可能となる。
なお、豚糞発酵工程は、例えば、豚舎から集められた豚糞を積み上げて自然発酵させること等により、有利に実現される。
また、前記第の態様に係る生ゴミ処理基材を製造する場合には、混練工程において米糠を他の材料と一緒に混練し、混練工程で得られた混練物を混練物発酵工程で発酵させるようにすることが望ましい。これにより、目的とする生ゴミ処理基材を有利に得ることが可能となる。なお、米糠としては、市販のものを用いることができる。
さらに、前記第の態様に係る生ゴミ処理基材を製造する場合には、上述の工程に加えて、生木を粉砕する生木粉砕工程および生木粉砕工程によって得られた生木粉砕物を発酵させる生木粉砕物発酵工程を別途設け、これら生木粉砕工程および生木粉砕物発酵工程を行うことによって得られた発酵した生木粉砕物を混練工程において他の材料と一緒に混練し、混練工程で得られた混練物を混練物発酵工程において発酵させるようにすることが望ましい。これにより、目的とする生ゴミ処理基材を有利に得ることが可能となる。
なお、本態様における生木粉砕工程は、例えば、生木を粉砕機によって粉砕することで有利に実現される。また、生木粉砕物発酵工程は、例えば、生木粉砕物に付着している微生物を利用して発酵させることで有利に実現される。更に、生木粉砕工程は、木材粉砕工程や樹皮粉砕工程と同時に行っても良い。更にまた、生木粉砕物の細長比を細長比調整工程で調整するようにしても良い。
更にまた、本発明は、前記第一乃至第の何れかの態様に係る生ゴミ処理基材を用いた生ゴミ処理方法も特徴とする。そこにおいて、生ゴミ処理基材を用いて生ゴミを処理する場合には、生ゴミ処理基材を生ゴミに振り掛けるだけでも良いが、生ゴミ処理基材と生ゴミを混練することが望ましく、それによって、生ゴミの分解処理を効率良く行うことが可能となる。また、生ゴミ処理基材を生ゴミに埋めるようにしても良いし、生ゴミの層と生ゴミ処理基材の層を積重ねるようにしても良いし、生ゴミを生ゴミ処理基材で覆っても良い。更にまた、生ゴミ処理基材と生ゴミの割合は、3:1が望ましいが、生ゴミの種類によっては、生ゴミ処理基材と生ゴミの割合は、4:1であっても良い。
上述の説明から明らかなように、本発明に従う生ゴミ処理基材においては、木質細片に含まれている木材粉砕物と樹皮粉砕物がそれぞれ細長形状とされており、しかも、その細長比が2〜20とされていることから、それら木材粉砕物および樹皮粉砕物の間に容易に隙間が形成されるようになっており、それによって、好気性微生物の繁殖に好ましい好気的環境が形成され、その結果、好気的微生物による生ゴミの発酵分解が効率的に行われて、悪臭の発生を有利に抑えることが可能となる。
以下、本発明を更に具体的に明らかにするために、本発明の実施形態について、図面を参照しつつ、詳細に説明する。
図1は、本発明の生ゴミ処理基材16の製造工程を示すフローチャートである。木材粉砕工程(S1)では、木材を粉砕機を用いて粉砕する。この木材は、樹皮を剥皮処理した原木や製材屑である。なお、樹皮を剥皮処理した原木や製材屑は、必要に応じて切削し、適当な大きさに加工しても良い。粉砕機は、従来から公知の各種粉砕機を用いることが出来る。また、木材は、針葉樹であっても良いし、広葉樹であっても良い。更に、一種類の木材のみを用いても良いし、複数種類の木材を用いても良い。更にまた、生木を用いても良い。
そして、木材粉砕工程(S1)によって得られた木材粉砕物10(図2参照)の細長比を細長比調整工程(S2)において調整する。この細長比調整工程(S2)は、例えば、木材粉砕物10を篩にかけること等によって実現される。
