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JP4027546B2 - 顕微鏡システム - Google Patents

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JP4027546B2
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば、目視観察やTV観察などによる観察手段と走査型装置による観察手段を切換えて使用するような顕微鏡システムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種の顕微鏡システムとして、図4に示すように顕微鏡本体Mの観察光路31にビームスプリッタ32を介して走査ヘッドSを接続し、顕微鏡本体Mでの接眼レンズ33を介した目視観察による観察手段と、走査ヘッドSにより2次元走査された標本上から光を検出する観察手段とを切換えて使用するようにしたものがある。この場合、顕微鏡本体Mの観察光路31は、目視観察光路による観察時と走査ヘッドSを介した観察時の両方で共用するようになっており、この観察光路31内に位置される各種の光学要素は、それぞれの観察時において、最適なものが設定されるようになっている。
【0003】
例えば、落射照明35を用いた目視観察では、観察光路31中にビームスプリッタ34を挿入し、落射照明35からの光をビームスプリッタ34で反射させ、対物レンズ36を介して標本37上に照射させるるとともに、標本37からの光を対物レンズ36、ビームスプリッタ34を透過させ、観察光路31より接眼レンズ33を介して目視観察を行ない、一方、走査ヘッドSを用いた観察では、ビームスプリッタ34を観察光路31より退避させ、走査ヘッドSの2次元スキャナ38により走査されたレーザ光をビームスプリッタ32より観察光路31、対物レンズ36を介して標本37に投射させるとともに、標本37からの光をビームスプリッタ32で反射させて、光検出器39により検出するようにしている。
【0004】
また、透過観察についても、透過照明光路には、図示しないFS絞り、AS絞り、調光用NDフィルタ、色温度補正フィルタなどの光学要素が設けられ、これらについても、目視観察と走査ヘッドSによる観察とで設定変更するようにしている。例えば、透過照明40を用いた目視観察では、コントラストを上げるためAS絞りを開閉したり、透過照明の色温度フィルタ、調光のためのNDフィルタなどを光路中に挿入しているが、走査ヘッドSによる観察では、AS絞りを開放、色温度フィルタやNDフィルタは光路より退避させ、透過光検出ユニット41での検出を可能にしている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、このように構成した顕微鏡システムは、最初に目視観察を用いて標本37の位置出しを行ない観察部位を決定した後、走査ヘッドSによる観察に切換えるようにしており、これら目視観察と走査ヘッドSによる観察手段の切換を標本37の観察部位が変更するたびに頻繁に行なっていた。
【0006】
このため、上述したような観察条件を設定するための作業は、目視観察と走査ヘッドSによる観察手段の切換えが頻繁に行なわれるため、その度に極めて煩わしい作業が強いられるという問題があった。
【0007】
また、このような顕微鏡システムには、検鏡方法として蛍光観察、明視野観察、ノマルスキー観察、偏光観察なども可能にしたものもあるが、このような各種の検鏡方法を採用したものでは、検鏡方法を切換える際の観察条件を設定するための作業が、さらに面倒になるという問題があった。
【0008】
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、観察手段の切換えの際にも、観察条件の設定を簡単にでき、操作性に優れた顕微鏡システムを提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の発明は、顕微鏡による観察手段と走査型装置による観察手段を有し、共通の顕微鏡光路を使用するとともに、これら観察手段を切換えてそれぞれの観察を可能にした顕微鏡システムにおいて、前記共通の顕微鏡光路に配置される対物レンズと、前記共通の顕微鏡光路に対して落射照明光を導入するための落射投光管と、前記落射照明光を遮断するシャッタと、前記共通の顕微鏡光路へ第1偏光板を挿脱する挿脱手段と、前記共通の顕微鏡光路が前記落射投光管の光路と交わる部分に蛍光キューブを切換えて挿脱するキューブ切換え部と、顕微鏡による観察手段に用いられる接眼レンズ及びカメラの少なくとも一方と、走査型装置による観察手段のためのレーザ光を出力するレーザユニットと、前記レーザユニットからの前記レーザ光をコリメートするコリメータレンズ、前記レーザ光を走査する2次元スキャナ、前記レーザ光と前記標本から発した蛍光を分岐させるダイクロイックミラー、前記レーザ光から分岐された蛍光を検出する光検出器、前記ダイクロイックミラーと前記コリメータレンズの間に配置された第2偏光板、を有する走査ユニットと、前記接眼レンズ及び前記カメラの少なくとも一方と前記走査ユニットとの光路切換えを行う観察光路切換え部と、前記共通の観察光路に配置されたノマルスキープリズムと、前記標本を透過した前記走査ユニットからのレーザ光を検出する透過光検出ユニットと、前記標本を前記対物レンズと対向する側から透過照明する透過照明用光源と、前記透過光検出ユニットへ向かう光路と前記透過照明用光源へ通じる光路とに光路を切換える光路