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JP4027043B2 - 刈払機の操作レバー - Google Patents

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  • Mechanical Control Devices (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はエンジンのアイドリング時のスイング規制を行えるようにしつつ、スロットルバルブの中間開度に対応するスイング位置を保持できるようにしてレバー操作の負担を軽減し、作業性を向上させた刈払機の操作レバーに関する。
【0002】
【従来の技術】
原動機のスロットル開度を調整するスロットルレバーと、スロットルレバーの作動を規制するロックレバーを設けた刈払機の操作レバーとしては、例えば、特開平2−163427号公報「内燃機関用スロットル装置」に記載されたものが知られている。
【0003】
上記公報には、同公報の第11図に示されるように、内燃機関のスロットル弁にワイヤ48で連結させた第1のレバー38と、この第1のレバー38と同軸でスイングするとともに第1のレバー38に調整ねじ40を介して当てた第2のレバー39と、この第2のレバー39のアイドリング開度位置Dでスイングを規制する安全ロックレバー42とが記載されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記公報の技術では、スロットル弁をアイドリング開度にしている時に第2のレバー39を操作できないように安全ロックレバー42で第2のレバー39のスイングを規制するが、例えば、スロットル弁の中間開度を保持し、内燃機関の回転数を一定にして作業する場合には、第2のレバー39を同じ位置でスロットル弁が中間開度になるように指で保持しておかなければならず、しかも手では刈払機の姿勢を変えたりしなければならず、作業性向上及び疲労軽減の上で第1のレバー38や第2のレバー39をスイングの中間位置に保持できるようにすることが望まれる。
【0005】
そこで、本発明の目的は、刈払機の操作レバー、特にスロットルバルブを開閉するためのスロットルレバーに関し、エンジンのアイドリング時のスイング規制を行えるようにしつつ、スロットルバルブの中間開度に対応するスイング位置を保持できるようにしてレバー操作の負担を軽減し、作業性を向上させることにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために請求項1は、操作杆の後端に原動機を取付け、操作杆の前端に原動機で駆動する刈刃を取付け、操作杆の途中にハンドルを取付け、このハンドルに原動機のスロットル開度を調整するスロットルレバー及びこのスロットルレバーの作動を規制するロックレバーを設けた刈払機において、スロットルレバーに、ハンドルにスイング自在に取付けるための第1ハンドル取付部と、原動機側にスロットルケーブルで連結するために第1ハンドル取付部から延ばしたケーブル連結アームと、手を掛けて操作するために第1ハンドル取付部から延ばしたスロットルレバー操作部と、このスロットルレバー操作部の途中から延ばした突出部とを備え、且つスロットルレバーを、スロットル開度を小さくする回転方向に第1のばねで付勢するようにし、ロックレバーに、ハンドルにスイング自在に取付けるための第2ハンドル取付部と、手で操作するために第2ハンドル取付部から延ばしたロックレバー操作部と、スロットルレバーのスイングを規制するためにスロットルレバーの突出部の先端に近接するように第2ハンドル取付部から延ばしたロックアーム部と、ロックレバーをスイングさせた後にスロットルレバーをスイングさせたときの突出部の先端の軌跡に交わる軌跡を描くようにロックアーム部の先端部から側方へ突出させるとともに、スイングさせたロックレバーを戻すことでスイングさせておいたスロットルレバーの突出部と接触させるようにした側方凸部とを備え、且つロックレバーを、第1のばねによるスロットルレバーの付勢方向とは反対の回転方向に第2のばねで付勢するようにしたことで、第1のばね及び第2のばねの付勢力により、ロックレバーの側方凸部に第2ハンドル取付部側を向くように設けられた円弧面が、スロットルレバーの突出部に第1ハンドル取付部側を向くように設けられた側面に当たり、突出部と側方凸部との摩擦力を高め、スロットルレバーの戻りを規制したことを特徴とする。