これにより、図2に示されている如く、針のように細長い木材粉砕物10を多数得ることとなる。そこにおいて、木材粉砕物10の大きさは、図3に示されているように、幅寸法:aが好ましくは1mm〜5mm、より好ましくは2mm〜3mmとされている一方、長さ寸法:bが好ましくは5mm〜40mm、より好ましくは10mm〜30mmとされている。なお、本実施形態では、幅寸法:aは、木材粉砕物10の最大幅の値を採用しており、また、長さ寸法:bは、木材粉砕物10の最大長さの値を採用している。そして、本実施形態では、細長比調整工程(S2)によって得られた木材粉砕物10の細長比、即ち、木材粉砕物10の長さ寸法:bを幅寸法:aで割った値:(b/a)は2〜20となるようにした。なお、このような細長比を満たす木材粉砕物10のみを得ることが困難である場合には、木材粉砕物10が上述の幅寸法:aおよび長さ寸法:bを満たしている限り、細長比を満たさない木材粉砕物10が含まれていても良い。
また、木材粉砕工程(S1)および細長比調整工程(S2)は、適当な細長比の木材粉砕物10を得るまで繰り返し行っても良い。更にまた、木材粉砕工程(S1)を適数回繰り返した後、細長比調整工程(S2)を行っても良い。
樹皮粉砕工程(S3)では、原木から剥皮処理した樹皮を粉砕機を用いて粉砕する。原木から剥皮処理した樹皮は、粉砕機で粉砕する前に適当な大きさに加工していても良い。なお、粉砕機は、従来から公知のものを採用することが出来る。また、樹皮は、針葉樹のものであっても良いし、広葉樹のものであっても良い。更に、複数種類の樹木の樹皮を採用しても良いし、一種類の樹木の樹皮を採用しても良い。複数種類の樹木の樹皮を採用する場合には、針葉樹のものと広葉樹のものを採用しても良い。
細長比調整工程(S4)では、樹皮粉砕工程(S3)で得られた樹皮粉砕物12(図4参照)の細長比を調整する。具体的には、例えば、樹皮粉砕物12を篩にかけること等により、細長比調整工程(S4)が行われる。
そして、図4に示されているように、針状の細長い樹皮粉砕物12を多数得る。そこにおいて、樹皮粉砕工程(S3)および細長比調整工程(S4)によって得られた樹皮粉砕物12は、木材粉砕工程(S1)および細長比調整工程(S2)によって得られた木材粉砕物10と同様な大きさの幅寸法および長さ寸法とされている。更に、幅寸法および長さ寸法の測定条件も木材粉砕物10の場合と同じである。更にまた、細長比も木材粉砕物10と同様に設定されている。
そこにおいて、樹皮粉砕工程(S3)と細長比調整工程(S4)は、適当な細長比の樹皮粉砕物12を得るまで繰り返し行っても良い。また、樹皮粉砕工程(S3)を適数回行った後に、細長比調整工程(S4)を行っても良い。更にまた、樹皮粉砕工程(S3)と細長比調整工程(S4)を、木材粉砕工程(S1)および細長比調整工程(S2)と同時に行っても良い。
曝気処理工程(S5)では、豚舎から集められた豚の糞尿を曝気槽に入れて、曝気処理を行う。その際、豚の糞尿は、複数の曝気槽で、複数回曝気処理をするようにしても良い。また、曝気槽は、コンクリート製であっても良いが、素掘りのものであっても良い。特に、素掘りの曝気槽で曝気処理をすると、豚の糞尿の悪臭が土着菌の働きにより抑えられる。
そして、木材粉砕工程(S1)および細長比調整工程(S2)によって得られた細長比が調整された木材粉砕物10と、樹皮粉砕工程(S3)および細長比調整工程(S4)によって得られた細長比が調整された樹皮粉砕物12と、曝気処理工程(S5)で得られた豚の糞尿とを、混練する混練工程(S6)を行う。この混練工程(S6)は、例えば、混練する材料をミキサーに入れて混練することで有利に実現することが出来る。
そこにおいて、混練する材料(木材粉砕物10,樹皮粉砕物12および豚の糞尿)の割合は、木材粉砕物10と樹皮粉砕物12を混ぜ合わせたもの(以下、おが粉とする)1立方メートルに対して、豚の糞尿が100〜200リットル程度が好ましい。また、おが粉を構成する木材粉砕物10と樹皮粉砕物12の割合は、樹皮粉砕物12の体積がおが粉の体積の1/3以上であることが望ましい。