切換え手段と、前記観察手段ごとの前記共通の顕微鏡光路での観察条件をそれぞれ記憶する記憶手段と、前記観察手段の設定により前記設定された観察手段に対応する前記共通の顕微鏡光路での観察条件を前記記憶手段の記憶内容に基づいて設定する制御手段とを具備し、前記記憶手段は、顕微鏡による観察手段を用いて蛍光観察を行う条件として、前記シャッタを開状態にし、前記挿脱手段により前記第1の偏光板を光路から外し、前記キューブ切換え部により前記蛍光キューブを切換え挿入し、観察像を接眼レンズ及びカメラの少なくとも一方に導くように観察光路切換え部を切換えることを記憶し、顕微鏡による観察手段を用いてノマルスキー観察を行う条件として、前記シャッタを閉状態にし、前記挿脱手段により前記第1偏光板を挿入し、前記キューブ切換え部により前記蛍光キューブを光路から外し、観察像を前記接眼レンズ及び前記カメラの少なくとも一方に導くように前記観察光路切換え部を切換え、前記透過照明用光源をオンし、前記光路切換え手段を前記透過照明用光源へ通じる光路に切換えることを記憶し、走査型装置による観察手段を用いて蛍光観察及びノマルスキー観察を行う条件として、前記シャッターを閉状態にし、前記挿脱手段により前記第1偏光板を光路から外し、前記キューブ切換え部により前記蛍光キューブを光路から外し、前記走査ユニットを選択するように前記観察光路切換え部を切換え、前記透過照明用光源をオフし、前記光路切換え手段を前記透過光検出ユニットへ通じる光路に切換えることを記憶したことを特徴としている。
【0010】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明において、前記記憶手段は、観察条件として、各観察手段ごとの検鏡方法、使用する対物レンズおよび光学要素の組み合わせをパターン化して記憶したことを特徴としている。
【0011】
請求項3記載の発明は、顕微鏡による観察手段と走査型装置による観察手段を有し、共通の顕微鏡光路を使用するとともに、これら観察手段を切換えてそれぞれの観察を可能にした顕微鏡システムにおいて、前記共通の顕微鏡光路に配置される対物レンズと、前記共通の顕微鏡光路に対して落射照明光を導入するための落射投光管と、前記落射照明光を遮断するシャッタと、前記共通の顕微鏡光路が前記落射投光管の光路と交わる部分に、蛍光キューブと偏光板キューブと空穴とを切換えて挿脱するキューブ切換え部と、前記対物レンズにより取得される標本の観察像を観察するカメラ及び接眼レンズの少なくとも一方と、走査型装置による観察手段のためのレーザ光を出力するレーザユニットと、前記レーザユニットからの前記レーザ光をコリメートするコリメータレンズ、前記レーザ光を走査する2次元スキャナ、前記レーザ光と前記標本から発した蛍光を分岐させるダイクロイックミラー、前記レーザ光から分岐された蛍光を検出する光検出器、前記ダイクロイックミラーと前記コリメータレンズの間に配置された偏光板、を有する走査ユニットと、前記接眼レンズ及び前記カメラの少なくとも一方と前記走査ユニットとの光路切換えを行う観察光路切換え部と、前記共通の観察光路に配置されたノマルスキープリズムと、前記標本を透過した前記走査ユニットからのレーザ光を検出する透過光検出ユニットと、前記標本を前記対物レンズと対向する側から透過照明する透過照明用光源と、前記透過光検出ユニットへ向かう光路と前記透過照明用光源へ通じる光路とに光路を切換える光路切換え手段と、前記観察手段ごとの前記共通の顕微鏡光路での観察条件をそれぞれ記憶する記憶手段と、前記観察手段の設定により前記設定された観察手段に対応する前記共通の顕微鏡光路での観察条件を前記記憶手段の記憶内容に基づいて設定する制御手段とを具備し、前記記憶手段は、顕微鏡による観察手段を用いて蛍光観察を行う条件として、前記シャッタを開状態にし、前記キューブ切換え部により前記蛍光キューブを切換え挿入し、観察像を接眼レンズ及びカメラの少なくとも一方に導くように観察光路切換え部を切換えることを記憶し、顕微鏡による観察手段を用いてノマルスキー観察を行う条件として、前記シャッタを閉状態にし、前記キューブ切換え部により前記偏光板キューブを切換え挿入し、観察像を前記接眼レンズ及び前記カメラの少なくとも一方に導くように前記観察光路切換え部を切換え、前記透過照明用光源をオンし、前記光路切換え手段を前記透過照明用光源へ通じる光路に切換えることを記憶し、走査型装置による観察手段を用いて蛍光観察及びノマルスキー観察を行う条件として、前記シャッターを閉状態にし、前記キューブ切換え部により前記空穴を切換え挿入し、前記走査ユニットを選択するように前記観察光路切換え部を切換え、前記透過照明用光源をオフし、前記光路切換え手段を前記透過光検出ユニットへ通じる光路に切換えることを記憶したことを特徴としている。
請求項4記載の発明は、請求項1又は2記載の発明において、前記走査ユニットを前記落射投光管の照明光路から導入することを特徴としている。
【0012】
この結果、請求項1記載の発明によれば、顕微鏡による観察手段と走査型装置による観察手段を切換えても、繁雑な観察条件の設定を一切かる必要がなくなり、操作性のよい顕微鏡システムを実現できる。
【0013】
請求項2記載の発明によれば、観察手段に使用する検鏡方法を変更しても、観察手段と検鏡方法の組み合わせパターンにより観察条件を記憶しているので、検鏡方法に合わせた光学要素の設定を自動的に行なうことができる。
【0014】
請求項3記載の発明によれば、顕微鏡観察で使用する光源が走査画像観察用の光検出器に漏れ込むことを防止できる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に従い説明する。