【0007】
スロットルレバーに設けた突出部の先端の軌跡と、ロックレバーに設けたロックアーム部の先端の軌跡とを交差させるように突出部とロックアーム部とを配置することで、ロックレバーをスイングさせない場合には、スロットルレバーをスイングさせようとしたときに、ロックレバーのロックアーム部の先端にスロットルレバーの突出部の先端を当てるようにしてスロットルレバーのスイングを規制するようにでき、また、ロックレバーをスイングさせた場合には、スロットルレバーをスイングさせた状態でロックレバーを戻すと、スロットルレバーの突出部の側面に、ロックレバーのロックアーム部の円弧面を第1のばね及び第2のばねの弾性力で押し当てることができ、スロットルレバーの戻りを規制することができる。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を添付図に基づいて以下に説明する。なお、図面は符号の向きに見るものとする。
図1は本発明に係る刈払機を使用中の状態を示す側面図であり、作業者10が刈払機11を肩から吊りベルト12で吊り下げ、刈払機11のハンドル13に設けた第1ハンドルグリップ14を右手15で握り、ハンドル13に設けた第2ハンドルグリップ16を左手17で把持して刈払い作業を行っている状態を示す。
【0009】
刈払機11は、原動機としてのエンジン21と、このエンジン21で駆動する刈刃22と、この刈刃22にエンジン21からの動力を伝えるための伝動軸23と、エンジン21及び刈刃22のそれぞれの間に渡すとともに伝動軸23を収納した操作杆24と、エンジン21より刈刃22側の操作杆24に取付けたU字状のハンドル13と、このハンドル13の一端に取付けた第1ハンドルグリップ14と、ハンドル13の他端に取付けた第2ハンドルグリップ16とからなる。なお、26は伝動軸23の先端と刈刃22との間に介在させたギヤケース、27は切刃22のエンジン21側を覆うカバー、28は雑草である。
【0010】
図2は本発明に係る刈払機の第1ハンドルグリップの断面図であり、第1ハンドルグリップ14は、ハンドルケース31と、このハンドルケース3にエンジン21(図1参照)の回転数を調整するためにスイング可能に取付けたスロットルレバー32と、このスロットルレバー32を一時的にスイングを規制するためにハンドルケース31にスイング可能に取付けたロックレバー33と、スロットルレバー32に時計周りの回転力を与えるためのねじりコイルばね34と、ロックレバー33に反時計周りの回転力を与えるためのねじりコイルばね35と、エンジン21を停止させるためのキルスイッチ36とからなる。
【0011】
ハンドルケース31は、ハンドル13を挟み込む2つのケースから構成し、ビス41,41(断面のみ示す。)でハンドル13に固定する。
また、ハンドルケース31は、スロットルレバー32の時計回りのスイングを規制するためのスロットルレバーストッパ部31aと、ロックレバー33の反時計回りのスイングを規制するためのロックレバーストッパ部31bと、ねじりコイルばね35の一端を掛けるばね掛け部31cと、手で握るためのグリップ部31dとを備える。
【0012】
スロットルレバー32は、指(例えば、人差し指、中指)を掛けて操作する操作部32aと、メインワイヤ38に連結したワイヤ連結アーム32bと、ハンドルケース31に設けた支軸31eを受ける軸受部32cと、ロックレバー33側に延ばした突出部32dと、ねじりコイルばね34の一端を挿入するばね挿入部32eとからなる。なお、32fは突出部32dの側面である。
【0013】
ロックレバー33は、手のひらで押さえる押さえ部33aと、スロットルレバー32の突出部32dに近接させることでスロットルレバー32のスイングを規制するスイングストッパアーム33bと、ハンドルケース31に設けた支軸31fを受ける軸受部33cと、ねじりコイルばね35の他端を挿入するばね挿入部33dとからなる。なお、33eはスイングストッパアーム33bの端部から側方(手前側)に突出させた側方凸部、33fは側方凸部33eの円弧面である。
【0014】
また、第1ハンドルグリップ14は、メインワイヤ38と後述するキャブレタまで延びるスロットルケーブル43とを中継するとともにメインワイヤ38と後述する制動装置まで延びる制動解除用ケーブルとしてのブレーキケーブル44とを中継する中継部材45を内部に配置したものである。