なお、必要に応じて、混練工程(S6)において混練する材料として、米糠や発酵した豚糞、或いは、略発酵した豚糞を加えるようにしても良い。米糠は、市販のものを採用することが出来る。米糠を加える場合には、おが粉1立方メートルに対して20〜30リットルが望ましい。発酵した豚糞は、例えば、豚舎から集められた豚糞を積み上げて発酵させる豚糞発酵処理を行ったものが採用される。また、略発酵した豚糞とは、このような豚糞発酵処理による発酵が8割程度すすんでいる状態のものをいう。なお、豚糞発酵処理を実行する際には、豚糞に杉の皮を細かくしたものを混ぜておくことが望ましく、それによって、豚糞を発酵させておく際の悪臭の発生を抑えることが可能となる。発酵した豚糞又は略発酵した豚糞を加える場合には、おが粉1立方メートルに対して10〜20リットルが望ましい。
混練物発酵工程(S7)は、混練工程(S6)によって得られた混練物14(生ゴミ処理基材16)を発酵させるものである。具体的には、図5に示されているように、混練物14(生ゴミ処理基材16)をある程度の高さ:hに積み上げて一定期間発酵させること等によって有利に実現される。なお、発酵させている最中に切り返しを行っても良い。また、積み上げる高さ:hは、1.5m〜3mが望ましい。3m以上の高さになると、混練物14(生ゴミ処理基材16)に空気が入る隙間が出来難くなってしまい、それによって、発酵状態が悪くなり、切り返しの時に悪臭が発生してしまう。
このような製造工程によって製造された生ゴミ処理基材16(発酵しているもの)を用いて生ゴミを分解処理すると、木材粉砕物10および樹皮粉砕物12が適当な細長比に調整されていることから、おが粉(木材粉砕物10および樹皮粉砕物12を混ぜ合わせたもの)の間に適度な空気が取り込まれることとなり、それによって、好気性微生物の繁殖に適した好気的環境が形成されることとなる。その結果、好気的微生物の働きによる生ゴミの分解処理が効率的に行われることとなり、生ゴミを分解処理する際の異臭の発生を抑えることが可能となる。
また、混練物14(生ゴミ処理基材16)を発酵させる際の異臭の発生も抑えることが可能となる。
さらに、本実施形態では、混練物14(生ゴミ処理基材16)を発酵させるようにしていることから、生ゴミを分解処理する際の異臭の発生を有利に抑えることが可能となる。
続いて、本発明の実施例について説明する。
先ず、木材として、樫や椎の木および杉を用意した。樫や椎の木と杉の割合は1:1である。また、樹皮として杉の皮と桧の皮を用意した。杉の皮と桧の皮の割合は、8:2である。木材と樹皮の割合は、7:3のものと、4:6のものと、2:8のものを用意した。なお、比較のため、木材だけのものも用意した。
これらの木材および樹皮を、コマツBR200Sを用いて同時に粉砕処理をし、磁選機によって鉄系の異物を取り除いた。続いて、このように粉砕された木材および樹皮をコマツゼノアハンマクラッシャCR370Mを用いて同時に粉砕処理をし、磁選機によって鉄系の異物を取り除いた。更に、このように粉砕された木材および樹皮を石田エンジニアリング株式会社製のブレークマンTPC−800型で粉砕した。
このように3段階に分けて粉砕処理された木材および樹皮の粉砕物を5mmの幅のメッシュで篩分けした。これにより、3mmの幅で10〜40mmの長さの木材粉砕物および樹皮粉砕物を得た。
そして、このような木材粉砕物および樹皮粉砕物が混ざりあったもの(以下、おが粉とする)と、別途用意した米糠および曝気処理が施された豚の糞尿を、協全商事(株)の協全式ミキサーを用いて混練した。各材料の割合は、おが粉1立方メートルに対して、曝気処理が施された豚の糞尿は100リットル、米糠は30リットル、豚糞10リットルであった。また、混練した時間は、30分である。