【0016】
(第1の実施の形態)
図1は、本発明が適用される顕微鏡システムの概略構成を示している。図において、100は正立型の顕微鏡で、この顕微鏡100には、走査ユニット200が取付けられている。この走査ユニット200は、顕微鏡100内の観察光路切換え部101のミラー101aにより顕微鏡100の光軸102に接続可能にしている。
【0017】
これら顕微鏡100および走査ユニット200には、制御ユニット300が接続されている。この制御ユニット300は、観察者によりパソコン(PC)400へ入力される観察手段や検鏡方法に応じて顕微鏡100および走査ユニット200に対して制御指令を出力し、これら顕微鏡100および走査ユニット200における種光学要素の設定などを制御するものである。また、制御ユニット300は、観察手段や検鏡方法に応じて設定する光学要素の種類や設定値などを予め記憶するメモリ301を有している。また、パソコン400には、モニタ500が接続されている。
【0018】
顕微鏡100の光軸102上には、観察光路切換え部101とともに、結像レンズ105、キューブ切換え部106、ノマルスキープリズム109、レボルバ110が配置されている。
【0019】
観察光路切換え部101は、ミラー101aとプリズム101bを有しており、走査ユニット200からの光を導く時は、光軸102上にミラー101aが挿入され、接眼レンズ103による接眼観察の時は、光軸102上にプリズム101bが挿入され、CCDカメラ104による観察像の撮像の時は、ミラー101aおよびプリズム101bとも光軸102上から抜き取られるようになっている。この場合、観察光路切換部101でのミラー101aとプリズム101bの切換えは、制御ユニット300からの指令により図示しないモータにより制御されるようになっている。
【0020】
キューブユニット切換え部106は、蛍光キューブ106a、偏光板キューブ106b、空キューブ106cを有し、制御ユニット300からの指令により、蛍光キューブ106a、偏光板キューブ106b、空キューブ106cのいずれかを光軸102上に配置するようにしている。図示例では、蛍光キューブ106aが光軸102上に位置されている。ここで、蛍光キューブ106aは、接眼レンズ103またはCCDカメラ104で蛍光を観察する際に用いられるもので、水銀灯107からの励起波長の光を取り出す励起フィルタ106a1、水銀灯107からの励起光を反射し、蛍光を透過するダイクロイックミラー106a2および蛍光以外の光を吸収する吸収フィルタ106a3から構成されている。偏向板キューブ106bは、偏光観察またはノマルスキー観察をする際に用いられるものである。空キューブ106cは、接眼レンズ103またはCCDカメラ104で透過明視野観察する場合と走査ユニット200による観察を行なう際に用いられるものである。
【0021】
水銀灯107は、蛍光観察などの際の落射照明に用いられるもので、前面にシャッタ108が配置されている。このシャッタ108は、制御ユニット300の指令により開閉可能にしており、水銀灯107を使用しない間は、閉じて照明光路125を遮蔽するようにしている。
【0022】
ノマルスキープリズム109は、ノマルスキー観察時に光軸102に挿入され、それ以外の観察時には光軸102より退避されるようになっている。この時の切換えも制御ユニット300の指令により行なわれる。
【0023】
レボルバ110は、倍率の異なる複数の対物レンズ110a、110b、110cを取付けたもので、制御ユニット300の指令により図示しないモータが駆動され対物レンズ110a、110b、110cのいずれかを光軸102上に位置させるようにしている。図示例では、対物レンズ110aが光軸102上に位置されている。
【0024】
レボルバ110上の対物レンズ110a、110b、110cに対向させてステージ112に載置された標本111が配置されている。
【0025】
また、ステージ112を挟んで反対側の光軸102’上には、コンデンサレンズ113、AS絞り114、ノマルスキープリズム切換え部115、ポラライザ116、レンズ117および反射ミラー118が配置されている。AS絞り114は、その開口数を開閉制御可能になっていて、制御ユニット300の指令により電動制御される。ノマルスキープリズム切換え部115は、対物レンズ110a、110b、110cに対応するノマルスキープリズム115a、115b、115cを有するもので、ノマルスキー観察時には、光軸102に挿入されている対物レンズに対応するノマルスキープリズムが光軸102’に挿入され、それ以外の観察(明視野観察、偏光観察など)時には、全てのノマルスキープリズム115a、115b、115cを光軸102’から退避させるようにしている。これらの切換えも、制御ユニット300の指令により図示しないモータにより制御されるようになっている。ポラライザ116は、偏光観察またはノマルスキー観察時に光軸102’に挿入され、それ以外の観察(明視野観察)時には、光軸102’から退避されるようにしている。この切換えも、制御ユニット300の指令により行なわれる。
【0026】