【0015】
メインワイヤ38は、一端にワイヤ端部部材38aを取付けて中継部材45に連結し、他端にワイヤ端部部材38bを取付けてスロットルレバー32のワイヤ連結アーム32bに連結したものである。
【0016】
スロットルケーブル43は、アウタチューブ43aと、このアウタチューブ43a内に移動可能に挿入したインナワイヤ43bと、このインナワイヤ43bの一端に取付けたワイヤ端部部材43cと、アウタチューブ43aの一端に取付けたチューブ端部部材43dとを備える。
【0017】
ブレーキケーブル44は、アウタチューブ44aと、このアウタチューブ44a内に移動可能に挿入したインナワイヤ44bと、このインナワイヤ44bの一端に取付けたワイヤ端部部材44cと、アウタチューブ44aの一端に取付けたチューブ端部部材44dとを備える。なお、31gはチューブ端部部材43d,44dを支持するためにハンドルケース31に設けたケーブル支持部である。
【0018】
中継部材45は、断面コ字状の部材であり、端部に設けた起立部45aにメインワイヤ38のワイヤ端部部材38aを掛け、端部に設けた起立部45bにスロットルケーブル43のワイヤ端部部材43cを掛け、同じく起立部45bにブレーキケーブル44のワイヤ端部部材44cを掛けるものである。
【0019】
図では、スロットルケーブル43におけるインナワイヤ43bのアウタチューブ43aからの突出量を、ブレーキケーブル44におけるインナワイヤ44bのアウタチューブ44aからの突出量より大きくして、しかもブレーキケーブル44のワイヤ端部部材44cをほぼ中継部材45の起立部45bに当てるようにするとともに、スロットルケーブル43のワイヤ端部部材43cを起立部45bから離した。
即ち、ワイヤ端部部材43cから起立部45bまでの距離を、ワイヤ端部部材44cから起立部45bまでの距離よりも大きくした。
【0020】
このように、本発明の中継部材45は、中継部材45の起立部45bに対して、インナワイヤ43bのワイヤ端部部材43cをインナワイヤ44bのワイヤ端部部材44cよりも離した状態で配置することで、メインワイヤ38を引いて中継部材45を移動させた時に、インナワイヤ43bをインナワイヤ44bよりも遅らせて引くようにしたディレイ機構47を備えたものである。
【0021】
図3は図2の3−3線断面図であり、ハンドルケース31を第1ケース半体31j及び第2ケース半体31kから構成し、第1ケース半体31jに支軸31eを設け、第1ケース半体31kに支軸31mを設け、これらの支軸31e,31mをスロットルレバー32の軸受部32cで受け、この軸受部32cからワイヤ連結アーム32bを延ばし、このワイヤ連結アーム32bの先端にメインワイヤ38(図2参照)のワイヤ端部部材38bを掛けた状態を示す。なお、48は第1ケース半体31j及び第2ケース半体31kを締結するビスである。
【0022】
図4は図2の4−4線断面図であり、第1ケース半体31jに支軸31fを設け、第2ケース半体31kに支軸31nを設け、これらの支軸31f,31nをロックレバー33の軸受部33cで受け、この軸受部33cからスイングストッパアーム33bを延ばし、このスイングストッパアーム33bの先端、詳しくは側方凸部33eをスロットルレバー32の突出部32dの先端に近接させた状態を示す。
【0023】
図5は本発明に係る刈払機のエンジン前部の断面図であり、エンジン21の前方に、エンジン21の出力軸(不図示)から伝動軸23への動力を断続する遠心クラッチ51を設け、この遠心クラッチ51をエンジン21前部に取付けたクラッチケース52に収納し、このクラッチケース52の前部に操作杆24を取付け、エンジン21の側部にキャブレタ53を取付け、このキャブレタ53にスロットルケーブル43の端部を連結し、クラッチケース52の下部に支軸58を回転自在に取付け、この支軸58に制動装置を構成するブレーキシュー61を取付けたことを示す。
【0024】
遠心クラッチ51は、エンジン21の出力軸に取付けたウェイト(不図示)と、このウェイトを内部に収納するとともに、出力軸が所定回転数になったときに遠心力で外方に移動したウェイトが接するカップ状のドラム63とからなる。
ドラム63は、底部に伝動軸23の端部を取付けたものであり、また、前述のブレーキシュー61を外面63aに押付けることで伝動軸23ひいては刈刃22(図1参照)を制動する制動装置65を構成するものである。