そこにおいて、曝気処理を施した豚の糞尿は、豚舎から集められた糞尿を、コンクリート製の第一の曝気槽,素掘りの第二および第三の曝気槽,素掘りの調整池としての第四の曝気槽の順番で各曝気槽において曝気処理をしながら、第一の曝気槽から第四の曝気槽に向けて放流し、第四の曝気槽(素掘りの調整池)で熟成された豚の糞尿である。このようにして得られた豚の糞尿には、土着菌が作用しており、それによって、豚の糞尿の悪臭が抑えられている。また、米糠は、市販のものを用いた。更に、豚糞は、豚舎から集められて自然発酵させている最中のものであり、8割程度発酵しているものである。
そして、このようにして混練されたものを、屋内において2.5mの高さに積み上げて室温で発酵させた。その際、入口の戸を開けておく等して、換気をしていた。また、薄暗くなるように、遮光していた。このように発酵させている混練物(生ゴミ処理基材)に対して、発酵開始から15日目に切り返しを行い、更に、15日間発酵させた。なお、積み上げてから2,3日後ぐらいには、混練物(生ゴミ処理基材)温度は50〜60度になっていた。
このようにして製造された生ゴミ処理基材(発酵しているもの)を用いて、生ゴミを処理した。生ゴミの処理には、東芝製の生ゴミ処理機(GO−u15A)を用い、生ゴミ処理基材,生ゴミおよびおが粉(木材粉砕物および樹皮粉砕物を混ぜ合わせたもの)を混練した。生ゴミ処理基材および生ゴミの割合は、生ゴミ処理基材(菌床)6リットルに対して、生ゴミ1リットルである。なお、おが粉は、生ゴミを投入したことによる水分調整のために加えたものである。また、混練した時間は、1時間である。
そして、木材と樹皮が7:3の割合になっているものを用いた生ゴミ処理基材、木材と樹皮が4:6の割合になっているものを用いた生ゴミ処理基材、木材と樹皮が2:8になっているものを用いた生ゴミ処理基材について、それぞれ、混練終了後から1時間毎に、熱,臭い,分解能力を調べた。その結果を、表1に示す。
Figure 0004035104
表1からわかるように、木材と樹皮の割合を異ならせたものを用いた生ゴミ処理基材の何れにおいても、熱,臭い,分解能力に違いはなかった。分解能力は、1時間後では生ゴミが1cm残っており、2時間後および3時間後では、それぞれ、生ゴミが5mm残っていた。そして、4時間後には、生ゴミは、なくなっていた。臭いは、1時間後には、少しあったが、2時間後からなくなっていた。熱は、1時間後には、なくなっていた。なお、木材を砕いたもののみを用いた生ゴミ処理基材では、混練を終了してから30分後に手で触れないほどに高温となっていた。従って、樹皮を粉砕したものを混ぜ合わせた生ゴミ処理基材は、発酵温度が急激に上昇するのを抑えることが出来ることを確認した。また、木材のみを用いた生ゴミ処理基材と比較した場合に、発生する臭いのレベルも、本発明に従う樹皮を混入したものでは、実用レベルで殆ど問題とならない程に十分に抑えられ得ることを確認できた。なお、木材のみを用いた場合でも、細長形状とすることによって、内部に空気が行き渡ることによるのであろう、従来から採用されている粒状の木粉(木材)のみを用いた基材に比しては、ある程度、臭いを抑える効果と生ゴミ処理効率の向上効果が認められるものの、樹皮を混入した場合に比して、それらの効果はまだ十分でないことも確認している。
木材と樹皮を砕いたものを混ぜあわせた生ゴミ処理基材90リットルに対しておが粉45リットルと生ゴミ90リットルを加えて、30分混練した後、取り出して、温度変化を調べた。その結果を、表2に示す。なお、生ゴミ処理基材は、実施例1の製造方法によって製造したものを採用した。因みに、木材と樹皮の割合は、1:1である。
Figure 0004035104
表2に示されたように、1日目は28度、2日目は37度、4日目は59度、8日目は40度というように、温度が変化していった。4日目あたりで発酵がピークに達していると考えられる。そして、10日目には、生ゴミは、堆肥になっていた。