また、反射ミラー118を介した光軸102’’上には、FS絞り119、レンズ120、フィルタ切換え部121、光路切換えミラー122が配置されている。FS絞り119は、その大きさを可変制御可能にしたもので、この制御も制御ユニット300の指令により行なわれる。フィルタ切換え部121は、調光用NDフィルタまたは色フィルタといったフィルタ部材121a、121b、121cを有するもので、それぞれ光軸102’中に挿脱可能になっていて、その切換えも、制御ユニット300の指令により制御されるようになっている。光路切換えミラー122は、透過検出ユニット123に向かう光路と、ハロゲンランプ124に通じる光路を、その挿脱により切換え可能にしたもので、走査ユニット200による観察時は、光路切換えミラー122を光路に挿入させ走査ユニット200からのレーザ光(透過光)を透過光検出ユニット123に入射させ、ハロゲンランプ124を透過照明として使用する顕微鏡観察時は、光路切換えミラー122を光路から退避させるようになっている。この切換えも、制御ユニット300の指令により図示しないモータにより制御される。ハロゲンランプ124は、蛍光観察時の漏光に配慮して制御ユニット300の指令によりオンオフ可能にもなっている。
【0027】
一方、走査ユニット200は、シングルモードファイバ201を介してレーザユニット202に接続されている。レーザユニット202は、図示しないレーザ発振器、波長選択手段、レーザ強度調光手段などを有したもので、レーザ発振器より発振されたレーザ光を観察に適した波長および強度に調整して出力するようにしている。
【0028】
また、走査ユニット200は、シングルモードファイバ201の出射端面に対向させてコリメートレンズ202a、偏光板203が配置されている。コリメータレンズ202aは、シングルモードファイバ201から出射されるレーザ光を平行光に変換し、偏光板203は、平行光を直線偏光とするものである。
【0029】
また、偏光板203の出射側光路には、励起ダイクロイックミラー204が配置され、この励起ダイクロイックミラー204の反射側光路には、2次元スキャナ205が配置されている。励起ダイクロイックミラー204は、励起光であるレーザ光を反射し、検出光である蛍光を透過するものである。2次元スキャナ205は、レーザ光を2次元走査するものである。そして、2次元スキャナ205で2次元走査されたレーザ光は、瞳投影レンズ206に入射される。この瞳投影レンズ206は、出射した光を結像点207に結像させ、2次元走査像を形成するものである。この場合、結像点207を、顕微鏡100側の結像レンズ105の1次像位置と一致するように走査ユニット200を配置させておけば、結像点207を通過したレーザ光(励起光)は、顕微鏡100の観察光路切換え部101のミラー101aで反射され、結像レンズ105、対物レンズ110aを介して標本111上に結像される。そして、標本111から発した蛍光は、励起光と逆の経路をたどり瞳投影レンズ206、2次元スキャナ205を介して励起ダイクロイックミラー204に導かれる。
【0030】
励起ダイクロイックミラー204を透過した蛍光光路には、反射ミラー208、分光ダイクロイックミラー209a、209bおよび反射ミラー209cが配置されている。反射ミラー208は、励起ダイクロイックミラー204を透過した蛍光を反射するものである。分光ダイクロイックミラー209a、209bは、反射ミラー208で反射された蛍光を波長領域ごとに分けるものである。また、反射ミラー209cは、分光ダイクロイックミラー209a、209bを透過された蛍光を反射するものである。
【0031】
そして、これら分光ダイクロイックミラー209a、209bおよび反射ミラー209cの反射光路には、それぞれに対応した共焦点レンズ210、ピンホール211、光検出器212が配置され、波長域ごとの蛍光をそれぞれの光検出器212により検出可能にしている。
【0032】
一方、標本111を透過したレーザ光は、光軸102’を通って反射ミラー118で反射され、光軸102’’上に挿入された光路切換えミラー122を介して透過光検出ユニット123に入射され、標本111を透過したレーザ光(透過光)が検出される。
【0033】
なお、制御ユニット300では、走査ユニット200および透過光検出ユニット123で取得した標本111上を2次元走査した際の各ポイントでの光強度に応じたデータをモニタ500上に画素ごとに表示させることで2次元走査画像を得ていることは勿論である。
【0034】
次に、このように構成した実施の形態の動作を説明する。
【0035】
この場合、接眼レンズ103による接眼観察、CCDカメラ104によるTV観察、走査ユニット200による走査画像の観察における各観察条件の設定について説明する。
【0036】
ここで、CCDカメラ104によるTV観察では、ハロゲンランプ124を用いたノマルスキー観察を行ない、接眼観察では、水銀灯107による落射蛍光観察を行ない、走査画像の観察では、蛍光観察とノマルスキー観察を同時に行なうものとする。また、レボルバ110により対物レンズ110aを選択しているものとする。
【0037】
まず、接眼観察では、観察光路切換え部101よりプリズム101bを光軸102上にセットし、キューブユニット切換え部106により蛍光キューブ106aを光軸102上にセットする。また、水銀灯107前面のシャッタ108を開放して水銀灯107からの光を標本111側に導くようにする。さらに、ノマルスキープリズム109は、光軸102上から退避させる。
【0038】
この状態から、これら光学要素の設定内容を、接眼観察時の観察条件として制御ユニット300のメモリ301に記憶させる。
【0039】