伝動軸23は一端をクラッチケース52にベアリング67で回転自在に支持し、他端をギヤケース26(図1参照)内で回転自在に支持したものである。
【0025】
図6は図5の6矢視図であり、キャブレタ53は、ケース71と、このケース71内に開けた吸気通路を開閉するためのスロットルバルブ(不図示)と、このスロットルバルブに取付けたスロットル軸72と、このスロットル軸72に取付けたスロットルアーム73と、このスロットルアーム73の端部に回転自在に取付けた円柱状のワイヤ取付部74と、前述のスロットルアーム73がスロットル軸72を中心にして反時計回りに回転したときにスロットルバルブの全開位置を規制するストッパ部75と、スロットルアーム73に先端を当てることでスロットルバルブの全閉位置を調整するビス76とからなる。
【0026】
ワイヤ取付部74は、円柱の側面から底を有する横穴78を開け、上面81に横穴78に一部を貫通する横溝82を形成したものである。
横溝82の幅は、横穴78の内径より小さく、スロットルケーブル43のインナワイヤ43bの線径より大きい。
【0027】
スロットルケーブル43は、インナワイヤ43bの先端に取付けた円柱部材43eと、アウタチューブ34aの端部をエンジン21(図5参照)側に設けたブラケット84に取付けるためのチューブ端部部材43fとからなる。
【0028】
キャブレタ53のワイヤ取付部74にインナワイヤ43bを連結するには、まず、インナワイヤ43bの先端近くを、ワイヤ取付部74の上面81にほぼ平行にしながらワイヤ取付部74の横溝82内へ移動させ、次に円柱部材43eを横穴78内に挿入すればよい。
【0029】
インナワイヤ43bの張り具合を調整するには、チューブ端部部材43fに形成したおねじにねじ結合するナット85,85を回して弛め、チューブ端部部材43fを軸方向に移動させ、再びナット85,85を締め付ければよい。
【0030】
図7は図5の7−7線断面図であり、刈払機の制動装置65を説明する図である。
制動装置65は、ブレーキケーブル44(図2参照)と、このブレーキケーブル44のアウタチューブ44a(図2参照)の先端をクラッチケース52に取付けるためのケーブル固定金具95と、このケーブル固定金具95の端部内側から引出したインナワイヤ44bの先端に連結したブレーキアーム96と、このブレーキアーム96に取付けた前述の支軸58と、この支軸58に取付けた前述のブレーキシュー61と、このブレーキシュー61を押し付けることで伝動軸23を制動するためのドラム63と、ブレーキシュー61をドラム63に押し付ける方向に弾性力を発生する引張コイルばね97とからなる。なお、44eはインナワイヤ44bをブレーキアーム96に連結するためにインナワイヤ44bの先端に取付けたワイヤ端部部材である。
図では、ブレーキケーブル44のインナワイヤ44bを引いていないので、ブレーキシュー61は引張コイルばね97の弾性力でドラム63を押し付けた状態にある。
【0031】
ケーブル固定金具95は先端におねじ部95aを形成したものであり、クラッチケース52に設けた起立壁101に溝部101aを形成し、この溝部101aにおねじ部95aを挿入し、起立壁101の両側からナット102,102で締めて固定したものである。
引張コイルばね97は、一端をブレーキシュー61に設けたばね掛け部103に掛け、他端をクラッチケース52に取付けたばね掛けピン104に掛けたものである。
【0032】
図ではクラッチケース52の外側に配置したケーブル固定金具95とブレーキアーム96とを覆うケースカバー105(図5参照)を外した状態を示した。
インナワイヤ44bの張り具合を調整するには、ナット102,102を回して弛め、ケーブル固定金具95を軸方向に移動させ、再びナット102,102を締め付ければよい。
【0033】
以上に述べた刈払機11の作用を次に説明する。
図8(a),(b)は本発明に係る刈払機の作用を説明する第1作用図である。
まず、エンジンを始動させ、アイドリング状態とする。
この時、図5で説明したように遠心クラッチ51はエンジン回転数が所定値を下回っているために切れた状態にあり、しかも、図7で説明したようにドラム63をブレーキシュー61が押し付けているため、刈刃は回転しない。
【0034】