生ゴミ処理基材120リットルに対してオカラ40リットルを加え、30分攪拌した後、45センチの高さに積み上げた。その後の温度変化と臭いを調べた結果を表3に示す。なお、生ゴミ処理基材は、おが粉1立方メートルに対して、米糠30リットル、8割程度発酵した豚糞10リットル、曝気処理した豚の糞尿100リットルを加え、混練した後、1.5mの高さに積み上げて30日発酵させたものである。生ゴミ処理基材は、積み上げてから、即ち、発酵を開始させてから15日目で一度切り返しを行っている。
Figure 0004035104
1日目と2日目はすっぱい臭い(発酵臭)があった。3日目と4日目は、臭いが少しあった。5日目以降は、臭いが少なくなっていた。温度は、1日目は21度であったのが、2日目には、60度になっていた。3日目と4日目は61度であり、5日目は62度であった。6日目は、午前10時に計った時点で55度となっており、午後5時に計った時点では31度であった。7日目は、38度であった。8日目は、午前10時に計った時点で31度であり、午後6時に計った時点では、28度であった。9日目には、20度であった。従って、発酵は6日目には、終了していたものと考えられる。そして、積み上げた混練物(生ゴミを処理したもの)を10日目の午前中に調べてみると、積み上げた状態で上側および下側の部分には、水分が残っていたが、積み上げた状態での中間部分は、良く乾いていた。
生ゴミ処理基材90リットルに対してオカラ45リットルとおが粉45リットルを加え、30分攪拌した後、60センチの高さに積み上げた。おが粉は、水分調整のために加えたものである。その後の温度変化,臭い,表面の状態を調べた結果を表4に示す。なお、生ゴミ処理基材は、おが粉1立方メートルに対して、米糠30リットル、8割程度発酵した豚糞10リットル、曝気処理した豚の糞尿100リットルを加え、混練した後、1.5mの高さに積み上げて 30日発酵させたものである。生ゴミ処理基材は、積み上げてから、即ち、発酵を開始させてから15日目で一度切り返しを行っている。
Figure 0004035104
臭いは、2日目から少なかった。表面の状態は、3日目から6日目にかけて、白カビと水泡が確認された。7日目と8日目には、白カビは確認されたが、水泡は確認されなかった。9日目は、白カビも水泡も確認されなかった。温度は、1日目では、14時の時点で21度であった。2日目は、9時30分の時点で47度であり、11時の時点で58度であった。3日目は、9時30分の時点で66度であり、18時の時点で65度であった。4日目は、9時30分の時点で65度であった。5日目は、9時30分の時点で64度であった。6日目は、9時30分の時点で57度であった。7日目は、9時30分の時点で49度であり、13時の時点で42度であった。8日目は、10時の時点で35度であった。9日目は、10時の時点で24度であった。温度および表面の状態の観察結果から考えると、5日目あたりで発酵が終了したものと考えられる。そして、10日目の午前中に、積み上げた混練物(生ゴミを処理したもの)を調べてみると、積み上げた状態で上側および下側に位置する部分には水分があったが、積み上げた状態での中間部分は、良く乾いていた。また、このように発酵させた混練物は再使用することも出来る。更に、このように発酵させた混練物は、15日で堆肥になっていた。
おが粉1立方メートルに対して、米糠30リットル、8割程度発酵した豚糞10リットル、曝気処理した豚の糞尿100リットルを加え、混練した後、1.5mの高さに積み上げて 30日発酵させた生ゴミ処理基材(15日目で一度切り返しをしたもの)を用意した。そこにおいて、おが粉は、樹皮および木材を粉砕する際に生木も同時に粉砕して得られたものを自然発酵させたものと、鋸屑の2種類を用意した。自然発酵に要した日数は3日であり、また、粉砕機で粉砕したものを入れておく保管庫等の中に入れたままの状態で自然発酵させた。そして、このようにおが粉が異なる生ゴミ処理基材を用いて生ゴミを処理した。すると、おが粉が鋸屑である生ゴミ処理基材で生ゴミを処理した場合よりも、おが粉が発酵状態の粉砕物である生ゴミ処理基材で生ゴミを処理した場合のほうが臭いを抑えられることが確認された。また、おが粉が発酵状態の粉砕物である生ゴミ処理基材では、10日間連続して生ゴミを投入しても悪臭が発生せず、また、生ゴミの量が増えないことが確認された。更に、生ゴミを処理した後の生ゴミ処理基材(おが粉が発酵状態の粉砕物であるもの)の水分を蒸発させて乾燥状態にして、堆肥に利用できることも確認された。