次に、CCDカメラ104によるTV観察では、シャッタ108を閉じて、水銀灯107の光を遮断し、ハロゲンランプ124を点灯する。また、光路切換えミラー122は、光軸102’’から退避させ、FS絞り119を開放し、AS絞り114は、コントラストを上げるため対物レンズ110aのNAに対して70%程度に設定する。さらに、ポラライザ116を光軸102’上に挿入し、ノマルスキープリズム115は、対物レンズ110aに対応するノマルスキープリズム115aを光軸102’上に挿入する。さらに、ノマルスキープリズム109、キューブユニット切換え部106の偏光板キューブ106bをそれぞれ光軸102上に挿入し、観察光路切換え部101のミラー101aとプリズム101bを全て光軸102上から退避させて何もない状態にする。
【0040】
この状態から、これら光学要素の設定内容をTV観察時の観察条件として制御ユニット300のメモリ301に記憶させる。
【0041】
次に、走査ユニット200による走査画像の観察では、観察光路切換え部101によりミラー101aを光軸102上に挿入し、キューブユニット切換え部106により空キューブ106cを光軸102上に挿入する。この走査ユニット200による画像観察では、ノマルスキー観察用の偏光板106b1に代えて、走査ユニット200内の偏光板203を使用し、蛍光観察光路中に偏光板106b1が挿入されることによる蛍光光量の損失を防止するようにしている。また、ノマルスキープリズム109を光軸102上に挿入する。さらに、AS絞り114は、レーザ光がけられないように開放し、ノマルスキープリズム115は、対物レンズ110aに対応するノマルスキープリズム115aを光軸102’上に挿入する。さらにまた、FS絞り119は、開放し、フィルタ切換え部121は、レーザ光の損失を防ぐため、全て光軸102’’から退避させ、光路切換えミラー122は、レーザ光を透過光検出ユニット123へ反射させるため光軸102’’上に挿入する。なお、顕微鏡落射照明用の水銀灯107、透過照明のハロゲンランプ124は、走査ユニット200内の各光検出器212や透過検出ユニット123への漏光を防止するため遮断する必要があり、シャッタ108を閉じ、また、ハロゲンランプ124をオフにする。
【0042】
この状態から、これら光学要素の設定内容を、走査ユニット200による走査画像の観察条件として制御ユニット300のメモリ301に記憶させる。
【0043】
このようにして、これら接眼観察、TV観察および走査ユニット200による走査画像の観察にかかる共通光路での設定、つまり、観察光路切換え部101から光路切換えミラー122までの各種光学要素の設定と、水銀灯107およびハロゲンランプ124の点灯の有無の設定などが事前に行なわれ、それぞれの観察条件として制御ユニット300のメモリ301に記憶される。
【0044】
次に、観察者がパソコン400を通じて、接眼観察、TV観察および走査ユニットによる走査画像の観察のいずれかを選択すると、選択された観察手段に対応する設定内容がメモリ301から読出される。すると、メモリ301から読出された情報に基づいて、制御ユニット300より各種の制御指令が出力され、観察光路切換え部101から光路切換えミラー122までの各種光学要素の設定および水銀灯107およびハロゲンランプ124の点灯の有無の設定が自動的に実行される。
【0045】
これにより、走査ユニット200による走査画像の観察と、接眼観察またはTV観察との間の切換えが頻繁に行なわれても、観察者は繁雑な操作を一切行なうことなく、自動的に各観察手段に対応した内容の設定が行なわれるようになり、その操作性を飛躍的に向上させることができる。
【0046】
ここで、観察条件の一部を変更したい場合は、変更の対象となる観察手段を選択して、観察手段に応じた設定を実行させた後、変更箇所の手直しを行ない、改めて制御ユニット300のメモリ301に変更後の設定内容を記憶させるようにすれば、その後に、変更を加えた観察手段が選択された場合は、変更後の設定が実行されるようになり、観察条件の一部変更の必要性が生じても容易に対応することができる。
【0047】
なお、制御ユニット300から直接制御できない光学要素、例えば手動による切換えユニットなどが存在する場合は、この部分については、手動切換えで行なえばよい。また、観察条件に初期値として標準的な設定内容を予め記憶させておき、例えば制御ユニット300やパソコン400の電源を切断して、再度立ち上げたような場合に、初期値に設定されるようにしてもよい。また、対物レンズは、高い解像度を得るためにオイルや水を対物レンズと標本との間に封入しているものがあるが、観察手段を変更した時に、自動でレンズ交換させると、オイルや水を飛散させる可能性があった。従って、このような場合は、対物レンズは、記憶内容に反映させて自動切換えするのでなく、観察者がその都度設定するようにすればよい。さらに、これらの条件設定は、観察対象によっても異なることがあるので、メモリ301の記憶内容を何種類かファイルできるようにして、随時、パソコン400から読出せるようにすれば、複数の観察者が共同でシステムを利用するような場合、観察者が代わって、観察対象が変更になったような場合も、煩わしい観察条件の設定を行なわなくとも、瞬時に適切な観察条件の設定を自動的に行なうこともできる。
【0048】
(第2の実施の形態)
次に、本発明の第2の実施の形態について説明する。
【0049】
この第2の実施の形態では、観察条件の設定内容が、蛍光、明視野、ノマルスキーなどの検鏡方法や、使用する対物レンズにより異なることに着目したもので、メモリ301の記憶内容の組合わせパターンについて考慮したものである。
【0050】