この状態で、図8(a)において、ハンドルケース31のグリップ部31dを握りながら図の矢印aのようにロックレバー33の押さえ部33aを手のひらで押さえる。これによって、ロックレバー33のスイングストッパアーム33bをスロットルレバー32の突出部32dの前方から上方へ移動させ、スロットルレバー32のロックを解除する。従って、スロットルレバー32の操作が可能になる。
【0035】
(b)において、スロットルレバー32の操作部32aを指で操作して矢印bのようにスロットルレバー32の全ストロークの中間までスイングさせ、メインワイヤ38を矢印cのように引いて、中継部材45を上方へ移動させる。
【0036】
これにより、ブレーキケーブル44のインナワイヤ44bを、矢印dのようにメインワイヤ38の動きとほぼ同時に引く。
このときには、スロットルケーブル43のワイヤ端部部材44cと中継部材45の起立部45bとの間にはクリアランスCLが存在するため、中継部材45はスロットルケーブル43のインナワイヤ43bを引かない。
【0037】
図9は本発明に係る刈払機の作用を説明する第2作用図である。
ブレーキケーブルのインナワイヤ44bを矢印dのように引いて、ブレーキアーム96を支軸58を中心にして矢印eのようにスイングさせ、ブレーキアーム96と一体のブレーキシュー61を引張コイルばね97の弾性力に抗して矢印fのようにスイングさせてブレーキシュー61をドラム63から離す。
【0038】
図10(a),(b)は本発明に係る刈払機の作用を説明する第3作用図である。
(a)において、スロットルレバー32を矢印gのように更にスイングさせ、メインワイヤ38を矢印hのように更に引いて中継部材45を更に上方に移動させる。
これによって、ブレーキケーブル44のインナワイヤ44bを矢印jのように更に引くとともに、図8(b)では引いていなかったスロットルケーブル43のインナワイヤ43bを矢印kのように引く。
【0039】
(b)において、スロットルケーブル43のインナワイヤ43bを矢印kのように引いて、キャブレタ53のスロットルアーム73をスロットル軸72を中心にして矢印mの方向に回転させる。
【0040】
これにより、スロットル軸72に取付けたスロットルバルブを開け、エンジンに供給する空気量及び燃料量を増やしてエンジン回転数を高める。
エンジン回転数が所定値以上になると、図5において、遠心クラッチ51が接続し、エンジン21から刈刃に動力が伝わり、刈刃が回転する。
【0041】
図11は本発明に係る刈払機の作用を説明する第4作用図である。
図10の状態から、ハンドルケース31を握っている手の手のひら側をハンドルケース31からやや離し、ねじりコイルばね35の弾性力でロックレバー33の押さえ部33aを矢印nのようにスイングさせる。
【0042】
これにより、ロックレバー33の側方凸部33eの円弧面33fがスロットルレバー32の突出部32dの側面32fに当たり、円弧面33fと側面32fとの摩擦力によってスロットルレバー32の操作部32aから指を離してもスロットルレバー32を静止状態に保持することができる。
【0043】
図に示したスロットルレバー32の位置に限らず、円弧面33fと側面32fとが接する位置であれば、どの位置においてもスロットルレバー32を静止させておくことができる。これによって、スロットルレバー32から指を解放することができ、レバー操作の負担を軽減することができる。
【0044】
図12(a),(b)は本発明に係る刈払機の作用を説明する第5作用図であり、(a)はスロットルレバー32及びロックレバー33をストロークさせていない状態、(b)はスロットルレバー32をロックレバー33で保持した状態(図11の状態)を示す。
(a)において、ロックレバー33の先端を代表する点を点P、スロットルレバー32の突出部32dの先端を代表する点を点Qとし、ロックレバー33をスイングさせたときの点Pの軌跡を軌跡u、スロットルレバー32をスイングさせたときの点Qの軌跡を軌跡vとすると、軌跡uと軌跡vは交差する。
【0045】
従って、(b)において、ロックレバー33をスイングさせた後に、スロットルレバー32をスイングさせ、この状態でロックレバー33を戻せば、スロットレバー32における突出部32dに、ロックレバー33におけるスイングロックアーム33bの側方凸部33eが当たる。
従って、図11に示したねじりコイルばね34,35の弾性力により突出部32dの側面32fと側方凸部33eの円弧面33fとの摩擦力が高まり、スロットルレバー32を保持することができる。
【0046】