以上、本発明の実施形態および幾つかの実施例を示したが、本発明は、これらの具体的な記載によって、何等、限定されるものではない。
例えば、おが粉として、竹を粉砕したものを採用しても良い。また、おが粉に加える曝気処理をした豚の糞尿,発酵状態又は略発酵状態の豚糞,米糠の量は、前記実施形態および前記実施例に限定されるものではない。更に、生ゴミ処理基材の製造工程は、前記実施形態および前記実施例のものに限定されるものではない。
その他、一々列挙はしないが、本発明は、当業者の知識に基づいて種々なる変更,修正,改良等を加えた態様において実施され得るものであり、また、そのような実施態様が、本発明の趣旨を逸脱しない限り、何れも、本発明の範囲内に含まれるものであることは、言うまでもない。
本発明の生ゴミ処理基材の製造工程を示すフローチャートである。 木材粉砕工程で得られた木材粉砕物を説明する概念図である。 木材粉砕物の大きさおよび細長比を説明するための図面である。 樹皮粉砕工程で得られた樹皮粉砕物を説明する概念図である。 混練物を積み上げた状態を説明する図面である。
符号の説明
10 木材粉砕物
12 樹皮粉砕物
16 生ゴミ処理基材

Claims (7)

  1. 木質細片を含んで構成された生ゴミ処理基材において、
    前記木質細片を、木材を粉砕して得られた木材粉砕物と、樹皮を粉砕して得られた樹皮粉砕物を含んで構成し、該樹皮粉砕物の体積を該木質細片の全体積の1/3以上とすると共に、それら木材粉砕物および樹皮粉砕物をそれぞれ細長比が2〜20の細長形状とする一方、該木質細片の他に曝気処理した豚の糞尿を含んでいることを特徴とする生ゴミ処理基材。
  2. 木質細片を含んで構成された生ゴミ処理基材において、
    前記木質細片を、木材を粉砕して得られた木材粉砕物と、樹皮を粉砕して得られた樹皮粉砕物を含み、且つ該木材粉砕物として生木を粉砕して得られた生木粉砕物を発酵させたものを含んで構成し、それら木材粉砕物および樹皮粉砕物をそれぞれ細長比が2〜20の細長形状とする一方、該木質細片の他に曝気処理した豚の糞尿を含んでいることを特徴とする生ゴミ処理基材。
  3. 前記樹皮粉砕物の体積が前記木質細片の全体積の1/3以上とされている請求項に記載の生ゴミ処理基材。
  4. 発酵状態又は略発酵状態の豚糞を含んでいる請求項1乃至の何れかに記載の生ゴミ処理基材。
  5. 米糠を含んでいる請求項1乃至の何れかに記載の生ゴミ処理基材。
  6. 請求項2又は3に記載された生ゴミ処理基材の製造方法であって、
    生木を含む木材を粉砕して生木粉砕物を含む木材粉砕物を得る木材粉砕工程と、樹皮を粉砕して樹皮粉砕物を得る樹皮粉砕工程と、それら木材粉砕工程および樹皮粉砕工程によって得られた前記木材粉砕物および前記樹皮粉砕物の細長比を調整する細長比調整工程と、豚の糞尿を曝気処理する曝気処理工程と、前記曝気処理工程によって得られた豚の糞尿と前記細長比調整工程によって細長比が調整された前記木材粉砕物および前記樹皮粉砕物を含んで構成された木質細片を混練する混練工程と、前記混練工程によって得られた混練物を発酵させる混練物発酵工程とを、有することを特徴とする生ゴミ処理基材の製造方法。
  7. 請求項1乃至の何れかに記載された生ゴミ処理基材を用いた生ゴミ処理方法。
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