通常、図1で述べた光学要素は、蛍光、明視野、ノマルスキーなどの検鏡方法によって設定内容が変ってくる。例えば、接眼観察において、ノマルスキーのみの観察の時は、偏光板キューブ106bやノマルスキープリズム109、115およびポラライザ116を光軸102、102’上に挿入することになるが、同じく接眼観察において、明視野観察を行なう場合は、偏光板キューブ106bやノマルスキープリズム109、115およびポラライザ116を全て光軸102、102’上から退避して何もない状態にする。これらのことは、接眼観察の場合だけでなく、TV観察、走査画像観察の場合も、設定される観察条件に違いがあるものの同様である。また、ノマルスキー観察において、ノマルスキープリズム115の種類は、使用する対物レンズにより決まり、AS絞り114の大きさ、FS絞り119の大きさ、フィルタ切換え部121のNDフィルタまたは色フィルタといったフィルタ部材121a〜121cの種類も使用する対物レンズに依存するケースが多い。
【0051】
そこで、この第2の実施の形態では、観察手段、検鏡方法、対物レンズおよび光学要素の各組合わせパターンを個別にメモリ301に記憶するようにしている。図2は、これら組み合わせパターンを示すもので、観察手段602として、走査画像観察602a、接眼観察602b、TV観察602cを用意し、このうちの走査画像観察602aは、検鏡方法603として発光+ノマルスキー603a、蛍光603b、…を用意し、接眼観察602bとTV観察602cについては、それぞれ検鏡方法603としてノマルスキー603c、発光603b、…を用意する。また、蛍光+ノマルスキー603aとノマルスキー603cは、対物レンズ604として10×対物604a、20×対物604b、40×対物604c、…を用意し、蛍光603bについても対物レンズ604として10×対物604a、20×対物604b、40×対物604c、…を用意する。そして、これら10×対物604a、20×対物604b、40×対物604c、…に対応させて光学要素605として各観察手段に対応した光学要素の状態605a、605b、605c、…を用意し、これらの組み合わせを、それぞれメモリ1、メモリ2、…としてメモリ301に記憶している。
【0052】
このようにすれば、観察者が、パソコン400から観察手段、検鏡方法および対物レンズのそれぞれの情報を入力すれば、図2に示す組み合わせパターンから、対応する光学要素の状態605a、605b、605c、がメモリ301から読出され、各光学要素605の自動的な設定が瞬時に実行される。この場合、光学要素の設定を変更しても、変更後の光学要素の状態を記憶させることで、対応することができる。
【0053】
なお、この第2の実施の形態において、現在光路に挿入されている対物レンズの種類をセンサなどで認識して、この認識された対物レンズと、設定されている観察手段、検鏡方法に合わせた観察条件(光学要素)の自動設定を行うようにしてもよい。
【0054】
従って、このようにすれば、一つの観察手段で行なう検鏡方法や対物レンズを途中で変更しても、観察手段と検鏡方法と対物レンズの組み合わせで観察条件が記憶されているので、個々の観察手段での検鏡方法に応じた光学要素の設定を自動的に行なうことができるようになり、操作性に優れた顕微鏡システムを実現できる。また、第1の実施の形態と同様に、条件設定は、観察対象によっても異なるので、メモリ301の記憶内容を何種類かファイルできるようにして、随時、パソコン400から読出しできるようにすれば、複数の観察者が共同でシステムを利用するような場合、観察者が代わって、観察対象が変更になったような場合も、煩わしい観察条件の設定を行なわなくとも、瞬時に適切な観察条件の設定を自動的に行なうことができる。
【0055】
(第3の実施の形態)
次に、本発明の第3の実施の形態について説明する。
【0056】
ところで、このような顕微鏡システムでは、通常、最初に接眼観察またはTV観察により観察対象の位置決めを行ない、次に、走査ユニットに切換えて、走査画像の観察を行ない、そして、走査画像の観察が終了すると、再び、接眼観察またはTV観察に戻して、次の観察対象の位置決めを行なう。
【0057】
そこで、この第3の実施の形態では、これらの作業の流れを軽減できるようにしたものである。この場合、図3に示すフローチャートにおいて、まず、ステップ701で、観察者が、図1に示すパソコン400より接眼観察またはTV観察のいずれかと、走査画像観察の各観察手段における検鏡方法の設定を行なう。この時、各観察手段、検鏡方法の組み合わせに対する顕微鏡100内の光学要素(観察条件)のメモリ301への記憶は、既に行なわれているものとする。
【0058】
次に、ステップ702で、観察者が、パソコン400または図示しない観察光路切換えボタンの操作により接眼観察またはTV観察の選択を行なう。すると、ステップ703で、観察手段と検鏡方法の組み合わせに対応する光学要素の設定内容がメモリ301から読出され、制御ユニット300により各光学要素が自動設定される。次に、ステップ704で、観察者は、接眼観察またはTV観察により観察対象の位置決め、つまり標本111上の位置合わせをステージ112を移動することで行なう。
【0059】
次に、ステップ705で、観察者が、パソコン400より走査画像取得のための走査開始の指令を入力する。すると、ステップ706で、制御ユニット300の指令により光路切換え部101のミラー101aが挿入され、走査ユニット200に対する光路が設定される。そして、ステップ707で、走査画像観察で設定されている検鏡方法に合わせ、メモリ301の記憶内容により顕微鏡100内の各光学要素の自動設定が行なわれる。そして、ステップ708で、制御ユニット300の指令により2次元スキャナ205によりレーザ光(励起光)の2次元走査が開始され、走査画像が取得される。そして、走査画像の取得が終了したところで、ステップ709で、パソコン400より走査開始される前の観察手段と、その時に設定されされていた検鏡方法に対応する観察条件が自動的に再設定される。そして、ステップ704に戻り、上述した動作が繰り返される。