以上説明したように、本発明は、スロットルレバー32に、ハンドル13に取付けたハンドルケース31にスイング自在に取付けるための第1ハンドル取付部としての軸受部32cと、エンジン21側にスロットルケーブル43で連結するために軸受部32cから延ばしたケーブル連結アームとしてのワイヤ連結アーム32bと、手を掛けて操作するために軸受部32cから延ばしたスロットルレバー操作部としての操作部32aと、この操作部32cの途中から延ばした突出部32dとを備え、且つスロットルレバー32を、スロットル開度を小さくする回転方向に第1のばねとしてのねじりコイルばね34で付勢するようにし、ロックレバー33に、ハンドル13に設けたハンドルケース31にスイング自在に取付けるための第2ハンドル取付部としての軸受部33cと、手で操作するために軸受部33cから延ばしたロックレバー操作部としての押さえ部33aと、スロットルレバー32のスイングを規制するためにスロットルレバー32の突出部32dの先端に近接するように軸受部33cから延ばしたロックアーム部としてのスイングストッパアーム33bと、ロックレバー33をスイングさせた後にスロットルレバー32をスイングさせたときの突出部32dの先端の軌跡vに交わる軌跡uを描くようにスイングストッパアーム33bの先端部から側方へ突出させるとともに、スイングさせたロックレバー33を戻すことでスイングさせておいたスロットルレバー32の突出部32dと接触させるようにした側方凸部33eとを備え、且つロックレバー33を、ねじりコイルばね34によるスロットルレバー32の付勢方向とは反対の回転方向に第2のばねとしてのねじりコイルばね35で付勢するようにしたので、スロットルレバー32に設けた突出部32dの先端の軌跡vと、ロックレバー33に設けたスイングストッパアーム33bの先端の軌跡uとを交差させるように突出部32dとスイングストッパアーム33bとを配置することで、ロックレバー33をスイングさせない場合には、スロットルレバー32をスイングさせようとしたときに、ロックレバー33のスイングストッパアーム33bの先端にスロットルレバー32の突出部32dの先端を当てるようにしてスロットルレバー32のスイングを規制するようにすることができ、また、ロックレバー33をスイングさせた場合には、スロットルレバー32をスイングさせた状態でロックレバー33を戻すと、スロットルレバー32の突出部32dに、ロックレバー33のスイングストッパアーム33bをねじりコイルばね34及びねじりコイルばね35の弾性力で押し当てることができ、スロットルレバー32の戻りを規制することができる。
即ちスロットルレバー32をスイングの中間位置で保持することができ、スロットルレバー32から手を離すことができて、手の負担を軽減することができる。
【0047】
【発明の効果】
本発明は上記構成により次の効果を発揮する。
請求項1の刈払機の操作レバーは、スロットルレバーに、ハンドルにスイング自在に取付けるための第1ハンドル取付部と、原動機側にスロットルケーブルで連結するために第1ハンドル取付部から延ばしたケーブル連結アームと、手を掛けて操作するために第1ハンドル取付部から延ばしたスロットルレバー操作部と、このスロットルレバー操作部の途中から延ばした突出部とを備え、且つスロットルレバーを、スロットル開度を小さくする回転方向に第1のばねで付勢するようにし、ロックレバーに、ハンドルにスイング自在に取付けるための第2ハンドル取付部と、手で操作するために第2ハンドル取付部から延ばしたロックレバー操作部と、スロットルレバーのスイングを規制するためにスロットルレバーの突出部の先端に近接するように第2ハンドル取付部から延ばしたロックアーム部と、ロックレバーをスイングさせた後にスロットルレバーをスイングさせたときの突出部の先端の軌跡に交わる軌跡を描くようにロックアーム部の先端部から側方へ突出させるとともに、スイングさせたロックレバーを戻すことでスイングさせておいたスロットルレバーの突出部と接触させるようにした側方凸部とを備え、且つロックレバーを、第1のばねによるスロットルレバーの付勢方向とは反対の回転方向に第2のばねで付勢することにより、ロックレバーの側方凸部に第2ハンドル取付部側を向くように設けられた円弧面が、スロットルレバーの突出部に第1ハンドル取付部側を向くように設けられた側面に当たるようにしたので、スロットルレバーに設けた突出部の先端の軌跡と、ロックレバーに設けたロックアーム部の