【0060】
従って、このようにすれば、標本111の位置合わせから走査画像の取得までの作業の流れを、観察者は、標本111の位置合わせと走査開始の指令を入力するのみで実現できるので、接眼またはTV観察から走査ユニットによる走査画像の観察へ切換えながらの作業を大幅に軽減できることになる。つまり、接眼またはTV観察から走査ユニットによる走査画像の観察へ切換えながらの作業において、観察手段の設定や検鏡手段の設定作業を一切不要にできるので、さらに操作性に優れた顕微鏡システムが実現できる。
【0061】
なお、本発明は、上記実施の形態に記載した内容に限定されるものでなく、例えば、走査ユニットを接眼への光路切換部で結合導入するのでなく、落射投光管の照明光路125から導入しても良い。また、組合わせる顕微鏡を正立型顕微鏡でなく倒立型顕微鏡にしても良い。また、TV観察光路がなくて、接眼観察と走査画像観察の切換のみにしても良く、また、TV観察光路にデジタルカメラや銀鉛写真撮影装置を取付けても良い。また、走査ユニットとしてミラーによる光偏向方式でなく、ディスクスキャンタイブのものを用いても良い。
【0062】
以上述べた実施の形態には、以下の発明も含まれる。
【0063】
(1)請求項1記載の顕微鏡システムにおいて、前記制御手段は、顕微鏡による観察手段および走査型装置による観察手段にそれぞれ対応する観察条件を交互に設定可能にしたことを特徴としている。
【0064】
このようにすれば、顕微鏡による接眼観察やTV観察から走査型装置による走査画像の観察へ切換えながらの作業において、観察手段の設定や検鏡手段の設定作業を一切不要にできる。
【0065】
【発明の効果】
以上述べたように本発明によれば、観察手段の切換えの際にも、観察条件の設定を簡単にでき、操作性に優れた顕微鏡システムを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態の概略構成を示す図。
【図2】本発明の第2の実施の形態を説明するための図。
【図3】本発明の第3の実施の形態を説明するための図。
【図4】従来の顕微鏡システムの一例の概略構成を示す図。
【符号の説明】
100…顕微鏡
101a…ミラー
101b…プリズム
101…観察光路切換え部
102…光軸
102’.102’’…光軸
103…接眼レンズ
104…CCDカメラ
105…結像レンズ
106a…蛍光キューブ
106a1…励起フィルタ
106a2…ダイクロイックミラー
106a3…吸収フィルタ
106b…偏光板キューブ
106b1…偏光板
106c…空キューブ
107…水銀灯
108…シャッタ
109…ノマルスキープリズム
110…レボルバ
110a、110b、110c…対物レンズ
111…標本
112…ステージ
113…コンデンサレンズ
114…AS絞り
115…ノマルスキープリズム切換え部
115a.115b、115c…ノマルスキープリズム
116…ポラライザ
117…レンズ
118…反射ミラー
119…FS絞り
120…レンズ
121…フィルタ切換え部
121a〜121c…フィルタ部材
122…ミラー
123…透過光検出ユニット
124…ハロゲンランプ
125…照明光路
200…走査ユニット
201…シングルモードファイバ
202…レーザユニット
202a…コリメータレンズ
203…偏光板
204…励起ダイクロイックミラー
205…2次元スキャナ
206…瞳投影レンズ
207…結像点
208…反射ミラー
209a.209b…分光ダイクロイックミラー
209c…反射ミラー
210…共焦点レンズ
211…ピンホール
212…光検出器
300…制御ユニット
301…メモリ
400…パソコン
500…モニタ
602…観察手段
602a…走査画像観察
602b…接眼観察
602c…TV観察
603…検鏡方法
604…対物レンズ
605…光学要素

Claims (4)

  1. 顕微鏡による観察手段と走査型装置による観察手段を有し、共通の顕微鏡光路を使用するとともに、これら観察手段を切換えてそれぞれの観察を可能にした顕微鏡システムにおいて、
    前記共通の顕微鏡光路に配置される対物レンズと、
    前記共通の顕微鏡光路に対して落射照明光を導入するための落射投光管と、
    前記落射照明光を遮断するシャッタと、
    前記共通の顕微鏡光路へ第1偏光板を挿脱する挿脱手段と、
    前記共通の顕微鏡光路が前記落射投光管の光路と交わる部分に蛍光キューブを切換えて挿脱するキューブ切換え部と、
    顕微鏡による観察手段に用いられる接眼レンズ及びカメラの少なくとも一方と、
    走査型装置による観察手段のためのレーザ光を出力するレーザユニットと、
    前記レーザユニットからの前記レーザ光をコリメートするコリメータレンズ、前記レーザ光を走査する2次元スキャナ、前記レーザ光と前記標本から発した蛍光を分岐させるダイクロイックミラー、前記レーザ光から分岐された蛍光を検出する光検出器、前記ダイクロイックミラーと前記コリメータレンズの間に配置された第2偏光板、を有する走査ユニットと、
    前記接眼レンズ及び前記カメラの少なくとも一方と前記走査ユニットとの光路切換えを行う観察光路切換え部と、
    前記共通の観察光路に配置されたノマルスキープリズムと、
    前記標本を透過した前記走査ユニットからのレーザ光を検出する透過光検出ユニットと、
    前記標本を前記対物レンズと対向する側から透過照明する透過照明用光源と、
    前記透過光検出ユニットへ向かう光路と前記透過照明用光源へ通じる光路とに光路を切換える光路切換え手段と、
    前記観察手段ごとの前記共通の顕微鏡光路での観察条件をそれぞれ記憶する記憶手段と、
    前記観察手段の設定により前記設定された観察手段に対応する前記共通の顕微鏡光路での観察条件を前記記憶手段の記憶内容に基づいて設定する制御手段とを具備し、
    前記記憶手段は、
    顕微鏡による観察手段を用いて蛍光観察を行う条件として、前記シャッタを開状態にし、前記挿脱手段により前記第1の偏光板を光路から外し、前記キューブ切換え部により前記蛍光キューブを切換え挿入し、観察像を接眼レンズ及びカメラの少なくとも一方に導くように観察光路切換え部を切換えることを記憶し、
    顕微鏡による観察手段を用いてノマルスキー観察を行う条件として、前記シャッタを閉状態にし、前記挿脱手段により前記第1偏光板を挿入し、前記キューブ切換え部により前記蛍光キューブを光路から外し、観察像を前記接眼レンズ及び前記カメラの少なくとも一方に導くように前記観察光路切換え部を切換え、前記透過照明用光源をオンし、前記光路切換え手段を前記透過照明用光源へ通じる光路に切換えることを記憶し、
    走査型装置による観察手段を用いて蛍光観察及びノマルスキー観察を行う条件として、前記シャッターを閉状態にし、前記挿脱手段により前記第1偏光板を光路から外し、前記キューブ切換え部により前記蛍光キューブを光路から外し、前記走査ユニットを選択するように前記観察光路切換え部を切換え、前記透過照明用光源をオフし、前記光路切換え手段を前記透過光検出ユニットへ通じる光路に切換えることを記憶したことを特徴とする顕微鏡システム。
  2. 前記記憶手段は、観察条件として、各観察手段ごとの検鏡方法、使用する対物レンズおよび光学要素の組み合わせをパターン化して記憶したことを特徴とする請求項1記載の顕微鏡システム。
  3. 顕微鏡による観察手段と走査型装置による観察手段を有し、共通の顕微鏡光路を使用するとともに、これら観察手段を切換えてそれぞれの観察を可能にした顕微 鏡システムにおいて、
    前記共通の顕微鏡光路に配置される対物レンズと、
    前記共通の顕微鏡光路に対して落射照明光を導入するための落射投光管と、
    前記落射照明光を遮断するシャッタと、
    前記共通の顕微鏡光路が前記落射投光管の光路と交わる部分に、蛍光キューブと偏光板キューブと空穴とを切換えて挿脱するキューブ切換え部と、
    前記対物レンズにより取得される標本の観察像を観察するカメラ及び接眼レンズの少なくとも一方と、
    走査型装置による観察手段のためのレーザ光を出力するレーザユニットと、
    前記レーザユニットからの前記レーザ光をコリメートするコリメータレンズ、前記レーザ光を走査する2次元スキャナ、前記レーザ光と前記標本から発した蛍光を分岐させるダイクロイックミラー、前記レーザ光から分岐された蛍光を検出する光検出器、前記ダイクロイックミラーと前記コリメータレンズの間に配置された偏光板、を有する走査ユニットと、
    前記接眼レンズ及び前記カメラの少なくとも一方と前記走査ユニットとの光路切換えを行う観察光路切換え部と、
    前記共通の観察光路に配置されたノマルスキープリズムと、
    前記標本を透過した前記走査ユニットからのレーザ光を検出する透過光検出ユニットと、
    前記標本を前記対物レンズと対向する側から透過照明する透過照明用光源と、
    前記透過光検出ユニットへ向かう光路と前記透過照明用光源へ通じる光路とに光路を切換える光路切換え手段と、
    前記観察手段ごとの前記共通の顕微鏡光路での観察条件をそれぞれ記憶する記憶手段と、
    前記観察手段の設定により前記設定された観察手段に対応する前記共通の顕微鏡光路での観察条件を前記記憶手段の記憶内容に基づいて設定する制御手段とを具備し、
    前記記憶手段は、
    顕微鏡による観察手段を用いて蛍光観察を行う条件として、前記シャッタを開状態にし、前記キューブ切換え部により前記蛍光キューブを切換え挿入し、観察像を接眼レンズ及びカメラの少なくとも一方に導くように観察光路切換え部を切換えることを記憶し、
    顕微鏡による観察手段を用いてノマルスキー観察を行う条件として、前記シャッタを閉状態にし、前記キューブ切換え部により前記偏光板キューブを切換え挿入し、観察像を前記接眼レンズ及び前記カメラの少なくとも一方に導くように前記観察光路切換え部を切換え、前記透過照明用光源をオンし、前記光路切換え手段を前記透過照明用光源へ通じる光路に切換えることを記憶し、
    走査型装置による観察手段を用いて蛍光観察及びノマルスキー観察を行う条件として、前記シャッターを閉状態にし、前記キューブ切換え部により前記空穴を切換え挿入し、前記走査ユニットを選択するように前記観察光路切換え部を切換え、前記透過照明用光源をオフし、前記光路切換え手段を前記透過光検出ユニットへ通じる光路に切換えることを記憶したことを特徴とする顕微鏡システム。
  4. 前記走査ユニットを前記落射投光管の照明光路から導入することを特徴とする請求項1又は2記載の顕微鏡システム。
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