先端の軌跡とを交差させるように突出部とロックアーム部とを配置することで、ロックレバーをスイングさせない場合には、スロットルレバーをスイングさせようとしたときに、ロックレバーのロックアーム部の先端にスロットルレバーの突出部の先端を当てるようにしてスロットルレバーのスイングを規制するようにすることができ、また、ロックレバーをスイングさせた場合には、スロットルレバーをスイングさせた状態でロックレバーを戻すと、スロットルレバーの突出部の側面に、ロックレバーのロックアーム部の円弧面を第1のばね及び第2のばねの弾性力で押し当てることができ、スロットルレバーの戻りを規制することができる。
従って、スロットルレバーをスイングの中間位置で保持することができて、スロットルレバーから手を離すことができ、手の負担を軽減することができるとともに、レバーの操作性、刈払機の作業性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る刈払機を使用中の状態を示す側面図
【図2】本発明に係る刈払機の第1ハンドルグリップの断面図
【図3】図2の3−3線断面図
【図4】図2の4−4線断面図
【図5】本発明に係る刈払機のエンジン前部の断面図
【図6】図5の6矢視図
【図7】図5の7−7線断面図
【図8】本発明に係る刈払機の作用を説明する第1作用図
【図9】本発明に係る刈払機の作用を説明する第2作用図
【図10】本発明に係る刈払機の作用を説明する第3作用図
【図11】本発明に係る刈払機の作用を説明する第4作用図
【図12】本発明に係る刈払機の作用を説明する第5作用図
【符号の説明】
11…刈払機、13…ハンドル、21…原動機(エンジン)、22…刈刃、24…操作杆、31…ハンドル(ハンドルケース)、32…スロットルレバー、32a…スロットルレバー操作部(操作部)、32b…ケーブル連結アーム(ワイヤ連結アーム)、32c…第1ハンドル取付部(軸受部)、32d…突出部、32f…突出部の側面、33…ロックレバー、33a…ロックレバー操作部(押さえ部)、33b…ロックアーム部(スイングストッパアーム)、33c…第2ハンドル取付部(軸受部)、33e…側方凸部、33f…円弧面、34…第1のばね(ねじりコイルばね)、35…第2のばね(ねじりコイルばね)、43…スロットルケーブル、P,Q…先端(点)、u,v…軌跡。

Claims (1)

  1. 操作杆の後端に原動機を取付け、前記操作杆の前端に前記原動機で駆動する刈刃を取付け、前記操作杆の途中にハンドルを取付け、このハンドルに原動機のスロットル開度を調整するスロットルレバー及びこのスロットルレバーの作動を規制するロックレバーを設けた刈払機において、前記スロットルレバーは、前記ハンドルにスイング自在に取付けるための第1ハンドル取付部と、原動機側にスロットルケーブルで連結するために第1ハンドル取付部から延ばしたケーブル連結アームと、手を掛けて操作するために第1ハンドル取付部から延ばしたスロットルレバー操作部と、このスロットルレバー操作部の途中から延ばした突出部とを備え、且つスロットル開度を小さくする回転方向に第1のばねで付勢したものであり、前記ロックレバーは、前記ハンドルにスイング自在に取付けるための第2ハンドル取付部と、手で操作するために第2ハンドル取付部から延ばしたロックレバー操作部と、前記スロットルレバーのスイングを規制するために前記スロットルレバーの突出部の先端に近接するように第2ハンドル取付部から延ばしたロックアーム部と、ロックレバーをスイングさせた後にスロットルレバーをスイングさせたときの前記突出部の先端の軌跡に交わる軌跡を描くように前記ロックアーム部の先端部から側方へ突出させるとともに、スイングさせたロックレバーを戻すことでスイングさせておいたスロットルレバーの突出部と接触させるようにした側方凸部とを備え、且つ前記第1のばねによるスロットルレバーの付勢方向とは反対の回転方向に第2のばねで付勢するようにしたことで、前記第1のばね及び第2のばねの付勢力により、ロックレバーの側方凸部に前記第2ハンドル取付部側を向くように設けられた円弧面が、スロットルレバーの突出部に前記第1ハンドル取付部側を向くように設けられた側面に当たり、前記突出部と側方凸部との摩擦力を高め、スロットルレバーの戻りを規制したことを特徴とする刈払機の操作レバー。
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